JPH0876418A - 二成分系現像剤用トナー - Google Patents

二成分系現像剤用トナー

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JPH0876418A
JPH0876418A JP6207443A JP20744394A JPH0876418A JP H0876418 A JPH0876418 A JP H0876418A JP 6207443 A JP6207443 A JP 6207443A JP 20744394 A JP20744394 A JP 20744394A JP H0876418 A JPH0876418 A JP H0876418A
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JP
Japan
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toner
particles
weight
resin
carrier
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Withdrawn
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JP6207443A
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English (en)
Inventor
Masatomi Funato
正富 船戸
Yoshitake Shimizu
義威 清水
Seijirou Ishimaru
聖次郎 石丸
Norio Kubo
憲生 久保
Kazuya Nagao
一也 永尾
Terumichi Asano
照道 浅野
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 定着用樹脂および該樹脂中に分散された磁性
粉末を含有するトナー粒子を含む二成分系現像剤用トナ
ー。トナー粒子中の定着用樹脂は、アニオン性極性基を
有する樹脂を含む組成物でなり、磁性粉末は、所定の割
合でトナー粒子中に含有される。トナー粒子の体積基準
平均粒径は5から15μmで、トナー粒子表面に、体積
基準平均粒径が0.05から1.0μmで比抵抗が10
1から105Ω・cmの第1のスペーサー粒子と、体積基
準平均粒径が0.05から1.0μmで比抵抗が108
から1013Ω・cmの第2のスペーサー粒子とが付着し
ている。 【効果】 複写時におけるスペントの主な発生原因とな
る帯電制御剤を全く含有しないトナーが提供される。こ
のようなトナーは帯電性が充分であり、複写時にトナー
が飛散することがなく、転写効率が充分であり、必要と
される濃度の複写画像が長時間にわたり安定して得られ
る。さらに、トナーの帯電安定性に優れており、画像濃
度が非常に安定している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二成分系現像剤用トナー
に関し、より詳細には、帯電制御剤を含有しないにもか
かわらず、転写効率が良く、長時間にわたり所望の濃度
の複写画像が得られる長寿命のトナーであり、静電式複
写機、レーザービームプリンタなどの電子写真式画像形
成装置において好適に用いられる、二成分系現像剤用ト
ナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真式画像形成装置において、感光
体上の静電潜像を現像するための現像剤のひとつとし
て、二成分系の現像剤が用いられている。この二成分系
現像剤は、カーボンブラックなどの着色剤および定着用
樹脂を含むトナーと、鉄粉、フェライト粒子などを含む
磁性キャリアとを含有する。
【0003】現像時においては、このトナーとキャリア
とを混合することによりトナーを所定の極性に帯電さ
せ、次いでこの混合物は磁気ブラシの形で感光体に搬送
される。感光体はこの磁気ブラシにより摺擦され、感光
体表面の静電潜像にトナーが付着する。付着するトナー
量を一定にし、安定した画像を提供するためトナーに所
定の帯電量を与えるべく、トナー粒子中には帯電制御剤
が含有されるのが一般的である。負帯電性のトナーに
は、クロムのような金属を含有する含金属錯体染料(例
えばアゾ系染料)、オキシカルボン酸金属錯体(例えば
サリチル酸金属錯体)などの負電荷制御剤が使用され
(特開平3−67268号公報)、そして正帯電性のト
ナーにはニグロシンのような油溶性染料、アミン系制御
剤などの正電荷制御剤が使用されている(特開昭56−
106249号公報)。
【0004】従来より使用されている帯電制御剤は、ク
ロム含有錯体のように重金属を含有する化合物が多い。
そしてこれらの使用に際しては、環境安全性の観点から
各種毒性テストや安全テストをクリアした化合物が選択
されている。しかし、化合物として、あるいはトナー中
に含有させた形態での安全性には問題がないにしても、
これら重金属を含有する帯電制御剤の使用をさけること
は一層望ましいと考えられる。さらに、帯電制御剤はト
ナーを構成する材料である定着用樹脂やカーボンブラッ
クなどの着色剤に比べて単価が高いため、数%程度の含
有率にかかわらず、トナーの単価を押し上げている。従
って、このような重金属を含有する帯電制御剤を含有し
ないトナーの開発が望まれている。
【0005】さらに、従来のトナーにおいては、長時間
の使用によりキャリアの粒子表面にトナー成分が付着す
るスペントを生じ、そのためにキャリアの粒子表面の帯
電状態がトナー粒子表面の帯電状態に類似してくる。そ
の結果、トナー飛散の発生や転写効率の低下が引き起こ
されるという欠点も存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するものであり、その目的とするところは、
帯電制御剤を全く含有していないにもかかわらずトナー
が良好な帯電性能を有するため、トナーの飛散が少なく
かつ画像品質に優れた二成分系現像剤用トナーを提供す
ることにある。本発明の他の目的は、長期間の使用にお
いてもスペントを起こさず、その結果、良好な画像品質
を維持し、転写効率が安定し得る二成分系現像剤用トナ
ーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、定着用樹脂お
よび該樹脂中に分散された磁性粉末を含有する二成分系
現像剤用トナーであって;該定着用樹脂は、アニオン性
極性基を有する樹脂を含む組成物でなり;該磁性粉末
は、該定着用樹脂100重量部に対して0.1から5重
量部の割合で該トナー粒子中に含有され;該トナー粒子
の体積基準平均粒径が5から15μmであり;そして、
該トナー粒子表面に、体積基準平均粒径が0.05から
1.0μmで比抵抗が101から105Ω・cmの第1の
スペーサー粒子と、体積基準平均粒径が0.05から
1.0μmで比抵抗が108から101 3Ω・cmの第2
のスペーサー粒子とが付着しており;そのことにより上
記目的が達成される。
【0008】好適な実施態様においては、上記トナーを
メタノールで抽出したときの抽出液は280から350
nmの領域に実質的に吸収ピークを有さず、かつ400
から700nmの領域における吸光度は実質的にゼロで
ある。
【0009】好適な実施態様においては、上記磁性粉末
は、前記定着用樹脂100重量部に対して0.5から3
重量部の割合で含有される。
【0010】
【作用】本発明の二成分系現像剤用トナーは、アゾ系染
料、オキシカルボン酸金属錯体などの帯電制御剤をいっ
さい含有しない。従って、後述のように帯電制御剤に起
因するスペントが発生しないため長期間にわたり高画質
品質の複写が行われ得る。このトナーは帯電制御剤をい
っさい含有しないため、該トナーからはあらゆる化学的
あるいは物理的手段によってもこのような帯電制御剤、
つまり染料系の化合物は全く検出されない。例えば本発
明のトナーからは、これらの化合物は化学反応により検
出されない。あるいは、本発明のトナーの有機溶媒抽出
液からは、これらの化合物に起因する吸収ピークが全く
検出されない。例えば本発明のトナーを有機溶媒、例え
ばメタノールで抽出すると、該抽出液は、280〜35
0nmの領域で実質的に吸収ピークを有さず、かつ40
0〜700nmの領域の波長における吸光度が実質的に
ゼロである。ここで実質的に吸光ピークを有さずとは、
トナー0.1gをメタノール50mlで抽出した抽出液
について、吸収ピークが全く検出されないか、検出され
たとしてもそのピーク位置における吸光度が0.05以
下であることをいう。同様に、吸光度が実質的にゼロで
あるとは、トナー0.1gをメタノール50mlで抽出
した抽出液の吸光度が0.05以下であることをいう。
【0011】本発明の二成分系現像剤用トナーにおいて
は、上記帯電制御剤が含有されないことに起因する帯電
量の不安定性を次の事柄により補っている。まずその第
1にはトナー粒子中の定着用樹脂にアニオン性極性基を
有する樹脂を用いることであり、第2には、トナー粒子
中に磁性粉末を所定の割合で含有させることである。本
発明においては、さらに、比抵抗が101〜105Ω・c
mの第1のスペーサー粒子と比抵抗が108〜1013Ω
・cmの第2のスペーサー粒子とを、トナー粒子の表面
に付着させている。このことにより、感光体から転写紙
への転写効率が高められるだけでなく、トナー表面にお
いて表面抵抗を二分化することができ、トナーの電荷の
授受に関して、電荷の発生と漏洩の機能の分担ができる
ようになる。そのために、効率よく所望の帯電量が容易
に得られる。その結果、トナーの帯電安定性が向上す
る。
【0012】上記について、以下に詳細に説明する。
【0013】本発明のトナーのメタノール抽出液の20
0〜700nmにおける吸光度曲線を図1に示す。この
曲線に示されるように、この抽出液は各帯電制御剤に起
因するピークを全く有していない。つまり280〜35
0nmの領域に実質的に吸収ピークを有さず、かつ40
0〜700nmの領域における吸光度が実質的にゼロで
ある。これに対してアゾ系クロム錯塩染料を帯電制御剤
として含有するトナーのメタノール抽出液の吸光度曲線
は400〜700nm、特に550〜570nmの範囲
の領域にピークを有し(図2)、そして、サリチル酸金
属錯体を帯電制御剤として含有するトナーのメタノール
抽出液の吸光度曲線は280〜350nmの範囲の領域
にピークを有する(図3)。
【0014】上記帯電制御剤を含有するトナーのメタノ
ール抽出液に、帯電制御剤に起因する吸収が認められる
ということは、トナー粒子表面に帯電制御剤がかなりの
高濃度で存在しているためである。
【0015】スペントの発生によりキャリアの帯電性が
不充分となった現像剤のキャリアをメタノール抽出し、
その400〜700nmにおける吸光度を調べると、そ
の領域において、帯電制御剤に起因するピークが認めら
れる。例えば、図2に、その吸光度曲線が示される、ア
ゾ系クロム錯塩染料を含有するトナーを長時間使用し、
スペントが発生したときの、そのキャリアのメタノール
抽出液の吸光度曲線を図4に示す。図4においては、図
2における帯電制御剤と同様の位置にピークが認められ
る。従来においては、スペントは、トナーの定着用樹脂
がキャリアの粒子表面に付着して樹脂膜を形成するため
に生じると考えられていたが、上記事実により、スペン
ト発生の主な原因のひとつは帯電制御剤のトナー粒子か
らのキャリアの粒子表面への移行にあるということがわ
かった。
【0016】発明者らは、さらに帯電制御剤とスペント
との関係を調べるために、次の実験を行った。まず帯電
制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を1.5重量%の割
合で含有するトナー粒子を有するトナーと、キャリアと
を混合し、現像剤とした。この現像剤のトナーとキャリ
アとの混合・攪拌操作を続けたときの経過時間とスペン
トによりキャリアの粒子表面に付着した付着物の重量と
の関係を図5に示す。付着物の重量は、付着物を有する
キャリアの総重量に対する百分率で、スペント率として
図5に示す。さらに、経過時間とトナーの帯電量との関
係を図6に示す。さらに上記帯電制御剤を含有しないト
ナー粒子を有するトナーとキャリアとを含む現像剤につ
いても、同様の測定を行った。その結果もあわせて図5
および6に示す。図5および6において、黒丸のプロッ
トは帯電制御剤を含有するトナーの測定値、白丸のプロ
ットは帯電制御剤を有していないトナーの測定値を示
す。図5および6から帯電制御剤を含有するトナーは帯
電制御剤を含有しないトナーに比べて、スペントにより
キャリアの粒子表面に付着物が多く形成され、帯電量の
低下の度合も大きいことがわかる。
【0017】スペントによりキャリアの粒子表面に付着
したトナー成分の重量を経時的に測定し、これを横軸に
(スペント量として示す)、そしてそのトナー成分中に
おける帯電制御剤の量を縦軸にとったグラフを図7に示
す。点線は、スペントにより付着したトナー成分が、ト
ナー粒子を形成する成分と同一であると仮定した場合に
おける帯電制御剤の量を示す。図7から、現像剤使用の
初期において帯電制御剤が大量に析出し、キャリアの粒
子表面に付着することがわかる。図7において、スペン
ト量の増大に伴って、測定値が点線で示される計算値に
近づくのは、これがトナーの補給のない閉鎖系での実験
結果であるためであり、複写機内でのトナーの入れ換え
がある場合には、両者の差は、さらに広がると考えられ
る。
【0018】さらに発明者らは、トナー粒子を構成して
いる成分とスペントとの関係を調べるため、帯電制御
剤、定着用樹脂、着色剤であるカーボンブラック、およ
びワックスと、キャリアとを各々混合・攪拌したときの
時間経過により生じたキャリアの粒子表面の付着物の重
量を測定した。その結果を図8に示す。図8において、
白丸は帯電制御剤、黒丸はカーボンブラック、四角は定
着用樹脂、そして三角はワックスを用いて試験を行った
ときの結果を示す。図8から帯電制御剤が最もスペント
によるキャリアの粒子表面への付着を起こしやすいこと
がわかる。
【0019】以上の事実から従来の二成分系磁性現像剤
のスペントによる帯電不良は次のように説明される。ま
ず、図9の上部に示すように現像剤の使用初期において
は、キャリアの粒子(1)がプラスに、そしてトナー
(2)がマイナスに帯電しており、トナーは、負極性ト
ナー(21)として存在している。この現像剤を使用し
ているとトナー粒子中の帯電制御剤を主成分とするトナ
ー成分が、キャリアの粒子(1)の表面に付着する。こ
のスペントにより形成された付着物(201)はマイナ
スに帯電するためこの付着物(201)に対してプラス
の電荷を有するトナー、つまり逆極性トナー(22)が
形成される。この逆極性トナー(22)がキャリアの粒
子(1)表面に形成されるためトナー飛散が発生した
り、転写効率が低下する。
【0020】このように帯電制御剤は、上記のように、
重金属を含有する場合もあるため含有されないことが好
ましく、さらに上記のようにスペントの主な原因とな
り、トナー飛散の発生、転写効率の低下などを引き起こ
すため、本発明のトナーにおいては、この帯電制御剤を
全く含有しない。
【0021】この帯電制御剤を含有しないことに伴う帯
電量の不安定性、主として帯電量の不足は、上記のよう
に、第1にはアニオン性極性基を有する定着用樹脂をト
ナーに用いることにより補われる。アニオン性極性基に
より定着用樹脂自体に負電荷が付与されるためトナー粒
子の帯電量の不足が補われる。この極性基は樹脂自体の
骨格に結合して存在するため、帯電制御剤のようにキャ
リアの粒子表面に移行し、スペントの原因となることは
ない。しかし逆に、トナー粒子の表面付近の帯電性は、
それ程大きくないので、現像時の磁気ブラシにおけるト
ナー粒子とキャリアの粒子とのクーロン力による結合は
未だ不充分である。従って、高速複写が行われるとキャ
リアの粒子との結合性が弱いため、トナーの飛散が充分
に抑制されない。トナーの飛散により複写機内が汚染さ
れ、複写物の画像にいわゆるカブリを生じるという欠点
がある。
【0022】本発明においては、上記のように第2の要
件として、トナー粒子中に磁性粉末を所定の割合で、つ
まり定着用樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部
の割合で含有させることを採用しており、このことによ
りトナー粒子の帯電量の不足を補っている。トナー粒子
中に磁性粉末が含有されるため、トナー粒子とキャリア
の粒子との間に磁気的な吸引力が生じる。このようにト
ナー粒子とキャリアの粒子との間のクーロン力に加えて
磁気的な吸引力が生じるため、トナーの飛散が防止され
る。一般にトナー粒子1個あたりの帯電量が少ない程、
所定の静電潜像に付着するトナー粒子の数が増加するの
で、みかけの現像感度が増大する。
【0023】上記磁性粉末のトナー粒子中の含有量は、
前述のように定着用樹脂あたり0.1〜5重量部であ
る。磁性粉末の含有量が0.1重量部を下まわると上記
のようにトナーの帯電量が不充分であるため、キャリア
の粒子と充分に結合せず、そのためトナーが飛散しやす
い。つまり複写物の画像に、いわゆるカブリを生じると
いう欠点がある。磁性粉末の含有量が5重量部を上まわ
るとキャリアの粒子とトナー粒子との結合力が大きくな
りすぎ、そのため静電潜像に充分にトナーが付着せず、
その結果、画像濃度が低くなる。
【0024】これまでに画像の解像度の向上などを目的
としてトナー粒子中に磁性粉末を含有させる(内添す
る)試みがなされている。例えば特開昭56−1062
49号公報には、10重量%のフェライトを含有するト
ナー粒子が開示され、特開昭59−162563号公報
には、5〜35重量%の磁性微粉末を含有するトナー粒
子が開示されている。しかし、いずれの場合においても
磁性粉末の量が過剰であるため、得られる複写物の画像
濃度が低くなる。特開平3−67268号公報には磁性
粉末を0.05〜2重量%の割合で外添したトナーが開
示されている。しかし、磁性粉末は、トナー粒子中に内
添されていないのでトナー粒子表面に不均一に付着しや
すく、トナー粒子とキャリアの粒子との間の磁気的吸引
力が不足する。上記いずれの従来技術においてもトナー
中に帯電制御剤が含有されているためスペントが生じる
などの問題を生じ得る。
【0025】本発明においては、さらにトナー像の転写
効率を高めるため、トナー粒子表面に、粒径が0.05
〜1.0μmのスペーサー粒子を付着させる。このスペ
ーサー粒子は、トナー粒子の流動性改良剤として作用し
得るとともに感光体の静電潜像に付着したときに感光体
とトナー粒子との間に間隙を形成する。そのため長時間
の複写によりトナーの帯電量が高くなったとしてもトナ
ーが感光体表面から容易に転写され得るため転写効率が
高くなる。
【0026】さらに、本発明においては、上記スペーサ
ー粒子として、比抵抗が101〜105Ω・cmの第1の
スペーサー粒子と比抵抗が108〜1013Ω・cmの第
2のスペーサー粒子とが外添される。これらの異なる比
抵抗を有する2種のスペーサー粒子がトナー表面に付着
することにより、感光体から転写紙への転写効率が高め
られるだけでなく、トナー表面において表面抵抗を二分
化することができ、トナーの電荷の授受に関して、電荷
の発生と漏洩の機能の分担ができるようになる。そのた
めに、効率よく所望の帯電量が容易に得られる。その結
果、トナーの帯電安定性が向上し、画像濃度が非常に安
定する。
【0027】従来のトナーの流動性改良剤として粒径
0.015μm程度の微粒子が外添剤として用いられて
いるが、この様な粒子は感光体とトナー粒子との間に充
分な間隙を形成しないため上記の目的のスペーサー粒子
としては機能しない。
【0028】
【発明の好適態様】以下に、本発明の好適態様について
記載する。以下、本明細書において「低級アルキル基」
とは、炭素数1〜5のアルキル基をさしていう。
【0029】(定着用樹脂)本発明の二成分系現像剤用
トナーのトナー粒子に含まれる定着用樹脂はアニオン性
極性基を有する樹脂を含有する組成物でなる。このよう
な樹脂は、アニオン性極性基を有する単量体を含む単量
体を重合することにより得られ、得られる樹脂は単独重
合体であっても、共重合体であってもよい。
【0030】定着用樹脂に用いる樹脂は、好適にはアニ
オン性極性基を有する単量体と他の単量体との共重合体
である。例えば、アニオン性基を有する単量体と他の単
量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体あるいは
グラフト共重合体であり得る。
【0031】アニオン性極性基を有する単量体として
は、カルボン酸基、スルホン酸基、またはホスホン酸基
を有する単量体が挙げられ、カルボン酸基を有する単量
体が特に好適である。カルボン酸基を有する単量体とし
ては、エチレン性不飽和カルボン酸が用いられ、それに
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸などがあり、無水マレイン酸のようなカ
ルボン酸基を形成し得る単量体、あるいはマレイン酸や
フマール酸のようなジカルボン酸の低級アルキルハーフ
エステルも使用され得る。スルホン酸基を有する単量体
としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。ホス
ホン酸基を有する単量体としては、2−アシッドホスホ
キシプロピルメタクリレート、2−アシッドホスホキシ
エチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホス
ホキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
【0032】これらのアニオン性極性基含有単量体は、
遊離の酸であっても、ナトリウム、カリウムなどのアル
カリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土
類金属、亜鉛などの塩であってもよい。
【0033】上記アニオン性極性基を有する単量体と必
要に応じて重合される他の単量体は、得られる重合体が
トナーに要求される定着性と帯電性とを有するように選
択され、エチレン性不飽和結合を有する単量体の1種ま
たはそれ以上の組み合わせが使用される。このような単
量体としては、アクリルエステル系単量体、モノビニル
芳香族系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエー
テル系単量体、ジオレフィン系単量体、モノオレフィン
系単量体などがある。
【0034】アクリルエステル系単量体は、次の一般式
(I)で示される:
【0035】
【化1】
【0036】ここで、R1は水素原子または低級アルキ
ル基、R2は炭素数11以下の炭化水素基または炭素数
11以下のヒドロキシアルキル基である。
【0037】このような単量体としては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−
ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル
酸プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒ
ドロキシメタクリル酸エチルなどがある。
【0038】モノビニル芳香族系単量体は、次の一般式
(II)で示される:
【0039】
【化2】
【0040】ここで、R3は水素原子、低級アルキル基
またはハロゲン原子であり、R4は水素原子、低級アル
キル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニト
ロ基などであり、Φはフェニレン基である。
【0041】このような単量体としては、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレ
ン、o−、m−、またはp−クロロスチレン、p−エチ
ルスチレンなどがある。
【0042】ビニルエステル系単量体は、次の一般式
(III)で示される:
【0043】
【化3】
【0044】ここで、R5は水素原子または低級アルキ
ル基である。
【0045】このような単量体としては、ギ酸ビニル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどがある。
【0046】ビニルエーテル系単量体は、次の一般式
(IV)で示される:
【0047】
【化4】
【0048】ここで、R6は炭素数11以下の1価の炭
化水素基である。
【0049】このような単量体としては、ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル−n−ブチル
エーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキ
シルエーテルなどがある。
【0050】ジオレフィン系単量体は、次の一般式
(V)で示される:
【0051】
【化5】
【0052】ここで、R7、R8、およびR9は各々独立
して水素原子、低級アルキル基またはハロゲン原子であ
る。
【0053】このような単量体としては、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレンなどがある。
【0054】モノオレフィン系単量体は、次の一般式
(VI)で示される:
【0055】
【化6】
【0056】ここで、R10およびR11は、各々独立して
水素原子または低級アルキル基である。
【0057】このような単量体としては、エチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、ブテン−1、ペンテン−1、
4−メチルペンテン−1などがある。
【0058】上記単量体を重合して得られる(共)重合
体であるアニオン性極性基を有する樹脂の具体例として
は、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、アイオノマー樹脂などがある。さらに、
アニオン性極性基を有するポリエステル樹脂などを用い
ることができる。このような樹脂は、アニオン性極性基
が遊離酸の形で存在する場合には、その酸価が2〜3
0、好ましくは5〜15となるような割合でアニオン性
極性基を有していることが望ましい。アニオン性極性基
の一部または全部が中和されている場合には、それが遊
離酸の形で存在したときに上記酸価を有するような割合
でアニオン性極性基を有することが好ましい。上記樹脂
の酸価、つまりアニオン性極性基の濃度、が上記範囲よ
りも低いときには、トナーの帯電性が不充分であり、逆
に上記範囲よりも高いと、トナーが吸湿性を有するた
め、好ましくない。好適な定着用樹脂には、上記のアニ
オン性極性基を有する単量体と、式(I)のアクリル系
単量体の少なくとも1種を必須成分として含有し、必要
に応じて、式(II)から式(VI)の単量体を任意成分と
して含有する共重合体が用いられる。上記各単量体は、
上記樹脂を調製するために1種または2種以上が組み合
わせて用いられ得る。
【0059】本発明に用いられる定着用樹脂には、上記
樹脂を含む樹脂組成物が用いられ、この組成物中には、
上記樹脂に加えて、アニオン性極性基をもたない重合体
が含有されていてもよい。その場合には、組成物全体と
してのアニオン性極性基の含有割合は、好適には上記範
囲にある。
【0060】(磁性粉末)トナー粒子に含有(内添)さ
れる磁性粉末としては、従来において一成分系の磁性ト
ナーに使用されている磁性粉末のいずれもが用いられ得
る。磁性粉末の素材としては、例えば、四三酸化鉄(F
34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛
(ZnFe24)、酸化鉄イットリム(Y3Fe
512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄
ガドリウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe2
4)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジウム(NdFe
3)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnF
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄(F
e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)などが用い
られ得る。特に好適な磁性粉末は微粒子状四三酸化鉄
(マグネタイト)である。好適なマグネタイトは正8面
体状で、粒子径が0.05〜1.0μmである。このマ
グネタイト粒子は、シランカップリング剤、チタン系カ
ップリング剤などで表面処理されていてもよい。トナー
粒子に含有される磁性粉末の粒子径は、一般に1.0μ
m以下、好ましくは0.05〜1.0μmである。
【0061】上記磁性粉末のトナー粒子中の含有量は、
定着用樹脂100重量部あたり、0.1〜5重量部、好
ましくは0.5〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜
3重量部である。磁性粉末の量が過少であると前述のよ
うに、現像時におけるトナーの飛散が生じたり、転写効
率が低下する。
【0062】(トナー粒子中の配合剤)トナー粒子は、
上記のように、定着用樹脂および磁性粉末を必須成分と
して含有し、さらに必要に応じて通常トナー中に配合さ
れ得る配合剤を含有させることができる。
【0063】配合剤としては、着色剤、離型剤などがあ
る。
【0064】着色剤としては、例えば次の顔料が使用さ
れ得る。
【0065】黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラッ
ク、アニリンブラック。
【0066】体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイト
カーボン、タルク、アルミナホワイト。
【0067】上記顔料は、定着用樹脂100重量部に対
して、通常2〜20重量部、好ましくは5〜15重量部
の量でトナー粒子中に含有される。
【0068】離形剤としては、各種ワックス類や低分子
量オレフィン系樹脂などが使用される。上記オレフィン
系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロ
ピレン−エチレン共重合体などが使用され得るが、ポリ
プロピレンが特に好適である。
【0069】(トナー粒子の調製)本発明のトナーに用
いられるトナー粒子は、トナー粒子製造のための一般的
な方法、例えば、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレー造
粒法および重合法により製造され得、通常、粉砕分級法
により製造される。
【0070】例えば、上記トナー粒子を形成するための
成分を、ヘンシェルミキサーなどの混合機で前混合した
のち、二軸押出機などの混練装置を用いて混練し、これ
を冷却した後、粉砕し、分級してトナー粒子とする。ト
ナー粒子の粒径は、体積基準平均粒径(コールターカウ
ンターによるメジアン径)が5〜15μmであり、特に
7〜12μmの範囲内にあるのが好ましい。
【0071】(スペーサー粒子)本発明のトナーにおい
ては、下記の異なる比抵抗を有する2種のスペーサー粒
子が外添され、トナー粒子の表面に付着している。
【0072】上記第1のスペーサー粒子としては、体積
基準平均粒径0.05〜1.0μmで、比抵抗が101
〜105Ω・cmの粒子である。この粒子としては、有
機または無機の不活性粒子が用いられ、好ましくは、粒
径が0.07〜0.5μm、比抵抗が103〜105Ω・
cmの有機または無機の不活性粒子が用いられ得る。こ
の第1のスペーサー粒子の素材としては、スズドープに
より表面処理した酸化チタン、マグネタイトなどが挙げ
られる。
【0073】上記第2のスペーサー粒子としては、体積
基準平均粒径0.05〜1.0μmで、比抵抗が108
〜1013Ω・cmの粒子である。この粒子としては、有
機または無機の不活性粒子が用いられ得、好ましくは、
粒径が0.07〜0.5μm、比抵抗が109〜1012
Ω・cmの有機または無機の不活性粒子が用いられ得
る。この第2のスペーサー粒子の素材としては、シリ
カ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、
炭酸マグネシウム、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチ
レン−アクリル系共重合体などが挙げられる。
【0074】ここで、このスペーサー粒子の比抵抗は、
例えば、図10に示す比抵抗測定装置(4)で測定され
る。以下に、この比抵抗測定装置(4)を用いて比抵抗
を測定する方法を詳述する。内径H1が1インチの塩化
ビニール管(41)内に試料であるスペーサー粒子(2
03)を8g入れ、鋼鉄製の電極(421)で挟み込
み、この電極(421)の外側に2mm厚のテフロン板
(43)を配し、この両テフロン板(43)の片側から
油圧プレス機を用いて200kg/cm2の圧力Prで
加圧したときの500Vにおける抵抗r(Ω)を超絶縁
計(42)(東亜電波工業製、SM−5型)にて測定す
る。そして、図10の示す抵抗の全長H2(cm)を測
定し、試料を充填しないときの全長H2である11.3
5cmとの差により、加圧した試料の厚さを算出し、次
式に基づいて、比抵抗R(Ω・cm)を算出する。
【0075】
【数1】
【0076】これらのスペーサー粒子は、合計で、トナ
ーの総重量あたり10重量%以下、好ましくは0.1〜
10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%の量で
含有される。過剰であると複写画像の濃度が不充分とな
る。
【0077】さらに、本発明のトナーは、上記第1のス
ペーサー粒子と第2のスペーサー粒子とを含有していれ
ばよいが、トナーの電荷授受の機能を電荷発生と漏洩に
分担することができ、トナーが効率よく所望の帯電量を
得ることができるためには、その含有割合が、重量比で
1:7〜7:1であることが好ましく、1:4〜4:1
であればさらに好ましい。
【0078】(他の外添剤)本発明のトナーは、上記の
ように、トナー粒子の表面に、上記異なる比抵抗を有す
る2種のスペーサー粒子が付着されており、さらに、必
要に応じて、トナー粒子の表面に、疎水性気相法シリカ
粒子などの上記スペーサー粒子よりも小さい粒径の流動
性改良剤を付着させてトナーの流動性をさらに改善する
ことができる。
【0079】このシリカ粒子などの流動性改良剤の粒子
径は、通常、一次粒子径が約0.015μm程度であ
り、トナーの総重量、つまりトナー粒子と外添剤(スペ
ーサー粒子および流動性改良剤)との合計重量あたり
0.1〜2.0重量%の量で外添され得る。
【0080】(トナーの調製)上記のようにして調製し
たトナー粒子に、上記異なる比抵抗を有する2種のスペ
ーサー粒子および必要に応じて流動性改良剤を外添する
には、例えば、スペーサー粒子および必要に応じて流動
性改良剤を充分に混合し、この混合物をトナー粒子に添
加して充分に解砕するのがよい。これにより2種のスペ
ーサー粒子は、トナー粒子表面に均一に付着する。ここ
で、付着とは、粒子表面に接して担持されること、ある
いは粒子表面から内部に一部打ち込まれたような状態で
固定されること、のいずれの状態をもさしていう。この
ようにして、本発明のトナーが得られる。
【0081】(現像剤の調製)上記本発明のトナーは、
磁性キャリアと混合し、二成分系現像剤とされる。
【0082】磁性キャリアとしては、好適にはフェライ
ト系の磁性キャリアが用いられる。好ましくはFeに加
えてCu、Mg、MnおよびNiでなる群より選ばれる
金属成分の少なくとも1種、好適には2種以上を含有す
るソフトフェライト、例えば、銅−亜鉛−マグネシウム
フェライトの焼結フェライトでなる粒子、特に球状粒子
が使用される。磁性キャリアの粒子の表面は、コートさ
れていなくてもよいが、一般には、シリコーン樹脂、フ
ッ素系樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ウレタン系樹
脂などでコートされていることが好ましい。磁性キャリ
アの粒子の粒径は30〜200μm、特に50〜150
μmの範囲にあることが望ましい。キャリアの飽和磁化
は30〜70emu/g、特に45〜65emu/gの
範囲にあるのが望ましい。
【0083】磁性キャリアとトナーとの混合比は、一般
に98:2〜90:10の重量比、特に97:3〜9
4:6の重量比であることが好ましい。
【0084】本発明のトナーを含む二成分系現像剤を用
い、一般的な静電写真複写法により、複写がなされ得
る。例えば感光体上の光導電層を一様に荷電した後、画
像露光して静電潜像を形成させ、次いで二成分系磁性現
像剤の磁気ブラシを感光体と接触させることにより静電
潜像の現像が容易に行われ得る。現像により形成された
トナー像は転写紙上に転写されて転写像を形成し、この
転写像をヒートロールで溶融圧着することにより定着が
行われる。
【0085】
【実施例】本発明を実施例により説明する。
【0086】(実施例1)
【0087】
【表1】
【0088】上記各成分を二軸押し出し機にて溶融混練
し、次いでこの混練物をジェットミルで粉砕し、そして
風力分級機で分級して、平均粒径10.0μmのトナー
粒子を得た。
【0089】このトナー粒子に、流動性改良剤として平
均粒径が0.015μmの疎水性シリカ微粒子をトナー
粒子100重量部に対して0.3重量部の割合で添加
(外添)し、さらに、第1のスペーサー粒子として、体
積基準平均粒径が0.3μmで2×103Ω・cmの比
抵抗の、スズドープにより表面処理した酸化チタンをト
ナー粒子100重量部に対して0.5重量部の割合で、
第2のスペーサー粒子として、体積基準平均粒径が0.
3μmで1010Ω・cmの比抵抗のアルミナをトナー粒
子100重量部に対して0.5重量部の割合で添加(外
添)し、そしてヘンシェルミキサーで2分間混合して、
上記各粒子が付着したトナーを得た。
【0090】(比較例1)第2のスペーサー粒子を添加
(外添)せず、第1のスペーサー粒子をトナー粒子10
0重量部に対して1重量部の割合で添加(外添)したこ
と以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0091】(比較例2)第1のスペーサー粒子を添加
(外添)せず、第2のスペーサー粒子をトナー粒子10
0重量部に対して1重量部の割合で添加(外添)したこ
と以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
【0092】(比較例3)第1のスペーサー粒子および
第2のスペーサー粒子を添加(外添)せず、かわりに、
体積基準平均粒径が0.3μmで106Ω・cmの比抵
抗の酸化チタンをトナー粒子100重量部に対して1重
量部の割合で添加(外添)したこと以外は、実施例1と
同様にしてトナーを得た。
【0093】[トナーの評価]実施例および各比較例で
得られたトナーに、それぞれ平均粒径100μmのフェ
ライトキャリアを加え、均一に混合してトナー濃度3.
5重量%の二成分系現像剤を得た。次いで、次の項目に
つき、この現像剤の評価を行った。試験に使用したの
は、三田工業社製の電子複写機(商品名「DC−468
5」)の改造機(評価試料を容易にサンプリングするた
めの改造を施した複写機)である。
【0094】(a)画像濃度(I.D.) 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて、5万枚複写
を行った。5千枚毎に複写画像における黒べた部の濃度
を反射濃度計(型番「TC−6D」東京電色社製)を用
いて測定し、その平均値を画像濃度(I.D.)とし
た。ここで、5千枚毎にサンプリングを行うために使用
する原稿は、黒べた部を含む黒色部の面積率が15%の
原稿である。評価結果を表2に示す。
【0095】(b)カブリ濃度(F.D.) 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて、5万枚複写
を行った。5千枚毎に複写画像における非画像部の濃度
を反射濃度計(型番「TC−6D」東京電色社製)を用
いて測定した。その測定値と、複写前の紙(ベース紙)
を反射濃度計で測定して得られた反射濃度の値との差を
算出し、その最高値をカブリ濃度(F.D.)とした。
ここで、5千枚にサンプリングを行うために使用する原
稿は、黒べた部を含む黒色部の面積率が15%の原稿で
ある。評価結果を表2に示す。
【0096】(c)解像度 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
5万枚複写した時点で、規定のチャート原稿(1mmあ
たり所定数の平行直線が引かれた複数のパターンを用い
る原稿)を用いて複写し、複写画像を目視判定した。評
価結果を表2に示す。
【0097】(d)スペントによるキャリアの粒子表面
への付着物の量 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
5万枚複写した時点で、現像剤をサンプリングした。そ
の現像剤を400メッシュのふるい上にのせ、下からブ
ロアーにより吸引し、トナーとキャリアとを分離した。
ふるい上に残ったキャリア5gをビーカーに入れ、更に
このビーカー中にトルエンを加え、スペントによりキャ
リアの粒子表面に付着したトナー成分を溶解させた。そ
の後ビーカーの下から磁石でキャリアを引きつけた状態
でトルエン溶液を捨てた。これをトルエンが無色になる
まで数回繰り返した後、オーブンでキャリアに付着して
いるトルエンを蒸発させて得られた残留物の重量を測定
した。最初にビーカーに入れたキャリアの重量とトルエ
ン蒸発後の重量の差がスペントによりキャリアの粒子表
面に付着したトナー成分の量(スペント量)である。ス
ペント量はキャリア1gあたりに付着したトナー成分の
mgで表す。評価結果を表2に示す。
【0098】(e)トナー飛散 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて、5万枚複写
を行った。この時点での複写機内のトナー飛散状態を目
視にて観察し、以下の基準で評価した。 ○:トナー飛散なし ×:トナー飛散あり 評価結果を表2に示す。
【0099】(f)転写効率 複写開始前のトナーホッパー内のトナー量と、5万枚複
写後のトナーホッパー内のトナー量とを測定し、その差
からトナー消費量を算出した。他方、5万枚複写の間に
クリーニング工程において回収されたトナー量を測定
し、これをトナー回収量とした。これらの値から、次式
(i)によりトナーの転写効率を算出した。ここで、複
写に用いた原稿は、黒色部の面積率が8%の文字原稿で
ある。評価結果を表2に示す。
【0100】
【数2】
【0101】(g)帯電量 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて、5万枚複写
を行った。初期、1万枚、3万枚、および5万枚複写し
た時点における、現像剤200mgの帯電量を「ブロー
オフ粉体帯電量測定装置」(東芝ケミカル社製)を用い
て測定し、トナー1gあたりの帯電量を算出した。評価
結果を表2に示す。
【0102】
【表2】
【0103】[評価結果の考察]実施例1で得られたト
ナーは、画像濃度、カブリ濃度、および解像度が5万枚
複写した時点まで、非常に良好な状態で安定していた。
さらに、スペントによるキャリアの粒子表面への付着物
の量は少なく、トナー飛散も認められなかった。特に、
実施例1のトナーは、比較例1〜比較例3と比べて、5
万枚複写時における転写効率は非常に高く、さらに、複
写を重ねても、帯電量のばらつきが少なく、帯電安定性
に優れていた。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、このように、複写時に
おけるスペントの主な発生原因となる帯電制御剤を全く
含有しないトナーが提供される。このトナーのトナー粒
子中には、アニオン性極性基を有する定着用樹脂が含有
され、そして、トナー粒子中に所定の割合で磁性粉末が
含有される。さらに、スペーサー粒子として、比抵抗が
101〜105Ω・cmの第1のスペーサー粒子と比抵抗
が108〜1013Ω・cmの第2のスペーサー粒子と
が、トナー粒子の表面に付着している。そのためトナー
の帯電が効率よく行われ、安定した帯電が得られること
により、複写時にトナーが飛散することがなく、転写効
率が充分であり、必要とされる濃度の複写画像が長時間
にわたり安定して得られる。このような二成分系現像剤
用トナーは、静電式複写機、レーザービームプリンタな
どの電子式画像形成装置において好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーのメタノール抽出液の、波長2
00〜700nmにおける吸光度を示すグラフである。
【図2】帯電制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を含有
するトナーのメタノール抽出液の波長200〜700n
mにおける吸光度を示すグラフである。
【図3】帯電制御剤としてサリチル酸金属錯体を含有す
るトナーのメタノール抽出液の波長200〜700nm
における吸光度を示すグラフである。
【図4】帯電制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を含有
するトナーを二成分系磁性現像剤に使用し、スペントよ
る帯電不良が発生したときのキャリアについて、メタノ
ール抽出を行い、この抽出液の波長200〜700nm
における吸光度を測定したときのグラフである。
【図5】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアと
を混合・攪拌し、あるいは帯電制御剤を含有しないトナ
ーと磁性キャリアとを混合・攪拌する操作を続けた場合
に、混合・攪拌時間とスペント率との関係を示すグラフ
である。
【図6】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアと
を混合・攪拌し、あるいは帯電制御剤を含有しないトナ
ーと磁性キャリアとを混合・攪拌する操作を続けた場合
に、混合・攪拌時間と帯電量との関係を示すグラフであ
る。
【図7】スペントによるトナー成分が付着したキャリア
の該付着物の量と、スペントを生じたトナー中の帯電制
御剤の量との関係を示すグラフである。
【図8】トナー中の各成分の各々と磁性キャリアとを混
合・攪拌する操作を続けた場合における混合・攪拌時間
とスペント量との関係を示すグラフである。
【図9】従来の二成分系磁性現像剤におけるスペントに
よる帯電不良の発生を説明する説明図である。
【図10】本発明のトナーに用いるスペーサー粒子の比
抵抗を測定する比抵抗測定装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 キャリアの粒子 2 トナー 22 逆極性トナー 4 比抵抗測定装置 42 超絶縁計
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 325 371 372 374 375 (72)発明者 久保 憲生 大阪市中央区玉造一丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 永尾 一也 大阪市中央区玉造一丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 浅野 照道 大阪市中央区玉造一丁目2番28号 三田工 業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着用樹脂および該樹脂中に分散された
    磁性粉末を含有するトナー粒子を含む二成分系現像剤用
    トナーであって、 該定着用樹脂が、アニオン性極性基を有する樹脂を含む
    組成物でなり、 該磁性粉末が、該定着用樹脂100重量部に対して0.
    1から5重量部の割合で該トナー粒子中に含有され、 該トナー粒子の体積基準平均粒径が5から15μmであ
    り、そして、 該トナー粒子表面に、体積基準平均粒径が0.05から
    1.0μmで比抵抗が101から105Ω・cmの第1の
    スペーサー粒子と、体積基準平均粒径が0.05から
    1.0μmで比抵抗が108から1013Ω・cmの第2
    のスペーサー粒子とが付着している、 二成分系現像剤用トナー。
  2. 【請求項2】 メタノールで抽出したときの抽出液が2
    80から350nmの領域に実質的に吸収ピークを有さ
    ず、かつ400から700nmの領域における吸光度が
    実質的にゼロである、請求項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 前記磁性粉末が、前記定着用樹脂100
    重量部に対して0.5から3重量部の割合で含有され
    る、請求項1に記載のトナー。
JP6207443A 1994-08-31 1994-08-31 二成分系現像剤用トナー Withdrawn JPH0876418A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003280287A (ja) * 2002-03-22 2003-10-02 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像用キャリア、それを用いた静電潜像現像剤および静電潜像現像方法

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JP2003280287A (ja) * 2002-03-22 2003-10-02 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像用キャリア、それを用いた静電潜像現像剤および静電潜像現像方法

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