JPH0874879A - トルクリミッタ並びにそれを用いた紙送り装置及び事務機器 - Google Patents

トルクリミッタ並びにそれを用いた紙送り装置及び事務機器

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JPH0874879A
JPH0874879A JP21079994A JP21079994A JPH0874879A JP H0874879 A JPH0874879 A JP H0874879A JP 21079994 A JP21079994 A JP 21079994A JP 21079994 A JP21079994 A JP 21079994A JP H0874879 A JPH0874879 A JP H0874879A
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JP21079994A
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Katsuyoshi Fujiwara
勝良 藤原
Arao Umeda
荒夫 梅田
Hiroshi Wada
博 和田
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スプリング部材の締付力のばらつきなく、一
定値以上のトルクが伝達されるのを防止する。 【構成】 動力入力用部材2の本体部材4に摩擦部材5
を介して動力出力用部材3を嵌合し、その外側にコイル
スプリング6を適用して部材4,5,3を締付ける。こ
れによって、一定の許容限度以上のトルクが作用したと
きに、摩擦部材5と動力出力用部材3との間で滑りトル
クが発生する。コイルスプリング6は、ピアノ線等の金
属スプリング線をコイル状にねじり密着しその両端部を
結合して環状に形成し、軸線が動力出力用部材3の周方
向に一致するようにその外周部に装設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一定値以上のトルクが
作用したときに、トルクの伝達を遮断するトルクリミッ
タ並びにそれを用いた紙送り装置及び事務機器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、機器、機械、設備等の動力伝
達機構の中で、一定値以上のトルクが作用したとき、摩
擦板等の摩擦部材を用いた連結部において滑りが発生す
ることにより、動力伝達機構に許容限度以上の力が作用
するのを防止し、過剰負荷より動力伝達機構を保護する
働きを有するトルクリミッタは知られている。
【0003】そのようなトルクリミッタを用いたものと
して、例えば複写機、プリンタ等の事務機器に使用され
る紙送り装置が知られており、そのような紙送り装置と
しては、分離ローラを、送りローラと逆転させることに
より、用紙の分離を行うローラ分離方式を採用したもの
がある(例えば特公平4−11452号公報参照)。即
ち、このローラ分離方式を採用する紙送り装置において
は、用紙の重送を防止するために、一定値以上のトルク
が作用したとき、摩擦板等の摩擦部材を用いた連結部に
おいて滑りが発生することにより、動力伝達機構に許容
限度以上の力が作用するのを防止するために、上述した
トルクリミッタが用いられている。
【0004】そのようなトルクリミッタとしては、過剰
負荷より動力伝達機構を保護する働きを有するトルクリ
ミッタスプリングクラッチ(コイルスプリング)を、鉄
等の金属材からなる分離ローラ等に巻き付けて、スプリ
ングクラッチと分離ローラ(金属材)とを摩擦摺動させ
ながら、滑りトルクを発生させる機構や、筒体の中に磁
石粉を充填しておき、その磁石粉の流動抵抗で滑りトル
クを発生させる機構等が用いられている。
【0005】ところが、前者のものは、摩擦界面に潤滑
油(例えばグリース)を介在させることが必要で、使用
中に、潤滑油が切れて滑りトルクが急激に上昇したり、
コイルスプリングが錆びてロックしたりするおそれがあ
るのに加えて、非常に厳しい寸法精度が要求され、製造
時においてトルクが安定しない。一方、後者のものは、
磁石粉を用いているため、コストが高く、また、磁石粉
同士が引っ付くために取扱いが困難である。それに加え
て、いずれのものも金属を多く使用するため、かなり重
いものとなって、装置全体の軽量化が困難であり、構造
も複雑である。
【0006】ところで、一般に、2つの部材を接触させ
て摺動させると、互いに相手材を攻撃し合い、両者又は
どちらか一方に著しい摩耗が発生し、摩耗粉が移着や凝
着して表面状態が変化し、摺動時の摩擦係数が変化す
る。そのため、界面に液状の潤滑剤を介在させて固体同
士の摺動を回避し、液体に発生する剪断歪速度に対する
流動抵抗で力を発生させる方法が採用されている。具体
的には、金属部材同士の場合は二硫化モリブデンやグリ
−スのような潤滑剤を介在させ、樹脂でも含油タイプを
使用して油をにじみださせるようにしている。
【0007】しかし、これらの方法にも限界があり、潤
滑剤を介在させることで摩擦係数が低くなり、押付け力
を非常に大きくしなければならないことから、それに耐
えられる力学的強度を持った材質の選択をする必要があ
り、使用できる材質に制約を受けるし、また、使用中に
潤滑剤が切れてしまうと、大きな押付け力で2つの部材
を接触させているため、滑りトルクが急激に上昇する焼
付き現象が起こり、周辺機器の破壊に至るおそれもあ
る。
【0008】そこで、かかる不具合を解消するために、
出願人は、一定値以上のトルクが作用したときに、トル
クの伝達を遮断するトルクリミッタであって、トルクが
入力される筒状の動力入力用部材と、該動力入力用部材
に外嵌され、半径方向において変形可能である筒状の動
力出力用部材と、上記動力出力用部材の外周部に装設さ
れ、上記動力出力用部材を半径方向に変形させて上記動
力入力用部材と動力出力用部材との間に摩擦力を生ぜし
めるコイルスプリングとを備えたものを開発し、先に出
願している(特願平6−147698号参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、そのトルク
リミッタに用いるコイルスプリングは、その巻径が動力
出力用部材の外径に略等しいか又はそれより小さい巻径
を有し、動力出力用部材を半径方向に変形させて動力入
力用部材と動力出力用部材との間に摩擦力を生ぜしめる
ようになっているため、コイルスプリングを設ける位置
によって動力出力用部材を押付ける力が異なり、局部的
に大きな摩耗を起こしたり、コイルスプリングの締付力
を安定して発生させることができないため、組付け時の
トルクがばらついたり、また、局部的に大きな摩擦力を
発生させることになるため、使用中に動力出力用部材や
動力入力用部材の寸法が変化し、トルクが低下して、ト
ルクリミッタの機能が消失するまでの寿命が非常に短く
なるおそれがある。
【0010】ところで、組付け時におけるトルクがばら
つくのは、組付け時の動力出力用部材の外径がそれの肉
厚や動力入力用部材の外径によってばらつくことから、
スプリングのスプリング定数を大きくしているため、少
しの外径変化でもコイルスプリングの締付力が大きく変
化することとなるからである。また、スプリング定数を
小さくしてスプリング・フリー時の径と組付け時の径と
の差を大きくし(即ちスプリングの変位を大きくし)、
適当な締付力を確保しようとすると、スプリングの変位
が弾性変形(取外すと元の状態に戻ることができる変
形)の領域を越えてしまい、スプリングが破損に至るお
それが生ずる。
【0011】また、使用中に動力出力用部材や動力入力
用部材の寸法が変化するのは、スプリングが局部的に大
きな押付け力を作用させているためであり、両端が開放
されたスプリングでは両端部でスプリングを拡げようと
する力が作用せず、端部がフリーのときの曲率半径を維
持したまま動力出力用部材を押し付け、端部から少し離
れた位置では動力出力用部材に沿わず、浮き上がった状
態でスプリング部材の締付力がゼロになっていることを
確認している。
【0012】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、スプリング部材の締付力のばらつきなく、一定値以
上のトルクが伝達されるのを防止するトルクリミッタ並
びにそれを用いた紙送り装置及び事務機器を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1〜請求項8に係
る発明は、一定値以上のトルクが作用したときに、トル
クの伝達を遮断するトルクリミッタを前提とするもので
ある。
【0014】請求項1に係る発明は、トルクが入力され
る筒状の動力入力用部材と、該動力入力用部材に外嵌さ
れ、半径方向において変形可能である筒状の動力出力用
部材と、ピアノ線等の金属スプリング線をコイル状にね
じり密着しその両端部を結合して環状に形成され、軸線
が上記動力出力用部材の周方向に一致するように上記動
力出力用部材の外周部に装設され、上記動力出力用部材
を半径方向に変形させて上記動力入力用部材と動力出力
用部材との間に摩擦力を生ぜしめるスプリング部材とを
備える構成とする。
【0015】請求項2に係る発明においては、スプリン
グ部材は、それの金属スプリング線の密着力がスプリン
グ部材の締付力の30〜95%である。
【0016】ここで、スプリング部材の密着力を、スプ
リング部材の締付力の30〜95%としているのは、密
着力が締付力の30%未満ではスプリング部材のスプリ
ング定数を大きくする必要があり、組付け時の動力出力
用部材の径のばらつきでスプリング部材の締付力がばら
つき、発生トルクが安定しなかったり、スプリング定数
を小さくしても使用時のスプリングの変位が大きすぎて
スプリングが破損してしまうからであり、95%を越え
ると、組付け時の動力出力用部材の径がばらついて小さ
くなった場合に、動力出力用部材がスプリングに変位を
与えなくなってしまったり、密着力を大きくするため
に、コイル径を大きくとる必要があることから、製品寸
法が大きくなりすぎるおそれがあるからである。
【0017】請求項3に係る発明においては、動力出力
用部材は、外周部に周方向に延びスプリング部材が係合
するスプリング係合部が形成され、該スプリング係合部
の途中に、軸線方向に延びる係合凹部が形成され、該係
合凹部に、スプリング部材に接触しスプリング部材の締
付力を調整する締付力調整部材が移動可能に係合せしめ
られている。
【0018】請求項4に係る発明においては、動力出力
用部材は、外周部に周方向に延びスプリング部材が係合
するスプリング係合部が形成され、該スプリング係合部
は、径が異なるものが複数種類設けられている。
【0019】請求項5に係る発明においては、動力出力
用部材は、軸線方向に延び端部が開放されたスリット溝
部が形成されている。
【0020】請求項6に係る発明においては、動力出力
用部材は、合成樹脂で形成されている。
【0021】請求項7に係る発明においては、動力入力
用部材は、トルクが入力される本体部材と、該本体部材
に取付けられ動力出力用部材の内側面に対し外側面が接
触する摩擦部材とを有する。
【0022】請求項8に係る発明においては、摩擦部材
は、外側面において短繊維が露出している短繊維配合ゴ
ム又は短繊維配合樹脂で構成されている。
【0023】ここで、摩擦部材に使用される短繊維とし
ては、ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエ
スエル繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリビニルアル
コール繊維、弗素繊維(ビスコース等の繊維の周りを弗
素樹脂でコーティングしたタイプも含む)、フェノール
繊維等のあらゆる有機短繊維を0.5mm〜6mmにカ
ットしたものを用いることができ、特に制約を受けるも
のではない。尚、紙送り装置の給紙ロール用のトルクリ
ミッタとして使用する場合には、摩擦部材に用いる短繊
維としては、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、弗素
繊維、芳香族ポリアミド繊維等が特に望ましい。ゴム材
又は樹脂材中への短繊維の混入量は1〜50重量%の範
囲であればよいが、より好ましい範囲は3〜30重量%
の範囲である。
【0024】摩擦部材に使用されるマトリックスゴムと
しては、NR,SBR,CR,NBR,EPDM,CS
M,H−NBR,ACM,ANM,シリコンゴム等の汎
用ゴムを用いることができ、配合剤も補強剤、加硫剤、
加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤等の通常の配合
剤をそのまま用いることができる。また、摩擦部材を合
成樹脂のみで構成する場合には、耐摩耗性、耐熱性に優
れたものを用いるのがよく、具体的には、例えばPA,
PAI、PEI、PEEK,PES等を用いることがで
きる。
【0025】動力出力用部材を構成する合成樹脂として
は、POM,PBT,PET,PA,PC,ABS,P
P,PPE,PPS,PAI,PEI,PEEK,LI
HPE,PES,LCP等のあらゆる樹脂(特に熱可塑
性樹脂)を、使用環境、使用目的等によって使い分ける
ことができ、特に制約を受けるものではない。尚、紙送
り装置の給紙ロール用のトルクリミッタとして用いる場
合は、POM,PBT,PET,ABS,PA,PC等
の、引張弾性率150kg/ mm2 以上のエンジニアリング
プラスチックが特に望ましい。
【0026】請求項9に係る発明は、用紙の送り方向に
回転される送りロールと、該送りロールと反対方向に回
転される分離ロールと、該分離ロールに適用され一定値
以上のトルクが作用したときに分離ロールの逆回転を許
容するトルクリミッタとを備え、用紙が1枚のときは送
りロールの回転力によって分離ロールを逆回転させて紙
送りを行う一方、用紙が2枚以上のときは送りロール側
の用紙のみ送られ、分離ロール側の用紙は分離ロールに
よって戻される紙送り装置を前提とするものであって、
請求項1に係るトルクリミッタを備えるものである。即
ち、請求項9に係る発明においては、上記分離ロールに
適用されるトルクリミッタが、上記分離ロールへのトル
クが入力される筒状の動力入力用部材と、該動力入力用
部材に外嵌されかつ分離ロールに取付けられる動力出力
用部材と、ピアノ線等の金属スプリング線をコイル状に
ねじり密着しその両端部を結合して環状に形成され、軸
線が上記動力出力用部材の周方向に一致するように上記
動力出力用部材の外周部に装設され、上記動力出力用部
材を半径方向に変形させて上記動力入力用部材と動力出
力用部材との間に摩擦力を生ぜしめるスプリング部材と
を備える構成である。
【0027】請求項10に係る発明は、プリンタ、複写
機等の事務機器であって、請求項9記載の紙送り装置を
備える。即ち、事務機器の給紙部分が、請求項6記載の
紙送り装置で構成されるものである。
【0028】
【作用】請求項1に係る発明によれば、スプリング部材
の締付力によって、動力出力用部材が半径方向において
変形せしめられて、動力入力用部材と動力出力用部材と
の間に摩擦力が発生し、動力入力用部材に入力されるト
ルクは動力出力用部材に伝達されるが、その場合、動力
入力用部材に一定値以上のトルクが作用すると、動力入
力用部材と動力出力用部材との間の摩擦界面で滑りが生
じ、動力入力用部材から動力出力用部材へのトルクの伝
達が遮断される。
【0029】また、スプリング部材は、ピアノ線等の金
属スプリング線をコイル状にねじり密着しその両端部を
結合して環状に形成され、軸線が動力出力用部材の周方
向に一致するように動力出力用部材の外周部に装設さ
れ、どの位置でも均一なスプリング部材の締付力が発生
するようになっていることから、スプリング部材によっ
て動力出力用部材に均一な押付力を発生させることとな
り、動力入力用部材及び動力出力用部材に作用する摩擦
力を一様にすることから、摩耗による寸法変化が小さく
なると共に、使用中に滑りトルクが小さくなってトルク
リミッタとしての機能が消失する寿命が長くなる。
【0030】請求項2に係る発明によれば、スプリング
部材は、それの金属スプリング線の密着力がスプリング
部材の締付力の30〜95%とされているから、組付時
の動力出力用部材の径のばらつきによる発生トルクのば
らつきが小さくなる。
【0031】請求項3に係る発明によれば、外周部に周
方向に延びスプリング部材が係合するスプリング係合部
の途中に、軸線方向に延びる係合凹部が形成され、該係
合凹部に、スプリング部材が接触しスプリング部材の締
付力を調整する締付力調整部材が移動可能に係合せしめ
られていることから、締付力調整部材を軸線方向に移動
させることにより、スプリング部材の締付力が調整され
る。
【0032】請求項4に係る発明によれば、外周部に周
方向に延びスプリング部材が係合するスプリング係合部
は、径が異なるものが複数種類設けられており、スプリ
ング部材を係合するスプリング係合部を変えることで、
スプリング部材の締付力が調整される。
【0033】請求項5に係る発明によれば、スプリング
部材の締付力によって、動力入力用部材と動力出力用部
材との間に摩擦力が発生し、動力入力用部材に入力され
るトルクは動力出力用部材に伝達される。その場合、動
力入力用部材に一定値以上のトルクが作用すると、動力
入力用部材と動力出力用部材との間の摩擦界面で滑りが
生じ、動力入力用部材から動力出力用部材へのトルクの
伝達が遮断される。また、動力出力用部材には、一端部
が開放された複数のスリット溝部が設けられているの
で、軸線方向において撓み易くなっており、動力出力用
部材の外周部に装設されているスプリング部材の締付力
が、少ないロスでもって無理なく、動力入力用部材と動
力出力用部材との間の摩擦力に変換される。それに加え
て、摩擦界面において滑りが生ずる摩擦摺動時に発生す
る摩擦熱は、動力出力用部材のスリット溝部を通じて外
部に放熱される。
【0034】請求項6に係る発明によれば、動力出力用
部材が合成樹脂で構成され、軽量化が図られる。
【0035】請求項7に係る発明によれば、動力出力用
部材の内側面と、動力入力用部材の一部を構成し動力出
力用部材の内側面に対し外側面が接触する摩擦部材との
摩擦関係で、摩擦界面における摩擦係数が決定される。
動力入力用部材を本体部材と摩擦部材とで構成している
ため、摩擦界面の摩擦係数を決定する摩擦部材の選択の
範囲が拡がり、耐久性に優れ、摩擦係数の変動の少ない
摩擦部材を選択することができる。
【0036】請求項8に係る発明によれば、摩擦部材が
短繊維配合ゴム又は短繊維配合樹脂でもって構成され、
摩擦部材の外側面においてゴム材又は樹脂より短繊維が
露出せしめられ、該短繊維が露出している面に対向する
動力出力用部材の面が樹脂面とされ、それによって摩擦
界面が樹脂面と短繊維が露出したゴム面又は樹脂面とに
よって構成されることになり、摩擦界面に潤滑剤を介在
させる必要がなくなる。また、ゴム材又は樹脂材より露
出する短繊維によって樹脂面とゴム面又は樹脂面との間
に多くの隙間が形成される。これにより、短繊維の間に
形成される隙間に摩耗粉が溜り、摩耗粉の凝着や移着が
起こるおそれがなくなり、また、そのような摩耗粉は、
摩擦摺動時の短繊維の動きによって積極的に移動せしめ
られて、外部に押出される。そのため、短繊維の隙間に
摩耗粉が飽和するまでの時間が非常に長くかかることと
なり、その結果、長期間に亘って安定したトルクが維持
される。
【0037】請求項9及び請求項10に係る発明によれ
ば、長期間に亘って安定したトルクが維持され、給紙の
重送防止が図られる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に沿って詳細に
説明する。
【0039】概略構成を示す図1において、1はトルク
リミッタで、動力入力部材2の外側に動力出力用部材3
が嵌合されてなる。動力入力用部材2は、嵌合部となる
小径部4aと、動力入力用取付部となる大径部4bと、
それらを貫通する中心貫通孔4cとを有する円筒状の本
体部材4を備え、図示しない駆動源よりの駆動力によっ
て回転駆動される駆動軸(図示せず)が連結されるよう
になっている。また、本体部材4の大径部4bの、小径
部4aが連設される側とは反対側には直径方向に延びる
凹部4d,4dが、小径部4aが連設される側にはフラ
ンジ部4eがそれぞれ形成されている(図2参照)。
【0040】上記本体部材4の小径部4aには、短繊維
配合ゴムからなる円筒状の摩擦部材5がキー手段(図示
せず)を介して外嵌固定されて一体化されて動力入力用
部材2となっている。よって、動力出力用部材3の内周
面と、摩擦部材5の外周面との摩擦関係で、摩擦界面に
おける摩擦係数が決定される。また、動力入力用部材2
を本体部材4と摩擦部材5とで構成し、摩擦界面の摩擦
係数を決定する摩擦部材5を別体とすることになるた
め、摩擦部材5の選択の範囲が拡がり、耐久性に優れ、
摩擦係数の変動の少ない摩擦部材5を選択することが可
能となる。
【0041】そして、その動力入力用部材2(摩擦部材
5)の外側に、分離ロールが取付固定されたロール軸
(図示せず)が嵌着される動力出力用部材3が外嵌され
るようになっている。そして、それらの外側にコイルス
プリング6が、その軸線が周方向に一致するように適用
されて両部材2,3を締め付けて動力出力用軸部材3と
摩擦部材5の界面に弾性力即ち押付力を発生させ、一定
の許容限度以上のトルクが作用したときに、摩擦部材5
と動力出力用部材3との間で、スプリング部材の締付力
×摩擦係数×(軸の中心から動力出力用軸部材3と摩擦
部材5の界面までの距離)の滑りトルクが発生し、動力
入力用部材2から動力出力用部材3へのトルクの伝達を
遮断するようになっている。
【0042】上記コイルスプリング6は、図3に示すよ
うに、ピアノ線等の金属スプリング線6aを、コイル状
にねじり密着しその両端部を結合して、動力出力用部材
3の外径に略対応する巻径を有する環状に形成されてい
る。そして、コイルスプリング6の金属スプリング線6
a相互の密着力が、目標とする、コイルスプリング6の
締付力の30〜95%となるように設定されている。
【0043】上記摩擦部材5は、具体的に図示していな
いが、外周面においては、バフ加工等の表面研磨により
ゴムの表面より短繊維の先端が突出し、表面全体に亘っ
て均一に短繊維が露出するようになっており、摩擦部材
5の外周面と動力出力用部材3の内周面とによって摩擦
界面が構成されている。
【0044】上記動力出力用部材3は、摩擦部材5を介
して本体部材4に外嵌され、動力出力用部材3は、中心
孔3aを有する円板形状のフランジ部3bの一側に、動
力入力用部材2の外側に係合せしめられる円筒状の嵌合
部3cが設けられている。嵌合部3cにはフランジ部3
bの部位から軸線方向に延び一端部が開放された複数の
スリット溝部3d,…が形成され、それによって基端部
がフランジ部3bに固着された複数の嵌合片3e,…が
円周状に一定間隔を存して配設されるようになってい
る。
【0045】従って、コイルスプリング6の締付力が直
接に効果的に動力出力用部材3から摩擦部材5を介して
動力入力用部材2に伝達されることとなる。
【0046】そして、嵌合片3e,…によって囲まれて
形成される断面円形状の空間部に、その内径に略等しい
外径を有する摩擦部材5を介して本体部材4が嵌合され
るように構成されている。また、フランジ部3bの他側
には動力出力用取付部3f,…が形成されている。尚、
各嵌合片3eにおいて、コイルスプリング6の軸線方向
の動きを規制するために周方向のリブ3g,3gが形成
され、それら全体で周回突条を形成するようになってい
る。そして、摩擦部材5の略中央部分でコイルスプリン
グ6による締付力が発生するようになっている。
【0047】上記のように構成すれば、コイルスプリン
グ6の締付力によって、動力出力用部材3が半径方向に
おいて変形せしめられて、動力入力用部材2と動力出力
用部材3との間に摩擦力が発生し、動力入力用部材2に
入力されるトルクは動力出力用部材3に伝達されるが、
その場合、動力入力用部材2に一定値以上のトルクが作
用すると、動力入力用部材2と動力出力用部材3との間
の摩擦界面で滑りが生じ、動力入力用部材2から動力出
力用部材3へのトルクの伝達が遮断され、長期間に亘っ
て安定したトルクを維持することができる。
【0048】特に、コイルスプリング6は、ピアノ線等
の金属スプリング線をコイル状にねじり密着しその両端
部を結合して環状に形成して、どの位置でも均一な締付
力が発生するようにし、軸線が動力出力用部材3の外周
部にその周方向に一致するように装設しているので、コ
イルスプリング6によって動力出力用部材3に均一な押
付力を発生させることとなり、動力入力用部材2及び動
力出力用部材3に作用する摩擦力を一様にする。よっ
て、摩耗による寸法変化が小さくなり、寿命の点で有利
となる。
【0049】また、コイルスプリング6は、それの金属
スプリング線6aの密着力が目標とする、コイルスプリ
ング6の締付力の30〜95%となるようにしているの
で、組付時の動力出力用部材3の径のばらつきによる発
生トルクのばらつきが小さくなる。
【0050】上記実施例では、コイルスプリング6を動
力出力用部材の外周部に単に係合するだけであるが、図
4及び図5に示すように、コイルスプリング6の締付力
を調整できる構造とすることも可能である。即ち、周方
向に延びコイルスプリング6が係合するスプリング係合
部を形成する動力出力用部材3Aのリブ3g,3gの途
中に、軸線方向に延びスプリング係合部(リブ3g,3
g間)に直交する係合凹部3hを形成し、該係合凹部3
hに、コイルスプリング6が接触する面が軸線方向にお
いて傾斜し、コイルスプリング6の締付力の調整が可能
である締付力調整部材7を軸線方向に動可能に係合せし
めている。
【0051】このようにすれば、締付力調整部材7を軸
線方向に移動させることにより、コイルスプリング6の
コイル径を変化させることができ、それによってコイル
スプリング6の締付力を調整することができる。
【0052】また、締付力調整部材を設ける代わりに、
図6に示すように、動力出力用部材3Bの嵌合片3i,
…に設けられコイルスプリング6を係合させるスプリン
グ係合部として、径が異なるスプリング係合部3k,3
m,3n,3pを同軸上に隣接して複数種類設け、それ
によってコイルスプリング6を係合するスプリング係合
部3k,3m,3n,3pを適宜変えることで、コイル
スプリング6の締付力を調整することもできる。
【0053】続いて、上記コイルスプリング6の締付力
が全周に亘って略均一であることを確認する試験を行っ
た。コイルスプリング6を、図7に示すように、30度
間隔で12の部分に区画し、それぞれNo.1〜No.12 とし
た。尚、比較例として、リングスプリング11(図8参
照)についても同様な試験を行った。
【0054】試験方法は、図9に示すように、リングス
プリング11(又はコイルスプリング6)を、軸線方向
に延びるスリット12a,…により12個の嵌合片12
b,…に先端部が分割されてなる円筒状部材12の該嵌
合片12b,…の部分に外嵌し、該各嵌合片12b,…
に設けた歪ゲージ13,…の出力をブリッジボックス1
3で受けて、押付力(締付力)測定した。
【0055】その試験結果を、コイルスプリング5につ
いては図10に、リングスプリング11については図1
1にそれぞれ示すが、その結果より、リングスプリング
11においては締付力にばらつきがあるが、コイルスプ
リング6は締付力が各部分において略一定で、全周に亘
って安定していることがわかる。
【0056】次いで、上記トルクリミッタ1にスプリン
グタイプ、フリー時の径、フリー時の密着力及び使用時
の締付力に対する密着力の比を変化させて、本発明例1
〜3及び比較例1〜4について行った試験について説明
する。
【0057】試験装置を示す図12において、15は外
側にスプリング部材16(具体的にはコイルスプリング
6又はリングスプリング11)が適用されたトルクリミ
ッタであって、動力入力用部材17はアダプタ18、ギ
ヤ19,20を介してモータ21に連係されている。一
方、動力出力用部材22は、アダプタ23、カップリン
グ24を介してトルクセンサ25に連係されている。ト
ルクセンサ25の出力信号はアンプ26にて増幅され、
レコーダ27によって記録される。尚、試験条件は、回
転数250rpm 、温度23℃、湿度50%RHである。
【0058】各種材料の組合せ及び試験結果は、表1に
示す通りである。
【0059】
【表1】 続いて、上記トルクリミッタ1を用いた紙送り装置につ
いて説明する。
【0060】紙送り装置の概略構成を示す図13におい
て、31は用紙Pをストックしておくストッカーで、ス
トックされている用紙Pは、スプリング32にて常時上
方に付勢された可動板33の上に載置され、該ストッカ
ー31の中の用紙Pが給紙ロール34にて取り出される
ように構成されている。また、給紙ロール34の、用紙
Pの送り方向側に、給紙ロール34と同様に送り方向に
回転される送りロール35と、それと反対方向に回転さ
れる分離ロール36とが上下に対向して配設されてい
る。
【0061】そして、分離ロール36には、一定値以上
のトルクが作用したときに分離ロール36の逆回転(送
り方向への回転)を許容する、上述したところのトルク
リミッタ(図示せず)が設けられている。これによっ
て、給紙ロール34によって取り出された用紙Pが1枚
のときは送りロール35の回転力によって分離ロール3
6を強制的に正回転させて紙送りを行う一方、用紙Pが
2枚以上のときは送りロール35側の用紙Pのみ送ら
れ、分離ロール36側の用紙は分離ロール36の逆回転
によって戻されるようになっている。従って、分離ロー
ル36に設けられたトルクリミッタのトルクは、送りロ
ール35の回転駆動力及び用紙P同士の摩擦力より小さ
く、また用紙P同士の摩擦力よりも大きく設定されてい
る。即ち、送りロール35と用紙Pとの摩擦係数をμF
、用紙P同士の摩擦係数をμP 、用紙Pと分離ロール
36との摩擦係数をμR とすると、 μF >μR >μP の関係が保たれることが必要である。
【0062】次いで、上記トルクリミッタを備える紙送
り装置を用いた複写機について図14に沿って説明す
る。
【0063】40a,40bは複写機41の記録紙42
の搬送路で、その上流側に静電写真式画像形成手段43
が配設されている。そして、給紙カセット44,44に
積載された記録紙42は紙送り装置45によって画像形
成手段43に1枚づつ送り込まれる。46は給紙ロー
ル、47は送りロール、48は分離ロールである。
【0064】静電写真式画像形成手段43では、直円筒
状の感光体49は矢符50の方向に回転駆動され、該感
光体49の表面はコロナ放電器51によって帯電され、
露光領域52において原稿像が露光されて静電潜像が形
成され、この静電潜像は現像装置53の例えば磁気ブラ
シを用いてトナー像に顕像化され、搬送路40aを搬送
されてくる記録紙42には、感光体49のトナー像が転
写用コロナ放電器54によって転写され、分離用コロナ
放電器55によって、感光体49から記録紙42が分離
される。このようにして転写されたトナー像を有する記
録紙42は搬送路41aに設けられた例えばアラミドフ
ィルムベルト等の無端状ベルト56によって搬送され
る。感光体42の転写後の残留トナーはクリーニング手
段57によってクリーニングされて除去される。
【0065】露光領域52に原稿像を形成するために機
体58の上部に水平に配置された透明板59には原稿6
0が配置され、カバー62によって覆われる。この原稿
60は透明板59の下方から光源63によって照射さ
れ、この原稿像は反射鏡64、レンズ65及び反射鏡6
6を含む光学系67を経て露光領域52に導かれる。原
稿60と光学系67の一部とを相対的に図14の左右方
向に移動することによって、スリット露光が行われる。
転写後の記録紙42は、無端状ベルト56に乗載され、
記録紙搬送方向の下流側に設けられた定着装置68の圧
ロール69と熱ロール70とに挟持されて熱定着され、
この定着後の記録紙42は排紙ロール71から排紙トレ
ー72上に排出される。
【0066】尚、上記実施例は、複写機において紙送り
装置を用いた例であるが、具体的には図示していない
が、プリンタにおいても同様に適用することができる。
【0067】
【発明の効果】請求項1に係る発明は、上記のように、
スプリング部材の締付力によって、動力出力用部材を半
径方向に変形させ、動力入力用部材と動力出力用部材と
の間に摩擦力を発生させ、一定値以上のトルクが作用す
ると、その摩擦面で滑りが生じるようにしているので、
簡単な構造で、一定値以上のトルクの伝達を確実に遮断
することができる。
【0068】特に、スプリング部材を、ピアノ線等の金
属スプリング線をコイル状にねじり密着しその両端部を
結合して環状に形成し、軸線が動力出力用部材の周方向
に一致するように動力出力用部材の外周部に装設し、ど
の位置でも均一なスプリング部材の締付力が発生するよ
うにしているので、スプリング部材によって動力出力用
部材に均一な押付力を発生させることができ、動力入力
用部材及び動力出力用部材に作用する摩擦力を一様にす
ることが可能となり、摩耗による寸法変化を小さくする
ことができ、寿命の長くすることができる。
【0069】請求項2に係る発明は、スプリング部材の
金属スプリング線の密着力を、スプリング部材の締付力
の30〜95%としているので、組付時の動力出力用部
材の径のばらつきによる発生トルクのばらつきを小さく
することができる。
【0070】請求項3に係る発明は、スプリング係合部
の途中に、軸線方向に延びる係合凹部を形成し、該係合
凹部に、スプリング部材が接触しスプリング部材の締付
力を調整する締付力調整部材を移動可能に係合せしめて
いるので、締付力調整部材を軸線方向に移動させること
により、スプリング部材の締付力を調整することができ
る。
【0071】請求項4に係る発明は、スプリング係合部
として径が異なるものが複数種類設けているので、スプ
リング部材を嵌合するスプリング係合部を変えること
で、スプリング部材の締付力を調整することができる。
【0072】請求項5に係る発明は、動力出力用部材
に、軸線方向に延び端部が開放されたスリット溝部を形
成して半径方向に変形可能なるようにしているので、簡
単な構造で、一定値以上のトルクの伝達を確実に遮断す
ることができるのに加えて、摩擦界面における摩擦力に
よる発熱は、スリット溝部を通じて外部に放熱され、内
部に熱がこもるということがなく、耐久性の点で有利と
なる。また、動力出力用部材に、軸線方向に延び端部が
開放されたスリット溝部を形成しているので、軸線方向
において撓み易くなり、動力出力用部材の外周部に装設
されているスプリング部材の締付力を、少ないロスでも
って、動力入力用部材と動力出力用部材との間の摩擦力
に変換することができ、さらに、一定値以上のトルクが
作用した場合に、動力出力用部材は開く傾向になること
から、動力入力用部材に対するスプリング部材の締付力
を低減して、過剰なトルクが伝達されるのを確実に防止
することができる。
【0073】請求項6に係る発明は、動力出力用部材を
合成樹脂で構成しているので、全体重量の軽量化を図る
点で有利である。
【0074】請求項7に係る発明は、動力出力用部材の
内側面と、動力入力用部材の一部を構成し動力出力用部
材の内側面に対し外側面が接触する摩擦部材との摩擦関
係で、摩擦面の摩擦係数を調整するようにしているの
で、摩擦部材を変更する等の簡単な作業だけで、摩擦界
面における摩擦係数の調整を行うことができる。よっ
て、摩擦部材の選択の範囲が拡がり、耐久性に優れ、摩
擦係数の変動の少ない摩擦部材を選択することができ
る。
【0075】請求項8に係る発明は、摩擦部材を短繊維
配合ゴム又は短繊維配合樹脂でもって構成し、摩擦部材
の外側面においてゴム材又は樹脂より短繊維を露出せし
め、該短繊維が露出している面に対向する動力出力用部
材の面を樹脂面としているので、摩擦界面が樹脂面と短
繊維が露出したゴム面又は樹脂面とによって構成される
ことになり、グリース等の潤滑剤を摩擦界面に介在させ
る必要をなくすことができる。また、ゴム材又は樹脂材
より露出する短繊維によって樹脂面とゴム面又は樹脂面
との間にかなり多くの隙間(空間)を形成することにな
るので、短繊維の間に形成される隙間に摩耗した粉が溜
って摩耗粉の凝着や移着が起こるおそれがなく、また、
そのような摩耗粉は、摩擦摺動時の短繊維の動きによっ
て積極的に移動せしめて外部に押出し出し、短繊維の隙
間に摩耗粉が飽和するまでの時間が非常に長くかかるよ
うにしているので、長期間に亘って安定したトルクを維
持することができる。
【0076】請求項9及び請求項10に係る発明は、上
述した如きトルクリミッタを用いているので、長期間に
亘って安定して、紙送り装置における給紙の重送防止等
に適するトルクを維持することができ、長期間に亘って
給紙の重送防止を図ることが可能となる。特に、トルク
リミッタの摩擦界面を樹脂面と短繊維が露出したゴム面
又は樹脂面とによって構成するようにすれば、グリース
等の潤滑剤を摩擦界面に介在させる必要がなくなり、潤
滑剤による給紙の汚損のおそれをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルクリミッタの縱断面図である。
【図2】動力出力用部材の側面図である。
【図3】コイルスプリングの一部断面側面図である。
【図4】変形例についての動力出力用部材の正面図であ
る。
【図5】図4のV−V線における端面図である。
【図6】変形例についての動力出力用部材の正面図であ
る。
【図7】試料の説明図である。
【図8】試料の説明図である。
【図9】試験装置の説明図である。
【図10】試験結果の説明図である。
【図11】試験結果の説明図である。
【図12】試験装置の説明図である。
【図13】紙送り装置の概略説明図である。
【図14】紙送り装置を用いた複写機の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 トルクリミッタ 2 動力入力用部材 3 動力出力用部材 3f リブ 3h 係合凹部 3k,3m 3n,3p スプリング係合部 4 本体部材 5 摩擦部材 6 コイルスプリング(スプリング部材) 6a 金属スプリング線 7 締付力調整部材 35 送りロール 36 分離ロール 41 複写機 P 用紙

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定値以上のトルクが作用したときに、
    トルクの伝達を遮断するトルクリミッタであって、 トルクが入力される筒状の動力入力用部材と、 該動力入力用部材に外嵌され、半径方向において変形可
    能である筒状の動力出力用部材と、 ピアノ線等の金属スプリング線をコイル状にねじり密着
    しその両端部を結合して環状に形成され、軸線が上記動
    力出力用部材の周方向に一致するように上記動力出力用
    部材の外周部に装設され、上記動力出力用部材を半径方
    向に変形させて上記動力入力用部材と動力出力用部材と
    の間に摩擦力を生ぜしめるスプリング部材とを備えるこ
    とを特徴とするトルクリミッタ。
  2. 【請求項2】 スプリング部材は、それの金属スプリン
    グ線の密着力がスプリング部材の締付力の30〜95%
    であるところの請求項1記載のトルクリミッタ。
  3. 【請求項3】 動力出力用部材は、外周部に周方向に延
    びスプリング部材が係合するスプリング係合部が形成さ
    れ、該スプリング係合部の途中に、軸線方向に延びる係
    合凹部が形成され、該係合凹部に、スプリング部材に接
    触しスプリング部材の締付力を調整する締付力調整部材
    が移動可能に係合せしめられているところの請求項1又
    は請求項2記載のトルクリミッタ。
  4. 【請求項4】 動力出力用部材は、外周部に周方向に延
    びスプリング部材が係合するスプリング係合部が形成さ
    れ、該スプリング係合部は、径が異なるものが複数種類
    設けられているところの請求項1又は請求項2記載のト
    ルクリミッタ。
  5. 【請求項5】 動力出力用部材は、軸線方向に延び端部
    が開放されたスリット溝部が形成されているところの請
    求項1記載のトルクリミッタ。
  6. 【請求項6】 動力出力用部材は、合成樹脂で形成され
    ているところの請求項1又は請求項5記載のトルクリミ
    ッタ。
  7. 【請求項7】 動力入力用部材は、トルクが入力される
    本体部材と、該本体部材に取付けられ動力出力用部材の
    内側面に対し外側面が接触する摩擦部材とを有するとこ
    ろの請求項1、請求項5又は請求項6記載のトルクリミ
    ッタ。
  8. 【請求項8】 摩擦部材は、外側面において短繊維が露
    出している短繊維配合ゴム又は短繊維配合樹脂で構成さ
    れているところの請求項7記載のトルクリミッタ。
  9. 【請求項9】 用紙の送り方向に回転される送りロール
    と、該送りロールと反対方向に回転される分離ロール
    と、該分離ロールに適用され一定値以上のトルクが作用
    したときに分離ロールの逆回転を許容するトルクリミッ
    タとを備え、用紙が1枚のときは送りロールの回転力に
    よって分離ロールを逆回転させて紙送りを行う一方、用
    紙が2枚以上のときは送りロール側の用紙のみ送られ、
    分離ロール側の用紙は分離ロールによって戻される紙送
    り装置において、上記トルクリミッタが、 上記分離ロールへのトルクが入力される筒状の動力入力
    用部材と、 該動力入力用部材に外嵌されかつ分離ロールに取付けら
    れる動力出力用部材と、 ピアノ線等の金属スプリング線をコイル状にねじり密着
    しその両端部を結合して環状に形成され、軸線が上記動
    力出力用部材の周方向に一致するように上記動力出力用
    部材の外周部に装設され、上記動力出力用部材を半径方
    向に変形させて上記動力入力用部材と動力出力用部材と
    の間に摩擦力を生ぜしめるスプリング部材とを備えると
    を備えることを特徴とするトルクリミッタを用いた紙送
    り装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の紙送り装置を備えるこ
    とを特徴とするトルクリミッタを用いた事務機器。
JP21079994A 1994-09-05 1994-09-05 トルクリミッタ並びにそれを用いた紙送り装置及び事務機器 Withdrawn JPH0874879A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002502054A (ja) * 1998-02-02 2002-01-22 センサーマティック・エレクトロニクス・コーポレーション 摩擦ベアリング付きビデオカメラ取付けアッセンブリ
US6364585B1 (en) 1999-11-18 2002-04-02 Nec Corporation Torque-controllable screw with knob
JP2004508507A (ja) * 2000-09-08 2004-03-18 ビック ドイチェラント ゲーエムベーハー ウント ツェーオー 特にバッキング・テープから基板上にフィルムを移着させるための手持ち型装置用の、トルクを制限する力の伝達のための摺動クラッチ

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