JPH0874891A - 発進クラッチ制御装置 - Google Patents

発進クラッチ制御装置

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Publication number
JPH0874891A
JPH0874891A JP6230320A JP23032094A JPH0874891A JP H0874891 A JPH0874891 A JP H0874891A JP 6230320 A JP6230320 A JP 6230320A JP 23032094 A JP23032094 A JP 23032094A JP H0874891 A JPH0874891 A JP H0874891A
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JP
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clutch
target value
starting
creep
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Application number
JP6230320A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Yamashita
佳宣 山下
Kenichi Azuma
賢一 東
Miyuki Koide
みゆき 小出
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、新たなクリープ量設定マップによ
ってクリープ量目標値をエンジンの要求負荷量にて設定
し、エンジンの要求負荷量に応じた発進特性を確保する
ことを目的としている。 【構成】 このため、制御手段を有する発進クラッチ制
御装置のクリープ量設定部に、発進操作が行われた後か
ら発進制御に十分なエンジン状態に達するまでの間は、
クラッチのトルク容量またはトルク容量相当量の目標値
を一定とすべくクリープ量目標値をエンジンの要求負荷
量にて設定する新たなクリープ量設定マップを設けてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は発進クラッチ制御装置
に係り、特に発進操作が行われた後から発進制御に十分
なエンジン状態に達するまでの間は、新たに設定したク
リープ圧設定マップによってクラッチ圧目標値を一定と
すべくスロットル開度にてクリープ圧目標値を設定し、
スロットル開度に応じた発進特性を確保する発進クラッ
チ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両において、内燃機関と駆動車輪間に
変速機を介在している。この変速機は、広範囲に変化す
る車両の走行条件に合致させて駆動車輪の駆動力と走行
速度とを変更し、内燃機関の性能を充分に発揮させてい
る。変速機には、例えば回転軸に固定された固定プーリ
部片とこの固定プーリ部片に接離可能に回転軸に装着さ
れた可動プーリ部片とを有するプーリの両プーリ部片間
に形成される溝幅を油圧により増減することによりプー
リに巻掛けられたベルトの回転半径を減増させ動力を伝
達し、ベルトレシオ(変速比)を変える連続可変変速機
がある。
【0003】また、連続可変変速機には、油圧により動
力を断続する油圧クラッチを有するものがある。この油
圧クラッチは、エンジン回転速度や気化器絞り弁開度等
の信号に基づいて各種の制御モードで電子制御されてい
る。
【0004】前記発進クラッチ制御装置としては、特開
昭64−44338号公報に開示されるものがある。こ
の公報に開示される連続可変変速機のクラッチ制御方法
は、車両運転状態がホールドモードである最に、制御部
から油圧回路に信号を出力し、油圧回路によりクラッチ
圧力を所定圧力に制御し、クラッチ圧力によりクラッチ
の接続状態を変化させ、低速時のエンジンブレーキの効
果の向上やクラッチのエンゲージショックの低減を図っ
ている。
【0005】また、特開平3−24361号公報に開示
されるものがある。この公報に開示される産業車両のク
ラッチ制御装置は、急発進・急加速時に、短時間に油圧
クラッチを接続させるとともに、アクセルペダルをほと
んど踏まないあるいは浅く踏む場合に、油圧クラッチを
滑らかに接続させ、運転状況に応じたクラッチの接続モ
ードを自動的に選定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の発進
クラッチ制御装置においては、電子式の発進クラッチを
制御する制御手段204は、図7に示す如く、エンジン
回転速度からマップによりクラッチ圧目標値を設定する
クリープ圧設定部206と、スロットル開度により発進
時のフィードフォワード量を設定するフィードフォワー
ド部208と、スロットル開度により発進時の目標エン
ジン回転速度を設定するスピードループ部210とを有
し、各設定部からの設定値を制御モードに応じて選択
し、圧力ループ部212によりクラッチソレノイドデュ
ーティを設定すべく制御している。
【0007】そして、前記クリープ圧設定部は、エンジ
ン回転速度NEからクラッチ圧目標値CPSPを設定す
る第1クラッチ圧目標値設定マップ214と、第2クラ
ッチ圧目標値設定マップ216(図9参照)と、発進操
作判定スイッチDDT218とからなり、発進操作判定
スイッチDDT218のON・OFF状態によって各設
定マップ214、216を切換使用している。
【0008】また、前記フィードフォワード部208
は、スロットル開度THRTにより発進時のフィードフ
ォワード量PCLUNを設定するフィードフォワード量
設定マップ220と、フィードフォワード量PCLUN
にフィルタ処理を施してフィルタ処理後のフィードフォ
ワード量PCLUNFとするフィルタ処理部222とか
らなる。
【0009】更に、前記スピードループ部210は、ス
ロットル開度THRTにより発進時の目標エンジン回転
速度NESPCを設定する目標エンジン回転速度設定マ
ップ224と、目標エンジン回転速度NESPCにフィ
ルタ処理を施してフィルタ処理後の目標エンジン回転速
度NESPCFとするフィルタ処理部226と、フィル
タ処理後の目標エンジン回転速度NESPCFに実際の
エンジン回転速度NEを一致させるべくPI制御を行う
PI制御部228とからなる。
【0010】前記クリープ圧設定部からのクラッチ圧目
標値CPSPや前記フィードフォワード部のフィルタ処
理後のフィードフォワード量PCLUNF、スピードル
ープ部のフィルタ処理後の目標エンジン回転速度NES
PCFは、制御モードに応じて選択される。つまり、ホ
ールド制御モードHLDにおいては、クリープ圧設定部
からのクラッチ圧目標値CPSPを選択し、ノーマルス
タート制御モードNSTにおいては、前記フィードフォ
ワード部とスピードループ部側を選択するものである。
【0011】そして、選択後のクラッチ圧目標値CPS
Pは、圧力ループ部においてクラッチソレノイドデュー
ティOPWCLUの中立値NPCとクラッチ圧PCLU
TCHとに基づいてクラッチソレノイドデューティOP
WCLUを調整している。
【0012】前記圧力ループ部は、クラッチ圧PCLU
TCHをフィードバック制御するPI(比例積分)制御
である。このPI制御は、エラー(CPSP−PCLU
TCH)が発生しなければ、操作量であるクラッチソレ
ノイドデューティOPWCLUの変更を行うことができ
ず、エラー発生を不可欠の条件としている。
【0013】また、前記PI制御において、発進待ちの
状態には、スロットル開度THRTが全閉状態となって
おり、発進操作を行うことによってスロットル開度TH
RTは、小から大に変化し、図12よりクラッチ圧目標
値CPSPは、図10及び図11に破線で示す如く、変
化する。
【0014】この結果、発進操作時のクラッチ圧PCL
UTCHの急増による発進ショックが発生したり、高ス
ロットル開度時にクラッチ圧PCLUTCHが下がり切
らず、速やかな発進特性が得られないという不具合があ
る。この不具合は、後述するライン圧の急増に連動し、
クラッチ圧PCLUTCHも急増したために発進クラッ
チの接続が強くなり、エンジン回転速度NEの増加を抑
制する際に生ずる。
【0015】ところが、図12の(ア)で示す如く、ク
ラッチ圧目標値CPSPが一方向に連続変化する場合に
は、一方向のエラーが発生し続けることとなり、図12
の(イ)で示す如く、前記PI制御によって積分値が蓄
積され、比例分と積分分とのバランスが崩れ、外乱発生
の影響を吸収することができず、図12の(ウ)で示す
如く、クラッチソレノイドデューティOPWCLUが変
化し、フィードバックPI(比例積分)制御に不具合が
生ずるものである。仮に、積分量が少ない場合には、P
制御によりクラッチ圧PCLUTCHの増加を抑制可能
であると思料される。
【0016】前記発進クラッチのトルク容量特性を、図
8に示す。発進クラッチのトルク容量は、図8に示す如
く、電子制御によってクラッチ圧PCLUTCHを調圧
することにより行われている。
【0017】そして、発進操作が行われてから発進制御
に十分なエンジン状態に達するまでの間は、クラッチ圧
PCLUTCHをエンジン回転速度NEに応じて設定さ
れたクラッチ圧目標値CPSPに制御している(図9参
照)。
【0018】一般に、運転者は、スロットル開度によっ
て異なった発進特性を要求する。すなわち、例えば低ス
ロットル開度時に、滑らかな発進特性を期待するととも
に、高スロットル開度時には、滑らかさよりも速やかさ
を期待するものである。
【0019】しかし、従来の制御においては、スロット
ル開度に応じた発進特性を実現することができなかっ
た。
【0020】つまり、低スロットル開度時には、図10
に示す如く、制御モードがホールド制御モードHLDか
らノーマルスタート制御モードNSTに移行した際に、
クラッチ圧目標値CPSPの急増することとなり、この
クラッチ圧目標値CPSPの急増によって発進ショック
が発生し、滑らかな発進特性を得ることができないとい
う不都合がある。
【0021】また、高スロットル開度時には、図11に
示す如く、制御モードがホールド制御モードHLDから
ノーマルスタート制御モードNSTに移行した後に、ラ
イン圧PLINEが急変し、このライン圧PLINEの
急変によってクラッチ圧PCLUTCHも急変すること
となり、発進ショックが発生して速やかな発進特性を得
ることができないという不都合がある。
【0022】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、エンジン回転速度からクリ
ープ圧設定マップによりクラッチ圧目標値を設定するク
リープ圧設定部とスロットル開度により発進時のフィー
ドフォワード量を設定するフィードフォワード部とスロ
ットル開度により発進時の目標エンジン回転速度を設定
するスピードループ部とを有し、各設定部からの設定値
を制御モードに応じて選択し、圧力ループ部によりクラ
ッチソレノイドデューティを設定すべく制御する制御手
段を設けた発進クラッチ制御装置において、前記クリー
プ圧設定部には発進操作が行われた後から発進制御に十
分なエンジン状態に達するまでの間はクラッチ圧目標値
を一定とすべくクリープ圧目標値をスロットル開度にて
設定する新たなクリープ圧設定マップを設けたことを特
徴とする。
【0023】
【作用】上述の如く発明したことにより、発進操作が行
われた後から発進制御に十分なエンジン状態に達するま
での間は、クラッチ圧目標値を一定とすべく新たなクリ
ープ圧設定マップによってクリープ圧目標値をスロット
ル開度にて設定し、スロットル開度に応じた発進特性を
確保している。
【0024】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。
【0025】図1〜図6はこの発明の実施例を示すもの
である。図1において、2は変速機、例えば図示しない
連続可変変速機(SCVT)の発進クラッチ制御装置で
ある。
【0026】この発進クラッチ制御装置2は、図示しな
い電子式の発進クラッチと発進クラッチを制御する制御
手段4とからなる。
【0027】また、制御手段4は、図1に示す如く、エ
ンジン回転速度からマップによりクラッチ圧目標値を設
定するクリープ圧設定部6と、スロットル開度により発
進時のフィードフォワード量を設定するフィードフォワ
ード部8と、スロットル開度により発進時の目標エンジ
ン回転速度を設定するスピードループ部10とを有し、
各設定部からの設定値を制御モードに応じて選択し、圧
力ループ部12によりクラッチソレノイドデューティを
設定すべく制御する。
【0028】そして、前記クリープ圧設定部6は、エン
ジン回転速度NEからクラッチ圧目標値CPSPを設定
する第1クラッチ圧目標値設定マップ14と、第2クラ
ッチ圧目標値設定マップ16(図9参照)と、発進操作
判定スイッチDDT18とからなり、発進操作判定スイ
ッチDDTのON・OFF状態によって各設定マップ1
4、16を切換使用している。
【0029】また、前記フィードフォワード部8は、ス
ロットル開度THRTにより発進時のフィードフォワー
ド量PCLUNを設定するフィードフォワード量設定マ
ップ20と、フィードフォワード量PCLUNにフィル
タ処理を施してフィルタ処理後のフィードフォワード量
PCLUNFとするフィルタ処理部22とからなる。
【0030】更に、前記スピードループ部10は、スロ
ットル開度THRTにより発進時の目標エンジン回転速
度NESPCを設定する目標エンジン回転速度設定マッ
プ24と、目標エンジン回転速度NESPCにフィルタ
処理を施してフィルタ処理後の目標エンジン回転速度N
ESPCFとするフィルタ処理部26と、フィルタ処理
後の目標エンジン回転速度NESPCFに実際のエンジ
ン回転速度NEを一致させるべくPI制御を行うPI制
御部28とからなる。
【0031】前記クリープ圧設定部6からのクラッチ圧
目標値CPSPや前記フィードフォワード部8のフィル
タ処理後のフィードフォワード量PCLUNF、スピー
ドループ部10のフィルタ処理後の目標エンジン回転速
度NESPCFは、制御モードに応じて選択される。つ
まり、ホールド制御モードHLDにおいては、クリープ
圧設定部6からのクラッチ圧目標値CPSPを選択し、
ノーマルスタート制御モードNSTにおいては、前記フ
ィードフォワード部8とスピードループ部10側を選択
するものである。
【0032】そして、選択後のクラッチ圧目標値CPS
Pは、圧力ループ部12においてクラッチソレノイドデ
ューティOPWCLUの中立値NPCとクラッチ圧PC
LUTCHとに基づいてクラッチソレノイドデューティ
OPWCLUを調整している。
【0033】前記制御手段2のクリープ圧設定部6に、
発進操作が行われた後から発進制御に十分なエンジン状
態に達するまでの間は、クラッチ圧目標値CPSPを一
定とすべく、クリープ圧目標値をスロットル開度THR
Tにて設定する新たなクリープ圧設定マップを設ける構
成とする。
【0034】詳述すれば、新たなクリープ圧設定マップ
は第2クラッチ圧目標値設定マップ16にて使用される
ものであり、従来のクリープ圧設定マップは、図9に示
す如く、エンジン回転速度NEにてクラッチ圧目標値C
PSPを設定していたが、新たなクリープ圧設定マップ
は、図2に示す如く、スロットル開度THRTの増加に
従ってクラッチ圧目標値CPSPをより小さく設定す
る。つまり、新たなクリープ圧設定マップは、スロット
ル開度THRTとクラッチ圧目標値CPSPとの関係f
(THRT)を利用している。
【0035】また、前記制御手段2は、クラッチ圧目標
値CPSPの急増防止を果たすためにクラッチ圧目標値
CPSPの増加量を制限する上限値DCPSPを設定し
ている。
【0036】次に、図6のフローチャートに沿って作用
を説明する。
【0037】前記制御手段4の制御用フローチャートが
スタート(100)すると、制御モードがホールド制御
モードHLDであるか否かの判断(102)を行い、こ
の判断(102)がYESの場合には、発進操作判定ス
イッチDDTがON状態にあるか否かの判断(104)
に移行させ、判断(102)がNOの場合には、その他
のクラッチ圧目標値CPSP設定処理(106)に移行
させる。
【0038】そして、上述の判断(104)がYESの
場合には、図2のスロットル開度THRTとクラッチ圧
目標値CPSPとの関係f(THRT)による処理(1
08)に移行させ、判断(104)がNOの場合には、
発進操作判定スイッチDDTがOFF状態におけるホー
ルド制御モードHLD時のクラッチ圧目標値CPSP設
定処理(110)に移行させる。
【0039】また、図2のスロットル開度THRTとク
ラッチ圧目標値CPSPとの関係f(THRT)による
処理(108)の後に、スロットル開度THRTとクラ
ッチ圧目標値CPSPとの関係f(THRT)からの値
とクラッチ圧目標値CPSPとクラッチ圧目標値CPS
Pの増加量を制限する上限値DCPSPとを加算した値
との比較判断(112)に移行させ、この比較判断(1
12)において、 f(THRT)≦CPSP+DCPSP の場合には、スロットル開度THRTとクラッチ圧目標
値CPSPとの関係f(THRT)からの値をクラッチ
圧目標値CPSPとする処理(114)に移行させると
ともに、 f(THRT)>CPSP+DCPSP の場合には、クラッチ圧目標値CPSPと上限値DCP
SPと加算した値をクラッチ圧目標値CPSPとする処
理(116)に移行させる。
【0040】そして、各処理(106、110、11
4、116)の後に、エンド(118)に移行させてい
る。
【0041】また、前記連続可変変速機(SCVT)の
発進クラッチ制御装置2を図示しない車両に搭載させた
際に、車両が停止し且つ発進待ちの状態においては、ホ
ールド制御モードHLDであり、弱いクリープが発生す
るようにクラッチ圧PCLUTCHを制御している。
【0042】そして、運転者が発進操作を行った後に、
発進制御に十分なエンジン状態に達する間は、図2のス
ロットル開度THRTとクラッチ圧目標値CPSPとの
関係f(THRT)を使用してスロットル開度に応じた
クリープ状態を実現している。
【0043】更に、発進制御であるノーマルスタート制
御モードNSTにおいては、前記フィードフォワード部
8にてスロットル開度THRTに応じたエンジン発生ト
ルクに見合うクラッチ圧PCLUTCHを算出し、前記
スピードループ部10にてフィルタ処理後の目標エンジ
ン回転速度NESPCFと実際のエンジン回転速度NE
とのズレによりフィルタ処理後のフィードフォワード量
PCLUNFを修正し、クラッチ圧目標値CPSPを求
めている。
【0044】ここで、上述した運転者が発進操作を行っ
た後に、発進制御に十分なエンジン状態に達する間の場
合に、スロットル開度THRTが小さいほどクラッチ圧
目標値CPSPを大きくする理由について記載する。
【0045】クラッチ圧目標値CPSPが大きいと、ク
リープも強くなり、ノーマルスタート制御モードNST
への入場前に車両の動き出しを得ることができる。ま
た、クリープが強ければ、エンジン負荷が重くなり、エ
ンジン回転速度NEの急増を抑制でき、ノーマルスター
ト制御モードNSTへの入場直後にスピードループ部1
0がクラッチ圧目標値CPSPを減少させるように働
き、滑らかな発進特性とする。
【0046】逆に、クラッチ圧目標値CPSPが小さい
と、クリープが弱く、エンジン負荷が軽くなってエンジ
ン回転速度NEが急増し易くなり、ノーマルスタート制
御モードNSTへの入場直後にスピードループ部10が
クラッチ圧目標値CPSPを増加させるように働く。こ
のため、食い付きの良い発進を実現し、運転者に速やか
な発進特性の印象を与えるこことなる。
【0047】これにより、スロットル開度THRTに応
じた発進特性を得ることができる。つまり、前記制御手
段4によって発進ショックの発生を防止することがで
き、低スロットル開度時に、滑らかな発進特性を得るこ
とができるとともに、高スロットル開度時には、速やか
な発進特性を得ることができるものである。
【0048】また、前記制御手段4の制御用プログラム
の少許の変更のみで対処し得ることにより、構成が複雑
化する惧れがなく、コストを低廉とし得て、経済的に有
利である。
【0049】更に、前記制御手段4による制御方式は、
様々な方式の発進クラッチに採用することができるとと
もに、電子式発進クラッチを備えたあらゆる方式の変速
機に採用することができ、汎用性を向上し得る。
【0050】更にまた、前記新たなクリープ圧設定マッ
プは、スロットル開度THRTとクラッチ圧目標値CP
SPとの関係f(THRT)を利用してスロットル開度
THRTの増加に従ってクラッチ圧目標値CPSPをよ
り小さく設定することにより、スロットル開度増加後の
クラッチ圧目標値CPSPが大きく設定される惧れがな
く、不具合が惹起されないものである。
【0051】また、クラッチ圧目標値CPSPに上限値
DCPSPを設けたことにより、上限値DCPSPによ
りクラッチ圧目標値CPSPの急増を防止することがで
き、発進操作直後のライン圧の急変によるクラッチ圧の
変動を低減し得て、発進ショックの発生を確実に防止
し、円滑な発進を実現することができる。
【0052】
【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、制御手段を有する発進クラッチ制御装置のクリープ
圧設定部に、発進操作が行われた後から発進制御に十分
なエンジン状態に達するまでの間はクラッチ圧目標値を
一定とすべくクリープ圧目標値をスロットル開度にて設
定する新たなクリープ圧設定マップを設けたので、スロ
ットル開度に応じた発進特性を得ることができる。つま
り、前記制御手段によって発進ショックの発生を防止す
ることができ、低スロットル開度時に、滑らかな発進特
性を得ることができるとともに、高スロットル開度時に
は、速やかな発進特性を得ることができるものである。
また、前記制御手段の制御用プログラムの少許の変更の
みで対処し得ることにより、構成が複雑化する惧れがな
く、コストを低廉とし得て、経済的に有利である。更
に、前記制御手段による制御方式は、様々な方式の発進
クラッチに採用することができるとともに、電子式発進
クラッチを備えたあらゆる方式の変速機に採用すること
ができ、汎用性を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す発進クラッチ制御装置
の制御手段のブロック図である。
【図2】スロットル開度THRTとクラッチ圧目標値C
PSPとの関係f(THRT)を示す図である。
【図3】低スロットル開度時のタイムチャートである。
【図4】高スロットル開度時のタイムチャートである。
【図5】クラッチ圧目標値CPSPの急増防止状況を示
すタイムチャートである。
【図6】発進クラッチ制御装置の制御用フローチャート
である。
【図7】この発明の従来の技術を示す発進クラッチ制御
装置の制御手段のブロック図である。
【図8】クラッチトルク容量とクラッチ圧PCLUTC
Hとの関係を示す図である。
【図9】クラッチ圧目標値CPSPとエンジン回転速度
NEとの関係を示す図である。
【図10】低スロットル開度時のタイムチャートであ
る。
【図11】高スロットル開度時のタイムチャートであ
る。
【図12】フィードバックPI制御の特徴を示すタイム
チャートである。
【符号の説明】
2 発進クラッチ制御装置 4 制御手段 6 クリープ圧設定部 8 フィードフォワード部 10 スピードループ部 12 圧力ループ部 14 第1クラッチ圧目標値設定マップ 16 第2クラッチ圧目標値設定マップ 18 発進操作判定スイッチDDT 20 フィードフォワード量設定マップ 22 フィルタ処理部 24 目標エンジン回転速度設定マップ 26 フィルタ処理部 28 PI制御部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図5】
【図8】
【図9】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 発進クラッチ制御装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は発進クラッチ制御装置
に係り、特に発進操作が行われた後から発進制御に十分
なエンジン状態に達するまでの間は、新たに設定したク
リープ量設定マップによってクラッチのトルク容量また
はトルク容量相当量の目標値を一定とすべくエンジンの
要求負荷量にてクリープ量目標値を設定し、エンジンの
要求負荷量に応じた発進特性を確保する発進クラッチ制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両において、内燃機関と駆動車輪間に
変速機を介在している。この変速機は、広範囲に変化す
る車両の走行条件に合致させて駆動車輪の駆動力と走行
速度とを変更し、内燃機関の性能を充分に発揮させてい
る。変速機には、例えば回転軸に固定された固定プーリ
部片とこの固定プーリ部片に接離可能に回転軸に装着さ
れた可動プーリ部片とを有するプーリの両プーリ部片間
に形成される溝幅を油圧により増減することによりプー
リに巻掛けられたベルトの回転半径を減増させ動力を伝
達し、ベルトレシオ(変速比)を変える連続可変変速機
がある。
【0003】また、連続可変変速機には、油圧により動
力を断続する油圧クラッチを有するものがある。この油
圧クラッチは、エンジン回転速度や気化器絞り弁開度等
の信号に基づいて各種の制御モードで電子制御されてい
る。
【0004】前記発進クラッチ制御装置としては、特開
昭64−44338号公報に開示されるものがある。こ
の公報に開示される連続可変変速機のクラッチ制御方法
は、車両運転状態がホールドモードである際に、制御部
から油圧回路に信号を出力し、油圧回路によりクラッチ
圧力を所定圧力に制御し、クラッチ圧力によりクラッチ
の接続状態を変化させ、低速時のエンジンブレーキの効
果の向上やクラッチのエンゲージショックの低減を図っ
ている。
【0005】また、特開平3−24361号公報に開示
されるものがある。この公報に開示される産業車両のク
ラッチ制御装置は、急発進・急加速時に、短時間に油圧
クラッチを接続させるとともに、アクセルペダルをほと
んど踏まないあるいは浅く踏む場合に、油圧クラッチを
滑らかに接続させ、運転状況に応じたクラッチの接続モ
ードを自動的に選定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の発進
クラッチ制御装置においては、電子式の発進クラッチを
制御する制御手段204は、図7に示す如く、エンジン
回転速度からマップによりクラッチのトルク容量または
トルク容量相当量の目標値を設定するクリープ量設定部
206と、エンジンの要求負荷量により発進時のフィー
ドフォワード量を設定するフィードフォワード部208
と、エンジンの要求負荷量により発進時の目標エンジン
回転速度を設定するスピードループ部210とを有し、
各設定部からの設定値を制御モードに応じて選択し、圧
力ループ部212によりクラッチ制御の操作手段の操作
量たるクラッチソレノイドデューティを設定すべく制御
している。
【0007】そして、前記クリープ量設定部は、エンジ
ン回転速度NEからクラッチのトルク容量またはトルク
容量相当量の目標値CPSPを設定する第1クラッチ圧
目標値設定マップ214と、第2クラッチ圧目標値設定
マップ216(図9参照)と、発進操作判定スイッチD
DT218とからなり、発進操作判定スイッチDDT2
18のON・OFF状態によって各設定マップ214、
216を切換使用している。
【0008】また、前記フィードフォワード部208
は、エンジンの要求負荷量、例えばスロットル開度TH
RTにより発進時のフィードフォワード量PCLUNを
設定するフィードフォワード量設定マップ220と、フ
ィードフォワード量PCLUNにフィルタ処理を施して
フィルタ処理後のフィードフォワード量PCLUNFと
するフィルタ処理部222とからなる。
【0009】更に、前記スピードループ部210は、ス
ロットル開度THRTにより発進時の目標エンジン回転
速度NESPCを設定する目標エンジン回転速度設定マ
ップ224と、目標エンジン回転速度NESPCにフィ
ルタ処理を施してフィルタ処理後の目標エンジン回転速
度NESPCFとするフィルタ処理部226と、フィル
タ処理後の目標エンジン回転速度NESPCFに実際の
エンジン回転速度NEを一致させるべくPI制御を行う
PI制御部228とからなる。
【0010】前記クリープ量設定部からのクラッチのト
ルク容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPや前
記フィードフォワード部のフィルタ処理後のフィードフ
ォワード量PCLUNF、スピードループ部のフィルタ
処理後の目標エンジン回転速度NESPCFは、制御モ
ードに応じて選択される。つまり、ホールド制御モード
HLDにおいては、クリープ量設定部からのクラッチの
トルク容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPを
選択し、ノーマルスタート制御モードNSTにおいて
は、前記フィードフォワード部とスピードループ部側を
選択するものである。
【0011】そして、選択後のクラッチのトルク容量ま
たはトルク容量相当量の目標値CPSPは、圧力ループ
部においてクラッチソレノイドデューティOPWCLU
の中立値NPCとクラッチ圧PCLUTCHとに基づい
てクラッチソレノイドデューティOPWCLUを調整し
ている。
【0012】前記圧力ループ部は、クラッチ圧PCLU
TCHをフィードバック制御するPI(比例積分)制御
である。このPI制御は、エラー(CPSP−PCLU
TCH)が発生しなければ、操作量であるクラッチソレ
ノイドデューティOPWCLUの変更を行うことができ
ず、エラー発生を不可欠の条件としている。
【0013】また、前記PI制御において、発進待ちの
状態には、スロットル開度THRTが全閉状態となって
おり、発進操作を行うことによってスロットル開度TH
RTは、小から大に変化し、図12よりクラッチのトル
ク容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPは、図
10及び図11に破線で示す如く、変化する。
【0014】この結果、発進操作時のクラッチ圧PCL
UTCHの急増による発進ショックが発生したり、高ス
ロットル開度時にクラッチ圧PCLUTCHが下がり切
らず、速やかな発進特性が得られないという不具合があ
る。この不具合は、後述するライン圧の急増に連動し、
クラッチ圧PCLUTCHも急増したために発進クラッ
チの接続が強くなり、エンジン回転速度NEの増加を抑
制する際に生ずる。
【0015】ところが、図12の(ア)で示す如く、ク
ラッチのトルク容量またはトルク容量相当量の目標値C
PSPが一方向に連続変化する場合には、一方向のエラ
ーが発生し続けることとなり、図12の(イ)で示す如
く、前記PI制御によって積分値が蓄積され、比例分と
積分分とのバランスが崩れ、外乱発生の影響を吸収する
ことができず、図12の(ウ)で示す如く、クラッチソ
レノイドデューティOPWCLUが変化し、フィードバ
ックPI(比例積分)制御に不具合が生ずるものであ
る。仮に、積分量が少ない場合には、P制御によりクラ
ッチ圧PCLUTCHの増加を抑制可能であると思料さ
れる。
【0016】前記発進クラッチのトルク容量特性を、図
8に示す。発進クラッチのトルク容量は、図8に示す如
く、電子制御によってクラッチ圧PCLUTCHを調圧
することにより行われている。
【0017】そして、発進操作が行われてから発進制御
に十分なエンジン状態に達するまでの間は、クラッチ圧
PCLUTCHをエンジン回転速度NEに応じて設定さ
れたクラッチのトルク容量またはトルク容量相当量の目
標値CPSPに制御している(図9参照)。
【0018】一般に、運転者は、スロットル開度によっ
て異なった発進特性を要求する。すなわち、例えば低ス
ロットル開度時に、滑らかな発進特性を期待するととも
に、高スロットル開度時には、滑らかさよりも速やかさ
を期待するものである。
【0019】しかし、従来の制御においては、スロット
ル開度に応じた発進特性を実現することができなかっ
た。
【0020】つまり、低スロットル開度時には、図10
に示す如く、制御モードがホールド制御モードHLDか
らノーマルスタート制御モードNSTに移行した際に、
クラッチのトルク容量またはトルク容量相当量の目標値
CPSPの急増することとなり、このクラッチのトルク
容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPの急増に
よって発進ショックが発生し、滑らかな発進特性を得る
ことができないという不都合がある。
【0021】また、高スロットル開度時には、図11に
示す如く、制御モードがホールド制御モードHLDから
ノーマルスタート制御モードNSTに移行した後に、ラ
イン圧PLINEが急変し、このライン圧PLINEの
急変によってクラッチ圧PCLUTCHも急変すること
となり、発進ショックが発生して速やかな発進特性を得
ることができないという不都合がある。
【0022】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、クリープ量設定マップによ
りクラッチのトルク容量またはトルク容量相当量の目標
値を設定するクリープ量設定部を備え、目標値に応じて
クラッチ制御の操作手段の操作量を算出し、クリープを
実現する制御手段を設けた発進クラッチ制御装置におい
て、クリープ量設定部には発進操作が行われた後から発
進制御に充分なエンジン状態に達するまでの間は、クラ
ッチのトルク容量またはトルク容量相当量の目標値を一
定とすべく、エンジンの要求負荷量に応じて設定するク
リープ量設定マップを設けたことを特徴とする。
【0023】
【作用】上述の如く発明したことにより、発進操作が行
われた後から発進制御に十分なエンジン状態に達するま
での間は、クラッチのトルク容量またはトルク容量相当
量の目標値を一定とすべく新たなクリープ量設定マップ
によってクリープ量目標値をエンジンの要求負荷量にて
設定し、エンジンの要求負荷量に応じた発進特性を確保
している。
【0024】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。
【0025】図1〜図6はこの発明の実施例を示すもの
である。図1において、2は変速機、例えば図示しない
連続可変変速機(SCVT)の発進クラッチ制御装置で
ある。
【0026】この発進クラッチ制御装置2は、図示しな
い電子式の発進クラッチと発進クラッチを制御する制御
手段4とからなる。
【0027】また、制御手段4は、図1に示す如く、エ
ンジン回転速度からマップによりクラッチのトルク容量
またはトルク容量相当量の目標値を設定するクリープ量
設定部6と、エンジンの要求負荷量により発進時のフィ
ードフォワード量を設定するフィードフォワード部8
と、エンジンの要求負荷量により発進時の目標エンジン
回転速度を設定するスピードループ部10とを有し、各
設定部からの設定値を制御モードに応じて選択し、圧力
ループ部12によりクラッチ制御の操作手段の操作量た
るクラッチソレノイドデューティを設定すべく制御す
る。
【0028】そして、前記クリープ量設定部6は、エン
ジン回転速度NEからクラッチのトルク容量またはトル
ク容量相当量の目標値CPSPを設定する第1クラッチ
圧目標値設定マップ14と、第2クラッチ圧目標値設定
マップ16(図9参照)と、発進操作判定スイッチDD
T18とからなり、発進操作判定スイッチDDTのON
・OFF状態によって各設定マップ14、16を切換使
用している。
【0029】また、前記フィードフォワード部8は、エ
ンジンの要求負荷量たるスロットル開度THRTにより
発進時のフィードフォワード量PCLUNを設定するフ
ィードフォワード量設定マップ20と、フィードフォワ
ード量PCLUNにフィルタ処理を施してフィルタ処理
後のフィードフォワード量PCLUNFとするフィルタ
処理部22とからなる。
【0030】更に、前記スピードループ部10は、スロ
ットル開度THRTにより発進時の目標エンジン回転速
度NESPCを設定する目標エンジン回転速度設定マッ
プ24と、目標エンジン回転速度NESPCにフィルタ
処理を施してフィルタ処理後の目標エンジン回転速度N
ESPCFとするフィルタ処理部26と、フィルタ処理
後の目標エンジン回転速度NESPCFに実際のエンジ
ン回転速度NEを一致させるべくPI制御を行うPI制
御部28とからなる。
【0031】前記クリープ量設定部6からのクラッチの
トルク容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPや
前記フィードフォワード部8のフィルタ処理後のフィー
ドフォワード量PCLUNF、スピードループ部10の
フィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPCF
は、制御モードに応じて選択される。つまり、ホールド
制御モードHLDにおいては、クリープ量設定部6から
のクラッチのトルク容量またはトルク容量相当量の目標
値CPSPを選択し、ノーマルスタート制御モードNS
Tにおいては、前記フィードフォワード部8とスピード
ループ部10側を選択するものである。
【0032】そして、選択後のクラッチのトルク容量ま
たはトルク容量相当量の目標値CPSPは、圧力ループ
部12においてクラッチソレノイドデューティOPWC
LUの中立値NPCとクラッチ圧PCLUTCHとに基
づいてクラッチソレノイドデューティOPWCLUを調
整している。
【0033】前記制御手段2のクリープ量設定部6に、
発進操作が行われた後から発進制御に十分なエンジン状
態に達するまでの間は、クラッチのトルク容量またはト
ルク容量相当量の目標値CPSPを一定とすべく、クリ
ープ量目標値をスロットル開度THRTにて設定する新
たなクリープ量設定マップを設ける構成とする。
【0034】詳述すれば、新たなクリープ量設定マップ
は第2クラッチ圧目標値設定マップ16にて使用される
ものであり、従来のクリープ量設定マップは、図9に示
す如く、エンジン回転速度NEにてクラッチのトルク容
量またはトルク容量相当量の目標値CPSPを設定して
いたが、新たなクリープ量設定マップは、図2に示す如
く、スロットル開度THRTの増加に従ってクラッチの
トルク容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPを
より小さく設定する。つまり、新たなクリープ量設定マ
ップは、スロットル開度THRTとクラッチのトルク容
量またはトルク容量相当量の目標値CPSPとの関係f
(THRT)を利用している。
【0035】また、前記制御手段2は、クラッチのトル
ク容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPの急増
防止を果たすためにクラッチのトルク容量またはトルク
容量相当量の目標値CPSPの増加量を制限する上限値
DCPSPを設定している。
【0036】次に、図6のフローチャートに沿って作用
を説明する。
【0037】前記制御手段4の制御用フローチャートが
スタート(100)すると、制御モードがホールド制御
モードHLDであるか否かの判断(102)を行い、こ
の判断(102)がYESの場合には、発進操作判定ス
イッチDDTがON状態にあるか否かの判断(104)
に移行させ、判断(102)がNOの場合には、その他
のクラッチのトルク容量またはトルク容量相当量の目標
値CPSP設定処理(106)に移行させる。
【0038】そして、上述の判断(104)がYESの
場合には、図2のスロットル開度THRTとクラッチの
トルク容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPと
の関係f(THRT)による処理(108)に移行さ
せ、判断(104)がNOの場合には、発進操作判定ス
イッチDDTがOFF状態におけるホールド制御モード
HLD時のクラッチのトルク容量またはトルク容量相当
量の目標値CPSP設定処理(110)に移行させる。
【0039】また、図2のスロットル開度THRTとク
ラッチのトルク容量またはトルク容量相当量の目標値C
PSPとの関係f(THRT)による処理(108)の
後に、スロットル開度THRTとクラッチのトルク容量
またはトルク容量相当量の目標値CPSPとの関係f
(THRT)からの値とクラッチのトルク容量またはト
ルク容量相当量の目標値CPSPとクラッチのトルク容
量またはトルク容量相当量の目標値CPSPの増加量を
制限する上限値DCPSPとを加算した値との比較判断
(112)に移行させ、この比較判断(112)におい
て、 f(THRT)≦CPSP+DCPSP の場合には、スロットル開度THRTとクラッチのトル
ク容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPとの関
係f(THRT)からの値をクラッチのトルク容量また
はトルク容量相当量の目標値CPSPとする処理(11
4)に移行させるとともに、 f(THRT)>CPSP+DCPSP の場合には、クラッチのトルク容量またはトルク容量相
当量の目標値CPSPと上限値DCPSPと加算した値
をクラッチのトルク容量またはトルク容量相当量の目標
値CPSPとする処理(116)に移行させる。
【0040】そして、各処理(106、110、11
4、116)の後に、エンド(118)に移行させてい
る。
【0041】また、前記連続可変変速機(SCVT)の
発進クラッチ制御装置2を図示しない車両に搭載させた
際に、車両が停止し且つ発進待ちの状態においては、ホ
ールド制御モードHLDであり、弱いクリープが発生す
るようにクラッチ圧PCLUTCHを制御している。
【0042】そして、運転者が発進操作を行った後に、
発進制御に十分なエンジン状態に達する間は、図2のス
ロットル開度THRTとクラッチのトルク容量またはト
ルク容量相当量の目標値CPSPとの関係f(THR
T)を使用してスロットル開度に応じたクリープ状態を
実現している。
【0043】更に、発進制御であるノーマルスタート制
御モードNSTにおいては、前記フィードフォワード部
8にてスロットル開度THRTに応じたエンジン発生ト
ルクに見合うクラッチ圧PCLUTCHを算出し、前記
スピードループ部10にてフィルタ処理後の目標エンジ
ン回転速度NESPCFと実際のエンジン回転速度NE
とのズレによりフィルタ処理後のフィードフォワード量
PCLUNFを修正し、クラッチのトルク容量またはト
ルク容量相当量の目標値CPSPを求めている。
【0044】ここで、上述した運転者が発進操作を行っ
た後に、発進制御に十分なエンジン状態に達する間の場
合に、スロットル開度THRTが小さいほどクラッチの
トルク容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPを
大きくする理由について記載する。
【0045】クラッチのトルク容量またはトルク容量相
当量の目標値CPSPが大きいと、クリープも強くな
り、ノーマルスタート制御モードNSTへの入場前に車
両の動き出しを得ることができる。また、クリープが強
ければ、エンジン負荷が重くなり、エンジン回転速度N
Eの急増を抑制でき、ノーマルスタート制御モードNS
Tへの入場直後にスピードループ部10によりエンジン
回転速度NEの急増を抑制する必要がなくなり、滑らか
な発進特性とする。
【0046】逆に、クラッチのトルク容量またはトルク
容量相当量の目標値CPSPが小さいと、クリープが弱
く、エンジン負荷が軽くなってエンジン回転速度NEが
急増し易くなり、ノーマルスタート制御モードNSTへ
の入場直後にスピードループ部10がクラッチのトルク
容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPを増加さ
せるように働く。このため、食い付きの良い発進を実現
し、運転者に速やかな発進特性の印象を与えるこことな
る。
【0047】これにより、スロットル開度THRTに応
じた発進特性を得ることができる。つまり、前記制御手
段4によって発進ショックの発生を防止することがで
き、低スロットル開度時に、滑らかな発進特性を得るこ
とができるとともに、高スロットル開度時には、速やか
な発進特性を得ることができるものである。
【0048】また、前記制御手段4の制御用プログラム
の少許の変更のみで対処し得ることにより、構成が複雑
化する惧れがなく、コストを低廉とし得て、経済的に有
利である。
【0049】更に、前記制御手段4による制御方式は、
様々な方式の発進クラッチに採用することができるとと
もに、電子式発進クラッチを備えたあらゆる方式の変速
機に採用することができ、汎用性を向上し得る。
【0050】更にまた、前記新たなクリープ量設定マッ
プは、スロットル開度THRTとクラッチのトルク容量
またはトルク容量相当量の目標値CPSPとの関係f
(THRT)を利用してスロットル開度THRTの増加
に従ってクラッチのトルク容量またはトルク容量相当量
の目標値CPSPをより小さく設定することにより、ス
ロットル開度増加後のクラッチのトルク容量またはトル
ク容量相当量の目標値CPSPが大きく設定される惧れ
がなく、不具合が惹起されないものである。
【0051】また、クラッチのトルク容量またはトルク
容量相当量の目標値CPSPに上限値DCPSPを設け
たことにより、上限値DCPSPによりクラッチのトル
ク容量またはトルク容量相当量の目標値CPSPの急増
を防止することができ、発進操作直後のライン圧の急変
によるクラッチ圧の変動を低減し得て、発進ショックの
発生を確実に防止し、円滑な発進を実現することができ
る。
【0052】
【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、クリープ量設定マップによりクラッチのトルク容量
またはトルク容量相当量の目標値を設定するクリープ量
設定部を備え、目標値に応じてクラッチ制御の操作手段
の操作量を算出し、クリープを実現する制御手段を設け
た発進クラッチ制御装置において、クリープ量設定部に
は発進操作が行われた後から発進制御に充分なエンジン
状態に達するまでの間は、クラッチのトルク容量または
トルク容量相当量の目標値を一定とすべく、エンジンの
要求負荷量に応じて設定するクリープ量設定マップを設
けたので、エンジンの要求負荷量に応じた発進特性を得
ることができる。つまり、前記制御手段によって発進シ
ョックの発生を防止することができ、低エンジンの要求
負荷量時に、滑らかな発進特性を得ることができるとと
もに、高エンジンの要求負荷量時には、速やかな発進特
性を得ることができるものである。また、前記制御手段
の制御用プログラムの少許の変更のみで対処し得ること
により、構成が複雑化する惧れがなく、コストを低廉と
し得て、経済的に有利である。更に、前記制御手段によ
る制御方式は、様々な方式の発進クラッチに採用するこ
とができるとともに、電子式発進クラッチを備えたあら
ゆる方式の変速機に採用することができ、汎用性を向上
し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す発進クラッチ制御装置
の制御手段のブロック図である。
【図2】スロットル開度THRTとクラッチのトルク容
量またはトルク容量相当量の目標値CPSPとの関係f
(THRT)を示す図である。
【図3】低スロットル開度時のタイムチャートである。
【図4】高スロットル開度時のタイムチャートである。
【図5】クラッチのトルク容量またはトルク容量相当量
の目標値CPSPの急増防止状況を示すタイムチャート
である。
【図6】発進クラッチ制御装置の制御用フローチャート
である。
【図7】この発明の従来の技術を示す発進クラッチ制御
装置の制御手段のブロック図である。
【図8】クラッチトルク容量とクラッチ圧PCLUTC
Hとの関係を示す図である。
【図9】クラッチのトルク容量またはトルク容量相当量
の目標値CPSPとエンジン回転速度NEとの関係を示
す図である。
【図10】低スロットル開度時のタイムチャートであ
る。
【図11】高スロットル開度時のタイムチャートであ
る。
【図12】フィードバックPI制御の特徴を示すタイム
チャートである。
【符号の説明】 2 発進クラッチ制御装置 4 制御手段 6 クリープ量設定部 8 フィードフォワード部 10 スピードループ部 12 圧力ループ部 14 第1クラッチ圧目標値設定マップ 16 第2クラッチ圧目標値設定マップ 18 発進操作判定スイッチDDT 20 フィードフォワード量設定マップ 22 フィルタ処理部 24 目標エンジン回転速度設定マップ 26 フィルタ処理部 28 PI制御部
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン回転速度からクリープ圧設定マ
    ップによりクラッチ圧目標値を設定するクリープ圧設定
    部とスロットル開度により発進時のフィードフォワード
    量を設定するフィードフォワード部とスロットル開度に
    より発進時の目標エンジン回転速度を設定するスピード
    ループ部とを有し、各設定部からの設定値を制御モード
    に応じて選択し、圧力ループ部によりクラッチソレノイ
    ドデューティを設定すべく制御する制御手段を設けた発
    進クラッチ制御装置において、前記クリープ圧設定部に
    は発進操作が行われた後から発進制御に十分なエンジン
    状態に達するまでの間はクラッチ圧目標値を一定とすべ
    くクリープ圧目標値をスロットル開度にて設定する新た
    なクリープ圧設定マップを設けたことを特徴とする発進
    クラッチ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記クリープ圧設定マップは、スロット
    ル開度の増加に従ってクラッチ圧目標値をより小さく設
    定する機能を有するクリープ圧設定マップである特許請
    求の範囲の請求項1に記載の発進クラッチ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、クラッチ圧目標値の急
    増防止を果たすために上限値を設定した制御手段である
    特許請求の範囲の請求項1に記載の発進クラッチ制御装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8191697B2 (en) 2008-05-27 2012-06-05 Hitachi Koki Co., Ltd. Spring clutch mechanism in screw driver
KR101704287B1 (ko) * 2015-11-18 2017-02-08 현대자동차주식회사 차량의 클러치 제어방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8191697B2 (en) 2008-05-27 2012-06-05 Hitachi Koki Co., Ltd. Spring clutch mechanism in screw driver
KR101704287B1 (ko) * 2015-11-18 2017-02-08 현대자동차주식회사 차량의 클러치 제어방법

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