JPH0874966A - 無段変速装置 - Google Patents
無段変速装置Info
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- JPH0874966A JPH0874966A JP6300549A JP30054994A JPH0874966A JP H0874966 A JPH0874966 A JP H0874966A JP 6300549 A JP6300549 A JP 6300549A JP 30054994 A JP30054994 A JP 30054994A JP H0874966 A JPH0874966 A JP H0874966A
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- continuously variable
- variable transmission
- gear
- output shaft
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Abstract
(57)【要約】
【目的】簡単な構成で効率がよく、しかも信頼性が高
く、トルク伝達容量及び変速比幅設定自由度の大きな無
段変速装置を提供すること。 【構成】動力伝達経路の途中に遊星歯車ユニットXを介
装し、サンギヤSを入力軸2からの入力要素とし、リン
グギヤRをトルクコンバータユニットYへの出力要素と
し、プラネタリキャリアCを制御要素として機能させ
る。つまり、リングギヤRとトルクコンバータユニット
Yのポンプ軸6とを回転連結し、タービン軸7とプラネ
タリキャリアCとを回転連結させる。これにより、ター
ビン軸7に掛かる負荷が小さく(大きく)なると、プラ
ネタリキャリヤCの回転速度が上昇(低下)するように
なるので、サンギヤSとリングギヤRとの相対回転速度
が小さく(大きく)なるから、自動的に変速比が小さく
(大きく)設定されるようになる。
く、トルク伝達容量及び変速比幅設定自由度の大きな無
段変速装置を提供すること。 【構成】動力伝達経路の途中に遊星歯車ユニットXを介
装し、サンギヤSを入力軸2からの入力要素とし、リン
グギヤRをトルクコンバータユニットYへの出力要素と
し、プラネタリキャリアCを制御要素として機能させ
る。つまり、リングギヤRとトルクコンバータユニット
Yのポンプ軸6とを回転連結し、タービン軸7とプラネ
タリキャリアCとを回転連結させる。これにより、ター
ビン軸7に掛かる負荷が小さく(大きく)なると、プラ
ネタリキャリヤCの回転速度が上昇(低下)するように
なるので、サンギヤSとリングギヤRとの相対回転速度
が小さく(大きく)なるから、自動的に変速比が小さく
(大きく)設定されるようになる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全ての用途の自動車,
自転車,軌道動力車,キャタピラ駆動式走行車,スクリ
ュー駆動式船舶,プロペラ駆動式航空機,回転翼式航空
機,ブルトーザ,フォークリフト,トラクター等農業用
機械,ポンプ,コンプレッサ,コンクリートミキサ,ベ
ルトコンベア,掘削機等において採用可能な変速装置
(定置式および移動式を含む)に関し、詳しくは、入力
される回転力を負荷に応じて自動的に無段階に変速して
出力することができる無段変速装置に関する。
自転車,軌道動力車,キャタピラ駆動式走行車,スクリ
ュー駆動式船舶,プロペラ駆動式航空機,回転翼式航空
機,ブルトーザ,フォークリフト,トラクター等農業用
機械,ポンプ,コンプレッサ,コンクリートミキサ,ベ
ルトコンベア,掘削機等において採用可能な変速装置
(定置式および移動式を含む)に関し、詳しくは、入力
される回転力を負荷に応じて自動的に無段階に変速して
出力することができる無段変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、最も一般的に普及している自
動変速装置としては、トルクコンバータを用いた所謂オ
ートマチック自動変速装置、即ちトルクコンバータと複
数の固定変速段とを備え、前記複数の固定変速段を自動
切換えして、入力回転を段階的に変速して出力するよう
にしたものがある。
動変速装置としては、トルクコンバータを用いた所謂オ
ートマチック自動変速装置、即ちトルクコンバータと複
数の固定変速段とを備え、前記複数の固定変速段を自動
切換えして、入力回転を段階的に変速して出力するよう
にしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
変速装置では、変速段の切換が必要であり、構造上変速
ショックの発生は避けられず、また複数の固定変速段や
複雑な油圧制御や電子制御による自動変速切換制御装置
を必要とするため、構造が複雑化し、重量・コスト等が
増大すると共に、信頼性が低いという問題がある。
変速装置では、変速段の切換が必要であり、構造上変速
ショックの発生は避けられず、また複数の固定変速段や
複雑な油圧制御や電子制御による自動変速切換制御装置
を必要とするため、構造が複雑化し、重量・コスト等が
増大すると共に、信頼性が低いという問題がある。
【0004】ところで、例えば、入力プーリと出力プー
リの溝幅等を変化させ、動力伝達ベルトの巻き掛け径を
可変制御して自動的に無段変速するような所謂CVTな
る無段変速装置も提案されてはいるが、このものでも、
複雑な油圧制御や電子制御装置を必要とすると共に、機
械的摩擦力に頼る構造であるためトルク伝達容量や変速
比幅の制約があり、また特殊かつ複雑な構造であるた
め、全てのものに採用できないという問題がある。
リの溝幅等を変化させ、動力伝達ベルトの巻き掛け径を
可変制御して自動的に無段変速するような所謂CVTな
る無段変速装置も提案されてはいるが、このものでも、
複雑な油圧制御や電子制御装置を必要とすると共に、機
械的摩擦力に頼る構造であるためトルク伝達容量や変速
比幅の制約があり、また特殊かつ複雑な構造であるた
め、全てのものに採用できないという問題がある。
【0005】なお、従来のその他の自動変速装置や無段
変速装置にあっても、複雑な構成の動力伝達機械要素
と、これを自動的に作動させるための複雑な制御系と、
が必ず必要であり、これに起因する耐久性・信頼性の低
下、コストの増大等の問題を避けることができないもの
であった。本発明は、かかる従来の実情に鑑みなされた
もので、複雑な構成の動力伝達機械要素を必要としない
極めて簡単な構成の無段変速装置を提供することを目的
とし、更には、複雑な構成の動力伝達機械要素及び複雑
な制御系をも必要としない簡単な構成によって、自動的
に無段変速でき、力学的に効率良く、無理がなく、しか
もトルク伝達容量及び変速比幅の設定自由度が大きく適
用範囲が広く、尚且つ信頼性の高い無段変速装置を提供
することを目的とする。また、本装置の実用性を高める
ことも本発明の目的である。
変速装置にあっても、複雑な構成の動力伝達機械要素
と、これを自動的に作動させるための複雑な制御系と、
が必ず必要であり、これに起因する耐久性・信頼性の低
下、コストの増大等の問題を避けることができないもの
であった。本発明は、かかる従来の実情に鑑みなされた
もので、複雑な構成の動力伝達機械要素を必要としない
極めて簡単な構成の無段変速装置を提供することを目的
とし、更には、複雑な構成の動力伝達機械要素及び複雑
な制御系をも必要としない簡単な構成によって、自動的
に無段変速でき、力学的に効率良く、無理がなく、しか
もトルク伝達容量及び変速比幅の設定自由度が大きく適
用範囲が広く、尚且つ信頼性の高い無段変速装置を提供
することを目的とする。また、本装置の実用性を高める
ことも本発明の目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の請求
項1に記載の発明にかかる無段変速装置は、動力伝達経
路の途中に、サンギヤ(S)と、サンギヤ(S)と歯合
するプラネタリピニオンギヤ(P)を自転自由に支持し
てサンギヤ(S)と独立して同軸回転可能なプラネタリ
キャリヤ(C)と、プラネタリピニオンギヤ(P)と歯
合してプラネタリキャリヤ(C)及びサンギヤ(S)と
独立して同軸回転可能なリングギヤ(R)の3要素を含
んで構成される遊星歯車ユニット(X)を介装し、当該
遊星歯車ユニット(X)の前記3要素のうちの1つを遊
星歯車ユニット(X)への動力の入力要素とし、残りの
要素のうち一方を遊星歯車ユニット(X)からの動力の
出力要素とし、残りの他方の要素を前記入力要素と前記
出力要素との間の相対回転速度を可変制御する制御要素
とした無段変速手段を含んで構成するようにした。
項1に記載の発明にかかる無段変速装置は、動力伝達経
路の途中に、サンギヤ(S)と、サンギヤ(S)と歯合
するプラネタリピニオンギヤ(P)を自転自由に支持し
てサンギヤ(S)と独立して同軸回転可能なプラネタリ
キャリヤ(C)と、プラネタリピニオンギヤ(P)と歯
合してプラネタリキャリヤ(C)及びサンギヤ(S)と
独立して同軸回転可能なリングギヤ(R)の3要素を含
んで構成される遊星歯車ユニット(X)を介装し、当該
遊星歯車ユニット(X)の前記3要素のうちの1つを遊
星歯車ユニット(X)への動力の入力要素とし、残りの
要素のうち一方を遊星歯車ユニット(X)からの動力の
出力要素とし、残りの他方の要素を前記入力要素と前記
出力要素との間の相対回転速度を可変制御する制御要素
とした無段変速手段を含んで構成するようにした。
【0007】請求項2に記載の発明では、上記構成に加
えて、更に、動力伝達経路の途中に、入力軸に対する出
力軸の回転速度比が、入力軸トルクが一定の場合、出力
軸の負荷が大(又は小)なら回転速度比小(又は大)へ
と自動的に変化する伝達手段を介装し、前記無段変速手
段の出力要素と、前記伝達手段の入力軸と、を回転連結
する第1連結手段と、前記伝達手段の出力軸と、前記無
段変速手段の制御要素と、を、前記伝達手段の出力軸の
回転速度が上昇するに連れて、前記無段変速手段の変速
比が連続的にに小さくなるように回転連結する第2連結
手段と、を備え、出力軸の負荷変化に応じて自動的に無
段変速させるように構成した。
えて、更に、動力伝達経路の途中に、入力軸に対する出
力軸の回転速度比が、入力軸トルクが一定の場合、出力
軸の負荷が大(又は小)なら回転速度比小(又は大)へ
と自動的に変化する伝達手段を介装し、前記無段変速手
段の出力要素と、前記伝達手段の入力軸と、を回転連結
する第1連結手段と、前記伝達手段の出力軸と、前記無
段変速手段の制御要素と、を、前記伝達手段の出力軸の
回転速度が上昇するに連れて、前記無段変速手段の変速
比が連続的にに小さくなるように回転連結する第2連結
手段と、を備え、出力軸の負荷変化に応じて自動的に無
段変速させるように構成した。
【0008】請求項3に記載の発明では、前記伝達手段
を、流体式トルクコンバータとして構成した。請求項4
に記載の発明では、前記プラネタリピニオンギヤ(P)
を、所謂複列式で配設するように構成した。請求項5に
記載の発明では、前記伝達手段の出力軸に駆動トルクを
越える逆転負荷トルクが加わった場合に、前記出力軸と
前記第2連結手段を介して回転連結された前記無段変速
手段の制御要素が、逆転させられることのないように、
前記制御要素の逆転駆動を遮断する逆入力逆転駆動遮断
手段を備えるようにした。
を、流体式トルクコンバータとして構成した。請求項4
に記載の発明では、前記プラネタリピニオンギヤ(P)
を、所謂複列式で配設するように構成した。請求項5に
記載の発明では、前記伝達手段の出力軸に駆動トルクを
越える逆転負荷トルクが加わった場合に、前記出力軸と
前記第2連結手段を介して回転連結された前記無段変速
手段の制御要素が、逆転させられることのないように、
前記制御要素の逆転駆動を遮断する逆入力逆転駆動遮断
手段を備えるようにした。
【0009】請求項6に記載の発明では、前記伝達手段
の出力軸が逆入力により正転駆動される場合に、当該出
力軸と前記第2連結手段を介して回転連結された前記無
段変速手段の制御要素が過剰回転しないように、前記出
力軸への逆入力正転駆動を遮断する逆入力正転駆動遮断
手段を備えるようにした。
の出力軸が逆入力により正転駆動される場合に、当該出
力軸と前記第2連結手段を介して回転連結された前記無
段変速手段の制御要素が過剰回転しないように、前記出
力軸への逆入力正転駆動を遮断する逆入力正転駆動遮断
手段を備えるようにした。
【0010】
【作用】上記の構成を備えた請求項1に記載の発明にか
かる無段変速装置では、前記無段変速手段を含んで構成
し、つまり、動力伝達経路の途中に介装した遊星歯車
(差動歯車)ユニットの同軸回転要素(サンギヤ,プラ
ネタリキャリヤ,リングギヤ)を、前記入力要素、前記
出力要素、前記制御要素として役割分担させると共に、
前記制御要素の回転速度を、例えばサーボモータ等を介
して負荷軸の回転速度に比例して一定回転方向にのみ制
御するようにする。これにより、動力伝達経路の途中に
介装された遊星歯車ユニットの入力要素と、出力要素と
の間の相対回転速度(換言すれば、変速比)を無段階か
つ連続的に可変制御可能となるから、以って変速装置全
体としての変速比を、従来に対し簡単な構成で信頼性の
高い構成により、良好に無段変速できるようになる。
かる無段変速装置では、前記無段変速手段を含んで構成
し、つまり、動力伝達経路の途中に介装した遊星歯車
(差動歯車)ユニットの同軸回転要素(サンギヤ,プラ
ネタリキャリヤ,リングギヤ)を、前記入力要素、前記
出力要素、前記制御要素として役割分担させると共に、
前記制御要素の回転速度を、例えばサーボモータ等を介
して負荷軸の回転速度に比例して一定回転方向にのみ制
御するようにする。これにより、動力伝達経路の途中に
介装された遊星歯車ユニットの入力要素と、出力要素と
の間の相対回転速度(換言すれば、変速比)を無段階か
つ連続的に可変制御可能となるから、以って変速装置全
体としての変速比を、従来に対し簡単な構成で信頼性の
高い構成により、良好に無段変速できるようになる。
【0011】請求項2に記載の発明では、動力伝達経路
の途中に、前記伝達手段を介装し、前記第1連結手段に
より、前記無段変速手段の出力要素と、前記伝達手段の
入力軸と、を回転連結させると共に、前記第2連結手段
により、前記伝達手段の出力軸と、前記無段変速手段の
制御要素と、を、前記伝達手段の出力軸の回転速度が上
昇するに連れて、前記無段変速手段の前記出力要素に対
する前記入力要素の相対回転速度(変速比)が小さくな
るように回転連結するようにしたので、前記伝達手段の
出力軸の負荷変化に応じて、自動的に、出力軸回転速度
が変化し、これに応じて前記無段変速手段の前記出力要
素に対する前記入力要素の相対回転速度(変速比)が自
動的に変化されることになる。つまり、前記伝達手段の
有する特性(入力軸と出力軸との回転速度比が出力軸の
負荷に応じて自動的に変化する特性)により、複雑な自
動変速制御系を備えずとも、自動的に、高負荷時には高
トルクが発生するように(変速比が大きくなり)、低負
荷時には高速回転できるように(変速比が小さく)、変
速比が設定されることになる。
の途中に、前記伝達手段を介装し、前記第1連結手段に
より、前記無段変速手段の出力要素と、前記伝達手段の
入力軸と、を回転連結させると共に、前記第2連結手段
により、前記伝達手段の出力軸と、前記無段変速手段の
制御要素と、を、前記伝達手段の出力軸の回転速度が上
昇するに連れて、前記無段変速手段の前記出力要素に対
する前記入力要素の相対回転速度(変速比)が小さくな
るように回転連結するようにしたので、前記伝達手段の
出力軸の負荷変化に応じて、自動的に、出力軸回転速度
が変化し、これに応じて前記無段変速手段の前記出力要
素に対する前記入力要素の相対回転速度(変速比)が自
動的に変化されることになる。つまり、前記伝達手段の
有する特性(入力軸と出力軸との回転速度比が出力軸の
負荷に応じて自動的に変化する特性)により、複雑な自
動変速制御系を備えずとも、自動的に、高負荷時には高
トルクが発生するように(変速比が大きくなり)、低負
荷時には高速回転できるように(変速比が小さく)、変
速比が設定されることになる。
【0012】請求項3に記載の発明では、一般的に使用
されている流体式トルクコンバータを伝達手段として採
用したので、伝達効率、コスト、信頼性等の面で極めて
実用的なものとなる。請求項4に記載の発明では、前記
プラネタリピニオンギヤ(P)を、所謂複列式(図7等
参照)で配設するようにすれば、変速比の設定自由度、
各構成要素の回転方向等の設計自由度を広げることがで
きる。
されている流体式トルクコンバータを伝達手段として採
用したので、伝達効率、コスト、信頼性等の面で極めて
実用的なものとなる。請求項4に記載の発明では、前記
プラネタリピニオンギヤ(P)を、所謂複列式(図7等
参照)で配設するようにすれば、変速比の設定自由度、
各構成要素の回転方向等の設計自由度を広げることがで
きる。
【0013】請求項5に記載の発明では、前記逆入力逆
転駆動遮断手段により、伝達手段の出力軸に駆動トルク
を超える逆転負荷トルクが加わった場合に、前記制御要
素の逆転を防止し、入力要素(動力源側)への逆転過負
荷の伝達を確実に遮断することができるようになる。こ
れにより、例えば、本装置を車両に搭載した場合に、登
坂路で車両を停止させ、アクセルをOFFして、ブレー
キを解除したような状態(重力で車両が後退するような
状態)であっても、車両は後退することなく停止状態を
維持し、この間エンジンを停止させることなくアイドル
運転を持続(この間変速装置内はストール状態、即ち最
大変速比状態を保持)でき、引き続きこの状態からアク
セルを踏み込みエンジン出力を上げれば円滑な登坂発進
が行なえる所謂「ヒルホルダー機能」を具備させること
が可能となる。
転駆動遮断手段により、伝達手段の出力軸に駆動トルク
を超える逆転負荷トルクが加わった場合に、前記制御要
素の逆転を防止し、入力要素(動力源側)への逆転過負
荷の伝達を確実に遮断することができるようになる。こ
れにより、例えば、本装置を車両に搭載した場合に、登
坂路で車両を停止させ、アクセルをOFFして、ブレー
キを解除したような状態(重力で車両が後退するような
状態)であっても、車両は後退することなく停止状態を
維持し、この間エンジンを停止させることなくアイドル
運転を持続(この間変速装置内はストール状態、即ち最
大変速比状態を保持)でき、引き続きこの状態からアク
セルを踏み込みエンジン出力を上げれば円滑な登坂発進
が行なえる所謂「ヒルホルダー機能」を具備させること
が可能となる。
【0014】請求項6に記載の発明では、前記逆入力正
転駆動遮断手段により、前記伝達手段の出力軸が逆入力
により正転駆動される場合に、当該出力軸と前記第2連
結手段を介して回転連結された前記無段変速手段の制御
要素が過剰回転しないように、前記出力軸への逆入力正
転駆動を遮断するようにしたので、本来動力源で駆動さ
れる回転速度より高速で出力軸が回転されるような場合
(下り坂を惰行走行するような場合)に前記無段変速手
段内の変速比が超オーバードライブを経て逆転モードと
なり、入力要素(動力源)が停止,逆転させられる不都
合を防止することができるようになる。これにより、例
えば、本装置を車両に搭載した場合に、快適で静粛なク
ルージングおよび省燃費走行等を可能とするためのアク
セルOFF時の慣性惰行走行機能を具備させることが可
能となる。
転駆動遮断手段により、前記伝達手段の出力軸が逆入力
により正転駆動される場合に、当該出力軸と前記第2連
結手段を介して回転連結された前記無段変速手段の制御
要素が過剰回転しないように、前記出力軸への逆入力正
転駆動を遮断するようにしたので、本来動力源で駆動さ
れる回転速度より高速で出力軸が回転されるような場合
(下り坂を惰行走行するような場合)に前記無段変速手
段内の変速比が超オーバードライブを経て逆転モードと
なり、入力要素(動力源)が停止,逆転させられる不都
合を防止することができるようになる。これにより、例
えば、本装置を車両に搭載した場合に、快適で静粛なク
ルージングおよび省燃費走行等を可能とするためのアク
セルOFF時の慣性惰行走行機能を具備させることが可
能となる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を添付の図面に基
づいて説明する。なお、本発明にかかる無段変速装置
は、使用する遊星歯車ユニットXの型式(シングル、或
いはデュアルプラネタリ方式等)、及びその同芯軸3回
転要素(サンギヤS,プラネタリキャリヤC,リングギ
ヤR、図13〜図15参照)の役割分担のさせ方(どれ
を入力要素、出力要素、制御要素として用いるか)によ
り、基本的な考え方は共通するものの、各要素間の回転
方向、変速機構・能力等が異なるので、図18(表
1),図19(表2)に、駆動型式別に理論的変速能力
とその条件、及び構造上の特徴の概要一覧を示すことに
して(A〜F型、A’〜F’型の計12通りの同類構造
の駆動型式が成立する。その全型式に対する駆動レイア
ウトを各々に順次対応させて、図1〜図12に示し、そ
の代表例としてA,B,C型についての実用化断面概要
図を図13,図14,図15に示す。)、ここでは、こ
の中からA型式を代表し、図1、図13に基づいて、以
下に詳細に説明することにする。
づいて説明する。なお、本発明にかかる無段変速装置
は、使用する遊星歯車ユニットXの型式(シングル、或
いはデュアルプラネタリ方式等)、及びその同芯軸3回
転要素(サンギヤS,プラネタリキャリヤC,リングギ
ヤR、図13〜図15参照)の役割分担のさせ方(どれ
を入力要素、出力要素、制御要素として用いるか)によ
り、基本的な考え方は共通するものの、各要素間の回転
方向、変速機構・能力等が異なるので、図18(表
1),図19(表2)に、駆動型式別に理論的変速能力
とその条件、及び構造上の特徴の概要一覧を示すことに
して(A〜F型、A’〜F’型の計12通りの同類構造
の駆動型式が成立する。その全型式に対する駆動レイア
ウトを各々に順次対応させて、図1〜図12に示し、そ
の代表例としてA,B,C型についての実用化断面概要
図を図13,図14,図15に示す。)、ここでは、こ
の中からA型式を代表し、図1、図13に基づいて、以
下に詳細に説明することにする。
【0016】図13に示すように、変速機ケース1にベ
アリング等を介して回転自由に支持され、原動機(自転
車等に採用する場合には人間)等の動力源に連結されて
回転力を受ける入力軸2には、本発明の無段変速手段と
して機能する遊星歯車ユニットXの一部を構成するサン
ギヤS(太陽歯車。ここでは、遊星歯車ユニットXの入
力要素として機能している。)が略一体的に設けられて
おり、このサンギヤSの外周側には、遊星歯車ユニット
Xの一部を構成する少なくとも1以上のプラネタリピニ
オンギヤP(遊星歯車)が噛合している。このプラネタ
リピニオンギヤPは、自転自由にピン,ベアリング等を
介して遊星歯車ユニットXの一部を構成するプラネタリ
キャリヤC(ここでは、遊星歯車ユニットXの制御要素
として機能している。)に軸支される一方、当該プラネ
タリピニオンギヤPの外周側においては、リングギヤR
(ここでは、遊星歯車ユニットXの出力要素として機能
している。)に設けられた内歯車と噛合するようになっ
ている。なお、前記プラネタリキャリヤCは、ワンウェ
イクラッチ(OWC)3やベアリング等を介して、変速
機ケース1に、一方向(入力軸2と逆転方向)にのみ入
力軸2と同軸回転可能に軸支されている。また、前記リ
ングギヤRは、前記入力軸2から独立して同軸回転可能
に、ベアリング等を介して変速機ケース1(または入力
軸2の外周)に支持される。
アリング等を介して回転自由に支持され、原動機(自転
車等に採用する場合には人間)等の動力源に連結されて
回転力を受ける入力軸2には、本発明の無段変速手段と
して機能する遊星歯車ユニットXの一部を構成するサン
ギヤS(太陽歯車。ここでは、遊星歯車ユニットXの入
力要素として機能している。)が略一体的に設けられて
おり、このサンギヤSの外周側には、遊星歯車ユニット
Xの一部を構成する少なくとも1以上のプラネタリピニ
オンギヤP(遊星歯車)が噛合している。このプラネタ
リピニオンギヤPは、自転自由にピン,ベアリング等を
介して遊星歯車ユニットXの一部を構成するプラネタリ
キャリヤC(ここでは、遊星歯車ユニットXの制御要素
として機能している。)に軸支される一方、当該プラネ
タリピニオンギヤPの外周側においては、リングギヤR
(ここでは、遊星歯車ユニットXの出力要素として機能
している。)に設けられた内歯車と噛合するようになっ
ている。なお、前記プラネタリキャリヤCは、ワンウェ
イクラッチ(OWC)3やベアリング等を介して、変速
機ケース1に、一方向(入力軸2と逆転方向)にのみ入
力軸2と同軸回転可能に軸支されている。また、前記リ
ングギヤRは、前記入力軸2から独立して同軸回転可能
に、ベアリング等を介して変速機ケース1(または入力
軸2の外周)に支持される。
【0017】そして、前記リングギヤRの外周部には、
チェーン,ベルト等の第1巻き掛け伝導媒体4(本発明
の第1連結手段に相当する。)が巻き掛けられ、当該第
1巻き掛け伝導媒体4の他端側は、前記入力軸2に並列
に変速機ケース1に回転自由に支持されているトルクコ
ンバータユニットY(本発明の伝達手段に相当する。)
のポンプ軸(トルクコンバータの入力側)6に連結され
るトルクコンバータケース(インペラケース)5の外周
部に巻き掛けられており、従って、前記リングギヤR
と、トルクコンバータケース5、即ちポンプ軸6と、は
一定の連結比(n 1 )で連結されていることになる。
チェーン,ベルト等の第1巻き掛け伝導媒体4(本発明
の第1連結手段に相当する。)が巻き掛けられ、当該第
1巻き掛け伝導媒体4の他端側は、前記入力軸2に並列
に変速機ケース1に回転自由に支持されているトルクコ
ンバータユニットY(本発明の伝達手段に相当する。)
のポンプ軸(トルクコンバータの入力側)6に連結され
るトルクコンバータケース(インペラケース)5の外周
部に巻き掛けられており、従って、前記リングギヤR
と、トルクコンバータケース5、即ちポンプ軸6と、は
一定の連結比(n 1 )で連結されていることになる。
【0018】一方、前記ポンプ軸6の回転力を流体を介
して駆動されるトルクコンバータユニットYのタービン
軸(トルクコンバータの出力側)7は、所定外径を有す
る回転円板8に一体的に連結されると共に、ワンウェイ
クラッチ(OWC)9やベアリング等を介して、負荷駆
動時のみ回転力を伝達可能に出力軸10に連結されてい
る。
して駆動されるトルクコンバータユニットYのタービン
軸(トルクコンバータの出力側)7は、所定外径を有す
る回転円板8に一体的に連結されると共に、ワンウェイ
クラッチ(OWC)9やベアリング等を介して、負荷駆
動時のみ回転力を伝達可能に出力軸10に連結されてい
る。
【0019】ところで、前記回転円板8の外周には、第
1巻き掛け伝導媒体4と同様の第2巻き掛け伝導媒体11
(本発明の第2連結手段に相当する。)が巻き掛けられ
ており、当該第2巻き掛け伝導媒体11の他端側は、前記
プラネタリキャリヤCの外周に巻き掛けられており、従
って、前記回転円板8、即ちタービン軸7と、プラネタ
リキャリヤCと、は一定の連結比(n2 )で連結される
ことになる。
1巻き掛け伝導媒体4と同様の第2巻き掛け伝導媒体11
(本発明の第2連結手段に相当する。)が巻き掛けられ
ており、当該第2巻き掛け伝導媒体11の他端側は、前記
プラネタリキャリヤCの外周に巻き掛けられており、従
って、前記回転円板8、即ちタービン軸7と、プラネタ
リキャリヤCと、は一定の連結比(n2 )で連結される
ことになる。
【0020】ここで、上記構成を備えた本実施例にかか
る無段変速装置(A型)の変速作用について説明する。
即ち、図1に示すように、 入力軸2に入力される回転力(図13の右端から図平
面に垂直に見て、右回転〔時計周り〕。以下、同様の方
向から見るものとする。)は、サンギヤS(右回転)を
介して、プラネタリピニオンギヤPに伝達されるが、負
荷の大きい始動時には、出力軸10は回転停止しており、
プラネタリキャリヤCは第2巻き掛け伝導媒体11により
回転規制されので、プラネタリピニオンギヤPは公転せ
ず左方向に自転するから、当該プラネタリピニオンギヤ
Pに噛合するリングギヤRは、当該リングギヤRの内歯
車の歯数と、サンギヤSの歯数と、に応じた回転速度で
左回転される(この状態は、後述するように、変速比
〔=入力軸回転速度/出力軸回転速度〕が最も大きい状
態となる。即ち、小さな入力トルクで大きな出力トルク
が得られる状態である)。
る無段変速装置(A型)の変速作用について説明する。
即ち、図1に示すように、 入力軸2に入力される回転力(図13の右端から図平
面に垂直に見て、右回転〔時計周り〕。以下、同様の方
向から見るものとする。)は、サンギヤS(右回転)を
介して、プラネタリピニオンギヤPに伝達されるが、負
荷の大きい始動時には、出力軸10は回転停止しており、
プラネタリキャリヤCは第2巻き掛け伝導媒体11により
回転規制されので、プラネタリピニオンギヤPは公転せ
ず左方向に自転するから、当該プラネタリピニオンギヤ
Pに噛合するリングギヤRは、当該リングギヤRの内歯
車の歯数と、サンギヤSの歯数と、に応じた回転速度で
左回転される(この状態は、後述するように、変速比
〔=入力軸回転速度/出力軸回転速度〕が最も大きい状
態となる。即ち、小さな入力トルクで大きな出力トルク
が得られる状態である)。
【0021】ところで、前記リングギヤRは、第1巻き
掛け伝導媒体4を介して所定の連結比(n1 )で、トル
クコンバータケース5、即ちポンプ軸6に連結されてい
るので、リングギヤRの左回転によって、トルクコンバ
ータケース5,ポンプ軸6も連結比(n1 )に応じた回
転速度で左回転方向に駆動される。そして、この左回転
力は、トルクコンバータの作動原理に基づき、ポンプ軸
6の回転速度のe(トルクコンバータの入出力回転速度
比)倍でタービン軸7を左回転させるから、出力軸10に
は左回転方向の回転力が伝達されるようになる。
掛け伝導媒体4を介して所定の連結比(n1 )で、トル
クコンバータケース5、即ちポンプ軸6に連結されてい
るので、リングギヤRの左回転によって、トルクコンバ
ータケース5,ポンプ軸6も連結比(n1 )に応じた回
転速度で左回転方向に駆動される。そして、この左回転
力は、トルクコンバータの作動原理に基づき、ポンプ軸
6の回転速度のe(トルクコンバータの入出力回転速度
比)倍でタービン軸7を左回転させるから、出力軸10に
は左回転方向の回転力が伝達されるようになる。
【0022】なお、前記eの値は、負荷の大きさに応じ
て0(最大ストール時)から略1(無負荷時或いはロッ
クアップ時)までの間を、自動的・連続的・可逆的に変
化する値である。 出力軸10に左回転方向の回転力が伝達されると、出力
軸10と一体的に回転する回転円板8に第2巻き掛け伝導
媒体11を介して所定の連結比(n2 )で連結されている
前記プラネタリキャリヤCは、連結比(n2 )に応じた
回転速度で左方向に回転されることになる。
て0(最大ストール時)から略1(無負荷時或いはロッ
クアップ時)までの間を、自動的・連続的・可逆的に変
化する値である。 出力軸10に左回転方向の回転力が伝達されると、出力
軸10と一体的に回転する回転円板8に第2巻き掛け伝導
媒体11を介して所定の連結比(n2 )で連結されている
前記プラネタリキャリヤCは、連結比(n2 )に応じた
回転速度で左方向に回転されることになる。
【0023】これによって、前記プラネタリキャリヤC
に軸支されているプラネタリピニオンギヤPが左方向に
自転しつつ公転することになって、つまり、入力軸2
(右回転)と、プラネタリキャリヤC(左回転)と、の
相対回転速度が大きくなって、前記プラネタリピニオン
ギヤPの自転速度が自動的に増速されることになる。従
って、プラネタリピニオンギヤPと噛合するリングギヤ
Rの回転速度が増速され、最終的に出力軸10の回転速度
も増速されることになる。
に軸支されているプラネタリピニオンギヤPが左方向に
自転しつつ公転することになって、つまり、入力軸2
(右回転)と、プラネタリキャリヤC(左回転)と、の
相対回転速度が大きくなって、前記プラネタリピニオン
ギヤPの自転速度が自動的に増速されることになる。従
って、プラネタリピニオンギヤPと噛合するリングギヤ
Rの回転速度が増速され、最終的に出力軸10の回転速度
も増速されることになる。
【0024】つまり、出力軸10に掛かる負荷が小さく
なると、前記eの値は自動的に1に近づく方向に変化す
るから、タービン軸7,出力軸10がこれに応じて回転上
昇し、タービン軸7と第2巻き掛け伝導媒体11等を介し
て連結された前記プラネタリキャリヤCも、これに応じ
て回転上昇される。つまり、入力軸2(右回転)と、プ
ラネタリキャリヤC(左回転)と、の相対回転速度が大
きくなって、プラネタリピニオンギヤPの左方向への公
転速度、延いては自転速度が、負荷の減少に応じて自動
的・連続的・可逆的に速くなるため、自動的に変速比は
小さく設定され、小さな入力回転速度〔動力源側〕で、
大きな出力回転速度〔変速装置出力側〕を得ることがで
きる。
なると、前記eの値は自動的に1に近づく方向に変化す
るから、タービン軸7,出力軸10がこれに応じて回転上
昇し、タービン軸7と第2巻き掛け伝導媒体11等を介し
て連結された前記プラネタリキャリヤCも、これに応じ
て回転上昇される。つまり、入力軸2(右回転)と、プ
ラネタリキャリヤC(左回転)と、の相対回転速度が大
きくなって、プラネタリピニオンギヤPの左方向への公
転速度、延いては自転速度が、負荷の減少に応じて自動
的・連続的・可逆的に速くなるため、自動的に変速比は
小さく設定され、小さな入力回転速度〔動力源側〕で、
大きな出力回転速度〔変速装置出力側〕を得ることがで
きる。
【0025】一方、出力軸10の負荷が大きい場合に
は、前記eの値は自動的に0に近づく方向に変化するか
ら、入力軸2(右回転)と、プラネタリキャリヤC(左
回転)と、の相対回転速度が小さくなって、プラネタリ
ピニオンギヤPの左方向への公転速度、延いては自転速
度が、負荷の増大に応じて自動的・連続的・可逆的に遅
くなるため、自動的に変速比は大きく設定されることと
なるので、小さな入力トルク〔動力源側〕で大きな出力
トルク〔変速装置出力側〕を得ることができる。
は、前記eの値は自動的に0に近づく方向に変化するか
ら、入力軸2(右回転)と、プラネタリキャリヤC(左
回転)と、の相対回転速度が小さくなって、プラネタリ
ピニオンギヤPの左方向への公転速度、延いては自転速
度が、負荷の増大に応じて自動的・連続的・可逆的に遅
くなるため、自動的に変速比は大きく設定されることと
なるので、小さな入力トルク〔動力源側〕で大きな出力
トルク〔変速装置出力側〕を得ることができる。
【0026】なお、本装置の最終的な総変速比は、後述
するように、遊星歯車ユニットX内で得られる変速比
(ip)と、トルクコンバータユニットYのトルク比ρ
(e)の積に比例し、更に前記連結比n1 ,n2 にも関
連することになる。ところで、トルクコンバータユニッ
トYとして、従来一般的に使用されている右回転用動力
伝達ユニットを用い、同様に原動機も一般的な右回転の
ものを用いる場合には、B型式,C型式の例を示す図1
4,図15等のようなレイアウトを採ればよい。また、
トルクコンバータユニットYへの作動油圧の供給・停止
制御及び変速機内部の潤滑部への油圧の供給等は、従来
同様のオイルポンプを備えて所定油圧を発生させ、当該
発生した油圧を適宜トルクコンバータケース内に供給・
停止すること、及び適切な変速機内部潤滑部に供給する
ことで達成できる。
するように、遊星歯車ユニットX内で得られる変速比
(ip)と、トルクコンバータユニットYのトルク比ρ
(e)の積に比例し、更に前記連結比n1 ,n2 にも関
連することになる。ところで、トルクコンバータユニッ
トYとして、従来一般的に使用されている右回転用動力
伝達ユニットを用い、同様に原動機も一般的な右回転の
ものを用いる場合には、B型式,C型式の例を示す図1
4,図15等のようなレイアウトを採ればよい。また、
トルクコンバータユニットYへの作動油圧の供給・停止
制御及び変速機内部の潤滑部への油圧の供給等は、従来
同様のオイルポンプを備えて所定油圧を発生させ、当該
発生した油圧を適宜トルクコンバータケース内に供給・
停止すること、及び適切な変速機内部潤滑部に供給する
ことで達成できる。
【0027】また、本実施例では、入出力軸の速度比が
出力軸の負荷に応じて自動的に変化する伝達要素として
自動車用等として一般的に使用されている流体式トルク
コンバータに代表させて説明したが、これに限るもので
はなく、例えば、流体継手(フルードカップリング)や
容積型流体伝達装置等のように、負荷が大(又は小)な
ら出力軸の回転速度が小(又は大)へと円滑に可逆的に
入力軸回転速度に対して出力軸回転速度が変化する伝達
要素を用いることができる。
出力軸の負荷に応じて自動的に変化する伝達要素として
自動車用等として一般的に使用されている流体式トルク
コンバータに代表させて説明したが、これに限るもので
はなく、例えば、流体継手(フルードカップリング)や
容積型流体伝達装置等のように、負荷が大(又は小)な
ら出力軸の回転速度が小(又は大)へと円滑に可逆的に
入力軸回転速度に対して出力軸回転速度が変化する伝達
要素を用いることができる。
【0028】ところで、ワンウェイクラッチ3は、出力
軸10に駆動トルクを超える逆転負荷トルクが加わった場
合に、動力源(例えば、原動機)が停止,逆転させられ
ることになる不都合を防止するために設けられたもの
で、即ち、出力軸10に駆動トルクを超える逆転負荷トル
クが加わると、タービン軸7が逆転(図1〜図12に矢
印で図示された回転方向と逆方向、以下同様)され、タ
ービン軸7と第2巻き掛け伝導媒体11を介して連結され
ている遊星歯車ユニットXの制御要素(図13では、プ
ラネタリキャリヤC)が逆転され、延いてはプラネタリ
ピニオンギヤPが逆転され、以ってサンギヤSが逆転、
即ち動力源(例えば、原動機)が停止,逆転させられる
ことになる不都合を防止するために設けられたものであ
る。つまり、出力軸10に駆動トルクを超える逆転負荷ト
ルクが加わった場合には、遊星歯車ユニットXの制御要
素が逆転しないように変速機ケース1にロック(回転固
定)することで、動力源側への逆転過負荷の伝達を確実
に遮断し、再び駆動トルクが逆転過負荷トルクを上回る
状態に回復したときには、円滑かつ確実に出力軸10を正
転駆動するように作動させるために介在させた一方向回
転規制手段である。これにより、例えば、本発明の無段
変速装置を自動車用変速装置として採用した場合に、登
坂路で車両を停止させ、アクセルをOFFして、ブレー
キを解除したような状態(重力で車両が後退するような
状態)であっても、車両は後退することなく停止状態を
維持し、この間エンジンを停止させることなくアイドル
運転を持続(この間変速装置内はストール状態、即ち最
大変速比状態を保持)でき、引き続きこの状態からアク
セルを踏み込みエンジン出力を上げれば円滑な登坂発進
が行なえる所謂「ヒルホルダー機能」を具備させること
が可能となる。当該ワンウェイクラッチ3が、本発明の
逆入力逆転駆動遮断手段に相当する。
軸10に駆動トルクを超える逆転負荷トルクが加わった場
合に、動力源(例えば、原動機)が停止,逆転させられ
ることになる不都合を防止するために設けられたもの
で、即ち、出力軸10に駆動トルクを超える逆転負荷トル
クが加わると、タービン軸7が逆転(図1〜図12に矢
印で図示された回転方向と逆方向、以下同様)され、タ
ービン軸7と第2巻き掛け伝導媒体11を介して連結され
ている遊星歯車ユニットXの制御要素(図13では、プ
ラネタリキャリヤC)が逆転され、延いてはプラネタリ
ピニオンギヤPが逆転され、以ってサンギヤSが逆転、
即ち動力源(例えば、原動機)が停止,逆転させられる
ことになる不都合を防止するために設けられたものであ
る。つまり、出力軸10に駆動トルクを超える逆転負荷ト
ルクが加わった場合には、遊星歯車ユニットXの制御要
素が逆転しないように変速機ケース1にロック(回転固
定)することで、動力源側への逆転過負荷の伝達を確実
に遮断し、再び駆動トルクが逆転過負荷トルクを上回る
状態に回復したときには、円滑かつ確実に出力軸10を正
転駆動するように作動させるために介在させた一方向回
転規制手段である。これにより、例えば、本発明の無段
変速装置を自動車用変速装置として採用した場合に、登
坂路で車両を停止させ、アクセルをOFFして、ブレー
キを解除したような状態(重力で車両が後退するような
状態)であっても、車両は後退することなく停止状態を
維持し、この間エンジンを停止させることなくアイドル
運転を持続(この間変速装置内はストール状態、即ち最
大変速比状態を保持)でき、引き続きこの状態からアク
セルを踏み込みエンジン出力を上げれば円滑な登坂発進
が行なえる所謂「ヒルホルダー機能」を具備させること
が可能となる。当該ワンウェイクラッチ3が、本発明の
逆入力逆転駆動遮断手段に相当する。
【0029】また、ワンウェイクラッチ9は、出力軸10
が駆動回転速度を超えて負荷側の慣性惰性力により正転
被駆動させられる場合、タービン軸7の被駆動正転過回
転により原動機が逆転させられることになる不都合を防
止するために設けられたもので、即ち、負荷に直結する
出力軸10の回転速度が、負荷側の牽引エネルギー(逆入
力)により、本来動力源で駆動される回転速度より高速
でタービン軸7が回転されると(下り坂を惰行走行する
ような場合、即ちタービン軸7が負荷により強制正転被
駆動となる状態では)、駆動時を想定して設定された連
結比n1 ,n2(C,D,E’,F’型を示す図3,1
5、図11、図12のような3軸構成時は、n 1 ,n2 及び
n3 )により得られる適正な最小変速比での運転状態を
外れて遊星歯車ユニットX内の変速比は、超オーバード
ライブを経て逆転モードとなり、サンギヤSの逆転、即
ち動力源(例えば、原動機)が停止,逆転させられる不
都合が生じる。このような状況下では、タービン軸7と
出力軸10との動力伝達を遮断し、上記不都合の発生を防
止すると同時に、出力軸10のオーバーランを許容するた
めに介在させる機械要素である。即ち、出力軸10が駆動
回転速度を超えて負荷側の慣性惰性力により正転被駆動
させられる場合には、タービン軸7と、出力軸10と、の
回転連結を円滑に解除して、出力軸10の慣性惰性正転過
回転を許容し、再びタービン軸7の駆動回転速度が出力
軸10の慣性惰性正転回転速度を上回る状態に回復したと
きには円滑かつ確実に出力軸10を正転駆動するように作
動させるために介在させたものである。これにより、例
えば、本発明の無段変速装置を自動車用変速装置として
採用した場合に、快適で静粛なクルージングおよび省燃
費走行等を可能とするためのアクセルOFF時の慣性惰
行走行機能を具備させることが可能となる。当該ワンウ
ェイクラッチ9が、本発明の逆入力正転駆動遮断手段に
相当する。
が駆動回転速度を超えて負荷側の慣性惰性力により正転
被駆動させられる場合、タービン軸7の被駆動正転過回
転により原動機が逆転させられることになる不都合を防
止するために設けられたもので、即ち、負荷に直結する
出力軸10の回転速度が、負荷側の牽引エネルギー(逆入
力)により、本来動力源で駆動される回転速度より高速
でタービン軸7が回転されると(下り坂を惰行走行する
ような場合、即ちタービン軸7が負荷により強制正転被
駆動となる状態では)、駆動時を想定して設定された連
結比n1 ,n2(C,D,E’,F’型を示す図3,1
5、図11、図12のような3軸構成時は、n 1 ,n2 及び
n3 )により得られる適正な最小変速比での運転状態を
外れて遊星歯車ユニットX内の変速比は、超オーバード
ライブを経て逆転モードとなり、サンギヤSの逆転、即
ち動力源(例えば、原動機)が停止,逆転させられる不
都合が生じる。このような状況下では、タービン軸7と
出力軸10との動力伝達を遮断し、上記不都合の発生を防
止すると同時に、出力軸10のオーバーランを許容するた
めに介在させる機械要素である。即ち、出力軸10が駆動
回転速度を超えて負荷側の慣性惰性力により正転被駆動
させられる場合には、タービン軸7と、出力軸10と、の
回転連結を円滑に解除して、出力軸10の慣性惰性正転過
回転を許容し、再びタービン軸7の駆動回転速度が出力
軸10の慣性惰性正転回転速度を上回る状態に回復したと
きには円滑かつ確実に出力軸10を正転駆動するように作
動させるために介在させたものである。これにより、例
えば、本発明の無段変速装置を自動車用変速装置として
採用した場合に、快適で静粛なクルージングおよび省燃
費走行等を可能とするためのアクセルOFF時の慣性惰
行走行機能を具備させることが可能となる。当該ワンウ
ェイクラッチ9が、本発明の逆入力正転駆動遮断手段に
相当する。
【0030】ここで、本発明の無段変速装置で得られる
変速比について、具体的に説明する。本発明の無段変速
装置は、図18(表1),図19(表2)の一覧表に示
したように、使用する遊星歯車ユニットXの型式及びそ
の同芯軸3回転要素(サンギヤS,プラネタリキャリヤ
C3,リングギヤR)の役割分担のさせ方により、複数
の型式が存在し、それぞれ変速能力等が異なるが、基本
的な考え方は共通しているので、ここでは、『B型(シ
ングルプラネタリ方式で、サンギヤSを入力要素とし、
プラネタリキャリヤCを出力要素とし、リングギヤRを
制御要素とする型式)の無段変速装置』を図2,図14
に示し、代表例として、以下に詳述する。
変速比について、具体的に説明する。本発明の無段変速
装置は、図18(表1),図19(表2)の一覧表に示
したように、使用する遊星歯車ユニットXの型式及びそ
の同芯軸3回転要素(サンギヤS,プラネタリキャリヤ
C3,リングギヤR)の役割分担のさせ方により、複数
の型式が存在し、それぞれ変速能力等が異なるが、基本
的な考え方は共通しているので、ここでは、『B型(シ
ングルプラネタリ方式で、サンギヤSを入力要素とし、
プラネタリキャリヤCを出力要素とし、リングギヤRを
制御要素とする型式)の無段変速装置』を図2,図14
に示し、代表例として、以下に詳述する。
【0031】いま、 NS ;遊星歯車ユニット入力要素回転数(ここでは、サ
ンギヤSの回転数が相当する) ZS ;サンギヤ歯数 NC ;遊星歯車ユニット出力要素回転数(ここでは、プ
ラネタリキャリヤCの回転数が相当する) ZC ;キャリヤ歯数 NR ;遊星歯車ユニット制御要素回転数(ここでは、リ
ングギヤRの回転数が相当する) ZR ;リングギヤ歯数 NT ;流体トルクコンバータ・タービン軸回転数 e;トルクコンバータ速度比 ZA ’;トルクコンバータケース連結スプロケット歯数
(チェーン駆動時) ZB ’; タービン軸連結スプロケット歯数(チェーン
駆動時) ZC ’; キャリヤ連結スプロケット歯数(チェーン駆
動時) ZR ’; リングギヤ連結スプロケット歯数(チェーン
駆動時) とする。
ンギヤSの回転数が相当する) ZS ;サンギヤ歯数 NC ;遊星歯車ユニット出力要素回転数(ここでは、プ
ラネタリキャリヤCの回転数が相当する) ZC ;キャリヤ歯数 NR ;遊星歯車ユニット制御要素回転数(ここでは、リ
ングギヤRの回転数が相当する) ZR ;リングギヤ歯数 NT ;流体トルクコンバータ・タービン軸回転数 e;トルクコンバータ速度比 ZA ’;トルクコンバータケース連結スプロケット歯数
(チェーン駆動時) ZB ’; タービン軸連結スプロケット歯数(チェーン
駆動時) ZC ’; キャリヤ連結スプロケット歯数(チェーン駆
動時) ZR ’; リングギヤ連結スプロケット歯数(チェーン
駆動時) とする。
【0032】ここで、ip ;遊星歯車ユニット内変速比
(=入力軸回転数/出力軸回転数)とすれば、
(=入力軸回転数/出力軸回転数)とすれば、
【0033】
【数1】
【0034】以上より、負荷駆動時ip は、eの状態に
より下記の範囲内で自動変速する。
より下記の範囲内で自動変速する。
【0035】
【数2】
【0036】即ち、本発明の通り配列・回転連結した遊
星歯車ユニット内の変速比ipは、タービン軸7(出力
軸)に掛かる負荷の変化に対応して、連続かつ自動的
に、無段変速するユニットとして作用する。従って、汎
用動力伝達変速機構としては理想的なものとなる。な
お、トルクコンバータユニッYと連結した本発明の変速
装置全体としての総変速比it は、上述の遊星歯車ユニ
ットX内の変速比ip に、第1巻き掛け伝達媒体4に巻
き掛けられる遊星歯車ユニットXの出力要素(図2,図
14においては、プラネタリキャリヤCが相当する)と
トルクコンバータユニットYのトルクコンバータケース
5(即ち、ポンプ軸6)との連結比n1 (=ZA ’/Z
C ’)と、トルクコンバータユニットYのトルク比ρ
(e)と、を掛け合わせたものとなる。そして、このρ
(e)は、タービン軸7に掛かる負荷の大〜小に応じて
大〜小へと自動的・連続的・可逆的かつ無段階に変化す
るものであり、本装置全体としての駆動時総変速比it
は汎用変速動力伝達装置として機構学的・力学的に考察
して従来実用化されてきた如何なる自動変速装置にも勝
る理想的変速特性を有する自己完結型の完全無段変速動
力伝達装置となる。
星歯車ユニット内の変速比ipは、タービン軸7(出力
軸)に掛かる負荷の変化に対応して、連続かつ自動的
に、無段変速するユニットとして作用する。従って、汎
用動力伝達変速機構としては理想的なものとなる。な
お、トルクコンバータユニッYと連結した本発明の変速
装置全体としての総変速比it は、上述の遊星歯車ユニ
ットX内の変速比ip に、第1巻き掛け伝達媒体4に巻
き掛けられる遊星歯車ユニットXの出力要素(図2,図
14においては、プラネタリキャリヤCが相当する)と
トルクコンバータユニットYのトルクコンバータケース
5(即ち、ポンプ軸6)との連結比n1 (=ZA ’/Z
C ’)と、トルクコンバータユニットYのトルク比ρ
(e)と、を掛け合わせたものとなる。そして、このρ
(e)は、タービン軸7に掛かる負荷の大〜小に応じて
大〜小へと自動的・連続的・可逆的かつ無段階に変化す
るものであり、本装置全体としての駆動時総変速比it
は汎用変速動力伝達装置として機構学的・力学的に考察
して従来実用化されてきた如何なる自動変速装置にも勝
る理想的変速特性を有する自己完結型の完全無段変速動
力伝達装置となる。
【0037】即ち、本装置全体としての総変速比it は
下記の通りとなる。 it =ip ・n1 ・ρ(e) =n1/ZS ・ (ZR +ZS )-1/(n1 ・n2) ・ZR ・e ・ρ(e) …(8) 以上より、負荷駆動時、it はeの状態により下記の範
囲内で自動変速する。
下記の通りとなる。 it =ip ・n1 ・ρ(e) =n1/ZS ・ (ZR +ZS )-1/(n1 ・n2) ・ZR ・e ・ρ(e) …(8) 以上より、負荷駆動時、it はeの状態により下記の範
囲内で自動変速する。
【0038】
【数3】
【0039】最大負荷時の最大総変速比It は、(9)
式で示すように遊星歯車ユニットX内のサンギヤSとリ
ングギヤRの歯数および各回転要素の使用法(役割分担
法)、第1巻き掛け伝導媒体4を介して連結された遊星
歯車ユニットXの出力回転要素(図2,図14ではプラ
ネタリキャリアC)とトルクコンバータユニットYのト
ルクコンバータケース5との連結比(n1 )と、トルク
コンバータユニットYのストールトルク比(ρo )の組
合せ設計仕様により決定される。
式で示すように遊星歯車ユニットX内のサンギヤSとリ
ングギヤRの歯数および各回転要素の使用法(役割分担
法)、第1巻き掛け伝導媒体4を介して連結された遊星
歯車ユニットXの出力回転要素(図2,図14ではプラ
ネタリキャリアC)とトルクコンバータユニットYのト
ルクコンバータケース5との連結比(n1 )と、トルク
コンバータユニットYのストールトルク比(ρo )の組
合せ設計仕様により決定される。
【0040】次に、本装置全体の総変速比幅Δt (=i
t max /it min )を考察すると、
t max /it min )を考察すると、
【0041】
【数4】
【0042】従って、本装置を負荷の変動する一般的産
業機械に用いる場合の制約は、 (11)式の分母 > 0 ‥‥‥ (12) を満足することが必要であるが、この条件を満たす中
で、(11)式の分母を適正に配慮・設定すること[遊星
歯車ユニットX内の各歯車の噛合い歯数,動力伝達チェ
ーンまたはベルトのチェーンスプロケットの相互噛合い
歯数、またはベルトプーリ有効径(連結比n1 )、およ
びトルクコンバータユニットYのストールトルク比(ρ
o )の設計次第]で、Δt をρo 〜無限大(∞)の範囲
内に、その装置に要求される諸条件に対応して自在に設
定することが可能であり、同じ原動機を用いながら作業
負荷条件に差のあるものへの対応(自動車で云えば同一
のエンジンを車重の異なる車両に搭載する場合等)、あ
るいは同じ作業負荷条件に対し原動機出力の異なるもの
を用いたい場合への対応(自動車で云えば同じ車重の車
両に排気量の異なるエンジンを搭載する場合等)に当た
っても、本装置を構成する2つの基本機械要素となる遊
星歯車ユニットXおよびトルクコンバータユニットYの
基本仕様を変更することなく、この2軸を相互に回転連
結する連結条件(「図18,図19」に整理するn1 お
よびn2 〔3軸構成時はn1 ,n2 ,n 3 〕の比率)の
みの変更を工夫することで、本装置全体の最大総変速比
It および総変速比幅Δt を幅広くマッチングさせるこ
とが可能である。
業機械に用いる場合の制約は、 (11)式の分母 > 0 ‥‥‥ (12) を満足することが必要であるが、この条件を満たす中
で、(11)式の分母を適正に配慮・設定すること[遊星
歯車ユニットX内の各歯車の噛合い歯数,動力伝達チェ
ーンまたはベルトのチェーンスプロケットの相互噛合い
歯数、またはベルトプーリ有効径(連結比n1 )、およ
びトルクコンバータユニットYのストールトルク比(ρ
o )の設計次第]で、Δt をρo 〜無限大(∞)の範囲
内に、その装置に要求される諸条件に対応して自在に設
定することが可能であり、同じ原動機を用いながら作業
負荷条件に差のあるものへの対応(自動車で云えば同一
のエンジンを車重の異なる車両に搭載する場合等)、あ
るいは同じ作業負荷条件に対し原動機出力の異なるもの
を用いたい場合への対応(自動車で云えば同じ車重の車
両に排気量の異なるエンジンを搭載する場合等)に当た
っても、本装置を構成する2つの基本機械要素となる遊
星歯車ユニットXおよびトルクコンバータユニットYの
基本仕様を変更することなく、この2軸を相互に回転連
結する連結条件(「図18,図19」に整理するn1 お
よびn2 〔3軸構成時はn1 ,n2 ,n 3 〕の比率)の
みの変更を工夫することで、本装置全体の最大総変速比
It および総変速比幅Δt を幅広くマッチングさせるこ
とが可能である。
【0043】以上、負荷の変動および原動機(動力源)
出力の変動を組み合わせたあらゆる運転状態に応じて、
円滑かつ迅速に設計諸元で決まる最良の変速比状況を自
動的に保持・追求しながら動力を伝達し、しかも変速シ
ョックが皆無の変速駆動装置となる。本変速装置で得ら
れる最大変速比(It)の値が、目的とする使用条件に
対し不足する場合には、本装置に副(補助)変速機等の
多段の変速装置を組み合わせその変速比を掛け合わせる
ことで運転負荷状態に応じて適切な最大総減速比を選択
できるようにすることもできる。
出力の変動を組み合わせたあらゆる運転状態に応じて、
円滑かつ迅速に設計諸元で決まる最良の変速比状況を自
動的に保持・追求しながら動力を伝達し、しかも変速シ
ョックが皆無の変速駆動装置となる。本変速装置で得ら
れる最大変速比(It)の値が、目的とする使用条件に
対し不足する場合には、本装置に副(補助)変速機等の
多段の変速装置を組み合わせその変速比を掛け合わせる
ことで運転負荷状態に応じて適切な最大総減速比を選択
できるようにすることもできる。
【0044】積載状況、路面の登坂勾配等負荷変動の幅
の大きい貨物自動車やバス等の変速機に利用する場合に
は前進多段切替え副変速機構との組合せは良好なドライ
バビリティと燃費の向上に有効である。以下に、本実施
例にかかる無段変速装置における効果を整理する。 1.基本的な変速機能上の効果 (イ)負荷の変動および原動機出力の変動を組み合わせ
たあらゆる状態に対応して円滑(変速ショックは皆無)
かつ迅速に最良の平衡変速比状態を自動的に追求して変
速することが可能となる。 (ロ)設計次第で自由な最大変速比(It)を設定する
ことができる機能〔It=Ip・n1 ・ρO ,Ipは遊
星歯車列の型式・歯数・使用法等で決まる遊星歯車ユニ
ット最大変速比,n1 は遊星歯車列出力要素とトルクコ
ンバータトルクコンバータケースとの回転連結比,ρO
はトルクコンバータのストールトルク比を示す〕を有す
る。
の大きい貨物自動車やバス等の変速機に利用する場合に
は前進多段切替え副変速機構との組合せは良好なドライ
バビリティと燃費の向上に有効である。以下に、本実施
例にかかる無段変速装置における効果を整理する。 1.基本的な変速機能上の効果 (イ)負荷の変動および原動機出力の変動を組み合わせ
たあらゆる状態に対応して円滑(変速ショックは皆無)
かつ迅速に最良の平衡変速比状態を自動的に追求して変
速することが可能となる。 (ロ)設計次第で自由な最大変速比(It)を設定する
ことができる機能〔It=Ip・n1 ・ρO ,Ipは遊
星歯車列の型式・歯数・使用法等で決まる遊星歯車ユニ
ット最大変速比,n1 は遊星歯車列出力要素とトルクコ
ンバータトルクコンバータケースとの回転連結比,ρO
はトルクコンバータのストールトルク比を示す〕を有す
る。
【0045】さらに、負荷の軽減に対して最小変速比を
限りなくオーバードライブに近づけて設定することがで
きる機能、即ち総変速比幅(Δt)を、ρO 〜無限大
(∞)まで幅広い範囲で自由に設定することができる。
上記2つの事項が、従来の自動変速装置や無段変速装置
にはない本実施例の無段変速装置の特有の効果である。
限りなくオーバードライブに近づけて設定することがで
きる機能、即ち総変速比幅(Δt)を、ρO 〜無限大
(∞)まで幅広い範囲で自由に設定することができる。
上記2つの事項が、従来の自動変速装置や無段変速装置
にはない本実施例の無段変速装置の特有の効果である。
【0046】2.構造機能・製造上、保守・整備上の効
果 (イ)簡単な構成であり、構成部品点数も極めて少なく
て済む。 (ロ)動力を伝達する機械要素に機械摩擦力に頼る部位
がないため、摩耗・発熱に起因する機能低下・故障の心
配は少ない。 (ハ)既存の機械要素の組合せであり、使用する部品の
機能・製造法およびその使用法、信頼性や耐久性は、既
に確立されているものばかりであり、本装置製造のため
の特殊な素材や加工・処理技術を必要としない。 (ニ)純機械的自己完結型の装置であり、変速のための
複雑な油圧制御や電子制御は不要であるため、制御装置
系の作動・機能不良に起因する故障(含経年劣化的不具
合)発生の蓋然性がない。 (ホ)加えて、本装置を運転、機能させるための潤滑油
に要求される条件は、従来のATF並みでよく、潤滑
剤、潤滑(含濾過)・冷却システム系等に要求される特
殊な要件もない。 (ヘ)自動変速装置として本来の動力伝達機能およびシ
ョックの少ない円滑な変速フィーリングを発揮・維持し
続けるための微妙で神経質な調整部位が極めて少なく、
製造品質・市場品質の維持が容易である。 (ト)出力や回転速度の異なる動力源、および仕事の大
きさの異なる負荷の組合せに対して、予めの設計仕様の
配慮により本装置の基本構成機械要素となるトルクコン
バータ、遊星歯車ユニット、ワンウェイクラッチ、その
他変速機ケースや軸受け機構等の基本仕様をそのままと
して、遊星歯車ユニットとトルクコンバータの各回転要
素間の連結比を変更するのみで対応することができ、簡
単な変更で適正な商品としてのラインアップを整えるこ
とができる。
果 (イ)簡単な構成であり、構成部品点数も極めて少なく
て済む。 (ロ)動力を伝達する機械要素に機械摩擦力に頼る部位
がないため、摩耗・発熱に起因する機能低下・故障の心
配は少ない。 (ハ)既存の機械要素の組合せであり、使用する部品の
機能・製造法およびその使用法、信頼性や耐久性は、既
に確立されているものばかりであり、本装置製造のため
の特殊な素材や加工・処理技術を必要としない。 (ニ)純機械的自己完結型の装置であり、変速のための
複雑な油圧制御や電子制御は不要であるため、制御装置
系の作動・機能不良に起因する故障(含経年劣化的不具
合)発生の蓋然性がない。 (ホ)加えて、本装置を運転、機能させるための潤滑油
に要求される条件は、従来のATF並みでよく、潤滑
剤、潤滑(含濾過)・冷却システム系等に要求される特
殊な要件もない。 (ヘ)自動変速装置として本来の動力伝達機能およびシ
ョックの少ない円滑な変速フィーリングを発揮・維持し
続けるための微妙で神経質な調整部位が極めて少なく、
製造品質・市場品質の維持が容易である。 (ト)出力や回転速度の異なる動力源、および仕事の大
きさの異なる負荷の組合せに対して、予めの設計仕様の
配慮により本装置の基本構成機械要素となるトルクコン
バータ、遊星歯車ユニット、ワンウェイクラッチ、その
他変速機ケースや軸受け機構等の基本仕様をそのままと
して、遊星歯車ユニットとトルクコンバータの各回転要
素間の連結比を変更するのみで対応することができ、簡
単な変更で適正な商品としてのラインアップを整えるこ
とができる。
【0047】また、最大伝達トルク容量は、同一のトル
クコンバータ直結式に比べ理論的に考察して(Ip・n
1 )倍とすることができるから、この値を適切に取るこ
とによりトルクコンバータを小型(小径)コンパクト化
することもできるし、原動機出力または排気量の違いに
対して同一仕様の変速装置で、実用上共用できる適合範
囲が広汎なものとなる。
クコンバータ直結式に比べ理論的に考察して(Ip・n
1 )倍とすることができるから、この値を適切に取るこ
とによりトルクコンバータを小型(小径)コンパクト化
することもできるし、原動機出力または排気量の違いに
対して同一仕様の変速装置で、実用上共用できる適合範
囲が広汎なものとなる。
【0048】上記(イ)〜(ト)を、まとめると、 製造が容易で複雑な調整が不要で品質管理が容易で原
価が安い。 耐久性・信頼性が極めて高い。 整備性に優れ、保守・整備も容易で、維持費が安い。 シリーズとして製品・基本構成部品の共用性が極めて
高い。
価が安い。 耐久性・信頼性が極めて高い。 整備性に優れ、保守・整備も容易で、維持費が安い。 シリーズとして製品・基本構成部品の共用性が極めて
高い。
【0049】以上が、従来の変速装置にはない構造機能
・製造上、保守・整備上の本装置の特有の効果である。
また、自動車用変速装置等への応用を考えた場合には、
更に、以下のような重要な派生的効果がある。 (イ)トルクコンバータを使用する所謂AT車の多段変
速化に対する究極の回答であり、しかも坂道発進の容易
なヒルホルダー機能付きである。 (ロ)何等かの制約で定格回転数範囲の限定される原動
機を使用する場合でも入出力軸間の自在な出力変換装置
として負荷の幅広い変動(トルク×回転数)範囲を無理
なくカバーしてよく適合する。 (ハ)変速範囲を大きくとれるので積載重量の変動が大
きいトラック,バス等の事業用車両等の動力伝達装置と
しての適合性にも優れており,運転者の負担を軽減する
イージドライブ化の普及・促進に貢献する。 (ニ)従来一般的に普及しているトルクコンバータ付の
多段変速オートマチック車に比べストール時の最大駆動
トルクを相当に大きく設定することができ、それだけ発
進・加速・登坂能力を向上させるこができることになり
アクセル全開走行では発進から最高速まで最大出力回転
数を維持しながら最大駆動力で疾走させること(車両の
高性能化)も可能であり,また小排気量エンジンで重い
車両を駆動(省エネルギー化)することも可能となる。
・製造上、保守・整備上の本装置の特有の効果である。
また、自動車用変速装置等への応用を考えた場合には、
更に、以下のような重要な派生的効果がある。 (イ)トルクコンバータを使用する所謂AT車の多段変
速化に対する究極の回答であり、しかも坂道発進の容易
なヒルホルダー機能付きである。 (ロ)何等かの制約で定格回転数範囲の限定される原動
機を使用する場合でも入出力軸間の自在な出力変換装置
として負荷の幅広い変動(トルク×回転数)範囲を無理
なくカバーしてよく適合する。 (ハ)変速範囲を大きくとれるので積載重量の変動が大
きいトラック,バス等の事業用車両等の動力伝達装置と
しての適合性にも優れており,運転者の負担を軽減する
イージドライブ化の普及・促進に貢献する。 (ニ)従来一般的に普及しているトルクコンバータ付の
多段変速オートマチック車に比べストール時の最大駆動
トルクを相当に大きく設定することができ、それだけ発
進・加速・登坂能力を向上させるこができることになり
アクセル全開走行では発進から最高速まで最大出力回転
数を維持しながら最大駆動力で疾走させること(車両の
高性能化)も可能であり,また小排気量エンジンで重い
車両を駆動(省エネルギー化)することも可能となる。
【0050】また、Dレンジ停車アイドル運転時の所謂
クリープ現象がそれだけ小さくなると共に、同上時のエ
ンジン負荷は逆にそれだけ軽くなり省燃費アイドル運転
〜低アイドル回転運転(省エネルギー化)が可能とな
る。 (ホ)(ニ)との関連事項であるが、変速比幅を十分に
大きく設定することにより市街地の一般走行モードにお
いては発進・加速運転では従来変速機付との比較におい
てエンジンの低〜中回転・高負荷領域の使用から高回転
・低〜中負荷領域の使用での駆動が可能となり,内燃機
関を原動機とする自動車の排気ガスについて云えば高温
・高負荷運転時に多量に発生する有害排気ガス成分であ
るNOx の低減手法として有効な実用的手段となる。
クリープ現象がそれだけ小さくなると共に、同上時のエ
ンジン負荷は逆にそれだけ軽くなり省燃費アイドル運転
〜低アイドル回転運転(省エネルギー化)が可能とな
る。 (ホ)(ニ)との関連事項であるが、変速比幅を十分に
大きく設定することにより市街地の一般走行モードにお
いては発進・加速運転では従来変速機付との比較におい
てエンジンの低〜中回転・高負荷領域の使用から高回転
・低〜中負荷領域の使用での駆動が可能となり,内燃機
関を原動機とする自動車の排気ガスについて云えば高温
・高負荷運転時に多量に発生する有害排気ガス成分であ
るNOx の低減手法として有効な実用的手段となる。
【0051】即ち、今日の世界的規模での社会的要請課
題である低公害ディーゼルエンジン自動車(含黒煙排出
量の低減)実現にも大きく貢献することができる。 (ヘ)自転車に使用すれば,人力による限られたペダル
踏力と回転数を路面状況に応じて無理なくタイヤの駆動
に変換する変速操作不要のイージードライブで急な登坂
も容易な完全無段変速車が実現し、人力車両の実用性と
用途を大幅に拡大することができる。 (ト)補助運転装置として自動車等でのクルーズコント
ロール(定速走行)装置や一般産業機械でのガバナー
(原動機定速運転)装置を設ける場合には構造上その制
御性は優れたものとなる。
題である低公害ディーゼルエンジン自動車(含黒煙排出
量の低減)実現にも大きく貢献することができる。 (ヘ)自転車に使用すれば,人力による限られたペダル
踏力と回転数を路面状況に応じて無理なくタイヤの駆動
に変換する変速操作不要のイージードライブで急な登坂
も容易な完全無段変速車が実現し、人力車両の実用性と
用途を大幅に拡大することができる。 (ト)補助運転装置として自動車等でのクルーズコント
ロール(定速走行)装置や一般産業機械でのガバナー
(原動機定速運転)装置を設ける場合には構造上その制
御性は優れたものとなる。
【0052】なお、本実施例では、遊星歯車ユニットX
の出力要素と、トルクコンバータユニットYのトルクコ
ンバータケース5(ポンプ軸6)と、をチェーンやベル
トを介して連結する構成とし、また、タービン軸7と遊
星歯車ユニットXの出力要素とを同様にして連結するよ
うにして説明してきたが、例えば、図16,17に示す
ようにチェーンやベルトを歯車(摩擦車でもよい)等に
置き換えて連結するようにしても構わない。
の出力要素と、トルクコンバータユニットYのトルクコ
ンバータケース5(ポンプ軸6)と、をチェーンやベル
トを介して連結する構成とし、また、タービン軸7と遊
星歯車ユニットXの出力要素とを同様にして連結するよ
うにして説明してきたが、例えば、図16,17に示す
ようにチェーンやベルトを歯車(摩擦車でもよい)等に
置き換えて連結するようにしても構わない。
【0053】ところで、遊星歯車(差動歯車)ユニット
の同軸回転要素(サンギヤS,プラネタリキャリヤC,
リングギヤR)の一つを、制御要素として連続可変に無
段階に回転制御することで、無段変速装置の無段変速要
素として活用することができ、これによっても従来の機
械的摩擦力に頼る構造の無段変速装置に対し装置構成の
簡略化を十分図ることができるという効果があり、従っ
て、少なくとも動力伝達経路の途中に、本発明にかかる
遊星歯車(差動歯車)ユニットを介装し、例えば電子制
御により駆動制御される駆動モータ等を介して前記制御
要素を、所定の変速比が得られるように回転制御するよ
うな構成としてもよい(本発明の請求項1に記載の発明
に相当する)。
の同軸回転要素(サンギヤS,プラネタリキャリヤC,
リングギヤR)の一つを、制御要素として連続可変に無
段階に回転制御することで、無段変速装置の無段変速要
素として活用することができ、これによっても従来の機
械的摩擦力に頼る構造の無段変速装置に対し装置構成の
簡略化を十分図ることができるという効果があり、従っ
て、少なくとも動力伝達経路の途中に、本発明にかかる
遊星歯車(差動歯車)ユニットを介装し、例えば電子制
御により駆動制御される駆動モータ等を介して前記制御
要素を、所定の変速比が得られるように回転制御するよ
うな構成としてもよい(本発明の請求項1に記載の発明
に相当する)。
【0054】なお、図18(表1)、図19(表2)の
記述内容に対する注記を以下に示す。 注1;遊星歯車ユニットの制御要素とはトルクコンバー
タのタービン軸と連結・帰還駆動させる回転要素を示
す。 注2;Sはサンギヤ,Cはプラネタリキャリヤ,Rはリ
ングギヤを示す。
記述内容に対する注記を以下に示す。 注1;遊星歯車ユニットの制御要素とはトルクコンバー
タのタービン軸と連結・帰還駆動させる回転要素を示
す。 注2;Sはサンギヤ,Cはプラネタリキャリヤ,Rはリ
ングギヤを示す。
【0055】注3;ZI ' (添字のIは、以下に示すA
〜Fに相当する)はチェーン連結時のチェーンスプロケ
ットの歯数(連結比n1 ,n2 を決めるもの)を示す。
即ち、ZA ' はトルクコンバータ・インペラケースの歯
数 ZB ' はトルクコンバータ・タービン軸の歯数 ZS ' は遊星歯車ユニットのサンギヤの歯数 ZC ' は遊星歯車ユニットのプラネタリキャリヤの歯数
ZR ' は遊星歯車ユニ
ットのリングギヤの歯数
ZF ' は中間逆転軸の歯数 注4;ZI (添字のIは、以下に示すB,Eに相当す
る)は中間逆転軸部噛合い歯数(連結比n3 を決めるも
の)を示す。
〜Fに相当する)はチェーン連結時のチェーンスプロケ
ットの歯数(連結比n1 ,n2 を決めるもの)を示す。
即ち、ZA ' はトルクコンバータ・インペラケースの歯
数 ZB ' はトルクコンバータ・タービン軸の歯数 ZS ' は遊星歯車ユニットのサンギヤの歯数 ZC ' は遊星歯車ユニットのプラネタリキャリヤの歯数
ZR ' は遊星歯車ユニ
ットのリングギヤの歯数
ZF ' は中間逆転軸の歯数 注4;ZI (添字のIは、以下に示すB,Eに相当す
る)は中間逆転軸部噛合い歯数(連結比n3 を決めるも
の)を示す。
【0056】即ち、ZB はトルクコンバータ・タービン
軸直結歯車の歯数 ZE は、ZB と噛合う中間逆転軸直結歯車の歯数 注5;Δt /ρO 値は連結比により、1<Δt /ρO <
∞ の範囲で設定可能。
軸直結歯車の歯数 ZE は、ZB と噛合う中間逆転軸直結歯車の歯数 注5;Δt /ρO 値は連結比により、1<Δt /ρO <
∞ の範囲で設定可能。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明にかかる無段変速装置によれば、無段変速手段を、
遊星歯車ユニットの同軸回転要素(サンギヤ,プラネタ
リキャリヤ,リングギヤ)を動力伝達経路の途中に介装
し、各要素を入力要素、出力要素、制御要素として役割
分担させ、制御要素の回転速度を可変制御することで、
出力要素に対する入力要素の相対回転速度(換言すれ
ば、変速比)を無段階かつ連続的に可変制御する構成と
したので、従来のような機械的な摩擦力に頼った複雑で
信頼性の低い無段変速装置に対し、簡単かつ信頼性の高
い構成により、良好に無段変速できる。
発明にかかる無段変速装置によれば、無段変速手段を、
遊星歯車ユニットの同軸回転要素(サンギヤ,プラネタ
リキャリヤ,リングギヤ)を動力伝達経路の途中に介装
し、各要素を入力要素、出力要素、制御要素として役割
分担させ、制御要素の回転速度を可変制御することで、
出力要素に対する入力要素の相対回転速度(換言すれ
ば、変速比)を無段階かつ連続的に可変制御する構成と
したので、従来のような機械的な摩擦力に頼った複雑で
信頼性の低い無段変速装置に対し、簡単かつ信頼性の高
い構成により、良好に無段変速できる。
【0058】請求項2に記載の発明によれば、動力伝達
経路の途中に、前記伝達手段を介装し、前記第1連結手
段により、前記無段変速手段の出力要素と、前記伝達手
段の入力軸と、を回転連結させると共に、前記第2連結
手段により、前記伝達手段の出力軸と、前記無段変速手
段の制御要素と、を、前記伝達手段の出力軸の回転速度
が上昇するに連れて、前記無段変速手段の前記出力要素
に対する前記入力要素の相対回転速度(変速比)が小さ
くなるように回転連結するようにしたので、前記伝達手
段の有する特性により、複雑な自動変速制御系を備えず
とも、自動的に、高負荷時には高トルクが発生するよう
に(変速比が大きくなり)、低負荷時には高速回転でき
るように(変速比が小さく)、変速比を自動的・連続的
・可逆的に設定することができる。
経路の途中に、前記伝達手段を介装し、前記第1連結手
段により、前記無段変速手段の出力要素と、前記伝達手
段の入力軸と、を回転連結させると共に、前記第2連結
手段により、前記伝達手段の出力軸と、前記無段変速手
段の制御要素と、を、前記伝達手段の出力軸の回転速度
が上昇するに連れて、前記無段変速手段の前記出力要素
に対する前記入力要素の相対回転速度(変速比)が小さ
くなるように回転連結するようにしたので、前記伝達手
段の有する特性により、複雑な自動変速制御系を備えず
とも、自動的に、高負荷時には高トルクが発生するよう
に(変速比が大きくなり)、低負荷時には高速回転でき
るように(変速比が小さく)、変速比を自動的・連続的
・可逆的に設定することができる。
【0059】請求項3に記載の発明によれば、一般的に
使用されている流体式トルクコンバータを伝達手段とし
て採用したので、伝達効率、コスト、信頼性等の面で極
めて実用的なものとすることができる。請求項4に記載
の発明によれば、前記プラネタリピニオンギヤを、所謂
複列式で配設するようにしたので、変速比の設定自由
度、各構成要素の回転方向等の設計自由度を広げること
ができる。
使用されている流体式トルクコンバータを伝達手段とし
て採用したので、伝達効率、コスト、信頼性等の面で極
めて実用的なものとすることができる。請求項4に記載
の発明によれば、前記プラネタリピニオンギヤを、所謂
複列式で配設するようにしたので、変速比の設定自由
度、各構成要素の回転方向等の設計自由度を広げること
ができる。
【0060】請求項5に記載の発明によれば、前記逆入
力逆転駆動遮断手段により、伝達手段の出力軸に駆動ト
ルクを超える逆転負荷トルクが加わった場合に、前記制
御要素の逆転を防止し、入力要素(動力源側)への逆転
過負荷の伝達を確実に遮断することができるようにな
る。これにより、例えば、本装置を車両に搭載した場合
に、登坂路で車両を停止させ、アクセルをOFFして、
ブレーキを解除したような状態(重力で車両が後退する
ような状態)であっても、車両は後退することなく停止
状態を維持し、この間エンジンを停止させることなくア
イドル運転を持続(この間変速装置内はストール状態、
即ち最大変速比状態を保持)でき、引き続きこの状態か
らアクセルを踏み込みエンジン出力を上げれば円滑な登
坂発進が行なえる所謂「ヒルホルダー機能」を具備させ
ることができる。
力逆転駆動遮断手段により、伝達手段の出力軸に駆動ト
ルクを超える逆転負荷トルクが加わった場合に、前記制
御要素の逆転を防止し、入力要素(動力源側)への逆転
過負荷の伝達を確実に遮断することができるようにな
る。これにより、例えば、本装置を車両に搭載した場合
に、登坂路で車両を停止させ、アクセルをOFFして、
ブレーキを解除したような状態(重力で車両が後退する
ような状態)であっても、車両は後退することなく停止
状態を維持し、この間エンジンを停止させることなくア
イドル運転を持続(この間変速装置内はストール状態、
即ち最大変速比状態を保持)でき、引き続きこの状態か
らアクセルを踏み込みエンジン出力を上げれば円滑な登
坂発進が行なえる所謂「ヒルホルダー機能」を具備させ
ることができる。
【0061】請求項6に記載の発明によれば、前記逆入
力正転駆動遮断手段により、前記伝達手段の出力軸が逆
入力により正転駆動される場合に、当該出力軸と前記第
2連結手段を介して回転連結された前記無段変速手段の
制御要素が過剰回転しないように、前記出力軸への逆入
力正転駆動を遮断するようにしたので、本来動力源で駆
動される回転速度より高速で出力軸が回転されるような
場合(下り坂を惰行走行するような場合)に前記無段変
速手段内の変速比が超オーバードライブを経て逆転モー
ドとなり、入力要素(動力源)が停止,逆転させられる
不都合を防止することができるようになる。これによ
り、例えば、本装置を車両に搭載した場合に、快適で静
粛なクルージングおよび省燃費走行等を可能とするため
のアクセルOFF時の慣性惰行走行機能を具備させるこ
とができる。
力正転駆動遮断手段により、前記伝達手段の出力軸が逆
入力により正転駆動される場合に、当該出力軸と前記第
2連結手段を介して回転連結された前記無段変速手段の
制御要素が過剰回転しないように、前記出力軸への逆入
力正転駆動を遮断するようにしたので、本来動力源で駆
動される回転速度より高速で出力軸が回転されるような
場合(下り坂を惰行走行するような場合)に前記無段変
速手段内の変速比が超オーバードライブを経て逆転モー
ドとなり、入力要素(動力源)が停止,逆転させられる
不都合を防止することができるようになる。これによ
り、例えば、本装置を車両に搭載した場合に、快適で静
粛なクルージングおよび省燃費走行等を可能とするため
のアクセルOFF時の慣性惰行走行機能を具備させるこ
とができる。
【図1】本発明にかかる無段変速装置(A型)の変速作
用を説明する模式図。
用を説明する模式図。
【図2】本発明にかかる無段変速装置(B型)の変速作
用を説明する模式図。
用を説明する模式図。
【図3】本発明にかかる無段変速装置(C型)の変速作
用を説明する模式図。
用を説明する模式図。
【図4】本発明にかかる無段変速装置(D型)の変速作
用を説明する模式図。
用を説明する模式図。
【図5】本発明にかかる無段変速装置(E型)の変速作
用を説明する模式図。
用を説明する模式図。
【図6】本発明にかかる無段変速装置(F型)の変速作
用を説明する模式図。
用を説明する模式図。
【図7】本発明にかかる無段変速装置(A’型)の変速
作用を説明する模式図。
作用を説明する模式図。
【図8】本発明にかかる無段変速装置(B’型)の変速
作用を説明する模式図。
作用を説明する模式図。
【図9】本発明にかかる無段変速装置(C’型)の変速
作用を説明する模式図。
作用を説明する模式図。
【図10】本発明にかかる無段変速装置(D’型)の変速
作用を説明する模式図。
作用を説明する模式図。
【図11】本発明にかかる無段変速装置(E’型)の変速
作用を説明する模式図。
作用を説明する模式図。
【図12】本発明にかかる無段変速装置(F’型)の変速
作用を説明する模式図。
作用を説明する模式図。
【図13】本発明にかかる無段変速装置(A型)の具体例
の断面図。
の断面図。
【図14】本発明にかかる無段変速装置(B型)の具体例
の断面図。
の断面図。
【図15】本発明にかかる無段変速装置(C型)の具体例
の断面図。
の断面図。
【図16】本発明の第2連結手段の他の一例を示す図。
【図17】本発明の第1、第2連結手段の他の一例を示す
図。
図。
【図18】駆動型式区分別変速機能とその条件および構造
特徴等(シングルプラネタリ式A,B,C,D,E,F
の6型式)を示す図(表1)。
特徴等(シングルプラネタリ式A,B,C,D,E,F
の6型式)を示す図(表1)。
【図19】駆動型式区分別変速機能とその条件および構造
特徴等(デュアルプラネタリ式A’,B’,C’,
D’,E’,F’の6型式)を示す図(表2)。
特徴等(デュアルプラネタリ式A’,B’,C’,
D’,E’,F’の6型式)を示す図(表2)。
C プラネタリキャリヤ P プラネタリピニオンギヤ R リングギヤ S サンギヤ 1 変速機ケース 2 入力軸 3 ワンウェイクラッチ(OWC) 4 第1巻き掛け伝導媒体 5 トルクコンバータケース 6 ポンプ軸 7 タービン軸 9 ワンウェイクラッチ(OWC) 10 出力軸 11 第2巻き掛け伝導媒体
Claims (6)
- 【請求項1】動力伝達経路の途中に、サンギヤ(S)
と、サンギヤ(S)と歯合するプラネタリピニオンギヤ
(P)を自転自由に支持してサンギヤ(S)と独立して
同軸回転可能なプラネタリキャリヤ(C)と、プラネタ
リピニオンギヤ(P)と歯合してプラネタリキャリヤ
(C)及びサンギヤ(S)と独立して同軸回転可能なリ
ングギヤ(R)の3要素を含んで構成される遊星歯車ユ
ニット(X)を介装し、 当該遊星歯車ユニット(X)の前記3要素のうちの1つ
を遊星歯車ユニット(X)への動力の入力要素とし、残
りの要素のうちの一方を遊星歯車ユニット(X)からの
動力の出力要素とし、残りの他方の要素を前記入力要素
と前記出力要素との間の相対回転速度を可変制御する制
御要素とした無段変速手段を含んで構成したことを特徴
とする無段変速装置。 - 【請求項2】動力伝達経路の途中に、入力軸に対する出
力軸の回転速度比が、入力軸トルクが一定の場合、出力
軸の負荷が大(又は小)なら回転速度比小(又は大)へ
と自動的に変化する伝達手段を介装し、 前記無段変速手段の出力要素と、前記伝達手段の入力軸
と、を回転連結する第1連結手段と、 前記伝達手段の出力軸と、前記無段変速手段の制御要素
と、を、前記伝達手段の出力軸の回転速度が上昇するに
連れて、前記無段変速手段の変速比が連続的にに小さく
なるように回転連結する第2連結手段と、 を備え、出力軸の負荷変化に応じて自動的に無段変速さ
せるようにした請求項1に記載の無段変速装置。 - 【請求項3】前記伝達手段が、流体式トルクコンバータ
であることを特徴とする請求項2に記載の無段変速装
置。 - 【請求項4】前記プラネタリピニオンギヤ(P)が、所
謂複列式で配設されたことを特徴とする請求項1〜請求
項3の何れか1つに記載の無段変速装置。 - 【請求項5】前記伝達手段の出力軸に駆動トルクを越え
る逆転負荷トルクが加わった場合に、前記出力軸と前記
第2連結手段を介して回転連結された前記無段変速手段
の制御要素が、逆転させられることのないように、前記
制御要素の逆転駆動を遮断する逆入力逆転駆動遮断手段
を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか
1つに記載の無段変速装置。 - 【請求項6】前記伝達手段の出力軸が逆入力により正転
駆動される場合に、当該出力軸と前記第2連結手段を介
して回転連結された前記無段変速手段の制御要素が過剰
回転しないように、前記出力軸への逆入力正転駆動を遮
断する逆入力正転駆動遮断手段を備えたことを特徴とす
る請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の無段変速装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6300549A JPH0874966A (ja) | 1994-06-30 | 1994-12-05 | 無段変速装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18273294 | 1994-06-30 | ||
JP6-182732 | 1994-06-30 | ||
JP6300549A JPH0874966A (ja) | 1994-06-30 | 1994-12-05 | 無段変速装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0874966A true JPH0874966A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=26501427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6300549A Pending JPH0874966A (ja) | 1994-06-30 | 1994-12-05 | 無段変速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0874966A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009236233A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Toyota Motor Corp | 動力伝達装置 |
WO2011083958A3 (ko) * | 2010-01-05 | 2012-01-19 | Jo Koang Ho | 무단 변속장치 |
CN102927210A (zh) * | 2012-10-26 | 2013-02-13 | 浙江西子富沃德电机有限公司 | 少齿差行星齿轮减速器以及使用该减速器的电梯曳引机 |
KR101338514B1 (ko) * | 2012-10-19 | 2013-12-10 | 서광모 | 토크컨버터를 이용한 무단변속장치 |
-
1994
- 1994-12-05 JP JP6300549A patent/JPH0874966A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009236233A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Toyota Motor Corp | 動力伝達装置 |
WO2011083958A3 (ko) * | 2010-01-05 | 2012-01-19 | Jo Koang Ho | 무단 변속장치 |
KR101134032B1 (ko) * | 2010-01-05 | 2012-04-13 | 조광호 | 무단 변속장치 |
KR101338514B1 (ko) * | 2012-10-19 | 2013-12-10 | 서광모 | 토크컨버터를 이용한 무단변속장치 |
CN102927210A (zh) * | 2012-10-26 | 2013-02-13 | 浙江西子富沃德电机有限公司 | 少齿差行星齿轮减速器以及使用该减速器的电梯曳引机 |
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