JPH0881083A - 紙片搬送装置及び遊技機島 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】遊技機島に対する位置決めや組み付けが容易で
あり、また、遊技機島のユニット化が簡易となり、島構
築の作業性を向上してコストを大幅に低減することがで
きる紙片搬送装置を提供すること。また、施工現場にお
ける工期を短縮でき、更に、島の占有スペースを削減で
きる遊技機島を提供すること。 【構成】紙片搬送装置２０は、遊技機島１０内の前後面
側に、該前後面側にてそれぞれ取り込まれた紙片を別々
に搬送する一対の紙片搬送ライン２１ａ，２１ｂを、片
方ずつ互いに分離して配設してなる。また、島上段１０
Ａを、一対の紙片搬送ライン２１ａ，２１ｂを片方ずつ
予め配した前後面側の島上段半体ユニット９ａ，９ｂに
分けて構成した。また、島中段１０Ｂは、背中合わせに
複数の遊技機１１を、それらの背面間に他の遊技関連設
備を介在させず互いに対接させた状態で横方向に延びる
よう列設してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、背中合わせに複数の遊
技機を横方向に並設してなる遊技機島に装備され、該島
の前面側及び背面側よりそれぞれ島内に取り込まれる紙
片を、前後の各遊技機列に沿った横方向に別々に搬送す
る紙片搬送装置と、該紙片搬送装置を装備した遊技機島
に関する。ここで遊技機とは、主としてパチンコ台であ
り、また紙片とは、パチンコ球と交換する紙幣等が該当
する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の紙片搬送装置としては、例
えば、図８〜図１０に示すように、遊技機島６内の中心
付近に沿って長手方向に延びるように装備されたものが
知られている。かかる紙片搬送装置１は、図１１に示す
ように、回転駆動する丸ベルト４と多数の対をなす小プ
ーリー５との間に紙幣等の紙片を挾持して、摩擦力によ
り紙片を順送りに搬送する装置であり、その長手方向に
直交する左右両側から受け入れる紙片を単一の搬送ライ
ン２にて合流搬送するように構成されている。

【０００３】紙片搬送装置１を装備した遊技機島６は、
図９に示すように、パチンコ台７を背中合せにした状態
で横方向に複数並設して構成されており、島前面側で一
列に並ぶパチンコ台列７Ａと島後面側で一列に並ぶパチ
ンコ台列７Ｂとの各背面間は離隔するよう配置されてい
る。すなわち、各パチンコ台列７Ａ，７Ｂの背面間スペ
ースに、左右両側の球貸し機８からそれぞれ送り出され
た紙幣を島横方向に合流搬送する前記紙片搬送装置１が
配設されている。

【０００４】このように、各パチンコ台列７Ａ，７Ｂ間
には、紙片搬送装置１を配設するスペースをある程度広
く確保する必要があり、結局、島全体の奥行幅Ｌは、少
なくともパチンコ台７の２台分に相当する奥行幅に紙片
搬送装置１を加味した大きさに設定する必要があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の紙片搬送装置１では、左右両側から受け入れる
紙幣を単一の搬送ライン２にて合流搬送するよう構成す
るから、紙片搬送装置１を遊技機島６内の中心付近に沿
って正確に配置させる必要があり、高い組み付け精度が
要求されるため、組み付けに多大な時間がかかる等、コ
ストを低減する際に大きな支障になるという問題点があ
った。

【０００６】また、遊技機島６を予め工場で、例えば、
島前面側と島後面側とに分けるような各ユニット毎に製
作するような場合、前記紙片搬送装置１が丁度島中心付
近に配置される関係上、該紙片搬送装置１は予めどちら
か一方のユニットに組み付けることになる。従って、遊
技店等の現場にて島を構築する際には、一方のユニット
に組み付けられた紙片搬送装置１に対する他方のユニッ
トの位置決めが精度を要して面倒であり、やはり迅速な
島施工が困難であるという問題点が生じる虞れがあっ
た。

【０００７】更に、前述した従来の遊技機島６では、そ
の奥行幅Ｌが、パチンコ台７の２台分に紙片搬送装置１
を加味した大きさとなり、営業上パチンコ台７を増やし
たくても狭い店内では、フロアに設置できる島数が限定
されてしまうという不具合を呈していた。このような事
情に鑑み、島の奥行方向の占有スペースを減らして、そ
の分、フロア上に設置できる島数を増やせるような省ス
ペース型遊技機島の開発が切望されていた。

【０００８】本発明は、このような従来技術の有する問
題点に着目してなされたもので、配設する側の遊技機島
に対する位置決めや組み付けが容易であり、また、遊技
機島のユニット化が簡易となり、島構築の作業性を向上
してコストを大幅に低減することができる紙片搬送装置
を提供することを目的としている。また、施工現場にお
ける工期を短縮でき、更に、島の占有スペースを削減で
きて、省スペース化の要請に応じることができる遊技機
島を提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、以下の各項に存す
る。

【００１０】１ 背中合わせに複数の遊技機（１１）を
横方向に並設してなる遊技機島（１０）に装備され、該
島の前面側及び後面側よりそれぞれ島内に取り込まれる
紙片を、前後の各遊技機列に沿った横方向に別々に搬送
する紙片搬送装置（２０）であって、遊技機島（１０）
内の前面側及び後面側に、該前後面側にてそれぞれ取り
込まれた紙片を別々に搬送する一対の紙片搬送ライン
（２１ａ，２１ｂ）を、片方ずつ互いに分離して配設し
たことを特徴とする紙片搬送装置（２０）。

【００１１】２ 前記各遊技機列の上側に位置する島上
段外壁に紙片投入口（２１）を開設し、該紙片投入口
（２１）から送り出された紙片を受け入れ搬送するよう
構成したことを特徴とする１項記載の紙片搬送装置（２
０）。

【００１２】３ 前記紙片投入口（２１）を、斜め下方
に向けて開口するように開設したことを特徴とする２項
記載の紙片搬送装置（２０）。

【００１３】４ 島上段内に１項，２項または３項記載
の紙片搬送装置（２０）を配設した遊技機島（１０）で
あって、前記島上段（１０Ａ）を、一対の紙片搬送ライ
ン（２１ａ，２１ｂ）を片方ずつ予め配した前面側及び
後面側の島上段半体ユニット（９ａ，９ｂ）に分けて構
成したことを特徴とする遊技機島（１０）。

【００１４】５ 島上段（１０Ａ）内に１項，２項また
は３項記載の紙片搬送装置（２０）を配設した遊技機島
（１０）であって、前記島上段（１０Ａ）の下側に位置
する島中段（１０Ｂ）は、背中合わせに複数の遊技機
（１１）を、それらの背面間に他の遊技関連設備を介在
させず互いに対接させた状態で横方向に延びるよう列設
してなり、背中合せに対接させた遊技機（１１）の２台
分に相当する奥行幅に構成したことを特徴とする遊技機
島（１０）。

【００１５】

【作用】本発明に係る紙片搬送装置（２０）は、遊技機
島（１０）内の前面側及び後面側に一対の紙片搬送ライ
ン（２１ａ，２１ｂ）を互いに分離して配設してなるか
ら、島の前面側及び後面側よりそれぞれ島内に取り込ま
れる紙片を、別々に横方向に搬送することができる。

【００１６】このように紙片搬送装置（２０）は、島の
前面側及び後面側にて２つに分割させた搬送ライン（２
１ａ，２１ｂ）を、それぞれ独立に構成することができ
るため、各搬送ライン（２１ａ，２１ｂ）を互いに対応
すべく正確に位置決めして島内に配設する必要はなく、
組み付けを容易に行なうことができる。

【００１７】また、紙片搬送装置（２０）を装備する遊
技機島（１０）を、島前面側と島後面側とに分けるよう
な各ユニット毎に製作する場合、紙片搬送装置（２０）
は島中心付近を境に各紙片搬送ライン（２１ａ，２１
ｂ）に分離できるから、予め前後のユニットの一部とし
て組み付けておくことができる。

【００１８】遊技機島（１０）の島上段（１０Ａ）を、
一対の紙片搬送ライン（２１ａ，２１ｂ）を片方ずつ予
め配した前面側及び後面側の島上段半体ユニット（９
ａ，９ｂ）に分けて構成すれば、島構築の作業性を向上
させることができて、島施工現場における工期を大幅に
短縮することがてきる。

【００１９】また、前記紙片搬送装置（２０）を、島上
段（１０Ａ）外壁に紙片投入口（２１）を開設し、該紙
片投入口（２１）から送り出された紙片を受け入れ搬送
するよう構成すれば、紙片投入口（２１）のみならず紙
片判別機等の関連器機を、スペース的な余裕に乏しい遊
技機列途中に介装しなくてすむ。また、前記紙片投入口
（２１）を、斜め下方に向けて開口するように開設すれ
ば、島上段（１０Ａ）の下方位置より紙片を容易に投入
することができる。

【００２０】前記紙片搬送装置（２０）を装備した遊技
機島（１０）において、背中合わせに複数の遊技機（１
１）をそれらの背面間に他の遊技関連設備を介在させ
ず、互いに対接させた状態で横方向に延びるよう列設す
れば、島中段（１０Ｂ）は背中合せに対接させた遊技機
（１１）の２台分に相当する奥行幅に抑えられる。

【００２１】このように、島全体の奥行幅をほぼ決定す
る島中段（１０Ｂ）を薄型化することにより、島の占有
スペースを大幅に削減することができる。それにより、
所定のフロア面積当たり、より多くの島を設置すること
ができ、延ては省スペース化の要請に応じることができ
るため、例えば、狭い店内でも奥行方向により多くの遊
技機（１１）を装備できる等、営業上極めて有利とな
る。

【００２２】

【実施例】以下、図面に基づき本発明の一実施例を説明
する。図１〜図７は本発明の一実施例を示している。図
１及び図４に示すように、紙片搬送装置２０は、遊技機
島１０の島上段１０Ａに配設されており、島１０の前面
側及び後面側よりそれぞれ島１０内に取り込まれる紙幣
を、前後の各遊技機列に沿って横方向に別々に搬送する
装置である。ここで遊技機島１０は、横方向に並設され
る複数のパチンコ機（遊技機）１１と、各パチンコ機１
１で使うパチンコ球（遊技媒体）や該パチンコ球の貸出
しと引き換えに取り込まれる紙幣を処理する遊技関連設
備（遊技媒体貸機１７，研磨装置４０等）とから構成さ
れている。

【００２３】紙片搬送装置２０は、島上段１０Ａの前面
側及び後面側に、該前後面側にてそれぞれ取り込まれた
紙幣を別々に搬送する一対の紙片搬送ライン２１ａ，２
１ｂを、片方ずつ互いに分離して配設したものである。
更に詳しく言えば、紙片搬送装置２０は、それぞれ独立
に構成されて長手方向に延びる一対のハウジング２１，
２１を有し、各ハウジング２１の略中央の隙間が紙片搬
送ライン２１ａ，２１ｂとして形成されている。

【００２４】図２及び図３に示すように、ハウジング２
１の一側壁には、紙片搬送ライン２１ａ（２１ｂ）を臨
むようにプーリー２２が軸支されており、他側壁には、
紙片搬送ライン２１ａ（２１ｂ）を臨み前記プーリー２
２に対向するよう押圧ローラー２３が軸支されている。
プーリー２２には、紙片搬送ライン２１ａに導入された
紙幣に接触し搬送する丸ベルト２４が掛け渡されてい
る。また、押圧ローラー２３は、丸ベルト２４に弾撥的
に当接するようバネ等により付勢されている。

【００２５】ハウジング２１の要所には、図１及び図４
に示すように、複数のパチンコ台１１毎に対応すべくガ
イド通路部８０が設けられている。かかるガイド通路部
８０は、パチンコ球の貸出しと引き換えに取り込まれる
紙幣を、その表裏面が上下方向に沿う縦姿勢で前記紙片
搬送ライン２１ａ（２１ｂ）内に導入するための通路状
部材であり、その適所には紙幣を送り込むローラーユニ
ット８０ａが設けられている。

【００２６】ガイド通路部８０の始端側は、島上段１０
Ａの外壁をなすカバー部材９０に開設された紙片投入口
８１に連通している。紙片投入口８１は、図１に示す如
く、斜め下方に向けて開口するように開設されている。
また、ガイド通路部８０の途中には紙幣判断手段９６が
設けられている。紙幣判断手段９６は、遊技客が紙片投
入口８１に投入した紙幣を磁気・光方式で特定し、その
紙幣金額に対応する信号を球貸し機１７に出力するもの
である。なお、ハウジング２１の終端側には、図示省略
したが、送られきた紙幣を整頓積層した状態で収納する
公知の紙幣スタッカ装置が配されている。

【００２７】以上の紙片搬送装置２０は、遊技機島１０
の島上段１０Ａの外壁をなすカバー部材９０内に配設さ
れている。図６に示すように、島上段１０Ａは、一対の
紙片搬送ライン２１ａ，２１ｂを片方ずつ予め配した前
面側及び後面側の島上段半体ユニット９ａ，９ｂに分け
て構成されている。更に詳しく言えば、カバー部材９０
は、各パチンコ台１１の正面よりも多少せり出させて傾
斜した正面部９１と、前後の正面部９１の上端を覆う円
弧形断面の天井部９２とを有する。そして、天井部９２
がその長手方向に延びる中心線に沿って２分割されてい
る。

【００２８】島上段半体ユニット９ａ，９ｂのそれぞれ
の天井部９２の片割れに、紙片搬送装置２０の各ハウジ
ング２１がそれぞれ独立に取付けられている。また、図
１及び図５に示すように、島上段半体ユニット９ａ，９
ｂのそれぞれの正面部９１の適所に、前記紙片投入口８
１が下向きに開設されている。島上段半体ユニット９
ａ，９ｂは、後述する島中段１０Ｂの上端面に沿って装
着された繋ぎユニット９３上で、一つに合さるように配
設されている。

【００２９】また、繋ぎユニット９３と島上段１０との
境付近には、各パチンコ台１１にパチンコ球を供給する
補給樋７０が配設されている。かかる補給樋７０は、次
述する島中段１０Ｂをなす各パチンコ台１１のすぐ上に
沿って、揚送機構６０の上端部のパチンコ球排出口６７
に接続された上流端７０ａから島端まで延びた下流端７
０ｂにかけて緩やかに下方に傾斜するよう配されてい
る。

【００３０】補給樋７０の途中数箇所には、各パチンコ
台１１に対応した供給部材７１が取付けられており、各
供給部材７１とパチンコ台１１とはパチンコ球が流下す
るジャバラ状の連通部材７２で接続されている。なお、
島上段１０側には従来技術における開閉可能な幕板はな
く、その代り、繋ぎユニット９３の内側に位置する連通
部材７２の球詰まりを解消すべく、該連通部材７２を突
つける棒状部材９５が操作可能に設けられている。

【００３１】島中段１０Ｂは、背中合わせに複数のパチ
ンコ台１１を、それらの背面間に他の遊技関連設備を介
在させず互いに対接させた状態で横方向に延びるよう列
設してなる。従って、島中段１０Ｂは、図１に示すよう
に背中合せに対接させたパチンコ台１１の２台分に相当
する奥行幅Ｌ₁ に構成されている。また、図４に示すよ
うに、横方向に並ぶ各パチンコ台１１の間には、球貸機
１７が介装されている。

【００３２】パチンコ台１１は、パチンコ球をハンドル
１２の操作によって盤面上に打ち出し、パチンコ球の入
賞を競うものであり、正面側にはパチンコ球を機内に導
入する前皿１３や、パチンコ球貯留用の予備皿１４が設
けられている。球貸機１７は、紙幣判断手段９６（図１
参照）からの信号を受けた際に、相当数の球を計数しつ
つ払い出すものである。

【００３３】図７に示すように、パチンコ台１１の後面
側には、役物に使われるＣＲＴ等の嵩ばる特定部品１５
が出っ張っているが、背中合わせの２台のパチンコ台１
１は、これらの特定部品１５が互いに回避する状態でう
まく対接すべく配されている。２台のパチンコ台１１の
後面側は互いにぴったりと当ててもよく、また多少隙間
を開けてるように対接させてもかまわない。何れにせ
よ、前後２列のパチンコ台１１の背面間には、他の遊技
関連設備を介装する余地はなく、従来この背面間に介装
されていた紙片搬送装置２０は、前述した如く島上段１
０Ａ側に配設されている。

【００３４】また、前記島上段１０Ａ及び島中段１０Ｂ
を支える島下段１０Ｃは、各パチンコ台１１から排出さ
れるパチンコ球や、島端または島中に介装されたパチン
コ球計数機（図示せず）等から補給された多量のパチン
コ球をそのまま貯留する箱状枠形に形成されている。す
なわち、島下段１０Ｃ自体が全体的に、従来の下部貯留
タンクの役割を果しているため、島下段からは下部貯留
タンクが除去されている。更に詳しく言えば、島下段１
０Ｃは、腰板３０、底板３１、及び天板３２に囲まれた
箱状枠形に形成されている。図１及び図４に示すよう
に、箱状枠内の上側には、各遊技機１１から排出された
パチンコ球を受け、一方向に流下させる球受樋３８が配
設されている。

【００３５】箱状枠内の中程には、球受樋３８から流れ
出たパチンコ球を研磨する研磨装置４０が配設されてい
る。図４に示すように、研磨装置４０は、球受樋３８と
は逆向きに緩やかに傾斜するよう横方向に延設されてお
り、球受樋３８から流れ出た球を上下の搬送兼研磨ベル
ト４１，４２で弾撥的に挾持して、研磨しながら同一方
向へ搬送する装置である。また、底板３１上には、傾斜
方向にパチンコ球を移送する回転可能な螺旋状体５０が
配設されている。螺旋状体５０の一端部５０ａは駆動モ
ータ５１の出力軸に連結されている。

【００３６】螺旋状体５０の他端部５０ｂ側には、島下
段１０Ｃから島上段１０Ａにパチンコ球を揚送する揚送
機構６０が配設されている。かかる揚送機構６０は、島
１０内の適所に立設された管状体６１と、該管状体６１
内の上側に配され、図示省略したモータにより回転駆動
する駆動スプロケット６２と、管状体６１内の上側に配
された従動スプロケット６３と、両スプロケット６２，
６３に巻き掛けられたチェーン部材６４とを具備してな
る。チェーン部材６４の数多の連結部には、パチンコ球
用のバケット６５，６５…が固設されている。管状体６
１の上端にはパチンコ球排出口６７が開設され、かかる
パチンコ球排出口６７には、前記補給樋７０の上流端７
０ａが接続されている。

【００３７】次に作用を説明する。図１に示すように、
紙片搬送装置２０は、遊技機島１０内の前後面側に一対
のハウジング２１，２１、すなわち紙片搬送ライン２１
ａ，２１ｂを互いに分離して配設してなるから、該紙片
搬送装置２０を配設する島上段１０Ａを、図６に示すよ
うに、予め一対のハウジング２１，２１を片方ずつ備え
た島上段半体ユニット９ａ，９ｂに分けて構築できる。

【００３８】各紙片搬送ライン２１ａ，２１ｂは、それ
ぞれ独立に紙幣を搬送し得るものであり、互いに別個独
立であるため、各搬送ライン２１ａ，２１ｂの互いの位
置関係を厳密に考慮する必要はなく、それぞれ島上段半
体ユニット９ａ，９ｂに対して容易に組み付けることが
できる。かかる島上段半体ユニット９ａ，９ｂは規格化
して、工場等にて大量生産することが可能であり、各種
周辺器機類や電気配線等も自前に各ユニット９ａ，９ｂ
に組み付けておけばよい。

【００３９】紙片搬送装置２０を含む島上段１０Ａをユ
ニット化することで、遊技店等の据付現場への輸送や搬
入を極めて容易に行なうことができ、また、速やかに構
築できて簡易かつ能率的に工事を行なうことが可能であ
り、工期を大幅に短縮することができる。しかも、設備
の増減や模様替えの際における島上段１０Ａの分解・組
み立ても容易に行なうことができる。

【００４０】遊技機島１０が完成した後において、該島
１０の前面側及び後面側よりそれぞれ島１０内に取り込
まれ紙幣は、島内前後に位置する一対の紙片搬送ライン
２１ａ，２１ｂによって別々に搬送される。更に詳しく
言えば、一方のハウジング２１について代表して説明す
ると、先ず遊技客が島上段１０Ａにある紙片投入口８１
に紙幣を入れると、紙幣はガイド通路部８０内を送られ
る。紙片投入口８１を、図示した如く斜め下方に向けて
開設したから、遊技客は島上段１０Ａの下方位置より紙
幣を容易に投入することができる。

【００４１】続いて、紙幣は紙幣判断手段９６により真
偽や種類が判断され、真正な札の場合には、ガイド通路
部８０内の紙幣はローラーユニット８０ａによりハウジ
ング２１内の紙片搬送ライン２１ａに送り出される。こ
の時、紙幣判断手段９６は紙幣額に相当する所定信号を
球貸し機１７に出力し、それにより、該球貸し機１７が
作動してパチンコ球が払い出される。

【００４２】紙片投入口８１のみならず紙幣判別手段９
６を、島上段１０Ａにまとめて配設したから、これらの
部材をスペース的な余裕に乏しい島中段１０Ｂのパチン
コ台列の途中に介装しなくてすむ。紙片搬送ライン２１
ａ内に送り出された紙幣は、両側の丸ベルト８５と押圧
ローラー８４との間に挾持され、丸ベルト８５の回転駆
動に伴って、島端側に順送りされ、最終的には図示省略
した紙幣スタッカ装置に収納される。

【００４３】以上の紙片搬送装置２０は島上段１０Ａ内
に配設されるが、その下側に位置する島中段１０Ｂは、
図７に示すように、背中合わせに複数のパチンコ台１１
を、それらの背面間に他の遊技関連設備を介在させず互
いに対接させた状態で、２列が横方向に延びるように列
設して構築する。前後２列のパチンコ台１１の背面間に
は、他の遊技関連設備を介装する余地はなく、島中段１
０Ｂは、背中合せに対接させたパチンコ台１１の２台分
に相当する奥行幅Ｌ₁ となる。

【００４４】このように、島全体の奥行幅をほぼ決定す
る島中段１０Ｂを極力薄型化することにより、これに対
応させて前述の島下段１０Ｃをも薄型化することが可能
となる。それにより、島１０の占有スペースを大幅に削
減することができ、所定のフロア面積当たり、より多く
の島１０を設置することができ、延ては省スペース化の
要請に応じることができるため、例えば、狭い店内でも
奥行方向にはより多くのパチンコ台１１を装備できる
等、営業上極めて有利となる。

【００４５】以下、遊技機島１０におけるパチンコ球の
流れについても簡単に説明する。先ず遊技客は紙幣と引
き換えにパチンコ球を手に入れ、かかるパチンコ球をパ
チンコ台１１の前皿１３に導入した後、パチンコ球をハ
ンドル１２操作によって盤面上に打ち出して入賞を競
う。入賞を逸したパチンコ球等、パチンコ台１１から排
出されたパチンコ球は、球受樋３８を流下した後、研磨
装置４０の上下の搬送ベルト４１，４２間に挟まれて、
搬送されつつ研磨される。

【００４６】このように研磨されたパチンコ球は、島下
段１０Ｃ内にそのまま貯留され、螺旋状体５０の回転に
より揚送機構６０の下端部に移送される。螺旋状体５０
によって、島下段１０Ｃ内のパチンコ球はスムーズに横
方向移動して島内を循環する。続いてパチンコ球は、揚
送機構６０の回転駆動するチェーン部材６４に多数固設
されたバケット６５，６５…によりすくい上げられて島
上段１０Ａに揚送され、補給樋７０を流下つつ各パチン
コ台１１に還元される。なお、複数のパチンコ台１１，
１１…や、遊技関連設備である研磨装置４０，螺旋状体
５０，揚送機構６０，紙片搬送装置２０等は、制御手段
により集中管理されている。

【００４７】なお、本発明に係る遊技機島は具体的に図
示した実施例に限定されるものではない。また、紙片搬
送装置２０により搬送される被搬送物は、紙幣に限られ
るものではなく、例えば、プリペイドカードやリサイク
ルカード等の他の紙片であってもよい。また、遊技機は
パチンコ台に限定されるものではなく、例えば、遊技媒
体にメダルを用いるスロットマシン等でもかまわない。

【００４８】

【発明の効果】本発明に係る紙片搬送装置によれば、遊
技機島内の前面側及び後面側に、該前後面側にて紙片を
別々に搬送する一対の紙片搬送ラインを、片方ずつ互い
に分離させたから、各搬送ラインをそれぞれ別個独立に
配設することができ、しかも各搬送ラインの互いの位置
関係を厳密に考慮する必要はなく、それぞれ島内に簡易
かつ迅速に組み付けることができ、コストを大幅に低減
することができる。

【００４９】また、前記紙片搬送装置を装備した遊技機
島において、島上段を、一対の紙片搬送ラインを片方ず
つ予め配した前面側及び後面側の島上段半体ユニットに
分けて構成すれば、島構築の作業性を向上することがで
き、島の施工現場における工期を大幅に短縮することが
できる。

【００５０】更に、前記紙片搬送装置を装備した遊技機
島において、背中合わせに複数の遊技機を、それらの背
面間に他の遊技関連設備を介在させず互いに対接させた
状態で横方向に延びるよう列設して、島全体の奥行幅を
ほぼ決定する島中段を薄型化すれば、島の占有スペース
を大幅に削減することが可能であり、省スペース化の要
請に応じることができ、所定のフロア面積当たりより多
くの島を設置することができ、営業上極めて有利とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る紙片搬送装置及び遊技
機島を概略的に示す横断面図である。

【図２】本発明の一実施例に係る紙片搬送装置を構成す
る一方のハウジングを示す正面図である。

【図３】図２のII−II線断面図である。

【図４】本発明の一実施例に係る遊技機島の島上段及び
島下段の内部構造を概略的に示す正面図である。

【図５】本発明の一実施例に係る遊技機島を示す正面図
である。

【図６】本発明の一実施例に係る遊技機島の島上段半体
ユニットを概略的に示す横断面図である。

【図７】本発明の一実施例に係る遊技機島の島中段を示
す平面図である。

【図８】従来の遊技機島を示す側面図である。

【図９】従来の遊技機島の島中段を示す平面図である。

【図１０】従来の遊技機島を示す斜視図である。

【図１１】従来の紙片搬送装置を示す斜視図である。

【符号の説明】

１０…遊技機島 １０Ａ…島上段 １０Ｂ…島中段 １０Ｃ…島下段 １１…パチンコ台（遊技機） ２０…紙片搬送装置 ２１…ハウジング ２１ａ，２１ｂ…紙片搬送ライン

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】背中合わせに複数の遊技機を横方向に並設
   してなる遊技機島に装備され、該島の前面側及び背面側
   よりそれぞれ島内に取り込まれる紙片を、前後の各遊技
   機列に沿った横方向に別々に搬送する紙片搬送装置であ
   って、 遊技機島内の前面側及び後面側に、該前後面側にてそれ
   ぞれ取り込まれた紙片を別々に搬送する一対の紙片搬送
   ラインを、片方ずつ互いに分離して配設したことを特徴
   とする紙片搬送装置。
2. 【請求項２】前記各遊技機列の上側に位置する島上段外
   壁に紙片投入口を開設し、該紙片投入口から送り出され
   た紙片を受け入れ搬送するよう構成したことを特徴とす
   る請求項１記載の紙片搬送装置。
3. 【請求項３】前記紙片投入口を、斜め下方に向けて開口
   するように開設したことを特徴とする請求項２記載の紙
   片搬送装置。
4. 【請求項４】島上段内に請求項１，２または３記載の紙
   片搬送装置を配設した遊技機島であって、 前記島上段を、一対の紙片搬送ラインを片方ずつ予め配
   した前面側及び後面側の島上段半体ユニットに分けて構
   成したことを特徴とする遊技機島。
5. 【請求項５】島上段内に請求項１，２または３記載の紙
   片搬送装置を配設した遊技機島であって、 前記島上段の下側に位置する島中段は、背中合わせに複
   数の遊技機を、それらの背面間に他の遊技関連設備を介
   在させず互いに対接させた状態で横方向に延びるよう列
   設してなり、背中合せに対接させた遊技機２台分に相当
   する奥行幅に構成したことを特徴とする遊技機島。