JPH087811A - 電子線発生装置および該電子線発生装置を用いた画像形成装置 - Google Patents

電子線発生装置および該電子線発生装置を用いた画像形成装置

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JPH087811A
JPH087811A JP14463494A JP14463494A JPH087811A JP H087811 A JPH087811 A JP H087811A JP 14463494 A JP14463494 A JP 14463494A JP 14463494 A JP14463494 A JP 14463494A JP H087811 A JPH087811 A JP H087811A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子放出素子からの電子放出電子軌道を安定
させ、電子の到達位置ずれを防止する。 【構成】 複数の電子放出素子15がマトリクス状に搭
載された電子源1には、電子が衝突することにより発光
する蛍光膜7が設けられたフェースプレート3が対向配
置される。電子源1とフェースプレート3との間には、
外囲器10の内部の耐大気圧構造体として絶縁性材料か
らなるスペーサ5が設けられる。スペーサ5の表面に
は、それぞれ電位規定された3つの電極9a、9b、9
cが、Z方向に間隔をおいて設けられいている。複数の
電極9a、9b、9cを設けることにより、フェースプ
レート3と電子源1との間に印加される電圧にも耐えつ
つ、外囲器10内に発生する電荷担持体によるスペーサ
5の帯電が防止され、電子の放出軌道が安定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線発生装置および
それを利用した画像表示装置等の画像形成装置に関わ
り、特に表面伝導型電子放出素子を多数個備える電子線
発生装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、熱電子源
と冷陰極電子源の2種類が知られており、また、これら
の電子源を利用した画像形成装置が知られている。
【0003】熱電子源を用いた平面型の画像形成装置と
しては、図24に示すものが知られている。図24は、
熱電子源を用いた従来の画像形成装置の概略構成図であ
る。この画像形成装置は、絶縁支持体1501上に平行
に配置され、表面に電子線衝撃により発光する部材(蛍
光体)が塗布された複数の陽極1502と、陽極150
2と平行に、かつ、対向して配置された複数のフィラメ
ント1503と、陽極1502とフィラメント1503
との間に、陽極1502およびフィラメント1503と
直交して配置された複数のグリッド1504とを有し、
これら陽極1502、フィラメント1503およびグリ
ッド1504は、透明の容器1505内に保持されてい
る。容器1505は、その内部の真空を保持できるよう
に絶縁支持体1501に気密接着(以下、「封着」とい
う)され、容器1505と絶縁支持体1501とで構成
される外囲器の内部は10-6Torr程度の真空に保た
れている。
【0004】フィラメント1503は、真空中で加熱さ
れることにより電子を放出し、グリッド1504と陽極
1502に適当な電圧を印加することにより、フィラメ
ント1503から放出された電子が陽極1502に衝突
し、陽極1502上に塗布された蛍光体が発光する。陽
極1502の列(X方向)とグリッド1504の列(Y
方向)をマトリクスアドレッシングすることにより、発
光する位置の制御が可能となり、容器1505を通して
画像を表示することができる。
【0005】しかし、熱電子源を用いた画像形成装置
は、 (1)消費電力が大きい。 (2)変調スピードが遅いため、大容量の表示が困難で
ある。 (3)各素子間のばらつきが生じやすく、また構造が複
雑となるため大画面化が難しい。という問題点がある。
【0006】そこで、熱電子源にかえて、冷陰極電子源
を用いた画像形成装置が考えられている。
【0007】冷陰極電子源には電界放出型(以下、FE
型という)、金属/絶縁層/金属型(以下、MIM型と
いう)や表面伝導型電子放出素子(以下、SCEとい
う)等がある。
【0008】FE型の例としては、W.P.Dyke & W.W.Dol
an, "Field emission", Advance inElectron Physics,
8, 89(1956)、あるいはC.A.SPindt, "PHYSICAL Propert
iesof thin-film field emission cathodes with moybd
enium coces", J.Appl.Phys., 47, 5248(1976) 等が知
られている。
【0009】MIM型の例としては、C.A.Mead, "Opera
tion of Tunnel-emission Devices", J.Appl.Phys., 3
2, 646(1961) 等が知られている。
【0010】SCEの例としては、M.I.Elinson, Radio
Eng. Electron Phys., 10, (1965)等がある。SCE
は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に
電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用す
るものである。このSCEとしては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:"Thin Solid Films", 9, 317(1972)]、I
23/SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and C.
G.Fonstad:"IEEE Trans. ED Conf.", 519(1975)]、カ
ーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、
第1号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0011】これら表面伝導型電子放出素子の典型的な
素子構成として、前述のハートウェル(M.Hartwell)の
文献による素子構成を図25に示す。図25において、
絶縁性基板2011には、素子電極となる電子放出部形
成用薄膜2012が形成されている。電子放出部形成用
薄膜2012は、H型形状のパターンに、スパッタで形
成された金属酸化物膜等からなり、後述のフォーミング
と呼ばれる通電処理により電子放出部2023が形成さ
れる。また、電子放出部形成用薄膜2012のうち電子
放出部2023が含まれる部分を、電子放出部を含む薄
膜2018と呼ぶことにする。
【0012】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行なう前に、電子放出部形成用薄
膜2012を、予めフォーミングと呼ばれる通電処理に
よって電子放出部2023を形成するのが一般的であっ
た。すなわちフォーミングとは、電子放出部形成用薄膜
2012の両端に電圧を印加し、電子放出部形成用薄膜
2012を局所的に破壊もしくは変質させ、電気的に高
抵抗な状態にした電子放出部2023を形成することで
ある。なお、電子放出部2023は、電子放出部形成用
薄膜2012の一部に亀裂が発生し、その亀裂付近から
電子放出が行なわれる。以下、フォーミングにより形成
した電子放出部を含む電子放出部形成用薄膜2012
を、電子放出部を含む薄膜2018と呼ぶ。前記フォー
ミング処理をした表面伝導型電子放出素子は、上述の電
子放出部を含む薄膜2018に電圧を印加し、素子に電
流を流すことにより、上述の電子放出部2023より電
子を放出させるものである。
【0013】例えば、この種の電子放出素子を用いた画
像形成装置としては、電子放出素子が設けられた電子源
と、電子の衝突により発光する蛍光体等を備えた画像形
成部材とを支持枠を介して対向配置し、これら電子源と
画像形成部材と支持枠とで構成される外囲器の内部を真
空にしたものが知られていいる。また、画像形成部材に
は、電子源から放出された電子を画像形成部材に向けて
加速するための加速電極が備えられ、加速電極に高電圧
を印加することで放出電子が画像形成部材へ向けて加速
され、画像形成部材に衝突する。また、薄型画像表示装
置等のように扁平な外囲器を用いる画像形成装置におい
ては、耐大気圧構造体として支持柱(スペーサ)を用い
る場合もある。
【0014】多数のSCEを配列した例としては、並列
にSCEを配列し、個々の要素の両端を配線にてそれぞ
れ結線した行を多数配列した電子源が挙げられる(例え
ば、特開平1−31332号公報)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、SCEを
用いた画像形成装置をより簡単な構成で実現する方法と
して、複数本の行方向配線と複数本の列方向配線とによ
って、SCEの対向する1対の素子電極をそれぞれ結線
することで、行列状に、多数個のSCEを配列した単純
マトリクス型の電子源を構成し、行方向と列方向に適当
な駆動信号を与えることで、多数のSCEを選択し、電
子放出量を制御し得る系を考えている。
【0016】上記単純マトリクス型のSCE電子源を用
いた画像形成装置の検討において、本発明者らは、画像
形成部材をなす蛍光体上の発光位置すなわち電子の到達
位置や発光形状が設計値からずれる場合が生じることを
見出した。特に、カラー画像用の画像形成部材を用いた
場合は、発光位置ずれとあわせて、輝度低下や色ずれの
発生も見られる場合があった。また、本現象は電子源と
画像形成部材間に配置される支持枠または支持柱(スペ
ーサ)の近傍、あるいは画像形成部材の周縁部で起こる
ことを確認した。
【0017】そこで本発明は、電子放出素子からの電子
放出軌道を安定させ、電子の到達位置ずれのない電子線
発生装置および画像形成装置を提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の電子線発生装置は、電子放出素子が設けられた
電子源と、前記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、
前記電子放出素子から放出された電子を加速するための
加速電極を備えた電子被照射部材と、前記電子源と前記
電子被照射部材との間に配置された絶縁性部材とを有す
る電子線発生装置において、前記絶縁性部材の表面に
は、電位規定された複数の電極が、それぞれ前記電子源
と電子被照射部材との間の電場のなす方向と垂直な方向
に沿って設けられていることを特徴とする。
【0019】また、前記絶縁性部材の表面には複数の凸
部が形成され、前記複数の凸部のそれぞれに前記電位規
定された電極が設けられているものや、前記複数の電極
が、以下の条件式、すなわち (突出量/電極間隔)≧√[(d・Vi)/(z・V
a)] d:前記電子源と電子被照射部材との距離 Vi:前記電子源と電子被照射部材との間に発生する電
荷担持体の初期運動エネルギーの最大値 z:前記電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方
向における電荷担持体発生部から前記電極間までの距離 Va:前記電子源と電子被照射部材の加速電極との間の
電位差 突出量:z方向に直交する方向への前記電極の突出量 電極間隔:z方向での前記電極の間隔 に従って設けられているものでもよい。
【0020】前記電荷担持体は、前記電子源から放出さ
れる電子、前記電子源から放出される電子が衝突するこ
とにより発生する2次電子またはイオンであってもよ
く、前記絶縁性部材は、前記電子源と電子被照射部材と
の間の真空雰囲気を維持するための外囲器の一部をなす
支持枠であったり、前記電子源と電子被照射部材との間
に設置された耐大気圧構造体であってもよい。
【0021】さらに、前記複数の電極は、それぞれ引き
出し配線により外部に引き出されているものでもよく、
この場合、前記引き出し配線は、前記支持枠に設けられ
ているものや、前記電子被照射部材に設けられているも
のや、前記電子源が搭載されるリアプレートを有し、前
記リアプレートに設けられているものや、前記絶縁性部
材に前記複数の電極を接続する高抵抗導電膜が形成され
るとともに、前記電子被照射部材および前記電子源にそ
れぞれ前記高抵抗導電膜と電気的に接続される導電性部
材が設けられ、前記引き出し配線が、前記導電性部材に
設けられているものでもよい。
【0022】また、電子放出素子が設けられた電子源
と、前記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、前記電
子放出素子から放出された電子を加速するための加速電
極を備えた電子被照射部材と、前記電子源と前記電子被
照射部材との間に配置された少なくともひとつの電極部
と、前記電子源と前記電極部間をなすか、あるいは前記
電極部間をなす空間内に設置された絶縁性部材とを有す
る電子線発生装置において、前記絶縁性部材の表面に
は、電位規定された複数の電極が、それぞれ前記絶縁性
部材の設置された空間の電場のなす方向と垂直な方向に
沿って設けられていることを特徴とするものであっても
よい。
【0023】この場合、前記絶縁性部材の表面には複数
の凸部が形成され、前記複数の凸部のそれぞれに前記電
位規定された電極が設けられているものや、前記複数の
電極が、以下の条件式、すなわち (突出量/電極間隔)≧√[Vi/(z・Ez)] Vi:前記絶縁性部材の設置された空間に入射する電荷
担持体の初期運動エネルギーの最大値 z:前記絶縁性部材の設置された空間内の電場の平均的
方向のなす方向 Ez:前記絶縁性部材の設置された空間内のz方向の電
場の平均値 突出量:z方向に直交する方向への前記電極の突出量 電極間隔:z方向での前記電極の間隔 に従って設けられているものでもよい。
【0024】前記電荷担持体は、前記電子源から放出さ
れる電子、前記電子源から放出される電子が衝突するこ
とにより発生する2次電子またはイオンであってもよ
く、前記絶縁性部材は、前記電子源と電極部との間の真
空雰囲気を維持するための外囲器の一部をなす支持枠で
あったり、前記電子源と電極部との間に設置された耐大
気圧構造体であってもよい。
【0025】そして前記複数の電極は、それぞれ引き出
し配線により外部に引き出されているものでもよく、こ
の場合、前記引き出し配線は、前記支持枠に設けられて
いるものや、前記電極部に設けられているものや、前記
電子源が搭載されるリアプレートを有し、前記リアプレ
ートに設けられているものや、前記絶縁性部材に前記複
数の電極を接続する高抵抗導電膜が形成されるととも
に、前記電極部および前記電子源にそれぞれ前記高抵抗
導電膜と電気的に接続される導電性部材が設けられ、前
記引き出し配線が、前記導電性部材に設けられているも
のであってもよい。
【0026】さらに、前記電子放出素子は、冷陰極型電
子放出素子であってもよく、その中でも特に表面伝導型
電子放出素子を用いたものであってもよい。
【0027】この場合、前記表面伝導型電子放出素子が
2次元のマトリクス状に複数個配置され、前記各表面伝
導型電子放出素子は、複数本の行方向配線と複数本の列
方向配線とによって、それぞれ結線されているものであ
ってもよい。
【0028】本発明の画像形成装置は、上記本発明の電
子線発生装置を用い、前記電子被照射部材に代えて、前
記電子源に対向配置され、前記電子放出素子から放出さ
れた電子が衝突することにより画像が形成される部材お
よび前記電子放出素子から放出された電子を加速するた
めの加速電極を備えた画像形成部材としたものである。
【0029】
【作用】本発明者らは鋭意研究した結果、上記課題は電
子源から放出される電子がその誘因となることを見出し
た。
【0030】電子源から放出された電子は画像形成部材
である蛍光体への衝突の他に、確率は低いが真空中の残
留ガスへの衝突が起こる。これらの衝突時にある確率で
発生した散乱粒子(イオン、2次電子、中性粒子等)の
一部が、画像形成装置内の絶縁性材料の露出した部分に
衝突し、上記露出部が帯電していることがわかった。こ
の帯電により、上記露出部の近傍では電場が変化して電
子軌道のずれが生じ、蛍光体の発光位置や発光形状の変
化が引き起こされたと考えられる。
【0031】また、上記蛍光体の発光位置、形状の変化
の状況から、上記露出部には主に正電荷が蓄積している
こともわかった。この原因としては、散乱粒子のうちの
正イオンが付着帯電する場合、あるいは散乱粒子が上記
露出部に衝突するときに発生する2次電子放出により正
の帯電が起きる場合などが考えられる。
【0032】以下に、上述の課題を解決するための手段
による作用を説明する。
【0033】上記のとおり構成された本発明の電子線発
生装置では、電子源の電子放出素子から電子が放出さ
れ、この電子が電子被照射部材の加速電極に印加された
高電圧により加速されて電子被照射に衝突すると、電子
被照射部材からは散乱粒子が発生する。この散乱粒子の
うち正イオンの散乱時の最大運動エネルギーは50eV
程度である(Surface Science, 66(1977), 346によ
る)。また、この正イオンの他に、電子源と電子被照射
部材との間には、電子源から放出された電子といった電
荷担持体が存在する。一方、電子源と電子被照射部材と
の間に配置された絶縁性部材の表面には、電位規定され
た電極が設けられているので、絶縁性部材の表面には前
記荷電担持体が付着帯電しにくくなる。その結果、電子
放出素子から放出される電子の軌道がずれにくくなる。
また、電極は、電子源と電子被照射部材との間の電場の
なす方向と垂直な方向に沿って複数設けられているの
で、電子被照射部材の加速電極に印加される高電圧にも
耐え得る構造となる。
【0034】ここで、電荷担持体が発生した位置を原点
としたとき、電子源と電子被照射部材との間の電場のな
す方向をZ、それに直交する方向をY、電子源と電子被
照射部材との間隔をd、電子源と電子被照射部材との電
位差をVa、電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値
をViとすると、電荷担持体のなす軌跡は、 Z=[Va/(4d・Vi)]×Y2 で表わされる。
【0035】そこで、電子源と電子被照射部材との間の
電場のなす方向における電荷担持体発生部から電極間ま
での距離をzとしたとき、 (突出量/電極間隔)≧√[(d・Vi)/(z・Va)]…条件式(1) の関係を満たすように各電極を形成すれば、絶縁性部材
への電荷担持体の軌道が電極によって遮られ、絶縁性部
材への帯電は防止される。
【0036】また本発明は、複数本の行方向配線と複数
本の列方向配線とによってSCEをそれぞれ結線するこ
とで、行列状に多数個のSCEを配列した単純マトリク
ス型の電子源を用いた電子線発生装置に好適である。上
記単純マトリクス型の電子源は、行方向と列方向に適当
な駆動信号を与えることで、多数のSCEを選択し電子
放出量を制御し得るので、基本的には他の制御電極を付
加する必要がなく、1枚の基板上で容易に構成できる。
【0037】もちろん、本発明は電子源と電子被照射部
材との間に何らかの付加構造(例えば集束電極や偏向電
極等)を有する場合についても、上記の考え方を該付加
構造間の各々の空間に適用し、絶縁性部材に設けられる
複数の電極の構成を決めることで同様の効果を与える。
さらに、上記付加構造が上記複数の電極の一部を兼ねる
場合についても適用できる。
【0038】本発明の画像形成装置では、本発明の電子
線発生装置で用いた電子被照射部材に代えて、電子源に
対向配置され、電子放出素子から放出された電子が衝突
することにより画像が形成される部材および電子放出素
子から放出された電子を加速するための加速電極を備え
た画像形成部材を用いているので、上述したように電子
放出素子から放出される電子の軌道が安定し、その結
果、発光位置のずれの少ない良好な画像が形成される。
【0039】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0040】本発明にかかわる画像形成装置は基本的に
は、薄型の真空容器内に、基板上に多数の冷陰極素子を
配列してなるマルチ電子ビーム源と、電子ビームの照射
により画像を形成する画像形成部材とを対向して備えて
いる。
【0041】冷陰極素子は、たとえばフォトリソグラフ
ィーやエッチングのような製造技術を用いれば基板上に
精密に位置決めして形成できるため、微小な間隔で多数
個を配列することが可能である。しかも、従来からCR
T等で用いられてきた熱陰極と比較すると、陰極自身や
周辺部が比較的低温の状態で駆動できるため、より微細
な配列ピッチのマルチ電子ビーム源を容易に実現するこ
とができる。
【0042】本発明は、上述した冷陰極素子をマルチ電
子ビーム源として用いた画像形成装置にかかわるもので
ある。
【0043】また、冷陰極素子のなかでもとりわけ好ま
しいのは、表面伝導型電子放出素子(SCE)である。
すなわち、前記MIM型素子は絶縁層や上部電極の厚さ
を比較的精密に制御する必要があり、またFE型は針状
の電子放出部の先端形状を精密に制御する必要がある。
そのため、これらの素子は比較的製造コストが高くなっ
たり、製造プロセス上の制限から大面積のものを作製す
るのが困難となる場合があった。
【0044】これに対してSCEは、構造が単純で製造
が簡単であり、大面積のものを容易に作製できる。近
年、特に大画面で安価な表示装置が求められている状況
においては、とりわけ好適な冷陰極素子であるといえ
る。
【0045】SCEの典型的な構成を図23に示す。図
23は、SCEの典型的な素子構成を示す図である。す
なわち図23に示すように、絶縁性基板1011上に1
対の素子電極1016、1017を設け、これら各電極
1016、1017を連絡するように金属酸化物等の薄
膜1018(以下、「電子放出部形成用薄膜」とい
う。)を成膜し、この薄膜1018をフォーミングと呼
ばれる通電処理により局所的に破壊もしくは変質させ電
子放出部1023を形成したものである。
【0046】次に、図23に示した電子放出素子の製造
方法を、本出願人による特開平2−56822、4−2
8139を参考にして、図24の製造工程図を用いて概
説する。なお、以下の工程a〜cは図24の(a)〜
(c)に対応する。
【0047】工程a:絶縁性基板1011を洗剤、純水
および有機溶剤により十分に洗浄後、真空蒸着法、スパ
ッタ法等により素子電極材料を堆積後、フォトリソグラ
フィー技術により絶縁性基板1011の面上に素子電極
1016、1017を形成する。
【0048】絶縁性基板1011としては、石英ガラ
ス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラ
ス、青板ガラスにスパッタ法等により形成したSiO2
を積層したガラス基板等のガラス部材及びアルミナ等の
セラミックス部材等が挙げられる。素子電極1016、
1017の材料としては、導電性を有するものであれば
どのようなものであっても構わないが、例えばNi、C
r、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等
の金属、あるいは合金、或いはPd、Ag、Au、Ru
2 、Pd−Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から
構成される印刷導体、あるいはIn23 /SnO2
の透明導電体、あるいはポリシリコン等の半導体導体材
料等が挙げられる。
【0049】工程b:絶縁性基板1011上に設けられ
た素子電極1016、1017の間に、有機金属溶液を
塗布して放置することにより、有機金属薄膜を形成す
る。この後、有機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオ
フ、エッチング等によりパターニングし、電子放出部形
成用薄膜1018を形成する。
【0050】上記有機金属溶液とは、電圧印加により電
子を放出しやすいもの、即ち仕事関数の低いもので、か
つ安定なもの、例えばPd、Ru、Ag、Au、Ti、
In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、P
b、Hg、Cd、Pt、Mn、Sc、La、Co、C
e、Zr、Th、V、Mo、Ni、Os、Rh、Ir等
の金属、AgMg、NiCu、Pb、Sn等の合金を主
元素とする有機化合物の溶液である。
【0051】なお、ここでは、有機金属溶液の塗布法に
より説明したが、これに限る物でなく、真空蒸着法、ス
パッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、ディッピン
グ法、スピンナー法等によって形成される場合もある。
【0052】工程c:素子電極1016、1017間に
電圧を不図示の電源により電圧を印加することで、先述
のフォーミングと呼ばれる通電処理を施し、電子放出部
形成用薄膜1018に、電子放出部形成用薄膜1018
の構造が変化した部位である電子放出部1023を形成
する。このようにして形成された電子放出部1023
は、導電性微粒子で構成されていることを本発明者等は
観察している。
【0053】このSCEは、素子電極1016、101
7間にある程度(しきい値電圧)以上の電圧を印加する
ことにより急激に放出電流が増加して電子放出部102
3から電子を放出し、一方、上記しきい値電圧未満では
放出電流がほとんど検出されない非線形素子である。S
CEの放出電流は素子電極1016、1017間に印加
する電圧で制御でき、また、放出電荷はこの電圧の印加
時間により制御できる。
【0054】また、本出願人は、SCEのなかでは電子
放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成したもの
が特性上、あるいは大面積化する上で好ましいことを見
出している。
【0055】そこで、以下に述べる実施例では、微粒子
膜を用いて形成したSCEをマルチ電子ビーム源として
用いた画像表示装置を、本発明の画像形成装置の好まし
い例として説明する。
【0056】(第1実施例)図1は、本発明の電子線発
生装置を応用した画像形成装置の第1実施例の一部を破
断した斜視図であり、図2は、図1に示した画像形成装
置の要部断面図である。
【0057】図1および図2において、リアプレート2
には、複数の表面伝導型の電子放出素子(SCE)15
がマトリクス状に配列された電子源1が固定されてい
る。電子源1には、ガラス基板6の内面に蛍光膜7と加
速電極であるメタルバック8が形成された、画像形成部
材としてのフェースプレート3が、絶縁性材料からなる
支持枠4を介して対向配置されており、電子源1とメタ
ルバック8との間には、不図示の電源により高電圧が印
加される。これらリアプレート2、支持枠4およびフェ
ースプレート3は互いにフリットガラス等で封着され、
リアプレート2と支持枠4とフェースプレート3とで外
囲器10を構成する。
【0058】また、外囲器10の内部は10-6Torr
程度の真空に保持されるので、大気圧や不意の衝撃など
による外囲器10の破壊を防止する目的で、耐大気圧構
造体として、外囲器10の内部には薄板状のスペーサ5
が設けられている。スペーサ5は絶縁性材料からなるも
ので、上記目的を達成するのに必要な数だけ、かつ、必
要な間隔をおいてX方向に平行に配置され、外囲器10
の内面および電子源1の表面にフリットガラス等で封着
される。
【0059】スペーサ5の表面には、X方向に延びる3
つのストライプ状の電極9a、9b、9cが、それぞれ
Z方向に間隔をおいて互いに平行に設けられている。各
電極9a、9b、9cは、後述する取り出し配線を通じ
て、外囲器10の外部への取り出しが行なわれる。
【0060】以下に、上述した各構成要素について詳細
に説明する。
【0061】(1)電子源1 図3は、図1に示した画像形成装置の電子源の要部平面
図であり、図4は、図3に示した電子源のA−A’線断
面図である。
【0062】図3および図4に示すように、ガラス基板
等からなる絶縁性基板11には、m本のX方向配線12
とn本のY方向配線13とが、層間絶縁層14(図3で
は不図示)で電気的に分離されてマトリクス状に配線さ
れている。各X方向配線12と各Y方向配線13との間
には、それぞれ表面伝導型の電子放出素子15が電気的
に接続されている。各電子放出素子15は、それぞれX
方向に間をおいて配置された1対の素子電極16、17
と、各素子電極16、17を連絡する電子放出部形成用
薄膜18とで構成され、1対の素子電極16、17のう
ち一方の素子電極16が、層間絶縁層14に形成された
コンタクトホール14aを介してX方向配線12に電気
的に接続され、他方の素子電極17がY方向配線13に
電気的に接続される。各素子電極16、17は、それぞ
れ導電性金属等からなるものであり、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成される。
【0063】絶縁性基板11の大きさ及び厚みは、絶縁
性基板11に設置される電子放出素子15の個数および
個々の素子の設計上の形状や、電子源1の使用時に容器
の一部を構成する場合には、その容器を真空に保持する
ための条件等に依存して適宜設定される。
【0064】各X方向配線12および各Y方向配線13
は、それぞれ絶縁性基板11上に、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等により所望のパターンに形成された導
電性金属等からなり、多数の電子放出素子15にできる
だけ均等な電圧が供給されるように、材料、膜厚、配線
巾が設定される。また、層間絶縁層14は、真空蒸着
法、印刷法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等であ
り、X方向配線12を形成した絶縁性基板11の全面或
いは一部に所望の形状で形成され、特にX方向配線12
とY方向配線13の交差部の電位差に耐え得るように、
膜厚、材料、製法が適宜設定される。
【0065】また、X方向配線12には、X方向に配列
する電子放出素子15の行を任意に走査するための走査
信号を印加するための不図示の走査信号発生手段と電気
的に接続されている。一方、Y方向配線13には、Y方
向に配列する電子放出素子15の各列を任意に変調する
ための変調信号を印加するための不図示の変調信号発生
手段と電気的に接続されている。ここにおいて、各電子
放出素子15に印加される駆動電圧は、当該素子に印加
される走査信号と変調信号の差電圧として供給されてい
るものである。
【0066】ここで、電子源1の製造方法の一例につい
て図5により工程順に従って具体的に説明する。尚、以
下の工程a〜hは、図5の(a)〜(h)に対応する。
【0067】工程a:清浄化した青板ガラス上に厚さ
0.5μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した絶
縁性基板11上に、真空蒸着により厚さ50オングスト
ロームのCr、厚さ6000オングストロームのAuを
順次積層した後、ホトレジスト(AZ1370 ヘキス
ト社製)をスピンナーにより回転塗布、べークした後、
ホトマスク像を露光、現像して、X方向配線12のレジ
ストパターンを形成し、Au/Cr堆積膜をウエットエ
ッチングして、所望の形状のX方向配線12を形成す
る。
【0068】工程b:次に、厚さ1.0μmのシリコン
酸化膜からなる層間絶縁層14をRFスパッタ法により
堆積する。
【0069】工程c:工程bで堆積したシリコン酸化膜
にコンタクトホール14aを形成するためのホトレジス
トパターンを作り、これをマスクとして層間絶縁層14
をエッチングしてコンタクトホール14aを形成する。
エッチングはCF4 とH2 ガスを用いたRIE(Rea
ctive Ion Etching)法による。
【0070】工程d:その後、素子電極と素子電極間ギ
ャップとなるべきパターンをホトレジスト(RDー20
00Nー41 日立化成社製)で形成し、真空蒸着法に
より厚さ50オングストロームのTi、厚さ1000オ
ングストロームのNiを順次堆積した。ホトレジストパ
ターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフト
オフし、素子電極間隔L1(図3参照)が3μm、素子
電極幅W1(図3参照)が300μmである素子電極1
6、17を形成する。
【0071】工程e:素子電極16、17の上にY方向
配線13のホトレジストパターンを形成した後、厚さ5
0オングストロームのTi、厚さ5000オングストロ
ームのAuを順次真空蒸着により堆積し、リフトオフに
より不要の部分を除去して、所望の形状のY方向配線1
3を形成する。
【0072】工程f:図6に示すような、素子電極間隔
L1だけ間をおいて位置する1対の素子電極16、17
を跨ぐような開口20aを有するマスク20を用い、膜
厚1000オングストロームのCr膜21を真空蒸着に
より堆積・パターニングし、その上に有機Pd(ccp
4230 奥野製薬(株)社製)をスピンナーにより回
転塗布、300℃で10分間の加熱焼成処理をした。
【0073】このようにして形成されたPdを主元素と
する微粒子からなる電子放出部形成用薄膜18の膜厚は
約100オングストローム、シート抵抗値は5×104
Ω/□であった。なお、ここで述べる微粒子膜とは、複
数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、
微粒子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が
互いに隣接、あるいは、重なり合った状態(島状も含
む)の膜をさし、その粒径とは、前記状態で粒子形状が
認識可能な微粒子についての径をいう。
【0074】工程g:酸エンチャントによりCr膜21
を除去して、所望のパターン形状を有する電子放出部形
成用薄膜18を形成した。
【0075】工程h:コンタクトホール14a部分以外
にレジストを塗布するようなパターンを形成し、真空蒸
着により厚さ50オングストロームのTi、厚さ500
0オングストロームのAuを順次堆積した。リフトオフ
により不要の部分を除去することにより、コンタクトホ
ール14aを埋め込んだ。
【0076】以上の工程を経て、X方向配線12、Y方
向配線13および電子放出素子15が絶縁性基板11上
に2次元状に等間隔に形成配置される。
【0077】そして、外囲器10(図1参照)を、不図
示の排気管を通じて真空ポンプにて排気し、十分な真空
度に達した後、容器外端子Dox1ないしDoxmとD
oy1ないしDoynを通じ、電子放出素子15の素子
電極16、17間に電圧を印加し、電子放出部形成用薄
膜18を通電処理(フォーミング処理)することにより
電子放出部形成用薄膜18が局所的に破壊して電子放出
部形成用薄膜18に電子放出部23(図4参照)が形成
される。例えば、フォーミング処理として、10-6To
rrの真空雰囲気下で、図7に示すようなパルス幅T1
が1ミリ秒、波高値(フォーミング時のピーク電圧)が
5Vの三角波を、10ミリ秒のパルス間隔T2 で60秒
間、素子電極16、17間に通電することにより、電子
放出部形成用薄膜18に電子放出部23を形成できる。
【0078】(2)蛍光膜7 蛍光膜7は、モノクロームの場合は、電子が衝突するこ
とにより画像を形成する部材としての蛍光体のみから成
るが、カラーの場合は、図8に示されるように蛍光体の
配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリ
クスなどと呼ばれる黒色導電材7bと蛍光体7aとで構
成される。蛍光体7aは電子放出素子15に対応して配
置する必要があるので、外囲器10を構成する場合、フ
ェースプレート3とリアプレート2との位置合わせを精
度よく行なわなければならない。ブラックストライプ、
ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の
場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体7a間の塗り
分け部を黒くすることで混色を目立たなくすることと、
蛍光膜7における外光反射によるコントラストの低下を
抑制することである。黒色導電材7bの材料としては、
通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料だけで
なく、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材料で
あれば適用できる。また、ガラス基板6に蛍光体7aを
塗布する方法はモノクローム、カラーによらず、沈殿法
や印刷法が用いられる。
【0079】(3)メタルバック8 メタルバック8の目的は、蛍光体7aの蛍光のうち内面
側への光をフェースプレート3側へ鏡面反射することに
より輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加す
るための加速電極として作用すること、外囲器10内で
発生した負イオンの衝突によるダメージからの蛍光体7
aの保護等である。メタルバック8は、蛍光膜7を作製
後、蛍光膜7の内側表面の平滑化処理(通常フィルミン
グと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で堆積
することで作製できる。フェースプレート3には、さら
に蛍光膜7の導電性を高めるため、蛍光膜7とガラス基
板6との間にITO等の透明電極(不図示)を設けても
よい。
【0080】(4)外囲器10 外囲器10は、不図示の排気管に通じ、10-6Torr
程度の真空度にされた後、封止される。そのため、外囲
器10を構成するリアプレート2、フェースプレート
3、支持枠4は、外囲器10に加わる大気圧に耐えて真
空雰囲気を維持でき、かつ、電子源1とメタルバック8
間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有するも
のを用いることが望ましい。その材料としては、例えば
石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、
青板ガラス、アルミナ等のセラミックス部材等が挙げら
れる。ただし、フェースプレート3については可視光に
対して一定以上の透過率を有するものを用いる必要があ
る。また、各々の部材の熱膨張率が互いに近いものを組
み合わせることが好ましい。
【0081】リアプレート2は、主に電子源1の強度を
補強する目的で設けられるため、電子源1自体で十分な
強度をもつ場合にはリアプレート2は不要であり、電子
源1に直接支持枠4を封着し、電子源1と支持枠4とフ
ェースプレート3とで外囲器10を構成してもよい。
【0082】また、外囲器10の封止後の真空度を維持
するために、ゲッター処理を行う場合もある。これは、
外囲器10の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加
熱あるいは高周波加熱等により、外囲器10内の所定の
位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜
を形成する処理である。ゲッターは通常Baが主成分で
あり、該蒸着膜の吸着作用により、たとえば1×10-5
〜1×10-7Torrの真空度を維持するものである。
【0083】(5)スペーサ5 スぺーサ5としては、電子源1とメタルバック8間に印
加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有するものであ
ればどのようなものであっても構わないが、例えば石英
ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板
ガラス、アルミナ等のセラミックス部材等が挙げられ
る。ただし、その熱膨張率が外囲器10を成す部材と近
いものが好ましい。
【0084】図9はスぺーサ5の要部拡大図斜視図であ
る。前述したようにスペーサ5の表面には、各素子電極
16、17が対向する方向(X方向)、すなわち電子源
1とフェースプレート3のメタルバック8(図1参照)
との間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って延びる3
つのストライプ状の電極9a、9b、9cが間隔をおい
て互いに平行に設けられており、その互いの間隔Sab
bcと厚みDa 、Db、Dc との関係は、上記条件式
(1)を満たしている。
【0085】スぺーサ5上の電極9a、9b、9cの材
料としては、導電性を有するものであればどのようなも
のであっても構わないが、例えばNi、Cr、Au、M
o、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属あるい
は合金、あるいはPd、Ag、Au、RuO2 、Pd−
Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から構成される印
刷導体、あるいはIn23 −SnO2 等の透明導電
体、あるいはポリシリコン等の半導体導体材料等が挙げ
られる。ただし、一定以上の厚み(数十μm以上)の形
成に適した製法(印刷等)を適用できる材料が好まし
い。
【0086】また、図10に示すように、各電極9a、
9b、9cには、支持枠4の内面に設けられた3本の取
り出し配線4a、4b、4cがそれぞれ電気的に接続さ
れており、これら各取り出し配線4a、4b、4cによ
り、各電極9a、9b、9cには外囲器10(図1参
照)の外部の不図示の電源により所定の電位が与えられ
る。各取り出し配線4a、4b、4cは、例えば金属や
金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体を用いて
印刷により支持枠上に形成することができる。
【0087】以上説明した構成に基づき、各電子放出素
子15に、容器外端子Dox1ないしDoxmとDoy
1ないしDoynを通じて電圧を印加すると、電子放出
部23から電子が放出される。それと同時にメタルバッ
ク8(あるいは不図示の透明電極)に高圧端子HV を通
じて数kV以上の高電圧を印加して電子放出部から放出
された電子を加速し、フェースプレート3の内面に衝突
させる。これにより、蛍光膜7の蛍光体7aが励起され
て発光し、画像が表示される。
【0088】この様子を図11および図12に示す。図
11および図12は、それぞれ図1に示した画像形成装
置における電子およびイオンの軌跡を説明するための図
であり、図11はY方向から見た図、図12はX方向か
ら見た図である。すなわち図11に示すように、電子源
1の素子電極16、17に電圧Vfを印加することによ
り電子放出部23から放出された電子は、フェースプレ
ート3上のメタルバック8に印加された加速電圧Vaに
より、電子源1の面に対する電子放出部23からの法線
に対して、正極側の素子電極17のほうにずれて25t
で示した放物線軌跡をとって飛翔する。このため、蛍光
膜7上の発光部中心は電子源1の面に対する電子放出部
23からの法線上からずれることになる。このような放
射特性は、電子源1に平行な面内での電位分布が、電子
放出部23に対して非対称になることによるものと考え
られる。
【0089】電子がフェースプレート3の内面に衝突す
ることにより、蛍光膜7の発光現象以外に、図12に示
すように、蛍光膜7やメタルバック8に付着した粒子が
電離・散乱される現象が生じる。この散乱粒子のうち、
正イオンは電子源1及びフェースプレート3間に印加さ
れる電圧Vaにより電子源1側に向かって加速され、電
界に対して垂直方向(図示Y方向)の初速度に応じて、
例えば、26t、26tab、26tbcで示したよう
な放物線軌道をとって飛翔する。
【0090】ここで、前記正イオンが電離した位置を原
点としたとき、電子源1とフェースプレート3との間の
電場のなす方向をZ、それに直交する方向をY、電子源
1とフェースプレート3との間隔をd、正イオンの初期
運動エネルギーの最大値をViとすると、電荷担持体の
なす軌跡は、 Z=[Va/(4d・Vi)]×Y2 で表わされる。
【0091】そして、フェースプレート3からの距離Z
sでスペーサ5に衝突するとき、電荷担持体の飛翔方向
は、 dy/dz=√[(d・Vi)/(Zs・Va)] となる。
【0092】そこで、電極9a、9b、9cの厚みと間
隔との関係を条件式(1)に従って設定することによ
り、正イオンは電極9a、9b、9cの表面に全て衝突
し、スぺーサ5の非電極面に衝突することはない。従っ
て、スぺーサ5への電荷付着による帯電は起こらない。
なお、電極9a、9b、9cは、正イオンが付着しても
不図示の電源により、その位置における電子源1とメタ
ルバック8のなす電位と同程度の電圧V1、V2、V3
に保持される。
【0093】また、フェースプレート3と電子源1との
間の空間には、上述した正イオンの他にも、電子源1か
ら放出される電子の電荷担持体が存在するが、これにつ
いても同様に適用される。
【0094】正イオン等の電荷担持体がスペーサ5に付
着しないようにするためには、スペーサ5の全面を1つ
の電極で覆ってしまうことも考えられるが、これでは電
子源1とメタルバック8間の高電圧に耐えられなくなっ
てしまうので、複数の電極9a、9b、9cを設けた。
また、電界強度が一部に集中しないようにするために、
各電極9a、9b、9cに適切な電位を与えている。
【0095】通常、電子放出素子15の一対の素子電極
16、17間の印加電圧Vfは12〜16V程度、メタ
ルバック8と電子放出素子15との距離dは2mm〜8
mm程度、メタルバック8と電子放出素子15間の電圧
Vaは1kV〜10kV程度である。また、スペーサ5
上に設けられた各電極9a、9b、9cに印加される電
圧V1、V2、V3は、各電極9a、9b、9cがない
場合の各位置での電位に対し、各々の値に対し20〜3
0%までは異なる値を設定してもよい。
【0096】以上述べた構成は、画像表示等に用いられ
る好適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成で
あり、例えば各部材の材料や配置等、詳細な部分は上述
内容に限定されるものでなく、画像形成装置の用途に適
するように適宜選択する。
【0097】以下に、本実施例の画像形成装置を用いた
画像表示の実験例を示す。
【0098】(実験例1−1)本実験例では、まず、未
フォーミングの電子源1をリアプレート2に固定し、さ
らに図13に示すように3本のストライプ電極9a、9
b、9cを両側の表面に形成したスぺーサ5(板厚20
0μm、高さ5mm)を電子源1上に等間隔でX方向配
線12と平行に固定した。その後、電子源1の5mm上
方に、フェースプレート3を支持枠4を介し配置し、リ
アプレート2、フェースプレート3、支持枠4の接合部
にフリットガラスを塗布し、大気中で400℃乃至50
0℃で10分以上焼成することで封着した。このとき、
スぺーサ5上の各々の電極9a、9b、9cを支持枠4
の表面に形成された複数の取出配線(不図示)に接触さ
せるようにした。また、リアプレート2への電子源1の
固定及びスぺーサ5の電子源1への固定もフリットガラ
スで行った。
【0099】スぺーサ5上への3本の電極9a、9b、
9cの形成は、Pd、Ag、RuO 2 、Pd−Ag等の
金属や金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体を
用いて印刷により行った。このとき、図13の(b)に
示すように、各電極9a、9b、9cの厚みDは50μ
m、高さHは1.4mm、各電極9a、9b、9c間お
よび電子源1、フェースプレート3との間隔Sは200
μmとした。この電極形状(特に電極間隔に対する電極
厚の比)は、フェースプレート3の内面上で散乱された
正イオン(最大初期エネルギー約50eV)あるいは電
子源1上から放出される電子(最大初期エネルギー約1
4eV)がなす放物線軌道が、スぺーサ5の非電極面上
に到達しないという条件を満たすように条件式(1)に
従って設定したものである。
【0100】画像形成部材であるところの蛍光膜7は、
本実験例では蛍光体7aはストライプ形状(図8の
(a)参照)を採用した。ブラックストライプの材料と
して、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料
を用いた。ガラス基板6に蛍光体7aを塗布する方法は
スラリー法を用いた。
【0101】また、蛍光膜7の内面側に設けられるメタ
ルバック8は、蛍光膜7の作製後、蛍光膜7の内面側表
面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行
い、その後Alを真空蒸着することで作製した。フェー
スプレート3には、さらに蛍光膜7の導電性を高めるた
め、蛍光膜7の外面側に透明電極が設けられる場合もあ
るが、本実験例では、メタルバック8のみで十分な導電
性が得られたので省略した。前述の封着を行う際、カラ
ーの場合は各色蛍光体7aを電子放出素子15と対応さ
せなくてはいけないため、十分な位置合わせを行った。
【0102】以上にようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1ない
しDoxmとDoy1ないしDoynを通じ電子放出素
子15の素子電極16、17間に電圧を印加し、電子放
出部形成用薄膜18を通電処理(フォーミング処理)す
ることにより電子放出部23を形成した。フォーミング
処理は、図7に示した、パルス幅T1が1ミリ秒、波高
値(フォーミング時のピーク電圧)が5Vの三角波を、
10ミリ秒のパルス間隔T2 で60秒間、素子電極1
6、17間に通電することにより行なった。
【0103】次に、10-6Torr程度の真空度で、不
図示の排気管をガスバーナで熱することで溶着し外囲器
10の封止を行った。
【0104】最後に、封止後の真空度を維持するため
に、ゲッター処理を行った。
【0105】以上のようにして完成した画像形成装置に
おいて、各電子放出素子15には、容器外端子Dox1
ないしDoxmとDoy1ないしDoynを通じ、走査
信号及び変調信号を不図示の信号発生手段によりそれぞ
れ印加することにより電子を放出させ、メタルバック8
(或いは不図示の透明電極)には、高圧端子Hvを通じ
て高圧を印加することにより電子ビームを加速し、蛍光
膜7に電子を衝突させ、蛍光体を励起・発光させること
で画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧は
5kV、素子電極16、17への印加電圧は14Vとし
た。また、スぺーサ5上に設けられた3本の電極9a、
9b、9cへの印加電圧は、メタルバック8に近い側か
ら各々4kV、2.5kV、1kVとした。
【0106】このとき、スぺーサ5に近い位置にある電
子放出素子15からの放出電子による発光スポットも含
め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮
明で色再現性のよい画像表示ができた。このことは、ス
ぺーサ5を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電
界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0107】(実験例1−2)実験例1−1との差異
は、電極9a、9b、9cの各々の厚みDを互いに異な
らせたことにあり、メタルバック8に近い側から各々の
厚みDを50、40、30μmとした。この電極形状
(特に電極間隔に対する電極厚の比)は、フェースプレ
ート3の内面で散乱された正イオン(最大初期エネルギ
ー約50eV)がなす放物線軌道が、スぺーサ5の非電
極面上に到達しないという条件を満たすように設定し
た。
【0108】このときも、スペーサ5に近い位置にある
電子放出素子15からの放出電子による発光スポットも
含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、
鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。
【0109】(実験例1−3)実験例1−1との差異
は、電極9a、9b、9cの高さHおよび間隔Sを互い
に異ならせたことにあり、メタルバック8に近い側から
各々の高さHを1.45、1.4、1.35mmとし、
互いの間隔Sを0.15、0.25mmとした。この電
極形状(特に電極間隔に対する電極厚の比)は、実験例
2と同様に、フェースプレート3の内面で散乱された正
イオン(最大初期エネルギー約50eV)がなす放物線
軌道が、スぺーサ5の非電極面上に到達しないという条
件を満たすように設定した。
【0110】このときも、スペーサ5に近い位置にある
電子放出素子15からの放出電子による発光スポットも
含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、
鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。
【0111】本実施例では、取り出し配線4aを支持枠
4に設け、外囲器10の外部への各電極9a、9b、9
cの取り出しを支持枠4から行なった例を示したが、こ
の場合、支持枠4の近傍での電界乱れも防止でき、か
つ、耐電圧特性も良好に保つことができる。
【0112】他の方法としては、図14に示すように、
支持枠4よりも一回り大きいリアプレート2’を用い、
このリアプレート2’に取り出し配線2'a 、2'b 、
2'c を設けてリアプレート2’から各電極9a、9
b、9cの取り出しを行なったり、図15に示すよう
に、支持枠4よりも一回り大きいフェースプレート3’
を用い、このフェースプレート3’に取り出し配線3'
a 、3'b 、3'c を設けてフェースプレート3’か
ら各電極9a、9b、9cの取り出しを行なってもよ
い。この場合は、電子源1またはフェースプレート3の
基板上から配線が取り出せるので、電気的接続がやり易
くなる。
【0113】さらに、図16に示すように、フェースプ
レート3のメタルバック8および電子源1の、スペーサ
5が接触する部位にそれぞれ印刷等により導電性部材
(不図示)を設け、これら各導電性部材間を、各電極9
a、9b、9c間に設けられた高抵抗導電膜32を介し
て電気的に接続した構成としてもよい。あるいは各導電
性部材の代りに、電子源1のX方向配線12またはY方
向配線13が取り出し配線を兼ねてもよく、また、メタ
ルバック8が取り出し配線を兼ねてもよい。高抵抗導電
膜32は、例えば、電子源1とメタルバック8間に印加
される高電圧に耐え、かつ、各電極9a、9b、9cの
電位を安定させるのに適当な抵抗値を持つ半絶縁性膜で
形成される。この場合は、電子源1およびフェースプレ
ート3の周辺部へ取り出し配線を追加して設ける必要が
ないので、装置サイズを小さくできる。また、スペーサ
5自体を上記周辺部まで延ばす必要がなくなるので、ス
ペーサ5の配置をかなり自由に行なうことができる。
【0114】(第2実施例)本実施例は、スペーサに設
ける電極の数を5本とした点が、第1実施例と異なる。
その他の構成は第1実施例と同様であるので、その説明
は省略する。
【0115】具体的には、各電極の厚みは20μm、高
さは0.9mm、各電極間および電子源、フェースプレ
ートとの間隔は80μmとした。また、5本の電極への
印加電圧は、メタルバックに近い側から各々4.15、
3.3、2.5、1.7、0.85kVとした。この電
極形状(特に電極間隔に対する電極厚の比)は、第1実
施例と同様に、フェースプレートの内面上で散乱された
正イオン(最大初期エネルギー約50eV)がなす放物
線軌道が、スぺーサの非電極面上に到達しないという条
件を満たすように設定した。
【0116】このときも、スペーサに近い位置にある電
子放出素子からの放出電子による発光スポットも含め、
2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で
色再現性のよい画像表示ができた。
【0117】本実施例では5本の電極を設け、また、第
1実施例では3本の電極を設けたが、電極の数は3本や
5本に限定されるものではなく、必要に応じて増減する
ことができる。
【0118】(第3実施例)図17は、本発明の画像形
成装置の第3実施例の一部を破断した斜視図である。本
実施例は、装置サイズを小さくするために、支持枠54
を電子源51上の電子放出部及びフェースプレート53
上の発光部に近接して設け、かつ支持枠54の内側の表
面にスぺーサ55の電極59a、59b、59cと同様
なストライプ状の電極79a、79b、79cを設けた
点が、第1実施例と異なる。その他の構成は第1実施例
と同様であるのでそれらの詳しい説明は省略し、以下、
本実施例の画像形成装置について、その製造手順ととも
に説明する。
【0119】まず、未フォーミングの電子源51をリア
プレート52に固定し、さらに3本のストライプ状の電
極59a、59b、59cを表面に形成したスぺーサ5
5(板厚200μm、高さ5mm)を電子源51上に等
間隔でX方向配線62と平行に固定した。その後、電子
源51の5mm上方にフェースプレート53を、3本の
ストライプ状の電極79a、79b、79cを内側の表
面に形成した支持枠54を介し配置し、リアプレート5
2、フェースプレート53、支持枠54の接合部にフリ
ットガラスを塗布し、大気中で400℃乃至500℃で
10分以上焼成することで封着した。スぺーサ55上の
各々の電極59a、59b、59cおよび支持枠54上
の各々の電極79a、79b、79cには、それぞれ取
り出し配線(不図示)により所定の電位が与えられる。
また、リアプレート52への電子源51の固定及びスぺ
ーサ55の電子源51への固定もフリットガラスで行っ
た。
【0120】支持枠54は4本の板状部材からなり、ス
ぺーサ55上への電極59a、59b、59cの形成、
および支持枠54(板状部材)上への電極79a、79
b、79cの形成は、Pd、Ag、Au、RuO2 、P
d−Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から構成され
る印刷導体を用いて印刷により行った。このとき、各電
極59a、59b、59c、79a、79b、79cの
厚みは50μm、高さは1.4mm、各電極間及び電子
源51、フェースプレート53との間隔は200μmと
した。この電極形状(特に電極間隔に対する電極厚の
比)は、フェースプレート53の内面上で散乱された正
イオン(最大初期エネルギー約50eV)あるいは電子
源51上から放出される電子(最大初期エネルギー約1
4eV)がなす放物線軌道が、スぺーサ55および支持
枠54の非電極面上に到達しないという条件を満たすよ
うに設定した。
【0121】以上のようにして完成した画像形成装置に
おいて、各電子放出素子65には、容器外端子Dox1
ないしDoxmとDoy1ないしDoynを通じ、走査
信号及び変調信号を不図示の信号発生手段によりそれぞ
れ印加することにより電子放出させ、メタルバック58
(あるいは不図示の透明電極)には、高圧端子Hvを通
じて高圧を印加することにより電子ビームを加速し、蛍
光膜57に電子を衝突させ、蛍光体を励起・発光させる
ことで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電
圧は5kV、電子放出素子65の一対の素子電極への印
加電圧は14Vとした。また、各電極59a、59b、
59c、79a、79b、79cへの印加電圧は、メタ
ルバック58に近い側から各々4kV、2.5kV、1
kVとした。
【0122】このとき、スぺーサ55および支持枠54
に近い位置にある電子放出素子65からの放出電子によ
る発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポッ
ト列が形成され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができ
た。このことは、スぺーサ55を設置しても電子軌道に
影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを
示している。また、装置サイズも大1実施例に比べ、よ
りコンパクトになった。
【0123】(第4実施例)図18は、本発明の画像形
成装置の第4実施例のスペーサの断面図であり、図19
は、図18に示したスペーサの拡大斜視図である。
【0124】本実施例では、図18および図19に示す
ように、電子源101とフェースプレート103との間
に封着されるスペーサ105の表面には、X方向、すな
わち電子放出素子115を構成する一対の素子電極11
6、117が対向する方向に延びる3つのストライプ状
の凸部105a、105b、105c(厚みD’、高さ
H’)が互いにZ方向に間隔S’をおいて一体的に設け
られ、これら各凸部105a、105b、105cの表
面に、それぞれ電極109a、109b、109cが形
成されている。各電極109a、109b、109cの
間隔と突出量との関係は、それぞれ条件式(1)を満た
している。スペーサ105へ凸部105a、105b、
105cを形成する方法としては、例えばガラス研磨に
よる方法が挙げられる。また、電極109a、109
b、109cを形成する方法としては、印刷による方法
や、斜方蒸着による方法などが挙げられる。その他の構
成については第1実施例と同様であるので、その説明は
省略する。
【0125】このように、スペーサ105に凸部105
a、105b、105cを設け、その表面に電極109
a、109b、109cを形成しても、結果として電極
109a、109b、109cの間隔に対する突出量の
比が条件式(1)を満たしていれば、スペーサ105へ
の電荷付着による帯電は起こらない。また、各電極10
9a、109b、109cそのものの厚みは、他の実施
例に比べ、より薄くできた。
【0126】以下に、本実施例の画像形成装置を用いた
画像表示の実験例を示す。
【0127】(実験例4−1)本実験例では、厚みD’
が50μm、高さH’が1.4mm、間隔S’が200
μmで凸部105a、105b、105cが形成された
スペーサ105を用い、各凸部105a、105b、1
05cの表面に電極を形成した。電極の形成は、金属や
金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体を用いて
印刷により行なった。この電極形状(特に電極間隔に対
する突出量の比)は、フェースプレート103の内面で
散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50eV)
あるいは電子源101から放出される電子(最大初期エ
ネルギー約14eV)がなす放物線軌道が、スペーサ1
05の非電極面上に到達しないという条件を満たすよう
に設定した。
【0128】そして、その他の条件を第1実施例と同様
の条件として画像を表示させたところ、スペーサ105
に近い位置にある電子放出素子115からの放出電子に
よる発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポ
ット列が形成され、鮮明で色再現正のよい画像表示がで
きた。このことは、スペーサ105を設置しても電子軌
道に影響を及ぼすような電界の乱れが発生しなかったこ
とを示している。
【0129】(実験例4−2)実験例4−1との差異
は、スペーサ105の凸部105a、105b、105
cの各々の厚みD’を互いに異ならせたことにあり、メ
タルバック108に近い側から各々の厚みD’を50、
40、30μmとした。この電極形状(特に電極間隔に
対する突出量の比)は、フェースプレート103の内面
で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50e
V)がなす放物線軌道が、スぺーサ105の非電極面上
に到達しないという条件を満たすように設定した。
【0130】このときも、スペーサ105に近い位置に
ある電子放出素子115からの放出電子による発光スポ
ットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成
され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。
【0131】(実験例4−3)実験例4−1との差異
は、スペーサ105の凸部105a、105b、105
cの高さH’および間隔S’を互いに異ならせたことに
あり、メタルバック108に近い側から各々の高さH’
を1.45、1.4、1.35mmとし、互いの間隔
S’を0.15、0.25mmとした。この電極形状
(特に電極間隔に対する突出量の比)は、実験例2と同
様に、フェースプレート103の内面で散乱された正イ
オン(最大初期エネルギー約50eV)がなす放物線軌
道が、スぺーサ105の非電極面上に到達しないという
条件を満たすように設定した。
【0132】このときも、スペーサ105に近い位置に
ある電子放出素子115からの放出電子による発光スポ
ットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成
され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。
【0133】なお、本実施例では、スペーサ105に設
けられる凸部105a、105b、105cの形状が矩
形状のものの例を示したが、それに限らず、図20の
(a)〜(c)に示すような断面視三角状の凸部155
a、155b、155cとしたり、図20の(d)に示
すような断面視円弧状の凸部155dとすることもでき
る。このようにした場合でも、凸部の表面に形成される
電極の間隔Sと突出量Dとの比が条件式(1)を満たし
ていれば、スペーサへの荷電付着による帯電を防止でき
る。
【0134】(第5実施例)本実施例は、スペーサ近傍
での電界をより均一にするために、スペーサに設ける凸
部の数を5本とし、その各々に電極を形成した点が、第
4実施例と異なる。その他の構成は第4実施例と同様で
あるので、その説明は省略する。
【0135】具体的には、スペーサの各凸部の厚みを2
0μm、高さを0.9mmとし、各電極間および電子
源、フェースプレートとの間隔は80μmとした。ま
た、5本の電極への印加電圧は、メタルバックに近い側
から各々4.15、3.3、2.5、1.7、0.85
kVとした。この電極形状(特に電極間隔に対する突出
量の比)は、第1実施例と同様に、フェースプレートの
内面で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50
eV)がなす放物線軌道が、スぺーサの非電極面上に到
達しないという条件を満たすように設定した。
【0136】このときも、スペーサに近い位置にある電
子放出素子からの放出電子による発光スポットも含め、
2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で
色再現性のよい画像表示ができた。
【0137】(第6実施例)本実施例は、図17で説明
した第3実施例と同様に支持枠にも3つの電極を設けた
ものであるが、支持枠の内面に3つのストライプ状の凸
部を設け、その表面にそれぞれ電極を形成した点が第3
実施例と異なる。
【0138】具体的には、支持枠の内面に、厚みが50
μm、高さが1.4mm、間隔が200μmの3つの凸
部を電子源に沿って設け、その表面にそれぞれ電極を形
成した。この電極形状(特に電極間隔に対する突出量の
比)は、フェースプレートの内面で散乱された正イオン
(最大初期エネルギー約50eV)あるいは電子源から
放出される電子(最大初期エネルギー約14eV)がな
す放物線軌道が、スペーサおよび支持枠の非電極面上に
到達しないという条件を満たすように設定した。その他
の構成については第3実施例と同様であるので、その説
明は省略する。
【0139】そして、第3実施例と同様の条件で画像を
表示したところ、スペーサおよび支持枠に近い位置にあ
る電子放出素子からの放出電子による発光スポットも含
め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮
明で色再現性のよい画像表示ができた。このことは、ス
ペーサを設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界
の乱れが発生しなかったことを示している。また、第3
実施例と同様に、装置サイズがよりコンパクトになっ
た。
【0140】(第7実施例)図21は、本発明の画像形
成装置に、例えばテレビジョン放送をはじめとする種々
の画像情報源より提供される画像情報を表示できるよう
に構成した画像表示装置の一例を示すための図である。
尚、本表示装置は、例えばテレビジョン信号のように映
像情報と音声情報の両方を含む信号を受信する場合に
は、当然映像の表示と同時に音声を再生するものである
が、本発明の特徴と直接関係しない音声情報の受信、分
離、再生、処理、記憶等に関する回路やスピーカー等に
ついては説明を省略する。
【0141】以下、画像信号の流れに沿って各部を説明
してゆく。
【0142】まず、TV信号受信回路513は、例えば
電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて伝送
されるTV画像信号を受信するための回路である。受信
するTV信号の方式は特に限られるものではなく、例え
ば、NTSC方式、PAL方式、SECAM方式などの
諸方式でも良い。また、これらよりさらに多数の走査線
よりなるTV信号(例えばMUSE方式を始めとするい
わゆる高品位TV)は、大面積化や大画素数化に適した
本発明の画像形成装置を用いたディスプレイパネル50
0の利点を生かすのに好適な信号源である。TV信号受
信回路513で受信されたTV信号は、デコーダ504
に出力される。
【0143】また、画像TV信号受信回路512は、例
えば同軸ケーブルや光ファイバーなどのような有線伝送
系を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回
路である。TV信号受信回路513と同様に、受信する
TV信号の方式は特に限られるものではなく、また本回
路で受信されたTV信号もデコーダ504に出力され
る。
【0144】また、画像入力インターフェース回路51
1は、例えばTVカメラや画像読取スキャナーなどの画
像入力装置から供給される画像信号を取り込むための回
路で、取り込まれた画像信号はデコーダ504に出力さ
れる。
【0145】また、画像メモリインターフェース回路5
10は、ビデオテープレコーダ(以下VTRと略す)に
記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取り
込まれた画像信号はデコーダ504に出力される。
【0146】また、画像メモリインターフェース回路5
09は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取
り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ
504に出力される。
【0147】また、画像メモリインターフェース回路5
08は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画像デ
ータを記憶している装置から画像信号を取り込むための
回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ504
に出力される。
【0148】また、入出力インターフェース回路505
は、本表示装置と、外部のコンピュータ、コンピュータ
ネットワークもしくはプリンタなどの出力装置とを接続
するための回路である。画像データや文字・図形情報の
入出力を行うのはもちろんのこと、場合によっては本表
示装置の備えるCPU506と外部との間で制御信号や
数値データの入出力などを行うことも可能である。
【0149】また、画像生成回路507は、入出力イン
ターフェース回路505を介して外部から入力される画
像データや文字・図形情報や、あるいはCPU506よ
り出力される画像データや文字・図形情報に基づき表示
用画像データを生成するための回路である。本回路の内
部には、例えば画像データや文字・図形情報を蓄積する
ための書き換え可能メモリや、文字コードに対応する画
像パターンが記憶されている読み出し専用メモリや、画
像処理を行うためのプロセッサなどを初めとして画像の
生成に必要な回路が組み込まれている。
【0150】画像生成回路507により生成された表示
用画像データは、デコーダ504に出力されるが、場合
によっては入出力インターフェース回路505を介して
外部のコンピュータネットワークやプリンターに出力す
ることも可能である。
【0151】また、CPU506は、主として本表示装
置の動作制御や、表示画像の生成、選択、編集に関わる
作業を行なう。
【0152】例えば、マルチプレクサ503に制御信号
を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号を適
宜選択したり組み合わせたりする。また、その際には表
示する画像信号に応じてディスプレイパネルコントロー
ラ502に対して制御信号を発生し、画像表示周波数や
走査方法(例えばインターレースかノンインターレース
か)や一画面の走査線の数など表示装置の動作を適宜制
御する。
【0153】また、画像生成回路507に対して画像デ
ータや文字・図形情報を直接出力したり、あるいは入出
力インターフェース回路505を介して外部のコンピュ
ータやメモリをアクセスして画像データや文字・図形情
報を入力する。
【0154】なお、CPU506は、むろんこれ以外の
目的の作業にも関わるものであってもよい。例えば、パ
ーソナルコンピュータやワードプロセッサなどのよう
に、情報を生成したり処理する機能に直接関わってもよ
い。
【0155】あるいは、前述したように入出力インター
フェース回路505を介して外部のコンピュータ−ネッ
トワークと接触し、例えば数値計算などの作業を外部機
器と協同して行なってもよい。
【0156】また、入力部514は、CPU506に使
用者が命令やプログラム、あるいはデータなどを入力す
るためのものであり、例えばキーボードやマウスの他、
ジョイステック、バーコードリーダー、音声認識装置な
ど多様な入力機器を用いることが可能である。
【0157】また、デコーダ504は、画像生成回路5
07ないしTV信号受信回路513より入力される種々
の画像信号を3原色信号、または輝度信号とI信号、Q
信号に逆変換するための回路である。なお、同図中に点
線で示すように、デコーダ504は内部に画像メモリを
備えるのが望ましい。これは、例えばMUSE方式をは
じめとして、逆変換するに際して画像メモリを必要とす
るようなテレビ信号を扱うためである。また、画像メモ
リを備えることにより、静止画の表示が容易になる、あ
るいは画像生成回路507およびCPU506と協同し
て画像の間引き、補間、拡大、縮小、合成をはじめとす
る画像処理や編集が容易に行なえるようになるという利
点が生まれるからである。
【0158】また、マルチプレクサ503はCPU50
6より入力される制御信号に基づき表示画像を適宜選択
するものである。すなわち、マルチプレクサ503はデ
コーダ504から入力される逆変換された画像信号のう
ちから所望の画像信号を選択して駆動回路501に出力
する。その場合には、一画面表示時間内で画像信号を切
り換えて選択することにより、いわゆる多画面テレビの
ように、一画面を複数の領域に分けて領域によって異な
る画像を表示することも可能である。
【0159】また、ディスプレイパネルコントローラ5
02は、CPU506より入力される制御信号に基づき
駆動回路501の動作を制御するための回路である。
【0160】まず、ディスプレイパネル500の基本的
な動作に関わるものとして、例えばディスプレイパネル
500の駆動用電源(不図示)の動作シーケンスを制御
するための信号を駆動回路501に対して出力する。
【0161】また、ディスプレイパネル500の駆動方
法に関わるものとして、例えば画面表示周波数や走査方
法(例えばインターレースかノンインターレースか)を
制御するための信号を駆動回路501に対して出力す
る。
【0162】また、場合によっては表示画像の輝度、コ
ントラスト、色調、シャープネスといった画質の調整に
関わる制御信号を駆動回路501に対して出力する場合
もある。
【0163】また、駆動回路501は、ディスプレイパ
ネル500に印加する駆動信号を発生するための回路で
あり、マルチプレクサ503から入力される画像信号
と、ディスプレイパネルコントローラ502より入力さ
れる制御信号に基づいて動作するものである。
【0164】以上、各部の機能を説明したが、図21に
例示した構成により、本表示装置においては多様な画像
情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル5
00に表示することが可能である。すなわち、テレビジ
ョン放送をはじめとする各種の画像信号はデコーダ50
4において逆変換された後、マルチプレクサ503にお
いて適宜選択され、駆動回路501に入力される。一
方、ディスプレイコントローラ502は、表示する画像
信号に応じて駆動回路501の動作を制御するための制
御信号を発生する。駆動回路501は、上記画像信号と
制御信号に基づいてディスプレイパネル500に駆動信
号を印加する。これにより、ディスプレイパネル500
において画像が表示される。これらの一連の動作は、C
PU506により統括的に制御される。
【0165】また、本表示装置においては、デコーダ5
04に内蔵する画像メモリや、画像生成回路507およ
びCPU506が関与することにより、単に複数の画像
情報の中から選択したものを表示するだけでなく、表示
する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、回転、移
動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像の縦横比
変換などをはじめとする画像処理や、合成、消去、接
続、入れ替え、はめ込みなどをはじめとする画像編集を
行なうことも可能である。また、本実施例の説明では、
特に触れなかったが、上記画像処理や画像編集と同様
に、音声情報に関しても処理や編集を行なうための専用
回路を設けてもよい。
【0166】従って、本表示装置は、テレビジョン放送
の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び動画
像を扱う画像編集機器、コンピューターの端末機器、ワ
ードプロセッサをはじめとする事務用端末機器、ゲーム
機などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用
或いは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0167】尚、上記図21は、本発明による画像形成
装置を用いた表示装置の構成の一例を示したに過ぎず、
これのみに限定されるものでないことは言うまでもな
い。例えば図21の構成要素のうち使用目的上必要のな
い機能に関わる回路は省いても差し支えない。またこれ
とは逆に、使用目的によってはさらに構成要素を追加し
てもよい。例えば、本表示装置をテレビ電話機として応
用する場合には、テレビカメラ、音声マイク、照明機、
モデムを含む送受信回路などを構成要素に追加するのが
好適である。
【0168】本表示装置においては、とりわけ本発明に
よる画像形成装置の薄型化が容易なため、表示装置の奥
行きを小さくすることができる。それに加えて、大画面
化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、本表
示装置は臨場感あふれ迫力に富んだ画像を視認性良く表
示することが可能である。
【0169】上述した各実施例では、電子源上に配置し
た各電子放出素子の一対の素子電極への印加電圧により
電子のオン(放出)とオフ(非放出)を制御したが、電
子放出素子とは別の変調電極を設け、この変調電極によ
り電子のオンとオフを制御してもよい。変調電極として
は、電子源が設けられる絶縁性基板上に一体成型したも
のや、電子源が設けられる絶縁性基板とフェースプレー
トとの間の空間上に配置したもの等が可能である。上記
構成においては、変調電極に印加される電圧により、こ
れまでの実施例とは異なる電界分布となるが、基本的に
はこの電位分布に対して、これまでの実施例と同様の条
件式に従った電極を設けたスペーサあるいは支持枠を設
置することにより、これまでの実施例と同様の効果を得
ることができる。特に、絶縁性基板とフェースプレート
との間の空間上に配置した場合は、電子源と変調電極間
およびフェースプレートと変調電極の間の各々の空間に
形成される電位分布に対し、これまでの条件式と同様の
条件式に従った電極を設けたスペーサあるいは支持枠を
設置することにより、これまでの実施例と同様の効果を
得ることができる。また、変調電極を前記空間上に支持
するための別のスペーサが付加される場合もあるが、そ
のスペーサに対しても同様な構成を用いればよい。
【0170】さらに、他の作用をなす電極(偏向電極、
収束電極等)を付加した場合についても、これら付加電
極間の空間に設置されるスペーサあるいは支持枠に対
し、同様の条件で電極を設けることにより、同様の効果
を得ることができる。
【0171】これらの場合、変調電極等の各電極で区分
される空間(以下、「部分空間」という)内に設置され
た絶縁性部材の表面には、条件式(1)と実質的に同等
な以下の条件式(2)にしたがって、電位規定された電
極を設ければよい。 (突出量/電極間隔)≧√[Vi/(z・Ez)]…条件式(2) ただし、 Vi:上記部分空間に入射する電荷担持体の初期運動エ
ネルギーの最大値 z:上記部分空間内の電場の平均的方向のなす方向 Ez:上記部分空間内のz方向の電場の平均値 突出量:z方向に直交する方向への前記電極の突出量 電極間隔:z方向での前記電極の間隔 とする。
【0172】以上の実施例においては、電子放出素子と
して表面伝導型電子放出素子を用いた例を示したが、そ
れに限らず、FE型電子放出素子やMIM型電子放出素
子を用いたものでも、電子放出軌道の安定性の点では同
様の効果が得られる。ただし、素子構造が簡単で、かつ
複数の素子を容易に配置することができるという点を考
えると、表面伝導型電子放出素子を用いることが好まし
い。これは特に、大型の画像形成装置において有効であ
る。
【0173】また、本発明の画像形成装置を画像表示装
置に応用した例で示したが、本発明はこの範囲に限られ
るものではなく、光プリンタの画像形成用発光ユニット
として用いるなど、記録装置への応用も可能である。こ
の場合、通常の形態としては1次元的に配列された画像
形成ユニットを用いることが多いが、上述のm本の行方
向配線とn本の列方向配線を、適宜選択することで、ラ
イン状発光源だけでなく、2次元状の発光源としても応
用できる。
【0174】さらに、以上の実施例で用いた蛍光体のよ
うに直接発光する物質を有する画像形成部材を用いたも
のに限らず、電子の帯電による潜像画像が形成されるよ
うな部材を有する画像形成部材を用いたものであれば、
本発明は適用できる。
【0175】そして、電子被照射体は特定せず、マルチ
の平面電子源をなす電子線発生装置としての応用も可能
である。
【0176】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり構成されて
いるので、以下に記載する効果を奏する。
【0177】本発明の電子線発生装置は、電子源と電子
被照射部材との間に配置された支持枠や耐大気圧構造体
等の絶縁性部材の表面に、電位規定された電極を設ける
ことにより、絶縁性部材の表面には前記荷電担持体が付
着しにくくなるので、電子放出素子から放出される電子
の軌道のずれを防止できる。しかも、電極は電子源と電
子被照射部材との間の電場のなす方向と垂直な方向に沿
って複数設けられているので、電子被照射部材の加速電
極に印加される電圧にも耐え得る構造とすることができ
る。
【0178】特に、電子源と電子被照射部材との間に存
在する電荷担持体の軌跡を考慮し、各電極の突出量と電
極間隔との比を条件式(1)に従って設定することによ
り、絶縁性部材への電荷担持体の軌跡が電極によって遮
られ、絶縁性部材への帯電を完全に防止することができ
る。従って、絶縁性部材に複数の凸部を形成し、それら
各凸部にそれぞれ電極を設けても同様の効果が得られ
る。
【0179】電子源と電子被照射部材との間に少なくと
もひとつの電極部を有する場合にも、絶縁性部材の表面
に、絶縁性部材が設置された空間の電場のなす方向と垂
直な方向に沿って複数の電極を設けることで、上述した
効果と同様の効果を得ることができる。この場合には、
各電極の突出量と電極間隔との比は、条件式(2)に従
って設定すれば、絶縁性部材への帯電を完全に防止でき
る。
【0180】また、各電極の取り出し配線を支持枠に設
けることで、支持枠近傍での電界乱れも防止でき、か
つ、耐電圧特性も良好に保つことができるし、取り出し
配線をフェースプレートに設けると、電気的接続をやり
易くすることができる。さらに、絶縁性部材に高抵抗導
電膜を形成し、これと電気的に接続される導電性部材に
取り出し配線を設けることで、装置サイズを小さくする
ことができるとともに、スペーサを自由に配置すること
ができる。
【0181】加えて、電子放出素子として冷陰極型電子
放出素子を用いることで、省電力で応答速度が速く、し
かも大型の電子線発生装置を構成することができる。そ
の中でも特に表面伝導型電子放出素子は、素子構造が簡
単で、かつ複数の素子を容易に配置することができるの
で、表面伝導型電子放出素子を用いることによって、構
造が簡単で、しかも大型の電子線発生装置が達成でき
る。
【0182】さらに、複数個の表面伝導型電子放出素子
を2次元のマトリクス状に配置し、複数本の行方向配線
と複数本の列方向配線とによってそれぞれを結線するこ
とで、行方向と列方向に適当な駆動信号を与えること
で、多数の表面伝導型電子放出素子を選択し電子放出量
を制御し得るので、基本的には他の制御電極を付加する
必要がなく、電子源を1枚の基板上で容易に構成でき
る。
【0183】本発明の画像形成装置は、本発明の電子線
発生装置を用いているので上述したように電子の軌道が
安定し、発光位置ずれのない良好な画像を形成すること
ができるようになる。特に、電子放出素子として表面伝
導型電子放出素子を用いることで、構造が簡単で、か
つ、大画面の画像形成装置が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の第1実施例の一部を破
断した斜視図である。
【図2】図1に示した画像形成装置のスペーサ近傍の断
面図である。
【図3】図1に示した画像形成装置の電子源の要部平面
図である。
【図4】図3に示した電子源のA−A’線断面図であ
る。
【図5】図1に示した画像形成装置の電子源の製造工程
を順に示した図である。
【図6】電子放出部形成用薄膜を形成する際に用いられ
るマスクの一例の平面図である。
【図7】フォーミング処理に用いられる電圧波形の一例
を示す図である。
【図8】蛍光膜の構成を説明するための図である。
【図9】図1に示した画像形成装置のスペーサ近傍の拡
大斜視図である。
【図10】スペーサに設けられた各電極の取り出し配線
の一例を示す図である。
【図11】図1に示した画像形成装置における電子およ
びイオンの軌跡を説明するための図で、スペーサ近傍の
電子放出部をY方向から見た図である。
【図12】図1に示した画像形成装置における電子およ
びイオンの軌跡を説明するための図で、スペーサ近傍の
電子放出部をX方向から見た図である。
【図13】スペーサに設けられた各電極の形状を説明す
るための図である。
【図14】スペーサに設けられた各電極の取り出し配線
の他の例を示す図である。
【図15】スペーサに設けられた各電極の取り出し配線
の他の例を示す図である。
【図16】スペーサに設けられた各電極の取り出し配線
の他の例を示す図である。
【図17】本発明の画像形成装置の第3実施例の一部を
破断した斜視図である。
【図18】本発明の画像形成装置の第4実施例のスペー
サ近傍の断面図である。
【図19】図18に示した画像形成装置のスペーサ近傍
の拡大斜視図である。
【図20】図18に示した画像形成装置のスペーサの形
状の他の例を示す断面図である。
【図21】本発明の画像形成装置を用いた画像表示装置
の一例のブロック図である。
【図22】表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成
を示すであり、同図(a)はその平面図、同図(b)は
そのA−A’線断面図である。
【図23】図22に示した表面伝導型電子放出素子の製
造工程を順に示した図である。
【図24】熱電子源を用いた従来の画像形成装置の概略
構成図である。
【図25】従来の表面伝導型電子放出素子の平面図であ
る。
【符号の説明】
1、51、101 電子源 2、2’、52 リアプレート 2'a 、2'b 、2'c 取り出し配線 3、3’、53、103 フェースプレート 3'a 、3'b 、3'c 取り出し配線 4、54 支持枠 4a、4b、4c 取り出し配線 5、55、105 スペーサ 6 ガラス基板 7、57 蛍光膜 7a 蛍光体 7b 黒色導電材 8、58、108 メタルバック 9a、9b、9c、59a、59b、59c、79a、
79b、79c、109a、109b、109c 電
極 10 外囲器 11 絶縁性基板 12、62 X方向配線 13 Y方向配線 14 層間絶縁層 14a コンタクトホール 15、65、115 電子放出素子 16、17、116、117 素子電極 18 電子放出部形成用薄膜 20 マスク 20a 開口 21 Cr膜 23 電子放出部 32 高抵抗導電膜 105a、105b、105c、155a、155b、
155c、155d凸部 500 ディスプレイパネル 501 駆動回路 502 ディスプレイパネルコントローラ 503 マルチプレクサ 504 デコーダ 505 入出力インターフェース回路 506 CPU 507 画像生成回路 508、509、510 画像メモリインターフェー
ス回路 511 画像入力インターフェース回路 512、513 TV信号受信回路 514 入力部

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子が設けられた電子源と、前
    記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、前記電子放出
    素子から放出された電子を加速するための加速電極を備
    えた電子被照射部材と、前記電子源と前記電子被照射部
    材との間に配置された絶縁性部材とを有する電子線発生
    装置において、 前記絶縁性部材の表面には、電位規定された複数の電極
    が、それぞれ前記電子源と電子被照射部材との間の電場
    のなす方向と垂直な方向に沿って設けられていることを
    特徴とする電子線発生装置。
  2. 【請求項2】 前記絶縁性部材の表面には複数の凸部が
    形成され、前記複数の凸部のそれぞれに前記電位規定さ
    れた電極が設けられている請求項1に記載の電子線発生
    装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の電極は、以下の条件式に従っ
    て設けられている請求項1または2に記載の電子線発生
    装置。 (突出量/電極間隔)≧√[(d・Vi)/(z・V
    a)] d:前記電子源と電子被照射部材との距離 Vi:前記電子源と電子被照射部材との間に発生する電
    荷担持体の初期運動エネルギーの最大値 z:前記電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方
    向における電荷担持体発生部から前記電極間までの距離 Va:前記電子源と電子被照射部材の加速電極との間の
    電位差 突出量:z方向に直交する方向への前記電極の突出量 電極間隔:z方向での前記電極の間隔
  4. 【請求項4】 前記電荷担持体は、前記電子源から放出
    される電子、前記電子源から放出される電子が衝突する
    ことにより発生する2次電子またはイオンである請求項
    3に記載の電子線発生装置。
  5. 【請求項5】 前記絶縁性部材は、前記電子源と電子被
    照射部材との間に設置された耐大気圧構造体である請求
    項1、2、3または4に記載の電子線発生装置。
  6. 【請求項6】 前記絶縁性部材は、前記電子源と電子被
    照射部材との間の真空雰囲気を維持するための外囲器の
    一部をなす支持枠である請求項1、2、3、4または5
    に記載の電子線発生装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の電極は、それぞれ引き出し配
    線により外部に引き出されている請求項1ないし5のい
    ずれか1項に記載の電子線発生装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の電極は、それぞれ引き出し配
    線により外部に引き出されている請求項6に記載の電子
    線発生装置。
  9. 【請求項9】 前記引き出し配線は、前記支持枠に設け
    られている請求項8に記載の電子線発生装置。
  10. 【請求項10】 前記引き出し配線は、前記電子被照射
    部材に設けられている請求項7または8に記載の電子線
    発生装置。
  11. 【請求項11】 前記電子源が搭載されるリアプレート
    を有し、 前記引き出し配線が、前記リアプレートに設けられてい
    る請求項7または8に記載の電子線発生装置。
  12. 【請求項12】 前記絶縁性部材に前記複数の電極を接
    続する高抵抗導電膜が形成されるとともに、前記電子被
    照射部材および前記電子源にそれぞれ前記高抵抗導電膜
    と電気的に接続される導電性部材が設けられ、前記引き
    出し配線が、前記導電性部材に設けられている請求項7
    または8に記載の電子線発生装置。
  13. 【請求項13】 電子放出素子が設けられた電子源と、
    前記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、前記電子放
    出素子から放出された電子を加速するための加速電極を
    備えた電子被照射部材と、前記電子源と前記電子被照射
    部材との間に配置された少なくともひとつの電極部と、
    前記電子源と前記電極部間をなすか、あるいは前記電極
    部間をなす空間内に設置された絶縁性部材とを有する電
    子線発生装置において、 前記絶縁性部材の表面には、電位規定された複数の電極
    が、それぞれ前記絶縁性部材の設置された空間の電場の
    なす方向と垂直な方向に沿って設けられていることを特
    徴とする電子線発生装置。
  14. 【請求項14】 前記絶縁性部材の表面には複数の凸部
    が形成され、前記複数の凸部のそれぞれに前記電位規定
    された電極が設けられている請求項13に記載の電子線
    発生装置。
  15. 【請求項15】 前記複数の電極は、以下の条件式に従
    って設けられている請求項13または14に記載の電子
    線発生装置。 (突出量/電極間隔)≧√[Vi/(z・Ez)] Vi:前記絶縁性部材の設置された空間に入射する電荷
    担持体の初期運動エネルギーの最大値 z:前記絶縁性部材の設置された空間内の電場の平均的
    方向のなす方向 Ez:前記絶縁性部材の設置された空間内のz方向の電
    場の平均値 突出量:z方向に直交する方向への前記電極の突出量 電極間隔:z方向での前記電極の間隔
  16. 【請求項16】 前記電荷担持体は、前記電子源から放
    出される電子、前記電子源から放出される電子が衝突す
    ることにより発生する2次電子またはイオンである請求
    項15に記載の電子線発生装置。
  17. 【請求項17】 前記絶縁性部材は、前記電子源と電極
    部との間に設置された耐大気圧構造体である請求項1
    3、14、15または16に記載の電子線発生装置。
  18. 【請求項18】 前記絶縁性部材は、前記電子源と電極
    部との間の真空雰囲気を維持するための外囲器の一部を
    なす支持枠である請求項13、14、15、16または
    17に記載の電子線発生装置。
  19. 【請求項19】 前記複数の電極は、それぞれ引き出し
    配線により外部に引き出されている請求項13ないし1
    7のいずれか1項に記載の電子線発生装置。
  20. 【請求項20】 前記複数の電極は、それぞれ引き出し
    配線により外部に引き出されている請求項18に記載の
    電子線発生装置。
  21. 【請求項21】 前記引き出し配線は、前記支持枠に設
    けられている請求項20に記載の電子線発生装置。
  22. 【請求項22】 前記引き出し配線は、前記電極部に設
    けられている請求項19または20に記載の電子線発生
    装置。
  23. 【請求項23】 前記電子源が搭載されるリアプレート
    を有し、 前記引き出し配線が、前記リアプレートに設けられてい
    る請求項19または20に記載の電子線発生装置。
  24. 【請求項24】 前記絶縁性部材に前記複数の電極を接
    続する高抵抗導電膜が形成されるとともに、前記電極部
    および前記電子源にそれぞれ前記高抵抗導電膜と電気的
    に接続される導電性部材が設けられ、 前記引き出し配線が、前記導電性部材に設けられている
    請求項19または20に記載の電子線発生装置。
  25. 【請求項25】 前記電子放出素子は、冷陰極型電子放
    出素子である請求項1ないし24のいずれか1項に記載
    の電子線発生装置。
  26. 【請求項26】 前記冷陰極型電子放出素子は表面伝導
    型電子放出素子である請求項25に記載の電子線発生装
    置。
  27. 【請求項27】 前記表面伝導型電子放出素子が2次元
    のマトリクス状に複数個配置され、前記各表面伝導型電
    子放出素子は、複数本の行方向配線と複数本の列方向配
    線とによって、それぞれ結線されている請求項26に記
    載の電子線発生装置。
  28. 【請求項28】 請求項1ないし27のいずれか1項に
    記載の電子線発生装置を用いた画像形成装置であって、
    前記電子被照射部材に代えて、前記電子源に対向配置さ
    れ、前記電子放出素子から放出された電子が衝突するこ
    とにより画像が形成される部材および前記電子放出素子
    から放出された電子を加速するための加速電極を備えた
    画像形成部材とした画像形成装置。
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