JPH0874731A - 宇宙機用推進装置 - Google Patents

宇宙機用推進装置

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JPH0874731A
JPH0874731A JP6213668A JP21366894A JPH0874731A JP H0874731 A JPH0874731 A JP H0874731A JP 6213668 A JP6213668 A JP 6213668A JP 21366894 A JP21366894 A JP 21366894A JP H0874731 A JPH0874731 A JP H0874731A
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JP
Japan
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setting signal
power
electric propulsion
propulsion device
electric
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JP6213668A
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English (en)
Inventor
Masata Masako
雅太 眞子
Hiroshi Suzuki
鈴木  寛
Masahiro Ishii
雅博 石井
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2基の電気式推進装置18a,18bと、電
気式推進装置18a,18bに電力25a,25bを供
給する電力制御器23a,23bと、基準電力設定信号
28を出力する推進制御装置26と、姿勢制御系30の
姿勢安定装置32より出力される姿勢制御値信号35に
基づき補正電力設定信号36a,36bを出力する推力
調整演算装置34と、基準電力設定信号28に推力調整
演算装置34より出力される補正電力設定信号36a,
36bを加算した電力設定信号24a,24bを電力制
御器23a,23bへ出力する加算器37a,37bを
備えている。 【効果】 両電気式推進装置18a,18bの推力が等
しくなるように電力25a,25bが調整されるので、
両電気式推進装置18a,18bだけで宇宙機の姿勢修
正を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は宇宙機用推進装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】人工衛星等の宇宙機には、それ自体の軌
道保持や軌道変更を行うために、姿勢制御用の推進装置
が装備されている。
【0003】図2は化学触媒式推進装置であるガスジェ
ットの概念を示すもので、このガスジェットは、アルミ
ナ(Al23)を担体としてイリジウム(Ir)を付着
させた触媒1を内装する本体部2と、該本体部2に連通
するノズル部3とを有し、本体部2には、推薬タンク
(図示せず)からヒドラジン(N24)が推薬4として
供給されるように構成されている。
【0004】上述したガスジェットでは、本体部2へ推
薬4を供給すると、推薬4であるヒドラジンが触媒1の
イリジムにより発熱反応をおこして窒素(N2)、水素
(H2)、及びアンモニア(NH3)に分解される。
【0005】この窒素、水素及びアンモニアにより組成
されるガス流5がノズル部3を経て外部に噴出され、推
力が発生する。
【0006】一方、近年、地球の静止軌道に射ち上げら
れる人工衛星等の宇宙機は、多機能化に伴い大型化する
傾向にあり、それに起因して宇宙機の軌道保持や軌道変
更に大きな速度増分(ΔV)が必要となる。
【0007】このため、図2に示したようなガスジェッ
ト等の化学触媒式推進装置を姿勢制御手段として装備し
た宇宙機に搭載すべき推薬4の重量は、その射ち上げ時
において宇宙機の全体重量中で大きな割合を占めるよう
になり、宇宙機を軌道上に射ち上げるためのロケットを
より強力なものに変更しなければならない。
【0008】そこで、近年、化学触媒式推進装置に比べ
て比推力が大きい電気式推進装置を宇宙機の姿勢制御手
段に適用している。
【0009】このような電気式推進装置には、ジュール
加熱空力加速方式、アーク加熱空力加速方式、電磁力加
速方式等がある。
【0010】図3はジュール加熱空力加速方式の電気式
推進装置であるEHT(Electro−Therma
l Hydrazine Thruster)(レジス
トジェット推進装置)の概念を示すもので、このEHT
は、アルミナを担体としてイリジウムを付着させた触媒
1を内装する本体部6と、該本体部6に連通するノズル
部7とを有し、本体部6には、推薬タンク(図示せず)
からヒドラジン(N24)が推薬4として供給されるよ
うに構成されている。
【0011】更に、前記の本体部6の内部の触媒1の後
方側(ノズル部側)に位置する部分には、ヒータ8が設
けられており、該ヒータ8は、電源9によって発熱する
ようになっている。
【0012】上述したEHTでは、電源9によりヒータ
8を発熱させた状態で本体部6へ推薬4を供給すると、
推薬4であるヒドラジンが触媒1のイリジムにより発熱
反応をおこして窒素、水素、及びアンモニアに分解され
る。
【0013】ヒドラジンから発生した窒素、水素、及び
アンモニアはヒータ8によって加熱され、更に高温とな
ったガス流10がノズル部7を経て外部に噴出され、推
力が発生する。
【0014】図4はアーク加熱空力加速方式の電気式推
進装置であるDCアークジェットの概念を示すもので、
このDCアークジェットは、先に述べたEHTにおける
ヒータ8(図3参照)に替えて、本体部6の内部の触媒
1の後方側(ノズル部側)に位置する部分に、一組の電
極11,11を設けており、該電極11,11間に、電
源9によってアーク放電12が発生するように構成され
ている。
【0015】上述したDCアークジェットでは、電源9
により電極11,11間にアーク放電12を発生させた
状態で本体部6へ推薬4を供給すると、推薬4であるヒ
ドラジンが触媒1のイリジムにより発熱反応をおこして
窒素、水素、及びアンモニアに分解される。
【0016】ヒドラジンから発生した窒素、水素、及び
アンモニアはアーク放電12によって加熱され、一部の
アンモニアが窒素と水素とに分解されるとともに更に高
温となり、この高温の窒素、水素及び分解されずに残っ
たアンモニアにより組成されるガス流13がノズル部7
を経て外部に噴出され、推力が発生する。
【0017】図5は電磁力加速方式の電気式推進装置で
あるMPD(Magneto Plasma Dyna
mic)アークジェットの概念を示すもので、このMP
Dアークジェットは、先に述べたDCアークジェットに
おける電極11,11(図4参照)に替えて、本体部6
の内部の触媒1の後方側(ノズル部側)に位置する部分
に電極14を設け、また、ノズル部7の内部に電極15
を設けており、両電極14,15間に、電源9によって
アーク放電16が発生するように構成されている。
【0018】上述したMPDアークジェットでは、電源
9により電極14,15間にアーク放電16を発生させ
た状態で本体部6へ推薬4を供給すると、推薬4である
ヒドラジンが触媒1のイリジムにより発熱反応をおこし
て窒素、水素、及びアンモニアに分解される。
【0019】ヒドラジンから発生した窒素、水素、及び
アンモニアはアーク放電16によって加熱され、アンモ
ニアが窒素と水素とに分解されるとともにプラズマ化
し、このプラズマ中を流れる電流とアーク放電16によ
り生じる磁場との相互作用(ローレンツ力)によって加
速されたプラズマ噴流17がノズル部7から外部に噴出
され、推力が発生する。
【0020】また、図3から図5に示す各種の電気式推
進装置に加え、キセノン(Xe)、水銀(Hg)、アル
ゴン(Ar)を推薬として該推薬をグロー放電または、
アーク放電によりプラズマ化し、磁場中を旋回するプラ
ズマにより発生する電流(ホール電流)と磁場との相互
作用(ローレンツ力)によってプラズマ噴流を加速させ
るSPT(Stationary Plasma Th
ruster)等の電磁力加速方式のものや、キセノ
ン、水銀を推薬として該推薬をグロー放電または、アー
ク放電によりプラズマ化し、プラズマ中のイオンを電場
により加速するイオンエンジン等の静電力加速方式のも
のがある。
【0021】上述した各種の電気式推進装置は、通常2
基を1組として人工衛星等の宇宙機に設置されている。
【0022】ところが、この2基の電気式推進装置によ
り発生する推力にばらつきがあると、該電気式推進装置
を作動させて宇宙機の軌道保持や軌道変更を行う際に、
宇宙機が移動すべき方向とは若干異なる方向へ移動する
ことになる。
【0023】このような電気式推進装置の推力のばらつ
きに起因する宇宙機の偏向した移動を修正する一手法と
して、電気式推進装置の一方をON/OFF制御するこ
とが考えられるが、ON/OFF制御を行うと、図3か
ら図5に示すヒータ8、電極11,14,15の消耗が
早まる。
【0024】そこで、軌道保持や軌道変更手段に電気式
推進装置を適用した宇宙機であっても、電気式推進装置
の推力のばらつきに起因する偏向した移動を修正できる
ようにするために、先に述べたガスジェット(図2参
照)等の化学触媒式推進装置の小型のものを装備するよ
うにしている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、宇宙機
に電気式推進装置と化学触媒式推進装置との双方を装備
することは、宇宙機の射ち上げに必要な燃料に対し、宇
宙機に搭載できる観測機器や通信機器等の重量(ペイロ
ード重量)が減少することを意味する。
【0026】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもの
で、電気式推進装置だけで宇宙機の偏向した移動の修正
を行うことが可能な宇宙機用推進装置を提供することを
目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の宇宙機用推進装置においては、宇宙機の軌道
保持あるいは軌道修正を行うための第1の電気式推進装
置18a及び第2の電気式推進装置18bと、前記の第
1の電気式推進装置18aに対し電力設定信号24aに
基づいた電力25aを供給する第1の電力制御器23a
と、前記第2の電気式推進装置18bに対し電力設定信
号24bに基づいた電力25bを供給する第2の電力制
御器23bと、前記の両電力制御器23a,23bから
両電気式推進装置18a,18bに対して供給すべき電
力25a,25bの基準値を設定する基準電力設定信号
28を出力する推進制御装置26と、宇宙機に既設の姿
勢制御系30を構成する姿勢安定装置32より出力され
る姿勢制御値信号35に基づき第1の電力制御器23a
から第1の電気式推進装置18aに対して供給されるべ
き電力25aを補正する補正電力設定信号36aあるい
は第2の電力制御器23bから第2の電気式推進装置1
8bに対して供給されるべき電力25bを補正する補正
電力設定信号36bを出力する推力調整演算装置34
と、前記の推進制御装置26より出力される基準電力設
定信号28に推力調整演算装置34より出力される補正
電力設定信号36aを加算した電力設定信号24aを第
1の電力制御器23aに対して出力する第1の加算器3
7aと、前記の推進制御装置26より出力される基準電
力設定信号28に推力調整演算装置34より出力される
補正電力設定信号36bを加算した電力設定信号24b
を第2の電力制御器23bに対して出力する第2の加算
器37bとを備えている。
【0028】
【作用】本発明の宇宙機用推進装置では、第1の電気式
推進装置18aと第2の電気式推進装置18bとを作動
させて宇宙機の軌道保持や軌道修正を行う際に、両電気
式推進装置18a,18bにより発生する推力のばらつ
きに起因して宇宙機の姿勢が変化すると、宇宙機に既設
の姿勢制御系30を構成する姿勢安定装置32より出力
される姿勢制御値信号35が変化する。
【0029】推力調整演算装置34は、姿勢制御値信号
35に基づき第1の電力制御器23aから第1の電気式
推進装置18aに対して供給されるべき電力25aを補
正する補正電力設定信号36a、あるいは第2の電力制
御器23bから第2の電気式推進装置18bに対して供
給されるべき電力25bを補正する補正電力設定信号3
6bを出力する。
【0030】たとえば、第1の電気式推進装置18aに
より発生する推力が小さい場合には、推力調整演算装置
34から第1の加算器37aに対し補正電力設定信号3
6aが出力される。
【0031】補正電力設定信号36aが出力されると、
第1の加算器37aから第1の電力制御器23aに対し
て、推進制御装置26より出力される基準電力設定信号
28に補正電力設定信号36aを加算した電力設定信号
24aが出力される。
【0032】よって、第1の電力制御器23aから第1
の電気式推進装置18aに対して供給される電力が増加
し、宇宙機の姿勢が修正される。
【0033】また、第2の電気式推進装置18bにより
発生する推力が小さい場合には、推力調整演算装置34
から第2の加算器37bに対し補正電力設定信号36b
が出力される。
【0034】補正電力設定信号36bが出力されると、
第2の加算器37bから第2の電力制御器23bに対し
て、推進制御装置26より出力される基準電力設定信号
28に補正電力設定信号36bを加算した電力設定信号
24bが出力される。
【0035】よって、第2の電力制御器23bから第2
の電気式推進装置18bに対して供給される電力が増加
し、宇宙機の姿勢が修正される。
【0036】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明
する。
【0037】図1は本発明の宇宙機用推進装置の一実施
例を示すもので、18aは第1の電気式推進装置、18
bは第2の電気式推進装置である。
【0038】これらの両電気式推進装置18a,18b
には、その双方が同一機種であれば、先に述べたジュー
ル加熱空力加速方式のEHT(図3参照)、アーク加熱
空力加速方式のDCアークジェット(図4参照)、電磁
力加速方式のMPDアークジェット(図5参照)、電磁
力加速方式のSPT、静電力加速方式のイオンエンジン
等のいずれを適用してもよい。
【0039】19は推薬タンクであり、該推薬タンク1
9には、上記の両電気式推進装置18a,18bに対応
する種類の推薬が貯留されている。
【0040】この推薬タンク19は、流量調整弁20を
有する主推薬供給管路21と、該主推薬供給管路21に
連なる第1の推薬供給管路22a及び第2の推薬供給管
路22bとによって、前記の第1の電気式推進装置18
a及び第2の電気式推進装置18bに対して接続されて
いる。
【0041】23aは第1の電力制御器であり、該第1
の電力制御器23aは、外部から入力される電圧設定信
号24aに基づいた電圧の電力25aを、前記の第1の
電気式推進装置18aに対して供給するように構成され
ている。
【0042】23bは第2の電力制御器であり、該第2
の電力制御器23bは、外部から入力される電圧設定信
号24bに基づいた電圧の電力25bを、前記の第2の
電気式推進装置18bに対して供給するように構成され
ている。
【0043】26は推進制御装置であり、該推進制御装
置26は、地上の管制局、あるいは宇宙機の内部に設け
た軌道設定装置(図示せず)等から出力される作動指令
信号27に基づき、前記の両電力制御器23a,23b
から両電気式推進装置18a,18bに対して供給すべ
き電力25a,25bの電圧の基準値を設定する基準電
圧設定信号28を出力し、また、流量調整弁20に対し
てその開度を設定する開度設定信号29を出力するよう
に構成されている。
【0044】30は宇宙機に既設の姿勢制御系を示し、
該姿勢制御系30は、太陽センサあるいは地球センサ等
の姿勢検出装置31と、モーメンタム・ホイール等の姿
勢安定装置32とを有している。
【0045】姿勢検出装置31は、太陽、地球等の天体
を基準とする宇宙機の姿勢を検出して姿勢検出信号33
を出力するようになっている。
【0046】また、姿勢安定装置32は、前記の姿勢検
出装置31より出力される姿勢検出信号33に基づいて
回転数を調整し、前記の両電気式推進装置18a,18
bの推力作用方向に対する宇宙機の姿勢を修正するよう
になっている。
【0047】34は推力調整演算装置であり、該推力調
整演算装置34は、前記の姿勢安定装置32より出力さ
れる姿勢制御値信号35に基づいて、第1の電力制御器
23aから第1の電気式推進装置18aに対して供給さ
れるべき電力25aの電圧を補正する補正電圧設定信号
36a、あるいは第2の電力制御器23bから第2の電
気式推進装置18bに対して供給されるべき電力25b
の電圧を補正する補正電圧設定信号36bを出力するよ
うに構成されている。
【0048】37aは第1の加算器であり、該第1の加
算器37aは、前記の推進制御装置26より出力される
基準電圧設定信号28に推力調整演算装置34より出力
される補正電圧設定信号36aを加算した電圧設定信号
24aを、前記の第1の電力制御器23aに対して出力
するようになっている。
【0049】37bは第2の加算器であり、該第2の加
算器37bは、前記の推進制御装置26より出力される
基準電圧設定信号28に推力調整演算装置34より出力
される補正電圧設定信号36bを加算した電圧設定信号
24bを、前記の第2の電力制御器23bに対して出力
するようになっている。
【0050】なお、図1に示す本実施例の各構成物は、
すべて宇宙機に装備されているものである。
【0051】以下、本実施例の作動を説明する。
【0052】宇宙機の軌道保持や軌道修正を行う際に
は、地上の管制局、あるいは宇宙機の内部に設けた軌道
設定装置(図示せず)等から推進制御装置26へ作動指
令信号27を出力する。
【0053】作動指令信号27が出力されると、推進制
御装置26から流量調整弁20に開度設定信号29が出
力され、流量調整弁20が開くことにより、推薬タンク
19に貯留されている推薬が両電気式推進装置18a,
18bに供給される。
【0054】また、推進制御装置26から両加算器37
a,37bの双方に基準電圧設定信号28が出力され
る。
【0055】このとき、推力調整演算装置34から両加
算器37a,37bに対して補正電圧設定信号36a,
36bは出力されていない。
【0056】すなわち、第1の加算器37aから第1の
電力制御器23aへ基準電圧設定信号28に等しい電圧
設定信号24aが出力され、また、第2の加算器37b
から第2の電力制御器23bへ基準電圧設定信号28に
等しい電圧設定信号24bが出力される。
【0057】よって、第1の電気式推進装置18aに、
第1の電力制御器23aから電力25aが供給され、ま
た、第2の電気式推進装置18bに、第2の電力制御器
23bから電力25bが供給され、第1の電気式推進装
置18aと第2の電気式推進装置18bとの双方により
宇宙機の軌道保持や軌道修正を行うための推力が発生す
る。
【0058】一方、第1の電気式推進装置18aと第2
の電気式推進装置18bの双方により発生する推力にば
らつきがあると、宇宙機が移動すべき方向とは若干異な
る方向へ移動する。
【0059】宇宙機が移動すべき方向とは若干異なる方
向へ移動しようとすると、宇宙機の姿勢制御系を構成す
る太陽センサあるいは地球センサ等の姿勢検出装置31
からモーメンタム・ホイール等の姿勢安定装置32に対
して出力される姿勢検出信号33が変化し、姿勢安定装
置32は、その回転数を調整することによって、宇宙機
の姿勢を修正しようとする。
【0060】このように、姿勢安定装置32の回転数変
化に伴い、該姿勢安定装置32より出力される姿勢制御
値信号35が変化すると、推力調整演算装置34から両
電気式推進装置18a,18bの推力のばらつきに応じ
た補正電圧設定信号36a,36bが第1の加算器37
aあるいは第2の加算器に対して出力される。
【0061】たとえば、第2の電気式推進装置18bに
より発生する推力に比べて第1の電気式推進装置18a
により発生する推力が小さい場合には、推力調整演算装
置34から第1の加算器37aに対し補正電圧設定信号
36aが出力される。
【0062】補正電圧設定信号36aが出力されると、
第1の加算器37aから第1の電力制御器23aに対し
て、前記の推進制御装置26より出力される基準電圧設
定信号28に推力調整演算装置34より出力される補正
電圧設定信号36aを加算した電圧設定信号24aが出
力される。
【0063】よって、第1の電力制御器23aから第1
の電気式推進装置18aに対して供給される電力の電圧
が上昇し、第1の電気式推進装置18aにより発生する
推力が、第2の電気式推進装置18bにより発生する推
力と等しくなり、その結果、宇宙機の姿勢が修正され
る。
【0064】また、第1の電気式推進装置18aにより
発生する推力に比べて第2の電気式推進装置18bによ
り発生する推力が小さい場合には、推力調整演算装置3
4から第2の加算器37bに対し補正電圧設定信号36
bが出力される。
【0065】補正電圧設定信号36bが出力されると、
第2の加算器37bから第2の電力制御器23bに対し
て、前記の推進制御装置26より出力される基準電圧設
定信号28に推力調整演算装置34より出力される補正
電圧設定信号36bを加算した電圧設定信号24bが出
力される。
【0066】よって、第2の電力制御器23bから第2
の電気式推進装置18bに対して供給される電力の電圧
が上昇し、第2の電気式推進装置18bにより発生する
推力が、第1の電気式推進装置18aにより発生する推
力と等しくなり、その結果、宇宙機の姿勢が修正され
る。
【0067】このように、本実施例においては、第1の
電気式推進装置18aにより発生する推力と第2の電気
式推進装置により発生する推力にばらつきがあっても、
他の推進装置を用いることなく、両電気式推進装置18
a,18bだけで宇宙機の姿勢を修正することができ
る。
【0068】また、本実施例では、ON/OFF制御せ
ずに電力25a,25bの電圧を調整することによっ
て、両電気式推進装置18a,18bに発生する推力を
調整するので、両電気式推進装置18a,18bを構成
するヒータや電極等が消耗しにくい。
【0069】なお、本発明の宇宙機用推進装置は上述し
た実施例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨
を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿
論である。
【0070】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の宇宙機用推
進装置によれば、下記のような種々の優れた作用効果を
奏し得る。
【0071】(1)第1の電気式推進装置18aと第2
の電気式推進装置18bとを作動させて宇宙機の軌道保
持や軌道修正を行う際に、両電気式推進装置18a,1
8bにより発生する推力のばらつきに起因して宇宙機の
姿勢が変化すると、推力調整演算装置34より補正電力
設定信号36a,36bが出力され、両電気式推進装置
18a,18bの推力が等しくなるように電力25a,
25bが調整されるので、両電気式推進装置18a,1
8bだけで宇宙機の姿勢修正を行うことができる。
【0072】(2)他の推進装置を用いることなく両電
気式推進装置18a,18bだけで宇宙機の姿勢修正を
行うことができるので、該宇宙機の射ち上げに必要な燃
料に対し、宇宙機に搭載できる観測機器や通信機器等の
重量(ペイロード重量)が増加する。
【0073】(3)ON/OFF制御せずに電力25
a,25bの電圧を調整することによって、両電気式推
進装置18a,18bに発生する推力を調整するので、
両電気式推進装置18a,18bを構成するヒータや電
極等が消耗しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の宇宙機用推進装置の一実施例を示す概
念図である。
【図2】ガスジェット(化学触媒式推進装置)の一例を
示す概念図である。
【図3】EHT(ジュール加熱空力加速方式の電気式推
進装置)の一例を示す概念図である。
【図4】DCアークジェット(アーク加熱空力加速方式
の電気式推進装置)の一例を示す概念図である。
【図5】MPDアークジェット(電磁力加速方式の電気
式推進装置)の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
18a 第1の電気式推進装置 18b 第2の電気式推進装置 23a 第1の電力制御器 23b 第2の電力制御器 24a,24b 電圧設定信号(電力設定信号) 25a,25b 電力 26 推進制御装置 28 基準電圧設定信号(基準電力設定信号) 34 推力調整演算装置 35 姿勢制御値信号 36a,36b 補正電圧設定信号(補正電力設
定信号) 37a 第1の加算器 37b 第2の加算器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 宇宙機の軌道保持あるいは軌道修正を行
    うための第1の電気式推進装置(18a)及び第2の電
    気式推進装置(18b)と、前記の第1の電気式推進装
    置(18a)に対し電力設定信号(24a)に基づいた
    電力(25a)を供給する第1の電力制御器(23a)
    と、前記第2の電気式推進装置(18b)に対し電力設
    定信号(24b)に基づいた電力(25b)を供給する
    第2の電力制御器(23b)と、前記の両電力制御器
    (23a)(23b)から両電気式推進装置(18a)
    (18b)に対して供給すべき電力(25a)(25
    b)の基準値を設定する基準電力設定信号(28)を出
    力する推進制御装置(26)と、宇宙機に既設の姿勢制
    御系(30)を構成する姿勢安定装置(32)より出力
    される姿勢制御値信号(35)に基づき第1の電力制御
    器(23a)から第1の電気式推進装置(18a)に対
    して供給されるべき電力(25a)を補正する補正電力
    設定信号(36a)あるいは第2の電力制御器(23
    b)から第2の電気式推進装置(18b)に対して供給
    されるべき電力(25b)を補正する補正電力設定信号
    (36b)を出力する推力調整演算装置(34)と、前
    記の推進制御装置(26)より出力される基準電力設定
    信号(28)に推力調整演算装置(34)より出力され
    る補正電力設定信号(36a)を加算した電力設定信号
    (24a)を第1の電力制御器(23a)に対して出力
    する第1の加算器(37a)と、前記の推進制御装置
    (26)より出力される基準電力設定信号(28)に推
    力調整演算装置(34)より出力される補正電力設定信
    号(36b)を加算した電力設定信号(24b)を第2
    の電力制御器(23b)に対して出力する第2の加算器
    (37b)とを備えてなることを特徴とする宇宙機用推
    進装置。
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