JPH0880471A - 防水形複層塗材の塗装方法とその上塗組成物 - Google Patents
防水形複層塗材の塗装方法とその上塗組成物Info
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- JPH0880471A JPH0880471A JP24703694A JP24703694A JPH0880471A JP H0880471 A JPH0880471 A JP H0880471A JP 24703694 A JP24703694 A JP 24703694A JP 24703694 A JP24703694 A JP 24703694A JP H0880471 A JPH0880471 A JP H0880471A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 防水形複層塗材において、上塗材の樹脂成分
としてフッ素樹脂を用いた場合に従来より問題となって
いた耐汚染性の欠如を、大幅に改善しうる、新たな結合
材と上塗材の塗装方法およびその塗装方法に適する上塗
材の組成を提供する。 【構成】 着色顔料を含んだ結合材にガラス転移温度T
g50℃以上のフッ素樹脂と、3官能イソシアネート硬
化剤を必須の成分とする、(半)透明上塗材を塗装す
る。 【効果】 防水層としての伸長性や耐候性を損わず、耐
汚染性を飛躍的に向上させることができる。
としてフッ素樹脂を用いた場合に従来より問題となって
いた耐汚染性の欠如を、大幅に改善しうる、新たな結合
材と上塗材の塗装方法およびその塗装方法に適する上塗
材の組成を提供する。 【構成】 着色顔料を含んだ結合材にガラス転移温度T
g50℃以上のフッ素樹脂と、3官能イソシアネート硬
化剤を必須の成分とする、(半)透明上塗材を塗装す
る。 【効果】 防水層としての伸長性や耐候性を損わず、耐
汚染性を飛躍的に向上させることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物外壁の塗材の塗
装方法およびその上塗組成物に関し、更に詳しくは、伸
長性を有して防水効果を示す複層塗材を塗装し、その塗
膜に耐候性を付与するためフッ素樹脂からなる上塗組成
物で更に上塗を施された塗装面で、従来より問題となっ
ていた耐汚染性の欠如及び伸長性の低下を大幅に改良し
た、新既な防水形複層塗材の塗装方法およびそのフッ素
樹脂からなる上塗組成物に関する。
装方法およびその上塗組成物に関し、更に詳しくは、伸
長性を有して防水効果を示す複層塗材を塗装し、その塗
膜に耐候性を付与するためフッ素樹脂からなる上塗組成
物で更に上塗を施された塗装面で、従来より問題となっ
ていた耐汚染性の欠如及び伸長性の低下を大幅に改良し
た、新既な防水形複層塗材の塗装方法およびそのフッ素
樹脂からなる上塗組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】伸長性を有して防水効果を示す建築物外
壁および屋根用の複層塗材は、防水効果の大きい点に加
えて、コンクリートやモルタル塗壁面に必然的に生じる
亀裂現象による歪みをその塗膜で吸収し、表面美観の亀
裂発生による損傷をも防ぎうるため、現在広汎に使用さ
れている。複層塗材は一般的に結合材と上塗材とからな
り、結合材は、その良好な伸長性に因る防水効果を担
い、上塗材は、塗膜となった結合材の保護と、有色顔料
の含有による表面着色および耐候性の向上を担うものと
されている。一般には、複層塗材の結合材は、アクリル
系および/または酢酸ビニル系の合成樹脂エマルジョン
をバインダーとし、それに炭酸カルシウム、酸化アルミ
ニウム、タルク、微粉末ケイ砂等の体質顔料、岩綿等の
繊維質顔料、酸化チタン、亜鉛華等の隠蔽力を向上させ
るための白色顔料等の顔料類、更に保存安定性や塗装適
性および塗膜強度を向上させるための種々の添加剤およ
び伸長性を更に増すための可塑剤等から構成されてお
り、常温のみならず低温においても良好な伸長性を示す
ように、材料の選択およびその配合が考慮されている。
日本工業規格では、屋根防水用途にJISA6021、
壁面防水用途にJISA6910で、結合材に更に上塗
材を塗布した防水塗膜の伸長性を含む種々の品質基準が
厳格に定められており、伸長性を数値として把握するた
めのパラメータである伸び率(%)は、たとえばJIS
A6021では、−20℃で70%以上および20℃で
180%以上、JISA6910では、−10℃で20
%以上および20℃で120%以上などと定められてい
る。これらの基準に合致するためには、結合材に使用す
るアクリル系および/または酢酸ビニル系の合成樹脂エ
マルジョンのガラス転移温度は極力低く抑えねばなら
ず、結合材の不揮発分中の顔料濃度も低く抑える必要が
ある。現在、JISA6910に定める防水材の伸び率
の品質基準を満たす結合材は広く市販されており、「ラ
フトン弾性ジャンボ」(スズカファイン(株)製品)、
「DNT弾性タイル#200ベース」(大日本塗料
(株)製品)、「ニッペDANタイル」(日本ペイント
(株)製品)等を、その代表的な銘柄として挙げること
ができる。これらは、コンクリート面、モルタル仕上げ
面等の無機基材表面に、そのまま、あるいはシーラーま
たはプライマーと称される下地調整材の塗布の後に、モ
ルタルガン、リシンガン、タイルガン等の吹付機か、あ
るいは多孔質ローラーにて塗装され、乾燥後に上塗材が
更に塗装される。結合材の塗着量は、一般的に1kg/
m2 〜5kg/m2 の範囲であり、これは塗膜厚に換算
するとほぼ0.6mm〜3mmの範囲に相当するが、表
面形状が平滑でない場合が多いため、実際の塗膜厚の分
布は更に広い。尚、シーラーまたはプライマーは、主と
して無機基材への結合材の付着性向上を目的として塗布
されるもので、無機基材と結合材の双方に高い親和性を
有するものでなければならない。一般的には結合材に使
用したものと同種のアクリル系および/または酢酸ビニ
ル系の合成樹脂エマルジョンや塩素化ポリエチレン、塩
素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィンの有機溶
剤溶液、更にはエポキシ樹脂の有機溶剤溶液、および必
要に応じてその架橋剤としてのポリアミド・アミン樹脂
の有機溶剤溶液との組合せ等が好適なシーラーの例とし
て挙げられ、併せて、消泡、無機基材への過度の浸透の
防止あるいは隠蔽力の向上等の目的のため、顔料やその
他の塗料添加剤が混合される場合もある。もちろん、無
機基材への結合材の付着性向上に寄与する物質であれ
ば、上記に限らず、シーラーまたはプライマーとして使
用することが可能である。シーラーまたはプライマーは
広く市販されており、「水性ピナクル」(スズカファイ
ン(株)製品)、「DNT弾性タイル#200シーラー
S」(大日本塗料(株)製品)、「DANホワイトシー
ラー」(日本ペイント(株)製品)等を、その代表的な
銘柄として挙げることができる。これらのシーラーまた
はプライマーは、刷毛、ローラー、スプレー塗装機等、
公知慣用の全ての塗装手段により無機基材表面に塗装さ
れ、その乾燥、造膜ののちに、前記結合体が塗装され
る。結合材の完全な乾燥と造膜ののちに、最終工程とし
て上塗材が塗装される。上塗材は、結合材と同様の伸長
性に加えて外部環境から結合材を保護するための十分な
耐候性を有することが必要で、そのため用いられる顔料
成分や樹脂成分も耐候性の良好なものが選ばれている。
そのため上塗材の成分として用いられる樹脂は、熱可塑
性長鎖アクリル樹脂、水酸基を有するアクリル樹脂と、
イソシアネート硬化剤の組合せ、アルコキシシリル基を
有するアクリル樹脂、水酸基を有するフッ素樹脂(以
下、「フッ素樹脂」と称する。)とイソシアネート硬化
剤の組合せ等、耐候性の良好なものが主流を占めてい
る。とりわけ、フッ素樹脂とイソシアネート硬化剤の組
合せは、塗膜としての耐候性が他の樹脂を遙かに凌駕す
るため、現在のところ最も優れた耐候性を有する上塗材
用の樹脂として多用されている。この樹脂成分としてフ
ッ素樹脂とイソシアネート硬化剤の組合せを用いた上塗
材に、十分な伸長性を付与するためには、以下の3種の
方法のいずれか、または全てを採る必要があった。 1)フッ素樹脂骨格に、ガラス転移温度(Tg)の低い
モノマー成分を導入しフッ素樹脂自体を、柔かいものに
する。 2)イソシアネート硬化剤に、2官能イソシアネートを
採用し、イソシアネートによる架橋硬化後のフッ素樹脂
を柔かいものにする。 3)上塗材の不揮発分中に占める顔料の比率が高くなる
につれ伸長性が低下するため、これを極力低く抑えるこ
とで上塗材組成物として柔かいものにする。 これらのうち、1)および2)の方法は、塗装面がべと
つき、耐汚染性が極めて悪化するという問題があり、
3)の方法は、顔料の種類により大きく左右されるもの
の、あまり顔料の比率を低く抑えると上塗塗膜の隠蔽力
が低下し、塗装ムラが顕著になるため、実際には、不揮
発分中に占める顔料の比率は20重量%以下にまで低下
させることは困難である。従って、現在までのところ、
防水形複層塗材の上塗材は、塗装ムラを防ぐため2回な
いし3回塗り重ねが必要で、しかもその塗装面は、耐汚
染性に著しく劣る。因みにこれは、凡そ90〜130μ
の膜厚に相当する。
壁および屋根用の複層塗材は、防水効果の大きい点に加
えて、コンクリートやモルタル塗壁面に必然的に生じる
亀裂現象による歪みをその塗膜で吸収し、表面美観の亀
裂発生による損傷をも防ぎうるため、現在広汎に使用さ
れている。複層塗材は一般的に結合材と上塗材とからな
り、結合材は、その良好な伸長性に因る防水効果を担
い、上塗材は、塗膜となった結合材の保護と、有色顔料
の含有による表面着色および耐候性の向上を担うものと
されている。一般には、複層塗材の結合材は、アクリル
系および/または酢酸ビニル系の合成樹脂エマルジョン
をバインダーとし、それに炭酸カルシウム、酸化アルミ
ニウム、タルク、微粉末ケイ砂等の体質顔料、岩綿等の
繊維質顔料、酸化チタン、亜鉛華等の隠蔽力を向上させ
るための白色顔料等の顔料類、更に保存安定性や塗装適
性および塗膜強度を向上させるための種々の添加剤およ
び伸長性を更に増すための可塑剤等から構成されてお
り、常温のみならず低温においても良好な伸長性を示す
ように、材料の選択およびその配合が考慮されている。
日本工業規格では、屋根防水用途にJISA6021、
壁面防水用途にJISA6910で、結合材に更に上塗
材を塗布した防水塗膜の伸長性を含む種々の品質基準が
厳格に定められており、伸長性を数値として把握するた
めのパラメータである伸び率(%)は、たとえばJIS
A6021では、−20℃で70%以上および20℃で
180%以上、JISA6910では、−10℃で20
%以上および20℃で120%以上などと定められてい
る。これらの基準に合致するためには、結合材に使用す
るアクリル系および/または酢酸ビニル系の合成樹脂エ
マルジョンのガラス転移温度は極力低く抑えねばなら
ず、結合材の不揮発分中の顔料濃度も低く抑える必要が
ある。現在、JISA6910に定める防水材の伸び率
の品質基準を満たす結合材は広く市販されており、「ラ
フトン弾性ジャンボ」(スズカファイン(株)製品)、
「DNT弾性タイル#200ベース」(大日本塗料
(株)製品)、「ニッペDANタイル」(日本ペイント
(株)製品)等を、その代表的な銘柄として挙げること
ができる。これらは、コンクリート面、モルタル仕上げ
面等の無機基材表面に、そのまま、あるいはシーラーま
たはプライマーと称される下地調整材の塗布の後に、モ
ルタルガン、リシンガン、タイルガン等の吹付機か、あ
るいは多孔質ローラーにて塗装され、乾燥後に上塗材が
更に塗装される。結合材の塗着量は、一般的に1kg/
m2 〜5kg/m2 の範囲であり、これは塗膜厚に換算
するとほぼ0.6mm〜3mmの範囲に相当するが、表
面形状が平滑でない場合が多いため、実際の塗膜厚の分
布は更に広い。尚、シーラーまたはプライマーは、主と
して無機基材への結合材の付着性向上を目的として塗布
されるもので、無機基材と結合材の双方に高い親和性を
有するものでなければならない。一般的には結合材に使
用したものと同種のアクリル系および/または酢酸ビニ
ル系の合成樹脂エマルジョンや塩素化ポリエチレン、塩
素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィンの有機溶
剤溶液、更にはエポキシ樹脂の有機溶剤溶液、および必
要に応じてその架橋剤としてのポリアミド・アミン樹脂
の有機溶剤溶液との組合せ等が好適なシーラーの例とし
て挙げられ、併せて、消泡、無機基材への過度の浸透の
防止あるいは隠蔽力の向上等の目的のため、顔料やその
他の塗料添加剤が混合される場合もある。もちろん、無
機基材への結合材の付着性向上に寄与する物質であれ
ば、上記に限らず、シーラーまたはプライマーとして使
用することが可能である。シーラーまたはプライマーは
広く市販されており、「水性ピナクル」(スズカファイ
ン(株)製品)、「DNT弾性タイル#200シーラー
S」(大日本塗料(株)製品)、「DANホワイトシー
ラー」(日本ペイント(株)製品)等を、その代表的な
銘柄として挙げることができる。これらのシーラーまた
はプライマーは、刷毛、ローラー、スプレー塗装機等、
公知慣用の全ての塗装手段により無機基材表面に塗装さ
れ、その乾燥、造膜ののちに、前記結合体が塗装され
る。結合材の完全な乾燥と造膜ののちに、最終工程とし
て上塗材が塗装される。上塗材は、結合材と同様の伸長
性に加えて外部環境から結合材を保護するための十分な
耐候性を有することが必要で、そのため用いられる顔料
成分や樹脂成分も耐候性の良好なものが選ばれている。
そのため上塗材の成分として用いられる樹脂は、熱可塑
性長鎖アクリル樹脂、水酸基を有するアクリル樹脂と、
イソシアネート硬化剤の組合せ、アルコキシシリル基を
有するアクリル樹脂、水酸基を有するフッ素樹脂(以
下、「フッ素樹脂」と称する。)とイソシアネート硬化
剤の組合せ等、耐候性の良好なものが主流を占めてい
る。とりわけ、フッ素樹脂とイソシアネート硬化剤の組
合せは、塗膜としての耐候性が他の樹脂を遙かに凌駕す
るため、現在のところ最も優れた耐候性を有する上塗材
用の樹脂として多用されている。この樹脂成分としてフ
ッ素樹脂とイソシアネート硬化剤の組合せを用いた上塗
材に、十分な伸長性を付与するためには、以下の3種の
方法のいずれか、または全てを採る必要があった。 1)フッ素樹脂骨格に、ガラス転移温度(Tg)の低い
モノマー成分を導入しフッ素樹脂自体を、柔かいものに
する。 2)イソシアネート硬化剤に、2官能イソシアネートを
採用し、イソシアネートによる架橋硬化後のフッ素樹脂
を柔かいものにする。 3)上塗材の不揮発分中に占める顔料の比率が高くなる
につれ伸長性が低下するため、これを極力低く抑えるこ
とで上塗材組成物として柔かいものにする。 これらのうち、1)および2)の方法は、塗装面がべと
つき、耐汚染性が極めて悪化するという問題があり、
3)の方法は、顔料の種類により大きく左右されるもの
の、あまり顔料の比率を低く抑えると上塗塗膜の隠蔽力
が低下し、塗装ムラが顕著になるため、実際には、不揮
発分中に占める顔料の比率は20重量%以下にまで低下
させることは困難である。従って、現在までのところ、
防水形複層塗材の上塗材は、塗装ムラを防ぐため2回な
いし3回塗り重ねが必要で、しかもその塗装面は、耐汚
染性に著しく劣る。因みにこれは、凡そ90〜130μ
の膜厚に相当する。
【0003】
【課題を解決するための手段】以上に述べた現在の、フ
ッ素樹脂を上塗材の成分とする防水形複層塗材およびそ
の塗膜に関する問題点を解決すべく本発明者は、鋭意研
究の結果、結合材と、上塗材の機能を根本的に見直すこ
とで、その問題点を克服できることを見いだし、本発明
に至った。すなわち、複層形防水塗材の従来からの発想
では、結合材には、伸長性による防水効果、上塗材に
は、伸長性に加えて結合材の保護、有色顔料による表面
着色、およびそれ自身の優れた耐候性が要求されるが、
本発明においては、結合材に伸長性による防水効果とと
もに有色顔料による表面着色の機能を持たせ、上塗材に
は、伸長性と結合材の保護、およびそれ自身の優れた耐
候性の3種の機能のみを持たせるものとする。具体的に
は、結合材に着色顔料を含有させることによりそれ自体
の被塗物への塗装で表面着色が完了するように図り、次
いで(半)透明の上塗材の塗装で、結合材の保護と表面
の優れた耐候性の2種の機能を完了させることとする。
結合材に着色顔料を含有させることは技術的に困難なこ
とではなく、結合材製造時で、その分散工程以前に着色
顔料を添加するか、出来上った結合材に、着色顔料が高
濃度で、分散剤あるいは樹脂中に既分散された「着色ベ
ース剤」を添加して撹拌することにより、容易に得られ
る。このような着色顔料を含有する結合材は、耐候性が
良好ではないものの、上塗材を塗装しなくとも被塗物表
面を仕上げることのできる簡易型の防水形塗材と見做す
ことができ、実際には、「単層形防水塗材」という名称
で市販もされている。耐候性を要せず、短工期や低価格
が求められる用途にはこれも広く使用されており、「ラ
バリコート」(スズカファイン(株)製品)、「ニッペ
DANユニ」(日本ペイント(株)製品)、「弾性トッ
プレスタイル」(エスケー化研(株)製品)、「ベタウ
ォール3000」(サンスター技研(株)製品)等を、
代表的な銘柄として挙げることができる。本発明を構成
する結合材は、従って、本来の防水形複層塗材の結合材
に着色顔料を、製造工程中、或いは製造後に添加するこ
とによって得ることができるが、市販の「単層形防水塗
材」をそのまま結合材として転用することにより、より
容易に得ることもできる。基材への塗装方法や必要な塗
膜厚および塗装条件等は、従来の結合材のそれと同様で
差支えない。上塗材は結合材の表面層をなし、常に一体
となって伸縮するものであるから、上塗材の伸長性の良
否は、結合材のそれに大きく影響する。従って、上塗材
にも良好な伸長性は不可欠の性能である。フッ素樹脂と
イソシアネート硬化剤の組合せを上塗材用の樹脂とする
本発明を構成する上塗材では、表面着色のための着色顔
料は0%でも構わないため、既述の3種の方法のうち、
3)の方法を最大限に利用することができ、逆に、耐汚
染性に悪影響を与える1)や2)の方法を用いる必要が
ない。つまり、樹脂構成の点からは、ガラス転移温度T
gが50℃以上のフッ素樹脂と、3官能イソシアネート
硬化剤の組合せという、耐汚染性に問題のないタイプの
組合せの選択が可能になる。ただ、結合材の保護という
点からは、若干の着色顔料の含有も上塗材には必要な場
合もある。すなわち、上塗材は、結合材を有効に外部環
境から保護しなくてはならないが、塗膜劣化の主因とな
る外部環境は、水分と太陽光中の紫外線である。水分
は、上記の透明状の上塗材で防ぎうるが、フッ素樹脂と
イソシアネート硬化剤自体には、殆ど紫外線を遮蔽する
性質が無いため、何らの配慮がなされないと、太陽光中
の紫外線は上塗材層を貫通し、結合材に到達する。従っ
て、紫外線吸収剤の含有が、本発明の上塗材には必要で
あり、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系等の
各種の有機紫外線吸収剤や、微粒子亜鉛華、微粒子酸化
チタン等の各種の無機紫外線吸収剤の使用が考えられる
が、そもそも、着色顔料それ自体が紫外線吸収剤として
の機能を持っており、そのため、より簡便には、結合材
の着色に用いたものと同系統の着色顔料を若干量上塗材
に含ませることにより、有効に太陽光中の紫外線を遮蔽
することができる。塗膜の伸長性を損なわぬよう、添加
量は上塗材不揮発分中の10重量%以下に抑えねばなら
ないが、反面太陽光中の紫外線は、上塗材層で99.9
%以上遮蔽しなければならず、仕様に従った上塗材層の
塗膜でこの値が達成できない場合は、紫外線吸収剤を併
用する必要がある。この場合、上塗材は半透明状態であ
る。もちろん、塗膜の伸長性を最大限に引出すために
は、紫外線吸収剤のみを含んだ透明状態の上塗材が最も
好ましい。これら以外の場合には、たとえば、表面にメ
タリック調やパール調の輝きを付与する場合には、紫外
線吸収剤のみを含んだ透明状態の上塗材に若干量のアル
ミフレークやパール顔料を添加することもできる。本発
明を構成する上塗組成物は、以上述べたように、ガラス
転移温度が50℃以上のフッ素樹脂と有機溶剤、それに
紫外線吸収剤および/または不揮発分中の濃度10重量
%までの着色顔料、そして塗装直前に添加される3官能
イソシアネートにより本質的に構成され、必要に応じて
これらの他に、各種の消泡剤、レベリング剤、硬化促進
剤等の塗料添加剤が添加されうる。塗装は、通常の上塗
材と同様に行われるが、結合材の隠蔽を目的としないた
め、多少の塗装ムラは看過することができ、1回ないし
2回の塗装で十分な効果が得られる。乾燥膜厚は20〜
90μの範囲が適当である。
ッ素樹脂を上塗材の成分とする防水形複層塗材およびそ
の塗膜に関する問題点を解決すべく本発明者は、鋭意研
究の結果、結合材と、上塗材の機能を根本的に見直すこ
とで、その問題点を克服できることを見いだし、本発明
に至った。すなわち、複層形防水塗材の従来からの発想
では、結合材には、伸長性による防水効果、上塗材に
は、伸長性に加えて結合材の保護、有色顔料による表面
着色、およびそれ自身の優れた耐候性が要求されるが、
本発明においては、結合材に伸長性による防水効果とと
もに有色顔料による表面着色の機能を持たせ、上塗材に
は、伸長性と結合材の保護、およびそれ自身の優れた耐
候性の3種の機能のみを持たせるものとする。具体的に
は、結合材に着色顔料を含有させることによりそれ自体
の被塗物への塗装で表面着色が完了するように図り、次
いで(半)透明の上塗材の塗装で、結合材の保護と表面
の優れた耐候性の2種の機能を完了させることとする。
結合材に着色顔料を含有させることは技術的に困難なこ
とではなく、結合材製造時で、その分散工程以前に着色
顔料を添加するか、出来上った結合材に、着色顔料が高
濃度で、分散剤あるいは樹脂中に既分散された「着色ベ
ース剤」を添加して撹拌することにより、容易に得られ
る。このような着色顔料を含有する結合材は、耐候性が
良好ではないものの、上塗材を塗装しなくとも被塗物表
面を仕上げることのできる簡易型の防水形塗材と見做す
ことができ、実際には、「単層形防水塗材」という名称
で市販もされている。耐候性を要せず、短工期や低価格
が求められる用途にはこれも広く使用されており、「ラ
バリコート」(スズカファイン(株)製品)、「ニッペ
DANユニ」(日本ペイント(株)製品)、「弾性トッ
プレスタイル」(エスケー化研(株)製品)、「ベタウ
ォール3000」(サンスター技研(株)製品)等を、
代表的な銘柄として挙げることができる。本発明を構成
する結合材は、従って、本来の防水形複層塗材の結合材
に着色顔料を、製造工程中、或いは製造後に添加するこ
とによって得ることができるが、市販の「単層形防水塗
材」をそのまま結合材として転用することにより、より
容易に得ることもできる。基材への塗装方法や必要な塗
膜厚および塗装条件等は、従来の結合材のそれと同様で
差支えない。上塗材は結合材の表面層をなし、常に一体
となって伸縮するものであるから、上塗材の伸長性の良
否は、結合材のそれに大きく影響する。従って、上塗材
にも良好な伸長性は不可欠の性能である。フッ素樹脂と
イソシアネート硬化剤の組合せを上塗材用の樹脂とする
本発明を構成する上塗材では、表面着色のための着色顔
料は0%でも構わないため、既述の3種の方法のうち、
3)の方法を最大限に利用することができ、逆に、耐汚
染性に悪影響を与える1)や2)の方法を用いる必要が
ない。つまり、樹脂構成の点からは、ガラス転移温度T
gが50℃以上のフッ素樹脂と、3官能イソシアネート
硬化剤の組合せという、耐汚染性に問題のないタイプの
組合せの選択が可能になる。ただ、結合材の保護という
点からは、若干の着色顔料の含有も上塗材には必要な場
合もある。すなわち、上塗材は、結合材を有効に外部環
境から保護しなくてはならないが、塗膜劣化の主因とな
る外部環境は、水分と太陽光中の紫外線である。水分
は、上記の透明状の上塗材で防ぎうるが、フッ素樹脂と
イソシアネート硬化剤自体には、殆ど紫外線を遮蔽する
性質が無いため、何らの配慮がなされないと、太陽光中
の紫外線は上塗材層を貫通し、結合材に到達する。従っ
て、紫外線吸収剤の含有が、本発明の上塗材には必要で
あり、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系等の
各種の有機紫外線吸収剤や、微粒子亜鉛華、微粒子酸化
チタン等の各種の無機紫外線吸収剤の使用が考えられる
が、そもそも、着色顔料それ自体が紫外線吸収剤として
の機能を持っており、そのため、より簡便には、結合材
の着色に用いたものと同系統の着色顔料を若干量上塗材
に含ませることにより、有効に太陽光中の紫外線を遮蔽
することができる。塗膜の伸長性を損なわぬよう、添加
量は上塗材不揮発分中の10重量%以下に抑えねばなら
ないが、反面太陽光中の紫外線は、上塗材層で99.9
%以上遮蔽しなければならず、仕様に従った上塗材層の
塗膜でこの値が達成できない場合は、紫外線吸収剤を併
用する必要がある。この場合、上塗材は半透明状態であ
る。もちろん、塗膜の伸長性を最大限に引出すために
は、紫外線吸収剤のみを含んだ透明状態の上塗材が最も
好ましい。これら以外の場合には、たとえば、表面にメ
タリック調やパール調の輝きを付与する場合には、紫外
線吸収剤のみを含んだ透明状態の上塗材に若干量のアル
ミフレークやパール顔料を添加することもできる。本発
明を構成する上塗組成物は、以上述べたように、ガラス
転移温度が50℃以上のフッ素樹脂と有機溶剤、それに
紫外線吸収剤および/または不揮発分中の濃度10重量
%までの着色顔料、そして塗装直前に添加される3官能
イソシアネートにより本質的に構成され、必要に応じて
これらの他に、各種の消泡剤、レベリング剤、硬化促進
剤等の塗料添加剤が添加されうる。塗装は、通常の上塗
材と同様に行われるが、結合材の隠蔽を目的としないた
め、多少の塗装ムラは看過することができ、1回ないし
2回の塗装で十分な効果が得られる。乾燥膜厚は20〜
90μの範囲が適当である。
【0004】
【実施例】以下、実施例および比較例を示し、本発明を
具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限され
るものではない。 [実施例1](上塗材が完全に透明な場合) 硅酸カルシウム板にシーラーとして「水性ピナクル」
(スズカファイン(株)製品)を、エアスプレーにて塗
装し乾燥させ、試験用基材とした。この試験用基材に、
結合材として「ラバリコート」(スズカファイン(株)
製品)の白色を用い、これを口径6mmのタイルガンに
て基材上に均一に吹付けた。塗着量は約2kg/m2 で
あった。別に伸び率測定用の塗膜を得るため、ポリエチ
レンフィルム上に、アプリケーターにて膜厚1mmとな
るよう、結合材を塗布し十分乾燥させた。上塗材の調製
は、以下の手順で行った。先ずベンゾトリアゾール系の
有機紫外線吸収剤である「チヌビン900」(スイス国
チバガイキー社製品)1.5gをトルエン50g中に溶
解し、その中にフッ素樹脂「フルオネートK706」
(大日本インキ化学工業(株)製品、不揮発分60重量
%、ガラス転移温度Tg60℃)50gを撹拌しながら
流下した。均一に分散できたところで更に硬化促進触媒
であるジブチル錫ジオクテート10mgと3官能イソシ
アネート硬化剤として「コロネートHL」(日本ポリウ
レタン工業(株)製品、不揮発分75重量%)13gを
添加し、均一になるまで撹拌し、直ちに塗装に供した。
この上塗材を一部採取し、ポリエチレンフィルム上にア
プリケーターで引延ばし、そのまま80℃のオーブンで
10分間強制加熱することにより、膜厚約30μの上塗
材塗膜を得た。この塗膜の紫外線透過率を、透過形UV
スペクトロメーターで計測したところ、300nm〜4
00nmの紫外線全領域にわたって紫外線透過率は0.
1%以下、換言すれば、紫外線の99.9%以上は、上
記上塗材塗膜により遮蔽されていることが確認された。
結合材を塗布し十分に乾燥させた基材上に上記の上塗材
をエアスプレーにて均一に吹付けた。塗着量は約90g
/m2 で、これは乾燥塗膜厚でほぼ30μに相当する。
併せて、伸び率測定用のポリエチレンフィルム上に塗布
された結合材の表面にも同一条件で上塗材を吹付けた。
これらの塗装された基材およびポリエチレンフィルム
は、室温にて7日間乾燥ののち、基材はそのまま、ポリ
エチレンフィルムはそのものを剥離して塗膜のみを、試
験片として、各試験に供した。実施した試験は下記の4
種である。 試験1)紫外線照射による促進耐候性試験。殺菌ランプ
を500時間照射。エネルギー量3.0mW/cm2 。
照射後に色調の変化の程度を示す色差ΔEと、60°/
60°反射光沢による光沢保持率GRを測定した。 試験2)親水性カーボン粉末による耐汚染性試験。親水
性カーボン粒子を水で練ったペーストを基材表面に塗り
つけ3日後に水洗してその痕跡を目視観察した。 試験3)青色マジックインキを基材表面に塗りつけ、1
日後にエタノールを含漬させた脱脂綿で拭き取り、その
痕跡を目視観察した。 試験4)塗膜伸び率の試験。JIS69105.13に
準拠し、20℃および−10℃における塗膜の伸び率
(%)を測定した。 試験結果は表1に示した。 [実施例2](上塗材が半透明な場合) 上塗材の調製を以下の手順で行った以外は、実施例1と
同様に、試験片の作成および試験を行った。フッ素樹脂
「フルオネートK706」40gにトルエン50gを添
加して撹拌し、更に白色顔料である酸化チタン3gと無
機系紫外線吸収剤である微粒子酸化チタン「STR−4
0」(堺化学工業(株)製品)0.6gを添加し、ボー
ルミルにて強分散した。これに、ジブチル錫ジオクテー
ト10mgと3官能イソシアネート硬化剤として「コロ
ネートHL」10.4gを添加し、均一になるまで撹拌
し、直ちに塗装に供した。この上塗材の不揮発分中に占
める顔料の比率は約10重量%である。ただし、微粒子
酸化チタンは顔料と見做しうるので、これも顔料の一部
とした。上塗材塗膜の紫外線透過率は0.1%以下であ
った。試験結果は、表1に示した。 [比較例1]結合材に、通常防水形複層塗材の結合材と
して使用されている「ラフトン弾性ジャンボ」(スズカ
ファイン(株)製品)を使用した以外は、実施例1と同
様に、結合材を塗布した基材およびポリエチレンフィル
ムに塗布された結合材を作成した。上塗材の調製は、以
下の手順で行い、上塗材の塗着量を約230g/m2 に
設定した以外は、実施例1と同様に試験片の作成および
試験を行った。フッ素樹脂「フルオネートK706」4
0gに、トルエン50gを添加して撹拌し、更に白色顔
料である酸化チタン21.2gを添加し、ボールミルに
て強分散した。これにジブチル錫ジオクテート10mg
と2官能イソシアネート硬化剤として「コロネート20
94」(日本ポリウレタン(株)製品、不揮発分100
重量%)7.8gを添加し、均一になるまで撹拌し、直
ちに塗装に供した。この上塗材の不揮発分中に占める顔
料の比率は約40重量%である。
具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限され
るものではない。 [実施例1](上塗材が完全に透明な場合) 硅酸カルシウム板にシーラーとして「水性ピナクル」
(スズカファイン(株)製品)を、エアスプレーにて塗
装し乾燥させ、試験用基材とした。この試験用基材に、
結合材として「ラバリコート」(スズカファイン(株)
製品)の白色を用い、これを口径6mmのタイルガンに
て基材上に均一に吹付けた。塗着量は約2kg/m2 で
あった。別に伸び率測定用の塗膜を得るため、ポリエチ
レンフィルム上に、アプリケーターにて膜厚1mmとな
るよう、結合材を塗布し十分乾燥させた。上塗材の調製
は、以下の手順で行った。先ずベンゾトリアゾール系の
有機紫外線吸収剤である「チヌビン900」(スイス国
チバガイキー社製品)1.5gをトルエン50g中に溶
解し、その中にフッ素樹脂「フルオネートK706」
(大日本インキ化学工業(株)製品、不揮発分60重量
%、ガラス転移温度Tg60℃)50gを撹拌しながら
流下した。均一に分散できたところで更に硬化促進触媒
であるジブチル錫ジオクテート10mgと3官能イソシ
アネート硬化剤として「コロネートHL」(日本ポリウ
レタン工業(株)製品、不揮発分75重量%)13gを
添加し、均一になるまで撹拌し、直ちに塗装に供した。
この上塗材を一部採取し、ポリエチレンフィルム上にア
プリケーターで引延ばし、そのまま80℃のオーブンで
10分間強制加熱することにより、膜厚約30μの上塗
材塗膜を得た。この塗膜の紫外線透過率を、透過形UV
スペクトロメーターで計測したところ、300nm〜4
00nmの紫外線全領域にわたって紫外線透過率は0.
1%以下、換言すれば、紫外線の99.9%以上は、上
記上塗材塗膜により遮蔽されていることが確認された。
結合材を塗布し十分に乾燥させた基材上に上記の上塗材
をエアスプレーにて均一に吹付けた。塗着量は約90g
/m2 で、これは乾燥塗膜厚でほぼ30μに相当する。
併せて、伸び率測定用のポリエチレンフィルム上に塗布
された結合材の表面にも同一条件で上塗材を吹付けた。
これらの塗装された基材およびポリエチレンフィルム
は、室温にて7日間乾燥ののち、基材はそのまま、ポリ
エチレンフィルムはそのものを剥離して塗膜のみを、試
験片として、各試験に供した。実施した試験は下記の4
種である。 試験1)紫外線照射による促進耐候性試験。殺菌ランプ
を500時間照射。エネルギー量3.0mW/cm2 。
照射後に色調の変化の程度を示す色差ΔEと、60°/
60°反射光沢による光沢保持率GRを測定した。 試験2)親水性カーボン粉末による耐汚染性試験。親水
性カーボン粒子を水で練ったペーストを基材表面に塗り
つけ3日後に水洗してその痕跡を目視観察した。 試験3)青色マジックインキを基材表面に塗りつけ、1
日後にエタノールを含漬させた脱脂綿で拭き取り、その
痕跡を目視観察した。 試験4)塗膜伸び率の試験。JIS69105.13に
準拠し、20℃および−10℃における塗膜の伸び率
(%)を測定した。 試験結果は表1に示した。 [実施例2](上塗材が半透明な場合) 上塗材の調製を以下の手順で行った以外は、実施例1と
同様に、試験片の作成および試験を行った。フッ素樹脂
「フルオネートK706」40gにトルエン50gを添
加して撹拌し、更に白色顔料である酸化チタン3gと無
機系紫外線吸収剤である微粒子酸化チタン「STR−4
0」(堺化学工業(株)製品)0.6gを添加し、ボー
ルミルにて強分散した。これに、ジブチル錫ジオクテー
ト10mgと3官能イソシアネート硬化剤として「コロ
ネートHL」10.4gを添加し、均一になるまで撹拌
し、直ちに塗装に供した。この上塗材の不揮発分中に占
める顔料の比率は約10重量%である。ただし、微粒子
酸化チタンは顔料と見做しうるので、これも顔料の一部
とした。上塗材塗膜の紫外線透過率は0.1%以下であ
った。試験結果は、表1に示した。 [比較例1]結合材に、通常防水形複層塗材の結合材と
して使用されている「ラフトン弾性ジャンボ」(スズカ
ファイン(株)製品)を使用した以外は、実施例1と同
様に、結合材を塗布した基材およびポリエチレンフィル
ムに塗布された結合材を作成した。上塗材の調製は、以
下の手順で行い、上塗材の塗着量を約230g/m2 に
設定した以外は、実施例1と同様に試験片の作成および
試験を行った。フッ素樹脂「フルオネートK706」4
0gに、トルエン50gを添加して撹拌し、更に白色顔
料である酸化チタン21.2gを添加し、ボールミルに
て強分散した。これにジブチル錫ジオクテート10mg
と2官能イソシアネート硬化剤として「コロネート20
94」(日本ポリウレタン(株)製品、不揮発分100
重量%)7.8gを添加し、均一になるまで撹拌し、直
ちに塗装に供した。この上塗材の不揮発分中に占める顔
料の比率は約40重量%である。
【0005】
【表1】
【0006】
【発明の効果】本発明による防水形複層塗材の結合材と
上塗材の組合せからなる塗膜は、その表面が優れた耐候
性とともに良好な耐汚染性を有しており、しかも、防水
膜として十分な伸び率を示すことが表1から明らかであ
る。
上塗材の組合せからなる塗膜は、その表面が優れた耐候
性とともに良好な耐汚染性を有しており、しかも、防水
膜として十分な伸び率を示すことが表1から明らかであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 N 7415−4F L 7415−4F
Claims (4)
- 【請求項1】 防水形複層塗材の結合材である下記A材
の被塗物への塗装ののち、上塗材である下記B材を塗装
して仕上げることを特徴とする防水形複層塗材の塗装方
法。 A材:アクリル系および/または酢酸ビニル系の合成樹
脂エマルジョン、および顔料を必須の成分とし、その厚
さ1mmの乾燥塗膜の伸び率が20℃で120%以上、
−10℃で20%以上である防水形複層塗材の結合材 B材:側鎖に水酸基を有し、ガラス移転温度が50℃以
上であるフッ素樹脂と3官能イソシアネート硬化剤を必
須の成分とする上塗組成物 - 【請求項2】 A材の必須の成分である顔料に有色顔料
が含まれていることを特徴とする請求項1記載の防水形
複合塗材の塗装方法。 - 【請求項3】 B材の不揮発分中に顔料の占める比率が
10重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の
防水形複合塗材の塗装方法。 - 【請求項4】 請求項1および請求項3における条件を
満たす防水形複層塗材の上塗組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24703694A JPH0880471A (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 防水形複層塗材の塗装方法とその上塗組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24703694A JPH0880471A (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 防水形複層塗材の塗装方法とその上塗組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0880471A true JPH0880471A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=17157465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24703694A Pending JPH0880471A (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 防水形複層塗材の塗装方法とその上塗組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0880471A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013202488A (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Dainippon Toryo Co Ltd | 水性防食塗装方法及び塗装体 |
-
1994
- 1994-09-13 JP JP24703694A patent/JPH0880471A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013202488A (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Dainippon Toryo Co Ltd | 水性防食塗装方法及び塗装体 |
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