JPH0876497A - 二成分系現像剤 - Google Patents

二成分系現像剤

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JPH0876497A
JPH0876497A JP6212224A JP21222494A JPH0876497A JP H0876497 A JPH0876497 A JP H0876497A JP 6212224 A JP6212224 A JP 6212224A JP 21222494 A JP21222494 A JP 21222494A JP H0876497 A JPH0876497 A JP H0876497A
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toner
particles
resin
carrier
developer
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Withdrawn
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JP6212224A
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English (en)
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Masatomi Funato
正富 船戸
Seijirou Ishimaru
聖次郎 石丸
Norio Kubo
憲生 久保
Terumichi Asano
照道 浅野
Hideaki Kawada
秀明 川田
Yoshiteru Hatase
芳輝 畑瀬
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤。
このトナーはトナー粒子を含み、トナー粒子は定着用樹
脂および該樹脂中に分散された磁性粉末を含有し、定着
用樹脂はアニオン性極性基を有する樹脂を含む組成物で
なり、磁性粉末は所定の割合でトナー粒子中に含有さ
れ、トナー粒子表面に、所定の粒径および比抵抗の第1
のスペーサー粒子と第2のスペーサー粒子とが付着して
いる。キャリアの粒子はコア粒子とコア粒子を被覆する
被覆層とを有し、このコア粒子は所定の磁性材料でな
る。被覆層はメチルシリコーン樹脂と所定分子量のメチ
ル化メラミン樹脂とを含有するか、または、T単位を7
0%以上含むメチルシリコーン樹脂を含有する。 【効果】 帯電制御剤を全く含有せず帯電性が充分であ
り、複写時にトナーが飛散することがなく、転写効率が
充分であり、必要とされる濃度の複写画像が長時間にわ
たり安定して得られる現像剤が提供される。この現像剤
は凝集およびスペントが発生せず、流動性および耐久性
にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二成分系現像剤に関
し、より詳細には、帯電制御剤をトナー中に含有しない
にもかかわらず、転写効率が良く、長時間にわたり所望
の濃度の複写画像が得られる長寿命の二成分系現像剤で
あり、静電式複写機、レーザービームプリンタなどの電
子写真式画像形成装置において好適に用いられる、現像
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真式画像形成装置において、感光
体上の静電潜像を現像するための現像剤のひとつとし
て、二成分系の現像剤が用いられている。この二成分系
現像剤は、カーボンブラックなどの着色剤および定着用
樹脂を含むトナーと、鉄粉、フェライト粒子などを含む
磁性キャリアとを含有する。
【0003】現像時においては、このトナーとキャリア
とを混合することによりトナーを所定の極性に帯電さ
せ、次いでこの混合物は磁気ブラシの形で感光体に搬送
される。感光体はこの磁気ブラシにより摺擦され、感光
体表面の静電潜像にトナーが付着する。付着するトナー
量を一定にし、安定した画像を提供するためトナーに所
定の帯電量を与えるべく、トナー粒子中には帯電制御剤
が含有されるのが一般的である。負帯電性のトナーに
は、クロムのような金属を含有する含金属錯体染料(例
えばアゾ系染料)、オキシカルボン酸金属錯体(例えば
サリチル酸金属錯体)などの負電荷制御剤が使用され
(特開平3−67268号公報)、そして正帯電性のト
ナーにはニグロシンのような油溶性染料、アミン系制御
剤などの正電荷制御剤が使用されている(特開昭56−
106249号公報)。
【0004】従来より使用されている帯電制御剤は、ク
ロム含有錯体のように重金属を含有する化合物が多い。
そしてこれらの使用に際しては、環境安全性の観点から
各種毒性テストや安全テストをクリアした化合物が選択
されている。しかし、化合物として、あるいはトナー中
に含有させた形態での安全性には問題がないにしても、
これら重金属を含有する帯電制御剤の使用をさけること
は一層望ましいと考えられる。さらに、帯電制御剤はト
ナーを構成する材料である定着用樹脂やカーボンブラッ
クなどの着色剤に比べて単価が高いため、数%程度の含
有率にもかかわらず、トナーの単価を押し上げている。
従って、このような重金属を含有する帯電制御剤を含有
しないトナーの開発が望まれている。
【0005】さらに、従来のトナーにおいては、長時間
の使用によりキャリアの粒子表面にトナー成分が付着す
るスペントを生じ、そのためにキャリアの粒子表面の帯
電状態がトナー粒子表面の帯電状態に類似してくる。そ
の結果、トナー飛散の発生や転写効率の低下が引き起こ
されるという欠点も存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するものであり、その目的とするところは、
帯電制御剤を全く含有していないにもかかわらずトナー
が良好な帯電性能を有するため、トナーの飛散が少なく
かつ画像品質に優れた二成分系現像剤を提供することに
ある。本発明の他の目的は、長期間の使用においてもス
ペントを起こさず、その結果、良好な画像品質を維持
し、転写効率が安定し得る二成分系現像剤を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の二成分系
現像剤は、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤で
あって;該トナーはトナー粒子を含み;該トナー粒子
は、定着用樹脂および該樹脂中に分散された磁性粉末を
含有し;該定着用樹脂は、アニオン性極性基を有する樹
脂を含む組成物でなり;該磁性粉末は、該定着用樹脂1
00重量部に対して0.1から5重量部の割合で該トナ
ー粒子中に含有され;該トナー粒子の体積基準平均粒径
は5から15μmであり;該トナー粒子表面に、体積基
準平均粒径が0.05から1.0μmで比抵抗が101
から105Ω・cmの第1のスペーサー粒子と、体積基
準平均粒径が0.05から1.0μmで比抵抗が108
から1013Ω・cmの第2のスペーサー粒子とが付着し
ており;該キャリアの粒子は、コア粒子と該コア粒子を
被覆する被覆層とを有し;該コア粒子は、次式(A)で
示される磁性材料でなり: MOFe23 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である;該被覆層はメチルシリコーン樹脂と
メチル化メラミン樹脂とを含有する樹脂組成物でなり;
そして、該メチル化メラミン樹脂の重量平均分子量は7
00以上であり;そのことにより上記目的が達成され
る。
【0008】本発明の第2の二成分系現像剤は、トナー
とキャリアとを含む二成分系現像剤であって;該トナー
はトナー粒子を含み;該トナー粒子は、定着用樹脂およ
び該樹脂中に分散された磁性粉末を含有し;該定着用樹
脂は、アニオン性極性基を有する樹脂を含む組成物でな
り;該磁性粉末は、該定着用樹脂100重量部に対して
0.1から5重量部の割合で該トナー粒子中に含有さ
れ;該トナー粒子の体積基準平均粒径は5から15μm
であり;該トナー粒子表面に、体積基準平均粒径が0.
05から1.0μmで比抵抗が101から105Ω・cm
の第1のスペーサー粒子と、体積基準平均粒径が0.0
5から1.0μmで比抵抗が108から1013Ω・cm
の第2のスペーサー粒子とが付着しており;該キャリア
の粒子は、コア粒子と該コア粒子を被覆する被覆層とを
有し;該コア粒子が、次式(A)で示される磁性材料で
なり: MOFe23 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である;そして該被覆層がT単位を70%以
上含むメチルシリコーン樹脂を含有し;そのことにより
上記目的が達成される。
【0009】好適な実施態様においては、上記トナーを
メタノールで抽出したときの抽出液は280から350
nmの領域に実質的に吸収ピークを有さず、かつ、40
0から700nmの領域における吸光度は実質的にゼロ
である。
【0010】好適な実施態様においては、上記磁性粉末
は、上記定着用樹脂100重量部に対して0.5から3
重量部の割合で含有される。
【0011】
【作用】本発明の二成分系現像剤は、アゾ系染料、オキ
シカルボン酸金属錯体などの帯電制御剤をいっさい含有
しない。従って後述のように帯電制御剤に起因するスペ
ントが発生しないため長期間にわたり高画像品質の複写
が行われ得る。現像剤中のトナーは帯電制御剤をいっさ
い含有しないため、該トナーからはあらゆる化学的ある
いは物理的手段によってもこのような帯電制御剤、つま
り染料系の化合物は全く検出されない。例えば本発明の
現像剤に使用されるトナーからは、これらの化合物は化
学反応により検出されない。あるいは、本発明の現像剤
に使用されるトナーの有機溶媒抽出液からは、これらの
化合物に起因する吸収ピークが全く検出されない。例え
ば本発明の現像剤に使用されるトナーを有機溶媒、例え
ばメタノールで抽出すると、該抽出液は、280〜35
0nmの領域に実質的に吸収ピークを有さず、かつ40
0〜700nmの領域における吸光度が実質的にゼロで
ある。ここで、実質的に吸収ピークを有さずとは、トナ
ー0.1gをメタノール50mlで抽出した抽出液につ
いて、吸収ピークが全く検出されないか、検出されたと
してもそのピーク位置における吸光度が0.05以下で
あることをいう。同様に、吸光度が実質的にゼロである
とは、トナー0.1gをメタノール50mlで抽出した
抽出液の吸光度が0.05以下であることをいう。
【0012】本発明の二成分系現像剤においては、上記
トナー中に帯電制御剤が含有されないことに起因する帯
電量の不安定性を次の事柄により補っている。まずその
第1にはトナー粒子中の定着用樹脂にアニオン性極性基
を有する樹脂を用いることであり、第2には、トナー粒
子中に磁性粉末を所定の割合で含有させることである。
本発明においては、さらに、比抵抗が101〜105Ω・
cmの第1のスペーサー粒子と比抵抗が108〜1013
Ω・cmの第2のスペーサー粒子とを、トナー粒 子の
表面に付着させている。このことにより、感光体から転
写紙への転写効率が高められるだけでなく、トナー表面
において表面抵抗を二分化することができ、トナーの電
荷の授受に関して、電荷の発生と漏洩の機能の分担がで
きるようになる。そのために、効率よく所望の帯電量が
容易に得られる。その結果、トナーの帯電安定性が向上
する。
【0013】本発明の第1の二成分系現像剤において
は、さらに、現像剤の機能を高めるためにキャリアの粒
子の被覆層にメチルシリコーン樹脂と所定の範囲の分子
量を有するメチル化メラミン樹脂とを含有させる。メチ
ル化メラミン樹脂はカチオン性極性基を有する樹脂であ
る。他方、トナー粒子にはアニオン性極性基を有する樹
脂が用いられるためトナー粒子の飛散が防止され、複写
物の画像にいわゆるカブリが生じない。このようにトナ
ーに安定した帯電性が付与される。さらにキャリアの粒
子の凝集およびスペントの発生がより一層低減され、流
動性および耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得られ
る。他方、本発明の第2の二成分系現像剤においては、
さらに、現像剤の機能を高めるためにキャリアの粒子の
被覆層にT単位を70%以上含むメチルシリコーン樹脂
を含有させる。このことによりキャリアの粒子の凝集お
よびスペントの発生がより一層低減され、流動性および
耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得られる。
【0014】上記について、以下に詳細に説明する。
【0015】本発明の現像剤に使用されるトナーのメタ
ノール抽出液の200〜700nmにおける吸光度曲線
を図1に示す。この曲線に示されるように、この抽出液
は各帯電制御剤に起因するピークを全く有していない。
つまり280〜350nmの領域に実質的に吸収ピーク
を有さず、かつ400〜700nmの領域における吸光
度が実質的にゼロである。これに対してアゾ系クロム金
属錯塩染料を帯電制御剤として含有するトナーのメタノ
ール抽出液の吸光度曲線は400〜700nm、特に5
50〜570nmの範囲の領域にピークを有し(図
2)、そして、サリチル酸金属錯体を帯電制御剤として
含有するトナーのメタノール抽出液の吸光度曲線は28
0〜350nmの範囲の領域にピークを有する(図
3)。
【0016】上記帯電制御剤を含有するトナーのメタノ
ール抽出液に、帯電制御剤に起因する吸収が認められる
ということは、トナー粒子表面に帯電制御剤がかなりの
高濃度で存在しているためである。
【0017】スペントの発生によりキャリアの帯電性が
不充分となった現像剤のキャリアをメタノール抽出し、
その400〜700nmにおける吸光度を調べると、そ
の領域において、帯電制御剤に起因するピークが認めら
れる。例えば、図2に、その吸光度曲線が示される、ア
ゾ系クロム錯塩染料を含有するトナーを長時間使用し、
スペントが発生したときの、そのキャリアのメタノール
抽出液の吸光度曲線を図4に示す。図4においては、図
2における帯電制御剤と同様の位置にピークが認められ
る。従来においては、スペントは、トナーの定着用樹脂
がキャリアの粒子表面に付着して樹脂膜を形成するため
に生じると考えられていたが、上記事実により、スペン
ト発生の主な原因のひとつは帯電制御剤のトナー粒子か
らのキャリアの粒子表面への移行にあるということがわ
かった。
【0018】発明者らは、さらに帯電制御剤とスペント
との関係を調べるために、次の実験を行った。まず帯電
制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を1.5重量%の割
合で含有するトナー粒子を有するトナーと、キャリアと
を混合し、現像剤とした。この現像剤のトナーとキャリ
アとの混合・攪拌操作を続けたときの経過時間とスペン
トによりキャリアの粒子表面に付着した付着物の重量と
の関係を図5に示す。付着物の重量は、付着物を有する
キャリアの総重量に対する百分率でスペント率として図
5に示す。さらに、経過時間とトナーの帯電量との関係
を図6に示す。さらに上記帯電制御剤を含有しないトナ
ー粒子を有するトナーとキャリアとを含む現像剤につい
ても、同様の測定を行った。その結果もあわせて図5お
よび6に示す。図5および6において、黒丸のプロット
は帯電制御剤を含有するトナーの測定値、白丸のプロッ
トは帯電制御剤を有していないトナーの測定値を示す。
図5および6から帯電制御剤を含有するトナーは帯電制
御剤を含有しないトナーに比べて、スペントによりキャ
リアの粒子表面に付着物が多く形成され、帯電量の低下
の度合も大きいことがわかる。
【0019】スペントによりキャリアの粒子表面に付着
したトナー成分の重量を経時的に測定し、これを横軸に
(スペント量として示す)、そしてそのトナー成分中に
おける帯電制御剤の量を縦軸にとったグラフを図7に示
す。点線は、スペントにより付着したトナー成分が、ト
ナー粒子を形成する成分と同一であると仮定した場合に
おける帯電制御剤の量を示す。図7から、現像剤使用の
初期において帯電制御剤が大量に析出し、キャリアの粒
子表面に付着することがわかる。図7において、スペン
ト量の増大に伴って、測定値が点線で示される計算値に
近づくのは、これがトナーの補給のない閉鎖系での実験
結果であるためであり、複写機内でのトナーの入れ換え
がある場合には、両者の差は、さらに広がると考えられ
る。
【0020】さらに発明者らは、トナー粒子を構成して
いる成分とスペントとの関係を調べるため、帯電制御
剤、定着用樹脂、着色剤であるカーボンブラック、およ
びワックスと、キャリアとを各々混合・攪拌したときの
時間経過により生じたキャリアの粒子表面の付着物の重
量を測定した。その結果を図8に示す。図8において、
白丸は帯電制御剤、黒丸はカーボンブラック、四角は定
着用樹脂、そして三角はワックスを用いて試験を行った
ときの結果を示す。図8から帯電制御剤が最もスペント
によるキャリアの粒子表面への付着を起こしやすいこと
がわかる。
【0021】以上の事実から従来の二成分系磁性現像剤
のスペントによる帯電不良は次のように説明される。ま
ず、図9の上部に示すように現像剤の使用初期において
は、キャリアの粒子(1)がプラスに、そしてトナー
(2)がマイナスに帯電しており、トナーは、負極性ト
ナー(21)として存在している。この現像剤を使用し
ているとトナー粒子中の帯電制御剤を主成分とするトナ
ー成分が、キャリアの粒子(1)の表面に付着する。こ
のスペントにより形成された付着物(201)はマイナ
スに帯電するためこの付着物(201)に対してプラス
の電荷を有するトナー、つまり逆極性トナー(22)が
形成される。この逆極性トナー(22)がキャリアの粒
子(1)表面に形成されるためトナー飛散が発生した
り、転写効率が低下する。
【0022】このように帯電制御剤は、上記のように、
重金属を含有する場合もあるため含有されないことが好
ましく、さらに上記のようにスペントの主な原因とな
り、トナー飛散の発生、転写効率の低下などを引き起こ
すため、本発明の現像剤に使用されるトナーにおいて
は、この帯電制御剤を全く含有しない。
【0023】この帯電制御剤を含有しないことに伴う帯
電量の不安定性、主として帯電量の不足は、上記のよう
に、第1にはアニオン性極性基を有する定着用樹脂をト
ナーに用いることにより補われる。アニオン性極性基に
より定着用樹脂自体に負電荷が付与されるためトナー粒
子の帯電量の不足が補われる。この極性基は樹脂自体の
骨格に結合して存在するため、帯電制御剤のようにキャ
リアの粒子表面に移行し、スペントの原因となることは
ない。しかし逆に、トナー粒子の表面付近の帯電性は、
それ程大きくないので、現像時の磁気ブラシにおけるト
ナー粒子とキャリアの粒子とのクーロン力による結合は
未だ不充分である。従って、高速複写が行われるとキャ
リアの粒子との結合性が弱いため、トナーの飛散が充分
に抑制されない。トナーの飛散により複写機内が汚染さ
れ、複写物の画像にいわゆるカブリを生じるという欠点
がある。
【0024】本発明においては、上記のように第2の要
件として、トナー粒子中に磁性粉末を所定の割合で、つ
まり定着用樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部
の割合で含有させることを採用しており、このことによ
りトナー粒子の帯電量の不足を補っている。トナー粒子
中に磁性粉末が含有されるため、トナー粒子とキャリア
の粒子との間に磁気的な吸引力が生じる。このようにト
ナー粒子とキャリアの粒子との間のクーロン力に加えて
磁気的な吸引力が生じるため、トナーの飛散が防止され
る。一般にトナー粒子1個あたりの帯電量が少ない程、
所定の静電潜像に付着するトナー粒子の数が増加するの
で、みかけの現像感度が増大する。
【0025】上記磁性粉末のトナー粒子中の含有量は、
前述のように定着用樹脂あたり0.1〜5重量部であ
る。磁性粉末の含有量が0.1重量部を下まわると上記
のようにトナーの帯電量が不充分であるため、キャリア
の粒子と充分に結合せず、そのためトナーが飛散しやす
い。つまり複写物の画像に、いわゆるカブリを生じると
いう欠点がある。磁性粉末の含有量が5重量部を上まわ
るとキャリアの粒子とトナー粒子との結合力が大きくな
りすぎ、そのため静電潜像に充分にトナーが付着せず、
その結果、画像濃度が低くなる。
【0026】これまでに画像の解像度の向上などを目的
としてトナー粒子中に磁性粉末を含有させる(内添す
る)試みがなされている。例えば特開昭56−1062
49号公報には、10重量%のフェライトを含有するト
ナー粒子が開示され、特開昭59−162563号公報
には、5〜35重量%の磁性微粉末を含有するトナー粒
子が開示されている。しかし、いずれの場合においても
磁性粉末の量が過剰であるため、得られる複写物の画像
濃度が低くなる。特開平3−67268号公報には磁性
粉末を0.05〜2重量%の割合で外添したトナーが開
示されている。しかし、磁性粉末は、トナー粒子中に内
添されていないのでトナー粒子表面に不均一に付着しや
すく、トナー粒子とキャリアの粒子との間の磁気的吸引
力が不足する。上記いずれの従来技術においてもトナー
中に帯電制御剤が含有されているためスペントが生じる
などの問題を生じ得る。
【0027】本発明においては、さらにトナー像の転写
効率を高めるため、トナー粒子表面に、粒径が0.05
〜1.0μmのスペーサー粒子を付着させる。このスペ
ーサー粒子は、トナー粒子の流動性改良剤として作用し
得るとともに感光体の静電潜像に付着したときに感光体
とトナー粒子との間に間隙を形成する。そのため長時間
の複写によりトナーの帯電量が高くなったとしてもトナ
ーが感光体表面から容易に転写され得るため転写効率が
高くなる。
【0028】さらに、本発明においては、上記スペーサ
ー粒子として、比抵抗が101〜105Ω・cmの第1の
スペーサー粒子と比抵抗が108〜1013Ω・cmの第
2のスペーサー粒子とが外添される。これらの異なる比
抵抗を有する2種のスペーサー粒子がトナー表面に付着
することにより、感光体から転写紙への転写効率が高め
られるだけでなく、トナー表面において表面抵抗を二分
化することができ、トナーの電荷の授受に関して、電荷
の発生と漏洩の機能の分担ができるようになる。そのた
めに、効率よく所望の帯電量が容易に得られる。その結
果、トナーの帯電安定性が向上し、画像濃度が非常に安
定する。
【0029】従来のトナーの流動性改良剤として粒径
0.015μm程度の微粒子が外添剤として用いられて
いるが、この様な粒子は感光体とトナー粒子との間に充
分な間隙を形成しないため上記の目的のスペーサー粒子
としては機能しない。
【0030】本発明においては、キャリアのコア粒子の
素材として特定のマグネタイトまたはフェライトが用い
られる。これらの化合物は、環境変化あるいは経時変化
による電気抵抗の変化が少ないため、現像剤に安定した
帯電性を付与し得る。さらに、現像装置内において磁場
がかけられると柔らかい穂を形成し得るため、感光体に
形成されるトナー像が乱れにくくなり、複写物の画像に
いわゆる白スジが生じない。
【0031】本発明の第1の二成分系現像剤において
は、上記のようにさらに、キャリアの粒子の被覆層にメ
チルシリコーン樹脂と所定の範囲の分子量、すなわち7
00以上の重量平均分子量を有するメチル化メラミン樹
脂とを含有させている。メチル化メラミン樹脂はアミノ
基、つまりカチオン性基を有する樹脂である。このよう
にキャリアの粒子の被覆層にカチオン性極性基を有する
樹脂を含有させていることにより、キャリアに帯電性が
付与される。これにより、このキャリアを帯電制御剤が
配合されていないトナーと組み合わせた場合にも、トナ
ーの帯電性が顕著に向上する。その結果、トナーの帯電
性が安定する。さらに、従来のような帯電制御剤を含有
させていないため、キャリアの粒子へのスペントの発生
を有効に防止しているので現像剤の長寿命化がはかられ
る。
【0032】一般に、シリコーン樹脂をキャリアの粒子
の被覆層に使用すると、スペントの発生が低減され、そ
して凝集の発生も低減されて流動性が向上する。本発明
においては、フェニル基を有しないメチルシリコーン樹
脂を用いる。このことによりスペントおよび凝集の発生
を防ぐ効果がさらに高まる。このメチルシリコーン樹脂
と組み合わせて、メラミン樹脂を被覆層に含有させる
と、上記のように安定した帯電性が得られる。本発明の
第1の現像剤においては、メラミン樹脂として、重量平
均分子量700以上のメチル化メラミン樹脂を使用す
る。このように、メラミン樹脂の種類をメチル化メラミ
ン樹脂に限定し、さらに分子量を所定の値以上に限定す
ることで、以下のような利点が得られる。すなわち、一
般に、シリコーン樹脂とメラミン樹脂とは相溶性が悪い
ため、被覆層においては、シリコーン樹脂中にメラミン
樹脂の粒塊が分散した構造となる。しかし、上記のよう
な本発明に用いられる特定のメチル化メラミン樹脂の硬
化物はメチルシリコーン樹脂の硬化物と同程度に硬度が
高いので、上記のような分散構造であっても、キャリア
が現像装置内で繰り返し撹拌されることでメラミン樹脂
の粒塊が被覆層中から脱落することなく、被覆層表面の
均一性が低下することが防止される。従って、キャリア
の粒子の凝集およびスペントの発生がより一層低減さ
れ、流動性および耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得
られる。
【0033】本発明の第2の二成分系現像剤において
は、上記のように、キャリアの粒子の被覆層にT単位、
すなわち3官能性単位(RSiO1.5)を70%以上含
むメチルシリコーン樹脂を含有させている。ここでRは
メチル基である。前述のように、メチルシリコーン樹脂
は凝集およびスペントの防止効果に優れている。本発明
においては、メチルシリコーン樹脂のT単位を70%以
上とすることで、メチルシリコーン樹脂の硬化により形
成される3次元網目状構造がより緻密な構造となり、得
られる被覆層表面の硬度および均一性が向上し、凝集お
よびスペントの防止効果がさらに高まる。従って、流動
性および耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得られる。
T単位が70未満であると、架橋に寄与しないD単位、
すなわち2官能性単位(R2SiO)および分子量を低
下させるM単位、すなわち1官能性単位(R3Si
0.5)の割合が、相対的に増加し、緻密な3次元網目
状構造が形成できない。
【0034】
【発明の好適態様】以下に、本発明の好適態様について
記載する。以下、本明細書において「低級アルキル基」
とは、炭素数1〜5のアルキル基をさしていう。
【0035】(定着用樹脂)本発明の二成分系現像剤の
トナー粒子に含まれる定着用樹脂はアニオン性極性基を
有する樹脂を含有する組成物でなる。このような樹脂
は、アニオン性極性基を有する単量体を含む単量体を重
合することにより得られ、得られる樹脂は単独重合体で
あっても、共重合体であってもよい。
【0036】定着用樹脂に用いる樹脂は、好適にはアニ
オン性極性基を有する単量体と他の単量体との共重合体
である。例えば、アニオン性基を有する単量体と他の単
量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体あるいは
グラフト共重合体であり得る。
【0037】アニオン性極性基を有する単量体として
は、カルボン酸基、スルホン酸基、またはホスホン酸基
を有する単量体が挙げられ、カルボン酸基を有する単量
体が特に好適である。カルボン酸基を有する単量体とし
ては、エチレン性不飽和カルボン酸が用いられ、それに
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸などがあり、無水マレイン酸のようなカ
ルボン酸基を形成し得る単量体、あるいはマレイン酸や
フマール酸のようなジカルボン酸の低級アルキルハーフ
エステルも使用され得る。スルホン酸基を有する単量体
としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。ホス
ホン酸基を有する単量体としては、2−アシッドホスホ
キシプロピルメタクリレート、2−アシッドホスホキシ
エチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホス
ホキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
【0038】これらのアニオン性極性基含有単量体は、
遊離の酸であっても、ナトリウム、カリウムなどのアル
カリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土
類金属、亜鉛などの塩であってもよい。
【0039】上記アニオン性極性基を有する単量体と必
要に応じて重合される他の単量体は、得られる重合体が
トナーに要求される定着性と帯電性とを有するように選
択され、エチレン性不飽和結合を有する単量体の1種ま
たはそれ以上の組み合わせが使用される。このような単
量体としては、アクリルエステル系単量体、モノビニル
芳香族系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエー
テル系単量体、ジオレフィン系単量体、モノオレフィン
系単量体などがある。
【0040】アクリルエステル系単量体は、次の一般式
(I)で示される:
【0041】
【化1】
【0042】ここで、R1は水素原子または低級アルキ
ル基、R2は炭素数11以下の炭化水素基または炭素数
11以下のヒドロキシアルキル基である。
【0043】このような単量体としては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−
ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル
酸プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒ
ドロキシメタクリル酸エチルなどがある。
【0044】モノビニル芳香族系単量体は、次の一般式
(II)で示される:
【0045】
【化2】
【0046】ここで、R3は水素原子、低級アルキル基
またはハロゲン原子であり、R4は水素原子、低級アル
キル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニト
ロ基などであり、Φはフェニレン基である。
【0047】このような単量体としては、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレ
ン、o−、m−、またはp−クロロスチレン、p−エチ
ルスチレンなどがある。
【0048】ビニルエステル系単量体は、次の一般式
(III)で示される:
【0049】
【化3】
【0050】ここで、R5は水素原子または低級アルキ
ル基である。
【0051】このような単量体としては、ギ酸ビニル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどがある。
【0052】ビニルエーテル系単量体は、次の一般式
(IV)で示される:
【0053】
【化4】
【0054】ここで、R6は炭素数11以下の1価の炭
化水素基である。
【0055】このような単量体としては、ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル−n−ブチル
エーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキ
シルエーテルなどがある。
【0056】ジオレフィン系単量体は、次の一般式
(V)で示される:
【0057】
【化5】
【0058】ここで、R7、R8、およびR9は各々独立
して水素原子、低級アルキル基またはハロゲン原子であ
る。
【0059】このような単量体としては、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレンなどがある。
【0060】モノオレフィン系単量体は、次の一般式
(VI)で示される:
【0061】
【化6】
【0062】ここで、R10およびR11は、各々独立して
水素原子または低級アルキル基である。
【0063】このような単量体としては、エチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、ブテン−1、ペンテン−1、
4−メチルペンテン−1などがある。
【0064】上記単量体を重合して得られる(共)重合
体であるアニオン性極性基を有する樹脂の具体例として
は、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、アイオノマー樹脂などがある。さらに、
アニオン性極性基を有するポリエステル樹脂などを用い
ることができる。このような樹脂は、アニオン性極性基
が遊離酸の形で存在する場合には、その酸価が2〜3
0、好ましくは5〜15となるような割合でアニオン性
極性基を有していることが望ましい。アニオン性極性基
の一部または全部が中和されている場合には、それが遊
離酸の形で存在したときに上記酸価を有するような割合
でアニオン性極性基を有することが好ましい。上記樹脂
の酸価、つまりアニオン性極性基の濃度、が上記範囲よ
りも低いときには、トナーの帯電性が不充分であり、逆
に上記範囲よりも高いと、トナーが吸湿性を有するた
め、好ましくない。好適な定着用樹脂には、上記のアニ
オン性極性基を有する単量体と、式(I)のアクリル系
単量体の少なくとも1種を必須成分として含有し、必要
に応じて、式(II)から式(VI)の単量体を任意成分と
して含有する共重合体が用いられる。上記各単量体は、
上記樹脂を調製するために1種または2種以上が組み合
わせて用いられ得る。
【0065】本発明に用いられる定着用樹脂には、上記
樹脂を含む樹脂組成物が用いられ、この組成物中には、
上記樹脂に加えて、アニオン性極性基をもたない重合体
が含有されていてもよい。その場合には、組成物全体と
してのアニオン性極性基の含有割合は、好適には上記範
囲にある。
【0066】(磁性粉末)トナー粒子に含有(内添)さ
れる磁性粉末としては、従来において一成分系の磁性ト
ナーに使用されている磁性粉末のいずれもが用いられ得
る。磁性粉末の素材としては、例えば、四三酸化鉄(F
34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛
(ZnFe24)、酸化鉄イットリム(Y3Fe
512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄
ガドリウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe2
4)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジウム(NdFe
3)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnF
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄(F
e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)などが用い
られ得る。特に好適な磁性粉末は微粒子状四三酸化鉄
(マグネタイト)である。好適なマグネタイトは正8面
体状で、粒子径が0.05〜1.0μmである。このマ
グネタイト粒子は、シランカップリング剤、チタン系カ
ップリング剤などで表面処理されていてもよい。トナー
粒子に含有される磁性粉末の粒子径は、一般に1.0μ
m以下、好ましくは0.05〜1.0μmである。
【0067】上記磁性粉末のトナー粒子中の含有量は、
定着用樹脂100重量部あたり、0.1〜5重量部、好
ましくは0.5〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜
3重量部である。磁性粉末の量が過少であると前述のよ
うに、現像時におけるトナーの飛散が生じたり、転写効
率が低下する。
【0068】(トナー粒子中の配合剤)トナー粒子は、
上記のように、定着用樹脂および磁性粉末を必須成分と
して含有し、さらに必要に応じて通常トナー中に配合さ
れ得る配合剤を含有させることができる。
【0069】配合剤としては、着色剤、離型剤などがあ
る。
【0070】着色剤としては、例えば次の顔料が使用さ
れ得る。
【0071】黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラッ
ク、アニリンブラック。
【0072】体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイト
カーボン、タルク、アルミナホワイト。
【0073】上記顔料は、定着用樹脂100重量部に対
して、通常2〜20重量部、好ましくは5〜15重量部
の量でトナー粒子中に含有される。
【0074】離形剤としては、各種ワックス類や低分子
量オレフィン系樹脂などが使用される。上記オレフィン
系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロ
ピレン−エチレン共重合体などが使用され得るが、ポリ
プロピレンが特に好適である。
【0075】(トナー粒子の調製)本発明の二成分系現
像剤のトナーに用いられるトナー粒子は、トナー粒子製
造のための一般的な方法、例えば、粉砕分級法、溶融造
粒法、スプレー造粒法および重合法により製造され得、
通常、粉砕分級法により製造される。
【0076】例えば、上記トナー粒子を形成するための
成分を、ヘンシェルミキサーなどの混合機で前混合した
のち、二軸押出機などの混練装置を用いて混練し、これ
を冷却した後、粉砕し、分級してトナー粒子とする。ト
ナー粒子の粒径は、体積基準平均粒径(コールターカウ
ンターによるメジアン径)が5〜15μmであり、特に
7〜12μmの範囲内にあるのが好ましい。
【0077】(スペーサー粒子)本発明の二成分系現像
剤のトナーにおいては、下記の異なる比抵抗を有する2
種のスペーサー粒子が外添され、トナー粒子の表面に付
着している。
【0078】上記第1のスペーサー粒子としては、体積
基準平均粒径0.05〜1.0μmで、比抵抗が101
〜105Ω・cmの粒子である。この粒子としては、有
機または無機の不活性粒子が用いられ、好ましくは、粒
径が0.07〜0.5μm、比抵抗が103〜105Ω・
cmの有機または無機の不活性粒子が用いられ得る。こ
の第1のスペーサー粒子の素材としては、スズドープに
より表面処理した酸化チタン、マグネタイトなどが挙げ
られる。
【0079】上記第2のスペーサー粒子としては、体積
基準平均粒径0.05〜1.0μmで、比抵抗が108
〜1013Ω・cmの粒子である。この粒子としては、有
機または無機の不活性粒子が用いられ得、好ましくは、
粒径が0.07〜0.5μm、比抵抗が109〜1012
Ω・cmの有機または無機の不活性粒子が用いられ得
る。この第2のスペーサー粒子の素材としては、シリ
カ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、
炭酸マグネシウム、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチ
レン−アクリル系共重合体などが挙げられる。
【0080】ここで、このスペーサー粒子の比抵抗は、
例えば、図10に示す比抵抗測定装置(4)で測定され
る。以下に、この比抵抗測定装置(4)を用いて比抵抗
を測定する方法を詳述する。内径H1が1インチの塩化
ビニール管(41)内に試料であるスペーサー粒子(2
03)を8g入れ、鋼鉄製の電極(421)で挟み込
み、この電極(421)の外側に2mm厚のテフロン板
(43)を配し、この両テフロン板(43)の片側から
油圧プレス機を用いて200kg/cm2の圧力Prで
加圧したときの500Vにおける抵抗r(Ω)を超絶縁
計(42)(東亜電波工業製、SM−5型)にて測定す
る。そして、図10の示す抵抗の全長H2(cm)を測
定し、試料を充填しないときの全長H2である11.3
5cmとの差により、加圧した試料の厚さを算出し、次
式に基づいて、比抵抗R(Ω・cm)を算出する。
【0081】
【数1】
【0082】これらのスペーサー粒子は、合計で、トナ
ーの総重量あたり10重量%以下、好ましくは0.1〜
10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%の量で
含有される。過剰であると複写画像の濃度が不充分とな
る。
【0083】さらに、本発明の二成分系現像剤のトナー
は、上記第1のスペーサー粒子と第2のスペーサー粒子
とを含有していればよいが、トナーの電荷授受の機能を
電荷発生と漏洩に分担することができ、トナーが効率よ
く所望の帯電量を得ることができるためには、その含有
割合が、重量比で1:7〜7:1であることが好まし
く、1:4〜4:1であればさらに好ましい。
【0084】(他の外添剤)本発明の二成分系現像剤の
トナーは、上記のように、トナー粒子の表面に、上記異
なる比抵抗を有する2種のスペーサー粒子が付着されて
おり、さらに、必要に応じて、トナー粒子の表面に、疎
水性気相法シリカ粒子などの上記スペーサー粒子よりも
小さい粒径の流動性改良剤を付着させてトナーの流動性
をさらに改善することができる。
【0085】このシリカ粒子などの流動性改良剤の粒子
径は、通常、一次粒子径が約0.015μm程度であ
り、トナーの総重量、つまりトナー粒子と外添剤(スペ
ーサー粒子および流動性改良剤)との合計重量あたり
0.1〜2.0重量%の量で外添され得る。
【0086】(トナーの調製)上記のようにして調製し
たトナー粒子に、上記異なる比抵抗を有する2種のスペ
ーサー粒子および必要に応じて流動性改良剤を外添する
には、例えば、スペーサー粒子および必要に応じて流動
性改良剤を充分に混合し、この混合物をトナー粒子に添
加して充分に解砕するのがよい。これにより2種のスペ
ーサー粒子は、トナー粒子表面に均一に付着する。ここ
で、付着とは、粒子表面に接して担持されること、ある
いは粒子表面から内部に一部打ち込まれたような状態で
固定されること、のいずれの状態をもさしていう。この
ようにして、本発明の現像剤に用いられるトナーが得ら
れる。
【0087】(キャリアの粒子)本発明の現像剤に用い
られるキャリアの粒子は、コア粒子と該コア粒子を被覆
する被覆層とを有する二重構造の粒子である。このコア
粒子は、次式(A)で示される磁性材料でなる: MOFe23 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である。
【0088】上記式(A)で示される化合物は、マグネ
タイト(MがFeの場合)あるいはフェライト(MがF
e以外の金属の場合)であり、MがCu、Zn、Mn、
Ni、Mgなどのフェライトが好適に用いられる。これ
らのマグネタイトあるいはフェライトは、経時変化によ
る電気抵抗の変化率が小さく、かつ現像装置内において
磁場がかかると、柔らかい穂を形成し得る。これらの磁
性材料でなるコア粒子は、その粒径が、30〜200μ
m、好ましくは50〜150μmである。これらのコア
粒子は、上記磁性材料の微細な粒子を噴霧造粒などの手
段で球状に造粒し、次に焼成することにより得られる。
このコア粒子は、その体積固有抵抗が、105〜109Ω
・cm、好ましくは106〜108Ω・cmである。コア
粒子の飽和磁化は、30〜70emu/g、好ましくは
45〜65emu/gの範囲にある。
【0089】被覆層を構成する樹脂組成物中のメチルシ
リコーン樹脂は、例えば、メチルクロロシラン類から調
製され得る。メチルシリコーン樹脂は、通常メチルシリ
コーン樹脂オリゴマーとしてコア粒子に付与され、次い
で、後述のように硬化される。本発明の第2の二成分系
現像剤においては、メチルシリコーン樹脂はT単位を7
0%以上含む。硬化後のメチルシリコーン樹脂がT単位
を70%以上含むようにするためには、T単位を70%
以上含むメチルシリコーン樹脂オリゴマーを使用する。
このオリゴマーのT単位を70%以上に調整するために
は、メチルシリコーン樹脂オリゴマーの原料であるメチ
ルクロロシラン類のうちT単位の元になるメチルトリク
ロロシラン(CH3SiCl3)の配合割合を70%以上
にすればよい。本発明の第1の二成分系現像剤において
も、メチルシリコーン樹脂がT単位を70%以上含むこ
とが好ましい。
【0090】本発明の第1の二成分系現像剤の被覆層を
構成する樹脂組成物中のメチル化メラミン樹脂は重量平
均分子量が700以上である。メチル化メラミン樹脂の
分子量の上限については特に限定されないが、2000
以下であることが好ましい。本発明の第1の二成分系現
像剤の被覆層においては、メチルシリコーン樹脂とメチ
ル化メラミン樹脂の割合は特に限定されないが、被覆層
中に占めるメチル化メラミン樹脂の割合が5〜70重量
%の範囲内であることが好ましい。メチル化メラミン樹
脂の割合がこの範囲内であると、得られるキャリアの粒
子の帯電性がさらに安定化する。さらにメチル化メラミ
ン樹脂の自己架橋の程度が適正であるため、硬化時の反
応性が良好であり、成膜性に優れ、得られる被覆層とコ
ア粒子との密着性がさらに向上する。
【0091】本発明においては、被覆層に、被覆層の特
性を低下させない範囲で、上記メチルシリコーン樹脂お
よびメチル化メラミン樹脂以外の樹脂を含有させること
もできる。このような樹脂としては、メチルシリコーン
樹脂以外の変性または未変性のシリコーン樹脂、アクリ
ル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリア
ミド樹脂、オレフィン系共重合体、メチル化メラミン樹
脂以外のアミノ樹脂などの、被覆層用として公知の、種
々の樹脂が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種
以上混合して使用され得る。
【0092】さらに樹脂組成物中には、必要に応じて、
シリカ、アルミナ、カーボンブラック、脂肪酸金属塩、
シランカップリング剤、シリコーンオイルなどの添加剤
が含有され、これらは被覆層の特性を調整する働きを有
する。
【0093】(キャリアの調製)上記メチルシリコーン
樹脂とメチル化メラミン樹脂を含有する組成物またはメ
チルシリコーン樹脂は、公知の方法によりコア粒子表面
に付与されて被覆層を形成する。例えば、上記樹脂組成
物または樹脂の溶液もしくは分散液とコア粒子とを混合
して、コア粒子表面に樹脂組成物の溶液もしくは分散液
をコートし、必要に応じて乾燥し、そして加熱などによ
り硬化することにより被覆層が形成される。被覆層の形
成にあたっては、一般に利用されている浸漬法、スプレ
ー法、流動床法、移動床法、転動層法などがいずれも利
用され得る。樹脂組成物を溶解もしくは分散させ得る溶
媒としては、一般的な有機溶媒、例えば、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンなどの環状エーテル類、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールなどのアルコール類、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、酢酸エ
チル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒な
どが用いられ得る。
【0094】このようにして得られたキャリアの粒径は
30〜200μm、好ましくは50〜150μmであ
る。キャリアの粒子の被覆層の重量は、コア粒子100
重量部に対して0.001〜2.5重量部、好ましくは
0.005〜2.0重量部である。得られたキャリアの
粒子の体積固有抵抗は、105〜1013Ω・cm、好ま
しくは107〜1012Ω・cm、そして飽和磁化は、3
0〜70emu/g、 好ましくは45〜65emu/
gの範囲にある。
【0095】(現像剤の調製)上記トナーとキャリアと
を混合することにより二成分系現像剤が得られる。キャ
リアとトナーとの混合比は、一般に98:2〜90:1
0の重量比、特に97:3〜94:6の重量比であるこ
とが好ましい。
【0096】本発明の二成分系現像剤を用い、一般的な
静電写真複写法により、複写がなされ得る。例えば感光
体上の光導電層を一様に荷電した後、画像露光して静電
潜像を形成させ、次いで二成分系磁性現像剤の磁気ブラ
シを感光体と接触させることにより静電潜像の現像が容
易に行われ得る。現像により形成されたトナー像は転写
紙上に転写されて転写像を形成し、この転写像をヒート
ロールで溶融圧着することにより定着が行われる。
【0097】
【実施例】本発明を次の実施例で説明する。
【0098】(実施例1) 〈トナーの調製〉
【0099】
【表1】
【0100】上記各成分を二軸押し出し機にて溶融混練
し、次いでこの混練物をジェットミルで粉砕し、そして
風力分級機で分級して、平均粒径10.0μmのトナー
粒子を得た。
【0101】このトナー粒子に、流動性改良剤として平
均粒径が0.015μmの疎水性シリカ微粒子をトナー
粒子100重量部に対して0.3重量部の割合で添加
(外添)し、さらに、第1のスペーサー粒子として、体
積基準平均粒径が0.3μmで2×103Ω・cmの比
抵抗の、スズドープにより表面処理した酸化チタンをト
ナー粒子100重量部に対して0.5重量部の割合で、
第2のスペーサー粒子として、体積基準平均粒径が0.
3μmで1010Ω・cmの比抵抗のアルミナをトナー粒
子100重量部に対して0.5重量部の割合で添加(外
添)し、そしてヘンシェルミキサーで2分間混合して、
上記各粒子が付着したトナーを得た。
【0102】〈キャリアの調製〉磁性コア粒子として、
平均粒径100μmの球状フェライト粒子を用いた。こ
のフェライト粒子1000重量部に、下記の所定量の各
成分を含むコーティング剤を添加し、加熱撹拌装置を用
いて混合した。得られた混合物から溶媒を乾燥除去した
後、200℃で1時間の熱処理を行い被覆層を有するキ
ャリアの粒子を得た。
【0103】
【表2】
【0104】〈現像剤の調製〉上記トナーとキャリアと
を、均一に混合してトナー濃度3.5重量%の二成分系
現像剤を得た。
【0105】(実施例2)表2に示す組成のコーティン
グ剤を用いて、実施例1と同様の手順で現像剤を得た。
【0106】(比較例1)コーティング剤を用いず、キ
ャリアの粒子の被覆層を形成しなかったこと以外は実施
例1と同様の手順で現像剤を得た。
【0107】[現像剤の評価]次の項目につき、実施例
および比較例の現像剤を評価した。試験に使用したの
は、三田工業社製の電子複写機(商品名「DC−468
5」)の改造機(評価試料を容易にサンプリングするた
めの改造を施した複写機)である。
【0108】(a)転写効率 複写開始前のトナーホッパー内のトナー量と、所定枚数
複写後のトナーホッパー内のトナー量とを測定し、その
差からトナー消費量を算出した。他方、所定の枚数複写
の間にクリーニング工程において回収されたトナー量を
測定し、これをトナー回収量とした。これらの値から、
次式(i)によりトナーの転写効率を算出した。ここで
複写に用いた原稿は黒色部の面積率が8%の文字原稿で
ある。この評価は(b)項以下の各評価試験を行うため
に行われた。
【0109】
【数2】
【0110】(b)画像濃度(I.D.) 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。5千枚
毎に複写画像における黒べた部の濃度を反射濃度計(型
番「TC−6D」東京電色社製)を用いて測定し、その
平均値を画像濃度(I.D.)とした。ここで、5千枚
毎にサンプリングを行うために使用する原稿は、黒べた
部を含む黒色部の面積率が15%の原稿である。評価結
果を表3に示す。
【0111】(c)カブリ濃度(F.D.) 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。5千枚
毎に複写画像における非画像部の濃度を反射濃度計(型
番「TC−6D」東京電色社製)を用いて測定した。そ
の測定値と、複写前の紙(ベース紙)を反射濃度計で測
定して得られた反射濃度の値との差を算出し、その最高
値をカブリ濃度(F.D.)とした。ここで、5千枚に
サンプリングを行うために使用する原稿は、黒べた部を
含む黒色部の面積率が15%の原稿である。評価結果を
表3に示す。
【0112】(d)解像度 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
5万枚複写した時点(それまでに転写効率が70%未満
となった場合にはその時点)で、規定のチャート原稿
(1mmあたり所定数の平行直線が引かれた複数のパタ
ーンを用いる原稿)を用いて複写し、複写画像を目視判
定した。評価結果を表3に示す。
【0113】(e)帯電量 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。5千枚
毎に現像剤200mgの帯電量を「ブローオフ粉体帯電
量測定装置」(東芝ケミカル社製)を用いて測定し、ト
ナー1gあたりの帯電量の平均値を算出した。評価結果
を表3に示す。
【0114】(f)トナー飛散 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。この時
点での複写機内のトナー飛散状態を目視にて観察し、以
下の基準で評価した。 ○:トナー飛散なし ×:トナー飛散あり 評価結果を表3に示す。
【0115】(g)耐久性 1万枚複写後毎のトナー消費量と、回収されたトナー量
とから、転写効率を算出した。この転写効率が初めて7
0%未満になった時点の枚数を耐久性とした。評価結果
を表3に示す。
【0116】(h)スペントによるキャリアの粒子表面
への付着物の量 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
5万枚複写した時点(それまでに転写効率が70%未満
となった場合にはその時点)で、現像剤をサンプリング
した。その現像剤を400メッシュのふるい上にのせ、
下からブロアーにより吸引し、トナーとキャリアとを分
離した。ふるい上に残ったキャリア5gをビーカーに入
れ、更にこのビーカー中にトルエンを加え、スペントに
よりキャリアの粒子表面に付着したトナー成分を溶解さ
せた。その後ビーカーの下から磁石でキャリアを引きつ
けた状態でトルエン溶液を捨てた。これをトルエンが無
色になるまで数回繰り返した後、オーブンでキャリアに
付着しているトルエンを蒸発させて得られた残留物の重
量を測定した。最初にビーカーに入れたキャリアの重量
とトルエン蒸発後の重量の差がスペントによりキャリア
の粒子表面に付着したトナー成分の量(スペント量)で
ある。スペント量はキャリア1gあたりに付着したトナ
ー成分のmgで表す。評価結果を表3に示す。
【0117】
【表3】
【0118】[評価結果の考察]実施例1および2で得
られた現像剤は、カブリ濃度、解像度、および帯電量が
非常に良好な状態で安定していた。さらに、トナー飛散
も認められなかった。特に、実施例1および2の現像剤
は、被覆層を有さないキャリアの粒子を用いた比較例1
の現像剤に比べて、スペント量が極めて少なく、そして
耐久性が2倍であった。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、このように、複写時に
おけるスペントの主な発生原因となる帯電制御剤を全く
含有しない二成分系現像剤が提供される。この現像剤の
トナー粒子中には、アニオン性極性基を有する定着用樹
脂が含有され、そして、トナー粒子中に所定の割合で磁
性粉末が含有される。さらに、スペーサー粒子として、
比抵抗が101〜105Ω・cmの第1のスペーサー粒子
と比抵抗が108〜101 3Ω・c mの第2のスペーサー
粒子とが、トナー粒子の表面に付着している。そのため
トナーの帯電が効率よく行われ、トナー粒子とキャリア
の粒子との結合も充分であり、安定した帯電が得られ
る。
【0120】この現像剤に含有されるキャリアのコア粒
子は特定の組成の磁性材料で構成される。本発明の第1
の現像剤に含有されるキャリアのコア粒子を被覆する被
覆層には、メチルシリコーン樹脂と所定の範囲の分子量
を有するメチル化メラミン樹脂が用いられている。本発
明の第2の現像剤に含有されるキャリアのコア粒子を被
覆する被覆層には、所定のT単位を含むメチルシリコー
ン樹脂が含有されている。その結果、その表面は均一で
あり、そのためキャリアの粒子の凝集およびスペントの
発生がより一層低減され、流動性および耐久性に優れ
る。
【0121】従って、本発明によれば、複写時にスペン
トが発生せず、トナーが飛散することがなく、転写効率
が充分であり、必要とされる濃度の複写画像が長時間に
わたり安定して得られる。さらに、長寿命の現像剤が提
供される。
【0122】このような二成分系現像剤は、静電式複写
機、レーザービームプリンタなどの電子式画像形成装置
において好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像剤に使用されるトナーのメタノー
ル抽出液の、波長200〜700nmにおける吸光度を
示すグラフである。
【図2】帯電制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を含有
するトナーのメタノール抽出液の波長200〜700n
mにおける吸光度を示すグラフである。
【図3】帯電制御剤としてサリチル酸金属錯体を含有す
るトナーのメタノール抽出液の波長200〜700nm
における吸光度を示すグラフである。
【図4】帯電制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を含有
するトナーを二成分系磁性現像剤に使用し、スペントよ
る帯電不良が発生したときのキャリアについて、メタノ
ール抽出を行い、この抽出液の波長200〜700nm
における吸光度を測定したときのグラフである。
【図5】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアと
を混合・攪拌し、あるいは帯電制御剤を含有しないトナ
ーと磁性キャリアとを混合・攪拌する操作を続けた場合
に、混合・攪拌時間とスペント率との関係を示すグラフ
である。
【図6】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアと
を混合・攪拌し、あるいは帯電制御剤を含有しないトナ
ーと磁性キャリアとを混合・攪拌する操作を続けた場合
に、混合・攪拌時間と帯電量との関係を示すグラフであ
る。
【図7】スペントによるトナー成分が付着したキャリア
の該付着物の量と、スペントを生じたトナー中の帯電制
御剤の量との関係を示すグラフである。
【図8】トナー中の各成分の各々と磁性キャリアとを混
合・攪拌する操作を続けた場合における混合・攪拌時間
とスペント量との関係を示すグラフである。
【図9】従来の二成分系磁性現像剤におけるスペントに
よる帯電不良の発生を説明する説明図である。
【図10】本発明の現像剤に用いるスペーサー粒子の比
抵抗を測定する比抵抗測定装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 キャリアの粒子 2 トナー 22 逆極性トナー 4 比抵抗測定装置 42 超絶縁計
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/107 9/113 G03G 9/08 371 372 374 375 9/10 321 351 352 (72)発明者 浅野 照道 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 川田 秀明 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 畑瀬 芳輝 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーとキャリアとを含む二成分系現像
    剤であって、 該トナーがトナー粒子を含み、 該トナー粒子が、定着用樹脂および該樹脂中に分散され
    た磁性粉末を含有し、 該定着用樹脂が、アニオン性極性基を有する樹脂を含む
    組成物でなり、 該磁性粉末が、該定着用樹脂100重量部に対して0.
    1から5重量部の割合で該トナー粒子中に含有され、 該トナー粒子の体積基準平均粒径が5から15μmであ
    り、 該トナー粒子表面に、体積基準平均粒径が0.05から
    1.0μmで比抵抗が101から105Ω・cmの第1の
    スペーサー粒子と、体積基準平均粒径が0.05から
    1.0μmで比抵抗が108から1013Ω・cmの第2
    のスペーサー粒子とが付着しており、 該キャリアの粒子が、コア粒子と該コア粒子を被覆する
    被覆層とを有し、 該コア粒子が、次式(A)で示される磁性材料でなり: MOFe23 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
    n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
    1種の金属である、 該被覆層がメチルシリコーン樹脂とメチル化メラミン樹
    脂とを含有する樹脂組成物でなり、そして該メチル化メ
    ラミン樹脂の重量平均分子量が700以上である、二成
    分系現像剤。
  2. 【請求項2】 トナーとキャリアとを含む二成分系現像
    剤であって、 該トナーがトナー粒子を含み、 該トナー粒子が、定着用樹脂および該樹脂中に分散され
    た磁性粉末を含有し、 該定着用樹脂が、アニオン性極性基を有する樹脂を含む
    組成物でなり、 該磁性粉末が、該定着用樹脂100重量部に対して0.
    1から5重量部の割合で該トナー粒子中に含有され、 該トナー粒子の体積基準平均粒径が5から15μmであ
    り、 該トナー粒子表面に、体積基準平均粒径が0.05から
    1.0μmで比抵抗が101から105Ω・cmの第1の
    スペーサー粒子と、体積基準平均粒径が0.05から
    1.0μmで比抵抗が108から1013Ω・cmの第2
    のスペーサー粒子とが付着しており、 該キャリアの粒子が、コア粒子と該コア粒子を被覆する
    被覆層とを有し、 該コア粒子が、次式(A)で示される磁性材料でなり: MOFe23 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
    n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
    1種の金属である、そして該被覆層がT単位を70%以
    上含むメチルシリコーン樹脂を含有する、二成分系現像
    剤。
  3. 【請求項3】 前記トナーをメタノールで抽出したとき
    の抽出液が280から350nmの領域に実質的に吸収
    ピークを有さず、かつ、400から700nmの領域に
    おける吸光度が実質的にゼロである、請求項1または2
    に記載の現像剤。
  4. 【請求項4】 前記磁性粉末が、前記定着用樹脂100
    重量部に対して0.5から3重量部の割合で含有され
    る、請求項1または2に記載の現像剤。
JP6212224A 1994-09-06 1994-09-06 二成分系現像剤 Withdrawn JPH0876497A (ja)

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