JPH087675A - 酸化物超電導線およびその製造方法ならびに酸化物超電導導体 - Google Patents

酸化物超電導線およびその製造方法ならびに酸化物超電導導体

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JPH087675A
JPH087675A JP6135395A JP13539594A JPH087675A JP H087675 A JPH087675 A JP H087675A JP 6135395 A JP6135395 A JP 6135395A JP 13539594 A JP13539594 A JP 13539594A JP H087675 A JPH087675 A JP H087675A
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武志 加藤
Hideto Mukai
英仁 向井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化物超電導体を交流用導体に用いるに際
し、特に重要となるエネルギ損失の問題を解決するため
の技術を提供する。 【構成】 酸化物超電導体からなるフィラメント1と、
フィラメント1を覆いかつ銀または銀合金からなる安定
化材シース2とを備える超電導線材10の表面に、安定
化材の硫化により生成された硫化物からなる被膜3を形
成する。被膜3は、安定化材よりも高い比抵抗を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネット、ケーブル
などに用いることができ、特に交流用導体に適した酸化
物高温超電導線およびその製造方法に関し、さらに酸化
物高温超電導線を用いた超電導導体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】液体
窒素温度(77.3K)よりも高い臨界温度(Tc)を
示すイットリウム系(Tc:90K)、ビスマス系(T
c:108K)、タリウム系(Tc:125K)酸化物
超電導材料の発見により、そのエネルギ分野およびエレ
クトロニクス分野への応用が期待されるようになった。
この中で、エネルギ分野への応用を目指した酸化物高温
超電導体の線材化は、この材料の発見当初から精力的に
進められてきた。
【0003】線材化について、種々の方法が検討されて
きているが、その1つには、酸化物超電導体を安定化金
属で被覆し、線材化する方法がある。この方法では、た
とえば、酸化物超電導体を銀シース内に充填したものに
ついて、伸線および圧延等の塑性加工を施した後、焼結
処理して線材が得られる。このプロセスでは、塑性加工
と焼結の組合わせにより、銀被覆内の超電導体に高い配
向性を持たせ、高い臨界電流値を実現させるようになっ
てきた。このプロセスで得られたテープ状超電導線は、
ケーブル用の導体やマグネット用のコイルへの応用が期
待されている。これが実現した場合、高価な液体ヘリウ
ムが必要な金属系超電導ケーブル等で懸案事項となって
いる、断熱システムの簡素化、および冷却コストの低減
を一気に克服できるであろう。
【0004】電力関連分野に酸化物超電導体を応用する
際、交流での使用が前提となる。金属系超電導体に関し
ても、ここ10年間で交流の応用を目指した開発が急速
に進展してきた。そして、酸化物超電導体に関しても、
交流ケーブル等の交流用途を念頭においた技術的開発お
よび改良が求められている。
【0005】本発明の目的は、交流用途において特に重
要となるエネルギ損失の問題を解決するための技術を提
供することにある。
【0006】本発明のさらなる目的は、エネルギ損失が
低減される酸化物超電導線および酸化物超電導導体を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に従う酸化物超電
導線は、酸化物超電導体からなるフィラメントと、フィ
ラメントを覆い、かつ銀および銀合金からなる群から選
択される安定化材からなるシースと、安定化材の化学反
応または安定化材への絶縁体の拡散によって、シースの
表面に形成された被膜とを備える。この被膜は、安定化
材よりも高い比抵抗を有する。
【0008】本発明に従う酸化物超電導線の製造方法
は、酸化物超電導体からなるフィラメントと、フィラメ
ントを覆いかつ銀および銀合金からなる群から選択され
る安定化材からなるシースとを備える線材を準備する工
程と、線材において安定化材からなる表面の化学反応ま
たは安定化材への絶縁体の拡散により、シースの表面に
安定化材よりも高い比抵抗を有する被膜を形成する工程
とを備えることを特徴とする。
【0009】被膜としては、たとえば、安定化材の化学
反応(硫化)により生成された硫化銀からなる被膜、ま
たは安定化材へのAl23 (絶縁体)の拡散により形
成された被膜を挙げることができる。
【0010】本発明に従う酸化物超電導導体は、酸化物
超電導線を集合させたものであって、互いに接触する2
本以上の酸化物超電導線を有する超電導導体において、
少なくとも1本の酸化物超電導線は、酸化物超電導体か
らなるフィラメントと、フィラメントを覆い、かつ銀お
よび銀合金からなる群から選択される安定化材からなる
シースと、安定化材の化学反応または安定化材への絶縁
体の拡散によってシースの表面に形成された被膜とを備
える。この被膜は、安定化材よりも高い比抵抗を有す
る。超電導導体において、被膜を備える酸化物超電導線
は、被膜を介して別の酸化物超電導線と接触する。被膜
は、上述と同様に、硫化銀または安定化材にAl23
を拡散させた材料から形成することができる。
【0011】交流用途において、特に問題となるエネル
ギ損失には、ヒステリシス損失、結合損失、渦電流損失
等が含まれる。このうち、交流用導体における渦電流損
失(W)は、σを電気伝導率、fを周波数、Bmを印加
磁場波高値としたとき、σ・f2 ・Bm2 に比例する。
したがって、渦電流損失を低減したいならば、導体母材
の抵抗を上げることが効果的である。このような見地か
ら、金属系超電導導体については、高抵抗金属をマトリ
ックス中に配置することができた。しかしながら、酸化
物超電導線およびそれを用いた導体において、そのよう
な金属系超電導導体の技術を適用することは困難であ
る。なぜならば、マトリックスには、酸化物超電導体と
反応しないごく限られた材料、たとえば銀または銀合金
しか用いることができないからである。マトリックス
中、高抵抗の金属材料を配置しようとすると、必ず、製
造プロセス、特に焼結プロセスにおいて、その金属の拡
散による酸化物超電導体への影響が問題となる。本発明
者らは、マトリックスについてほとんど選択の余地がな
い条件下で、酸化物超電導体の分野においてこれまでに
ない交流損失低減のための技術を見出したものである。
【0012】本発明において、酸化物超電導線には、銀
または銀合金の安定化材中に酸化物超電導体からなるフ
ィラメントが埋込まれた構造を有するテープ状酸化物超
電導多芯線または単芯線を用いることができる。酸化物
超電導体としては、たとえば、イットリウム系、ビスマ
ス系またはタリウム系酸化物超電導体が用いられる。ビ
スマス系セラミックス超電導体は、高い臨界温度、高い
電流密度、低い毒性および線材化の容易さといった点か
ら好ましい。テープ状超電導線は、一般に、酸化物超電
導体の原料粉末の焼成および粉砕、粉末の安定化材シー
スへの充填、塑性加工ならびに焼結のプロセスを経て製
造される。原料粉末の調製では、超電導体を構成する元
素の酸化物または炭酸化物の粉末が所定の配合比で混合
され、かつ焼結された後、焼結物が粉砕されて原料粉末
を得る。粉末を充填するシースは、たとえば銀または銀
合金からなる。塑性加工には、伸線加工および圧延加工
が用いられる。圧延加工の後、テープ状にされた線材
は、約800℃〜約900℃、好ましくは約840℃〜
850℃の温度において焼結が施され、シース材中の超
電導体が、高い配向性および高い臨界電流密度を得るよ
うになる。多芯線を製造する場合、伸線加工の後得られ
た複数の線材が合わされ、塑性加工および焼結に供され
る。上述したプロセスにおいて、塑性加工と焼結の組合
わせにより、高い配向性を有するほぼ単一の超電導相を
生成することができる。このプロセスにより製造された
テープ状超電導線のフィラメントは、テープ線の長手方
向にわたってほぼ均一な超電導相を有し、超電導相のc
軸は、テープ線の厚み方向にほぼ平行に配向している。
また、フィラメントにおける結晶粒は、テープ線の長手
方向に延びるフレーク状であり、結晶粒同士は強く結合
している。フレーク状の結晶粒は、テープ線の厚み方向
に積層される。用いられるテープ状超電導線のサイズ
は、特に限定されるものではないが、一般に幅が1.0
mm〜10mm、好ましくは2mm〜6mm、厚みが
0.05mm〜1mm、好ましくは0.1mm〜0.4
mmである。このようなサイズにおいて、上述した構造
のフィラメントを有するテープ線は、たとえば、4×1
3 〜3.0×104 A/cm2 の臨界電流密度を保持
することができる。また、安定化材に関し、銀と合金を
形成する成分として、金およびプラチナ等を挙げること
ができる。合金成分は、酸化物超電導体と反応しない材
料から選択される。
【0013】本発明に従い、酸化物超電導線の表面に
は、安定化材よりも比抵抗の高い被膜が形成される。図
1を参照して、たとえば、多芯超電導線10において、
酸化物超電導体からなるフィラメント1は、安定化材か
らなるシース2により覆われており、シース2の表面
に、被膜3が形成される。被膜3は、図に示すようにシ
ース全体を覆うことが好ましいが、部分的にシースを覆
うこともできる。
【0014】被膜は、安定化材の化学反応、たとえば安
定化材の硫化によって生成される。フィラメントと安定
化材とからなる酸化物超電導線を、硫化性雰囲気または
硫化性溶液に接触させることにより、硫化物の被膜を形
成することができる。硫化性雰囲気としては、たとえ
ば、硫化水素および亜硫酸ガスからなる群から選択され
る硫化ガスを用いることができる。一方、硫化性溶液と
して、たとえばこれらのガスを含む溶液等を用いること
ができる。
【0015】安定化材の硫化は、最終製品としての酸化
物超電導線が得られた後、すなわち上述したプロセスに
おいて焼結工程が完了した後、線材に対して行なうこと
ができる。硫化被膜が形成された複数の線材は、超電導
導体を製造するため集合される。被膜の厚みは、酸化物
超電導体フィラメントおよびその安定化に影響を与えな
い範囲において決定される。フィラメントの超電導特性
に悪影響を与えるまで、深く安定化材が硫化されること
は望ましくない。線材の構造に応じて、たとえば、数n
m〜数百nmの範囲において、被膜を線材の表面に薄く
形成することができる。
【0016】安定化材を硫化することによって、たとえ
ば硫化銀が好ましく生成される。硫化銀は、200℃に
おいて銀の約1000倍比抵抗が大きく、液体窒素温度
においても銀より大きな比抵抗を有する。本発明におい
て、硫化銀からなる被膜は、交流損失を低減するため効
果的に作用する。
【0017】一方、被膜は、安定化材への絶縁体の拡散
により形成することができる。好ましい絶縁体として、
超電導体との反応性が低いかまたは実質的にない材料が
用いられる。たとえば、Al23 は、絶縁体として好
ましく、酸化物超電導体との反応性が小さい数少ない物
質の1つである。Al23 を安定化材に拡散させるこ
とによって、線材表面の抵抗は、通常の銀シースと比較
して、2ケタ程度増加する。
【0018】Al23 を安定化材に拡散させた被膜
は、安定化材からなる線材表面にAl 23 粒子を密着
させた後、加熱によりAl23 を安定化材に拡散させ
ることによって形成させることができる。このような工
程は、超電導線の製造プロセスと同時に行なうこともで
きる。たとえば、超電導線の焼結工程の前に、Al2
3 粒子を線材の表面に付着させた後、圧延やプレス等を
線材に施してAl23粒子を線材に密着させる。次い
で、酸化物超電導体を焼結させるための加熱処理を行な
うことによって、Al23 を安定化材中に拡散させる
ことができる。このような工程は、Al23 の拡散と
線材の焼結とを同時に行なうことができるという利点を
有する。
【0019】被膜を有する酸化物超電導線材を用いて、
超電導ケーブルのための導体を作製することができる。
導体は、この被膜を有する線材を集合するか、被膜を有
する線材と被膜を有しない線材とを集合することにより
作製できる。また、図2に示すように、たとえばフレキ
シブル管から形成されるフォーマ11をコアとして有
し、フォーマ11の周りに酸化物超電導テープ12が螺
旋状に巻付けられた導体を提供することができる。テー
プ12は、図に示すように複数層重ねることができる。
このような構造において、テープ12として、硫化物被
膜を有する超電導テープを用いることができる。被膜を
有するテープ線は、導体の交流損失を効果的に軽減する
ため、必要な本数が、適切な位置に配置される。このよ
うな配置において、超電導テープ同士は硫化物被膜を介
して互いに接触させることができる。また図に示すよう
に、超電導テープ12上には、絶縁テープ13を螺旋状
に巻付けることができる。絶縁テープ13も複数層重ね
ることができる。この図は、本発明の構造を説明するた
め各部分を便宜的に露出させているが、実際には、図3
に示すように、フォーマ11は超電導テープ12で覆わ
れ、超電導テープ12は絶縁テープ13で覆われる。本
発明に従って硫化物被膜を有する酸化物超電導線を用い
た導体は、交流用導体として適用することができる。
【0020】
【発明の作用効果】本発明において、被膜は、銀よりも
大きな比抵抗を有し、渦電流損失等の交流損失を低減さ
せることがでできる。また、被膜を構成する安定化材の
硫化物、特に硫化銀、および安定化材にAl23 を拡
散させた材料は、比較的安定である。この被膜を有する
超電導線をケーブル等のための導体に用いることによっ
て、交流損失の小さい高温超電導導体を得ることができ
る。
【0021】一方、本発明によれば、安定化材シース表
面での化学反応または絶縁体の拡散によって、よりシン
プルな工程において高い比抵抗を有する被膜を形成でき
る。また、この被膜は、線材の表面に局所的に形成され
るため、超電導体フィラメントは、被膜を形成しない場
合と同様に銀または銀合金によって安定化される。本発
明によれば、超電導線の超電導特性を劣化させずに、線
材の表面の抵抗を顕著に上げることができる。以上示し
てきた本発明の技術は、酸化物超電導体を交流用導体に
用いる場合有用である。
【0022】
【実施例】
実施例1 Bi23 、PbO、CaCO3 、SrCO3 、CuO
を用いてBi:Pb:Sr:Ca:Cu=1.8:0.
4:2.0:2.2:3.0の組成比の粉末を調製し
た。この粉末に熱処理を施し、粉砕を行なった後、主に
2212相と非超電導層からなる粉末を得た。得られた
粉末を減圧下で加熱処理した後、外径12.5mm、内
径8.55mmの銀パイプに充填した。粉末を充填した
パイプについて伸線加工を施し、単芯線材を得た。得ら
れた線材を切断して37本のセグメントを得た。37本
のセグメントを束ねて銀パイプに嵌合した後、伸線加工
および圧延加工を施し、テープ状多芯線材を得た。得ら
れた線材に、845℃、50時間で1次焼結を施したの
ち、圧延加工を施した。その後、さらに840℃、10
0時間で2次焼結を施して、テープ状多芯超電導線材を
得た。得られた線材を10cm切出し、液体窒素中でそ
の臨界電流を測定したところ、30Aであった。
【0023】得られた超電導線材から1m分を切出し、
2 S雰囲気に晒した。表面に硫化銀が生成し、その表
面が黒色に変化したら、線材をH2 S雰囲気から取出し
た。硫化銀の被膜が形成された線材について、液体窒素
中で臨界電流を測定したところ、30Aであった。線材
の表面に硫化銀被膜を形成しても、超電導特性に変化が
ないことを確認した。
【0024】次に、硫化銀の被膜を形成させたものとさ
せなかったものの両方について、液体窒素中での交流損
失を測定した。測定には、図4に示すような構成のシス
テムを用いた。サンプル40は、交流電源41およびロ
ックインアンプ42にそれぞれ接続され、一方、交流電
源とロックインアンプの間はリファレンス43によって
接続された。交流損失は、ロックインアンプ42で得ら
れる、電流と同位相の電圧成分と、電流との積(どちら
も実効値)で定義した。また、測定では、図5に示すよ
うに線材を束ねたものをサンプルとして用いた。測定の
結果、H2 Sに晒して硫化銀を生成させたサンプルのほ
うが、交流損失が小さいことを確認した。
【0025】実施例2 実施例1で示す線材の製造プロセスにおいて、1次焼結
後、圧延加工の前に予め20m分の線材を切出した。こ
の線材にAl23 粉末を付着させ、ついで圧延加工を
行なった。その後、2次焼結を施して、表面部分にAl
23 が拡散した線材を得た。得られた線材のIcを測
定したところ、30Aであった。一方、実施例1と同様
にして作成した被膜のない線材も30AのIcを示し
た。
【0026】次に、実施例1と同様に、線材について交
流損失の測定を行なった。測定の結果、Al23 を拡
散させた線材の方が、交流損失が小さいことを確認し
た。
【0027】実施例3 実施例1と同様の手法で作製した線材100mの内50
m分について表面に硫化銀の被膜を形成した。次いで、
硫化銀の被膜を形成した線材を用い、図2に示す様な構
造において、フォーマーの周囲に線材を2層重ねて巻き
つけた、1m長の導体を作製した。一方、硫化銀の被膜
を形成させなかった線材を用い、同様にフォーマーの周
囲に線材を2層重ねて巻きつけた1m長の導体を作製し
た。
【0028】導体のIcが10-13 Ω・m比抵抗定義で
1000Aと同等であることを確認した後、実施例1と
同様の手法で交流損失を測定した。その結果、硫化銀の
被膜を形成した線材を使用した導体の方が交流損失が小
さいことを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化物超電導線において、表面に硫化
物の被膜が形成されたようすを示す断面図である。
【図2】本発明に従う超電導導体の一具体例の構造を模
式的に示す図である。
【図3】図2に示す超電導導体において、素線および絶
縁材の積層構造を模式的に示す図である。
【図4】交流損失を測定するための系を示す模式図であ
る。
【図5】交流損失を測定するためのサンプルの構造を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 フィラメント 2 シース 3 被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 謙一 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超電導体からなるフィラメント
    と、 前記フィラメントを覆い、かつ銀および銀合金からなる
    群から選択される安定化材からなるシースと、 前記安定化材の化学反応または前記安定化材への絶縁体
    の拡散によって前記シースの表面に形成された被膜とを
    備え、 前記被膜は、前記安定化材よりも高い比抵抗を有するこ
    とを特徴とする、酸化物超電導線。
  2. 【請求項2】 前記被膜が前記安定化材の硫化により生
    成された硫化銀からなることを特徴とする、請求項1に
    記載の酸化物超電導線。
  3. 【請求項3】 前記被膜が前記安定化材へのAl23
    の拡散により生成されたものである、請求項1に記載の
    酸化物超電導線。
  4. 【請求項4】 酸化物超電導体からなるフィラメント
    と、前記フィラメントを覆いかつ銀および銀合金からな
    る群から選択される安定化材からなるシースとを備える
    線材を準備する工程と、 前記線材において、前記安定化材からなる表面の化学反
    応または前記安定化材への絶縁体の拡散により、前記シ
    ースの表面に前記安定化材よりも高い比抵抗を有する被
    膜を形成する工程とを備えることを特徴とする、酸化物
    超電導線の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記被膜は、前記線材を硫化性雰囲気ま
    たは硫化性溶液に接触させることにより形成されること
    を特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記被膜を形成する工程が、 前記安定化材からなる線材表面にAl23 粒子を密着
    させる工程と、 加熱により前記Al23 を前記安定化材に拡散させる
    工程とを備えることを特徴とする、請求項4に記載の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 互いに接触する2本以上の酸化物超電導
    線を有する酸化物超電導導体において、 少なくとも1本の前記酸化物超電導線は、 酸化物超電導体からなるフィラメントと、 前記フィラメントを覆い、かつ銀および銀合金からなる
    群から選択される安定化材からなるシースと、 前記安定化材の化学反応または前記安定化材への絶縁体
    の拡散によって前記シースの表面に形成された被膜とを
    備え、 前記被膜は、前記安定化材よりも高い比抵抗を有し、 前記被膜を備える酸化物超電導線は、前記被膜を介して
    別の酸化物超電導線と接触することを特徴とする、酸化
    物超電導導体。
  8. 【請求項8】 交流用導体であることを特徴とする、請
    求項7に記載の酸化物超電導導体。
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