JPH0876496A - 二成分系現像剤 - Google Patents
二成分系現像剤Info
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- JPH0876496A JPH0876496A JP6212223A JP21222394A JPH0876496A JP H0876496 A JPH0876496 A JP H0876496A JP 6212223 A JP6212223 A JP 6212223A JP 21222394 A JP21222394 A JP 21222394A JP H0876496 A JPH0876496 A JP H0876496A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 トナー粒子は、定着用樹脂、該樹脂中に分散
された磁性粉末および離型剤を含有し、定着用樹脂は、
(1)アニオン性極性基を有する単量体および側鎖に炭
素数12以上のアルキル基を有する単量体を含む共重合
体組成物、および(2)アニオン性極性基を有する単量
体から得られる重合体組成物と側鎖に炭素数12以上の
アルキル基を有する単量体から得られる重合体組成物と
からなる樹脂組成物、の少なくとも一方を含む組成物で
なる。キャリアの粒子は、コア粒子を被覆する被覆層を
有し、メチルシリコーン樹脂とメチル化メラミン樹脂と
を含有する樹脂組成物でなる。 【効果】 帯電制御剤を全く含有しない二成分系現像剤
であるが、帯電性が充分であり、複写時にトナーが飛散
せず、転写効率が充分であり、必要とされる濃度の複写
画像が長時間にわたり安定して得られ、スペント発生が
極めて少ない。
された磁性粉末および離型剤を含有し、定着用樹脂は、
(1)アニオン性極性基を有する単量体および側鎖に炭
素数12以上のアルキル基を有する単量体を含む共重合
体組成物、および(2)アニオン性極性基を有する単量
体から得られる重合体組成物と側鎖に炭素数12以上の
アルキル基を有する単量体から得られる重合体組成物と
からなる樹脂組成物、の少なくとも一方を含む組成物で
なる。キャリアの粒子は、コア粒子を被覆する被覆層を
有し、メチルシリコーン樹脂とメチル化メラミン樹脂と
を含有する樹脂組成物でなる。 【効果】 帯電制御剤を全く含有しない二成分系現像剤
であるが、帯電性が充分であり、複写時にトナーが飛散
せず、転写効率が充分であり、必要とされる濃度の複写
画像が長時間にわたり安定して得られ、スペント発生が
極めて少ない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二成分系現像剤に関し、
より詳細には、帯電制御剤をトナー中に含有しないにも
かかわらず、転写効率が良く、長時間にわたり所望の濃
度の複写画像が得られる長寿命の二成分系現像剤であ
り、静電式複写機、レーザービームプリンタなどの電子
写真式画像形成装置において好適に用いられる、現像剤
に関する。
より詳細には、帯電制御剤をトナー中に含有しないにも
かかわらず、転写効率が良く、長時間にわたり所望の濃
度の複写画像が得られる長寿命の二成分系現像剤であ
り、静電式複写機、レーザービームプリンタなどの電子
写真式画像形成装置において好適に用いられる、現像剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真式画像形成装置において、感光
体上の静電潜像を現像するための現像剤のひとつとし
て、二成分系の現像剤が用いられている。この二成分系
現像剤は、カーボンブラックなどの着色剤および定着用
樹脂を含むトナーと、鉄粉、フェライト粒子などを含む
磁性キャリアとを含有する。
体上の静電潜像を現像するための現像剤のひとつとし
て、二成分系の現像剤が用いられている。この二成分系
現像剤は、カーボンブラックなどの着色剤および定着用
樹脂を含むトナーと、鉄粉、フェライト粒子などを含む
磁性キャリアとを含有する。
【0003】現像時においては、このトナーとキャリア
とを混合することによりトナーを所定の極性に帯電さ
せ、次いでこの混合物は磁気ブラシの形で感光体に搬送
される。感光体はこの磁気ブラシにより摺擦され、感光
体表面の静電潜像にトナーが付着する。付着するトナー
量を一定にし、安定した画像を提供するためトナーに所
定の帯電量を与えるべく、トナー粒子中には帯電制御剤
が含有されるのが一般的である。負帯電性のトナーに
は、クロムのような金属を含有する含金属錯体染料(例
えばアゾ系染料)、オキシカルボン酸金属錯体(例えば
サリチル酸金属錯体)などの負電荷制御剤が使用され
(特開平3−67268号公報)、そして正帯電性のト
ナーにはニグロシンのような油溶性染料、アミン系制御
剤などの正電荷制御剤が使用されている(特開昭56−
106249号公報)。
とを混合することによりトナーを所定の極性に帯電さ
せ、次いでこの混合物は磁気ブラシの形で感光体に搬送
される。感光体はこの磁気ブラシにより摺擦され、感光
体表面の静電潜像にトナーが付着する。付着するトナー
量を一定にし、安定した画像を提供するためトナーに所
定の帯電量を与えるべく、トナー粒子中には帯電制御剤
が含有されるのが一般的である。負帯電性のトナーに
は、クロムのような金属を含有する含金属錯体染料(例
えばアゾ系染料)、オキシカルボン酸金属錯体(例えば
サリチル酸金属錯体)などの負電荷制御剤が使用され
(特開平3−67268号公報)、そして正帯電性のト
ナーにはニグロシンのような油溶性染料、アミン系制御
剤などの正電荷制御剤が使用されている(特開昭56−
106249号公報)。
【0004】従来より使用されている帯電制御剤は、ク
ロム含有錯体のように重金属を含有する化合物が多い。
そしてこれらの使用に際しては、環境安全性の観点から
各種毒性テストや安全テストをクリアした化合物が選択
されている。しかし、化合物として、あるいはトナー中
に含有させた形態での安全性には問題がないにしても、
これら重金属を含有する帯電制御剤の使用をさけること
は一層望ましいと考えられる。さらに、帯電制御剤はト
ナーを構成する材料である定着用樹脂やカーボンブラッ
クなどの着色剤に比べて単価が高いため、数%程度の含
有率にもかかわらず、トナーの単価を押し上げている。
従って、このような重金属を含有する帯電制御剤を含有
しないトナーの開発が望まれている。
ロム含有錯体のように重金属を含有する化合物が多い。
そしてこれらの使用に際しては、環境安全性の観点から
各種毒性テストや安全テストをクリアした化合物が選択
されている。しかし、化合物として、あるいはトナー中
に含有させた形態での安全性には問題がないにしても、
これら重金属を含有する帯電制御剤の使用をさけること
は一層望ましいと考えられる。さらに、帯電制御剤はト
ナーを構成する材料である定着用樹脂やカーボンブラッ
クなどの着色剤に比べて単価が高いため、数%程度の含
有率にもかかわらず、トナーの単価を押し上げている。
従って、このような重金属を含有する帯電制御剤を含有
しないトナーの開発が望まれている。
【0005】さらに、従来のトナーにおいては、長時間
の使用によりキャリアの粒子表面にトナー成分が付着す
るスペントを生じ、そのためにキャリアの粒子表面の帯
電状態がトナー粒子表面の帯電状態に類似してくる。そ
の結果、トナー飛散の発生や転写効率の低下が引き起こ
されるという欠点も存在する。
の使用によりキャリアの粒子表面にトナー成分が付着す
るスペントを生じ、そのためにキャリアの粒子表面の帯
電状態がトナー粒子表面の帯電状態に類似してくる。そ
の結果、トナー飛散の発生や転写効率の低下が引き起こ
されるという欠点も存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するものであり、その目的とするところは、
帯電制御剤を全く含有していないにもかかわらずトナー
が良好な帯電性能を有するため、トナーの飛散が少なく
かつ画像品質に優れた二成分系現像剤を提供することに
ある。本発明の他の目的は、長期間の使用においてもス
ペントを起こさず、その結果、良好な画像品質を維持
し、転写効率が安定し得る二成分系現像剤を提供するこ
とにある。
課題を解決するものであり、その目的とするところは、
帯電制御剤を全く含有していないにもかかわらずトナー
が良好な帯電性能を有するため、トナーの飛散が少なく
かつ画像品質に優れた二成分系現像剤を提供することに
ある。本発明の他の目的は、長期間の使用においてもス
ペントを起こさず、その結果、良好な画像品質を維持
し、転写効率が安定し得る二成分系現像剤を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の二成分系
現像剤は、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤で
あって;該トナーは、トナー粒子を含み;該トナー粒子
は、定着用樹脂、該樹脂中に分散された磁性粉末および
離型剤を含有し;該定着用樹脂は、(1)アニオン性極
性基を有する単量体および側鎖に炭素数12以上のアル
キル基を有する単量体を含む共重合体組成物、および
(2)アニオン性極性基を有する単量体を含む単量体か
ら得られる重合体組成物と側鎖に炭素数12以上のアル
キル基を有する単量体を含む単量体から得られる重合体
組成物とからなる樹脂組成物の少なくとも(1)、
(2)の一方を含む組成物でなり;該磁性粉末は、該定
着用樹脂100重量部に対して0.1から5重量部の割
合で該トナー粒子中に含有され;該キャリアの粒子は、
コア粒子と該コア粒子を被覆する被覆層とを有し;該コ
ア粒子は、次式(A)で示される磁性材料でなり: MOFe2O3 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である、該被覆層はメチルシリコーン樹脂と
メチル化メラミン樹脂とを含有する樹脂組成物でなり;
そして該メチル化メラミン樹脂の重量平均分子量が70
0以上であり;そのことにより上記目的が達成される。
現像剤は、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤で
あって;該トナーは、トナー粒子を含み;該トナー粒子
は、定着用樹脂、該樹脂中に分散された磁性粉末および
離型剤を含有し;該定着用樹脂は、(1)アニオン性極
性基を有する単量体および側鎖に炭素数12以上のアル
キル基を有する単量体を含む共重合体組成物、および
(2)アニオン性極性基を有する単量体を含む単量体か
ら得られる重合体組成物と側鎖に炭素数12以上のアル
キル基を有する単量体を含む単量体から得られる重合体
組成物とからなる樹脂組成物の少なくとも(1)、
(2)の一方を含む組成物でなり;該磁性粉末は、該定
着用樹脂100重量部に対して0.1から5重量部の割
合で該トナー粒子中に含有され;該キャリアの粒子は、
コア粒子と該コア粒子を被覆する被覆層とを有し;該コ
ア粒子は、次式(A)で示される磁性材料でなり: MOFe2O3 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である、該被覆層はメチルシリコーン樹脂と
メチル化メラミン樹脂とを含有する樹脂組成物でなり;
そして該メチル化メラミン樹脂の重量平均分子量が70
0以上であり;そのことにより上記目的が達成される。
【0008】本発明の第2の二成分系現像剤は、トナー
とキャリアとを含む二成分系現像剤であって;該トナー
は、トナー粒子を含み;該トナー粒子は、定着用樹脂、
該樹脂中に分散された磁性粉末および離型剤を含有し;
該定着用樹脂は、(1)アニオン性極性基を有する単量
体および側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単
量体を含む共重合体組成物、および(2)アニオン性極
性基を有する単量体を含む単量体から得られる重合体組
成物と側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量
体を含む単量体から得られる重合体組成物とからなる樹
脂組成物の少なくとも(1)、(2)の一方を含む組成
物でなり;該磁性粉末は、該定着用樹脂100重量部に
対して0.1から5重量部の割合で該トナー粒子中に含
有され;該キャリアの粒子は、コア粒子と該コア粒子を
被覆する被覆層とを有し;該コア粒子は、次式(A)で
示される磁性材料でなり: MOFe2O3 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である、そして該被覆層はT単位を70%以
上含むメチルシリコーン樹脂を含有し;そのことにより
上記目的が達成される。
とキャリアとを含む二成分系現像剤であって;該トナー
は、トナー粒子を含み;該トナー粒子は、定着用樹脂、
該樹脂中に分散された磁性粉末および離型剤を含有し;
該定着用樹脂は、(1)アニオン性極性基を有する単量
体および側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単
量体を含む共重合体組成物、および(2)アニオン性極
性基を有する単量体を含む単量体から得られる重合体組
成物と側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量
体を含む単量体から得られる重合体組成物とからなる樹
脂組成物の少なくとも(1)、(2)の一方を含む組成
物でなり;該磁性粉末は、該定着用樹脂100重量部に
対して0.1から5重量部の割合で該トナー粒子中に含
有され;該キャリアの粒子は、コア粒子と該コア粒子を
被覆する被覆層とを有し;該コア粒子は、次式(A)で
示される磁性材料でなり: MOFe2O3 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である、そして該被覆層はT単位を70%以
上含むメチルシリコーン樹脂を含有し;そのことにより
上記目的が達成される。
【0009】好適な実施態様においては、上記トナーを
メタノールで抽出したときの抽出液は280から350
nmの領域に実質的に吸収ピークを有さず、かつ、40
0から700nmの領域における吸光度は実質的にゼロ
である。
メタノールで抽出したときの抽出液は280から350
nmの領域に実質的に吸収ピークを有さず、かつ、40
0から700nmの領域における吸光度は実質的にゼロ
である。
【0010】好適な実施態様においては、上記磁性粉末
は、上記定着用樹脂100重量部に対して0.5から3
重量部の割合で含有される。
は、上記定着用樹脂100重量部に対して0.5から3
重量部の割合で含有される。
【0011】好適な実施態様においては、上記トナー粒
子の体積基準平均粒径は5から15μmであり、該トナ
ー粒子表面に体積基準平均粒径が0.05から1.0μ
mのスペーサー粒子が付着している。
子の体積基準平均粒径は5から15μmであり、該トナ
ー粒子表面に体積基準平均粒径が0.05から1.0μ
mのスペーサー粒子が付着している。
【0012】
【作用】本発明の二成分系現像剤は、アゾ系染料、オキ
シカルボン酸金属錯体などの帯電制御剤をいっさい含有
しない。従って後述のように帯電制御剤に起因するスペ
ントが発生しないため長期間にわたり高画像品質の複写
が行われ得る。現像剤中のトナーは帯電制御剤をいっさ
い含有しないため、該トナーからはあらゆる化学的ある
いは物理的手段によってもこのような帯電制御剤、つま
り染料系の化合物は全く検出されない。例えば本発明の
現像剤に使用されるトナーからは、これらの化合物は化
学反応により検出されない。あるいは、本発明の現像剤
に使用されるトナーの有機溶媒抽出液からは、これらの
化合物に起因する吸収ピークが全く検出されない。例え
ば本発明の現像剤に使用されるトナーを有機溶媒、例え
ばメタノールで抽出すると、該抽出液は、280〜35
0nmの領域に実質的に吸収ピークを有さず、かつ40
0〜700nmの領域における吸光度が実質的にゼロで
ある。ここで、実質的に吸収ピークを有さずとは、トナ
ー0.1gをメタノール50mlで抽出した抽出液につ
いて、吸収ピークが全く検出されないか、検出されたと
してもそのピーク位置における吸光度が0.05以下で
あることをいう。同様に、吸光度が実質的にゼロである
とは、トナー0.1gをメタノール50mlで抽出した
抽出液の吸光度が0.05以下であることをいう。
シカルボン酸金属錯体などの帯電制御剤をいっさい含有
しない。従って後述のように帯電制御剤に起因するスペ
ントが発生しないため長期間にわたり高画像品質の複写
が行われ得る。現像剤中のトナーは帯電制御剤をいっさ
い含有しないため、該トナーからはあらゆる化学的ある
いは物理的手段によってもこのような帯電制御剤、つま
り染料系の化合物は全く検出されない。例えば本発明の
現像剤に使用されるトナーからは、これらの化合物は化
学反応により検出されない。あるいは、本発明の現像剤
に使用されるトナーの有機溶媒抽出液からは、これらの
化合物に起因する吸収ピークが全く検出されない。例え
ば本発明の現像剤に使用されるトナーを有機溶媒、例え
ばメタノールで抽出すると、該抽出液は、280〜35
0nmの領域に実質的に吸収ピークを有さず、かつ40
0〜700nmの領域における吸光度が実質的にゼロで
ある。ここで、実質的に吸収ピークを有さずとは、トナ
ー0.1gをメタノール50mlで抽出した抽出液につ
いて、吸収ピークが全く検出されないか、検出されたと
してもそのピーク位置における吸光度が0.05以下で
あることをいう。同様に、吸光度が実質的にゼロである
とは、トナー0.1gをメタノール50mlで抽出した
抽出液の吸光度が0.05以下であることをいう。
【0013】本発明の二成分系現像剤においては、トナ
ー中に上記帯電制御剤が含有されないことに起因する帯
電量の不安定性を次の事柄により補っている。まずその
第1にはトナー粒子中の定着用樹脂にアニオン性極性基
を有する樹脂を用いることであり、第2には、トナー粒
子中に磁性粉末を所定の割合で含有させることである。
本発明においては、さらにトナーの機能を高めるため
に、側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量体
を用いて得られる重合体を定着用樹脂の構成成分として
含有する。このことにより離型剤に起因するスペントの
発生が抑制される。さらに必要に応じて、トナー粒子の
表面に所定の粒径のスペーサー粒子を付着させることに
より、感光体から転写紙上への転写効率が高められる。
ー中に上記帯電制御剤が含有されないことに起因する帯
電量の不安定性を次の事柄により補っている。まずその
第1にはトナー粒子中の定着用樹脂にアニオン性極性基
を有する樹脂を用いることであり、第2には、トナー粒
子中に磁性粉末を所定の割合で含有させることである。
本発明においては、さらにトナーの機能を高めるため
に、側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量体
を用いて得られる重合体を定着用樹脂の構成成分として
含有する。このことにより離型剤に起因するスペントの
発生が抑制される。さらに必要に応じて、トナー粒子の
表面に所定の粒径のスペーサー粒子を付着させることに
より、感光体から転写紙上への転写効率が高められる。
【0014】本発明の第1の二成分系現像剤において
は、さらに、現像剤の機能を高めるためにキャリアの粒
子の被覆層にメチルシリコーン樹脂と所定の範囲の分子
量を有するメチル化メラミン樹脂とを含有させる。メチ
ル化メラミン樹脂はカチオン性極性基を有する樹脂であ
る。他方、トナー粒子にはアニオン性極性基を有する樹
脂が用いられるためトナー粒子の飛散が防止され、複写
物の画像にいわゆるカブリが生じない。このようにトナ
ーに安定した帯電性が付与される。さらにキャリアの粒
子の凝集およびスペントの発生がより一層低減され、流
動性および耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得られ
る。他方、本発明の第2の二成分系現像剤においては、
さらに、現像剤の機能を高めるためにキャリアの粒子の
被覆層にT単位を70%以上含むメチルシリコーン樹脂
を含有させる。このことによりキャリアの粒子の凝集お
よびスペントの発生がより一層低減され、流動性および
耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得られる。
は、さらに、現像剤の機能を高めるためにキャリアの粒
子の被覆層にメチルシリコーン樹脂と所定の範囲の分子
量を有するメチル化メラミン樹脂とを含有させる。メチ
ル化メラミン樹脂はカチオン性極性基を有する樹脂であ
る。他方、トナー粒子にはアニオン性極性基を有する樹
脂が用いられるためトナー粒子の飛散が防止され、複写
物の画像にいわゆるカブリが生じない。このようにトナ
ーに安定した帯電性が付与される。さらにキャリアの粒
子の凝集およびスペントの発生がより一層低減され、流
動性および耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得られ
る。他方、本発明の第2の二成分系現像剤においては、
さらに、現像剤の機能を高めるためにキャリアの粒子の
被覆層にT単位を70%以上含むメチルシリコーン樹脂
を含有させる。このことによりキャリアの粒子の凝集お
よびスペントの発生がより一層低減され、流動性および
耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得られる。
【0015】上記について、以下に詳細に説明する。
【0016】本発明の現像剤に使用されるトナーのメタ
ノール抽出液の200〜700nmにおける吸光度曲線
を図1に示す。この曲線に示されるように、この抽出液
は各帯電制御剤に起因するピークを全く有していない。
つまり280〜350nmの領域に実質的に吸収ピーク
を有さず、かつ400〜700nmの領域における吸光
度が実質的にゼロである。これに対してアゾ系クロム金
属錯塩染料を帯電制御剤として含有するトナーのメタノ
ール抽出液の吸光度曲線は400〜700nm、特に5
50〜570nmの範囲の領域にピークを有し(図
2)、そして、サリチル酸金属錯体を帯電制御剤として
含有するトナーのメタノール抽出液の吸光度曲線は28
0〜350nmの範囲の領域にピークを有する(図
3)。
ノール抽出液の200〜700nmにおける吸光度曲線
を図1に示す。この曲線に示されるように、この抽出液
は各帯電制御剤に起因するピークを全く有していない。
つまり280〜350nmの領域に実質的に吸収ピーク
を有さず、かつ400〜700nmの領域における吸光
度が実質的にゼロである。これに対してアゾ系クロム金
属錯塩染料を帯電制御剤として含有するトナーのメタノ
ール抽出液の吸光度曲線は400〜700nm、特に5
50〜570nmの範囲の領域にピークを有し(図
2)、そして、サリチル酸金属錯体を帯電制御剤として
含有するトナーのメタノール抽出液の吸光度曲線は28
0〜350nmの範囲の領域にピークを有する(図
3)。
【0017】上記帯電制御剤を含有するトナーのメタノ
ール抽出液に、帯電制御剤に起因する吸収が認められる
ということは、トナー粒子表面に帯電制御剤がかなりの
高濃度で存在しているためである。
ール抽出液に、帯電制御剤に起因する吸収が認められる
ということは、トナー粒子表面に帯電制御剤がかなりの
高濃度で存在しているためである。
【0018】スペントの発生によりキャリアの帯電性が
不充分となった現像剤のキャリアをメタノール抽出し、
その400〜700nmにおける吸光度を調べると、そ
の領域において、帯電制御剤に起因するピークが認めら
れる。例えば、図2に、その吸光度曲線が示される、ア
ゾ系クロム錯塩染料を含有するトナーを長時間使用し、
スペントが発生したときの、そのキャリアのメタノール
抽出液の吸光度曲線を図4に示す。図4においては、図
2における帯電制御剤と同様の位置にピークが認められ
る。従来においては、スペントは、トナーの定着用樹脂
がキャリアの粒子表面に付着して樹脂膜を形成するため
に生じると考えられていたが、上記事実により、スペン
ト発生の主な原因のひとつは帯電制御剤のトナー粒子か
らのキャリアの粒子表面への移行にあるということがわ
かった。
不充分となった現像剤のキャリアをメタノール抽出し、
その400〜700nmにおける吸光度を調べると、そ
の領域において、帯電制御剤に起因するピークが認めら
れる。例えば、図2に、その吸光度曲線が示される、ア
ゾ系クロム錯塩染料を含有するトナーを長時間使用し、
スペントが発生したときの、そのキャリアのメタノール
抽出液の吸光度曲線を図4に示す。図4においては、図
2における帯電制御剤と同様の位置にピークが認められ
る。従来においては、スペントは、トナーの定着用樹脂
がキャリアの粒子表面に付着して樹脂膜を形成するため
に生じると考えられていたが、上記事実により、スペン
ト発生の主な原因のひとつは帯電制御剤のトナー粒子か
らのキャリアの粒子表面への移行にあるということがわ
かった。
【0019】発明者らは、さらに帯電制御剤とスペント
との関係を調べるために、次の実験を行った。まず帯電
制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を1.5重量%の割
合で含有するトナー粒子を有するトナーと、キャリアと
を混合し、現像剤とした。この現像剤のトナーとキャリ
アとの混合・攪拌操作を続けたときの経過時間とスペン
トによりキャリアの粒子表面に付着した付着物の重量と
の関係を図5に示す。付着物の重量は、付着物を有する
キャリアの総重量に対する百分率でスペント率として図
5に示す。さらに、経過時間とトナーの帯電量との関係
を図6に示す。さらに上記帯電制御剤を含有しないトナ
ー粒子を有するトナーとキャリアとを含む現像剤につい
ても、同様の測定を行った。その結果もあわせて図5お
よび6に示す。図5および6において、黒丸のプロット
は帯電制御剤を含有するトナーの測定値、白丸のプロッ
トは帯電制御剤を有していないトナーの測定値を示す。
図5および6から帯電制御剤を含有するトナーは帯電制
御剤を含有しないトナーに比べて、スペントによりキャ
リアの粒子表面に付着物が多く形成され、帯電量の低下
の度合も大きいことがわかる。
との関係を調べるために、次の実験を行った。まず帯電
制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を1.5重量%の割
合で含有するトナー粒子を有するトナーと、キャリアと
を混合し、現像剤とした。この現像剤のトナーとキャリ
アとの混合・攪拌操作を続けたときの経過時間とスペン
トによりキャリアの粒子表面に付着した付着物の重量と
の関係を図5に示す。付着物の重量は、付着物を有する
キャリアの総重量に対する百分率でスペント率として図
5に示す。さらに、経過時間とトナーの帯電量との関係
を図6に示す。さらに上記帯電制御剤を含有しないトナ
ー粒子を有するトナーとキャリアとを含む現像剤につい
ても、同様の測定を行った。その結果もあわせて図5お
よび6に示す。図5および6において、黒丸のプロット
は帯電制御剤を含有するトナーの測定値、白丸のプロッ
トは帯電制御剤を有していないトナーの測定値を示す。
図5および6から帯電制御剤を含有するトナーは帯電制
御剤を含有しないトナーに比べて、スペントによりキャ
リアの粒子表面に付着物が多く形成され、帯電量の低下
の度合も大きいことがわかる。
【0020】スペントによりキャリアの粒子表面に付着
したトナー成分の重量を経時的に測定し、これを横軸に
(スペント量として示す)、そしてそのトナー成分中に
おける帯電制御剤の量を縦軸にとったグラフを図7に示
す。点線は、スペントにより付着したトナー成分が、ト
ナー粒子を形成する成分と同一であると仮定した場合に
おける帯電制御剤の量を示す。図7から、現像剤使用の
初期において帯電制御剤が大量に析出し、キャリアの粒
子表面に付着することがわかる。図7において、スペン
ト量の増大に伴って、測定値が点線で示される計算値に
近づくのは、これがトナーの補給のない閉鎖系での実験
結果であるためであり、複写機内でのトナーの入れ換え
がある場合には、両者の差は、さらに広がると考えられ
る。
したトナー成分の重量を経時的に測定し、これを横軸に
(スペント量として示す)、そしてそのトナー成分中に
おける帯電制御剤の量を縦軸にとったグラフを図7に示
す。点線は、スペントにより付着したトナー成分が、ト
ナー粒子を形成する成分と同一であると仮定した場合に
おける帯電制御剤の量を示す。図7から、現像剤使用の
初期において帯電制御剤が大量に析出し、キャリアの粒
子表面に付着することがわかる。図7において、スペン
ト量の増大に伴って、測定値が点線で示される計算値に
近づくのは、これがトナーの補給のない閉鎖系での実験
結果であるためであり、複写機内でのトナーの入れ換え
がある場合には、両者の差は、さらに広がると考えられ
る。
【0021】さらに発明者らは、トナー粒子を構成して
いる成分とスペントとの関係を調べるため、帯電制御
剤、定着用樹脂、着色剤であるカーボンブラック、およ
びワックスと、キャリアとを各々混合・攪拌したときの
時間経過により生じたキャリアの粒子表面の付着物の重
量を測定した。その結果を図8に示す。図8において、
白丸は帯電制御剤、黒丸はカーボンブラック、四角は定
着用樹脂、そして三角はワックスを用いて試験を行った
ときの結果を示す。図8から帯電制御剤が最もスペント
によるキャリアの粒子表面への付着を起こしやすいこと
がわかる。
いる成分とスペントとの関係を調べるため、帯電制御
剤、定着用樹脂、着色剤であるカーボンブラック、およ
びワックスと、キャリアとを各々混合・攪拌したときの
時間経過により生じたキャリアの粒子表面の付着物の重
量を測定した。その結果を図8に示す。図8において、
白丸は帯電制御剤、黒丸はカーボンブラック、四角は定
着用樹脂、そして三角はワックスを用いて試験を行った
ときの結果を示す。図8から帯電制御剤が最もスペント
によるキャリアの粒子表面への付着を起こしやすいこと
がわかる。
【0022】以上の事実から従来の二成分系磁性現像剤
のスペントによる帯電不良は次のように説明される。ま
ず、図9の上部に示すように現像剤の使用初期において
は、キャリアの粒子1がプラスに、そしてトナー2がマ
イナスに帯電しており、トナーは、負極性トナー21と
して存在している。この現像剤を使用しているとトナー
粒子中の帯電制御剤を主成分とするトナー成分が、キャ
リアの粒子1の表面に付着する。このスペントにより形
成された付着物201はマイナスに帯電するためこの付
着物201に対してプラスの電荷を有するトナー、つま
り逆極性トナー22が形成される。この逆極性トナー2
2がキャリアの粒子1表面に形成されるためトナー飛散
が発生したり、転写効率が低下する。
のスペントによる帯電不良は次のように説明される。ま
ず、図9の上部に示すように現像剤の使用初期において
は、キャリアの粒子1がプラスに、そしてトナー2がマ
イナスに帯電しており、トナーは、負極性トナー21と
して存在している。この現像剤を使用しているとトナー
粒子中の帯電制御剤を主成分とするトナー成分が、キャ
リアの粒子1の表面に付着する。このスペントにより形
成された付着物201はマイナスに帯電するためこの付
着物201に対してプラスの電荷を有するトナー、つま
り逆極性トナー22が形成される。この逆極性トナー2
2がキャリアの粒子1表面に形成されるためトナー飛散
が発生したり、転写効率が低下する。
【0023】このように帯電制御剤は、上記のように、
重金属を含有する場合もあるため含有されないことが好
ましく、さらに上記のようにスペントの主な原因とな
り、トナー飛散の発生、転写効率の低下などを引き起こ
すため、本発明の現像剤に使用されるトナーにおいて
は、この帯電制御剤を全く含有しない。
重金属を含有する場合もあるため含有されないことが好
ましく、さらに上記のようにスペントの主な原因とな
り、トナー飛散の発生、転写効率の低下などを引き起こ
すため、本発明の現像剤に使用されるトナーにおいて
は、この帯電制御剤を全く含有しない。
【0024】この帯電制御剤を含有しないことに伴う帯
電量の不安定性、主として帯電量の不足は、上記のよう
に、第1にはアニオン性極性基を有する定着用樹脂をト
ナーに用いることにより補われる。アニオン性極性基に
より定着用樹脂自体に負電荷が付与されるためトナー粒
子の帯電量の不足が補われる。この極性基は樹脂自体の
骨格に結合して存在するため、帯電制御剤のようにキャ
リアの粒子表面に移行し、スペントの原因となることは
ない。しかし逆に、トナー粒子の表面付近の帯電性は、
それ程大きくないので、現像時の磁気ブラシにおけるト
ナー粒子とキャリアの粒子とのクーロン力による結合は
未だ不充分である。従って、高速複写が行われるとキャ
リアの粒子との結合性が弱いため、トナーの飛散が充分
に抑制されない。トナーの飛散により複写機内が汚染さ
れ、複写物の画像にいわゆるカブリを生じるという欠点
がある。
電量の不安定性、主として帯電量の不足は、上記のよう
に、第1にはアニオン性極性基を有する定着用樹脂をト
ナーに用いることにより補われる。アニオン性極性基に
より定着用樹脂自体に負電荷が付与されるためトナー粒
子の帯電量の不足が補われる。この極性基は樹脂自体の
骨格に結合して存在するため、帯電制御剤のようにキャ
リアの粒子表面に移行し、スペントの原因となることは
ない。しかし逆に、トナー粒子の表面付近の帯電性は、
それ程大きくないので、現像時の磁気ブラシにおけるト
ナー粒子とキャリアの粒子とのクーロン力による結合は
未だ不充分である。従って、高速複写が行われるとキャ
リアの粒子との結合性が弱いため、トナーの飛散が充分
に抑制されない。トナーの飛散により複写機内が汚染さ
れ、複写物の画像にいわゆるカブリを生じるという欠点
がある。
【0025】本発明においては、上記のように第2の要
件としてトナー粒子中に磁性粉末を所定の割合で、つま
り定着用樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部の
割合で含有させることを採用しており、このことにより
トナー粒子の帯電量の不足を補っている。トナー粒子中
に磁性粉末が含有されるため、トナー粒子とキャリアの
粒子との間に磁気的な吸引力が生じる。このようにトナ
ー粒子とキャリアの粒子との間のクーロン力に加えて磁
気的な吸引力が生じるため、トナーの飛散が防止され
る。一般にトナー粒子1個あたりの帯電量が少ない程、
所定の静電潜像に付着するトナー粒子の数が増加するの
で、みかけの現像感度が増大する。
件としてトナー粒子中に磁性粉末を所定の割合で、つま
り定着用樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部の
割合で含有させることを採用しており、このことにより
トナー粒子の帯電量の不足を補っている。トナー粒子中
に磁性粉末が含有されるため、トナー粒子とキャリアの
粒子との間に磁気的な吸引力が生じる。このようにトナ
ー粒子とキャリアの粒子との間のクーロン力に加えて磁
気的な吸引力が生じるため、トナーの飛散が防止され
る。一般にトナー粒子1個あたりの帯電量が少ない程、
所定の静電潜像に付着するトナー粒子の数が増加するの
で、みかけの現像感度が増大する。
【0026】上記磁性粉末のトナー粒子中の含有量は、
前述のように定着用樹脂あたり0.1〜5重量部であ
る。磁性粉末の含有量が0.1重量部を下まわると上記
のようにトナーの帯電量が不充分であるため、キャリア
の粒子と充分に結合せず、そのためトナーが飛散しやす
い。つまり複写物の画像に、いわゆるカブリを生じると
いう欠点がある。帯電量が不充分であるため、画像濃度
も低い。磁性粉末の含有量が5重量部を上まわるとキャ
リアの粒子とトナー粒子との結合力が大きくなりすぎ、
そのため静電潜像に充分にトナーが付着せず、その結
果、画像濃度が低くなる。
前述のように定着用樹脂あたり0.1〜5重量部であ
る。磁性粉末の含有量が0.1重量部を下まわると上記
のようにトナーの帯電量が不充分であるため、キャリア
の粒子と充分に結合せず、そのためトナーが飛散しやす
い。つまり複写物の画像に、いわゆるカブリを生じると
いう欠点がある。帯電量が不充分であるため、画像濃度
も低い。磁性粉末の含有量が5重量部を上まわるとキャ
リアの粒子とトナー粒子との結合力が大きくなりすぎ、
そのため静電潜像に充分にトナーが付着せず、その結
果、画像濃度が低くなる。
【0027】これまでに画像の解像度の向上などを目的
としてトナー粒子中に磁性粉末を含有させる(内添す
る)試みがなされている。例えば特開昭56−1062
49号公報には、10重量%のフェライトを含有するト
ナー粒子が開示され、特開昭59−162563号公報
には、5〜35重量%の磁性微粉末を含有するトナー粒
子が開示されている。しかし、いずれの場合においても
磁性粉末の量が過剰であるため、得られる複写物の画像
濃度が低くなる。特開平3−67268号公報には磁性
粉末を0.05〜2重量%の割合で外添したトナーが開
示されている。しかし、磁性粉末は、トナー粒子中に内
添されていないのでトナー粒子表面に不均一に付着しや
すく、トナー粒子とキャリアの粒子との間の磁気的吸引
力が不足する。上記いずれの従来技術においてもトナー
中に帯電制御剤が含有されているためスペントが生じ得
る。
としてトナー粒子中に磁性粉末を含有させる(内添す
る)試みがなされている。例えば特開昭56−1062
49号公報には、10重量%のフェライトを含有するト
ナー粒子が開示され、特開昭59−162563号公報
には、5〜35重量%の磁性微粉末を含有するトナー粒
子が開示されている。しかし、いずれの場合においても
磁性粉末の量が過剰であるため、得られる複写物の画像
濃度が低くなる。特開平3−67268号公報には磁性
粉末を0.05〜2重量%の割合で外添したトナーが開
示されている。しかし、磁性粉末は、トナー粒子中に内
添されていないのでトナー粒子表面に不均一に付着しや
すく、トナー粒子とキャリアの粒子との間の磁気的吸引
力が不足する。上記いずれの従来技術においてもトナー
中に帯電制御剤が含有されているためスペントが生じ得
る。
【0028】通常、転写像をヒートロールで熱定着する
場合、転写紙へのオフセットを防止するためにトナー粒
子中に離型剤が含有される。この離型剤として、各種ワ
ックス類やオレフィン系樹脂などが使用される。これら
は、トナー製造工程において、定着用樹脂や磁性粉末と
共に加熱・混練される。ところが、離型剤は、通常用い
られる定着用樹脂とはSP値(溶解性パラメーター値)
が異なるため相溶性が悪く、上記加熱・混練時に樹脂中
に充分に分散しない。そのため得られるトナー粒子に
は、この離型剤が比較的大きな粒子状で不均一に存在
し、トナー粒子表面にも離型剤の粒子が存在している。
従って、このようなトナー粒子を使用するとキャリアの
粒子表面にこの離型剤がスペントとして付着することに
なる。これに対して、本発明においては、上記のように
定着用樹脂が側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有す
る単量体を用いて得られる重合体を含有するため、離型
剤と本発明に用いられる定着用樹脂との相溶性が向上し
上記スペントの問題が解消される。
場合、転写紙へのオフセットを防止するためにトナー粒
子中に離型剤が含有される。この離型剤として、各種ワ
ックス類やオレフィン系樹脂などが使用される。これら
は、トナー製造工程において、定着用樹脂や磁性粉末と
共に加熱・混練される。ところが、離型剤は、通常用い
られる定着用樹脂とはSP値(溶解性パラメーター値)
が異なるため相溶性が悪く、上記加熱・混練時に樹脂中
に充分に分散しない。そのため得られるトナー粒子に
は、この離型剤が比較的大きな粒子状で不均一に存在
し、トナー粒子表面にも離型剤の粒子が存在している。
従って、このようなトナー粒子を使用するとキャリアの
粒子表面にこの離型剤がスペントとして付着することに
なる。これに対して、本発明においては、上記のように
定着用樹脂が側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有す
る単量体を用いて得られる重合体を含有するため、離型
剤と本発明に用いられる定着用樹脂との相溶性が向上し
上記スペントの問題が解消される。
【0029】本発明においては、さらにトナー像の転写
効率を高めるため、好ましくはトナー粒子表面に、粒径
が0.05〜1.0μmのスペーサー粒子を付着させ
る。このスペーサー粒子は、トナー粒子の流動性改良剤
として作用し得るとともに感光体の静電潜像に付着した
ときに感光体とトナー粒子との間に間隙を形成する。そ
のため長時間の複写によりトナーの帯電量が高くなった
としてもトナーが感光体表面から容易に転写され得るた
め転写効率が高くなる。このスペーサー粒子がトナー粒
子に内添されるのと同様の磁性粉末の粒子である場合に
は、トナー粒子とキャリアの粒子との結合能力がより高
くなり、トナー飛散やカブリをより低減できる。
効率を高めるため、好ましくはトナー粒子表面に、粒径
が0.05〜1.0μmのスペーサー粒子を付着させ
る。このスペーサー粒子は、トナー粒子の流動性改良剤
として作用し得るとともに感光体の静電潜像に付着した
ときに感光体とトナー粒子との間に間隙を形成する。そ
のため長時間の複写によりトナーの帯電量が高くなった
としてもトナーが感光体表面から容易に転写され得るた
め転写効率が高くなる。このスペーサー粒子がトナー粒
子に内添されるのと同様の磁性粉末の粒子である場合に
は、トナー粒子とキャリアの粒子との結合能力がより高
くなり、トナー飛散やカブリをより低減できる。
【0030】従来のトナーの流動性改良剤として粒径
0.015μm程度の微粒子が外添剤として用いられて
いるが、この様な粒子は感光体とトナー粒子との間に充
分な間隙を形成しないため上記の目的のスペーサー粒子
としては機能しない。
0.015μm程度の微粒子が外添剤として用いられて
いるが、この様な粒子は感光体とトナー粒子との間に充
分な間隙を形成しないため上記の目的のスペーサー粒子
としては機能しない。
【0031】本発明においては、キャリアのコア粒子の
素材として特定のマグネタイトまたはフェライトが用い
られる。これらの化合物は、環境変化あるいは経時変化
による電気抵抗の変化が少ないため、現像剤に安定した
帯電性を付与し得る。さらに、現像装置内において磁場
がかけられると柔らかい穂を形成し得るため、感光体に
形成されるトナー像が乱れにくくなり、複写物の画像に
いわゆる白スジが生じない。
素材として特定のマグネタイトまたはフェライトが用い
られる。これらの化合物は、環境変化あるいは経時変化
による電気抵抗の変化が少ないため、現像剤に安定した
帯電性を付与し得る。さらに、現像装置内において磁場
がかけられると柔らかい穂を形成し得るため、感光体に
形成されるトナー像が乱れにくくなり、複写物の画像に
いわゆる白スジが生じない。
【0032】本発明の第1の二成分系現像剤において
は、上記のようにさらに、キャリアの粒子の被覆層にメ
チルシリコーン樹脂と所定の範囲の分子量、すなわち7
00以上の重量平均分子量を有するメチル化メラミン樹
脂とを含有させている。メチル化メラミン樹脂はアミノ
基、つまりカチオン性基を有する樹脂である。このよう
にキャリアの粒子の被覆層にカチオン性極性基を有する
樹脂を含有させていることにより、キャリアに帯電性が
付与される。これにより、このキャリアを帯電制御剤が
配合されていないトナーと組み合わせた場合にも、トナ
ーの帯電性が顕著に向上する。その結果、トナーの帯電
性が安定する。さらに、従来のような帯電制御剤を含有
させていないため、キャリアの粒子へのスペントの発生
を有効に防止しているので現像剤の長寿命化がはかられ
る。
は、上記のようにさらに、キャリアの粒子の被覆層にメ
チルシリコーン樹脂と所定の範囲の分子量、すなわち7
00以上の重量平均分子量を有するメチル化メラミン樹
脂とを含有させている。メチル化メラミン樹脂はアミノ
基、つまりカチオン性基を有する樹脂である。このよう
にキャリアの粒子の被覆層にカチオン性極性基を有する
樹脂を含有させていることにより、キャリアに帯電性が
付与される。これにより、このキャリアを帯電制御剤が
配合されていないトナーと組み合わせた場合にも、トナ
ーの帯電性が顕著に向上する。その結果、トナーの帯電
性が安定する。さらに、従来のような帯電制御剤を含有
させていないため、キャリアの粒子へのスペントの発生
を有効に防止しているので現像剤の長寿命化がはかられ
る。
【0033】一般に、シリコーン樹脂をキャリアの粒子
の被覆層に使用すると、スペントの発生が低減され、そ
して凝集の発生も低減されて流動性が向上する。本発明
においては、フェニル基を有しないメチルシリコーン樹
脂を用いる。このことによりスペントおよび凝集の発生
を防ぐ効果がさらに高まる。このメチルシリコーン樹脂
と組み合わせて、メラミン樹脂を被覆層に含有させる
と、上記のように安定した帯電性が得られる。本発明の
第1の現像剤においては、メラミン樹脂として、重量平
均分子量700以上のメチル化メラミン樹脂を使用す
る。このように、メラミン樹脂の種類をメチル化メラミ
ン樹脂に限定し、さらに分子量を所定の値以上に限定す
ることで、以下のような利点が得られる。すなわち、一
般に、シリコーン樹脂とメラミン樹脂とは相溶性が悪い
ため、被覆層においては、シリコーン樹脂中にメラミン
樹脂の粒塊が分散した構造となる。しかし、上記のよう
な本発明に用いられる特定のメチル化メラミン樹脂の硬
化物はメチルシリコーン樹脂の硬化物と同程度に硬度が
高いので、上記のような分散構造であっても、キャリア
が現像装置内で繰り返し撹拌されることでメラミン樹脂
の粒塊が被覆層中から脱落することなく、被覆層表面の
均一性が低下することが防止される。従って、キャリア
の粒子の凝集およびスペントの発生がより一層低減さ
れ、流動性および耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得
られる。
の被覆層に使用すると、スペントの発生が低減され、そ
して凝集の発生も低減されて流動性が向上する。本発明
においては、フェニル基を有しないメチルシリコーン樹
脂を用いる。このことによりスペントおよび凝集の発生
を防ぐ効果がさらに高まる。このメチルシリコーン樹脂
と組み合わせて、メラミン樹脂を被覆層に含有させる
と、上記のように安定した帯電性が得られる。本発明の
第1の現像剤においては、メラミン樹脂として、重量平
均分子量700以上のメチル化メラミン樹脂を使用す
る。このように、メラミン樹脂の種類をメチル化メラミ
ン樹脂に限定し、さらに分子量を所定の値以上に限定す
ることで、以下のような利点が得られる。すなわち、一
般に、シリコーン樹脂とメラミン樹脂とは相溶性が悪い
ため、被覆層においては、シリコーン樹脂中にメラミン
樹脂の粒塊が分散した構造となる。しかし、上記のよう
な本発明に用いられる特定のメチル化メラミン樹脂の硬
化物はメチルシリコーン樹脂の硬化物と同程度に硬度が
高いので、上記のような分散構造であっても、キャリア
が現像装置内で繰り返し撹拌されることでメラミン樹脂
の粒塊が被覆層中から脱落することなく、被覆層表面の
均一性が低下することが防止される。従って、キャリア
の粒子の凝集およびスペントの発生がより一層低減さ
れ、流動性および耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得
られる。
【0034】本発明の第2の二成分系現像剤において
は、上記のように、キャリアの粒子の被覆層にT単位、
すなわち3官能性単位(RSiO1.5)を70%以上含
むメチルシリコーン樹脂を含有させている。ここでRは
メチル基である。前述のように、メチルシリコーン樹脂
は凝集およびスペントの防止効果に優れている。本発明
においては、メチルシリコーン樹脂のT単位を70%以
上とすることで、メチルシリコーン樹脂の硬化により形
成される3次元網目状構造がより緻密な構造となり、得
られる被覆層表面の硬度および均一性が向上し、凝集お
よびスペントの防止効果がさらに高まる。従って、流動
性および耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得られる。
T単位が70未満であると、架橋に寄与しないD単位、
すなわち2官能性単位(R2SiO)および分子量を低
下させるM単位、すなわち1官能性単位(R3Si
O0.5)の割合が、相対的に増加し、緻密な3次元網目
状構造が形成できない。
は、上記のように、キャリアの粒子の被覆層にT単位、
すなわち3官能性単位(RSiO1.5)を70%以上含
むメチルシリコーン樹脂を含有させている。ここでRは
メチル基である。前述のように、メチルシリコーン樹脂
は凝集およびスペントの防止効果に優れている。本発明
においては、メチルシリコーン樹脂のT単位を70%以
上とすることで、メチルシリコーン樹脂の硬化により形
成される3次元網目状構造がより緻密な構造となり、得
られる被覆層表面の硬度および均一性が向上し、凝集お
よびスペントの防止効果がさらに高まる。従って、流動
性および耐久性に優れた、長寿命の現像剤が得られる。
T単位が70未満であると、架橋に寄与しないD単位、
すなわち2官能性単位(R2SiO)および分子量を低
下させるM単位、すなわち1官能性単位(R3Si
O0.5)の割合が、相対的に増加し、緻密な3次元網目
状構造が形成できない。
【0035】
【発明の好適態様】以下に、本発明の好適態様について
記載する。以下、本明細書において「低級アルキル基」
とは、炭素数1〜5のアルキル基をさしていう。
記載する。以下、本明細書において「低級アルキル基」
とは、炭素数1〜5のアルキル基をさしていう。
【0036】(定着用樹脂)本発明の二成分系現像剤の
トナー粒子に含まれる定着用樹脂は、(1)アニオン性
極性基を有する単量体および側鎖に炭素数12以上のア
ルキル基を有する単量体を含む共重合体組成物、および
(2)アニオン性極性基を有する単量体を含む単量体か
ら得られる重合体組成物と側鎖に炭素数12以上のアル
キル基を有する単量体を含む単量体から得られる重合体
組成物とからなる樹脂組成物の少なくとも一方を含む組
成物でなる。本明細書において、単量体についての「側
鎖」とは、当該単量体を用いて得られた(共)重合体の
側鎖を形成し得る部位をいう。
トナー粒子に含まれる定着用樹脂は、(1)アニオン性
極性基を有する単量体および側鎖に炭素数12以上のア
ルキル基を有する単量体を含む共重合体組成物、および
(2)アニオン性極性基を有する単量体を含む単量体か
ら得られる重合体組成物と側鎖に炭素数12以上のアル
キル基を有する単量体を含む単量体から得られる重合体
組成物とからなる樹脂組成物の少なくとも一方を含む組
成物でなる。本明細書において、単量体についての「側
鎖」とは、当該単量体を用いて得られた(共)重合体の
側鎖を形成し得る部位をいう。
【0037】アニオン性極性基を有する単量体および側
鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量体を含む
共重合体組成物は、アニオン性極性基を有する単量体お
よび側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量体
を用いて共重合を行うことにより得られ、アニオン性極
性基を有する単量体と側鎖に炭素数12以上のアルキル
基を有する単量体との共重合体、あるいはこれらの単量
体と他の単量体との共重合体であり得る。
鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量体を含む
共重合体組成物は、アニオン性極性基を有する単量体お
よび側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量体
を用いて共重合を行うことにより得られ、アニオン性極
性基を有する単量体と側鎖に炭素数12以上のアルキル
基を有する単量体との共重合体、あるいはこれらの単量
体と他の単量体との共重合体であり得る。
【0038】アニオン性極性基を有する単量体を含む単
量体から得られる重合体組成物と側鎖に炭素数12以上
のアルキル基を有する単量体を含む単量体から得られる
重合体組成物とからなる樹脂組成物において、アニオン
性極性基を有する単量体を含む単量体から得られる重合
体組成物は、アニオン性極性基を有する単量体の単独重
合体あるいは他の単量体との共重合体であり得、側鎖に
炭素数12以上のアルキル基を有する単量体を含む単量
体から得られる重合体組成物は、側鎖に炭素数12以上
のアルキル基を有する単量体の単独重合体あるいは他の
単量体との共重合体であり得る。上記の共重合体は、い
ずれもランダム共重合体、ブロック共重合体あるいはグ
ラフト共重合体であり得る。
量体から得られる重合体組成物と側鎖に炭素数12以上
のアルキル基を有する単量体を含む単量体から得られる
重合体組成物とからなる樹脂組成物において、アニオン
性極性基を有する単量体を含む単量体から得られる重合
体組成物は、アニオン性極性基を有する単量体の単独重
合体あるいは他の単量体との共重合体であり得、側鎖に
炭素数12以上のアルキル基を有する単量体を含む単量
体から得られる重合体組成物は、側鎖に炭素数12以上
のアルキル基を有する単量体の単独重合体あるいは他の
単量体との共重合体であり得る。上記の共重合体は、い
ずれもランダム共重合体、ブロック共重合体あるいはグ
ラフト共重合体であり得る。
【0039】本発明に用いられる定着用樹脂は、好適に
は、上記(1)アニオン性極性基を有する単量体および
側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量体を含
む共重合体組成物であり、より好適には、アニオン性極
性基を有する単量体と、側鎖に炭素数12以上のアルキ
ル基を有する単量体と、他の単量体との共重合体であ
る。
は、上記(1)アニオン性極性基を有する単量体および
側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量体を含
む共重合体組成物であり、より好適には、アニオン性極
性基を有する単量体と、側鎖に炭素数12以上のアルキ
ル基を有する単量体と、他の単量体との共重合体であ
る。
【0040】アニオン性極性基を有する単量体として
は、カルボン酸基、スルホン酸基、またはホスホン酸基
を有する単量体が挙げられ、カルボン酸基を有する単量
体が汎用される。カルボン酸基を有する単量体として
は、エチレン性不飽和カルボン酸が用いられ、それに
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸などがあり、無水マレイン酸のようなカ
ルボン酸基を形成し得る単量体、あるいはマレイン酸や
フマール酸のようなジカルボン酸の低級アルキルハーフ
エステルも使用され得る。スルホン酸基を有する単量体
としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。ホス
ホン酸基を有する単量体としては、2−アシッドホスホ
キシプロピルメタクリレート、2−アシッドホスホキシ
エチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホス
ホキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
は、カルボン酸基、スルホン酸基、またはホスホン酸基
を有する単量体が挙げられ、カルボン酸基を有する単量
体が汎用される。カルボン酸基を有する単量体として
は、エチレン性不飽和カルボン酸が用いられ、それに
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸などがあり、無水マレイン酸のようなカ
ルボン酸基を形成し得る単量体、あるいはマレイン酸や
フマール酸のようなジカルボン酸の低級アルキルハーフ
エステルも使用され得る。スルホン酸基を有する単量体
としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。ホス
ホン酸基を有する単量体としては、2−アシッドホスホ
キシプロピルメタクリレート、2−アシッドホスホキシ
エチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホス
ホキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
【0041】これらのアニオン性極性基含有単量体は、
遊離の酸であっても、ナトリウム、カリウムなどのアル
カリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土
類金属、亜鉛などの塩であってもよい。
遊離の酸であっても、ナトリウム、カリウムなどのアル
カリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土
類金属、亜鉛などの塩であってもよい。
【0042】次に側鎖に炭素数12以上のアルキル基を
有する単量体について説明する。炭素数12以上のアル
キル基は非環式直鎖状炭化水素基、非環式分岐状炭化水
素基および環式炭化水素基を含む。
有する単量体について説明する。炭素数12以上のアル
キル基は非環式直鎖状炭化水素基、非環式分岐状炭化水
素基および環式炭化水素基を含む。
【0043】側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有す
る単量体としては、エステル結合で結合された炭素数1
2以上のアルキル基を有するアクリル酸またはメタクリ
ル酸エステルなどのアクリルエステル系単量体、エステ
ル結合で結合された炭素数12以上のアルキル基を有す
るビニルエステル系単量体、エーテル結合で結合された
炭素数12以上のアルキル基を有するビニルエーテル系
単量体、1位に2重結合を有する炭素数14以上のオレ
フィン系単量体、炭素数12以上のアルキル基からなる
置換基を少なくとも1つ有するモノビニル芳香族系単量
体、および1位と3位に2重結合を有しかつ炭素数12
以上のアルキル基を少なくとも1つ有するジオレフィン
系単量体等が挙げられ、これらは単独または2種類以上
混合して用い得る。
る単量体としては、エステル結合で結合された炭素数1
2以上のアルキル基を有するアクリル酸またはメタクリ
ル酸エステルなどのアクリルエステル系単量体、エステ
ル結合で結合された炭素数12以上のアルキル基を有す
るビニルエステル系単量体、エーテル結合で結合された
炭素数12以上のアルキル基を有するビニルエーテル系
単量体、1位に2重結合を有する炭素数14以上のオレ
フィン系単量体、炭素数12以上のアルキル基からなる
置換基を少なくとも1つ有するモノビニル芳香族系単量
体、および1位と3位に2重結合を有しかつ炭素数12
以上のアルキル基を少なくとも1つ有するジオレフィン
系単量体等が挙げられ、これらは単独または2種類以上
混合して用い得る。
【0044】上記側鎖に炭素数12以上のアルキル基を
有するアクリルエステル系単量体は、次の一般式(I)
で示される:
有するアクリルエステル系単量体は、次の一般式(I)
で示される:
【0045】
【化1】
【0046】ここで、R1は水素原子または低級アルキ
ル基、R2は炭素数12以上のアルキル基である。
ル基、R2は炭素数12以上のアルキル基である。
【0047】このような単量体としては、アクリル酸ラ
ウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸ドコシル、アクリル酸ジシクロヘキシル
メチル、アクリル酸ジシクロヘキシルプロピル、アクリ
ル酸シクロドデシル、アクリル酸シクロウンデカンメチ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、
メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ドコシル、メタ
クリル酸ジシクロヘキシルメチル、メタクリル酸ジシク
ロヘキシルプロピル、メタクリル酸シクロドデシル、メ
タクリル酸シクロウンデカンメチル等を挙げることがで
きる。
ウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸ドコシル、アクリル酸ジシクロヘキシル
メチル、アクリル酸ジシクロヘキシルプロピル、アクリ
ル酸シクロドデシル、アクリル酸シクロウンデカンメチ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、
メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ドコシル、メタ
クリル酸ジシクロヘキシルメチル、メタクリル酸ジシク
ロヘキシルプロピル、メタクリル酸シクロドデシル、メ
タクリル酸シクロウンデカンメチル等を挙げることがで
きる。
【0048】上記側鎖に炭素数12以上のアルキル基を
有するビニルエステル系単量体は、次の一般式(II)で
示される:
有するビニルエステル系単量体は、次の一般式(II)で
示される:
【0049】
【化2】
【0050】ここで、R3は炭素数12以上のアルキル
基である。
基である。
【0051】このような単量体としては、ラウリン酸ビ
ニル、トリデカン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ドコ
サン酸ビニル、トリアコンタン酸ビニル、ペンチルシク
ロヘキサン酸ビニル、ジシクロヘキシル酢酸ビニル等を
挙げることができる。
ニル、トリデカン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ドコ
サン酸ビニル、トリアコンタン酸ビニル、ペンチルシク
ロヘキサン酸ビニル、ジシクロヘキシル酢酸ビニル等を
挙げることができる。
【0052】上記側鎖に炭素数12以上のアルキル基を
有するビニルエーテル系単量体は、次の一般式(III)
で示される:
有するビニルエーテル系単量体は、次の一般式(III)
で示される:
【0053】
【化3】
【0054】ここで、R4は炭素数12以上のアルキル
基である。
基である。
【0055】このような単量体としては、ビニルラウリ
ルエーテル、ビニルステアリルエーテル、ビニルドコシ
ルエーテル、ビニルシクロドデシルエーテル等を挙げる
ことができる。
ルエーテル、ビニルステアリルエーテル、ビニルドコシ
ルエーテル、ビニルシクロドデシルエーテル等を挙げる
ことができる。
【0056】上記1位に2重結合を有する炭素数14以
上のモノオレフィン系単量体は、次の一般式(IV)で示
される:
上のモノオレフィン系単量体は、次の一般式(IV)で示
される:
【0057】
【化4】
【0058】ここで、R5、およびR6は各々独立して水
素原子または炭素数12以上のアルキル基である。
素原子または炭素数12以上のアルキル基である。
【0059】このような単量体としては、1−テトラデ
セン、1−エイコセン等を挙げることができる。
セン、1−エイコセン等を挙げることができる。
【0060】上記炭素数12以上のアルキル基からなる
置換基を少なくとも1つ有するモノビニル芳香族系単量
体は、次の一般式(V)で示される:
置換基を少なくとも1つ有するモノビニル芳香族系単量
体は、次の一般式(V)で示される:
【0061】
【化5】
【0062】ここで、R7は水素原子、低級アルキル
基、炭素数12以上のアルキル基またはハロゲン原子で
あり、R8はアルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、また
は炭素数12以上のアルキル基であり、Φはフェニレン
基である。フェニレン基はさらに他の置換基を有してい
てもよく、その場合置換基として、低級アルキル基、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、炭素
数12以上のアルキル基などを挙げることができる。ま
た、炭素数12以上のアルキル基は、エステル結合、
(チオ)エーテル結合、アミド結合などを介して結合し
ていてもよい。
基、炭素数12以上のアルキル基またはハロゲン原子で
あり、R8はアルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、また
は炭素数12以上のアルキル基であり、Φはフェニレン
基である。フェニレン基はさらに他の置換基を有してい
てもよく、その場合置換基として、低級アルキル基、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、炭素
数12以上のアルキル基などを挙げることができる。ま
た、炭素数12以上のアルキル基は、エステル結合、
(チオ)エーテル結合、アミド結合などを介して結合し
ていてもよい。
【0063】このような単量体としては、m−またはp
−ラウリルスチレン、m−ステアリまたはp−ステアリ
ルスチレン、α−メチル−3−ステアリルスチレン、m
−またはp−ステアロキシスチレン、4−ビニル安息香
酸ステアリル、4−ステアロイルアミノスチレンなどを
挙げることができる。
−ラウリルスチレン、m−ステアリまたはp−ステアリ
ルスチレン、α−メチル−3−ステアリルスチレン、m
−またはp−ステアロキシスチレン、4−ビニル安息香
酸ステアリル、4−ステアロイルアミノスチレンなどを
挙げることができる。
【0064】上記1位と3位に2重結合を有しかつ炭素
数12以上のアルキル基を少なくとも1つ有するジオレ
フィン系単量体は、次の一般式(VI)で示される:
数12以上のアルキル基を少なくとも1つ有するジオレ
フィン系単量体は、次の一般式(VI)で示される:
【0065】
【化6】
【0066】ここで、R9、R10、およびR11は各々独
立して水素原子、低級アルキル基、炭素数12以上のア
ルキル基、またはハロゲン原子である。
立して水素原子、低級アルキル基、炭素数12以上のア
ルキル基、またはハロゲン原子である。
【0067】このような単量体としては、1,3−ヘキ
サデカジエン、1,3−ドコサジエン、2−メチル−
1,3−ドコサジエンなどを挙げることができる。
サデカジエン、1,3−ドコサジエン、2−メチル−
1,3−ドコサジエンなどを挙げることができる。
【0068】上記アニオン性極性基を有する単量体およ
び/または側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する
単量体と、必要に応じて重合される他の単量体は、得ら
れる重合体がトナーに要求される定着性と帯電性とを有
するように選択され、エチレン性不飽和結合を有する単
量体の1種またはそれ以上の組み合わせが使用される。
このような単量体としては、アクリルエステル系単量
体、モノビニル芳香族系単量体、ビニルエステル系単量
体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィン系単量体、
モノオレフィン系単量体などがある。
び/または側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する
単量体と、必要に応じて重合される他の単量体は、得ら
れる重合体がトナーに要求される定着性と帯電性とを有
するように選択され、エチレン性不飽和結合を有する単
量体の1種またはそれ以上の組み合わせが使用される。
このような単量体としては、アクリルエステル系単量
体、モノビニル芳香族系単量体、ビニルエステル系単量
体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィン系単量体、
モノオレフィン系単量体などがある。
【0069】他の単量体としてのアクリルエステル系単
量体は、下記一般式(VII)で示される:
量体は、下記一般式(VII)で示される:
【0070】
【化7】
【0071】ここで、R12は水素原子または低級アルキ
ル基、R13は炭素数11以下の炭化水素基または炭素数
11以下のヒドロキシアルキル基である。
ル基、R13は炭素数11以下の炭化水素基または炭素数
11以下のヒドロキシアルキル基である。
【0072】このような単量体としては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−
ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル
酸プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒ
ドロキシメタクリル酸エチルなどがある。
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−
ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル
酸プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒ
ドロキシメタクリル酸エチルなどがある。
【0073】他の単量体としてのモノビニル芳香族系単
量体は、次の一般式(VIII)で示される:
量体は、次の一般式(VIII)で示される:
【0074】
【化8】
【0075】ここで、R14は水素原子、低級アルキル基
またはハロゲン原子であり、R15は水素原子、低級アル
キル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニト
ロ基などであり、Φはフェニレン基である。
またはハロゲン原子であり、R15は水素原子、低級アル
キル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、ニト
ロ基などであり、Φはフェニレン基である。
【0076】このような単量体としては、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレ
ン、o−、m−、またはp−クロロスチレン、p−エチ
ルスチレンなどがある。
−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレ
ン、o−、m−、またはp−クロロスチレン、p−エチ
ルスチレンなどがある。
【0077】他の単量体としてのビニルエステル系単量
体は、次の一般式(IX)で示される:
体は、次の一般式(IX)で示される:
【0078】
【化9】
【0079】ここで、R16は水素原子または低級アルキ
ル基である。
ル基である。
【0080】このような単量体としては、ギ酸ビニル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどがある。
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどがある。
【0081】他の単量体としてのビニルエーテル系単量
体は、次の一般式(X)で示される:
体は、次の一般式(X)で示される:
【0082】
【化10】
【0083】ここで、R17は炭素数11以下の1価の炭
化水素基である。
化水素基である。
【0084】このような単量体としては、ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル−n−ブチル
エーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキ
シルエーテルなどがある。
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル−n−ブチル
エーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキ
シルエーテルなどがある。
【0085】他の単量体としてのジオレフィン系単量体
は、次の一般式(XI)で示される:
は、次の一般式(XI)で示される:
【0086】
【化11】
【0087】ここで、R18、R19、およびR20は各々独
立して水素原子、低級アルキル基またはハロゲン原子で
ある。
立して水素原子、低級アルキル基またはハロゲン原子で
ある。
【0088】このような単量体としては、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレンなどがある。
イソプレン、クロロプレンなどがある。
【0089】他の単量体としてのモノオレフィン系単量
体は、次の一般式(XII)で示される:
体は、次の一般式(XII)で示される:
【0090】
【化12】
【0091】ここで、R21、およびR22は各々独立して
水素原子または低級アルキル基である。
水素原子または低級アルキル基である。
【0092】このような単量体としては、エチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテンなどがある。
ロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテンなどがある。
【0093】上記単量体を重合して得られる、アニオン
性極性基を有する単量体および/または側鎖に炭素数1
2以上のアルキル基を有する単量体とを含む単量体から
得られる共重合体組成物の具体例としては、(メタ)ア
クリル酸−(メタ)アクリル酸ステアリル共重合体、ス
チレン−(メタ)アクリル酸ステアリル−(メタ)アク
リル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メ
タ)アクリル酸ステアリル−(メタ)アクリル酸共重合
体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)
アクリル酸ステアリル−(メタ)アクリル酸共重合体、
スチレン−(メタ)アクリル酸ステアリル−マレイン酸
共重合体、マレイン酸−(メタ)アクリル酸ステアリル
共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸トリデシル−
(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アク
リル酸ラウリル−(メタ)アクリル酸共重合体などがあ
る。さらに、アニオン性極性基を有するポリエステル樹
脂などを用いることができる。このような組成物は、ア
ニオン性極性基が遊離酸の形で存在する場合には、その
酸価が2〜30、好ましくは5〜15となるような割合
でアニオン性極性基を有していることが望ましい。アニ
オン性極性基の一部または全部が中和されている場合に
は、それが遊離酸の形で存在したときに上記酸価を有す
るような割合でアニオン性極性基を有することが好まし
い。上記組成物の酸価、つまりアニオン性極性基の濃
度、が上記範囲よりも低いときには、トナーの帯電性が
不充分であり、逆に上記範囲よりも高いと、トナーが吸
湿性を有するため、好ましくない。また、側鎖に炭素数
12以上のアルキル基を有する単量体は、全モノマー重
量(100重量部)に対し、0.1〜20重量部、好ま
しくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重
量部共重合されることが望ましい。側鎖に炭素数12以
上のアルキル基を有する単量体の共重合量が上記範囲よ
り少ないと、離型剤と定着用樹脂との相溶性が悪くなり
スペントが生じやすく、逆に上記範囲より多いと、定着
用樹脂のTgが低くなるため保存安定性が低下する。
性極性基を有する単量体および/または側鎖に炭素数1
2以上のアルキル基を有する単量体とを含む単量体から
得られる共重合体組成物の具体例としては、(メタ)ア
クリル酸−(メタ)アクリル酸ステアリル共重合体、ス
チレン−(メタ)アクリル酸ステアリル−(メタ)アク
リル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メ
タ)アクリル酸ステアリル−(メタ)アクリル酸共重合
体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)
アクリル酸ステアリル−(メタ)アクリル酸共重合体、
スチレン−(メタ)アクリル酸ステアリル−マレイン酸
共重合体、マレイン酸−(メタ)アクリル酸ステアリル
共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸トリデシル−
(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アク
リル酸ラウリル−(メタ)アクリル酸共重合体などがあ
る。さらに、アニオン性極性基を有するポリエステル樹
脂などを用いることができる。このような組成物は、ア
ニオン性極性基が遊離酸の形で存在する場合には、その
酸価が2〜30、好ましくは5〜15となるような割合
でアニオン性極性基を有していることが望ましい。アニ
オン性極性基の一部または全部が中和されている場合に
は、それが遊離酸の形で存在したときに上記酸価を有す
るような割合でアニオン性極性基を有することが好まし
い。上記組成物の酸価、つまりアニオン性極性基の濃
度、が上記範囲よりも低いときには、トナーの帯電性が
不充分であり、逆に上記範囲よりも高いと、トナーが吸
湿性を有するため、好ましくない。また、側鎖に炭素数
12以上のアルキル基を有する単量体は、全モノマー重
量(100重量部)に対し、0.1〜20重量部、好ま
しくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重
量部共重合されることが望ましい。側鎖に炭素数12以
上のアルキル基を有する単量体の共重合量が上記範囲よ
り少ないと、離型剤と定着用樹脂との相溶性が悪くなり
スペントが生じやすく、逆に上記範囲より多いと、定着
用樹脂のTgが低くなるため保存安定性が低下する。
【0094】好適な定着用樹脂は、上記のアニオン性極
性基を有する単量体と、式(I)のアクリル系単量体の
少なくとも1種とから構成され、必要に応じて、式(I
I)から式(VI)のいずれかの単量体を任意成分として
共重合し得る。さらに必要に応じて他の単量体も共重合
し得る。上記各単量体は、上記樹脂を調製するために1
種または2種以上が組み合わせて用いられ得る。
性基を有する単量体と、式(I)のアクリル系単量体の
少なくとも1種とから構成され、必要に応じて、式(I
I)から式(VI)のいずれかの単量体を任意成分として
共重合し得る。さらに必要に応じて他の単量体も共重合
し得る。上記各単量体は、上記樹脂を調製するために1
種または2種以上が組み合わせて用いられ得る。
【0095】本発明に用いられる定着用樹脂には、上記
共重合体組成物あるいは重合体組成物の混合物を含む組
成物が用いられ、この組成物中には、上記共重合体組成
物あるいは重合体組成物の混合物に加えて、アニオン性
極性基を有さず、かつ側鎖に炭素数12以上のアルキル
基を有さない重合体が含有されていてもよい。その場合
には、組成物全体としてのアニオン性極性基の含有割合
および炭素数12以上のアルキル基を有する単量体成分
の含有割合は、好適には上記範囲にある。
共重合体組成物あるいは重合体組成物の混合物を含む組
成物が用いられ、この組成物中には、上記共重合体組成
物あるいは重合体組成物の混合物に加えて、アニオン性
極性基を有さず、かつ側鎖に炭素数12以上のアルキル
基を有さない重合体が含有されていてもよい。その場合
には、組成物全体としてのアニオン性極性基の含有割合
および炭素数12以上のアルキル基を有する単量体成分
の含有割合は、好適には上記範囲にある。
【0096】(磁性粉末)トナー粒子に含有(内添)さ
れる磁性粉末としては、従来において一成分系の磁性ト
ナーに使用されている磁性粉末のいずれもが用いられ得
る。磁性粉末の素材としては、例えば、四三酸化鉄(F
e3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛
(ZnFe2O4)、酸化鉄イットリム(Y3Fe
5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄
ガドリウム(Gd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2
O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル
(NiFe2O4)、酸化鉄ネオジウム(NdFe
O3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnF
e2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄(F
e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)などが用い
られ得る。特に好適な磁性粉末は微粒子状四三酸化鉄
(マグネタイト)である。好適なマグネタイトは正8面
体状で、粒子径が0.05〜1.0μmである。このマ
グネタイト粒子は、シランカップリング剤、チタン系カ
ップリング剤などで表面処理されていてもよい。トナー
粒子に含有される磁性粉末の粒子径は、一般に1.0μ
m以下、好ましくは0.05〜1.0μmである。
れる磁性粉末としては、従来において一成分系の磁性ト
ナーに使用されている磁性粉末のいずれもが用いられ得
る。磁性粉末の素材としては、例えば、四三酸化鉄(F
e3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛
(ZnFe2O4)、酸化鉄イットリム(Y3Fe
5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄
ガドリウム(Gd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2
O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル
(NiFe2O4)、酸化鉄ネオジウム(NdFe
O3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnF
e2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄(F
e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)などが用い
られ得る。特に好適な磁性粉末は微粒子状四三酸化鉄
(マグネタイト)である。好適なマグネタイトは正8面
体状で、粒子径が0.05〜1.0μmである。このマ
グネタイト粒子は、シランカップリング剤、チタン系カ
ップリング剤などで表面処理されていてもよい。トナー
粒子に含有される磁性粉末の粒子径は、一般に1.0μ
m以下、好ましくは0.05〜1.0μmである。
【0097】上記磁性粉末のトナー粒子中の含有量は、
定着用樹脂100重量部あたり、0.1〜5重量部、好
ましくは0.5〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜
3重量部である。磁性粉末の量が過少であると前述のよ
うに、現像時におけるトナーの飛散が生じたり、転写効
率が低下する。
定着用樹脂100重量部あたり、0.1〜5重量部、好
ましくは0.5〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜
3重量部である。磁性粉末の量が過少であると前述のよ
うに、現像時におけるトナーの飛散が生じたり、転写効
率が低下する。
【0098】(離型剤)トナー粒子中に含有される配合
剤のひとつとして離型剤が挙げられる。本発明に使用す
る離型剤としては、例えば天然および合成ワックス類や
分子量2000〜16000、好ましくは分子量300
0〜6000のオレフィン系樹脂などが使用され得る。
上記オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、プロピレン−エチレン共重合体などが使用さ
れ得るが、ポリプロピレンが特に好適である。離型剤
は、定着用樹脂100重量部に対して0.01〜6重量
部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で含有される。
離型剤は熱定着時のオフセットを防止する働きを有す
る。離型剤の量が0.01重量部を下まわると、熱定着
時の耐オフセット性が不充分な場合があり、6重量部を
上まわるとスペントを生じ易くなる。
剤のひとつとして離型剤が挙げられる。本発明に使用す
る離型剤としては、例えば天然および合成ワックス類や
分子量2000〜16000、好ましくは分子量300
0〜6000のオレフィン系樹脂などが使用され得る。
上記オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、プロピレン−エチレン共重合体などが使用さ
れ得るが、ポリプロピレンが特に好適である。離型剤
は、定着用樹脂100重量部に対して0.01〜6重量
部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で含有される。
離型剤は熱定着時のオフセットを防止する働きを有す
る。離型剤の量が0.01重量部を下まわると、熱定着
時の耐オフセット性が不充分な場合があり、6重量部を
上まわるとスペントを生じ易くなる。
【0099】(トナー粒子中の配合剤)トナー粒子は、
上記のように、定着用樹脂および磁性粉末、および離型
剤を必須成分として含有し、さらに必要に応じて通常ト
ナー中に配合され得る配合剤を含有させ得る。
上記のように、定着用樹脂および磁性粉末、および離型
剤を必須成分として含有し、さらに必要に応じて通常ト
ナー中に配合され得る配合剤を含有させ得る。
【0100】配合剤としては、着色剤などがある。
【0101】着色剤としては、例えば次の顔料が使用さ
れ得る。
れ得る。
【0102】黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラッ
ク、アニリンブラック。
ク、アニリンブラック。
【0103】体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイト
カーボン、タルク、アルミナホワイト。
カーボン、タルク、アルミナホワイト。
【0104】上記顔料は、定着用樹脂100重量部に対
して、通常2〜20重量部、好ましくは5〜15重量部
の量で使用される。
して、通常2〜20重量部、好ましくは5〜15重量部
の量で使用される。
【0105】(トナーの調製)本発明の二成分系現像剤
に用いられるトナー粒子は、トナー粒子製造のための一
般的な方法、例えば、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレ
ー造粒法および重合法により製造され得、通常、粉砕分
級法により製造される。
に用いられるトナー粒子は、トナー粒子製造のための一
般的な方法、例えば、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレ
ー造粒法および重合法により製造され得、通常、粉砕分
級法により製造される。
【0106】例えば、上記トナー粒子を形成するための
成分を、ヘンシェルミキサーなどの混合機で前混合した
のち、二軸押出機などの混練装置を用いて混練し、これ
を冷却した後、粉砕し、分級してトナー粒子とする。ト
ナー粒子の粒径は、一般に体積基準平均粒径(コールタ
ーカウンターによるメジアン径)が5〜15μm、特に
7〜12μmの範囲内にあるのが好ましい。
成分を、ヘンシェルミキサーなどの混合機で前混合した
のち、二軸押出機などの混練装置を用いて混練し、これ
を冷却した後、粉砕し、分級してトナー粒子とする。ト
ナー粒子の粒径は、一般に体積基準平均粒径(コールタ
ーカウンターによるメジアン径)が5〜15μm、特に
7〜12μmの範囲内にあるのが好ましい。
【0107】トナー粒子の表面には、外添剤として必要
に応じて疎水性気相法シリカ粒子などの流動性改良剤を
付着させてトナーの流動性を改善することができる。上
記シリカ粒子などの流動性改良剤の粒子径は、通常1次
粒子径が約0.015μm程度であり、トナーの総重
量、つまりトナー粒子と外添剤との合計重量あたり0.
1〜2.0重量%の量で外添される。
に応じて疎水性気相法シリカ粒子などの流動性改良剤を
付着させてトナーの流動性を改善することができる。上
記シリカ粒子などの流動性改良剤の粒子径は、通常1次
粒子径が約0.015μm程度であり、トナーの総重
量、つまりトナー粒子と外添剤との合計重量あたり0.
1〜2.0重量%の量で外添される。
【0108】さらに本発明においては、好適には、上記
流動性改良剤粒子よりも大きい粒径のスペーサー粒子が
トナー粒子に外添される。このスペーサー粒子として
は、0.05〜1.0μm、好ましくは0.07〜0.
5μmの有機または無機の不活性粒子のいずれもが用い
られ得る。このような不活性粒子の素材としては、シリ
カ、アルミナ、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アクリ
ル樹脂、スチレン樹脂、磁性材料などが挙げられる。こ
のスペーサー粒子は、流動性改良剤として機能し得ると
ともに、前述のように転写効率を高める働きを有する。
スペーサー粒子としては、一般には、上記トナー粒子に
含有されるのと同様の磁性粉末、特に微粒子状四三酸化
鉄(マグネタイト)粒子を使用するのが好ましい。スペ
ーサー粒子として磁性粉末の粒子を用いると、前述のよ
うにトナー飛散に対して有効に作用する。スペーサー粒
子は、トナーの総重量あたり10重量%以下、好ましく
は0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重
量%の量で含有される。過剰であると複写画像の濃度が
不充分となる。スペーサー粒子として磁性粉末を使用す
る場合には、トナー粒子内に含有される磁性粉末との合
計量が定着用樹脂100重量部に対して10重量部以下
であることが望ましい。過剰であると画像濃度が低くな
る場合がある。
流動性改良剤粒子よりも大きい粒径のスペーサー粒子が
トナー粒子に外添される。このスペーサー粒子として
は、0.05〜1.0μm、好ましくは0.07〜0.
5μmの有機または無機の不活性粒子のいずれもが用い
られ得る。このような不活性粒子の素材としては、シリ
カ、アルミナ、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アクリ
ル樹脂、スチレン樹脂、磁性材料などが挙げられる。こ
のスペーサー粒子は、流動性改良剤として機能し得ると
ともに、前述のように転写効率を高める働きを有する。
スペーサー粒子としては、一般には、上記トナー粒子に
含有されるのと同様の磁性粉末、特に微粒子状四三酸化
鉄(マグネタイト)粒子を使用するのが好ましい。スペ
ーサー粒子として磁性粉末の粒子を用いると、前述のよ
うにトナー飛散に対して有効に作用する。スペーサー粒
子は、トナーの総重量あたり10重量%以下、好ましく
は0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重
量%の量で含有される。過剰であると複写画像の濃度が
不充分となる。スペーサー粒子として磁性粉末を使用す
る場合には、トナー粒子内に含有される磁性粉末との合
計量が定着用樹脂100重量部に対して10重量部以下
であることが望ましい。過剰であると画像濃度が低くな
る場合がある。
【0109】流動性改良剤およびスペーサー粒子をトナ
ー粒子に外添するには、例えば流動性改良剤とスペーサ
ー粒子とを十分に混合し、この混合物をトナー粒子に添
加して十分に解砕するのがよい。これによりスペーサー
粒子は、トナー粒子表面に付着する。ここで、付着と
は、粒子表面に接して担持されること、あるいは粒子表
面から内部に一部打ち込まれたような状態で固定される
こと、のいずれの状態をもさしていう。このようにし
て、本発明の現像剤に用いられるトナーが得られる。
ー粒子に外添するには、例えば流動性改良剤とスペーサ
ー粒子とを十分に混合し、この混合物をトナー粒子に添
加して十分に解砕するのがよい。これによりスペーサー
粒子は、トナー粒子表面に付着する。ここで、付着と
は、粒子表面に接して担持されること、あるいは粒子表
面から内部に一部打ち込まれたような状態で固定される
こと、のいずれの状態をもさしていう。このようにし
て、本発明の現像剤に用いられるトナーが得られる。
【0110】(キャリアの粒子)本発明の現像剤に用い
られるキャリアの粒子は、コア粒子と該コア粒子を被覆
する被覆層とを有する二重構造の粒子である。このコア
粒子は、次式(A)で示される磁性材料でなる: MOFe2O3 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である。
られるキャリアの粒子は、コア粒子と該コア粒子を被覆
する被覆層とを有する二重構造の粒子である。このコア
粒子は、次式(A)で示される磁性材料でなる: MOFe2O3 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である。
【0111】上記式(A)で示される化合物は、マグネ
タイト(MがFeの場合)あるいはフェライト(MがF
e以外の金属の場合)であり、MがCu、Zn、Mn、
Ni、Mgなどのフェライトが好適に用いられる。これ
らのマグネタイトあるいはフェライトは、経時変化によ
る電気抵抗の変化率が小さく、かつ現像装置内において
磁場がかかると、柔らかい穂を形成し得る。これらの磁
性材料でなるコア粒子は、その粒径が、30〜200μ
m、好ましくは50〜150μmである。これらのコア
粒子は、上記磁性材料の微細な粒子を噴霧造粒などの手
段で球状に造粒し、次に焼成することにより得られる。
このコア粒子は、その体積固有抵抗が、105〜109Ω
・cm、好ましくは106〜108Ω・cmである。コア
粒子の飽和磁化は、30〜70emu/g、好ましくは
45〜65emu/gの範囲にある。
タイト(MがFeの場合)あるいはフェライト(MがF
e以外の金属の場合)であり、MがCu、Zn、Mn、
Ni、Mgなどのフェライトが好適に用いられる。これ
らのマグネタイトあるいはフェライトは、経時変化によ
る電気抵抗の変化率が小さく、かつ現像装置内において
磁場がかかると、柔らかい穂を形成し得る。これらの磁
性材料でなるコア粒子は、その粒径が、30〜200μ
m、好ましくは50〜150μmである。これらのコア
粒子は、上記磁性材料の微細な粒子を噴霧造粒などの手
段で球状に造粒し、次に焼成することにより得られる。
このコア粒子は、その体積固有抵抗が、105〜109Ω
・cm、好ましくは106〜108Ω・cmである。コア
粒子の飽和磁化は、30〜70emu/g、好ましくは
45〜65emu/gの範囲にある。
【0112】被覆層を構成する樹脂組成物中のメチルシ
リコーン樹脂は、例えば、メチルクロロシラン類から調
製され得る。メチルシリコーン樹脂は、通常メチルシリ
コーン樹脂オリゴマーとしてコア粒子に付与され、次い
で、後述のように硬化される。本発明の第2の二成分系
現像剤においては、メチルシリコーン樹脂はT単位を7
0%以上含む。硬化後のメチルシリコーン樹脂がT単位
を70%以上含むようにするためには、T単位を70%
以上含むメチルシリコーン樹脂オリゴマーを使用する。
このオリゴマーのT単位を70%以上に調整するために
は、メチルシリコーン樹脂オリゴマーの原料であるメチ
ルクロロシラン類のうちT単位の元になるメチルトリク
ロロシラン(CH3SiCl3)の配合割合を70%以上
にすればよい。本発明の第1の二成分系現像剤において
も、メチルシリコーン樹脂がT単位を70%以上含むこ
とが好ましい。
リコーン樹脂は、例えば、メチルクロロシラン類から調
製され得る。メチルシリコーン樹脂は、通常メチルシリ
コーン樹脂オリゴマーとしてコア粒子に付与され、次い
で、後述のように硬化される。本発明の第2の二成分系
現像剤においては、メチルシリコーン樹脂はT単位を7
0%以上含む。硬化後のメチルシリコーン樹脂がT単位
を70%以上含むようにするためには、T単位を70%
以上含むメチルシリコーン樹脂オリゴマーを使用する。
このオリゴマーのT単位を70%以上に調整するために
は、メチルシリコーン樹脂オリゴマーの原料であるメチ
ルクロロシラン類のうちT単位の元になるメチルトリク
ロロシラン(CH3SiCl3)の配合割合を70%以上
にすればよい。本発明の第1の二成分系現像剤において
も、メチルシリコーン樹脂がT単位を70%以上含むこ
とが好ましい。
【0113】本発明の第1の二成分系現像剤の被覆層を
構成する樹脂組成物中のメチル化メラミン樹脂は重量平
均分子量が700以上である。メチル化メラミン樹脂の
分子量の上限については特に限定されないが、2000
以下であることが好ましい。
構成する樹脂組成物中のメチル化メラミン樹脂は重量平
均分子量が700以上である。メチル化メラミン樹脂の
分子量の上限については特に限定されないが、2000
以下であることが好ましい。
【0114】本発明の第1の二成分系現像剤の被覆層に
おいては、メチルシリコーン樹脂とメチル化メラミン樹
脂の割合は特に限定されないが、被覆層中に占めるメチ
ル化メラミン樹脂の割合が5〜70重量%の範囲内であ
ることが好ましい。メチル化メラミン樹脂の割合がこの
範囲内であると、得られるキャリアの粒子の帯電性がさ
らに安定化する。さらにメチル化メラミン樹脂の自己架
橋の程度が適正であるため、硬化時の反応性が良好であ
り、成膜性に優れ、得られる被覆層とコア粒子との密着
性がさらに向上する。
おいては、メチルシリコーン樹脂とメチル化メラミン樹
脂の割合は特に限定されないが、被覆層中に占めるメチ
ル化メラミン樹脂の割合が5〜70重量%の範囲内であ
ることが好ましい。メチル化メラミン樹脂の割合がこの
範囲内であると、得られるキャリアの粒子の帯電性がさ
らに安定化する。さらにメチル化メラミン樹脂の自己架
橋の程度が適正であるため、硬化時の反応性が良好であ
り、成膜性に優れ、得られる被覆層とコア粒子との密着
性がさらに向上する。
【0115】本発明においては、被覆層に、被覆層の特
性を低下させない範囲で、上記メチルシリコーン樹脂お
よびメチル化メラミン樹脂以外の樹脂を含有させること
もできる。このような樹脂としては、メチルシリコーン
樹脂以外の変性または未変性のシリコーン樹脂、アクリ
ル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリア
ミド樹脂、オレフィン系共重合体、メチル化メラミン樹
脂以外のアミノ樹脂などの、被覆層用として公知の、種
々の樹脂が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種
以上混合して使用され得る。
性を低下させない範囲で、上記メチルシリコーン樹脂お
よびメチル化メラミン樹脂以外の樹脂を含有させること
もできる。このような樹脂としては、メチルシリコーン
樹脂以外の変性または未変性のシリコーン樹脂、アクリ
ル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリア
ミド樹脂、オレフィン系共重合体、メチル化メラミン樹
脂以外のアミノ樹脂などの、被覆層用として公知の、種
々の樹脂が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種
以上混合して使用され得る。
【0116】さらに樹脂組成物中には、必要に応じて、
シリカ、アルミナ、カーボンブラック、脂肪酸金属塩、
シランカップリング剤、シリコーンオイルなどの添加剤
が含有され、これらは被覆層の特性を調整する働きを有
する。
シリカ、アルミナ、カーボンブラック、脂肪酸金属塩、
シランカップリング剤、シリコーンオイルなどの添加剤
が含有され、これらは被覆層の特性を調整する働きを有
する。
【0117】(キャリアの調製)上記メチルシリコーン
樹脂とメチル化メラミン樹脂を含有する組成物またはメ
チルシリコーン樹脂は、公知の方法によりコア粒子表面
に付与されて被覆層を形成する。例えば、上記樹脂組成
物または樹脂の溶液もしくは分散液とコア粒子とを混合
して、コア粒子表面に樹脂組成物の溶液もしくは分散液
をコートし、必要に応じて乾燥し、そして加熱などによ
り硬化することにより被覆層が形成される。被覆層の形
成にあたっては、一般に利用されている浸漬法、スプレ
ー法、流動床法、移動床法、転動層法などがいずれも利
用され得る。樹脂組成物を溶解もしくは分散させ得る溶
媒としては、一般的な有機溶媒、例えば、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンなどの環状エーテル類、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールなどのアルコール類、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、酢酸エ
チル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒な
どが用いられ得る。
樹脂とメチル化メラミン樹脂を含有する組成物またはメ
チルシリコーン樹脂は、公知の方法によりコア粒子表面
に付与されて被覆層を形成する。例えば、上記樹脂組成
物または樹脂の溶液もしくは分散液とコア粒子とを混合
して、コア粒子表面に樹脂組成物の溶液もしくは分散液
をコートし、必要に応じて乾燥し、そして加熱などによ
り硬化することにより被覆層が形成される。被覆層の形
成にあたっては、一般に利用されている浸漬法、スプレ
ー法、流動床法、移動床法、転動層法などがいずれも利
用され得る。樹脂組成物を溶解もしくは分散させ得る溶
媒としては、一般的な有機溶媒、例えば、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンなどの環状エーテル類、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールなどのアルコール類、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、酢酸エ
チル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒な
どが用いられ得る。
【0118】このようにして得られたキャリアの粒径は
30〜200μm、好ましくは50〜150μmであ
る。キャリアの粒子の被覆層の重量は、コア粒子100
重量部に対して0.001〜2.5重量部、好ましくは
0.005〜2.0重量部である。得られたキャリアの
粒子の体積固有抵抗は、105〜1013Ω・cm、好ま
しくは107〜1012Ω・cm、そして飽和磁化は、3
0〜70emu/g、好ましくは45〜65emu/g
の範囲にある。
30〜200μm、好ましくは50〜150μmであ
る。キャリアの粒子の被覆層の重量は、コア粒子100
重量部に対して0.001〜2.5重量部、好ましくは
0.005〜2.0重量部である。得られたキャリアの
粒子の体積固有抵抗は、105〜1013Ω・cm、好ま
しくは107〜1012Ω・cm、そして飽和磁化は、3
0〜70emu/g、好ましくは45〜65emu/g
の範囲にある。
【0119】(現像剤の調製)上記トナーとキャリアと
を混合することにより二成分系現像剤が得られる。キャ
リアとトナーとの混合比は、一般に98:2〜90:1
0の重量比、特に97:3〜94:6の重量比であるこ
とが好ましい。
を混合することにより二成分系現像剤が得られる。キャ
リアとトナーとの混合比は、一般に98:2〜90:1
0の重量比、特に97:3〜94:6の重量比であるこ
とが好ましい。
【0120】本発明の二成分系現像剤を用い、一般的な
静電写真複写法により、複写がなされ得る。例えば感光
体上の光導電層を一様に荷電した後、画像露光して静電
潜像を形成させ、次いで二成分系磁性現像剤の磁気ブラ
シを感光体と接触させることにより静電潜像の現像が容
易に行われ得る。現像により形成されたトナー像は転写
紙上に転写されて転写像を形成し、この転写像をヒート
ロールで溶融圧着することにより定着が行われる。
静電写真複写法により、複写がなされ得る。例えば感光
体上の光導電層を一様に荷電した後、画像露光して静電
潜像を形成させ、次いで二成分系磁性現像剤の磁気ブラ
シを感光体と接触させることにより静電潜像の現像が容
易に行われ得る。現像により形成されたトナー像は転写
紙上に転写されて転写像を形成し、この転写像をヒート
ロールで溶融圧着することにより定着が行われる。
【0121】
【実施例】本発明を次の実施例で説明する。
【0122】(実施例1) 〈トナーの調製〉
【0123】
【表1】
【0124】上記各成分を二軸押し出し機にて溶融混練
し、次いでこの混練物をジェットミルで粉砕し、そして
風力分級機で分級して、平均粒径10.0μmのトナー
粒子を得た。
し、次いでこの混練物をジェットミルで粉砕し、そして
風力分級機で分級して、平均粒径10.0μmのトナー
粒子を得た。
【0125】このトナー粒子に、流動性改良剤として平
均粒径が0.015μmの疎水性シリカ微粒子およびス
ペーサー粒子として平均粒子径0.3μmの疎水性アル
ミナをトナー粒子100重量部に対して、それぞれ0.
3重量部および0.6重量部の割合で添加し、そしてヘ
ンシェルミキサーで2分間混合して外添してトナーを得
た。
均粒径が0.015μmの疎水性シリカ微粒子およびス
ペーサー粒子として平均粒子径0.3μmの疎水性アル
ミナをトナー粒子100重量部に対して、それぞれ0.
3重量部および0.6重量部の割合で添加し、そしてヘ
ンシェルミキサーで2分間混合して外添してトナーを得
た。
【0126】〈キャリアの調製〉磁性コア粒子として平
均粒径100μmの球状フェライト粒子を用いた。この
フェライト粒子1000重量部に、下記の所定量の各成
分を含むコーティング剤を添加し、加熱撹拌装置を用い
て混合した。得られた混合物から溶媒を乾燥除去した
後、200℃で1時間の熱処理を行い被覆層を有するキ
ャリアの粒子を得た。
均粒径100μmの球状フェライト粒子を用いた。この
フェライト粒子1000重量部に、下記の所定量の各成
分を含むコーティング剤を添加し、加熱撹拌装置を用い
て混合した。得られた混合物から溶媒を乾燥除去した
後、200℃で1時間の熱処理を行い被覆層を有するキ
ャリアの粒子を得た。
【0127】
【表2】
【0128】〈現像剤の調製〉上記トナーとキャリアと
を、均一に混合してトナー濃度3.5重量%の二成分系
現像剤を得た。
を、均一に混合してトナー濃度3.5重量%の二成分系
現像剤を得た。
【0129】(実施例2)表2に示す組成のコーティン
グ剤を用いて、実施例1と同様の手順で現像剤を得た。
グ剤を用いて、実施例1と同様の手順で現像剤を得た。
【0130】(比較例1)コーティング剤を用いず、キ
ャリアの粒子の被覆層を形成しなかったこと以外は実施
例1と同様の手順で現像剤を得た。
ャリアの粒子の被覆層を形成しなかったこと以外は実施
例1と同様の手順で現像剤を得た。
【0131】[現像剤の評価]次の項目につき、実施例
および比較例の現像剤を評価した。試験に使用したの
は、三田工業社製の電子複写機(商品名「DC−468
5」)の改造機(評価試料を容易にサンプリングするた
めの改造を施した複写機)である。
および比較例の現像剤を評価した。試験に使用したの
は、三田工業社製の電子複写機(商品名「DC−468
5」)の改造機(評価試料を容易にサンプリングするた
めの改造を施した複写機)である。
【0132】(a)転写効率 複写開始前のトナーホッパー内のトナー量と、所定枚数
複写後のトナーホッパー内のトナー量とを測定し、その
差からトナー消費量を算出した。他方、所定の枚数複写
の間にクリーニング工程において回収されたトナー量を
測定し、これをトナー回収量とした。これらの値から、
次式(i)によりトナーの転写効率を算出した。ここ
で、複写に用いた原稿は、黒色部の面積率が8%の文字
原稿である。この評価は(b)項以下の各評価試験を行
うために行われた。
複写後のトナーホッパー内のトナー量とを測定し、その
差からトナー消費量を算出した。他方、所定の枚数複写
の間にクリーニング工程において回収されたトナー量を
測定し、これをトナー回収量とした。これらの値から、
次式(i)によりトナーの転写効率を算出した。ここ
で、複写に用いた原稿は、黒色部の面積率が8%の文字
原稿である。この評価は(b)項以下の各評価試験を行
うために行われた。
【0133】
【数1】
【0134】(b)画像濃度(I.D.) 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。5千枚
毎に複写画像における黒べた部の濃度を反射濃度計(型
番「TC−6D」東京電色社製)を用いて測定し、その
平均値を画像濃度(I.D.)とした。ここで、5千枚
毎にサンプリングを行うために使用する原稿は、黒べた
部を含む黒色部の面積率が15%の原稿である。評価結
果を表3に示す。
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。5千枚
毎に複写画像における黒べた部の濃度を反射濃度計(型
番「TC−6D」東京電色社製)を用いて測定し、その
平均値を画像濃度(I.D.)とした。ここで、5千枚
毎にサンプリングを行うために使用する原稿は、黒べた
部を含む黒色部の面積率が15%の原稿である。評価結
果を表3に示す。
【0135】(c)カブリ濃度(F.D.) 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。5千枚
毎に複写画像における非画像部の濃度を反射濃度計(型
番「TC−6D」東京電色社製)を用いて測定した。そ
の測定値と、複写前の紙(ベース紙)を反射濃度計で測
定して得られた反射濃度の値との差を算出し、その最高
値をカブリ濃度(F.D.)とした。ここで、5千枚に
サンプリングを行うために使用する原稿は、黒べた部を
含む黒色部の面積率が15%の原稿である。評価結果を
表3に示す。
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。5千枚
毎に複写画像における非画像部の濃度を反射濃度計(型
番「TC−6D」東京電色社製)を用いて測定した。そ
の測定値と、複写前の紙(ベース紙)を反射濃度計で測
定して得られた反射濃度の値との差を算出し、その最高
値をカブリ濃度(F.D.)とした。ここで、5千枚に
サンプリングを行うために使用する原稿は、黒べた部を
含む黒色部の面積率が15%の原稿である。評価結果を
表3に示す。
【0136】(d)解像度 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
5万枚複写した時点(それまでに転写効率が70%未満
となった場合にはその時点)で、規定のチャート原稿
(1mmあたり所定数の平行直線が引かれた複数のパタ
ーンを用いる原稿)を用いて複写し、複写画像を目視判
定した。評価結果を表3に示す。
5万枚複写した時点(それまでに転写効率が70%未満
となった場合にはその時点)で、規定のチャート原稿
(1mmあたり所定数の平行直線が引かれた複数のパタ
ーンを用いる原稿)を用いて複写し、複写画像を目視判
定した。評価結果を表3に示す。
【0137】(e)帯電量 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。5千枚
毎に現像剤200mgの帯電量を「ブローオフ粉体帯電
量測定装置」(東芝ケミカル社製)を用いて測定し、ト
ナー1gあたりの帯電量の平均値を算出した。評価結果
を表3に示す。
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。5千枚
毎に現像剤200mgの帯電量を「ブローオフ粉体帯電
量測定装置」(東芝ケミカル社製)を用いて測定し、ト
ナー1gあたりの帯電量の平均値を算出した。評価結果
を表3に示す。
【0138】(f)トナー飛散 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。この時
点での複写機内のトナー飛散状態を目視にて観察し、以
下の基準で評価した。 ○:トナー飛散なし ×:トナー飛散あり 評価結果を表3に示す。
転写効率が70%未満となるまで複写を続けた。この時
点での複写機内のトナー飛散状態を目視にて観察し、以
下の基準で評価した。 ○:トナー飛散なし ×:トナー飛散あり 評価結果を表3に示す。
【0139】(g)耐久性 1万枚複写後毎のトナー消費量と、回収されたトナー量
とから、転写効率を算出した。この転写効率が初めて7
0%未満になった時点の枚数を耐久性とした。評価結果
を表3に示す。
とから、転写効率を算出した。この転写効率が初めて7
0%未満になった時点の枚数を耐久性とした。評価結果
を表3に示す。
【0140】(h)スペントによるキャリアの粒子表面
への付着物の量 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
5万枚複写した時点(それまでに転写効率が70%未満
となった場合にはその時点)で、現像剤をサンプリング
した。その現像剤を400メッシュのふるい上にのせ、
下からブロアーにより吸引し、トナーとキャリアとを分
離した。ふるい上に残ったキャリア5gをビーカーに入
れ、更にこのビーカー中にトルエンを加え、スペントに
よりキャリアの粒子表面に付着したトナー成分を溶解さ
せた。その後ビーカーの下から磁石でキャリアを引きつ
けた状態でトルエン溶液を捨てた。これをトルエンが無
色になるまで数回繰り返した後、オーブンでキャリアに
付着しているトルエンを蒸発させて得られた残留物の重
量を測定した。最初にビーカーに入れたキャリアの重量
とトルエン蒸発後の重量の差がスペントによりキャリア
の粒子表面に付着したトナー成分の量(スペント量)で
ある。スペント量はキャリア1gあたりに付着したトナ
ー成分のmgで表す。評価結果を表3に示す。
への付着物の量 黒色部の面積率が8%の文字原稿を用いて複写を行い、
5万枚複写した時点(それまでに転写効率が70%未満
となった場合にはその時点)で、現像剤をサンプリング
した。その現像剤を400メッシュのふるい上にのせ、
下からブロアーにより吸引し、トナーとキャリアとを分
離した。ふるい上に残ったキャリア5gをビーカーに入
れ、更にこのビーカー中にトルエンを加え、スペントに
よりキャリアの粒子表面に付着したトナー成分を溶解さ
せた。その後ビーカーの下から磁石でキャリアを引きつ
けた状態でトルエン溶液を捨てた。これをトルエンが無
色になるまで数回繰り返した後、オーブンでキャリアに
付着しているトルエンを蒸発させて得られた残留物の重
量を測定した。最初にビーカーに入れたキャリアの重量
とトルエン蒸発後の重量の差がスペントによりキャリア
の粒子表面に付着したトナー成分の量(スペント量)で
ある。スペント量はキャリア1gあたりに付着したトナ
ー成分のmgで表す。評価結果を表3に示す。
【0141】
【表3】
【0142】[評価結果の考察]実施例1および2で得
られた現像剤は、画像濃度、カブリ濃度、解像度、およ
び帯電量が非常に良好な状態で安定していた。さらに、
トナー飛散も認められなかった。特に、実施例1および
2の現像剤は、被覆層を有さないキャリアの粒子を用い
た比較例1の現像剤に比べて、スペント量が約半分と少
なく、そして耐久性が2倍であった。
られた現像剤は、画像濃度、カブリ濃度、解像度、およ
び帯電量が非常に良好な状態で安定していた。さらに、
トナー飛散も認められなかった。特に、実施例1および
2の現像剤は、被覆層を有さないキャリアの粒子を用い
た比較例1の現像剤に比べて、スペント量が約半分と少
なく、そして耐久性が2倍であった。
【0143】
【発明の効果】本発明によれば、このように、複写時に
おけるスペントの主な発生原因となる帯電制御剤を全く
含有しない二成分系現像剤が提供される。この現像剤に
含有されるトナーのトナー粒子中には、(1)アニオン
性極性基を有する単量体および側鎖に炭素数12以上の
アルキル基を有する単量体を含む共重合体組成物、およ
び(2)アニオン性極性基を有する単量体を含む単量体
からなる重合体組成物と側鎖に炭素数12以上のアルキ
ル基を有する単量体を含む単量体からなる重合体組成物
とからなる樹脂組成物の少なくとも一方を含む組成物で
なる定着用樹脂が含有され、そして、トナー粒子中に所
定の割合で磁性粉末が含有され、さらに離型剤が含有さ
れる。さらに必要に応じてトナー粒子表面には所定の粒
径のスペーサー粒子が付着している。この現像剤に含有
されるキャリアのコア粒子は特定の組成の磁性材料で構
成される。本発明の第1の現像剤に含有されるキャリア
のコア粒子を被覆する被覆層には、メチルシリコーン樹
脂と所定の範囲の分子量を有するメチル化メラミン樹脂
が用いられている。本発明の第2の現像剤に含有される
キャリアのコア粒子を被覆する被覆層には、所定のT単
位を含むメチルシリコーン樹脂が含有されている。上記
のような本発明の現像剤のトナーの帯電性は充分であ
り、トナー粒子とキャリアの粒子との結合も充分であ
る。また本発明の現像剤のトナーには、離型剤が含有さ
れるため、耐オフセット性に優れ、しかも従来の離型剤
を使用したときのようなスペントを生じにくい。トナー
が飛散することもなく、転写効率も充分であり、必要と
される濃度の複写画像が長時間にわたり安定して得られ
る。さらに、上記のような本発明の現像剤のキャリアの
粒子の被覆層は特定の樹脂を用いることにより、その表
面が均一であり、そのためキャリアの粒子の凝集および
スペントの発生がより一層低減され、流動性および耐久
性に優れた、長寿命の現像剤が得られる。このような二
成分系現像剤は、静電式複写機、レーザービームプリン
タなどの電子式画像形成装置において好適に用いられ
る。
おけるスペントの主な発生原因となる帯電制御剤を全く
含有しない二成分系現像剤が提供される。この現像剤に
含有されるトナーのトナー粒子中には、(1)アニオン
性極性基を有する単量体および側鎖に炭素数12以上の
アルキル基を有する単量体を含む共重合体組成物、およ
び(2)アニオン性極性基を有する単量体を含む単量体
からなる重合体組成物と側鎖に炭素数12以上のアルキ
ル基を有する単量体を含む単量体からなる重合体組成物
とからなる樹脂組成物の少なくとも一方を含む組成物で
なる定着用樹脂が含有され、そして、トナー粒子中に所
定の割合で磁性粉末が含有され、さらに離型剤が含有さ
れる。さらに必要に応じてトナー粒子表面には所定の粒
径のスペーサー粒子が付着している。この現像剤に含有
されるキャリアのコア粒子は特定の組成の磁性材料で構
成される。本発明の第1の現像剤に含有されるキャリア
のコア粒子を被覆する被覆層には、メチルシリコーン樹
脂と所定の範囲の分子量を有するメチル化メラミン樹脂
が用いられている。本発明の第2の現像剤に含有される
キャリアのコア粒子を被覆する被覆層には、所定のT単
位を含むメチルシリコーン樹脂が含有されている。上記
のような本発明の現像剤のトナーの帯電性は充分であ
り、トナー粒子とキャリアの粒子との結合も充分であ
る。また本発明の現像剤のトナーには、離型剤が含有さ
れるため、耐オフセット性に優れ、しかも従来の離型剤
を使用したときのようなスペントを生じにくい。トナー
が飛散することもなく、転写効率も充分であり、必要と
される濃度の複写画像が長時間にわたり安定して得られ
る。さらに、上記のような本発明の現像剤のキャリアの
粒子の被覆層は特定の樹脂を用いることにより、その表
面が均一であり、そのためキャリアの粒子の凝集および
スペントの発生がより一層低減され、流動性および耐久
性に優れた、長寿命の現像剤が得られる。このような二
成分系現像剤は、静電式複写機、レーザービームプリン
タなどの電子式画像形成装置において好適に用いられ
る。
【図1】本発明の現像剤に使用されるトナーのメタノー
ル抽出液の、波長200〜700nmにおける吸光度を
示すグラフである。
ル抽出液の、波長200〜700nmにおける吸光度を
示すグラフである。
【図2】帯電制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を含有
するトナーのメタノール抽出液の波長200〜700n
mにおける吸光度を示すグラフである。
するトナーのメタノール抽出液の波長200〜700n
mにおける吸光度を示すグラフである。
【図3】帯電制御剤としてサリチル酸金属錯体を含有す
るトナーのメタノール抽出液の波長200〜700nm
における吸光度を示すグラフである。
るトナーのメタノール抽出液の波長200〜700nm
における吸光度を示すグラフである。
【図4】帯電制御剤としてアゾ系クロム錯塩染料を含有
するトナーを二成分系磁性現像剤に使用し、スペントよ
る帯電不良が発生したときのキャリアについて、メタノ
ール抽出を行い、この抽出液の波長200〜700nm
における吸光度を測定したときのグラフである。
するトナーを二成分系磁性現像剤に使用し、スペントよ
る帯電不良が発生したときのキャリアについて、メタノ
ール抽出を行い、この抽出液の波長200〜700nm
における吸光度を測定したときのグラフである。
【図5】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアと
を混合・攪拌し、あるいは帯電制御剤を含有しないトナ
ーと磁性キャリアとを混合・攪拌する操作を続けた場合
に、混合・攪拌時間とスペント率との関係を示すグラフ
である。
を混合・攪拌し、あるいは帯電制御剤を含有しないトナ
ーと磁性キャリアとを混合・攪拌する操作を続けた場合
に、混合・攪拌時間とスペント率との関係を示すグラフ
である。
【図6】帯電制御剤を含有するトナーと磁性キャリアと
を混合・攪拌し、あるいは帯電制御剤を含有しないトナ
ーと磁性キャリアとを混合・攪拌する操作を続けた場合
に、混合・攪拌時間と帯電量との関係を示すグラフであ
る。
を混合・攪拌し、あるいは帯電制御剤を含有しないトナ
ーと磁性キャリアとを混合・攪拌する操作を続けた場合
に、混合・攪拌時間と帯電量との関係を示すグラフであ
る。
【図7】スペントによるトナー成分が付着したキャリア
の該付着物の量と、スペントを生じたトナー中の帯電制
御剤の量との関係を示すグラフである。
の該付着物の量と、スペントを生じたトナー中の帯電制
御剤の量との関係を示すグラフである。
【図8】トナー中の各成分の各々と磁性キャリアとを混
合・攪拌する操作を続けた場合における混合・攪拌時間
とスペント量との関係を示すグラフである。
合・攪拌する操作を続けた場合における混合・攪拌時間
とスペント量との関係を示すグラフである。
【図9】従来の二成分系磁性現像剤におけるスペントに
よる帯電不良の発生を説明する説明図である。
よる帯電不良の発生を説明する説明図である。
【符号の説明】 1 キャリアの粒子 2 トナー 22 逆極性トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/107 9/113 G03G 9/08 365 9/10 321 351 352 (72)発明者 浅野 照道 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 川田 秀明 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 畑瀬 芳輝 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 トナーとキャリアとを含む二成分系現像
剤であって、 該トナーがトナー粒子を含み、 該トナー粒子が、定着用樹脂、該樹脂中に分散された磁
性粉末および離型剤を含有し、 該定着用樹脂が、(1)アニオン性極性基を有する単量
体および側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単
量体を含む共重合体組成物、および(2)アニオン性極
性基を有する単量体を含む単量体から得られる重合体組
成物と側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量
体を含む単量体から得られる重合体組成物とからなる樹
脂組成物の少なくとも(1)、(2)の一方を含む組成
物でなり、 該磁性粉末が、該定着用樹脂100重量部に対して0.
1から5重量部の割合で該トナー粒子中に含有され、 該キャリアの粒子が、コア粒子と該コア粒子を被覆する
被覆層とを有し、 該コア粒子が、次式(A)で示される磁性材料でなり: MOFe2O3 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である、 該被覆層がメチルシリコーン樹脂とメチル化メラミン樹
脂とを含有する樹脂組成物でなり、そして該メチル化メ
ラミン樹脂の重量平均分子量が700以上である、二成
分系現像剤。 - 【請求項2】 トナーとキャリアとを含む二成分系現像
剤であって、 該トナーがトナー粒子を含み、 該トナー粒子が、定着用樹脂、該樹脂中に分散された磁
性粉末および離型剤を含有し、 該定着用樹脂が、(1)アニオン性極性基を有する単量
体および側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単
量体を含む共重合体組成物、および(2)アニオン性極
性基を有する単量体を含む単量体から得られる重合体組
成物と側鎖に炭素数12以上のアルキル基を有する単量
体を含む単量体から得られる重合体組成物とからなる樹
脂組成物の少なくとも(1)、(2)の一方を含む組成
物でなり、 該磁性粉末が、該定着用樹脂100重量部に対して0.
1から5重量部の割合で該トナー粒子中に含有され、 該キャリアの粒子が、コア粒子と該コア粒子を被覆する
被覆層とを有し、 該コア粒子が、次式(A)で示される磁性材料でなり: MOFe2O3 (A) ここでMはCu、Zn、Fe、Ba、Ni、Mg、M
n、AlおよびCoでなる群から選択される少なくとも
1種の金属である、そして該被覆層がT単位を70%以
上含むメチルシリコーン樹脂を含有する、二成分系現像
剤。 - 【請求項3】 前記トナーをメタノールで抽出したとき
の抽出液が280から350nmの領域に実質的に吸収
ピークを有さず、かつ、400から700nmの領域に
おける吸光度が実質的にゼロである、請求項1または2
に記載の現像剤。 - 【請求項4】 前記磁性粉末が、前記定着用樹脂100
重量部に対して0.5から3重量部の割合で含有され
る、請求項1または2に記載の現像剤。 - 【請求項5】 前記トナー粒子の体積基準平均粒径が5
から15μmであり、該トナー粒子表面に体積基準平均
粒径が0.05から1.0μmのスペーサー粒子が付着
している、請求項1または2に記載の現像剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6212223A JPH0876496A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 二成分系現像剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6212223A JPH0876496A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 二成分系現像剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0876496A true JPH0876496A (ja) | 1996-03-22 |
Family
ID=16618993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6212223A Withdrawn JPH0876496A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 二成分系現像剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0876496A (ja) |
-
1994
- 1994-09-06 JP JP6212223A patent/JPH0876496A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011106 |