JPH0875883A - 燃料集合体、原子力プラント及び原子力プラント運転方法 - Google Patents

燃料集合体、原子力プラント及び原子力プラント運転方法

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JPH0875883A
JPH0875883A JP6211284A JP21128494A JPH0875883A JP H0875883 A JPH0875883 A JP H0875883A JP 6211284 A JP6211284 A JP 6211284A JP 21128494 A JP21128494 A JP 21128494A JP H0875883 A JPH0875883 A JP H0875883A
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JP
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adsorbent
fuel
rod
power plant
water
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JP6211284A
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Inventor
Shuichi Ito
秀一 伊藤
Naoto Uetake
直人 植竹
Yoshitaka Nishino
由高 西野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子炉燃料集合体で放射性イオン及びクラッ
ドを捕獲し、燃料交換時に除去することで一次冷却水を
浄化し、炉水浄化系を縮小もしくは不要とする原子力プ
ラントを提供することにある。 【構成】 燃料集合体を構成する燃料棒1のうちの何本
かを、吸着材5を内部に収容したフィルタロッド2に置
き換える。フィルタロッド2の形状等(特に、断面積)
を、燃料棒1のそれと一致させておけば置き換えは容易
である。また、反応、冷却などへ与える影響も最小限に
できる。あるいは、冷却水中へ粉末状の吸着材を注入す
る。該吸着材は、クラッド等を吸着した状態で、燃料棒
1に付着する。燃料を交換すれば、これと同時に、吸着
材およびこれに吸着されたクラッドを炉外に取り出すこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電プラントの
一次冷却水中の放射性イオン、及び酸化物(クラッド)
を捕獲する核燃料集合体、原子力プラント、および原子
力プラント運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラントの一次冷却系に使用
されている配管、ポンプ、弁等はステンレス鋼及びステ
ライト等から構成されている。これらの材料は長時間使
用されると腐食し、構成金属元素が原子炉冷却材中に溶
出して、炉心へ流入する。溶出金属元素は大部分は燃料
被覆管に付着し、中性子照射を受ける。その結果、コバ
ルト60、コバルト58等の放射性核種が生成される。
これらの放射性核種は再び溶出し、イオンあるいは不溶
性固体成分(クラッド)として冷却水中を浮遊する。そ
の一部は炉水浄化系で除去されるが、残りは一次冷却系
を循環し、プラント構成部材表面に付着する。このた
め、構成部材表面における線量率が高くなり、定期点検
時に作業員が被曝するという問題があった。
【0003】この問題に対処するため、現在は、一次冷
却材中の放射性イオンおよび不溶性固体成分(クラッ
ド)を、浄化系ループに配置した脱塩器やイオン交換樹
脂によって除去している。しかし、イオン交換樹脂等に
よる除去を行うためには、冷却材の温度を下げなければ
ならない。また、除去処理可能な量も、最大で給水流量
のわずか7%に過ぎない。また、この方法では浄化装置
の維持管理が必要となり、コスト面での負担が大きいと
いった問題があった。
【0004】別の解決方法として、特開昭59−178
386号公報には、核燃料棒の最下端部に、放射性核種
捕獲装置を設けた核燃料棒に関する技術が開示されてい
る(以下”従来技術A”という)。
【0005】また、特開平3−206996号公報に
は、加圧水型原子炉燃料集合体を構成する制御棒案内管
及び計装案内管に、吸着物質を塗布した燃料集合体に関
する技術が開示されている(以下”従来技術B”とい
う)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
Aでは、燃料棒の構造が複雑になり、製造コストの高騰
を招くものであった。また、万が一、燃料棒が破損した
場合には、核燃料の冷却材中への溶出といった事態に至
る危険性が高かった。
【0007】上記従来技術Bでは、吸着剤を塗布出来る
面積が限られているため、除去可能なクラッド等の量に
は、おのずから限度があった。
【0008】本発明は、原子力プラントの冷却水中に存
在する放射性イオンおよび不溶性固体成分(クラッド)
を、安全且つ確実に除去するための技術(原子炉燃料集
合体、原子力プラント、原子力プラント運転方法)を提
供することを目的とする。
【0009】本発明は、原子力プラントの冷却水中に存
在する放射性イオンおよび不溶性固体成分(クラッド)
を、低コストで除去するための技術(原子炉燃料集合
体、原子力プラント、原子力プラント運転方法)を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、その第1の態様としては、
原子力プラントの燃料集合体において、核燃料を収容し
た燃料棒と、上記原子力プラントの冷却水中に存在する
クラッドおよび放射性イオンを捕捉する捕捉手段を備え
たフィルタロッドと、を有することを特徴とする燃料集
合体が提供される。
【0011】上記フィルタロッドの断面積は、上記燃料
棒の断面積以下であってもよい。
【0012】本発明の第2の態様としては、原子力プラ
ントの燃料集合体において、核燃料を収容した燃料棒
と、ウォーターロッドと、上記原子力プラントの冷却水
中に存在するクラッドおよび放射性イオンを捕捉する捕
捉手段を備えたフィルタロッドと、を有することを特徴
とする燃料集合体が提供される。
【0013】上記フィルタロッドの断面積は、上記ウォ
ーターロッドの断面積以下であってもよい。
【0014】第1、第2の態様において、上記捕捉手段
は、Ti、V、Fe、Ni、Nb、Zr、Mo、Wまた
はそれらを少なくとも1種類含む酸化物からなる群のう
ちの、少なくとも1つを含んで構成される吸着材を含ん
で構成されることが好ましい。
【0015】さらには、上記フィルタロッドは、さら
に、発熱体を有してもよい。
【0016】上記フィルタロッドは、さらに、上記冷却
水の上記捕捉手段へ向かう流れを作る送水手段を有して
もよい。
【0017】本発明の第3の態様としては、核反応の発
生する熱によって1次冷却水を加熱し水蒸気を発生させ
る原子炉と、上記水蒸気の持つエネルギーを利用して発
電を行う発電手段と、上記発電手段によってに用いられ
た後の上記水蒸気を凝縮させて水に戻す復水手段と、上
記復水手段によって凝縮されてできた水を、一次冷却水
として再び上記原子炉に戻す循環路と、放射性イオンお
よび/またはクラッドを捕捉し、且つ、燃料棒に付着す
る、吸着材を、上記一次冷却水中に注入する注入装置
と、を有することを特徴とする原子力プラントが提供さ
れる。
【0018】本発明の第4の態様としては、一次冷却水
中の放射性イオンおよび/またはクラッドを捕捉し且つ
燃料棒に付着する吸着材を、一次冷却系に注入するこ
と、を特徴とする原子力プラントの運転方法が提供され
る。
【0019】上記吸着材の注入は、原子炉が臨界に達し
た後、未臨界になるまでの間に行うことが好ましい。
【0020】上記吸着材は、Ti、V、Fe、Ni、N
b、Zr、Mo、Wまたはそれらを少なくとも1種類含
む酸化物を少なくとも1つを含んで構成されるものであ
ってもよい。
【0021】上記吸着材は、粒子状であることが好まし
い。
【0022】
【作用】第1、第2の態様について説明する。
【0023】熱対流(あるいは、送水手段)によって、
原子炉内の冷却材はフィルタロッドに送られる。
【0024】すると、フィルタロッドの備える捕捉手段
(例えば、Ti,V等の吸着材)は、冷却材中のクラッ
ドおよび放射性イオンを捕捉する。捕捉のメカニズム自
体は、化学吸着反応、物理吸着、濾過等、どのような者
であっても良い。発熱手段の発生する熱によって吸着材
表面に沸騰場を形成すれば、この捕捉の効率は高まる。
【0025】フィルタロッドの断面積を、燃料棒の断面
積以下としておけば、燃料棒のうちの何本かをフィルタ
ロッドに置き換えるだけで、本発明を既存の燃料集合体
に適用できる。同様に、ウォーターロッドをフィルタロ
ッドに置き換える場合には、ウォーターロッドの断面積
以下としておけば、既存の燃料集合体への適用が容易に
なる。
【0026】第3、第4の態様について説明する。
【0027】原子炉が臨界に達した後、未臨界になるま
での間に、注入装置によって、原子炉の一次冷却水中に
粒子状の吸着材を注入する。すると、吸着材は、一次冷
却水中の放射性イオンおよび/またはクラッドを捕捉
し、燃料棒に付着する。あるいは、燃料棒に付着し、そ
の状態でクラッド等を吸着する。これら吸着材及びこれ
に吸着されたクラッド等は、燃料交換に伴って原子炉の
外に取り出だされる。
【0028】注入した吸着材粒子の90%は、燃料棒の
被覆管表面に付着すると思われる。残りの10%は、原
子炉浄化系のフィルタ等によって除去される。なお、本
発明の第1、第2の態様と合わせて適用した場合には、
フィルタロッドによっても除去される。
【0029】なお、本発明の各態様で使用する吸着材
は、高温(300℃)で安定であり、熱中性子の吸収断
面積が小さく、放射化しにくいもの、例えば、Ti、
V、Fe、Ni、Nb、Zr、Mo、Wまたはその酸化
物を少なくとも一つ含むを用いることができる。
【0030】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0031】[実施例1]本実施例の燃料集合体は、図
1に示すとおり、56本の燃料棒1と、4本のフィルタ
ロッド2と、1本のウオーターロッド3と、を含んで構
成されている。
【0032】燃料棒1は、核燃料を収容したものであ
り、その全長は4080mm、外径は12.5mmであ
る。
【0033】ウオーターロッド3は、中性子を減速する
ためのものである。ウォーターロッド3は、ジルカロイ
2を材料とした、外径約34mmのパイプ30を含んで
構成されている(図3参照)。ウォーターロッド3の上
下には、孔32が設けられており、この孔32を通じ
て、ウォーターロッド内外を冷却水が流通可能にされて
いる。
【0034】フィルタロッド2は、クラッド等を吸着す
るためのものである。フィルタロッド2の詳細を図2に
示した。
【0035】フィルタロッド2は、管4にクラッド等を
吸着する吸着材5を収容して構成されている。
【0036】管4は、ジルカロイ2を材料とし、その外
形は、円筒状(外径:12.5mm、側壁の厚さ:0.
86mm)である。該管4の上下には、一次冷却水をフ
ィルタロッド2内に流入させるための穴42を備えた、
蓋40が被せられている。
【0037】吸着材5には、平均孔径50−100Åの
細孔を持ち、気孔率0.4−0.8のFeTiO3を使
用している。また、その外形は、管4内にちょうど収ま
る大きさの円柱状としている。但し、吸着材5は、これ
に限定されるものではない。吸着材5としては、高温
(300℃)で安定であり、熱中性子の吸収断面積が
小さく、放射化しにくい、等の条件を満たすものであ
れば他のものを使用してもよい。このような条件を満た
す吸着材として、Ti、V、Fe、Ni、Nb、Zr、
Mo、Wまたはその酸化物を少なくとも一つ含むものが
上げられる。ここで使用可能なTiの酸化物としては、
例えば、TiO2が挙げられる。Vの酸化物としては、
例えば、VO(V22)、V23、VO2(V24)、
25が挙げられる。Nbの酸化物としては、例えば、
Nb25が挙げられる。Zrの酸化物としては、例え
ば、ZrO2が挙げられる。Moの酸化物としては、例
えば、MoO2、MoO3、Mo23、Mo25、Mo8
23、Mo926が挙げられる。Wの酸化物としては、
例えば、WO2、WO3が挙げられる。さらには、Fex
Tiyz(x=1〜0.8、Y=1.2,Z=2.2)
を使用することもできる。なお、ここでは、”吸着”材
と呼んでいるが、イオン、クラッド等を捕捉(あるいは
捕獲)する機構は、吸着でなく濾過であってもよい。ま
た、吸着と濾過との両方の機構が共に作用するものであ
っても当然構わない。
【0038】フィルタロッド2は、その外径、断面積お
よび長さを、燃料棒1のそれと略同一にしている。従っ
て、既存の原子力プラントへ本発明を適用するには、単
に所望の燃料棒1を本実施例のフィルタロッド2に置き
換えるだけで良い。なお、該置き換えにおいては、中性
子の減速及び燃料棒等の冷却を考慮して、冷却水の存在
量およびその流れを特に重視する必要がある。従って、
フィルタロッド2の断面形状(輪郭)等を燃料棒1と一
致させられない場合でも、その断面積は燃料棒2のそれ
以下としておくことが好ましい。フィルタロッド2の配
置は、実際の原子炉の事情に合わせて適宜決定すればよ
い。
【0039】燃料棒1、フィルタロッド2、ウォーター
ロッド3は、その上下をジルカロイ4のタイプレート6
で固定され、8×8の配列を構成して並べられる(図1
参照)。また、ロッド同志の接触を避けるため、ロッド
の間にスペーサー7が入れられている。
【0040】一時冷却水は、熱対流等によって原子炉中
を常に循環移動している。放射性イオン、クラッドもこ
れに伴って移動している。クラッド等は、一時冷却水と
ともに、孔40からフィルタロッド2内に流入する。吸
着材5は、このクラッド等を捕捉する。捕捉された放射
性イオンおよびクラッドは、燃料交換時に燃料棒ととも
に炉内から取り出すことができる。従って、本実施例の
燃料集合体を用いた原子力プラントでは炉水浄化系が不
要となる。しかも、単に燃料棒1の内の何本かをフィル
タロッド2に置き換えるだけで既存の原子力プラントへ
も簡単に適用可能である。
【0041】なお、燃料棒1をフィルタロッド2に置き
換えたことによって、原子炉の熱出力及び熱中性子分布
が影響を受けないように、フィルタロッド2の周りの燃
料棒は濃縮度を適宜変更することが好ましい。
【0042】燃料集合体の基本構造には、従来から使用
されてきた構造をそのまま使用することができるため信
頼性が高い。原子炉内での一時冷却水の移動経路等が変
化することもほとんどない。しかも、吸着材の容量を大
きくできるため、大量のクラッドなどを除去することが
できる。
【0043】本実施例ではフィルタロッド2の外径及び
断面積を燃料棒と一致させていたが、さらに、その外形
全体を燃料棒と一致させておけば、置き換えがより容易
となる。
【0044】[実施例2]本実施例2の基本構成は、実
施例1と同様である。但し、本実施例のフィルタロッド
2は、ウォーターロッド3に置き換えて使用することを
前提としている。そのため、実施例1と比べて、フィル
タロッド2の配置および構成が多少異なる。本実施例2
の燃料集合体は、図4に示すように、60本の燃料棒1
と、4本のフィルタロッド2とを、8×8の配列で並べ
た構成となっている。
【0045】本実施例では、燃料集合体の中心付近、す
なわち、実施例1においては、ウォーターロッド3が配
置されていた領域に、フィルタロッド2を4本配置して
いる。
【0046】フィルタロッド2を構成する管4は、実施
例1と同様である(材料:ジルカロイ2、外径:12.
5mm、側壁の厚さ:0.86mm)。
【0047】図5に示すとおり、フィルタロッド2を構
成する吸着材5は、その外形を円筒状としている(全
長:3708mm、外径:10.5mm、内径:6.5
mm)。本実施例では、吸着材5をこのように円筒状に
しているため、フィルタロッド2内に存在する水の量が
多い。従って、フィルタロッド2(内に存在する水)
が、実質的には、ウォーターロッドとして機能しうる。
その他の点は、実施例1と同様である(材質:FeTi
3、平均孔径:50−100Å、気孔率:0.4−
0.8)。なお、吸着材5の気孔率を高めて、ウォータ
ーロッドとしての機能をより高めた構成としてもよい。
【0048】本実施例では、実施例1と同様の効果に加
えて、フィルタロッド2が中性子を減速するウオーター
ロッドとしても機能しうるという効果を有する。従っ
て、ウォーターロッドを専用に設ける必要がない。
【0049】実施例1でも述べたとおり、既に使用され
ている燃料集合体へ本発明を適用する場合には、中性子
の減速、燃料棒冷却に与える影響を最小限のものとする
必要がある。従って、本実施例のごとく、ウォーターロ
ッド部分への配置(あるいは置き換え)を意図としてい
る場合には、フィルタロッド2の断面積は、ウォーター
ロッドの断面積以下とすることが好ましい。
【0050】図4には、当初、ウォーターロッドを1つ
だけ有していた例を示しているが、ウォーターロッドを
複数備えた燃料集合体についても当然適用可能である。
この場合、必ずしもすべてのウォーターロッドをフィル
タロッド2で置き換える必要はない。必要に応じて、一
部のウォーターロッドのみをフィルタロッドで置き換え
るようにしても良い。
【0051】[実施例3]本実施例は、フィルタロッド
2’にポンプ8を備えたことを特徴とするものである
(図6参照)。
【0052】フィルタロッド2’の基本構成は、実施例
1、2と同様である。
【0053】管4は、ジルカロイ2を材料とし、その外
形は全長4080mm、外径34mm、厚さ0.86m
mである。
【0054】吸着材5は、管4内の空間の一部(本実施
例では上側部分のみ)に配置されている。そして、該空
間の残りの部分(本実施例では吸着材5の下方)には、
ポンプ8および図示しないバッテリを設置している。吸
着材5自体の材質、気孔率等は、実施例1と同様であ
る。
【0055】本実施例のポンプ8は、上記バッテリから
供給される電力によって作動し、冷却水を500−10
00kg/hで吸着材5へ向けて強制的に送り出す仕様
となっている。
【0056】本実施例では、ポンプ8を設置した分だ
け、吸着材5の容量が減少している。しかし、ポンプ8
を作動させることで、フィルタロッド2’内を流れる冷
却水の量を多くすることができる。そのため、結果的に
は、単に、熱対流等によってフィルタロッド2’内に冷
却水を通過させる場合に比べて、大量の冷却水を浄化す
ることができる。
【0057】ポンプ8の出力に応じて、吸着材5の容積
等を変更すればより浄化の効率を高めることもできる。
例えば、本実施例では冷却水を吸着材5に強制的に送り
込むことができるため、吸着材5の孔径を実施例1より
も小さくして、微細なクラッドを効率良く捕捉すること
もできる。
【0058】ポンプ8は常に動いている必要はなく、あ
る一時期だけ集中的に作動するだけでも、本発明の目的
である冷却水の浄化は十分に達成することができる。従
って、必要なバッテリも十分収容可能である。
【0059】[実施例4]本実施例は、フィルタロッド
2”内に発熱体9を備えた点を特徴とするものである
(図7参照)。他は、基本的には実施例2と同様であ
る。
【0060】管4は、ジルカロイ2を材料とし、その外
形は円筒形(全長:4080mm、外径:12.5m
m、厚さ:0.86mm)である。
【0061】吸着材5は、FeTiO3を材料とし、そ
の外形は円筒形(全長:3708mm、外径:10.5
mm、内径:6.5mm)である。
【0062】発熱体9は、吸着材5を加熱してクラッド
を吸着しやすくするためのものである。吸着材5を加熱
して温度を上昇させると、この吸着材5の表面に沸騰場
が形成される。そして、該沸騰による気泡が生じている
部分では、冷却水が気化したことによってクラッド等が
濃縮された状態となり、吸着しやすくなる。
【0063】発熱体9は、吸着材5内の空間部分に配置
されている。本実施例では発熱体9として、核燃料(小
型燃料棒)を使用している。発熱体9の外形は、円柱状
(外径:6.5mm)である。本実施例では発熱体9と
して核燃料を使用しているが、原子力プラントへの影響
がないものであれば他のものを使用しても構わない。
【0064】本実施例では、実施例1、2に比べて、よ
り効率的にクラッド等を捕捉することができる。
【0065】[実施例5]本実施例は、冷却水中に粉末
状の吸着材fを注入することを最大の特徴とするもので
ある。
【0066】まず、沸騰水型原子力プラントの一時冷却
水循環系統の概要を、図8を用いて説明する。
【0067】原子炉10内の一次冷却水は、加熱されて
水蒸気となる。この水蒸気は、発電手段を構成するター
ビン11における発電に用いられる。発電に用いられた
後の水蒸気は、復水器12によって凝縮させられて水に
戻る。そして、この水は、給水再循環系配管19を通じ
て原子炉10に戻される。途中、該給水再循環系配管1
9に配置された復水濾過器14、復水脱塩器15によっ
て、各種不純物(例えば、鉄クラッド、不純物金属イオ
ン)等が除去される。また、この水は、給水ヒータ17
によって加熱される。なお、給水再循環系配管19にお
けるこの水の流れは、復水ポンプ13、給水ポンプ16
によって作られている。
【0068】本実施例では、さらに、復水器12によっ
て凝縮されてできた水を、再び、原子炉にまで導く給水
再循環系配管19に注入装置18を設け、これによって
粉末状の吸着材fを冷却水中に注入する構成としてい
る。粉末体を扱う装置については、既に広く実用化され
周知の技術であるためここでは説明を省略する。特許請
求の範囲においていう”循環炉”とは、本実施例におい
ては給水再循環系配管19に相当するものである。”注
入装置”とは、注入装置18に相当するものである。
【0069】吸着材fは、冷却水中を浮遊しつつ、クラ
ッド等を捕捉するためのものであり、本実施例ではFe
TiO3の粉末(表面積:50m2/g、平均粒径:10
μm)を用いている。また、その注入量は300g、注
入速度は100g/hとしている。当然ながらこれらの
具体的数値は、適用する原子力プラントに応じて適宜変
更すれば良い。吸着材fとしては、この他にも、実施例
1で吸着材5として挙げた各種材料(例えば、TiO2
等)をも使用することができる。
【0070】注入された粉末状の吸着材fは、一時冷却
水によって原子炉内に運ばれて、炉内を浮遊しつつ、放
射性イオンおよび酸化物(クラッド)を吸着する。そし
て、最終的には、その大部分が燃料棒に付着する。従っ
て、燃料棒の交換に伴って、該吸着材fおよびこれに吸
着しているクラッド等は炉内から回収される。
【0071】吸着材fの注入は原理的にはいつでも構わ
ないが、吸着材fの注入は原子炉が臨界に達してから未
臨界になるまで(制御棒を挿入するまで)の間に注入を
行うことが好ましい。しかし、燃料棒に吸着材fが付着
した状態が長期間続くことは熱的に見て好ましくはな
い。その一方で、燃料交換の直前では、十分にクラッド
を除去することができない。燃料棒に吸着している吸着
材fの割合がまだ低いため、吸着材f自身の原子炉内へ
の残留率も高くなる(但し、これは、交換によって挿入
された新たな燃料棒に吸着されるため、結果的には、上
述の場合と同様吸着材fが長期間燃料棒に付着した状態
が続くことになる)。このような条件を勘案すると、燃
料交換の1週間程度前に行うことがより好ましい。但
し、これは、使用する吸着材の種類、量等に応じて適宜
変更しても良い。
【0072】一般に、吸着材の表面積が大きいほど、吸
着可能な量は増大する。これは、見方を変えれば、吸着
材単位重量当たりの吸着の速さが速くなったことにも相
当する。本実施例5は、粉末状(粒子状)の吸着材fを
使用しているため、その表面積が大きく、より速やかに
クラッド等の除去を行うことができる。しかも、注入す
る吸着材fの量は、実施例1乃至4とは異なり、燃料棒
等の大きさの制限を受けることもない。従って、大量の
吸着材fを注入して、十分にクラッド等を除去すること
ができる。
【0073】実施例5と、実施例1乃至実施例4を、同
時に適用することもできる。この場合には、吸着材fの
回収率が向上し、より効率的にクラッドの除去が可能と
なる。
【0074】以上説明したとおり上記実施例1乃至実施
例5においては、効率良くクラッド等を除去することが
できる。また、また、既に稼動している原子炉に適用す
れば、浄化系の維持管理が不要となり、運転コストを低
減できる。
【0075】本発明は、沸騰水型原子炉、加圧水型原子
炉いずれについても適用可能である。
【0076】
【発明の効果】一次系冷却材中の放射性イオンおよび酸
化物(クラッド)を、燃料集合体、フィルタロッドで効
率良く捕捉できる。また、捕捉した放射性イオンおよび
酸化物(クラッド)は燃料交換時に燃料集合体とともに
炉外へ取り出すことができる。これにより、現在の原子
炉においては不可欠な炉水浄化系を、縮小もしくは削減
することができる。また、既に稼動している原子炉に適
用すれば、浄化系の維持管理が不要となり、運転コスト
を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1である高温フィルタの機能を
持ったロッド及びウオーターロッドを備えた沸騰水型燃
料集合体を示す側面図である。
【図2】実施例1におけるフィルタロッド2の詳細を示
す(a)側面部分透視図、(b)底面図である。
【図3】ウォーターロッド3の斜視図である。
【図4】本発明の実施例2であるフィルタロッド2を備
えた沸騰水型燃料集合体を示す側面図である。
【図5】実施例2におけるフィルタロッド2の詳細を示
す(a)側面部分透視図、(b)底面図である。
【図6】本発明の実施例3である小型ポンプを備えたフ
ィルタロッド2’を示す(a)側面部分透視図、(b)
底面図である。
【図7】本発明の実施例4である発熱体9を備えたフィ
ルタロッド2”を示す(a)側面部分透視図、(b)底
面図である。
【図8】本発明の実施例5である沸騰水型原子力発電プ
ラントの模式図である。
【符号の説明】 1…燃料棒、2…フィルタロッド、3…ウオーターロッ
ド、4…管、5…吸着材、6…上下タイプレート、7…
スペーサー、8…小型ポンプ、9発熱体、10…原子
炉、11…タービン、12…復水器、14…復水ろ過
器、15…復水脱塩器、17…給水ヒーター、13…復
水ポンプ、16…給水ポンプ、18…注入装置、19…
給水再循環系配管、30…管、32…孔、40…蓋、4
2…孔、f…吸着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21D 3/00 N G21C 19/30 D

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子力プラントの燃料集合体において、 核燃料を収容した燃料棒と、 上記原子力プラントの冷却水中に存在するクラッドおよ
    び放射性イオンを捕捉する捕捉手段を備えたフィルタロ
    ッドと、 を有することを特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】上記フィルタロッドの断面積は、上記燃料
    棒の断面積以下であること、 を特徴とする請求項1記載の燃料集合体。
  3. 【請求項3】原子力プラントの燃料集合体において、 核燃料を収容した燃料棒と、 ウォーターロッドと、 上記原子力プラントの冷却水中に存在するクラッドおよ
    び放射性イオンを捕捉する捕捉手段を備えたフィルタロ
    ッドと、 を有することを特徴とする燃料集合体。
  4. 【請求項4】上記フィルタロッドの断面積は、上記ウォ
    ーターロッドの断面積以下であること、 を特徴とする請求項3記載の燃料集合体。
  5. 【請求項5】上記捕捉手段は、Ti、V、Fe、Ni、
    Nb、Zr、Mo、Wまたはそれらを少なくとも1種類
    含む酸化物からなる群のうちの、少なくとも1つを含ん
    で構成される吸着材を含んで構成されること、 を特徴とする請求項1または3記載の燃料集合体。
  6. 【請求項6】上記フィルタロッドは、さらに、発熱体を
    有すること、 を特徴とする請求項1または3記載の燃料集合体。
  7. 【請求項7】上記フィルタロッドは、さらに、上記冷却
    水の上記捕捉手段へ向かう流れを作る送水手段を有する
    こと、 を特徴とする請求項1または3記載の燃料集合体。
  8. 【請求項8】核反応の発生する熱によって1次冷却水を
    加熱し水蒸気を発生させる原子炉と、 上記水蒸気の持つエネルギーを利用して発電を行う発電
    手段と、 上記発電手段によってに用いられた後の上記水蒸気を凝
    縮させて水に戻す復水手段と、 上記復水手段によって凝縮されてできた水を、一次冷却
    水として再び上記原子炉に戻す循環路と、 放射性イオンおよび/またはクラッドを捕捉し、且つ、
    燃料棒に付着する、吸着材を、上記一次冷却水中に注入
    する注入装置と、 を有することを特徴とする原子力プラント。
  9. 【請求項9】一次冷却水中の放射性イオンおよびまたは
    クラッドを捕捉し且つ燃料棒に付着する吸着材を、一次
    冷却系に注入すること、 を特徴とする原子力プラントの運転方法。
  10. 【請求項10】上記吸着材の注入は、原子炉が臨界に達
    した後、未臨界になるまでの間に行うものであること、 を特徴とする請求項9記載の原子力プラントの運転方
    法。
  11. 【請求項11】上記吸着材は、Ti、V、Fe、Ni、
    Nb、Zr、Mo、Wまたはそれらを少なくとも1種類
    含む酸化物を少なくとも1つを含んで構成されるもので
    あること、 を特徴とする請求項9記載の原子力プラントの運転方
    法。
  12. 【請求項12】上記吸着材は、粒子状であること、 を特徴とする請求項9記載の原子力プラントの運転方
    法。
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