JPH087819A - 物質表面における原子移動の検出方法 - Google Patents
物質表面における原子移動の検出方法Info
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- JPH087819A JPH087819A JP13766994A JP13766994A JPH087819A JP H087819 A JPH087819 A JP H087819A JP 13766994 A JP13766994 A JP 13766994A JP 13766994 A JP13766994 A JP 13766994A JP H087819 A JPH087819 A JP H087819A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 走査型トンネル電子顕微鏡(STM)の探針
と対象物質との系において、STMの探針にパルス電圧
を印加して対象物質表面上の原子の引抜きと対象物質表
面への原子の吸着を行う原子移動操作において、パルス
電圧の印加中、および、そのパルス電圧印加後のzピエ
ゾ電圧を時系列で測定することにより、物質表面におけ
る原子移動を検出する。 【効果】 新規材料やデバイス作製には不可欠となる物
質表面での原子の引抜き、あるいは表面への原子吸着か
らなる原子移動の検出が可能となる。
と対象物質との系において、STMの探針にパルス電圧
を印加して対象物質表面上の原子の引抜きと対象物質表
面への原子の吸着を行う原子移動操作において、パルス
電圧の印加中、および、そのパルス電圧印加後のzピエ
ゾ電圧を時系列で測定することにより、物質表面におけ
る原子移動を検出する。 【効果】 新規材料やデバイス作製には不可欠となる物
質表面での原子の引抜き、あるいは表面への原子吸着か
らなる原子移動の検出が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、物質表面における原
子移動の検出方法に関するものである。さらに詳しく
は、この発明は、原子単位変換材料、および、原子単位
変換デバイス等の創製に有用な、物質表面におけるST
M原子移動の検出方法に関するものである。
子移動の検出方法に関するものである。さらに詳しく
は、この発明は、原子単位変換材料、および、原子単位
変換デバイス等の創製に有用な、物質表面におけるST
M原子移動の検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と課題】従来より、エレクトロニクスやバ
イオ工学の発展にともなって、高機能、および、高性能
な新規材料の創製が精力的に検討されている。このよう
な新規材料の開発においては、対象物質表面を原子単位
で操作することが重要な課題となっており、この操作に
より、対象物質の本来の性質改変して、新しい特性を有
する材料を開発することが注目されている。
イオ工学の発展にともなって、高機能、および、高性能
な新規材料の創製が精力的に検討されている。このよう
な新規材料の開発においては、対象物質表面を原子単位
で操作することが重要な課題となっており、この操作に
より、対象物質の本来の性質改変して、新しい特性を有
する材料を開発することが注目されている。
【0003】このような、対象物質表面の原子を操作す
る方法としては、一般的には、真空蒸着法、イオン蒸着
法、分子線エピタキシー法(MBE)、化学気相蒸着法
(CVD)、あるいは気相エッチング法等が関連する技
術として知られている。これらの方法は、いずれも真空
中で対象物質基板に異種原子による成膜を行うか、ある
いはエッチングにより表面原子を除去する方法であっ
て、すでに広く一般的に用いられている。
る方法としては、一般的には、真空蒸着法、イオン蒸着
法、分子線エピタキシー法(MBE)、化学気相蒸着法
(CVD)、あるいは気相エッチング法等が関連する技
術として知られている。これらの方法は、いずれも真空
中で対象物質基板に異種原子による成膜を行うか、ある
いはエッチングにより表面原子を除去する方法であっ
て、すでに広く一般的に用いられている。
【0004】たとえば分子線エピタキシー法(MBE)
は、半導体、金属、誘導体などの単結晶薄膜を作製する
技術として知られており、この方法では、クヌーセンセ
ル(蒸発源セル)を加熱することにより発生する分子線
が、加熱された単結晶基板と相互作用することによって
単結晶薄膜が形成される。そしてこの方法においては、
一原子層程度の厚さの制御や、界面急峻性、大面積一様
性等を可能としている。
は、半導体、金属、誘導体などの単結晶薄膜を作製する
技術として知られており、この方法では、クヌーセンセ
ル(蒸発源セル)を加熱することにより発生する分子線
が、加熱された単結晶基板と相互作用することによって
単結晶薄膜が形成される。そしてこの方法においては、
一原子層程度の厚さの制御や、界面急峻性、大面積一様
性等を可能としている。
【0005】また、気相エッチング法は、イオンやラジ
カルによる表面化学反応をその過程とした方法であり、
原子層単位での引抜き除去を可能としている。さらに近
年では、液体金属イオン源(LMIS)が開発され、ニ
ードルの対向電極に電位を加熱することによって、加熱
溶融した液相の金属をイオンとしてニードル先端から放
出させて原子層成膜することを可能としている。
カルによる表面化学反応をその過程とした方法であり、
原子層単位での引抜き除去を可能としている。さらに近
年では、液体金属イオン源(LMIS)が開発され、ニ
ードルの対向電極に電位を加熱することによって、加熱
溶融した液相の金属をイオンとしてニードル先端から放
出させて原子層成膜することを可能としている。
【0006】しかしながら、このような従来の方法の場
合には、原子層程度の制御性や、界面急峻性、大面積一
様性等の実現がある程度可能になるが、対象物質表面の
局所的な領域を一原子単位で精密に操作することは難し
く、今後の新規材料やデバイス作製にとって欠かすこと
のできない原子レベルでの対象物質表面の操作・制御技
術としては現実的ではない。
合には、原子層程度の制御性や、界面急峻性、大面積一
様性等の実現がある程度可能になるが、対象物質表面の
局所的な領域を一原子単位で精密に操作することは難し
く、今後の新規材料やデバイス作製にとって欠かすこと
のできない原子レベルでの対象物質表面の操作・制御技
術としては現実的ではない。
【0007】最近になって、今まで不可能と思われてい
た原子レベルで対象物質表面の原子の引抜きと表面への
原子の吸着を制御する方法が、この発明の発明者らによ
って提案された。それは、走査型トンネル電子顕微鏡
(STM)の探針に電圧を印加し、対象物質表面の原子
を局所的に引抜くこと、そして局所的に原子を吸着させ
ることからなる操作を特徴としている。
た原子レベルで対象物質表面の原子の引抜きと表面への
原子の吸着を制御する方法が、この発明の発明者らによ
って提案された。それは、走査型トンネル電子顕微鏡
(STM)の探針に電圧を印加し、対象物質表面の原子
を局所的に引抜くこと、そして局所的に原子を吸着させ
ることからなる操作を特徴としている。
【0008】だが、この局所的な原子の操作のプロセス
は、これまでにない画期的な一原子操作法として注目さ
れるものではあるが、現実的な発展のためにはさらに解
決しなければならない課題も多い。その一つが、原子の
引抜き、吸着、すなわち原子の移動に関する状態検出の
方法を確立しなければならないことである。この検出法
の確立は、今後の原子単位変換材料、および、原子単位
変換デバイス等の創製において、局所的な原子の操作の
プロセスを厳密に解析し、その技術的な発展を図ってい
くためには非常に重要である。
は、これまでにない画期的な一原子操作法として注目さ
れるものではあるが、現実的な発展のためにはさらに解
決しなければならない課題も多い。その一つが、原子の
引抜き、吸着、すなわち原子の移動に関する状態検出の
方法を確立しなければならないことである。この検出法
の確立は、今後の原子単位変換材料、および、原子単位
変換デバイス等の創製において、局所的な原子の操作の
プロセスを厳密に解析し、その技術的な発展を図ってい
くためには非常に重要である。
【0009】この発明は、以上の通りの背景からなされ
たものであって、STM技術をベースとして、物質表面
における原子移動の検出を可能とする新しい方法を提供
することを目的としている。
たものであって、STM技術をベースとして、物質表面
における原子移動の検出を可能とする新しい方法を提供
することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、走査型トンネル電子顕微鏡(S
TM)の探針と対象物質との系において、STMの探針
にパルス電圧を印加して対象物質表面上の原子の引抜き
と対象物質表面への原子の吸着を行う原子移動操作にお
いて、パルス電圧の印加中、および、そのパルス電圧印
加後のzピエゾ電圧を時系列で測定することにより、物
質表面における原子移動を検出することを特徴とする物
質表面における原子移動の検出方法を提供する。
を解決するものとして、走査型トンネル電子顕微鏡(S
TM)の探針と対象物質との系において、STMの探針
にパルス電圧を印加して対象物質表面上の原子の引抜き
と対象物質表面への原子の吸着を行う原子移動操作にお
いて、パルス電圧の印加中、および、そのパルス電圧印
加後のzピエゾ電圧を時系列で測定することにより、物
質表面における原子移動を検出することを特徴とする物
質表面における原子移動の検出方法を提供する。
【0011】
【作用】この発明においては、上記の通りのzピエゾ電
圧の時系列の測定によって、原子の表面からの引抜き時
には、zピエゾ電圧の変化によるSTM探針と対象物質
表面との距離の拡大として、また原子の表面への吸着で
は、その距離の縮小として、しかもその過程の時間変化
として確認されることになる。
圧の時系列の測定によって、原子の表面からの引抜き時
には、zピエゾ電圧の変化によるSTM探針と対象物質
表面との距離の拡大として、また原子の表面への吸着で
は、その距離の縮小として、しかもその過程の時間変化
として確認されることになる。
【0012】このことから、一原子、あるいは複数原子
のクラスターの移動としての、表面からの引抜き、また
は表面への吸着を確認でき、この過程を人為的に再現し
て物質表面の修飾、物質そのものの創製が容易となる。
この方法においては、対象物質およびSTM探針の種類
の選択は任意であり、また、対象物質とは異種原子を用
いて、その原子の対象物質表面への吸着と引抜き操作を
行い、その過程や結果を同定することも可能となる。
のクラスターの移動としての、表面からの引抜き、また
は表面への吸着を確認でき、この過程を人為的に再現し
て物質表面の修飾、物質そのものの創製が容易となる。
この方法においては、対象物質およびSTM探針の種類
の選択は任意であり、また、対象物質とは異種原子を用
いて、その原子の対象物質表面への吸着と引抜き操作を
行い、その過程や結果を同定することも可能となる。
【0013】以下、実施例を示し、詳しくこの発明の検
出方法について説明する。
出方法について説明する。
【0014】
【実施例】Pをドープしたn型のSiウェハー(0.1
Ωcm)から、15×7×0.3mm3 の大きさにカッ
トしたものをSi(111)基板として用い、これを走
査型トンネル顕微鏡(JEOL JSTM−4000X
V)のサンプルホルダーに装着した。そして、このフォ
ルダーを、超真空チャンバー内で、1×10-8Paの真
空度で、1200℃に加熱して表面清浄化した。
Ωcm)から、15×7×0.3mm3 の大きさにカッ
トしたものをSi(111)基板として用い、これを走
査型トンネル顕微鏡(JEOL JSTM−4000X
V)のサンプルホルダーに装着した。そして、このフォ
ルダーを、超真空チャンバー内で、1×10-8Paの真
空度で、1200℃に加熱して表面清浄化した。
【0015】STMの先端は、0.1mmの単結晶クリ
スタルWワイヤーを用い、先端をKOHの0.5Nの溶
液内でエッチングした。そして、+2Vの試料バイアス
電圧を印加した。この時のトンネル電流は、0.6nA
であった。このSTMの先端をあらかじめ設定しておい
た場所に移動させ、−5.5Vのパルス電圧を30ms
間かけた。
スタルWワイヤーを用い、先端をKOHの0.5Nの溶
液内でエッチングした。そして、+2Vの試料バイアス
電圧を印加した。この時のトンネル電流は、0.6nA
であった。このSTMの先端をあらかじめ設定しておい
た場所に移動させ、−5.5Vのパルス電圧を30ms
間かけた。
【0016】パルス電圧印加前後の表面を例示したもの
が図1のSTM像である。図1(a)は、パルス電圧印
加前の、原子の引抜きを行なう前の、Si表面を観察し
たものであり、図1(b)は、パルス電圧印加後に、原
子が引抜かれたSi表面を観察したものである。さら
に、図1(c)は、原子の吸着前におけるSi表面を観
察したものであり、図1(d)は、原子の吸着後のSi
表面を観察したものである。
が図1のSTM像である。図1(a)は、パルス電圧印
加前の、原子の引抜きを行なう前の、Si表面を観察し
たものであり、図1(b)は、パルス電圧印加後に、原
子が引抜かれたSi表面を観察したものである。さら
に、図1(c)は、原子の吸着前におけるSi表面を観
察したものであり、図1(d)は、原子の吸着後のSi
表面を観察したものである。
【0017】そして、この操作において、zピエゾ電圧
とトンネル電流を、4つのメモリバッファを備えた2チ
ャンネルデジタルオシロスコープ(フィリップ社製PM
3323)をコンピュータに連結して評価した。まずは
じめに、パルス電圧を印加した場合であって、しかも原
子には引抜き、吸着による移動が生じないときの、ST
M端子とSi表面との距離を、zピエゾ電圧として時系
列で測定すると図2(a)に示した通りとなる。この図
2(a)において、STM端子とSi表面の距離は、z
ピエゾ電圧の変化に依存するので、zピエゾ電圧を調べ
ることにより、STM端子とSi表面の距離を求めるこ
とができる。この図2(a)からわかるように、原子の
移動が生じないときは、パルス電圧を印加するとSTM
端子とSi表面との距離は、約、0.35nmに拡大す
ることがわかる。
とトンネル電流を、4つのメモリバッファを備えた2チ
ャンネルデジタルオシロスコープ(フィリップ社製PM
3323)をコンピュータに連結して評価した。まずは
じめに、パルス電圧を印加した場合であって、しかも原
子には引抜き、吸着による移動が生じないときの、ST
M端子とSi表面との距離を、zピエゾ電圧として時系
列で測定すると図2(a)に示した通りとなる。この図
2(a)において、STM端子とSi表面の距離は、z
ピエゾ電圧の変化に依存するので、zピエゾ電圧を調べ
ることにより、STM端子とSi表面の距離を求めるこ
とができる。この図2(a)からわかるように、原子の
移動が生じないときは、パルス電圧を印加するとSTM
端子とSi表面との距離は、約、0.35nmに拡大す
ることがわかる。
【0018】−5.5Vのパルス電圧を印加して、ST
M端子とSi表面との距離を測定すると、たとえば図2
(b)〜(e)の通りとなる。これらの図は、STM端
子とSi表面の距離の違いを時系列で示している。この
図に例示したように、4種類の異なる結果が得られた。
図2で(b)は、図2(a)と比較して、その違いがパ
ルス電圧を印加した直後から生じている。この場合をタ
イプ1と名付ける。このタイプ1においては、パルス電
圧を印加するとSTM端子とSi表面との距離が減少
し、さらに、パルス電圧印加後の方が、その直前より
も、STM端子とSi表面との距離が近くなっているこ
とがわかる。
M端子とSi表面との距離を測定すると、たとえば図2
(b)〜(e)の通りとなる。これらの図は、STM端
子とSi表面の距離の違いを時系列で示している。この
図に例示したように、4種類の異なる結果が得られた。
図2で(b)は、図2(a)と比較して、その違いがパ
ルス電圧を印加した直後から生じている。この場合をタ
イプ1と名付ける。このタイプ1においては、パルス電
圧を印加するとSTM端子とSi表面との距離が減少
し、さらに、パルス電圧印加後の方が、その直前より
も、STM端子とSi表面との距離が近くなっているこ
とがわかる。
【0019】図2(c)では、図2(a)と比較して、
その違いがパルス電圧印加中に生じている。この場合を
タイプ2と名付ける。このタイプ2においては、パルス
電圧印加途中に、STM端子とSi表面との距離が減少
し、さらに、パルス電圧印加後の方が、直前よりも、S
TM端子とSi表面との距離が近くなっている。図2
(d)では、図2(a)と比較して、その違いがパルス
電圧の印加が終了した直後に生じている。この場合をタ
イプ3と名付ける。このタイプ3においては、パルス電
圧印加後に、STM端子とSi表面との距離が近くなっ
ている。
その違いがパルス電圧印加中に生じている。この場合を
タイプ2と名付ける。このタイプ2においては、パルス
電圧印加途中に、STM端子とSi表面との距離が減少
し、さらに、パルス電圧印加後の方が、直前よりも、S
TM端子とSi表面との距離が近くなっている。図2
(d)では、図2(a)と比較して、その違いがパルス
電圧の印加が終了した直後に生じている。この場合をタ
イプ3と名付ける。このタイプ3においては、パルス電
圧印加後に、STM端子とSi表面との距離が近くなっ
ている。
【0020】図2(e)では、図2(a)と比較して、
その違いがパルス電圧の印加が終了した後にしばらくた
ってから生じている。この場合をタイプ4と名付ける。
このタイプ4においては、パルス電圧の印加後、しばら
くたって、印加直前よりも、STM端子とSi表面との
距離が遠くなっている。以上のタイプを比較すると、タ
イプ1、タイプ2、および、タイプ3の場合にはたとえ
ば図3に例示したように、Si表面のSi原子がSTM
探針により引き抜かれたことを示し、さらに、各々のタ
イプの相違は、その時間的な過程を示していることがわ
かる。
その違いがパルス電圧の印加が終了した後にしばらくた
ってから生じている。この場合をタイプ4と名付ける。
このタイプ4においては、パルス電圧の印加後、しばら
くたって、印加直前よりも、STM端子とSi表面との
距離が遠くなっている。以上のタイプを比較すると、タ
イプ1、タイプ2、および、タイプ3の場合にはたとえ
ば図3に例示したように、Si表面のSi原子がSTM
探針により引き抜かれたことを示し、さらに、各々のタ
イプの相違は、その時間的な過程を示していることがわ
かる。
【0021】また、タイプ4の場合には、たとえば図4
に例示したように、Si表面上のSTM探針上のSi原
子が、Si表面上に吸着したことを示し、さらに、その
時間的な経過を示していることがわかる。図5は、上記
のタイプ4について、STM探針とSi表面との距離が
遠くなる、原子引抜き時のzピエゾ電圧から測定した距
離と、この時のパルストンネル電流の生成を示したもの
である。
に例示したように、Si表面上のSTM探針上のSi原
子が、Si表面上に吸着したことを示し、さらに、その
時間的な経過を示していることがわかる。図5は、上記
のタイプ4について、STM探針とSi表面との距離が
遠くなる、原子引抜き時のzピエゾ電圧から測定した距
離と、この時のパルストンネル電流の生成を示したもの
である。
【0022】また、図6は、上記のタイプ1〜4の生じ
る割合を242回の操作においてその分布を示したもの
である。単斜線部は、Si表面にSTM探針を接近させ
た場合を、また、クロス斜線部は、STM探針を遠ざけ
た場合を示している。この例では、接近させる時は、タ
イプ1の原子のSi表面への吸着が主として生起し、遠
ざける場合には、タイプ4のSi表面からの原子の引抜
きが主として生起することがわかる。
る割合を242回の操作においてその分布を示したもの
である。単斜線部は、Si表面にSTM探針を接近させ
た場合を、また、クロス斜線部は、STM探針を遠ざけ
た場合を示している。この例では、接近させる時は、タ
イプ1の原子のSi表面への吸着が主として生起し、遠
ざける場合には、タイプ4のSi表面からの原子の引抜
きが主として生起することがわかる。
【0023】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
り、原子の引抜き、その吸着からなる物質表面への原子
の局所的移動の検出が時間的過程として可能となる。
り、原子の引抜き、その吸着からなる物質表面への原子
の局所的移動の検出が時間的過程として可能となる。
【図1】(a)(b)(c)(d)は、原子の局所的吸
着と引抜きに係わる物質表面の状態を示した図面に代わ
る写真である。
着と引抜きに係わる物質表面の状態を示した図面に代わ
る写真である。
【図2】(a)(b)(c)(d)(e)は、STM探
針とSi表面との距離を時間との関係を示した図であ
る。
針とSi表面との距離を時間との関係を示した図であ
る。
【図3】図2(b)(c)(d)の場合の物質表面の様
子を示した概略図である。
子を示した概略図である。
【図4】図2(e)の場合の物質表面の様子を示した概
略図である。
略図である。
【図5】図2(e)の場合のSTM探針とSi表面との
距離の測定値を、パルストンネル電流の発生とともに示
した図である。
距離の測定値を、パルストンネル電流の発生とともに示
した図である。
【図6】242回の実施において、探針を接近させる場
合と遠ざける場合とについて、タイプ1〜4の各々の発
生比率を示した図である。
合と遠ざける場合とについて、タイプ1〜4の各々の発
生比率を示した図である。
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月27日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】(a)(b)(c)(d)は、原子の局所的吸
着と引抜きに係わる物質表面の状態としての基板上に形
成された微細なパターンを示した図面に代わる写真であ
る。 ─────────────────────────────────────────────────────
着と引抜きに係わる物質表面の状態としての基板上に形
成された微細なパターンを示した図面に代わる写真であ
る。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】また、図6は、上記のタイプ1〜4の生じ
る割合を242回の操作においてその分布を示したもの
である。単斜線部は、Si表面とSTM探針が近づいた
場合を、また、クロス斜線部は、STM探針が遠のいた
場合を示している。この例では、探針が近づいた時は、
タイプ1の原子のSi表面からの引抜きが主として生起
し、遠のいた場合は、タイプ4のSi原子のSi表面上
への吸着が主として生起することがわかる。
る割合を242回の操作においてその分布を示したもの
である。単斜線部は、Si表面とSTM探針が近づいた
場合を、また、クロス斜線部は、STM探針が遠のいた
場合を示している。この例では、探針が近づいた時は、
タイプ1の原子のSi表面からの引抜きが主として生起
し、遠のいた場合は、タイプ4のSi原子のSi表面上
への吸着が主として生起することがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリック・スナイダー 茨城県つくば市東新井16−2 つくばハイ ツ415号 (72)発明者 内田 裕久 茨城県つくば市東光台1−4−8 旭ルー ミーつくば61−101 (72)発明者 青野 正和 神奈川県横浜市緑区新石川2−7−27
Claims (1)
- 【請求項1】 走査型トンネル電子顕微鏡(STM)の
探針と対象物質との系において、探針にパルス電圧を印
加して対象物質表面上の原子の引抜きと対象物質表面へ
の原子の吸着を行う原子移動操作において、パルス電圧
の印加中、および、そのパルス電圧印加後のzピエゾ電
圧を時系列で測定することにより、物質表面における原
子移動を検出することを特徴とする物質表面における原
子移動の検出方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13766994A JP2702672B2 (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 物質表面における原子移動の検出方法 |
EP95304202A EP0687889A3 (en) | 1994-06-16 | 1995-06-16 | Method for detecting the displacement of atoms on the surface of matter and method for local supply of hetero atoms |
US08/491,484 US5808311A (en) | 1994-06-16 | 1995-06-16 | Method for detecting displacement of atoms on material surface and method for local supply of heteroatoms |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13766994A JP2702672B2 (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 物質表面における原子移動の検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH087819A true JPH087819A (ja) | 1996-01-12 |
JP2702672B2 JP2702672B2 (ja) | 1998-01-21 |
Family
ID=15204054
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13766994A Expired - Fee Related JP2702672B2 (ja) | 1994-06-16 | 1994-06-20 | 物質表面における原子移動の検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2702672B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19619287A1 (de) * | 1996-05-13 | 1997-11-20 | Fraunhofer Ges Forschung | Verfahren zum Erzeugen von Strukturen aus Nanoteilchen |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3364817B2 (ja) | 1994-12-27 | 2003-01-08 | 森 勇蔵 | 走査型プローブ顕微鏡用探針の製造方法 |
-
1994
- 1994-06-20 JP JP13766994A patent/JP2702672B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19619287A1 (de) * | 1996-05-13 | 1997-11-20 | Fraunhofer Ges Forschung | Verfahren zum Erzeugen von Strukturen aus Nanoteilchen |
DE19619287C2 (de) * | 1996-05-13 | 2002-09-12 | Fraunhofer Ges Forschung | Verfahren zum Erzeugen von Strukturen aus Nanoteilchen |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2702672B2 (ja) | 1998-01-21 |
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