JPH0875004A - エンジンのシ−ル構造および金属ガスケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ガスケットにおける位置決め孔内周縁部のめく
れ現象を防止する。 【構成】シリンダブロック１のヘッド側合わせ面４ａに
位置決め用の突起部（５Ｌ、５Ｒ、６Ｌ、６Ｒ）が形成
される。２枚の金属プレ−ト１１、１２を積層してなる
金属ガスケットＧには、上記突起部に嵌合される位置決
め孔１７、１８が形成され、また金属プレ−ト１２にの
みシール用ビ−ド部２１〜２３が形成される。金属プレ
−ト１１の位置決め孔１８ａよりも、金属プレ−ト１２
の位置決め孔１８ｂの方が大径とされて、位置決め孔１
８ｂの内周縁部は突起部に対して非接触状態とされる。
合わせ面４ａの傾斜方向に位置する部分のみ、突起部と
位置決め孔とを非接触状態に設定することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのシール構造
および金属ガスケットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】最近のエンジン、特に自動車用エンジン
においては、シリンダブロックとシリンダヘッドとの合
わせ面のシールを、該合わせ面に介在させた金属ガスケ
ットにより構成することが多くなっている。この金属ガ
スケットを、複数枚の金属プレ−トを積層した構成とし
て、一部の金属プレ−トに対してのみシール用のビ−ド
部を形成することも行われている。

【０００３】上記金属ガスケットには、位置決め孔が形
成されて、シリンダブロックとシリンダヘッドとのいず
れか一方に形成された突起部（通常はシリンダブロック
に形成されることが多い）に嵌合させることにより、当
該金属ガスケットのエンジンに対する位置決めが行われ
る（実開平３−１２４０７４号公報参照）。そして、従
来は、突起部と位置決め孔とは、その周方向全長にわた
ってきっちりと当接されるような状態に寸法設定（形状
設定）されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンに
金属ガスケットを組み込んで長期に渡って使用している
と、金属ガスケットのシール性が悪化することがある、
ということが判明した。このような原因を追及したとこ
ろ、金属ガスケットにおける位置決め孔の周縁部が部分
的に変形つまり部分的にめくれるようなめくれ現象を生
じるためである、ということが判明した。このめくれ現
象は、突起部と位置決め孔（の内周縁）とが強く当接さ
れる位置、つまり位置決め孔の周方向において部分的に
応力が集中する位置において発生する。

【０００５】このような位置決め孔の周方向における部
分的な応力の集中は、燃焼室の周方向における燃焼圧力
の相違のみならず、金属ガスケットの傾斜にかなり強く
依存する、ということも判明した。この点を詳述する
と、最近のエンジンでは、Ｖ型エンジンのように、シリ
ンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面つまり金属
ガスケットが、水平面に対してかなり強く傾斜されるよ
うな配置とされることが多い。このように金属ガスケッ
トが水平面に対して大きく傾斜していると、エンジンの
運転に起因してシリンダブロックとシリンダヘッドとの
合わせ面が離間（爆発行程時）と接近とを繰り返し、シ
リンダヘッドがシリンダブロックに接近する際に、シリ
ンダヘッドがシリンダブロックに接近していく力とシリ
ンダヘッドが重力により受ける力との合力により、かな
りの重量物であるシリンダヘッドが金属ガスケットを傾
斜方向に移動させようとする力が等が金属ガスケットに
繰り返し作用する。そして、この場合、生産上、傾斜面
に沿わせて金属ガスケットが組まれているため、突起部
と位置決め孔との傾斜上方側が接触し、上記のような外
力によって、位置決め孔の内周縁部のうち、傾斜方向部
分、特に高い位置にある部分にめくれ現象を生じ易いも
のとなる。

【０００６】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、金属ガスケットの位置決め孔内周縁部のめ
くれ現象を防止できるようにしたエンジンのシール構造
およびこのシール構造に用いて好適な金属ガスケットを
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明におけるエンジンのシール構造にあっては、
その第１の構成として、次のようにしてある。すなわ
ち、シリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面に
介在した金属ガスケットにより該合わせ面のシールを行
うようにしたエンジンのシール構造において、前記シリ
ンダブロックとシリンダヘッドとのいずれか一方の合わ
せ面に、位置決め用の突起部が形成され、前記金属ガス
ケットに、前記突起部に嵌合される位置決め孔が形成さ
れ、前記突起部と位置決め孔とが、その周方向のうちエ
ンジンの運転により大きな応力が加わる部分が互いに非
接触状態となるように設定されている、ような構成とし
てある。

【０００８】前記目的を達成するため、本発明における
エンジンのシール構造にあっては、その第２の構成とし
て、次のようにしてある。すなわち、シリンダブロック
とシリンダヘッドとの合わせ面に介在した金属ガスケッ
トにより該合わせ面のシールを行うようにしたＶ型エン
ジンのシール構造において、前記シリンダブロックとシ
リンダヘッドとのいずれか一方の合わせ面に、位置決め
用の突起部が形成され、前記金属ガスケットに、前記突
起部に嵌合される位置決め孔が形成され、前記突起部と
位置決め孔とが、その周方向のうちＶバンク中央空間側
が互いに非接触状態となるように設定されている、よう
な構成としてある。

【０００９】前記目的を達成するため、本発明における
エンジンのシール構造にあっては、その第３の構成とし
て、次のようにしてある。すなわち、シリンダブロック
とシリンダヘッドとの合わせ面に介在した金属ガスケッ
トにより該合わせ面のシールを行うようにしたエンジン
のシール構造において、前記シリンダブロックとシリン
ダヘッドとのいずれか一方の合わせ面に、位置決め用の
突起部が形成され、前記金属ガスケットが、複数枚の金
属プレ−トを互いに積層することにより構成され、前記
金属ガスケットに、前記突起部に嵌合される位置決め孔
が形成され、前記複数枚の金属プレ−トのうち一部の金
属プレ−トの位置決め孔が、その周方向全周に渡って、
他の金属プレ−トの位置決め孔よりも大きく形成されて
いる、ような構成としてある。

【００１０】前記第１、第２あるいは第３の構成を前提
としたエンジンのシール構造の好ましい態様は、特許請
求の範囲に置ける請求項４ないし請求項１２に記載のと
おりである。

【００１１】前記目的を達成するため、本発明における
金属ガスケットにあっては、その第１の構成として、次
のようにしてある。すなわち、位置決め孔が形成された
金属ガスケットにおいて、前記位置決め孔が、仮想円に
沿う円弧部と、該仮想円よりも径方向外側に位置するよ
うに形成された異形部とを有するように設定されて、全
体として非円形とされている、ような構成としてある。

【００１２】前記目的を達成するため、本発明における
金属ガスケットにあっては、その第２の構成として、次
のようにしてある。すなわち、位置決め孔が形成された
金属ガスケットにおいて、前記金属ガスケットが、複数
枚の金属プレ−トを積層することにより構成され、複数
枚の金属プレ−トのうち、一部の金属プレ−トにのみシ
ール用のビ−ド部が形成され、前記ビ−ド部が形成され
た一部の金属プレ−トにおける位置決め孔が、他の金属
プレ−トの位置決め孔よりも、周方向において部分的に
大きく形成されている、ような構成としてある。

【００１３】前記目的を達成するため、本発明における
金属ガスケットにあっては、その第３の構成として、次
のようにしてある。すなわち、位置決め孔が形成された
金属ガスケットにおいて、前記金属ガスケットが、複数
枚の金属プレ−トを積層することにより構成され、複数
枚の金属プレ−トのうち、一部の金属プレ−トにのみシ
ール用のビ−ド部が形成され、前記各金属プレ−トにお
ける位置決め孔が、互いに同心の円形となるように形成
され、前記ビ−ド部が形成された前記一部の金属プレ−
トの位置決め孔が、他の金属プレ−トの位置決め孔より
も大径とされている、ような構成としてある。上記第３
の構成を前提とした金属ガスケットの好ましい態様は、
特許請求の範囲における請求項１６に記載のととおりで
ある。

【００１４】

【発明の効果】請求項１〜請求項３に記載された発明に
よれば、それぞれ、エンジンの運転に起因して突起部と
の間で大きな応力が発生する部分については、金属ガス
ケットに形成された位置決め孔の内周縁部を当該突起部
に対して非接触状態としたので、めくれ現象を防止し
て、長期にわたって良好なシール性を確保することがで
きる。特に、請求項３に記載された発明によれば、シー
ル用ビ−ド部を有する金属プレ−トの位置決め孔は、そ
の周方向全長に渡って突起部に当接することがないの
で、長期にわたって良好なシール性を確保する上でより
好ましいものとなる。

【００１５】請求項４に記載したような構成とすること
により、合わせ面の傾斜を勘案して、金属ガスケットの
めくれ現象を確実に防止する上で好ましいものとなる。
請求項５に記載したような構成とすることにより、クラ
ンク軸と直交する方向において合わせ面が水平面に対し
て傾斜されることの多いエンジン、例えば自動車用Ｖ型
エンジンや水平対向型エンジンに用いて好適なものとな
る。

【００１６】請求項６に記載したような構成とすること
により、一部の金属プレ−トについてのみ突起部に対す
る非接触状態とされる位置決め孔を形成するだけでよい
ものとなる。

【００１７】請求項７に記載したような構成とすること
により、シール用のビ−ド部を有する金属プレ−トのめ
くれ現象を防止して、良好なシール性を確保する上で好
ましいものとなる。

【００１８】請求項８に記載したような構成とすること
により、Ｖ型エンジンにおいて、請求項６に対応した効
果を得ることができる。請求項９に記載したような構成
とすることにより、Ｖ型エンジンにおいて、請求項７に
対応した効果を得ることができる。

【００１９】請求項１０に記載したような構成とするこ
とにより、シール用ビ−ド部を有する金属プレ−トの位
置決め孔は、その周方向全長に渡って突起部に当接する
ことがないので、長期に渡って良好なシール性をより一
層確実に得る上で好ましいものとなる。

【００２０】請求項１１に記載したような構成とするこ
とにより、位置決め用の突起部がシリンダブロックに形
成されることが多いことを勘案して、好ましいものとな
る。

【００２１】請求項１２に記載したような構成とするこ
とにより、突起部をオイル流通経路構成用の部材で兼用
することができる。

【００２２】請求項１３に記載された金属ガスケット
は、請求項１に対応したシール用として好適なものとな
る。請求項１４に記載された金属ガスケットは、請求項
７に対応したシール用として好適なものとなる。請求項
１５に記載された金属ガスケットは、請求項１０に対応
したシール用として好適なものとなる。

【実施例】以下本発明の実施例を添付した図面に基づい
て説明する。先ず、図１、図２は、本発明が適用された
Ｖ型気筒エンジンのシリンダブロック１を示し、左右の
バンク部２Ｌ、２Ｒとを有して、各バンク２Ｌと２Ｒと
の間はＶバンク中央空間３とされている。図２に示すよ
うに、各バンク２Ｌ、２Ｒには、金属ガスケットＧを介
してシリンダヘッド４が固定されるが（右バンク２Ｒ用
の金属ガスケットおよびシリンダヘッドは図示略）、シ
リンダブロック１のシリンダヘッド４に対する合わせ面
が符合１ａで、シリンダヘッド４のシリンダブロック１
に対する合わせ面が符合４ａで示される。

【００２３】シリンダブロック１とシリンダヘッド４と
の合わせ面１ａ、４ａは、水平面αに対してかなり大き
く傾斜されており、その傾斜方向は、図２中符合βで示
すように、クランク軸（図２紙面直角方向に伸びる）と
直交する方向とされている。そして、Ｖバンク中央空間
３側がもっとも高く、Ｖバンク中央空間３からクランク
軸と直交する方向に離れるにしたがって徐々に低くされ
る。

【００２４】各バンク２Ｌ、２Ｒの合わせ面１ａには、
それぞれ、合計２個の位置決め用突起部５Ｌ、６Ｌ、あ
るいは５Ｒ、６Ｒが形成されている。突起部５Ｌ、５Ｒ
は、シリンダブロック１に圧入されたチュ−ブラピンに
より構成されている。突起部６Ｌ、６Ｒは、それぞれ、
シリンダブロック１の合わせ面１ａに形成されたねじ孔
に螺合されたオイルコントロ−ルプラグにより構成され
ている。このオイルコントロ−ルプラグは、金属ガスケ
ットＧを介してシリンダブロック１とシリンダヘッド４
とを結合したとき、該両者１と４との間でのオイル（エ
ンジンオイル）の流通経路を構成するものである。各突
起部５Ｌ、５Ｒ、６Ｌ、６Ｒの外周面は、それぞれ円形
に形成されている。

【００２５】図３には、金属ガスケットＧの一例が示さ
れる。この金属ガスケットＧは、実施例では、図４に示
すように、２枚の金属プレ−ト１１と１２とを積層一体
化することにより構成されている。金属ガスケットＧ
は、バンク２Ｌあるいは２Ｒに形成された気筒（シリン
ダ）７Ｌあるいは７Ｒに対応した３つのシリンダ用開口
１３が直列に形成されている。金属ガスケットＧは、こ
の他、各種の開口１４〜１８が形成されている。開口１
４は、シリンダヘッド４をシリンダブロック（バンク２
Ｌ、２Ｒ）に固定するためのヘッドボルト挿通用であ
る。開口１５は、オイルリタ−ン通路およびブロ−バイ
ガス用通路を構成するものである。開口１６は、冷却水
通路である。開口１７は、位置決め孔であり、前記チュ
−ブラピン５Ｌ、５Ｒが嵌合されるものである。開口１
８も位置決め孔であり、前記突起部６Ｌ、６Ｒが嵌合さ
れるものである。

【００２６】前記金属プレ−ト１１と１２とは、既知の
適宜の手法例えばスポット溶接や互いにその外周縁部同
士をヘミング処理する等により、互いに一体化されてい
る。そして、シリンダブロック１側となる金属プレ−ト
１１は全体として平板状とされているが、シリンダヘッ
ド４側となる金属プレ−ト１２には、シリンダヘッド４
側に向けてつまり金属プレ−ト１１とは反対側に向けて
凸となるように、シール用のビ−ド部２１〜２３が形成
されている。ビ−ド部２１は、開口１３（シリンダ）専
用で、各開口１３毎に個々独立して、開口１３を取り巻
くように環状に形成されている。ビ−ド部２２は、開口
１４、１５、１７、１８毎あるいはそのいくつかをまと
めてシールするもので、対応する開口を取り巻くように
環状に形成されている。ビ−ド部２３は、前記ビ−ド部
２１、２２の外側に位置されていて、つまり合わせ面１
ａと４ａとの外周縁部に沿って環状に形成された全体シ
ール用である。

【００２７】各突起部５Ｌ〜６Ｒと、位置決め孔１７、
１８との嵌合関係は同じように構成されているので、以
下突起部６Ｌと位置決め孔１８とに着目して、図４を参
照しつつ説明する。この図４において、位置決め孔１８
のうち、シール用ビ−ド部を有しない金属プレ−ト１１
の位置決め孔１８ａは、突起部６Ｌに全体としてきっち
りと嵌合するように、当該突起部６Ｌの外径寸法とほぼ
同じ内径寸法を有するように、全体として円形に形成さ
れている。つまり、金属プレ−ト１１の位置決め孔１８
ａを突起部６Ｌに嵌合させることにより、金属ガスケッ
トＧのシリンダブロック１に対する位置決めが行われ
る。

【００２８】位置決め孔１８のうち、ビ−ド部２１〜２
３が形成された金属プレ−ト１２の位置決め孔１８ｂ
は、金属プレ−ト１１の位置決め孔１８ａと同心の円形
に形成されているが、位置決め孔１８ａよりも大径とさ
れている。これにより、位置決め孔１８ｂの内周縁部
は、その周方向全長に渡って、位置決め孔１８ａの内周
縁部よりも径方向外側に位置される。したがって、金属
ガスケットＧの位置決め孔１８を突起部６Ｌに嵌合させ
た際に、ビ−ド部２１〜２３を有する金属プレ−ト１２
の位置決め孔１８ｂは、その周方向全長に渡って、突起
部６Ｌに対して離間された状態となる（図５をも参
照）。

【００２９】したがって、金属ガスケットＧを介してシ
リンダブロック１とシリンダヘッド４とを結合した状態
で、エンジンの運転により金属ガスケットＧがシリンダ
ブロック１あるいはシリンダヘッド４に対して前記傾斜
方向β方向に移動したとしても、ビ−ド部２１〜２３を
有する金属プレ−ト１２は突起部６Ｌに当接することが
なく、めくれ現象が防止される（良好なシール性の確
保）。このことは、各位置決め孔と突起部との関係にお
いても共通である。勿論、位置決め孔１８ｂをどの程度
大径とするかは、上述のエンジン運転時における金属ガ
スケットＧの最大移動量（めくれ量）というものを勘案
して設定される。

【００３０】図６は、本発明の他の実施例を示すもの
で、前記実施例と同一構成要素には同一符合を付してそ
の重複した説明は省略する。本実施例では、金属ガスケ
ットＧ２として、ビ−ド部２１〜２３を有する金属プレ
−ト１２に相当する金属プレ−ト１２Ｂのみの１枚物と
してある。この金属プレ−ト１２Ｂに形成された位置決
め孔１８Ｂ（１８に相当で、１７についても同じ）は、
全体として非円形（実施例では、傾斜方向を長径とする
略楕円形）とされている。すなわち、突起部６Ｌの円形
外周面を仮想円γとしたとき、この仮想円γに沿う一対
の円弧部３１と（仮想円γの直径方向長さを符合Ｌで示
す）と、一対の異形部３２とを有して、異形部３２の内
周縁部は、仮想円γよりも径方向外側に位置されてい
る。円弧部３１は、傾斜方向βと直交する方向に位置さ
れている。異形部３２は、傾斜方向β方向に位置するよ
うに設定されている。そして、円弧部３１と異形部３２
とは滑らかに連続されている。なお、異形部３２は、傾
斜方向高い側にのみ形成するようにしてもよい。

【００３１】本実施例においては、一対の円弧部３１に
よって、突起部６Ｌつまりシリンダブロック１に対する
位置決めがおこなわれる。そして、エンジンの運転に起
因して生じる金属ガスケットＧ２の移動方向において異
形部３２が存在するため、金属ガスケットＧ２の位置決
め孔１８Ｂ内周縁部が突起部６Ｌに強く当接するのが防
止される（めくれ現象防止）。

【００３２】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)エンジンは、Ｖ型エンジンに限らず、少なくとも使
用時にシリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面
が水平面に対して傾斜されるエンジン、例えば水平対向
型エンジン、あるいは直列エンジンであってもクランク
軸方向あるいはクランク軸回りに傾斜されるエンジンに
おいても同様に適用し得るものである。 (2)図６に示す実施例において、複数枚の金属プレ−ト
を積層したものであってもよく、この場合は、ビ−ド部
２１を有する金属プレ−トの位置決め孔のみを図６に示
すような位置決め孔１８Ｂの形式に設定してもよく、ま
たは各金属プレ−トすべてについて位置決め孔１８Ｂの
ような設定としてもよい。 (3)位置決め用の突起部と位置決め孔とは、２組に限ら
ず、複数例えば３組以上設けてもよい。 (4)２枚の金属プレ−トの両方に対して、シール用のビ
−ド部を形成してもよい。 (5)金属ガスケットを複数枚の金属プレ−トを積層して
構成する場合、積層枚数は３枚以上であってもよい。こ
の場合、シール用のビ−ド部は、中間の金属プレ−トに
形成してもよく、最上層あるいは最下層の金属プレ−ト
に形成してもよく（シリンダヘッド、シリンダブロック
の合わせ面に向けて凸とするのが好ましい）、さらに
は、複数枚の金属プレ−トにビ−ド部を形成したもので
あってもよい。 (6)突起部は、シリンダヘッド４側に設けた場合であっ
てもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用されたＶ型エンジンのシリンダブ
ロックを示す上面図。

【図２】図１に示すシリンダブロックをクランク軸方向
から見たときに、各バンクの傾斜状態とＶバンク中央空
間が分かり易くなるように示した簡略正面図で、簡略化
された金属ガスケットおよびシリンダヘッドと共に示
す。

【図３】金属ガスケットの一例を示す上面図。

【図４】図３のＸ４−Ｘ４線相当断面図。

【図５】図４に示す突起部と各金属プレ−トの位置決め
孔との関係を示す断面図。

【図６】本発明の他の実施例を示すもので、図５に対応
した要部断面図。

【符合の説明】

Ｇ：金属ガスケット Ｇ２：金属ガスケット α：水平面 β：傾斜方向 γ：仮想円 １：シリンダブロック １ａ：合わせ面 ２Ｌ、２Ｒ：バンク ３：Ｖバンク中央空間 ４：シリンダヘッド ４ａ：合わせ面 １１：金属プレ−ト １２：金属プレ−ト １２Ｂ：金属プレ−ト １７：位置決め孔 １８：位置決め孔 １８ａ：位置決め孔（ビ−ド部を有しない金属プレ−ト
用） １８ｂ：位置決め孔（ビ−ド部を有する金属プレ−ト
用） １８Ｂ：位置決め孔 ３１：円弧部 ３２：異形部

Claims (15)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダブロックとシリンダヘッドとの合
   わせ面に介在した金属ガスケットにより該合わせ面のシ
   ールを行うようにしたエンジンのシール構造において、 前記シリンダブロックとシリンダヘッドとのいずれか一
   方の合わせ面に、位置決め用の突起部が形成され、 前記金属ガスケットに、前記突起部に嵌合される位置決
   め孔が形成され、 前記突起部と位置決め孔とが、その周方向のうちエンジ
   ンの運転により大きな応力が加わる部分が互いに非接触
   状態となるように設定されている、ことを特徴とするエ
   ンジンのシール構造。
2. 【請求項２】シリンダブロックとシリンダヘッドとの合
   わせ面に介在した金属ガスケットにより該合わせ面のシ
   ールを行うようにしたＶ型エンジンのシール構造におい
   て、 前記シリンダブロックとシリンダヘッドとのいずれか一
   方の合わせ面に、位置決め用の突起部が形成され、 前記金属ガスケットに、前記突起部に嵌合される位置決
   め孔が形成され、 前記突起部と位置決め孔とが、その周方向のうちＶバン
   ク中央空間側が互いに非接触状態となるように設定され
   ている、ことを特徴とするエンジンのシール構造。
3. 【請求項３】シリンダブロックとシリンダヘッドとの合
   わせ面に介在した金属ガスケットにより該合わせ面のシ
   ールを行うようにしたエンジンのシール構造において、 前記シリンダブロックとシリンダヘッドとのいずれか一
   方の合わせ面に、位置決め用の突起部が形成され、 前記金属ガスケットが、複数枚の金属プレ−トを互いに
   積層することにより構成され、 前記金属ガスケットに、前記突起部に嵌合される位置決
   め孔が形成され、 前記複数枚の金属プレ−トのうち一部の金属プレ−トの
   位置決め孔が、その周方向全周に渡って、他の金属プレ
   −トの位置決め孔よりも大きく形成されている、ことを
   特徴とするエンジンのシール構造。
4. 【請求項４】請求項１において、 前記合わせ面が水平面に対して角度をなすように傾斜さ
   れており、 前記非接触とされる部分が、前記傾斜の方向において高
   い位置に設定されているもの。
5. 【請求項５】請求項４において、 前記合わせ面が、クランク軸と直交する方向に傾斜され
   ているもの。
6. 【請求項６】請求項１、請求項２、請求項４、請求項５
   のいずれか１項において、 前記金属ガスケットが、複数枚の金属プレ−トを積層す
   ることにより、構成され、 前記複数枚の金属プレ−トのうち一部の金属プレ−トの
   位置決め孔のみが前記非接触状態となるように設定され
   ているもの。
7. 【請求項７】請求項６において、 前記一部の金属プレ−トに、シール用のビ−ド部が形成
   されているもの。、
8. 【請求項８】請求項２において、 前記金属ガスケットが、複数枚の金属プレ−トを積層す
   ることにより構成され、 前記複数枚の金属プレ−トのうち一部の金属プレ−トに
   おける位置決め孔のみが、前記Ｖバンク中央空間側が非
   接触状態となるように設定されているもの。
9. 【請求項９】請求項８において、 前記一部の金属プレ−トにのみ、シール用のビ−ド部が
   形成されているもの。
10. 【請求項１０】請求項３において、 前記金属ガスケットが、複数枚の金属プレ−トを積層す
    ることにより構成され、 前記複数枚の金属プレ−トのうち一部の金属プレ−トに
    のみ、シール用のビ−ド部が形成され、 前記一部の金属プレ−トにおける位置決め孔が、その周
    方向全長に渡って、他の金属プレ−トにおける位置決め
    孔よりも大きく形成されているもの。
11. 【請求項１１】請求項１ないし請求項１０のいずれか１
    項において、 前記突起部が、シリンダブロックに設けられているも
    の。
12. 【請求項１２】請求項１１において、 前記突起部が、シリンダブロックとシリンダヘッドとの
    間でのオイル流通経路を構成するオイルコントロ−ルプ
    ラグであるもの。
13. 【請求項１３】位置決め孔が形成された金属ガスケット
    において、 前記位置決め孔が、仮想円に沿う円弧部と、該仮想円よ
    りも径方向外側に位置するように形成された異形部とを
    有するように設定されて、全体として非円形とされてい
    る、ことを特徴とする金属ガスケット。
14. 【請求項１４】位置決め孔が形成された金属ガスケット
    において、 前記金属ガスケットが、複数枚の金属プレ−トを積層す
    ることにより構成され、 複数枚の金属プレ−トのうち、一部の金属プレ−トにの
    みシール用のビ−ド部が形成され、 前記ビ−ド部が形成された一部の金属プレ−トにおける
    位置決め孔が、他の金属プレ−トの位置決め孔よりも、
    周方向において部分的に大きく形成されている、ことを
    特徴とする金属ガスケット。
15. 【請求項１５】位置決め孔が形成された金属ガスケット
    において、 前記金属ガスケットが、複数枚の金属プレ−トを積層す
    ることにより構成され、 複数枚の金属プレ−トのうち、一部の金属プレ−トにの
    みシール用のビ−ド部が形成され、 前記各金属プレ−トにおける位置決め孔が、互いに同心
    の円形となるように形成され、 前記ビ−ド部が形成された前記一部の金属プレ−トの位
    置決め孔が、他の金属プレ−トの位置決め孔よりも大径
    とされている、ことを特徴とする金属ガスケット。