JPH08784Y2 - 温風乾燥装置における電線ガイド筒の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、所定位置にかざした手をセンサによって感
知し、ファン及びヒータを駆動して上記手の位置に温風
を吐出する温風乾燥装置の設置技術に係る温風乾燥装置
における電線ガイド筒の構造に関するものである。

〔従来の技術〕

従来から使用されている温風乾燥装置と壁面との取付
構造は、機筐の側方に突出したマウントリブから螺子を
壁面に締結して固着するものが一般的であるが、近年上
記マウントリブ等の壁面に対する装着部位について、正
面からの見栄えを向上させる目的で、該温風乾燥装置の
取付構造を機筐の裏面に隠れる部位に構成すると同時
に、装置と接続する屋内電気配線も機筐の裏面に隠すも
のが多くなっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、壁面取付構造及び電気配線が機筐の裏面に隠
れるようになったこの種の温風乾燥装置では、電気配線
の機筐内腔への導入に際して挿入位置が見えないため、
手探り状態で位置を決め、かつその位置から所定部位を
狙った方向に電気配線の姿勢を保持しなければならず、
取付作業が極めて困難となる問題を有していた。

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたものであり、
電気配線が容易であり、作業性を向上することができる
温風乾燥装置における電線ガイド筒の構造を提供するこ
とを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係る温風乾燥装
置における電線ガイド筒の構造は、温風吐出口にかざし
た手をセンサによって感知し、ファン及びヒータを駆動
して上記手の位置に温風を吐出する温風乾燥装置におい
て、装置本体の機筐背面と被取付壁面に固設したベース
プレートとの取付手段の近傍に位置して、前記機筐の背
面に横又は縦方向に延びる凹溝を形成すると共に、該凹
溝の少なくとも一端に電気配線導入用の円孔を穿設し、
該円孔の内側に適宜長さの電線ガイド筒を突設したこと
を要旨とするものである。

この電線ガイド筒は、機筐の背板部外方へ下降傾斜す
るように形成し、電気導入用の円孔内に挿通させた電気
配線を伝流する水滴が該電線ガイド筒により機筐外へ逆
流滴下するように構成することもできる。

〔作用〕

上記構造によれば、装置本体の背面に構成した横又は
縦方向に延びる凹溝を凡その見当で探り当てることで、
その一端に穿設した円孔を見つけることができ、更には
該円孔から挿入する屋内配線を電線ガイド筒の案内作用
によって所定の位置に挿入することができるため、隠蔽
されている背面を覗き込むことなく結線作業を行うこと
ができる。

また、電線ガイド筒の構成によって機筐の背板部に開
設した円孔からの水滴の侵入を阻止するようになる。

〔実施例〕

以下、本考案に係る温風乾燥装置における電線ガイド
筒の構造の一実施例を図面に従って説明する。

１は、その前面に前カバー２を取り付けて装置収容部
３を構成した温風乾燥装置の機筐であり、一般に前カバ
ーと共に硬質合成樹脂により成形して成る。該装置収容
室３には、温風機ユニット４、殺菌灯ユニット５、セン
サユニット６、電源スイッチ７、切替スイッチ８、コン
トローラ９及び端子台10,11等の構成装置を収容搭載す
ると共に、温風機ユニット４の電動機14を固設し、下方
に上記温風機ユニット４のシロッコ型ファン15を内蔵し
たブロワケース16と連通する排気ダクト17を位置し、該
排気ダクト17内にヒータ19を内蔵した温風吐出口18を形
成して成る。また該温風吐出口18の裏面には、該部機筐
１の背面に殺菌灯ユニット５を固設し、かつ同部位の内
面に前記温風吐出位置を臨むセンサユニット６を設ける
と共に、機筐１内部には電源スイッチ７及び切替スイッ
チ８に接続した端子台10,11を固設して成り、これらの
構成部材を前カバー２によって前面から被蓋する構成に
なる。またコントローラ９は、温風機ユニット４のブロ
ワケース16の外面に固設してある。

上記電動機14の後端には上端部に矩形の掛止用透孔21
を穿設した略方形の金属板から成るマウントブラケット
20が、該電動機14の前端から挿通した複数の固定螺子22
で締結固着して成る。該マウントブラケット20には、掛
止用透孔21に連続する縦方向に伸びる矩形の通孔23を折
曲形成して平坦な取付面24を構成する。また、該マウン
トブラケット20の四隅に螺設した螺子孔25,25…には機
筐１の背板部1aと対応する位置に穿設した透孔26,26…
から挿入した取付螺子27,27…をそれぞれ螺合緊締し、
該マウントブラケット20を介して、電動機14及び該電動
機14の機筐と複数の支持アーム28,28…を介してブロワ
ケース16を固着している温風機ユニット４と該温風機ユ
ニット４に固定される全ての構造を一体化して成る。

上記マウントブラケット20を内面に取り付けている機
筐１の背板部1aは、前記４個の透孔26,26…の内側が正
面側に凹陥した凹段部29を構成すると共に、該凹段部29
の上縁31下には中心軸上に位置して、前記マウントブラ
ケット20の掛止用透孔21との対応位置に略同形の掛止端
挿入用透孔30を穿設してある。また該挿入用透孔30の両
側に沿って形成した下方に伸びる一対のガイドリブ32,3
2は、その途中に形成したハ字状の斜向した狭小ガイド
リブ33,33部を介して拡幅ガイドリブ34,34部とそれぞれ
連続した突条を形成し、該凹段部29の下縁に沿って横方
向に伸びる凹溝35が形成してあり、該凹溝35の一端には
装置収容室３の内方に延びる電線ガイド筒36aをもった
電源配線導入用の円孔36を穿設して成る。また他端には
同様の円孔を開設するための周囲に環状の薄肉溝を形成
した偽孔37を構成すると共に、該凹溝35側壁の下面に
は、後述するベースプレート40からの取付螺子41,41を
螺合するためのビスポース38,38を穿設してある。

上記電線ガイド筒36aは、円孔36から機筐１内腔へ導
入した屋内配線の取付方向に対向しており、所望により
該電線ガイド筒36aを機筐１の背板部1aの外方へ下降傾
斜するように形設することも可能であり、円孔36から機
筐１内へ導入した屋内配線を伝流する水滴を該電線ガイ
ド筒36aの下降傾斜面により機筐１外へ導出することが
できる。

上記ベースプレート40は、一般の屋内電気配線部材と
して使用されているJIS規格の電気配線ボックス39のカ
バープレートを兼用するもので、金属平板を折曲成形し
て成り、四隅及び所望位置に複数の取付ビス挿入孔43,4
3…を穿設した壁面取付板部42の頂部中央に、上方に折
り曲げた前記マウントブラケット20の掛止用透孔21を掛
止するための掛止端44を構成すると共に、下端部を前方
に折り曲げた折曲縁45を構成し、該折曲縁45に前記機筐
１の下面に構成したビスポート38,38と対応する取付螺
子41挿通用の透孔46,46を穿設して成る。また47は、前
記機筐１の凹溝35と対応する位置に形成した電気配線処
理孔であり、該処理孔47の両側には凹溝35に沿って屈曲
した膨出部48,48が構成され、該ベースプレート40を壁
面に取り付けたときの電気配線のホルダを形成するもの
である。

上記構成の温風乾燥装置を壁面に取り付ける場合は、
第６図に示すように、ベースプレート40を電気配線ボッ
クス39の前面に位置して、適宜取付ビスによって壁面に
固設した後、該ベースプレート40に本体を固定するもの
であり、このとき該ベースプレート40の電気配線処理孔
47から導出した屋内配線50を、機筐１の背面部に穿設し
た円孔36から機筐１内に挿入して端子台10と結線した
後、残余配線長さを電気配線ボックス39内に納めて取り
付け、掛止端44に掛止用透孔21の孔縁と掛合すると同時
に、機筐１の底面において、折曲縁45の透孔46,46から
ビスポート38,38に取付螺子41,41を締結して壁面取付を
完了する。

この屋内配線50挿入の際、作業者は機筐１の背面に手
を当て、凹溝35を探り当てることができると、該凹溝35
の一端に円孔36が穿設してあるため、簡単にその位置を
確認することができる。また、該円孔36から挿入した屋
内配線50は、円孔36と連続する電線ガイド筒36aによっ
て装置収容室３に向かう屋内配線50の傾きαが限定され
るため、端子台10に向かって誘導され取付作業を容易に
する。

なお、前記実施例では、凹溝35を横方向に延びる構造と
したが、該凹溝35は機筐１の背板部1aにおいて充分長け
れば、縦方向であっても同様の効果を奏するもので、凹
溝35の一端に円孔36を穿設して実施することができる。

〔考案の効果〕

本考案に係る温風乾燥装置における電線ガイド筒の構
造は、以上のように構成したから、装置本体の背面に構
成した凹溝と該凹溝の一端に構成した円孔の連続した構
成によって、円孔の探り作業が容易にできると共に、該
円孔から挿入した温風乾燥装置と屋内配線の接続作業が
容易になると共に、電線ガイド筒の構成によって機筐の
背板部に開設した円孔からの水滴の侵入を阻止するよう
になる等の特徴を有するものであり、本考案実施後の実
用的効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る温風乾燥装置における電線ガイド
筒の構造の一実施例を示す一部切欠した温風乾燥装置の
縦断面図、 第２図は同前カバーを除去した状態の正面図、 第３図は機筐の背面図、 第４図は壁面取付部の拡大断面図、 第５図は電線ガイド筒の構造を示す要部拡大断面図、 第６図はベースプレートの壁面取付状態を示す斜視図 第７図は本考案装置の壁面取付手順を示す分解斜視図で
ある。 １……機筐、10,11……端子台 14……電動機、18……温風吐出口 20……マウントブラケット 21……掛止用透孔、26……透孔 30……掛止端挿入用透孔 35……凹溝、36……円孔 36a……電線ガイド筒、39……電気配線ボックス 40……ベースプレート、44……掛止端 47……電気配線処理孔、50……屋内配線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 井出 一孝 福岡県北九州市小倉南区朽網東５丁目１番 １号 東陶機器株式会社小倉第二工場内 (72)考案者 山本 宏史 福岡県北九州市小倉南区朽網東５丁目１番 １号 東陶機器株式会社小倉第二工場内 (56)参考文献 実開 昭61−179992（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】温風吐出口にかざした手をセンサによって
   感知し、ファン及びヒータを駆動して上記手の位置に温
   風を吐出する温風乾燥装置において、装置本体の機筐背
   面と被取付壁面に固設したベースプレートとの取付手段
   の近傍に位置して、前記機筐の背面に横又は縦方向に延
   びる凹溝を形成すると共に、該凹溝の少なくとも一端に
   電気配線導入用の円孔を穿設し、該円孔の内側に適宜長
   さの電線ガイド筒を突設したことを特徴とする温風乾燥
   装置における電線ガイド筒の構造。
2. 【請求項２】電線ガイド筒を機筐の背板部外方へ下降傾
   斜するように形成したことを特徴とする請求項１記載の
   温風乾燥装置における電線ガイド筒の構造。