JPH087777B2 - カード供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はカード供給装置、特に複数のカードを格納し
て、この格納を１枚づつカード搬送部に供給するカード
供給装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来から、複数カードを格納し、これを一方向に押圧
し、押圧方向の先頭カードを吸着して取り出すカードラ
ツク及び吸着移動部より成るカード供給装置が使用され
ている。例えば、第5A図，第5B図に示すようなもので、
押圧器具50によりスプリング力でカードを先頭方向に押
圧し、先頭カード10aを供給移動器具20で吸着後、第5B
図のように取り出す。この場合、２枚のカード10a,10b
を同時に取り出さないように、複数の突起対3a,3bを設
けたものもある。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、第5A図，第5B図のような従来例では、
カードのよごれや静電気等による接着により２枚のカー
ドの同時取り出し（以後、ダブルフイードとも言う）を
防ぐことが難しく、かなりの頻度でダブルフイードが発
生してしまう。又、押圧器具50の押圧力は、カードが少
量の場合の吸着移動器具20の逆方向の押圧力に対向でき
るために、スプリング力を所定以下には出来ず、このこ
とがカードが多量の場合の過剰な押圧力となつてカード
の接着を促進することになる。

ダブルフイードの発生は、そのままカード供給装置の
停止の原因となり、ひいてはカード供給装置を組み込ん
だカードエンボスシステムやカードエンコードシステム
等の停止を引き起こして、システムの稼動率を大幅に減
少させてしまう。

本発明は、前記従来の欠点を除去し、２枚のカードの
同時取り出しを防止するカード供給装置を提供する。

特に、２枚のカードの切り離しあるいはカード押圧力
の低下のために工夫されたものである。

［課題を解決するための手段］ この課題を解決するために、本発明のカード供給装置
は、複数のカードを格納する格納部から、カードの整列
方向と略同一方向にカードを１枚づつ取り出し、カード
搬送部に供給するカード供給装置であつて、前記カード
の整列方向の一方を先頭、他方を後尾とする場合に、前
記複数のカードを前記整列方向に後尾より押圧するカー
ド押圧手段と、前記複数のカードの前記整列方向の先頭
に位置する先頭カードを吸着して、前記整列方向と略同
一方向にカードの向きをほぼ変えずに取り出し、前記カ
ード搬送部へ移動するカード吸着移動手段と、前記先頭
カードの前方の両側に設置される複数の突起対と、該突
起対から前記先頭カード方向に続く一側に設置される少
なくとも１つの突起とから成り、まず前記少なくとも１
つの突起で前記先頭のカードと次のカードとを切り離
し、次に前記複数の突起対で前記少なくとも１つの突起
では切り離せなかったが接着力の弱まった前記先頭のカ
ードと次のカードとを切り離すカード切離手段とを備え
ることを特徴とする。

又、本発明のカード供給装置は、複数のカードを格納
する格納部からカードを１枚づつ取り出し、カード搬送
部に供給するカード供給装置であつて、前記複数のカー
ドの先頭に位置する先頭カードを吸着して、前記カード
搬送部へ移動するカード吸着移動手段と、前記先頭カー
ドの前方の両側に設置される複数の突起対と、該突起対
から前記先頭カード方向に続く一側に設置される少なく
とも１つの突起とから成り、前記先頭のカードと次のカ
ードとを切り離すカード切離手段と、押圧力を供給する
押圧力供給手段と、少なくとも前記カード吸着移動手段
による吸着時の反対方向の押圧を吸収する押圧吸収手段
と、該押圧吸収手段による押圧の吸収を解除する吸収解
除手段とを有して、前記複数のカードを所定方向に押圧
するカード押圧手段とを備えることを特徴とする。

［作用］ かかる構成において、先頭カードの前方の両側に設置
される複数の突起対と、該突起対から前記先頭カード方
向に続く一側に設置される少なくとも１つの突起とによ
り、２枚のカードの同時取り出しを防止する。更に、少
なくとも前記吸着移動手段による吸着時の反対方向の押
圧を吸収する押圧吸収手段を設けてカード接着を弱く
し、上記少なくとも１つの突起及び複数の突起対と共働
して、２枚のカードの同時取り出し防止を更に確実にす
る。

［実施例］ 以下、添付図面に従つて、本発明の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本実施例のカード供給装置を構成するカード
ラツク１を示す斜視図、第2A図〜第2D図は本カード供給
装置のカード供給動作の概略を示す図である。

カード10は、滑りを良くするため摩擦係数の小さい材
料から成るテープ7a,7b上に置かれ、飛び出しを防ぐバ
ー８により軽く押さえられている。後方からは溝6a,6b
に沿つてスライドする本実施例の押圧器具４（構成は詳
細に後述する）によりスプリング５の力で押圧されてい
る。先頭カード前方には、左右両側に数段の突起を有す
るカード切離部3a,3bが設置され、更に本例では向つて
左側に他の突起物２が設置されている。第2A図に示すよ
うに、突起物２の存在によりカード10は突起物２の幅だ
け傾いて並ぶこととなる。

次に、カード供給の動作手順を説明する。

第2A図〜第2D図で、21はカード吸着器、22a,22b,23a,
23bは回転ローラ、24a,24bは回転ベルトであり、カード
をＸ方向に取り出すよう動作する構成になつている。第
2A図は供給動作開始前の状態である。

まず、供給動作の開始により第2B図のように、カード
吸着器21が先頭カード10aに押し付けられる。図示のよ
うにこの時には、ローラ22b,23bが寝てカード取り出し
の邪魔をしないようになる。ここで、押圧器具４はカー
ド吸着器21の押付けにより後退しない構造であることが
必要である。次に、第2C図のようにカード吸着器21は先
頭のカード10aを引き出す。この場合に、突起物２の影
響でカードが斜めに格納されているため、次のカード10
bとの間に容易に外気の流入が起こり、切り離しが高い
確率で起こる。最終に第2D図に示すように、先頭カード
10aは前述のローラ及びベルトにより所定のＸ方向に送
出される。

尚、第2C図には先頭カード10aのみの吸着を示した
が、突起物２の設置によつても小さな確率で２枚のカー
ド10a,10bが吸着されることがある。しかし、この場合
にも突起物２によりその接着力は弱くなつており、更に
左右に設置された数段の突起対3a,3bにより２枚のカー
ド10a,10bは完全に切り離される。従つて、ダブルフイ
ードの発生確率は極端に小さくなる。突起物２の前方ま
で吸着された次のカード10bは、次の吸着動作で再び元
の位置に押し戻されるので、以下正常な動作が継続す
る。

次に、本実施例の押圧器具４の構造とその作用につい
て詳細に示す。第3A図は押圧器具４の斜視図、第3B図は
第3A図をＡ方向から見た図である。

押圧器具４の本体41には、前述の突起物２によるカー
ドの傾きで押圧力が片寄らないように、突起物２と反対
側に弾性物40が接着されている。本体41には一端がカー
ドラツク前方に止められた回転スプリング５を支持する
支持部43が取り付けられ、回転スプリング５による押圧
力を供給している。又、本体41の左右にはカードラツク
１の溝6a,6bにより把持される摩擦係数の小さな表面を
持つ円柱の突起物46a,46bが取り付けられている。これ
により、押圧器具４は溝6a,6bに沿つてスライドする。

スプリング支持部43と回転軸47を同じくして回転可能
に設置され、押圧器具40の移動を容易にするために押圧
吸収部45a,45bをカードラツク底面より引き離す押圧吸
収解除レバー42があつて、支持部43とスプリング44によ
り接続されている。このスプリング44はレバー42が通常
は押圧吸収部45a,45bをカードラツク底面に押し付けて
いる。押圧吸収部45a,45bは弾力性に富む硬質樹脂のも
のが好ましい。

第3A図をＢ方向から見た第4A図、第4B図に従つて、押
圧器具４の作用動作を説明する。

第4A図は先頭カードの吸着のない場合の押圧状態であ
り、この場合は回転スプリング５の力により押圧されて
いる。ここで、吸着器具21が先頭カードに押付けられた
場合には、互いに固着されている押圧器具本体41と支持
部43、及び軸47は後退しようとするが、押圧吸収部45は
接点Ｐでカードラツク底面に接して留まろうとするの
で、第4B図に示すように、押圧吸収部45が固着されたレ
バー42は軸47を中心にＸ方向に回転して、押圧吸収部45
が変形して接点部450の面積が拡大し、吸着のための押
圧を吸収して押圧器具40の後退を止める。このため、本
実施例の押圧器具４では、スプリング５の強さはカード
を直立せしめると共にカード間に隙間を作らない程度の
もので良いため、従来よりも弱くすることが可能であ
る。これは、突起物46a,46bと溝6a,6bとの摩擦及びテー
プ7a,7bとカード10との摩擦を小さくすることで更に改
善される。

この結果、カード間の接着が相対的に弱まることとな
り、カード分離に良い影響を与える。

尚、突起物２は左右どちらにあつても良い。又、カー
ドに弾力性があるので、突起物２の材質は硬質のもので
かまわないが、カードにキズを付けないため硬質樹脂が
好ましい。又、その大きさは、カード吸着をそこなわな
い程度、且つカード側面にキズを付けない程度であれば
よく、特に限定はされない。

［発明の効果］ 本発明により、２枚のカードの同時取り出しを防止す
るカード供給装置を提供できる。

すなわち、２枚のカードの切り離しを完全にし、カー
ド押圧力の低下のために工夫がなされた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例のカード供給装置のカードラツクの斜
視図、 第2A図〜第2D図は本実施例のカード供給装置の動作説明
図、 第3A図は本実施例のカード供給装置の押圧器具の斜視
図、 第3B図は第3A図をＡ方向から見た図、 第4A図，第4B図は第3A図をＢ方向から見た押圧器具の動
作図、 第5A図，第5B図は従来のカード供給装置の動作図であ
る。 図中、１……カードラツク、２……突起物、3a,3b……
突起対、４……押圧器具、５……スプリング、6a,6b…
…溝、7a,7b……テープ、８……バー、10,10a〜10c……
カード、21……吸着器具、40……弾性物、41……押圧器
具本体、42……レバー、43……支持部、44……スプリン
グ、45,45a,45b……押圧吸収部、46a,46b……突起物、4
7……軸、450……押圧吸収部の接点部である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のカードを格納する格納部から、カー
   ドの整列方向と略同一方向にカードを１枚づつ取り出
   し、カード搬送部に供給するカード供給装置であつて、 前記カードの整列方向の一方を先頭、他方を後尾とする
   場合に、 前記複数のカードを前記整列方向に後尾より押圧するカ
   ード押圧手段と、 前記複数のカードの前記整列方向の先頭に位置する先頭
   カードを吸着して、前記整列方向と略同一方向にカード
   の向きをほぼ変えずに取り出し、前記カード搬送部へ移
   動するカード吸着移動手段と、 前記先頭カードの前方の両側に設置される複数の突起対
   と、該突起対から前記先頭カード方向に続く一側に設置
   される少なくとも１つの突起とから成り、まず前記少な
   くとも１つの突起で前記先頭のカードと次のカードとを
   切り離し、次に前記複数の突起対で前記少なくとも１つ
   の突起では切り離せなかったが接着力の弱まった前記先
   頭のカードと次のカードとを切り離すカード切離手段と
   を備えることを特徴とするカード供給装置。
2. 【請求項２】複数のカードを格納する格納部からカード
   を１枚づつ取り出し、カード搬送部に供給するカード供
   給装置であつて、 前記複数のカードの先頭に位置する先頭カードを吸着し
   て、前記カード搬送部へ移動するカード吸着移動手段
   と、 前記先頭カードの前方の両側に設置される複数の突起対
   と、該突起対から前記先頭カード方向に続く一側に設置
   される少なくとも１つの突起とから成り、前記先頭のカ
   ードと次のカードとを切り離すカード切離手段と、 押圧力を供給する押圧力供給手段と、少なくとも前記カ
   ード吸着移動手段による吸着時の反対方向の押圧を吸収
   する押圧吸収手段と、該押圧吸収手段による押圧の吸収
   を解除する吸収解除手段とを有して、前記複数のカード
   を所定方向に押圧するカード押圧手段とを備えることを
   特徴とするカード供給装置。