JPH0880195A - アドゼベリンをコードする遺伝子 - Google Patents

アドゼベリンをコードする遺伝子

Info

Publication number
JPH0880195A
JPH0880195A JP6340692A JP34069294A JPH0880195A JP H0880195 A JPH0880195 A JP H0880195A JP 6340692 A JP6340692 A JP 6340692A JP 34069294 A JP34069294 A JP 34069294A JP H0880195 A JPH0880195 A JP H0880195A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adseverin
protein
sequence
amino acid
gene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6340692A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3914272B2 (ja
Inventor
Seiji Nakamura
清二 中村
Takashi Sakurai
隆 櫻井
Junichi Nezu
淳一 根津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP34069294A priority Critical patent/JP3914272B2/ja
Application filed by Chugai Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Priority to DE69434292T priority patent/DE69434292T2/de
Priority to EP03017504A priority patent/EP1371728A1/en
Priority to AU12814/95A priority patent/AU1281495A/en
Priority to CA002180103A priority patent/CA2180103C/en
Priority to EP95903966A priority patent/EP0756005B1/en
Priority to AT95903966T priority patent/ATE290591T1/de
Priority to PCT/JP1994/002227 priority patent/WO1995018221A1/ja
Priority to US08/669,286 priority patent/US6130060A/en
Priority to TW084106842A priority patent/TW438886B/zh
Publication of JPH0880195A publication Critical patent/JPH0880195A/ja
Priority to US09/469,253 priority patent/US6184352B1/en
Priority to US09/642,146 priority patent/US6271353B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3914272B2 publication Critical patent/JP3914272B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/02Antithrombotic agents; Anticoagulants; Platelet aggregation inhibitors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクチン調節タンパク質であるヒトアドゼベ
リンをコードする遺伝子の塩基配列を決定する。 【構成】 配列表の配列番号4または5に示すアミノ酸
配列をコードする塩基配列、またはこれを一部置換、欠
失もしくは付加した塩基配列、あるいはこれらにハイブ
リダイズする塩基配列を含むDNA、該遺伝子を含有す
る組換えベクター、該ベクターによる形質転換体、該遺
伝子を用いるアドゼベリンの製造方法、該製造方法によ
って得られる組換えアドゼベリンタンパク質、および配
列番号4または5に示すアミノ酸配列をコードする塩基
配列とハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド、なら
びに該オリゴヌクレオチドを動物に投与することからな
る、動物におけるアドゼベリンの生成を抑制する方法、
ならびにアドゼベリンタンパク質を認識する抗体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Ca2+依存性のアク
チンフィラメント切断タンパク質であり、エキソサイト
ーシスを制御する機能を有するアドゼベリン(adse
verin)タンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子
を含有する組換えベクター、該ベクターによる形質転換
体、該遺伝子を用いるアドゼベリンの製造方法、該製造
方法によって得られる組換えアドゼベリンタンパク質に
関する。本発明はまた、アドゼベリンタンパク質をコー
ドする塩基配列と特異的にハイブリダイズしうるオリゴ
ヌクレオチド、およびアドゼベリンタンパク質をコード
する塩基配列と特異的にハイブリダイズしうるオリゴヌ
クレオチドを動物に投与することからなるアドゼベリン
の生成を抑制する方法、ならびにアドゼベリンタンパク
質を認識する抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの分泌細胞では、休止状態において
は神経伝達物質やホルモンなどの分泌産物は顆粒または
小胞の形で貯蔵されており、細胞が適当なシグナルを受
け取ったときにエキソサイトーシスによって細胞から外
ヘと放出される。エキソサイトーシスの過程において
は、顆粒や小胞が形質膜の方へと移動してこれと接触し
て融合し、膜が開口する。
【0003】このエキソサイトーシスは細胞内の遊離カ
ルシウム濃度[Ca2+によって大きく制御されて
いる(Knight et al.,Ann.N.Y.
Acad.Sci.493:504−523,198
7)。すなわち、休止細胞では[Ca2+が低く、
エキソサイトーシスは[Ca2+依存性の数段階に
よって阻害されると考えられている(Burgoyn
e,Biochem.BiophySs.Acta 7
79:201−216,1984)。副腎髄質の分泌細
胞であるクロマフィン細胞(chromaffin c
ells)を含む多くの分泌細胞では、アクチンフィラ
メントからなる形質膜下のミクロフィラメント・ネット
ワークをもっており、このネットワークが顆粒や小胞が
形質膜に移動するのを阻害する機能を有していると思わ
れる(Cheek et al.,FEBS Let
t.207:110−114,1986;Lelkes
etal.,FEBS Lett.208:357−
363,1986)。エキソサイトーシスによって分泌
産物を放出する前には、Ca2+依存性のメカニズムに
よって[Ca2+が増加して、このネットワークが
分解される(Vitale et al.,J.Cel
l Biol.113:1057−1067,199
1)。
【0004】ここで、アクチンとは真核細胞に普遍的に
存在する分子量42kDの球状タンパク質で、筋細胞の
収縮などに密接に関わる細胞骨格タンパク質であり、モ
ノ−アクチンは重合してフィラメントになる。アクチン
は生理的イオン強度下では、in vitroでそのお
よそ100%が重合してフィラメントになってしまう
が、実際の細胞内では、各種のアクチン調節タンパク質
の作用によりフィラメント(ゲル)とモノマー(ゾル)
の状態が可逆的に調節されており、それが細胞外刺激に
応じて変化する。
【0005】ウシクロマフィン細胞において、このプロ
セスに直接関与すると思われるタンパク質であるゲルゾ
リン(gelsolin)が同定された(Yin et
al.,Nature 281:583−586,1
979)。ゲルゾリンはinvitroでCa2+に依
存するアクチンフィラメント切断活性を有し、さらにア
クチンフィラメントの反矢じり端(barbed en
d)のキャップ作用および核形成活性を有している。さ
らに最近になってゲルゾリンと類似の活性を有するが、
異なる物質であるアドゼベリン(74kDaのタンパク
質)が東京大学医学部薬理学教室、野々村教授らのグル
ープによりウシ副腎髄質から単離された(Maekaw
a et al.,J.Biol.Chem.265:
10940−10942,1990)。
【0006】ゲルゾリンは各種組織や血漿中に比較的広
く分布している(Stosselet al.,Ann
u.Rev Cell Biol.1:353−40
2,1985)が、アドゼベリンの分布は主として分泌
機能を有する組織に限られている(Sakurai e
t al.,Neuroscience 38:743
−756,1990)。このような組織分布における差
は、アドゼベリンの方がゲルゾリンよりも分泌プロセス
に、すなわち、神経伝達物質、内分泌物質あるいは生理
活性物質の放出のコントロールにより深く関与している
ことを示唆している。したがって、アドゼベリンの構造
と機能を解明することはエキソサイトーシスにおけるア
クチンフィラメントの役割と、その調節機構を明らかに
することとなり、極めて興味深い。
【0007】従来、この過程は、融合タンパク質などの
働きによって調節されるという考えが主流であった(西
崎孝道、「開口放出現象における細胞質タンパク質の役
割」、細胞工学、13:353−360,1994)
が、野々村教授らの仮説は、この過程が最終的にアクチ
ン−ミオシン相互作用によるものであるとする点で新し
く、またミオシン軽鎖キナーゼによるミオシン側の調節
(持田澄子、「ミオシン軽鎖キナーゼ神経伝達物質放出
とその調節におけるミオシン軽鎖キナーゼの役割」、細
胞工学、13:381−388,1994)ではない、
アクチン切断タンパクによるアクチン側からの調節が非
筋細胞で起こっているとする全く新しい画期的概念であ
る。
【0008】
【発明が解決すべき課題】アクチンは、細胞の崩壊によ
り細胞外に露出し、血液中で血小板凝集を惹起あるいは
増強し、血栓の成長の引き金になると考えられている
(Scarborough et al.,Bio,c
hem.Biophys.Res・Commun.10
0:1314−1319,1981)。一方、アドゼベ
リンは上述したように生体内において、ゲルゾリンと類
似の活性、すなわちアクチンフィラメント切断活性を有
している。これらのことより、アドゼベリンは血栓にか
かわる薬剤(例えば血栓抑制剤)などのような医薬用途
に利用できる可能性があると考えられる。
【0009】さらに、アドゼベリンをコードする塩基配
列から、そのアンチセンスDNA配列を作製して投与す
ることにより、例えば、生理活性物質の放出を遺伝子レ
ベルで抑制することも考えられる。特に、アドゼベリン
は血管平滑筋の増殖に深く関わっている可能性があるこ
とから、アンチセンスDNAの投与によりアドゼベリン
の機能を抑制し、これによって平滑筋増殖を抑制しうる
と考えられる。したがって、アドゼベリンのアンチセン
スDNAの投与は、バイパス手術時などの血管移植時の
血管狭窄の抑制剤や経皮的冠血管形成術(percut
aneoustransluminal corona
ry angioplasty:PTCA)後の再狭窄
の抑制剤として利用できる可能性を有している。
【0010】アクチン調節タンパク質であるアドゼベリ
ンを上述のような医薬用途に用いるには、これを大量に
かつ均一に得る必要がある。しかしながら、従来、アド
ゼベリンを動物組織自体、あるいはその産生細胞の培養
上清から単離する方法では大量に均一なアドゼベリンを
得ることは困難であった。そこで、アドゼベリンをコー
ドする遺伝子の塩基配列を明らかにし、遺伝子組換え技
術を用いてアドゼベリンを大量に製造することが望まれ
ていた。
【0011】本発明の目的はアドゼベリンをコードする
遺伝子の塩基配列を決定することにあり、併せて該配列
を含む組換えベクターを用いる遺伝子組換え技術を用い
てアドゼベリンを大量に製造し、これを用いたスクリー
ニング系などを構築することにより、新たな医薬品を開
発する可能性を示すことである。さらに、アドゼベリン
をコードする遺伝子の塩基配列に基づいてアンチセンス
DNAを製造し、アドゼベリンの生成抑制剤として用い
ることも目的の1つである。また、アドゼベリンタンパ
ク質を認識する抗体を提供することも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ウシ副腎
髄質からアドゼベリンを単離、精製して、その性状を明
らかにした(Sakurai et al.,Neur
oscience 38:743−756,1990;
Sakurai et al.,J・Biol.Ohe
m.266:4581−4584,1991:Saku
rai etal.,J.Biol.Chem.26
6:15979−15983,1991)。
【0013】さらにこのタンパク質の加水分解断片を得
て、そのアミノ酸配列の部分情報をもとにオリゴヌクレ
オチドプライマーを合成し、ウシ腎臓から樹立した細胞
系であるMDBK細胞(JCRB−Cell:財団法人
がん研究振興財団から入手)から調製したmRNAから
逆転写反応によってcDNAを作製し、上記合成プライ
マーを用いてポリメラーゼチェインリアクション(PC
R)により、ウシアドゼベリンをコードするDNA断片
を特異的に増幅した。次いで32Pで標識したこのDN
A断片をプローブとしてウシ副腎髄質から調製したcD
NAライブラリーをスクリーニングし、得られた3つの
重複するクローンから目的とするアクチンフィラメント
切断タンパク質をコードする遺伝子を組み立て、その全
塩基配列を明らかにすることに成功した。
【0014】本発明者らは、次いで、このウシアドゼベ
リンcDNAをプローブとし、ヒト腎臓mRNAより作
製したcDNAライブラリーを厳密度の低い条件のプラ
ークハイブリダイゼーションによってスクリーニングし
た結果、ヒトアドゼベリンcDNAを単離し、その全塩
基配列を明らかにすることに成功した。
【0015】すなわち、本発明は、アドゼベリンをコー
ドする遺伝子を提供する。さらに詳しくは本発明は、配
列表の配列番号4または5に示すアミノ酸配列をコード
する塩基配列、またはこれを一部置換、欠失もしくは付
加した塩基配列、あるいはこれらにハイブリダイズする
塩基配列を含むDNAを提供する。
【0016】本発明はまた、アドゼベリンタンパク質を
コードする遺伝子を含む組換えベクターを提供する。
【0017】本発明はさらに、アドゼベリンタンパク質
をコードする遺伝子を含む組換えベクターによって形質
転換された原核もしくは真核宿主細胞を提供する。
【0018】本発明はさらに、アドゼベリンタンパク質
をコードする遺伝子を含む組換えベクターによって形質
転換して得られた形質転換体を培養し、産生された目的
タンパク質を分離、精製することを特徴とする、ヒトア
ドゼベリンタンパク質の製造方法を提供する。
【0019】本発明はさらに、上記製造方法で製造され
た組換えアドゼベリンタンパク質を提供する。
【0020】本発明はさらに、アドゼベリンをコードす
る遺伝子と特異的にハイブリダイズしうるオリゴヌクレ
オチドを提供する。
【0021】本発明はさらに、アドゼベリンをコードす
る遺伝子と特異的にハイブリダイズしうるオリゴヌクレ
オチドを動物に投与することからなる、動物におけるア
ドゼベリンの生成を抑制する方法を提供する。
【0022】本発明はさらに、アドゼベリンタンパク質
を認識する抗体を提供する。
【0023】さらに、本発明者らは標識したアドゼベリ
ンcDNAの断片をプローブとして用いてインサイチュ
ハイブリダイゼーションを行い、組織中におけるアドゼ
ベリンmRNAの発現を試験して、アドゼベリンの組織
中における分布を明らかにした。また、アドゼベリン中
におけるアクチン切断ドメインも併せて検討した。
【0024】
【具体的な説明】アドゼベリンをコードするcDNA
は、例えばアドゼベリンを産生する細胞などからmRN
Aを調製した後、既知の方法により二本鎖cDNAに変
換することにより得られる。
【0025】本発明ではmRNAの供給源として、ウシ
アドゼベリンに関してはウシ腎臓から樹立した細胞系で
あるMDBK細胞およびウシ副腎髄質(Madin e
tal.,Proc.Soc.Exp.Biol.9
8:574−576,1958)を、またヒトアドゼベ
リンに関してはCLONTECH Laborator
ies Inc.社より購入したヒト腎臓mRNAを用
いたが、これに限らず、副腎髄質クロマフィン細胞、腎
臓髄質、甲状腺組織のホモジェネートなどを用いてもよ
い。
【0026】RNAを調製するには、例えば、Chir
gwinら(Biochemistry 18:529
4−5299,1979)の方法にしたがって、グアニ
ジンチオシアネート処理後、塩化セシウム密度勾配遠心
を行うことによって全RNAを調製できる。また、他の
生理活性タンパク質の遺伝子をクローン化するときに用
いられた方法、例えばバナジウム複合体などのリボヌク
レアーゼインヒビター存在下に界面活性剤処理、フェノ
ール処理を行うことによっても実施することができる。
【0027】こうして得られたmRNAから二本鎖cD
NAを得るには、例えばmRNAを鋳型にして、3’末
端にあるポリA−鎖に相補的なオリゴ(dT)またはラ
ンダムプライマー、あるいはアドゼベリンのアミノ酸配
列の一部に相応する合成オリゴヌクレオチドをプライマ
ーとして逆転写反応を行い、mRNAに相補的なDNA
(cDNA)を合成する。
【0028】本発明では、以下の方法によってウシアド
ゼベリンのcDNAを得た。すなわち、ランダムヘキサ
マーをプライマーとする逆転写反応を行い、次いで縮重
プライマーを用いるPCRによりこれを増幅して、約7
00bpのアドゼベリンの部分cDNAを表すPCR産
物を得た。上記PCR産物をpBluescriptS
K(−)(Stratagene社)中にサブクローニ
ングした。次いでウシ副腎髄質から調製したλgt11
cDNAライブラリーを、32P−標識したクローン
化PCR産物をプローブとしてスクリーニングした。本
発明ではこれにより3つのプラークを得て、その重複す
る塩基配列から目的とするアドゼベリンをコードするc
DNAを組み立てた。オープンリーディングフレームは
715アミノ酸からなる80527ダルトンのタンパク
質であることが判明した(配列表の配列番号4参照)。
【0029】また、ヒトアドゼベリンのcDNAは以下
の方法で得た。すなわち、PharmaCia社より購
入したTimeSaverTM cDNA Synth
esis Kitを用いて二本鎖cDNAの合成を行っ
た。
【0030】合成した二本鎖cDNAを、上記Kitに
含まれているSpun Columnか、あるいはアガ
ロース電気泳動によりサイズ分画し、前者の場合には約
400塩基対(bp)以上、後者の場合は約2−3kb
pのサイズをもつcDNAのみを回収した。この末端に
アダプターを連結しベクターへ組み込んだ。ベクターに
組み込んだcDNAをSTRATAGENE社から購入
したGIGAPACK II PACKAGING
EXTRACTを用いてパッケージングを行い、cDN
Aライブラリーとした。
【0031】次いで、32Pで標識し、熱変性したウシ
アドゼベリンcDNAをプローブとし、厳密度を下げた
条件でcDNAライブラリーをスクリーニングして、1
つの陽性ファージクローンを得た。このcDNA部分を
PCR法により増幅し、プラスミドベクターに組み込
み、クローンpADa−17を得た。このクローンの塩
基配列を部分的に決定したところ、ウシアドゼベリンc
DNAの塩基配列と非常に高い相同性(80−90%)
を示した。一方、アドゼベリンのファミリータンパク質
であり、既に塩基配列が報告されているゲルゾリンとは
60%以下の相同性しか示さず、明らかに異なる遺伝子
であったので、このクローンはアドゼベリンのヒトカウ
ンターパートであると推察された。しかしながら、この
クローンは全長約1kbp程度であり、全コーディング
領域を含むものとは考えられなかったので、さらにスク
リーニングが必要であった。
【0032】そこで、上記クローンpADa−17をプ
ローブとし、厳密度を上げた、通常の条件でプラークハ
イブリダイゼーションを行った。その際、完全長のクロ
ーンを効率よく得ることを目的として、新たにヒト腎臓
mRNAより作製した、2−3kbpのcDNAのみを
濃縮したライブラリーを使用した。これから5つの陽性
ファージクローンを得て、ExAssistTM/SO
LR SYSTEMによるプラスミド(pBluesc
riptSK(−)ベクター)への切り出しを行い、
プラスミドクローンphAD−2〜6を得た。このうち
phAD−2とphAD−4について塩基配列を決定
し、両者の配列を組み合わせることにより、配列表の配
列番号5に示す配列を決定した。この塩基配列から、7
9番目からのATGを開始コドン(Met)とする71
5アミノ酸からなるオープンリーディングフレームが見
いだされた。このアミノ酸配列をウシアドゼベリンのア
ミノ酸配列と比較した結果が図9である。両者はアミノ
酸レベルで約92%の相同性がみられ、種を越えて非常
によく保存されているタンパク質であると考えられる。
完全に一致していないアミノ酸についても、類似性の高
いアミノ酸が使用されていることが多いことも明らかと
なった。また塩基レベルでもコーディング領域内では約
90%の相同性がみられるが、ストップコドン以降は急
激に相同性を失っており、種の違いを反映しているもの
と考えられる。
【0033】また、図9の中で、四角で囲んだ部分はリ
ン脂質が結合すると推定される領域である。ウシアドゼ
ベリンにおいてリン脂質の結合領域であるとされている
部分(112)KGGLKYKA(119)と、(13
8)RLLHVKGRR(146)は、ともにヒトアド
ゼベリンにおいても完全に保存されていた。アドゼベリ
ンとゲルゾリンとのリン脂質に対する感受性の差異は、
この領域のアミノ酸配列の違いに起因しているのかも知
れないことが示唆された。アドゼベリンは細胞内におい
て、細胞膜付近に存在することが示唆されており、細胞
膜の構成成分による活性調節が存在するならば、重要な
意味をもつものと思われる。特にゲルゾリンもCa2+
で同様に活性化されることを考えると、両者の使い分け
がこのリン脂質による調節に依っている可能性が高い。
【0034】このようにして得られた本発明のクローン
化されたアドゼベリンをコードする遺伝子を用いると、
遺伝子組み換え技術によってアドゼベリンを大量に製造
し、医薬用途に使用することが可能である。
【0035】すなわち、本発明のアドゼベリンをコード
する遺伝子を適当なベクターに組み込むことにより、原
核細胞または真核細胞の宿主細胞を形質転換することが
できる。
【0036】さらに、これらのベクターに適当なプロモ
ーターや形質発現にかかわる配列を導入することによ
り、それぞれの宿主細胞において遺伝子を発現すること
が可能である。また、目的とする遺伝子に他のポリペプ
チドをコードする遺伝子を連結して、融合タンパク質と
して発現させ、精製を容易にしたり、発現量を上げた
り、また精製工程において適当な処理を施すことによ
り、目的タンパク質を切り出すことも可能である。
【0037】一般に、真核生物の遺伝子はヒトインター
フェロン遺伝子で知られているように、多形現象を示す
と考えられ、この多形現象によって1個またはそれ以上
のアミノ酸が置換される場合もあれば、塩基配列の変化
はあってもアミノ酸は全く変わらない場合もある。
【0038】また、配列表の配列番号4または5のアミ
ノ酸配列中の1個またはそれ以上のアミノ酸を欠くかま
たは付加したポリペプチド、あるいはアミノ酸が1個ま
たはそれ以上のアミノ酸で置換されたポリペプチドでも
アクチンフィラメント切断活性を有することがある。例
えば、ヒトインターロイキン2(IL−2)遺伝子のシ
ステインに相当する塩基配列をセリンに相当する塩基配
列に変換して得られたポリペプチドがIL−2活性を保
持することも既に公知になっている(Wanget a
l.,Science 224:1431,198
4)。これらのアドゼベリンをコードする遺伝子の改変
体を作製する技術は当業者には公知である。
【0039】さらに、上記したように、ウシアドゼベリ
ンとヒトアドゼベリンとは相同性が高く、完全に一致し
ていないアミノ酸についても類似のアミノ酸が使用され
ている部分が多い。したがって、ウシアドゼベリンとヒ
トアドゼベリンの一部が置換した遺伝子、あるいはこれ
らのキメラ遺伝子も本発明の範囲内である。
【0040】また、真核細胞で発現させた場合、その多
くは糖鎖が付加され、アミノ酸を1個ないしそれ以上変
換することにより糖鎖付加を調節することができるが、
この場合でもアクチンフィラメント切断活性を有するこ
とがある。それゆえ、本発明におけるヒトアドゼベリン
をコードする遺伝子を人工的に改変したものを用いて、
得られたポリペプチドがアクチンフィラメント切断活性
を有する限り、それらのポリペプチドをコードする遺伝
子はすべて本発明に含まれる。
【0041】さらに、得られたポリペプチドがアクチン
フィラメント切断活性を有し、配列番号4または5に示
す遺伝子とハイブリダイズする遺伝子も本発明に含まれ
る。なお、ハイブリダイゼーション条件は、通常行われ
ているプローブハイブリダイゼーションの条件を適用す
ることができる(例えば、Molecular Clo
ning:A Laboratory Mannua
l,Sambrooket al.,Cold Spr
ing Harbor LaboratoryPres
s,1989)。
【0042】発現ベクターは、複製起源、選択マーカ
ー、プロモーター、RNAスプライス部位、ポリアデニ
ル化シグナルなどを含むことができる。
【0043】発現系に用いる宿主のうち原核生物宿主細
胞としては、例えば、大腸菌、枯草菌などが挙げられ
る。また、真核生物のうち、真核微生物の宿主細胞とし
ては、例えばイースト、粘菌が挙げられる。あるいは、
Sf9などの昆虫細胞を宿主細胞として使用してもよ
い。さらに、動物細胞由来の宿主細胞としては、例え
ば、COS細胞、CHO細胞などが挙げられる。
【0044】以上のようにしてアドゼベリンをコードす
る遺伝子で形質転換した形質転換体を培養することによ
り産生されたタンパク質は細胞内または細胞外から分離
し、精製することができる。
【0045】なお、アドゼベリンの分離、精製には通常
のタンパク質で用いられる分離、精製方法を使用するこ
とができる。例えば、各種クロマトグラフィー、限外濾
過、塩析、透析などを適宜選択、組み合わせて使用する
ことができる。
【0046】本発明によると、アドゼベリンをコードす
る遺伝子の塩基配列に基づいて、アンチセンスDNAの
作製ができる。アンチセンスDNAは、mRNAに対し
て相補的塩基配列をもち、mRNAと塩基対を形成する
ことにより、遺伝情報の流れを遮断し、最終産物である
アドゼベリンタンパク質の合成を抑制する。本発明にお
いて使用できるアンチセンスDNAは、配列表の範囲番
号4または5に示すアミノ酸配列をコードする塩基配列
と特異的にハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドで
ある。
【0047】ここで「オリゴヌクレオチド」の語は、天
然に存在する塩基および本来のホスホジエステル結合に
よって結合した糖部分から生成されたオリゴヌクレオチ
ドおよびその類似体を意味する。したがって、この用語
が含む第1の群は、天然に存在する種または天然に存在
するサブユニットまたはそれらの同族体から生成された
合成種である。また、サブユニットとは隣接するサブユ
ニットに対してホスホジエステル結合または他の結合に
よって結合した塩基−糖の組み合わせをいう。またオリ
ゴヌクレオチドの第2の群はその類似体であり、これは
オリゴヌクレオチドと同様に機能するが、天然に存在し
ていない部分を有する残基を意味する。これらには、安
定性を増加するためにリン酸基、糖部分、3’,5’末
端に化学修飾を施したオリゴヌクレオチドを含む。例え
ば、ヌクレオチド間のホスホジエステル基の酸素原子の
1つを硫黄に置換したオリゴホスホロチオエート、−C
に置換したオリゴメチルホスホネートなどが挙げら
れる。また、ホスホジエステル結合は、非イオン性かつ
非キラル性である他の構造で置換されていてもよい。さ
らに、オリゴヌクレオチド類似体としては、修飾された
塩基形態、すなわち天然に通常見いだされるもの以外の
プリンおよびピリミジンを含む種を用いてもよい。
【0048】本発明によるオリゴヌクレオチドは、好ま
しくは8〜40個、さらに好ましくは15〜30個のサ
ブユニットを有する。
【0049】本発明においては、オリゴヌクレオチドが
ハイブリダイズするmRNAの標的部分は転写開始部
位、翻訳開始部位、イントロン/エキソン結合部位また
は5’キャップ部位が好ましいが、mRNAの二次構造
を考慮して立体障害のない部位を選択すべきである。
【0050】本発明によるオリゴヌクレオチドは、当業
界で公知の合成法、例えばApplied Biosy
stems社などの合成装置を用いる固相合成法によっ
て製造できる。同様の方法を用いて、他のオリゴヌクレ
オチド類似体、例えば、ホスホロチオエートやアルキル
化誘導体を製造することもできる(村上 章ら、「機能
性アンチセンスDNAの合成」、有機合成化学、48
(3):180−193、1990)。
【0051】本発明のアドゼベリンをコードする遺伝子
と特異的にハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドを
動物に投与することによって、動物におけるアドゼベリ
ンの生成を抑制することが可能である。また、アドゼベ
リンは上述したように、血管平滑筋の増殖に関与してい
る可能性がある。血管平滑筋の増殖はバイパス手術など
の血管移植時の血管狭窄やPTCA施行例の30−40
%に観察される血管再狭窄をもたらす原因の1つである
と見なされている。したがって、アドゼベリンをコード
する遺伝子のアンチセンスDNAの投与により血管平滑
筋の増殖を抑制し、このような狭窄の予防・治療剤とし
て使用することができる。例えば、移植血管を、移植す
る前に本発明のオリゴヌクレオチドを含む溶液に浸して
おいて、オリゴヌクレオチドを細胞内に取り込ませた後
に移植することにより血管狭窄を防止することが考えら
れる。また、PTCAカテーテルあるいはステントを利
用して本発明のオリゴヌクレオチドを投与することによ
る再狭窄の抑制も可能である。
【0052】本発明のアドゼベリンタンパク質を認識す
る抗体を作製するには、定法(例えば、新生化学実験講
座1、タンパク質I、p.389−397、1992参
照)を用いて、抗原となるアドゼベリンを動物に免疫
し、生体内に産生される抗体を採取、精製することによ
って得ることができる。このようにして得られた抗アド
ゼベリン抗体はELISAなどのエンザイムイムノアッ
セイ、ラジオイムノアッセイ、免疫蛍光法などの各種免
疫学的測定法に用いることができる。
【0053】本発明のアドゼベリンをコードする遺伝子
を得る方法および該遺伝子の宿主細胞中での発現につい
て以下の実施例で詳細に説明するが、この実施例によっ
て本発明が限定されるものではない。
【0054】
【実施例】
実施例1:ウシアドゼベリンの単離および精製 ウシ副腎を屠殺場から得た。以下のすべての操作は4℃
で実施した。副腎髄質を皮質から注意深く分離し、ハサ
ミで細かく切断した。得られた副腎髄質80gを、Tr
is−HCl 40mM、EGTA 4mM、EDTA
2mM、DTT 1mM、DFP 1mM、PMSF
1mMおよび10−6M E−64−c、10μg/
ml アプロチニン(Trasylol、Bayer
社)および0.02%NaNを含むバッファーA(p
H8.0)3容量中、Waringブレンダーでホモジ
ェナイズした。ホモジェネートを最大13,000gで
30分間遠心して上清を濾過し、次いでさらに最大15
0,000gで90分間遠心した。上清にCaCl
よびMgCl溶液1モルを最終濃度がそれぞれ0.5
および1mMとなるように加えた。この溶液をKCl
50mM、Tris−HCl 20mM、CaCl
0.5mM、MgCl 1mM、PMSF0.1mM
および0.02%NaNを含むバッファーB(pH
7.5)であらかじめ平衡化しておいたDNaseI−
Affi−Gel 15カラムにかけた。カラムをバッ
ファーB、次いでKCl濃度を50mMから0.6Mに
変えたバッファーBで洗浄した。
【0055】次いでCa2+−感受性タンパク質を0.
5mM CaClの代わりに10mM EGTAを含
む修飾バッファーBで、次いで6M尿素を含む修飾バッ
ファーBで溶出した。EGTA含有バッファーによって
3つのCa2+−感受性アクチン結合タンパク質および
アクチン(分子量42,000)が溶出された。これら
の3つのタンパク質の分子量は、SDS PAGEによ
りそれぞれ86,000、84,000および74,0
00と推定された(図1、レーン1−4)。カラムをバ
ッファーBで洗浄して再生して4℃で保存した。
【0056】回収したEGTA溶出物中のpHを1M
Trisで8.2に調整し、KCl50mM、Tris
−HCl 20mM、EGTA 1mM、PMSF
0.1mM、2−メルカプトエタノール 7mMおよび
0.02%NaNを含む溶液(pH8.2)であらか
じめ平衡化しておいたQ−Sepharoseイオン交
換カラム(1.5×12cm)にかけた。50から25
0mMのKClの直線状グラジエントでタンパク質を溶
出し、次いで1M KClで溶出した。KCl濃度0−
150mMに相当する最初のピークに分子量74,00
0のタンパク質と少量の夾雑タンパク質とが含まれてい
た(図1、レーン6)。分子量86,000と84,0
00のタンパク質ならびにアクチンは1M KCl溶出
物である第2のピークに含まれていた(図1、レーン
7)。
【0057】分子量74,000のタンパク質が含まれ
る分画を回収し、濃縮してNaCl150mM、Tri
s−HCl 20mM、EGTA 1mM、DTT
0.1mMおよび0.02%NaNを含むバッファー
C(pH7.0)で平衡化したゲル濾過HPLCカラム
(TSK−G3000SW、トーソー社)にかけた(図
1、レーン8)。ピーク分画を回収して氷上で保存し
た。
【0058】実施例2:ウシアドゼベリンのプロテアー
ゼ分解 (1)スタフィロコッカスV8プロテアーゼによる分解 消化バッファーC(1mM EGTA、1mM DT
T、0.02% NaNおよび50mM NHHC
)中のアドゼベリンを、室温中、1:25(wt/
wt)の比率でスタフィロコッカスV8プロテアーゼで
分解した。DFP1mMを加えて反応を停止し、SDS
−PAGEにより分析した。その結果、アドゼベリンは
分子量42,000と39,000の2つの主要断片に
分解された。V8プロテアーゼで長時間消化を続ける
と、分子量39,000の断片はさらに分子量28,0
00と分子量15,000の断片に分解されたが、分子
量42,000の断片は安定であった。 (2)トリプシンによる分解 バッファーD(1mM EGTA、1mM DTT、
0.02% NaNおよび20mM Tris−HC
l、pH8.0)中のアドゼベリンを、1:200の比
率でトリプシンにより分解した。25℃で60分後、エ
タノール中の200mM PMSFを最終濃度が4mM
となるように加えた。SDS−PAGEで分析したとこ
ろ、この場合にも分子量42,000と39,000の
2つの断片を生じ、長時間かけてもこれ以上分解されな
かった。
【0059】また、2種類の抗ゲルゾリンポリクローナ
ル抗体と上記2つの断片との認識反応を用いることによ
り、分子量39,000の断片は分子量42,000の
断片の分解物ではないことを確認した。 (3)V8プロテアーゼによる分解物の精製 V8プロテアーゼによる分解産物を、あらかじめバッフ
ァーDで平衡化しておいたHPLC DEAEイオン交
換カラム(DEAE−SPW、トーソー社)にかけた。
分子量39,000の断片はカラムに吸着するが、分子
量42,000の断片は0−150mM NaClのグ
ラジエントで溶出し、10mM NaClで単一ピーク
として得られた。次いで1mM EGTAに代えて0.
5mMCaClを含むバッファーDを用いると、分子
量39,000の断片が50mM NaClで溶出さ
れ、分子量42,000の断片は少量しか回収されなか
った。このV8プロテアーゼ分解由来の2つの精製断片
はトリプシン分解物とSDS−PAGEでほとんど同じ
パターンを示した。 (4)N末端アミノ酸配列の決定 (3)で精製した2つの断片と天然型アドゼベリンのN
末端アミノ酸配列を検討した。天然型アドゼベリンおよ
び分子量42,000の断片のN末端はブロックされて
いたが、分子量39,000の断片のN末近傍アミノ酸
配列をエドマン分解によって分析したところ以下の配列
表の配列番号1に示す配列: KVAHVKQIPFDA を有していることが明らかとなった。この配列を公知の
アクチンフィラメント切断タンパク質であるゲルゾリン
(Kwiatkowski et al.,Natur
e 323:455−458,1986)およびビリン
(villin)(Bazari et al.,Pr
oc. Nat1.Acad.Sci.U.S.A.8
5:4986−4990,1988)の配列と比較し
た。その結果、図2に示すように、この配列はゲルゾリ
ンおよびビリンの保存反復のセグメント3と4との間の
ヒンジ領域、すなわちこれらの分子の真ん中付近と類似
していた。したがって、分子量42,000の断片はア
ドゼベリンのNH末端側の半分にあるタンパク質(以
下”N42”と呼ぶ)であり、分子量39,000の断
片はアドゼベリンのCOOH末端側の半分にあるタンパ
ク質(以下”C39”と呼ぶ)であることが示唆され
た。 (5)N42およびC39のアクチン結合性 上記のようにして得られたN42とC39のアクチン結
合性をアガロースビーズに結合したアクチン単量体(G
−アクチン)を用いて試験した。その結果、N42もC
39もカルシウムの存在下でG−アクチンと結合する
が、カルシウムの非存在下ではG−アクチンと結合しな
いことが明らかとなった。 (6)アドゼベリンの機能的ドメインの同定(サーモリ
シンによるN42の分解) N42をメタロプロテイナ
ーゼの1種であるサーモリシンで分解したところ、分子
量31,000、30,000、16,000の断片お
よび分子量15,000の2種の異なる断片の合計5つ
の断片が得られ、これをHPLCで精製した。分子量3
1,000および30,000の断片をそれぞれTL1
およびTL2と命名し、その他の3つの断片をHPLC
カラムの溶出順にTL3(分子量15,000)、TL
4(分子量16,000)およびTL5(分子量15,
000)と命名した。TL1およびTL3のN末端は抗
体Aによって検出されず、N42や天然型アドゼベリン
と同様にブロックされていた。これらの結果ならびにT
L2およびTL5が抗体Aと反応したことから、N42
は2つの開裂部位を有しており、断片のマッピングは図
3に示すものと推定された。
【0060】N末端がブロックされていないTL4およ
びTL5のアミノ酸配列をエドマン分解により分析した
ところ、TL4のN末端アミノ酸配列は以下に示す配列
表の配列番号2の配列: VLTNDLTAQ を有しており、これはゲルゾリンのセグメント1と2の
間のヒンジ領域の配列と相同性を有している。一方TL
5のN末端アミノ酸配列は以下に示す配列表の配列番号
3の配列: ITNRK を有しており、これはゲルゾリンのセグメント2と3の
間のヒンジ領域の配列と相同性を有していた(図3)。
【0061】したがって、アドゼベリンはゲルゾリンと
類似の構造を有していると考えられる。アドゼベリンの
N末端側の半分はゲルゾリンと同様に、3つの反復セグ
メントからなっており、1セグメントはそれぞれ〜15
kDaのタンパク質分解断片に対応する。
【0062】実施例3:縮重プライマーの合成 実施例2で決定したN42の第2セグメント(S2)の
N末端アミノ酸配列、およびC39のN末端アミノ酸配
列をコードする遺伝子として可能性のあるすべてのコド
ンを含むミックスプライマーをApplied Bio
systems380B DNA synthesiz
erにより合成した。センスおよびアンチセンスなプラ
イマーの5’末端に、それぞれBamHI部位およびC
laI部位を付加した。
【0063】縮重プライマーの配列は以下の通りであ
る: 5’...GATGCGGATCCAA(C/T)GA(C/T)(C/ T)T(A/C/G/T)AC(A/C/G/T)GC(A/C/G/T)CA ....3’および 5’...GATGCATCGATAC(A/G)TG(A/C/G/T )GC(A/C/G/T)AC(C/T)TT(C/T)TC...3’。
【0064】実施例4:逆転写反応およびPCR ウシ腎臓から樹立した細胞系であるMDBK細胞(JC
RB−Cell:財団法人がん研究振興財団より入手:
Madin et al.,Proc.Soc.Ex
p.Biol.Med.98:574−576,195
8)から、Chirgwinら(Biochemist
ry 18:5294−5299,1979)の方法に
よりRNAを調製した。
【0065】逆転写およびPCRはKawasaki
(in PCR Protocols:A Guide
to Methods and Applicati
on(Innis et al.eds)pp.21−
27,Academic Press,San Die
go,1990)の方法により行った。逆転写にはラン
ダムヘキサマー(Pharmacia社)を用い、また
PCRには実施例3で得られた縮重プライマーを用いた
(Lee et al.,in PCR Protoc
ols:Guide to Methods and
Application(Innis et al.e
ds)pp.46−53,Academic Pres
s,San Diego,1990)。PCRの条件
は、最初に94℃で1分、37℃で1分、72℃で2分
を1サイクルとして5サイクル行った。ただし、このと
き37℃から72℃へ温度を上げるのに2分30秒かけ
てゆっくり昇温させた。次に、通常の方法により、94
℃で1分、50℃で1分、72℃で2分を1サイクルと
して29サイクル実施し、さらに94℃で1分、50℃
で1分、72℃で10分を1サイクル実施した後、4℃
においておいた。
【0066】実施例5:PCR産物のクローニング 実施例4で得られたPCR産物をエチジウムブロミド1
μg/mlを含む1%アガロースの電気泳動に付したと
ころ、およそ700bpのところに主要バンドが見られ
た。これを切り出してGENECLEAN IIキット
(BIO 101 Inc.)で精製した。この大きさ
は、アドゼベリンとゲルゾリンとの1次構造に高い相同
性があるという仮定に基づいて、縮重プライマーの基と
なった断片の位置から予期できた。この精製した産物を
BamHIおよびClaIで消化してpBluescr
ipt SK(−)(Stratagene社)中にク
ローン化した。
【0067】クローン化したPCR産物の配列決定を行
ったところ、N42の第3セグメント(S3)のN末端
部分をコードするヌクレオチド配列がこのPCR産物中
に含まれていたので、これが実際にアドゼベリンCDN
Aの一部であることが確認された。この配列とヒトゲル
ゾリン配列との高い相同性(ヌクレオチドレベルでの同
一性は64%)もこの見解を支持した。
【0068】かくして得られたPCR産物を32Pで標
識して以下のスクリーニングにプローブとして用いた。
【0069】実施例6:ライブラリースクリーニング ウシ副腎髄質から調製したλgt11 cDNAライブ
ラリー(CLONTECH社)を、標準法(Sambr
ook et al.,MolecularCloni
ng:A Laboratorv Manual,2n
d Ed.,Cold Spring Harbor
Laboratory,Cold Spring Ha
rbor,New York,1989)により、実施
例5で得られたアドゼベリンの部分cDNAを表す32
P−標識したクローン化PCR産物でスクリーニングし
た。2回のスクリーニングの後、十分に単離された陽性
プラークを取り出して、個々のプラーク中のファージを
蒸留水200μl中に放ち、室温で1時間インキュベー
トした。ファージ溶液を凍結、融解して90℃で10分
間加熱した。
【0070】適当量のファージ溶液を鋳型として用い
て、組換えファージDNAの挿入物を、λgt11のE
coRI特異的部位の上流と下流からの配列を含む2つ
のプライマーを用いてPCRにより増幅した。PCRの
条件は実施例4と同様である。これらのプライマーの
5’末端にそれぞれXhoIおよびNotI部位を付加
した。プライマーの1つは以下の配列: 5’...AAACTCGAGGGTGGCGACGACTCC...3’ を有しており、他の1つは以下の配列: 5’...AAAGCGGCCGCTTGACACCAGACCAA...3’ を有していた。
【0071】PCRの後、反応混合物を1%アガロース
ゲルの電気泳動にかけた。増幅した挿入DNAを切り出
してGENECLEAN IIキットで精製した。これ
をXhoIおよびNotIで消化した後、挿入cDNA
を、あらかじめXhoIおよびNotIで消化しておい
たpBluescript SK(−)中にクローン化
した。
【0072】クローン化PCR産物をプローブとして、
ウシ副腎髄質のcDNAライブラリーをスクリーニング
した。2×10個の組換えファージから単一のプラー
クまで精製した3つの重複するcDNAクローンを得
た。
【0073】上記3つの重複するcDNAクローンは、
図4の番号19、5および21で示すものである。これ
らのクローン化DNAの塩基配列をジデオキシチェイン
ターミネーション法(Sanger et al.,P
roc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.7
4:5463−5467,1977)により両方向で調
べ、これをもとにアドゼベリンの全ヌクレオチド配列を
決定した。このヌクレオチド配列を配列表の配列番号4
に示す。また、組み立てたcDNAの制限酵素地図を図
4に示す。
【0074】組み立てたcDNAのヌクレオチド配列お
よび最長オープンリーディングフレームに対応するアミ
ノ酸配列を同じく配列表の配列番号4に示す。オープン
リーディングフレームは715アミノ酸からなる805
27ダルトンのタンパク質をコードする。最初のATG
はクローンの始めの部分から27ヌクレオチド3’側に
あり、脊椎動物の翻訳開始にとって矛盾のない配列を表
す。アドゼベリンcDNAの配列をゲルゾリンおよびビ
リンの配列と比較しても、上記ATGが開始コドンであ
ること、ならびにアドゼベリンの全コーディング配列が
組み立てたcDNA中に含まれていることが支持され
た。
【0075】次いで、上記の3つの重複するクローンか
らAccIおよびHindIII部位を用いて組み立て
たウシアドゼベリンの全コーディング領域を含む241
8bpのcDNAを、pBluescript SK
(−)のXhoIおよびNotI消化部位に組み込んで
pSK−アドゼベリンを作製した。
【0076】実施例7:アドゼベリンの予測アミノ酸配
列とヒトゲルゾリンおよびビリンのアミノ酸配列との比
較 生化学的分析およびcDNAからの予測アミノ酸配列か
ら、ヒトゲルゾリンおよびビリンはいずれも6つの相同
セグメントを有している(Bazari etal.,
Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.
85:4986−4990,1988;Matusda
ira et al.,Cell 5139−140,
1988;Way et al.,J.Mol.Bio
l.203:1127−1133,1988)ことが明
らかとなっている。セグメント1、2および3は、その
他の組み合わせにおけるよりもセグメント4、5および
6とそれぞれより高い相同性を有する。アドゼベリンの
予測アミノ酸配列の分析から、アドゼベリンも6つの相
同セグメントを有していることが明らかとなった。さら
に、セグメント1から6はゲルゾリンおよびビリンのそ
れぞれ対応するセグメントと相同性を有する(図5)。
図5から明らかなように、ゲルゾリンとビリンの6セグ
メントのそれぞれに存在するモチーフB、AおよびCが
アドゼベリンの6セグメントのそれぞれにも存在してい
た。したがって、アドゼベリンはゲルゾリン族タンパク
質に属することが示された。
【0077】ゲルゾリンおよびビリンに存在する推定の
ポリホスホイノシチド結合配列も、ゲルゾリンやビリン
中の領域に対応する領域、すなわちアドゼベリンの第1
および第2セグメント(S1、S2)中に見つかった。
これは、S1−2に対応するアドゼベリンのタンパク質
断片の切断活性がポリホスホイノシチドによって阻害さ
れることと一致する。これらの配列を図5中に箱で囲ん
で示し、また表1に模式図として示す。2つの推定配列
のうちの1つはコンセンサス配列と完全に一致し、また
第1セグメントにある他方はコンセンサス配列と1アミ
ノ酸だけ異なっており、コンセンサス配列のCOOH末
端が塩基性アミノ酸の代わりにアラニンとなっている。
このため、ゲルゾリンの対応するドメインよりもアドゼ
ベリンのこのドメインの塩基性が低くなる。この相違
は、ホスファチジルインシトール4,5−ビスリン酸や
ホスファチジルインシトール4−モノリン酸以外の酸性
リン脂質、例えばホスファチジルインシトールやホスフ
ァチジルセリンがアドゼベリンの切断活性を阻害できて
も、ゲルゾリンの切断活性は阻害できない、ということ
を部分的に説明する理由となろう。
【0078】実施例8:大腸菌中でのアドゼベリンcD
NAの発現 実施例6で得たウシアドゼベリンcDNA(pSK−ア
ドゼベリン)をPCRによって増幅した。PCRに使用
したプライマーは、得られるcDNAの開始コドン(A
TG)がNdeIの一部を構成し、また停止コドン(T
AA)の直後にXhoI部位が位置するようにデザイン
した。得られるcDNAを発現ベクターpET−23a
(Novagen社)中に、NdeIおよびXhoI部
位を介して組み込んだ。かくして得られる組換えベクタ
ーpET−アドゼベリンをChungら(Proc.N
atl.Acad.Sci.U.S.A.86:217
2−2175,1988)の方法によりコンピテント細
胞BL21(DE3)pLysS中に組み込んだ。形質
転換体の選択、培養およびIPTG(イソプロピル−β
−D−チオガラクトピラノシド)による誘導はStud
ierら(in Mithods in Enzymo
logy,Gene ExpressionTechn
ology(Goeddel eds.)Vol.18
5,pp.60−89,Academic Pres
s,San Diego,1991)の方法により行っ
た。すなわち、アンピシリンおよびクロラムフェニコー
ル耐性コロニーを選択して、アンピシリン50μg/m
lを補充したM9ZB培地中で培養した。IPTGでc
DNAの発現を誘導すると、SDS−PAGEで約74
kDaのタンパク質の産生が観察された(図6のA、矢
印)。形質転換しなかったコントロールBL21(DE
3)pLysSはIPTG誘導しても何ら余計なタンパ
ク質を産生しなかった。誘導されたタンパク質のSDS
−PAGEにおける大きさ、74kDaはウシ副腎髄質
から調製したアドゼベリンの大きさと同じである。
【0079】形質転換した大腸菌の培養上清を、実施例
1でウシ副腎髄質から分離、精製したのと実質的に同じ
方法によって精製した。精製したタンパク質をSDS−
PAGEの電気泳動に付して、ニトロセルロース膜に移
し取り、アドゼベリンに特異的な抗体と反応させたとこ
ろ、図6のBに示すように、このタンパク質は該抗体と
免疫反応した。SDS−PAGE上のタンパク質の見か
けサイズおよびアドゼベリン特異抗体との免疫反応か
ら、このタンパク質がアドゼベリンをコードするcDN
Aであることを確認した。
【0080】実施例9:大腸菌により産生されたアドゼ
ベリンのアクチンフィラメント切断活性 大腸菌によって産生されたアドゼベリンが天然型アドゼ
ベリンと同様のCa2+依存性のアクチンフィラメント
切断活性を有するか、否かを試験するために、アクチン
重合に対するアドゼベリンの効果を粘度計により測定し
た。
【0081】0.15mg/mlの濃度のアクチンを、
バッファーP(50mM KCl、2mM MgCl
および20mMイミダゾールーHCl、pH7.2)
中、1mM EGTAまたは0.1mM CaCl
存在下、25.5℃で、アクチンに対するモル比が1:
30のアドゼベリンの存在下または非存在下に重合させ
た。
【0082】その結果、図7に示すように、アクチン溶
液の粘度はCa2+が存在するときのみアドゼベリンに
よって影響を受け(図7のAとBを比較されたい)、C
2+の存在下にアドゼベリンはアクチン重合化の核形
成を促進し、重合したアクチン溶液の最終粘度を減少す
る作用を有する。重合化アクチン溶液にアドゼベリンを
加えると(図中矢印で示した)、溶液にCa2+が含ま
れている場合には比粘度が急激に落ちた。
【0083】これらの結果はウシ副腎髄質から調製した
アドゼベリンを用いて得た結果と実質的に同一であり、
本発明の遺伝子組換え手法によって産生されたタンパク
質が天然型アドゼベリンと同じアクチンフィラメント切
断活性を有することが示された。
【0084】実施例10:インサイチュハイブリダイゼ
ーション ウシアドゼベリンcDNAの329bp断片(#209
0−#2418)を、DIG DNA Labelin
gおよびDetection Kit(Boehrin
ger Mannheim社)を用いて、ジゴキシゲニ
ン−dUTPで標識した。
【0085】屠殺場で皮質と髄質との中間領域を含む新
鮮なウシ副腎をリン酸緩衝溶液(PBS)中の1%パラ
ホルムアルデヒドで固定した。実験室に戻り、これを小
片に切断し、PBSで洗浄した。次いで試料を8、1
2、16および20%の段階的スクロースーPBS中に
24時間浸漬した。試料をTISSUE−TEK(Mi
les Scientific社)に入れて液体窒素で
凍結した。凍結試料をミクロトームで5−7μmのセク
ションに切断してスライドグラスに回収した。
【0086】セクションのいくつかをPBS中の0.5
%トルイジンブルーで染色し、PBS中の50%グリセ
ロールで染色して同溶液中に入れておいた。
【0087】免疫蛍光染色には、セクションを1%パラ
ホルムアルデヒド−PBSで1分、アセトンで5分固定
した。PBS中の1%Triton X−100で処理
してPBSで洗浄した後、セクションをPBS中に2.
5%ウシ血清アルブミンと2.5%ヒナ血清とを含むブ
ロッキング溶液中に入れて、ブロッキング溶液中の抗ア
ドゼベリン抗体(抗アドゼベリン抗体の作製方法は後述
する実施例18参照)とともに37℃で3時間インキュ
ベートした。セクションを400mM MgClおよ
び20mM Tris−HCl(pH8.6)を含む溶
液中で洗浄し、次いでPBS中で洗浄した後、ブロッキ
ング溶液中のFITC−結合抗ウサギIgGとともに3
7℃で3時間インキュベートした。上記と同様の方法お
よび溶液で十分に洗浄した後、50%グリセロールおよ
び2.5%1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オク
タン(Wako Chemical社)を含むPBSに
入れて、Nikon FEX−A蛍光顕微鏡で観察し
た。
【0088】インサイチュハイブリダイゼーションに
は、セクションを2倍強度の標準食塩−クエン酸(2×
SSC、1×SSC=0.15M NaCl、15mM
Na−クエン酸、pH7.0)で10分、室温でイン
キュベートし、次いでプレハイブリダイゼーション溶液
(5×SSC、50%ホルムアミド、0.1%Twee
n20、50μg/mlヘパリン、100μg/ml音
波処理、変性したサケ精巣DNA)中、室温で1時間イ
ンキュベートした。
【0089】プレハイブリダイゼーションバッファーを
除去して、ジゴキシゲニンで標識したDNAプローブ
0.5μg/mlを含む新しいプレハイブリダイゼーシ
ョンバッファーをセクションに適用した。セクションを
カバースライドで覆い、ゴムセメントで封印した。
【0090】DNAプローブをオーブン中、80℃、1
0分で変性した。次いでオーブン中、42℃で一夜イン
キュベーションを行った。ガラスカッターでカバースラ
イドを取り除き、セクションを室温において2×SSC
で30分、42℃において0.1×SSCで30分、室
温において2×SSCで15分洗浄した。
【0091】DIG DNA Labeling an
d Detection Kit(Boehringe
r Manheim社)を用いてセクション中のプロー
ブを検出した。ジゴキシゲニン標識したDNAプローブ
とインキュベートしたセクションは洗浄バッファー(1
00mM Tris−HCl、150mM NaCl、
pH7.5)中、室温で10分洗浄し、洗浄バッファ
ー中の0.5%(w/v)Boehringerブロッ
キング試薬とともにインキュベートし、最後に洗浄バッ
ファーで洗浄した。
【0092】次いでセクションをアルカリ性ホスファタ
ーゼー結合抗ジゴキシゲニン抗体(150mU/ml)
と37℃、暗所で2時間インキュベートした。洗浄バッ
ファーで2回洗浄した後、スライドを100mM Tr
is−HCl、100mMNaCl、20mM MgC
、pH9.5を含む溶液で短時間処理し、ニトロブ
ルーテトラゾリウム塩、5−ブロモ−4−クロロ−3−
インドリルホスフェートおよび0.25mg/mlレバ
ミソールを含む同溶液とともに室温、暗所で3時間イン
キュベートした。発色を10mM Tris−HCl、
1mM EDTA、pH8.0で停止した。
【0093】グリセロール中においたセクションを光学
顕微鏡で観察した。
【0094】その結果、低倍率で観察すると、髄質に発
色が観察されたが、髄質に隣接する場所以外の皮質には
観察されなかった。次いで髄質と皮質との間の界面領域
を高倍率で観察した。トルイジンブルーによる染色(図
8のa)によって、皮質中の細胞は密に詰まっているの
に対して、髄質中の細胞はゆるやかに分布しており、小
胞を含む鞘状構造によってグループ分けされていること
が明らかとなった。皮質と髄質とはインサイチュハイブ
リダイゼーションにおいても免疫蛍光染色においても、
対比染色法を用いなくとも上記の細胞の性質によって容
易に区別できる。図8のcおよびfはそれぞれ中倍率お
よび高倍率で観察したインサイチュハイブリダイゼーシ
ョンの結果であり、髄質のクロム親和性細胞に対応する
ゆるやかに詰まった細胞で主として染色が観察された。
さらに、髄質に面する少数の皮質細胞も矢印で示すよう
に染色された。
【0095】抗アドゼベリン抗体による免疫蛍光染色で
は同じパターンのアドゼベリンの分布が観察された(図
8のbおよびe)。すなわち、髄質のクロム親和性細胞
に蛍光が観察され、また髄質に面する皮質領域の細胞に
も観察された。クロム親和性細胞では蛍光は主として形
質膜下領域に観察された。
【0096】以上の結果を要約すると、アドゼベリンm
RNAおよびアドゼベリンタンパク質のいずれもが副腎
髄質で発現するが、皮質の大部分では発現しないことが
示された。例外的に髄質と面する皮質の一部分ではアド
ゼベリンmRNAとタンパク質の両方の発現が観察され
た。したがって、ウシ副腎におけるアドゼベリンのこの
ような組織部位における差別された発現は転写レベルで
制御されていると結論された。エキソサイトーシスの型
による分泌は副腎髄質で起こり、皮質では起きないの
で、このような差別された発現は、アドゼベリンが分泌
過程一般に関与しているというよりは、むしろエキソサ
イトーシスの型による分泌過程にのみ関与していること
を強く示唆している。さらに、形質膜下領域にアドゼベ
リンが局在していることは、該タンパク質がエキソサイ
トーシスの制御に関与しているという考えと合致する。
【0097】実施例11:ヒト腎臓mRNA由来cDN
Aライブラリーの作製 ヒト腎臓mRNAは、CLONTECH Labora
tories,Inc.社より購入したものを用いた。
このmRNA2μgより、TimesaverTM
DNA Synthesis Kit(Pharmac
ia社)を用い、添付されたプロトコールに従って二本
鎖cDNAの合成を行った。
【0098】すなわち、熱変性したmRNAをMuri
ne Reverse Transcriptaseお
よびOligo(dT)12−18プライマーを含むF
irst−Strand Reaction Mixに
加え、37℃で1時間保温することによって、第1鎖の
合成を行った。次いでこの反応液を、E.ColiRN
aseH、およびE.Coli DNA polyme
rase Iを含むSecond−Strand Re
action Mixに加え、12℃、30分、次いで
22℃、1時間保温することにより第2鎖の合成を行っ
た。合成した二本鎖cDNAをKitに含まれているS
pun Columnか、あるいはアガロース電気泳動
によってサイズ分画し、前者の場合には約400bp以
上、後者の場合には約2−3kbpのサイズをもつcD
NAのみを回収した。
【0099】この末端にアダプター(EcoRI/No
tIアダプター)を連結し、未反応のアダプターは先の
Spun Columnで除き、ベクターへ組み込ん
だ。ベクターはPharmacia社から購入したEx
Cellベクター(λ ExCell EcoRI/C
IP)あるいは、STRATAGENE社から購入した
Lambda ZAPIIベクター(PREDIGE
STED LAMBDAZAPII/EcoRI/C
IAP CLONING KIT)の2種類を使用し
た。宿主大腸菌として、前者の場合はNM522株、後
者の場合はXL1−Blue株を用いた。ベクターに組
み込んだcDNAを、STRATAGENE社から購入
したGIGAPACK II PACKAGING
EXTRACTを用い、添付されたプロトコールに従い
パッケージングした。すなわち、Freeze/Tha
w extract、Sonic extractおよ
びDNAを混合し、22℃、2時間保温することにより
パッケージングを行い、cDNAライブラリーとした。
【0100】実施例12:プラークハイブリダイゼーシ
ョンによるcDNAライブラリーのスクリーニング(ウ
シアドゼベリンcDNAをプローブとするハイプリダイ
ゼーション) スクリーニングは、Sambrook,J.,Frit
sch,E.F and Maniatis,T.,M
olecular Cloning,ColdSpri
ng Harbor Lab.(1989)に記載され
ている標準的な方法を参考に行った。すなわち、LB寒
天プレート上に生育させたファージプラークを、Hyb
ond−Nフィルター(Amersham社)に移し取
り、アルカリ変性させた後、紫外線を照射することによ
って固定化した。このフィルターを、ハイブリダイゼー
ション液中で40℃、3時間保温することによりプレハ
イブリダイゼーションを行い、次に、32Pで標識し、
熱変性したプローブ(約1μCi/ml)とともに40
℃で16時間以上保温することによりハイブリダイゼー
ションを行った。プローブにはウシアドゼベリンcDN
A(pSK−アドゼベリン)よりPstI、NdeIで
切り出されるほぼcDNAの全長に当たる断片を用い
た。ハイブリダイゼーションには厳密度の低い条件、す
なわち25%ホルムアミドを含むハイブリダイゼーショ
ン液(その他の組成は4×SSC、50mM HEPE
S pH7.0、10×Denhardt’s sol
ution、100μg/ml熱変性サケ精子DNA)
を使用した(東京大学医科学研究所、制癌研究部、新細
胞工学実験プロトコール、細胞工学(1993))。ハ
イブリダイゼーション後、まずフィルターを2×SS
C、0.1% SDSを含む溶液で、室温、15分、2
回洗浄してから、1×SSC、0.1% SDS溶液中
で、室温から徐々に温度を上げていきながら、バックグ
ラウンドの放射活性がなくなるまで洗浄した。フィルタ
ーを乾燥した後、オートラジオグラフィーを行った。
【0101】プローブの32Pによる標識は、Ramd
om Primer DNA Labeling Ki
t Ver.2(宝酒造社)を用いて行った。添付され
たプロトコールに従い、熱変性したDNA約100ng
をランダムプライマー、50μCi[α−32P]dC
TPおよびKlenow fragmentとともに3
7℃、30分保温することにより標識した。
【0102】まず実施例11で得られたヒト腎臓mRN
Aから作製したcDNAライブラリーの1.6×10
プラークをウシアドゼベリンcDNAをプローブとして
スクリーニングしたところ、1つの陽性ファージクロー
ンが得られた。
【0103】実施例13:陽性ファージクローンからプ
ラスミドベクターへのサブクローニング λ ExCellベクターの塩基配列から合成したプラ
イマー(CAGCTATGACCATGATTACGC
CAA、ACGACGGCCAGTGAATTGCGT
AAT)を用いたPCRによって実施例12で得たクロ
ーンのインサート部分を増幅(東京大学医科学研究所、
制癌研究部、新細胞工学実験プロトコール、細胞工学
(1993))し、これをEcoRIで切断後、あらか
じめEcoRIで切断し、脱リン酸処理したpUC18
プラスミドベクターにサブクローニングした。得られた
クローンをpADa−17と命名した。
【0104】実施例14:プラークハイブリダイゼーシ
ョンによるcDNAライブラリーのスクリーニング(p
ADa−17をプローブとするハイブリダイゼーショ
ン) 実施例11の方法に準じて新たにヒト腎臓mRNAより
作製した2−3kbpのcDNAのみを濃縮したライブ
ラリーを用いて、実施例13で得たクローンpADa−
17をプローブとして厳密度を上げて(50%ホルムア
ミド含有ハイブリダイゼーション液:その他の組成は実
施例12と同じ)通常の条件でプラークハイブリダイゼ
ーションを行った。cDNAライブラリーの作製に使用
したベクターはSTRATAGENE社から購入したL
ambda ZAP IIベクター(PREDIGE
STED LAMBDA ZAPII/EcoRI/
CIAP CLONING KIT)であり、宿主大腸
菌としてXL1−Blue株を用いた。また、プローブ
32Pによる標識は、実施例12に記載するのと同様
の方法を用いて、クローンpADa−17よりEcoR
Iによって切り出される断片をアガロースゲル電気泳動
後精製し、約100ng相当量を50μCiの[α−
32P]dCTPで標識した。ハイブリダイゼーション
後、まずフィルターを2×SSC、0.1% SDSを
含む溶液で、室温15分、2回洗浄し、次いで0.5×
SSC、0.1% SDS溶液で50℃、15分、2回
洗浄し、フィルターを乾燥した後、オートラジオグラフ
ィーを行った。
【0105】その結果、1.7×10のプラークをス
クリーニングして5つの陽性ファージクローンを得た。
【0106】実施例15:陽性ファージクローンからプ
ラスミドベクターへのサブクローニング 陽性ファージクローンより、Lambda ZAP
IIベクターの特性を利用したExAssistTM
SOLRTM SYSTEMによるプラスミド(pBl
uescript SK(−)ベクター)への切り出
しを行った。PREDIGESTED LAMBDA
ZAPII/EcoRI/CIAPCLONING
KIT(STRATAGENE社)に添付されたプロト
コールに従い、実施例14で得た陽性ファージとExA
ssistTMヘルパーファージをXL1−Blue株
大腸菌に感染させた後37℃で2.5時間培養し、培養
液中に切り出されたプラスミドをSOLR株大腸菌に取
り込ませた。このようにしてプラスミドクローンphA
D−2〜6を得た。
【0107】実施例16:ヒトアドゼベリンcDNAの
塩基配列の決定 実施例15で得たプラスミドクローンphAD−2とp
hAD−4について塩基配列を決定した。塩基配列は、
Sequenase Version2.0(Unit
ed States Biochemical社)を用
いたDideoxy sequencing法、あるい
は、PRISMTM Terminator Mix
(Applied Biosystems社)を用いた
Cyclesequencing法を行い、Appli
ed Biosystems社のModel 373A
sequencerで解読することにより決定した。
【0108】phAD−2およびphAD−4で決定し
た塩基配列を組み合わせて得られたヒトアドゼベリンの
cDNAの塩基配列および最長オープンリーディングフ
レームに対応するアミノ酸配列を配列表の配列番号5に
示す。79番目のATGを開始コドンとする715アミ
ノ酸からなるオーブンリーディングフレームが見いださ
れた。
【0109】実施例17:ヒトアドゼベリンとウシアド
ゼベリンとの比較 実施例16で得られたヒトアドゼベリンのアミノ酸配列
と実施例6で得られたウシアドゼベリンのアミノ酸配列
を比較した結果を図9に示す。図中、上段はヒト、下段
はウシのアミノ酸配列を示す。また、両者が完全に一致
しているアミノ酸を*で、類似性の高いアミノ酸を・で
示す。ヒトアドゼベリンとウシアドゼベリンとはアミノ
酸レベルで約92%の相同性を有しており、完全に一致
していないアミノ酸でも類似性が高かった。また塩基レ
ベルでもコーディング領域内では約90%の相同性が見
られた。しかしながら、ストップコドン以降は急激に相
同性を失っていた。
【0110】実施例18:抗アドゼベリン抗体および抗
ペプチド抗体(ヒトアドゼベリン由来ペプチドに対する
抗体)の作製抗アドゼベリン抗体の作製 ウシ副腎髄質より精製したアドゼベリン1mgをフロイ
ントの完全アジュバントと混合してエマルジョンを作製
し、ウサギの皮下に10数カ所に分けて注入した。さら
に、4週間おきに同量のタンパク質を不完全アジュバン
トと混合後エマルジョンを作製し、同様に皮下に注入し
た。注入1週間後に耳静脈から採血し血清を分離し、E
LISAにて抗体価を検討したところ、2−3回のブー
スト後に血清中の抗体価の上昇が見られた。ゲルゾリン
との交差反応が観察されたため、得られた血清はアガロ
ースビーズに固定化したゲルゾリンで吸収後、固定化し
たアドゼベリンに吸着させ0.1M グリシン−HCl
(pH2.5)、0.1Mトリエチルアミン−HCl
(pH11.5)、3.5M MgClにて順次溶出
し、トリス緩衝塩溶液に対して透析、濃縮した。このよ
うにして得られたアフィニティー精製抗体はゲルゾリン
と交差反応を示さず、アドゼベリンに対して特異的な反
応が見られた。この抗体はイムノブロット法では0.1
−1μg/ml、蛍光抗体法では1−10μg/mlの
濃度で使用した。抗ペプチド抗体(ヒトアドゼベリン由来ペプチドに対す
る抗体)の作製 タンパク質分子の表面に露出しており、ウシ、ヒトのア
ドゼベリンで種間の保存性が高く、ゲルゾリンとの相同
性の低い部位のヒトアドゼベリン由来のペプチド配列
(16残基)を2カ所選んだ(配列番号6、7)。枝分
かれ構造に7つのリジン残基がつながった樹脂からペプ
チド合成をスタートさせ、Multiple Anti
gen Peptide(MAP)を合成する(Ta
m,J.P.,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 85:5409−5413,1988)。
初回は完全アジュバントと、2回目以降は不完全アジュ
バントとペプチドでエマルジョンを作製し、ウサギ2羽
の皮下に1週おきに注入した。7、8、9週後に耳静脈
から採血し、ELISAにて抗体価を調べた。その結
果、ゲルゾリンとの交差反応性が少なく、ラット、ウ
シ、ヒトのアドゼベリンと反応する抗体が得られた。免
疫前の血清にも認められる非特異的な反応が観察された
ため精製タンパク質を免疫して得た抗体と同様に抗原に
よるアフィニティー精製を行った。
【0111】
【発明の効果】本発明により、アクチンフィラメント切
断活性を有するタンパク質であるアドゼベリンをコード
する遺伝子の配列が明らかとなった。したがって、本遺
伝子配列からそのアンチセンスDNA配列を作製してヒ
トに投与することにより、例えば、血管平滑筋の増殖を
抑制して血管狭窄を予防・治療したり、あるいは生理活
性物質の放出を遺伝子レベルで抑制することが可能であ
ると考えられている。また、本発明の遺伝子配列を遺伝
子組換え技術に応用することにより、アドゼベリンを大
量かつ均一に生産することが可能となった。したがっ
て、ヒトアドゼベリンを用いたスクリーニング系などを
構築することにより、新たな医薬品の開発が期待でき
る。さらに、アドゼベリンはゲルゾリンと同じ活性を示
すことから、血栓抑制剤などの医薬用途に利用できる可
能性もある。
【配列表】
【0112】配列番号:1 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:ペプチド 配列: KVAHVKQIPFDA
【0113】配列番号:2 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:ペプチド 配列: VLTNDLTAQ
【0114】配列番号:3 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:ペプチド 配列: ITNRK
【0115】配列番号:4 配列の長さ:2418 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:27..2171 配列:
【0116】配列番号:5 配列の長さ:2630 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:79..2223 配列:
【0117】配列番号:6 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:ペプチド 配列: LNHVLTNDLTAKRLLH
【0118】配列番号:7 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:ペプチド 配列: KVYVTEKVAQIKQIPF
【図面の簡単な説明】
【図1】ウシ副腎髄質から得たアドゼベリンの精製を、
ウシ大動脈から得たゲルゾリンの精製と比較して示す電
気泳動の写真である。SDS−PAGEは6.5〜1
0.5%のリニヤーグラジエントゲルを用いて行った。
レーン1および2はウシ大動脈から得た分画をDNas
eIアフィニティーカラムにかけたものを示し、このう
ちレーン1はEGTA溶出分画、レーン2は6M尿素溶
出分画である。レーン3−8はウシ副腎髄質から得た分
画を示し、このうちレーン3は粗抽出物、レーン4はD
NaseIアフィニティーカラムのEGTA溶出分画、
レーン5はDNaseIアフィニティーカラムの6M尿
素溶出分画、レーン6はアドゼベリンを含むQ−Sep
harose分画、レーン7は血漿ゲルゾリン、細胞質
ゲルゾリンおよびアクチンを含むQ−Sepharos
e分画、レーン8はHPLCゲル濾過で精製したアドゼ
ベリン、レーンMは分子量マーカーであり、上から9
4,000、67,000、43,000および30,
000の分子量を表す。
【図2】アドゼベリンの分子量39,000の断片(C
39)の部分的アミノ酸配列と、そのゲルゾリンおよび
ビリンの対応部分のアミノ酸配列との比較を示す。
【図3】アドゼベリンのサーモリシン分解によって得ら
れる断片のN末端アミノ酸配列とその予期される位置を
ゲルゾリンと比較して示す。
【図4】ウシアドゼベリンのcDNAの制限酵素地図を
示す。PCRで示した部分はMDBK細胞のRNAから
逆転写およびPCRによって得られたcDNAを示す。
19、5および21で示す部分は、ウシ副腎髄質のλg
t11 cDNAライブラリーから単離してアドゼベリ
ンのcDNA構築に使用した個々のcDNAを示する。
【図5】本発明で明らかにされたウシアドゼベリンのア
ミノ酸配列を、ヒトゲルゾリンおよびヒトビリンの対応
するセグメントのアミノ酸配列と比較して示す。配列の
右側に示す番号はアドゼベリン、ゲルゾリン、ビリンの
セグメント番号である。セグメント1と4、セグメント
2と5、およびセグメント3と6の間に最大の相同性が
存在する。高度に保存されたモチーフを図中にボックス
で囲んで示す。また、推定されるポリホスホイノシチド
結合部位を点線で囲んで示す。さらに、下に楕円で囲ん
だ番号で示す模式図は、これらのタンパク質の6個の相
同セグメントである。
【図6】大腸菌における発現とアドゼベリンの精製を示
す電気泳動の写真である。図中、Aは大腸菌におけるア
ドゼベリンの発現を示すSDS−PAGE分析である。
形質転換体を0.4mM IPTGの存在下(レーン
3)または不在下(レーン2)にインキュベートした3
時間後に、ペレット化した細胞をSDSサンプルバッフ
ァーに溶解して、加熱し、SDS−ポリアクリルアミド
ゲルにのせた。電気泳動の後、ゲルをクマシー(Coo
massie)ブリリアントブルーで染色した。矢印は
アドゼベリンのバンドを示す。なお、レーン1は分子量
マーカーである。図中、Bは大腸菌で発現させたアドゼ
ベリンを精製した後に行ったイムノブロット分析であ
る。精製アドゼベリンをSDS−PAGEで分離し、ニ
トロセルロース膜に移し取った。ブロットをポンソー
(Ponceau)Sで染色(レーン2)し、脱染色し
た後、アフィニティー精製したアドゼベリンに対する抗
体で免疫検出した(レーン3)。なお、レーン1は分子
量マーカーである。
【図7】大腸菌で発現したアドゼベリンのアクチン重合
に対する効果を粘度計によって測定した結果を示す。
0.1mM CaCl(A)または1mM EGTA
(B)を含むバッファーP中でアクチンを重合させた。
図中、○および△で示すのは、アクチンのみの存在下で
重合を行った結果を示し、●および▲で示すのは、アク
チンに1:30のモル比で加えたアドゼベリンの存在下
に行った結果を示す。矢印で示す時点で、1:30のモ
ル比でアクチン溶液にアドゼベリンを加えた。
【図8】ウシ副腎の皮質と髄質の境界領域におけるアド
ゼベリンとmRNAの発現を示す光学顕微鏡写真(生物
の形態を示す写真)である。各写真の上側が皮質に対応
し、下側が髄質に対応する。セクションをトルイジンブ
ルーで染色する(パネルa)か、あるいは抗−アドゼベ
リンウサギ抗体で染色し、次いで蛍光結合抗−ウサギイ
ムノグロブリンで染色した(パネルbおよびe)。パネ
ルdは、パネルeと同じ視野を位相差顕微鏡によって観
察した像である。インサイチュハイブイダイゼーション
の像をパネルcおよびfに示す。なお、パネルa−cは
120×の倍率であり、パネルd−fは280×の倍率
である。
【図9】ヒトアドゼベリンのアミノ酸配列とウシアドゼ
ベリンのアミノ酸配列を比較した結果を示す図である。
図中、上段はヒト、下段はウシのアミノ酸配列を示す。
両者が完全に一致しているアミノ酸を*で、類似性の高
いアミノ酸を・で示す。また、四角で囲んだ部分は、リ
ン脂質が結合すると推定されている領域を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】ゲルゾリンおよびビリンに存在する推定の
ポリホスホイノシチド結合配列も、ゲルゾリンやビリン
中の領域に対応する領域、すなわちアドゼベリンの第1
および第2セグメント(S1、S2)中に見つかった。
これは、S1−2に対応するアドゼベリンのタンパク質
断片の切断活性がポリホスホイノシチドによって阻害さ
れることと一致する。これらの配列を図5中に箱で囲ん
で示し、また表1に模式図として示す。 表1 他のアクチンフィラメント切断タンパク質と比較した アドゼベリンの推定ポリホスホイノシチド結合部位タンパク質 結合部位の位置 アミノ酸配列 アドゼベリン 112−119 K G G − L K Y K A ゲルゾリン 135−142 K S G − L K Y K K ビリン 112−119 K Q G − L V I R K アドゼベリン 138−146 R L L H V K G R R ゲルゾリン 161−169 R L F Q V K G R R ビリン 138−146 R L L H V K G K R コンセンサス K K K X X(X)X K X R R R 2つの推定配列のうちの1つはコンセンサス配列と完全
に一致し、また第1セグメントにある他方はコンセンサ
ス配列と1アミノ酸だけ異なっており、コンセンサス配
列のCOOH末端が塩基性アミノ酸の代わりにアラニン
となっている。このため、ゲルゾリンの対応するドメイ
ンよりもアドゼベリンのこのドメインの塩基性が低くな
る。この相違は、ホスファチジルイノシトール4,5−
ビスリン酸やホスファチジルイノシトール4−モノリン
酸以外の酸性リン脂質、例えばホスファチジルイノシト
ールやホスファチジルセリンがアドゼベリンの切断活性
を阻害できても、ゲルゾリンの切断活性は阻害できな
い、ということを部分的に説明する理由となろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 48/00 C07H 21/04 B C07K 14/47 8318−4H 14/575 8318−4H C12N 1/21 8828−4B C12P 21/02 C 9282−4B 21/08 9358−4B G01N 33/53 D // A61K 38/46 ACB AED AFC (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) A61K 37/54 AED AFC

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号4または5に示すアミ
    ノ酸配列をコードする塩基配列、またはこれを一部置
    換、欠失もしくは付加した塩基配列、あるいはこれらに
    ハイブリダイズする塩基配列を含むDNA。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のDNAを含有する組換え
    ベクター。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の組換えベクターにより形
    質転換された原核または真核宿主細胞。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の宿主細胞を培養し、産生
    されたタンパク質を分離、精製することを特徴とする組
    換えタンパク質の製造方法。
  5. 【請求項5】 組換えタンパク質がアクチンフィラメン
    ト切断活性を有するタンパク質である請求項4記載の組
    換えタンパク質の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の宿主細胞を培養して得ら
    れる培養清を分離、精製して得られる組換えアドゼベリ
    ンタンパク質。
  7. 【請求項7】 配列表の配列番号4または5に示すアミ
    ノ酸配列をコードする塩基配列と特異的にハイブリダイ
    ズしうるオリゴヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 配列表の配列番号4または5に示すアミ
    ノ酸配列をコードする塩基配列と特異的にハイブリダイ
    ズしうるオリゴヌクレオチドを動物に投与することから
    なる、動物におけるアドゼベリンの生成を抑制する方
    法。
  9. 【請求項9】 アドゼベリンタンパク質を認識する抗
    体。
JP34069294A 1993-12-28 1994-12-20 アドゼベリンをコードする遺伝子 Expired - Fee Related JP3914272B2 (ja)

Priority Applications (12)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34069294A JP3914272B2 (ja) 1993-12-28 1994-12-20 アドゼベリンをコードする遺伝子
US08/669,286 US6130060A (en) 1993-12-28 1994-12-27 Gene encoding for adseverin
AU12814/95A AU1281495A (en) 1993-12-28 1994-12-27 Gene coding for adseverins
CA002180103A CA2180103C (en) 1993-12-28 1994-12-27 Gene encoding adseverin
EP95903966A EP0756005B1 (en) 1993-12-28 1994-12-27 Gene coding for adseverin
AT95903966T ATE290591T1 (de) 1993-12-28 1994-12-27 Für adseverin kodierendes gen
DE69434292T DE69434292T2 (de) 1993-12-28 1994-12-27 Für adseverin codierendes gen
EP03017504A EP1371728A1 (en) 1993-12-28 1994-12-27 Gene encoding adseverin
PCT/JP1994/002227 WO1995018221A1 (fr) 1993-12-28 1994-12-27 Gene codant pour les adseverines
TW084106842A TW438886B (en) 1993-12-28 1995-06-22 Gene encoding human adseverin
US09/469,253 US6184352B1 (en) 1993-12-28 1999-12-22 Adseverin protein
US09/642,146 US6271353B1 (en) 1993-12-28 2000-08-21 Antibodies specific for human adseverin

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-355112 1993-12-28
JP35511293 1993-12-28
JP6-160236 1994-07-12
JP16023694 1994-07-12
JP34069294A JP3914272B2 (ja) 1993-12-28 1994-12-20 アドゼベリンをコードする遺伝子

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004182903A Division JP2004344172A (ja) 1993-12-28 2004-06-21 アドゼベリンをコードする遺伝子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0880195A true JPH0880195A (ja) 1996-03-26
JP3914272B2 JP3914272B2 (ja) 2007-05-16

Family

ID=27321664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34069294A Expired - Fee Related JP3914272B2 (ja) 1993-12-28 1994-12-20 アドゼベリンをコードする遺伝子

Country Status (9)

Country Link
US (3) US6130060A (ja)
EP (2) EP0756005B1 (ja)
JP (1) JP3914272B2 (ja)
AT (1) ATE290591T1 (ja)
AU (1) AU1281495A (ja)
CA (1) CA2180103C (ja)
DE (1) DE69434292T2 (ja)
TW (1) TW438886B (ja)
WO (1) WO1995018221A1 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5846743A (en) * 1995-02-22 1998-12-08 Brigham And Women's Hospital, Inc. Polyphoshoinositide binding peptides for intracellular drug delivery
WO1998020887A1 (en) * 1996-11-14 1998-05-22 Brigham And Women's Hospital, Inc. Polyphosphoinositide binding peptides for intracellular drug delivery
US20040048780A1 (en) * 2000-05-10 2004-03-11 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Method for treating and preventing cardiac arrhythmia
US6489125B1 (en) * 2000-05-10 2002-12-03 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Methods for identifying chemical compounds that inhibit dissociation of FKBP12.6 binding protein from type 2 ryanodine receptor
US8022058B2 (en) 2000-05-10 2011-09-20 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Agents for preventing and treating disorders involving modulation of the RyR receptors
US7718644B2 (en) 2004-01-22 2010-05-18 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Anti-arrhythmic and heart failure drugs that target the leak in the ryanodine receptor (RyR2) and uses thereof
US20060293266A1 (en) * 2000-05-10 2006-12-28 The Trustees Of Columbia Phosphodiesterase 4D in the ryanodine receptor complex protects against heart failure
US7393652B2 (en) 2000-05-10 2008-07-01 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Methods for identifying a chemical compound that directly enhances binding of FKBP12.6 to PKA-phosphorylated type 2 ryanodine receptor (RyR2)
US20040229781A1 (en) * 2000-05-10 2004-11-18 Marks Andrew Robert Compounds and methods for treating and preventing exercise-induced cardiac arrhythmias
US7879840B2 (en) 2005-08-25 2011-02-01 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Agents for preventing and treating disorders involving modulation of the RyR receptors
US20030220374A1 (en) * 2002-01-14 2003-11-27 Pharmacia Corporation Compositions and methods of treatment involving peroxisome proliferator-activated receptor-gamma agonists and cyclooxygenase-2 selective inhibitors
US7544678B2 (en) 2002-11-05 2009-06-09 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Anti-arrythmic and heart failure drugs that target the leak in the ryanodine receptor (RyR2)
JP2007525165A (ja) 2003-03-07 2007-09-06 トラスティーズ・オブ・コロンビア・ユニバーシティ・イン・ザ・シティ・オブ・ニューヨーク タイプ1ライアノジン受容体に基づく方法
US9408891B2 (en) * 2003-11-12 2016-08-09 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Methods of using gelsolin to treat or prevent bacterial sepsis
PL1694342T3 (pl) * 2003-11-12 2021-07-05 Trustees Of The University Of Pennsylvania Sposoby zastosowania gelsoliny do leczenia lub zapobiegania posocznicy bakteryjnej
US8710045B2 (en) 2004-01-22 2014-04-29 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Agents for preventing and treating disorders involving modulation of the ryanodine receptors
CN1980694B (zh) * 2004-05-12 2012-09-26 布赖汉姆妇女医院有限公司 凝溶胶蛋白治疗感染的用途
US7704990B2 (en) 2005-08-25 2010-04-27 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Agents for preventing and treating disorders involving modulation of the RyR receptors
WO2007080457A2 (en) * 2005-12-30 2007-07-19 Institut Gustave Roussy Use of inhibitors of scinderin and/or of ephrin-a1 for treating tumors
US8198094B2 (en) 2006-03-15 2012-06-12 The Brigham And Women's Hospital, Inc. Methods of using gelsolin levels to characterize a subject's risk of developing rheumatoid arthritis
ES2651619T3 (es) 2006-03-15 2018-01-29 The Brigham And Women's Hospital, Inc. Uso de gelsolina para tratar esclerosis múltiple y diagnosticar enfermedades neurológicas
CN102119173B (zh) * 2007-08-15 2015-04-08 北京同为时代生物技术有限公司 凝溶胶蛋白结合剂组合物及其用途
PL2708603T3 (pl) 2008-01-25 2017-12-29 Beth Israel Deaconess Medical Ct Inc Diagnostyczne i terapeutyczne zastosowania gelsoliny w niewydolności nerek
CN101955528B (zh) * 2010-08-05 2012-07-04 许爱娥 人mchr1抗原表位区基因表达相关蛋白mchr1-c及其编码基因
CN102766194B (zh) * 2011-05-03 2016-04-06 中国医学科学院医药生物技术研究所 具有hiv-1蛋白酶抑制活性的寡肽化合物及其制备方法和用途

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1991015770A1 (en) * 1990-04-11 1991-10-17 The General Hospital Corporation Therapeutic uses of actin-binding compounds

Also Published As

Publication number Publication date
ATE290591T1 (de) 2005-03-15
DE69434292D1 (de) 2005-04-14
TW438886B (en) 2001-06-07
EP0756005A4 (en) 1998-09-09
EP0756005A1 (en) 1997-01-29
WO1995018221A1 (fr) 1995-07-06
CA2180103A1 (en) 1995-07-06
US6271353B1 (en) 2001-08-07
US6130060A (en) 2000-10-10
JP3914272B2 (ja) 2007-05-16
AU1281495A (en) 1995-07-17
EP0756005B1 (en) 2005-03-09
CA2180103C (en) 2005-02-08
DE69434292T2 (de) 2006-01-12
US6184352B1 (en) 2001-02-06
EP1371728A1 (en) 2003-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0880195A (ja) アドゼベリンをコードする遺伝子
Williams et al. Identification of the pertussis toxin-sensitive G proteins in platelets, megakaryocytes, and human erythroleukemia cells
Rana et al. Cloning of human erythroid dematin reveals another member of the villin family.
US5610031A (en) B1k chain of laminin and methods of use
WO1999059618A1 (en) Acrp30r1l, a homolog of acrp30 (30 kd adipocyte complement-related protein)
CA2301660A1 (en) Adipocyte-specific protein homologs
CA2153241A1 (en) Methods for promoting cartilage matrix formation
EP1003780A1 (en) Human f11 antigen: a cell surface receptor involved in platelet aggregation
WO1997017987A9 (en) C9 complement inhibitor
WO2000063227A1 (en) A splicing variant of human membrane-type matrix metalloproteinase-5 (mt-mmp5-l)
US5908761A (en) Galectin-8 and galectin-8-like proteins and DNA molecules coding therefor
JP2006502697A (ja) Falpタンパク質
US20030009023A1 (en) Isolation and method of using tissue growth-inducing Frzb protein
JP2004344172A (ja) アドゼベリンをコードする遺伝子
JPH10117788A (ja) ヒト・myt−1キナーゼクローン
CA2349449A1 (en) Cell surface glycoproteins
CA2332379A1 (en) Molecules associated with apoptosis
US5741890A (en) Protein binding fragments of gravin
Hirate et al. Association of the sea urchin EGF‐related peptide, EGIP‐D, with fasciclin I‐related ECM proteins from the sea urchin Anthocidaris crassispina
WO1999064629A1 (en) Acrp30r2, a homolog of acrp30 (30 kd adipocyte complement-related protein)
JP2002541847A (ja) 脂肪細胞補体関連タンパク質同族体zacrp3
WO1999056778A1 (en) The cytokine family member, 2-19
WO2000017349A1 (en) A HUMAN Hsg III GENE
JP2002541846A (ja) 脂肪細胞補体関連タンパク質同族体zacrp2
WO2000065052A9 (en) Bridge-1, a transcription factor

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050511

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees