JPH0880547A - 射出成形金型用突出しピン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 型開き時に成形品が確実に保持できる射出成
形金型用突出しピンを提供する。 【構成】 突出しピン１の先端に、突出しピン１の外径
より小さい外径を有する小径部１１が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、射出成形金型に用いら
れる突出しピン、特に成形品の突出し時に、成形品を保
持するために用いられる射出成形金型用突出しピンに関
する。

【０００２】

【従来の技術】成形品の射出成形加工において、ロボッ
トによる自動取り出しが行われているが、ロボットのア
ームによる成形品の把持を確実に行うためには、型開き
時に突出しピンにより突き出された成形品が落下しない
ように、突出しピンによる成形品の保持が確実に行われ
ることが必要である。

【０００３】従来、上記の突出しピンによる成形品の保
持の手段としては、図５に示す成形品のスプルー、或い
はランナー保持用の突出しピンのように、突出しピン１
００の先端の上方にアンダーカット部１０１を有する係
止部１０２を設けて、成形品１０３のスプルー１０４の
裏側に突起１０５を形成し、係止部１０２により保持す
る手段が用いられている。又、図６に示す成形品の保持
用の突出しピンのように、突出しピン２００の先端の上
方の一部に凹部２０１を有する係止部２０２を設けて、
成形品２０３の裏側に突起２０４を形成し、この突起２
０４を突出しピン２００の先端で引っ掛けて保持する手
段も用いられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の図５に示す突出しピン１００においては、突出しピ
ン１００が回転してアンダーカット部１０１の向きが変
わると成形品１０３が落下するといった問題や、成形品
１０３に形成されたアンダーカット部にノッチが入って
破損し、成形品１０３の落下につながるといった問題が
ある。

【０００５】又、後者の図６に示す突出しピン２００に
おいては、上記と同様突出しピン２００が回転して向き
が変わると、係止部２０２より成形品２０３が外れて落
下につながるといった問題や、更に、この突出しピン２
００の裏面が成形品２０３の意匠面の場合、引けが発生
して外観を損ねる恐れがある。

【０００６】本発明は、上記のこのような問題点に着眼
してなされたものであり、その目的とするところは、こ
れらの問題点を解消し、型開き時に成形品が確実に保持
できる射出成形金型用突出しピンを提供するものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の射出成形金型用
突出しピンにおいては、突出しピンの先端に、突出しピ
ンの外径よりも小さい外径を有する小径部が設けられて
いることを特徴とする。

【０００８】本発明の射出成形金型用突出しピンに用い
られる材料は、例えば、ＳＫＨ５１、ＳＫＤ６１といっ
たハイス鋼やダイス鋼が好適に用いられ、これらの材料
は表面硬度を上げるために、窒化処理や高周波焼入れと
いった熱処理が施されて用いられるのが好ましい。

【０００９】本発明の射出成形金型用突出しピンにおい
て、小径部の軸方向における高さ、及びこの小径部に形
成される成形品の円筒部の肉厚さは、１．０〜１．２ｍ
ｍが好ましい。又、突出しピンからのロボットによる取
り出しに要する引っ張り力の調整は、小径部の外周の仕
上げ粗さ、或いは抜き勾配により行うことができる。

【００１０】

【作用】本発明の射出成形金型用突出しピンにおいて
は、突出しピンの先端に、小径部が設けられていること
により、型開き時に成形品が確実に保持できる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は、本発明の射出成形金型用突出しピンの一
例を示す側面図であり、成形品のランナー部の保持の例
を示すものである。図１において、１は突出ピンであ
り、この突出ピン１の先端部には、突出ピン１の外径よ
りも小さい外径を有する小径部１１が設けられている。
成形品本体２０を挟んで、この突出しピン１の反対側に
は、溶融樹脂のランナー２１が設けられている。

【００１２】この成形品本体２０と突出しピン１との間
には、突出部２２が設けられ、この突出部２２の先端が
突出しピン１の先端の小径部１１に入り込むことによ
り、円筒部２３を形成するようになっている。又、突出
しピン１が仮に回転した場合においても、小径部１１が
円形状となっているので、成形品本体２０を保持する上
において、何ら影響を及ぼすことがない。

【００１３】この薄肉状の円筒部２３は、金型の冷却に
より熱溜まりとなっている突出部２２よりも、早期に冷
却され、収縮により突出しピン１の先端の小径部１１に
密着された状態となる。従って、突出しピン１は、型開
き時に成形品本体２０を突き出して金型より離すと同時
に、成形品本体２０を保持した状態に保ち、ロボットに
引き渡すことが可能となる。

【００１４】図２は、本発明の射出成形金型用突出しピ
ンの他の例を示す側面図であり、ランナー部の保持を複
数の突出しピンにより行う例を示すものである。図２に
おいて、成形品本体３０に設けられたランナー３１の反
対側には、突出しピン２が設けられ、更に、この突出し
ピン２の上下対称位置に、成形品本体３０部分を保持す
るための突出しピン３、３が設けられている。

【００１５】上記突出しピン２の先端面には小径部２ａ
が設けられ、又、突出しピン３、３の先端にも、突出ピ
ン３、３の外径よりも小さい外径を有する小径部３ａ、
３ａが設けられている。この小径部２ａ、及び３ａ、３
ａの廻りには、成形時に溶融樹脂が充填され、短い円筒
部３３、及び３２、３２が形成される。

【００１６】従って、突出しピン２、及び３、３の先端
の小径部２ａ、及び３ａ、３ａには、円筒部３３、及び
３２、３２の冷却された樹脂が密着することになり、型
開きにより突き出された成形品本体３０を保持すること
が可能である。

【００１７】図３は、本発明の射出成形金型用突出しピ
ンの更に他の例を示す側面図であり、成形品本体の保持
を複数の突出しピンにより行う例を示すものである。図
３において、成形品本体４０に設けられたランナー４１
の反対側には、突出しピン４が設けられ、更に、この突
出しピン４の下方の成形品本体４０の端部に突出しピン
５が設けられている。

【００１８】上記突出しピン４の先端には、突出しピン
の外径よりも小さい直径の小径部凹部４ａが設けられ、
成形時に溶融樹脂がこの小径部４ａの周囲に円筒状に充
填されて円筒部４２を形成する。又、同様に突出しピン
５の先端には、突出しピンの外径よりも小さい直径の小
径部凹部５ａが設けられ、成形時に溶融樹脂がこの小径
部５ａの周囲に円筒状に充填されて円筒部５２を形成す
る。

【００１９】従って、突出しピン４、及び５の先端の小
径部４ａ、及び５ａには円筒部４２、及び４３の冷却さ
れた樹脂が密着することになり、型開きにより突き出さ
れた成形品本体４０を保持することが可能である。又、
成形品本体４０の下端に設けられた突出しピン５は、成
形品本体４０を固定する効果があり、成形品本体４０の
収縮を防止する効果がある。

【００２０】図４は、突出しピンが成形品本体の傾斜部
に設けられた例を示す側面図である。図４において、突
出しピン６は、成形品本体５０の端部近くの傾斜部に設
けられている。従って、この突出しピン６の先端は成形
品本体５０の傾斜に合わせて傾斜した形状に設けられ、
先端の小径部６ａも同様に傾斜した形状となっている。

【００２１】このような成形品本体の傾斜部に設けられ
る突出しピンの場合には、突出しピンに廻り止めを設け
ることにより対処することが可能である。

【００２２】本発明の射出成形金型用突出しピンは、成
形品の形状、大きさ、重量、更には用いられる樹脂の特
性−熱収縮率等によって、適宜に数量や先端の形状、即
ち、小径部、或いは凹部の組合わせを行うことが可能で
ある。

【００２３】

【発明の効果】本発明の射出成形金型用突出しピンにお
いては、突出しピンの先端に、小径部が設けられている
ことにより、上記小径部に樹脂が密着するので型開き時
に成形品が確実に保持できる。従って、射出成形金型用
突出しピンとして好適に用いられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の射出成形金型用突出しピンの一例を示
す側面図。

【図２】本発明の射出成形金型用突出しピンの他の例を
示す側面図。

【図３】本発明の射出成形金型用突出しピンの更に他の
例を示す側面図。

【図４】突出しピンが成形品本体の傾斜部に設けられた
例を示す側面図。

【図５】従来の突出しピンの側面図。

【図６】従来の突出しピンの側面図。

【符号の説明】

１、２、３、４、５、６ 突出ピン ２ａ、 ３ａ、４ａ、５ａ、６ａ、１１ 小径部 ２０、３０、４０、５０ 成形品本体 ２１、３１、４１ ランナー ２２ 突出部 ２３、３２、３３、４３、５１ 円筒部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 突出しピンの先端に、突出しピンの外径
   よりも小さい外径を有する小径部が設けられていること
   を特徴とする射出成形金型用突出しピン。