JPH0877923A - ブラウン管用電子銃組立装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビーム通過孔の小さい電極を有する電子
銃の組立装置を構成することを目的とする。 【構成】 複数の電極のうち所定の複数の電極の電子ビ
ーム通過孔に嵌合して同軸に位置決めする中心棒21と、
この中心棒に嵌合する電極間に介挿される第１のスペー
サー26と、中心棒に嵌合しない複数の電極間に介挿され
る第２のスペーサー27a,27b と、中心棒に嵌合する電極
と嵌合しない電極との間に介挿されて中心棒と嵌合し、
互いに係合可能に分割された一対のスペーサー片に第２
のスペーサーに係止して中心棒に嵌合しない電極を中心
棒に嵌合する電極と同軸に位置決めるガイドピンが設け
られた第３のスペーサー28とを有する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、カラーブラウン管な
どの電子銃組立装置に係り、特に電子ビーム通過孔径の
小さい電極を有する電子銃の組立に有効なブラウン管用
電子銃組立装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にカラーブラウン管は、図４に示す
ように、ネック１内に３電子ビーム２を放出する電子銃
３が配設され、この電子銃３から放出された３電子ビー
ム２によりシャドウマスク４を介してパネル５の内面に
形成された３色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン６を
走査することにより、カラー画像を表示する構造に形成
されている。このようなカラーブラウン管のうち、電子
銃から一列配置の３電子ビームを放出するインライン型
カラーブラウン管が、現在カラーブラウン管の主流とな
っている。

【０００３】このようなカラーブラウン管の電子銃３に
は、従来より各種構造のものがある。その一例として、
図５にインライン型カラーブラウン管のバイポテンシャ
ル型電子銃を示す。この電子銃は、カソードＫから蛍光
体スクリーン方向に第１乃至第４グリッドＧ1 〜Ｇ4 が
所定間隔で同軸に配置され、これらカソードＫおよびグ
リッドＧ1 〜Ｇ4 が一対のガラス棒８により一体に固定
された構造に形成されている。また図６にインライン型
カラーブラウン管の多段集束型電子銃を示す。この電子
銃は、カソードＫから蛍光体スクリーン方向に第１乃至
第６グリッドＧ1 〜Ｇ6 が所定間隔で同軸に配置され、
これらカソードＫおよびグリッドＧ1 〜Ｇ6 が一対のガ
ラス棒８により一体に固定された構造に形成されてい
る。これら電子銃の各電極には、一列配置に３個の電子
ビーム通過孔が形成されており、特に第１、第２グリッ
ドＧ1 ，Ｇ2 には、他の電極の電子ビーム通過孔よりも
小さな電子ビーム通過孔９，１０が形成されている。

【０００４】従来よりこのような電子銃３は、電子銃組
立装置を用いて組立てられている。その一例として、図
７に上記バイポテンシャル型電子銃の組立装置を示す。
この組立装置は、基台１２と、この基台１２に固定さ
れ、各グリッドＧ1 〜Ｇ4 の電子ビーム通過孔に嵌合し
て、これらグリッドＧ1 〜Ｇ4 を同軸に位置決めする複
数の段付中心棒１３と、基台１２に立設された一対のガ
イド柱１４と係合し、上記中心棒１３に嵌合したグリッ
ドＧ1 〜Ｇ4 を基台１２の反対側から加圧する加圧部１
５と、上記段付中心棒１３に嵌合したグリッドＧ1 〜Ｇ
4 間に介挿されて中心棒１３に嵌合し、各グリッドＧ1
〜Ｇ4 および第１グリッドＧ1 とその上に配置されたカ
ソード支持部ＫＨとの間隔を規制するスペーサー１６a
〜１６d とを有する。その段付中心棒１３は、電子ビー
ム通過孔径の大きい第４グリッドＧ4 などに嵌合する径
大部を基台１２側とし、先端部の径小部は、第１、第２
グリッドＧ1 ，Ｇ2 の径小の電子ビーム通過孔に嵌合し
ている。

【０００５】電子銃の組立ては、基台１２に固定された
複数の中心棒１３に第４、第３、第２、第１グリッドＧ
4 ，Ｇ3 ，Ｇ2 ，Ｇ1 の順に嵌合するとともに、これら
グリッドＧ4 〜Ｇ1 と交互にスペーサー１６a 〜１６d
を中心棒１３に嵌合し、さらにその第１グリッドＧ1 上
のスペーサー１６a を介してカソード支持部ＫＨを配置
する。その後、ガイド柱１４に加圧部１５を係合して各
グリッドＧ4 〜Ｇ1 およびカソード支持部ＫＨを第１グ
リッドＧ1 側から加圧する。つぎにその各グリッドＧ1
〜Ｇ4 およびカソード支持部ＫＨに設けられている植設
部を、加熱軟化した一対のガラス棒に埋込む。そしてこ
のガラス棒が冷却固化したのち、このガラス棒により一
体に固定された各Ｇ1 〜Ｇ4 およびカソード支持部ＫＨ
をスペーサー１６a 〜１６d とともに中心棒１３から抜
取り、さらにこの抜取られた電子銃からスペーサー１６
a 〜１６d を抜取ることにより組立てられる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来よ
りブラウン管の電子銃は、基台と、この基台に固定さ
れ、各グリッドの電子ビーム通過孔に嵌合して同軸に位
置決めする段付中心棒と、その中心棒に嵌合したグリッ
ドを基台の反対側から加圧する加圧部と、段付中心棒に
嵌合したグリッド間に介挿されて中心棒に係合し、各グ
リッドおよび第１グリッドとカソード支持部との間隔を
規制するスペーサーとを有する組立装置を用いて組立て
られている。

【０００７】しかしこのような組立装置を用いて電子銃
を組立てる場合、第１、第２グリッドの電子ビーム通過
孔径がいちじるしく小さくなると、これらグリッドの電
子ビーム通過孔に嵌合する段付中心棒の径小部の径が極
端に細くなり、段付中心棒の製作がむつかしくなり、複
数の電極を段付中心棒により同軸に位置決めして組立て
ることが困難となる。

【０００８】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、電子ビーム通過孔径がいちじるし
く小さい電極を含む複数の電極を同軸に位置決めして組
立てることができる電子銃組立装置を構成することを目
的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】ブラウン管用電子銃組立
装置において、その電子銃組立装置を、複数の電極のう
ち所定の複数の電極の電子ビーム通過孔に嵌合してこれ
ら電極を同軸に位置決めする中心棒と、その中心棒に嵌
合する電極間に介挿されかつその中心棒に嵌合してこれ
ら電極の間隔を規制する第１のスペーサーと、中心棒に
嵌合しない複数の電極間に介挿され、これら電極の間隔
を規制する第２のスペーサーと、中心棒に嵌合する電極
と中心棒に嵌合しない電極との間に介挿されて中心棒と
嵌合し、かつ係合可能に分割された一対のスペーサー片
からなり、これら一対のスペーサー片のそれぞれに中心
棒に嵌合しない電極および第２のスペーサーに係止して
中心棒に嵌合しない電極を中心棒に嵌合する電極と同軸
に位置決めするガイドピンが設けられた第３のスペーサ
ーとを有する構成とした。

【００１０】

【作用】上記のように電子銃組立装置を構成すると、電
子ビーム通過孔径のいちじるしく小さい第１クリッドな
どを中心棒に嵌合することなく、他の電極と精度よく同
軸に位置決めして、所要の電子銃を組立てることができ
る。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。

【００１２】図１にその一実施例である電子銃組立装置
を示す。この組立装置は、カソードおよび第１乃至第４
グリッドを有するインライン型カラーブラウン管のバイ
ポテンシャル型電子銃の組立装置であり、基台２０と、
この基台２０に径大部を基台２０側として固定され、第
３および第４グリッドＧ3 ，Ｇ4 の電子ビーム通過孔に
嵌合して、これらグリッドＧ3 ，Ｇ4 を同軸に位置決め
する複数の段付中心棒２１と、基台２０に立設された一
対のガイド柱２２と係合し、上記中心棒２１に嵌合した
第３および第４グリッドＧ3 ，Ｇ4 、その第３グリッド
Ｇ3 上に後述するように配置された第１、第２グリッド
Ｇ1 ，Ｇ2 およびカソード支持部ＫＨを基台２０の反対
側から加圧する加圧部２３と、上記組立装置に組込まれ
た第１乃至第４グリッドＧ1 〜Ｇ4 およびカソード支持
部ＫＨ間に介挿されて各電極間隔を規制する複数のスペ
ーサー２４とを有する。

【００１３】特にこの例の組立装置では、そのスペーサ
ー２４が、中心棒２１に嵌合する第３、第４グリッドＧ
3 ，Ｇ4 間に介挿されかつ中心棒１３に嵌合する第１の
スペーサー２６と、第１、第２グリッドＧ1 ，Ｇ2 間お
よび第１グリッドＧ1 とカソード支持部ＫＨとの間に介
挿される第２のスペーサー２７a ，２７b と、第２、第
３グリッドＧ2 ，Ｇ3 間に介挿される第３のスペーサー
２８とからなる。

【００１４】その第１のスペーサー２６は、中心棒２１
に嵌合する開孔が形成され、従来の組立装置のスペーサ
ーと同様の構造に形成されている。これに対し、第２の
スペーサー２７a ，２７b は、図２に示すように、第
１、第２グリッドＧ1 ，Ｇ2 に形成されている一列配置
の３個の電子ビーム通過孔２９a ，２９b ，２９c ，３
０a ，３０b ，３０c の配列方向の両側に、下記第３の
スペーサー２８に設けられたガイドピン３１に係止する
切込み３２，３３が形成されたものとなっている（第２
のスペーサー２７b のみ図示）。また第３のスペーサー
２８は、図２および図３に示したように、互いに係合可
能に分割され、かつ中心棒２１に嵌合する開孔３４が形
成された一対のスペーサー片３５a ，３５b からなり、
その各スペーサー片３５a ，３５b に上記第２のスペー
サー２７a ，２７b の切込み３２，３３、および第１、
第２グリッドＧ1 ，Ｇ2 の電子ビーム通過孔２９a ，２
９b，２９c ，３０a ，３０b ，３０c の配列方向の両
側に形成された切込み３６，３７に係止してこれら第
１、第２グリッドＧ1 ，Ｇ2 を位置決めする一対のガイ
ドピン３１が設けられたものとなっている。特に図３に
示した第３のスペーサー２８は、一方のスペーサー片３
５a の係合部に突起部３８、他方のスペーサー片３５b
の係合部にその突起部３８と嵌合する溝３９が形成さ
れ、これら突起３８部と溝３９との嵌合により、精度よ
く係合するものとなっている。

【００１５】電子銃の組立ては、図１に示したように、
まず基台２０に固定された段付中心棒２１に第４グリッ
ドＧ4 、第１のスペーサー２６、第３グリッドＧ3 の順
に嵌合して、第３、第４グリッドＧ3 、Ｇ4 間に第１の
スペーサー２６を介在させる。つぎにその第３グリッド
Ｇ3 の電子ビーム通過孔から突出する段付中心棒２１の
径小の先端部に、係合した一対のスペーサー片からなる
第３のスペーサー２８を配置する。つぎにこの第３のス
ペーサー２８上に、この第３のスペーサー２８の一対の
ガイドピン３７を案内として、第２グリッドＧ2 、第２
のスペーサー２７b 、第１グリッドＧ1 、第２のスペー
サー２７a の順にを配置し、さらにその第２のスペーサ
ー２７a 上にカソード支持部ＫＨを配置する。

【００１６】つぎに基台２０に立設されたガイド柱２２
に加圧部２３を係合して、上記基台２０上に組込まれた
各グリッドＧ1 〜Ｇ4 、カソード支持部ＫＨおよびスペ
ーサー２６，２７a ，２７b ，２８をカソード支持部Ｋ
Ｈ側から加圧する。その後、この組立装置に組込まれた
各グリッドＧ1 〜Ｇ4 およびカソード支持部ＫＨの植設
部を、加熱軟化した一対のガラス棒に埋込む。そしてこ
の一対のガラス棒の冷却固化したのち、組立装置から一
対のガラス棒により一体に固定されたグリッドＧ1 〜Ｇ
4 およびカソード支持部ＫＨをスペーサー２６，２７a
，２７b ，２８とともに取出す。そしてこの取出され
た電子銃からスペーサー２６，２７a ，２７b ，２８を
抜取る。

【００１７】このスペーサー２６，２７a ，２７b ，２
８の抜取りは、第１のスペーサー２６については、従来
のスペーサーと同様に第３、第４グリッドＧ3 ，Ｇ4 の
対向面に沿ってスライドさせることにより抜取ることが
できる。第２のスペーサー２７a ，２７b および第３の
スペーサー２８については、まず第３のスペーサー２８
のスペーサー片３４a ，３４b をそれぞれ第１グリッド
Ｇ1 （または第２グリッドＧ2 ）の電子ビーム通過孔２
９a ，２９b ，２９c ，３０a ，３０b ，３０c の配列
方向に引抜いてスペーサー片３５a ，３５b を分離する
ことにより抜取る。第２のスペーサー２７a ，２７b に
ついては、上記第３のスペーサー２８を抜取ったのち、
従来のスペーサーと同様に第１、第２グリッドＧ1 ，Ｇ
2 の対向面に沿ってスライドさせることにより抜取るこ
とができる。

【００１８】ところで、上記のように組立装置を構成す
ると、段付中心棒２１に第１、第２グリッドＧ1 ，Ｇ2
の電子ビーム通過孔に嵌合させなくても、これら第１、
第２グリッドＧ1 ，Ｇ2 を段付中心棒２１に嵌合してい
る第３、第４グリッドＧ3 ，Ｇ4 と同軸にすることがで
き、それにより、第１、第２グリッドＧ1 ，Ｇ2 の電子
ビーム通過孔径を所要の大きさに小さくした電子銃を精
度よく組立てることができる。

【００１９】すなわち、上記組立装置では、第２グリッ
ドＧ2 と第３グリッドＧ3 との間に介挿される第３のス
ペーサー２８が段付中心棒２１に嵌合し、この第３のス
ペーサー２８に設けられたガイドピン３１を基準にし
て、この第３のスペーサー２８上に配置される第１、第
２グリッドＧ1 ，Ｇ2 を位置決めするので、第１、第２
グリッドＧ1 ，Ｇ2 の電子ビーム通過孔に段付中心棒２
１を嵌合しなくても、第３、第４グリッドＧ3 ，Ｇ4 と
同軸に組立てることができる。

【００２０】なお、上記実施例では、カラーブラウン管
のバイポテンシャル型電子銃の組立てについて説明した
が、この発明は、バイポテンシャル型電子銃以外の電子
銃の組立てにも、またカラーブラウン管以外のブラウン
管の電子銃の組立てにも適用できる。

【００２１】

【発明の効果】ブラウン管用電子銃組立装置を、複数の
電極のうち所定の複数の電極の電子ビーム通過孔に嵌合
してこれら電極を同軸に位置決めする中心棒と、その中
心棒に嵌合する電極間に介挿されかつその中心棒に嵌合
してこれら電極の間隔を規制する第１のスペーサーと、
中心棒に嵌合しない複数の電極間に介挿され、これら電
極の間隔を規制する第２のスペーサーと、中心棒に嵌合
する電極と中心棒に嵌合しない電極との間に介挿されて
中心棒と嵌合し、かつ互いに係合可能に分割された一対
のスペーサー片からなり、これら一対のスペーサー片の
それぞれに中心棒に嵌合しない電極および第２のスペー
サーを係止して中心棒に嵌合しない電極を中心棒に嵌合
する電極と同軸に位置決めするガイドピンが設けられた
第３のスペーサーとを有する構成とすると、電子ビーム
通過孔径の小さい第１グリッドなどを中心棒に嵌合する
ことなく、他の電極と精度よく同軸に位置決めして、所
要の電子銃を組立てることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例であるカラーブラウン管用
電子銃組立装置の構成を示す図である。

【図２】その要部構成を説明するための図である。

【図３】その第３のスペーサーの構成を示す図である。

【図４】カラーブラウン管の構成を示す図である。

【図５】カラーブラウン管のバイポテンシャル型電子銃
の構成を示す図である。

【図６】カラーブラウン管の多段集束型電子銃の構成を
示す図である。

【図７】従来のカラーブラウン管用電子銃の組立装置の
構成を示す図である。

【符号の説明】

２０…基台 ２１…段付中心棒 ２２…ガイド柱 ２３…加圧部 ２４…スペーサー ２６…第１のスペーサー ２７a ，２７b …第２のスペーサー ２８…第３のスペーサー ３１…ガイドピン ３４…開孔 ３５a ，３５b …スペーサー片 ３６…切込み ３７…切込み Ｇ1 …第１グリッド Ｇ2 …第２グリッド Ｇ3 …第３グリッド Ｇ4 …第４グリッド ＫＨ…カソード支持部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の電極のうち所定の複数の電極の電
   子ビーム通過孔に嵌合してこれら電極を同軸に位置決め
   る中心棒と、 上記中心棒に嵌合する電極間に介挿されかつ上記中心棒
   に嵌合してこれら電極の間隔を規制する第１のスペーサ
   ーと、 上記中心棒に嵌合しない複数の電極間に介挿され、これ
   ら電極の間隔を規制する第２のスペーサーと、 上記中心棒に嵌合する電極と上記中心棒に嵌合しない電
   極との間に介挿されて上記中心棒と嵌合し、かつ互いに
   係合可能に分割された一対のスペーサー片からなり、こ
   れら一対のスペーサー片のそれぞれに上記中心棒に嵌合
   しない電極および上記第２のスペーサーに係止して上記
   中心棒に嵌合しない電極を上記中心棒に嵌合する電極と
   同軸に位置決めするガイドピンが設けられた第３のスペ
   ーサーとを具備することを特徴とするブラウン管用電子
   銃組立装置。