JPH0874661A - ラム燃焼装置 - Google Patents

ラム燃焼装置

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JPH0874661A
JPH0874661A JP20778294A JP20778294A JPH0874661A JP H0874661 A JPH0874661 A JP H0874661A JP 20778294 A JP20778294 A JP 20778294A JP 20778294 A JP20778294 A JP 20778294A JP H0874661 A JPH0874661 A JP H0874661A
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幸二 徳永
Takeshi Kashiwagi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラム燃焼装置に係り、未燃燃料を積極的に空
気と混合させ、広い飛行マッハ数範囲で高い燃焼効率を
達成するとともに、火炎の吹き消え現象の発生を防止す
る。 【構成】 燃焼器ダクトの内部に配され供給された燃料
の燃焼を行なう主燃焼器型保炎器と、主燃焼器型保炎器
における周壁の縁部に配されるスカート状保炎器と、ス
カート状保炎器の縁部に周方向に間隔を空けて配される
ガッタ型保炎器とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラム燃焼装置に係り、
特に、ラムジェットエンジンを広い飛行マッハ数範囲に
おいて高い燃焼効率で作動させる技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ラムジェットエンジンは、ガスタービン
エンジンのような空気圧縮機を有していないものの、燃
焼器ダクト内に高速で流入する空気をラム圧を利用して
圧縮するようにしており、構造が単純であり、かつ、機
体の航行速度が大きくなるほど燃焼効率を向上させるこ
とができると考えられ、例えばマッハ数2.5〜5の航
行速度の超音速航空機や宇宙往還機への適用が研究され
ている。
【0003】図4は、ラムジェットエンジンの概略構造
を示すもので、符号1はデイフューザ、2は燃焼器ダク
ト、3は燃焼室、4はジェットノズル、5は燃焼装置
(ラム燃焼装置)である。そして、燃焼装置5として
は、図5及び図6に示すものが提案されている。
【0004】図5例の燃焼装置5は、円筒状の燃焼器ダ
クト2の内部に、燃料ノズル6を複数配するとともに、
各燃料ノズル6の下流位置に環状のフレームホルダ(保
炎器)7を配し、該フレームホルダ7の近傍に点火栓8
を配した構成で、燃料ノズル6及びフレームホルダ7
は、燃焼器ダクト2の内面に周方向に間隔を空けて配し
た複数の片持ち梁状の支持梁9によって支持されてい
る。そして、燃料ノズル6の複数の噴出孔6aから、矢
印で示す気流Gに燃料を噴射して混合流とし、点火栓8
で混合流に点火するとともに、フレームホルダ7のV字
状断面によりその後流に乱れの多い低流速域を発生させ
て、燃焼状態を保持する保炎を行なうようにしている。
【0005】この図5例の燃焼装置5では、高マッハ時
のように適性なラム圧による空気の圧縮が行なわれ、空
気と燃料との混合流がフレームホルダ7の後方で低速域
となることに基づいて、燃焼状態の維持に加えて、空気
と燃料との混合攪拌が促進されて高い燃焼効率を得るこ
とができる。
【0006】一方、図6例の燃焼装置5は、円筒状の燃
焼器ダクト2の燃焼室3に、中空半球状の主燃焼器型保
炎器10を配するとともに、主燃焼器型保炎器10の下
流側外周に、ガッタ型保炎器11を周方向に間隔を空け
て配し、主燃焼器型保炎器10に燃料ノズル12を接続
した構成で、主燃焼器型保炎器10及びガッタ型保炎器
11の部分は、複数の片持ち梁状の支持梁9によって支
持されている。そして、燃料供給系13の作動時に燃料
ノズル12から燃料を噴射して、点火栓8で点火すると
ともに、主燃焼器型保炎器10の形状に基づいて保炎を
行ないながら、ガッタ型保炎器11のV字状断面により
乱れの多い低流速域を発生させて、燃焼炎と空気との混
合による完全燃焼を図るようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、燃焼装置5が
図5例の構造である場合には、マッハ数が小さい低超音
速航行状態や亜音速航行状態で、ラム圧を利用して燃焼
器ダクト2の内部の気流を十分に圧縮することができ
ず、かつ空気温度の上昇が不十分なものとなるため、燃
焼効率が低下することや燃料の着火性に悪影響を及ぼす
ことが起こり易くなる。また、燃焼装置5が図6例の構
造である場合には、飛行マッハ数の上昇にともない燃料
ノズル12からの燃料供給量が増加し、主燃焼器型保炎
器10の内部が燃料過濃な状態となって、火炎の吹き消
え現象が生じて燃焼効率が低下してしまうことが考えら
れる。
【0008】本発明は、これらの課題に鑑みてなされた
もので、以下の目的を有するものである。 圧力損失を低いレベルに保持しつつ広い飛行マッハ数
範囲で高い燃焼効率を達成すること。 未燃燃料を積極的に空気と混合させて、主燃焼器型保
炎器の内部が燃料過濃状態となることを防止するととも
に、火炎の吹き消え現象の発生を防止すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】ラムジェットエンジンの
燃焼器ダクトの内部に搭載されるラム燃焼装置として、
燃焼器ダクトの内部に配され供給された燃料の燃焼を行
なう主燃焼器型保炎器と、該主燃焼器型保炎器における
周壁の縁部に配されるスカート状保炎器と、該スカート
状保炎器の縁部に周方向に間隔を空けて配されるガッタ
型保炎器とを具備する構成が採用される。これらの構成
に、ガッタ型保炎器が、スカート状保炎器の流線方向に
配される技術や、スカート状保炎器の横断面形状が、波
形状に形成される技術が付加される。
【0010】
【作用】主燃焼器型保炎器の内部に燃料が供給されるこ
とにより燃焼が行なわれるが、スカート状保炎器の縁部
近傍では、燃料濃度の高い流体と外側を流れる空気との
流速差により、空気の巻き込みが顕著になって未燃燃料
との混合が促進される。スカート状保炎器の縁部にガッ
タ型保炎器が配されていることにより、その近傍での保
炎がなされ、そして、ガッタ型保炎器がスカート状保炎
器の流線方向に配されることにより、燃料濃度の高い流
体の一部がガッタ型保炎器に沿って導かれて、混合促進
化が図られ燃焼範囲が拡大する。波形状のスカート状保
炎器であると、縁部近傍に向きの異なる渦が生じて、燃
料と空気との混合性が向上し、さらに、燃焼器ダクトの
内部気流との混合による完全燃焼状態に導かれる。
【0011】
【実施例】以下、図1及び図2に基づいて、本発明に係
るラム燃焼装置の一実施例について説明する。各図にお
いて、符号20はラム燃焼装置、21はスカート状保炎
器、22はガッタ型保炎器である。
【0012】前記ラム燃焼装置20にあっては、燃焼器
ダクト2の内壁に支持梁9によって支持された状態に例
えば燃焼器ダクト2の周方向に間隔を空けて複数配され
る主燃焼器型保炎器10と、該主燃焼器型保炎器10に
おける周壁の縁部に一体に配され下流に行くにしたがっ
て広げられたスカート状保炎器21と、該スカート状保
炎器21の縁部に周方向に間隔を空けて配されるガッタ
型保炎器22とを具備している。
【0013】前記ガッタ型保炎器22にあっては、スカ
ート状保炎器21の流線方向(傾斜方向)に合わせて配
されるとともに、下流端部に補強と渦形成とを図るため
の蓋22aが取り付けられる。
【0014】一方、図3は、本発明に係るラム燃焼装置
の他の実施例を示すもので、スカート状保炎器21に、
横断面形状が波形状をなす波形壁21aが形成される。
【0015】このように構成されているラム燃焼装置2
0において、燃料ノズル12から主燃焼器型保炎器10
の内部に燃料が供給されるとともに、点火栓8を作動さ
せることにより燃料に点火し、以下燃焼状態の継続を行
なう。
【0016】この燃焼時にあって、主燃焼器型保炎器1
0にスカート状保炎器21が接続されていると、燃焼ガ
スは、下流に行くにしたがって広げられるとともに、そ
の途中で空気導入孔10aから空気が導入されることに
より、混合が図られる。
【0017】そして、主燃焼器型保炎器10及びスカー
ト状保炎器21の内部では、燃焼炎Fが円滑に成長して
保炎が行なわれる。
【0018】スカート状保炎器21の縁部近傍では、主
燃焼器型保炎器10及びスカート状保炎器21の内部を
挿通する燃料濃度の高い流体と燃焼器ダクト2の気流G
との流速差に基づいて、図2に矢印で示すように、空気
の巻き込みが顕著に行なわれ、内外の両流体の混合化が
図られる。したがって、スカート状保炎器21よりも下
流位置では、未燃燃料と空気との混合促進により燃焼範
囲が拡大し、完全燃焼状態に導かれる。
【0019】また、スカート状保炎器21の縁部にガッ
タ型保炎器22が配されていることにより、ガッタ型保
炎器22の形状に基づく保炎がなされるが、加えて、図
1及び図3例では、ガッタ型保炎器22がスカート状保
炎器21の流線方向に延長されていることにより、燃料
濃度の高い流体の一部が、ガッタ型保炎器22の内側に
沿って導かれて図2の矢印で示すように混合促進化が図
られ、燃焼範囲が一層拡大する。
【0020】さらに、図3例のスカート状保炎器21に
は、波形壁21aが形成されているため、波形壁21a
の縁部近傍に、半径方向に形状の異なる部分が交互に形
成されていることに基づき、向きの異なる渦が生じて燃
料と空気との混合性が向上し、完全燃焼状態に導かれ
る。
【0021】一方、飛行マッハ数の上昇とともに空気導
入孔10aから主燃焼器型保炎器10の内部に取り入れ
られる空気量は、増加の程度が緩慢になって比例状態を
保持できなくなる。この場合にあって、濃度の高い燃料
は、スカート状保炎器21の形状と、これに接続される
ガッタ型保炎器22とによって、気流Gと傾斜状態を保
持したまま外側に導かれるため、燃料供給量と空気供給
量との関係、空燃比を最適状態に調整することが可能に
なり、スカート状保炎器21及びガッタ型保炎器22の
部分における燃料過濃状態の発生が抑制される。
【0022】
【発明の効果】本発明に係るラム燃焼装置によれば、以
下のような優れた効果を奏する。 (1) 燃焼器ダクトの内部で燃料の燃焼を行なう主燃
焼器型保炎器と、主燃焼器型保炎器における周壁の縁部
に配されるスカート状保炎器と、スカート状保炎器の縁
部に周方向に間隔を空けて配されるガッタ型保炎器とを
具備することにより、未燃燃料を積極的に空気と混合さ
せて、広い飛行マッハ数範囲で高い燃焼効率を達成する
ことができる。 (2) ガッタ型保炎器が、スカート状保炎器の流線方
向に配されることにより、燃料と空気との混合性を高め
ることができるとともに、火炎の吹き消え現象の発生を
防止することができる。 (3) スカート状保炎器に波形壁を配することによ
り、向きの異なる渦を発生させて、下流縁部近傍におけ
る燃料と空気と混合性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラム燃焼装置の一実施例を示す斜
視図である。
【図2】本発明に係るラム燃焼装置の一実施例を示すブ
ロック図を併記した正断面図である。
【図3】本発明に係るラム燃焼装置の他の実施例を示す
斜視図である。
【図4】ラムジェットエンジンの概略構造を示す正断面
図である。
【図5】ラム燃焼装置の従来構造例を示す正断面図であ
る。
【図6】ラム燃焼装置の他の従来構造例を示す正断面図
である。
【符号の説明】
2 燃焼器ダクト 3 燃焼室 8 点火栓 9 支持梁 10 主燃焼器型保炎器 10a 空気導入孔 12 燃料ノズル 20 ラム燃焼装置 21 スカート状保炎器 21a 波形壁 22 ガッタ型保炎器 G 気流 F 燃焼炎

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラムジェットエンジンの燃焼器ダクトの
    内部に搭載されるラム燃焼装置であって、燃焼器ダクト
    (2)の内部に配され供給された燃料の燃焼を行なう主
    燃焼器型保炎器(10)と、該主燃焼器型保炎器におけ
    る周壁の縁部に配されるスカート状保炎器(21)と、
    該スカート状保炎器の縁部に周方向に間隔を空けて配さ
    れるガッタ型保炎器(22)とを具備することを特徴と
    するラム燃焼装置。
  2. 【請求項2】 ガッタ型保炎器(22)が、スカート状
    保炎器(21)の流線方向に配されることを特徴とする
    請求項1記載のラム燃焼装置。
  3. 【請求項3】 スカート状保炎器(21)の横断面形状
    が、波形状に形成されることを特徴とする請求項1また
    は2記載のラム燃焼装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102748775A (zh) * 2012-07-23 2012-10-24 集美大学 内置点火源的流线型火焰稳定器
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