JPH087406A - テープ状媒体移送装置 - Google Patents

テープ状媒体移送装置

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JPH087406A
JPH087406A JP6132338A JP13233894A JPH087406A JP H087406 A JPH087406 A JP H087406A JP 6132338 A JP6132338 A JP 6132338A JP 13233894 A JP13233894 A JP 13233894A JP H087406 A JPH087406 A JP H087406A
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JP
Japan
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phase
frequency signal
speed
signal
output
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JP6132338A
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English (en)
Inventor
Osamu Okauchi
理 岡内
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 位相誤差の算出周波数を上げることにより位
相制御ゲインを上げ、磁気テープの安定した位相制御を
可能にする。 【構成】 キャプスタン1の回転により周波数信号発生
器2が発生する周波数信号に基づいて速度検出回路11
1は磁気テープ8の移送速度を検出し、速度誤差算出回
路112は速度誤差を算出する。第1位相検出回路11
3は基準信号と周波数信号との位相を検出する。目標位
相算出回路116は、第2位相検出回路114が算出し
た制御信号再生器3からの制御信号と制御信号発生直後
の周波数信号との位相と、発生回数計測回路115が出
力する制御信号発生後の周波数信号の発生回数とから、
基準信号と周波数信号との目標位相を算出する。位相誤
差算出回路117は検出位相と目標位相とから位相誤差
を検出する。位相誤差と速度誤差を加算する加算回路1
4出力で、駆動回路15はキャプスタン1の回転を制御
し、テープを移送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコーダ
(以下、VTRとする)やデジタルオーディオテープレ
コーダ(以下、DATとする)などの磁気記録再生装置
に搭載されているキャプスタンなどのテープ状媒体移送
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、VTRやDATなど回転すること
でテープ状媒体を移送させるキャプスタンなどのテープ
状媒体移送装置を利用して構成されている装置が普及し
ている。
【0003】以下、VTRを例に挙げて、従来のテープ
状媒体移送装置(キャプスタン制御装置)について説明
する。図9は従来のキャプスタン制御装置の構成を示し
たブロック図であり、図10はVTRに用いる磁気テー
プの映像・音声信号などの記録パターンを示したトラッ
ク図である。また、図11は基準信号、周波数信号およ
び制御信号の波形を示した信号波形図である。
【0004】図10において、ビデオトラック1001
は磁気テープ8に映像信号が記録されたトラックであ
り、テープ下端に一定間隔で記録された制御信号100
2は、再生時の磁気テープ8の走行位相を制御するため
の信号である。目標速度で磁気テープが走行している状
態では、制御信号1002の発生周期は位相制御の基準
となる基準信号の発生周期と等しくなるように、磁気テ
ープに一定間隔で記録されている。
【0005】キャプスタン1は回転により磁気テープを
移送し、磁気テープとキャプスタンとの間にはスリップ
などの損失がないため、磁気テープの移送速度とキャプ
スタンの外周速度(以下、回転速度とする)とは等し
い。以後、キャプスタンによる磁気テープの移送におい
ては、キャプスタン回転速度とテープの移送速度とは等
しいことを前提として説明する。
【0006】VTRの再生時におけるキャプスタン制御
では、ビデオトラック1001を磁気ヘッド5が正しく
走査し続けるために、目標速度で磁気テープを移送しつ
つ、磁気ヘッド5が取り付けられたシリンダ4の回転に
より発生する基準信号と、磁気テープの走行位相を表す
制御信号とが所定の位相関係を保つように、キャプスタ
ンを回転させることで磁気テープの走行を制御する。
【0007】以下、再生時のキャプスタン制御について
説明する。図9で、キャプスタン1は回転により、磁気
テープ8を移送する。キャプスタン1には、回転に比例
した周波数信号を発生する周波数信号発生器2が取り付
けられている。磁気テープ8の移送にともない、制御信
号再生器3は磁気テープ8の下端にに記録された制御信
号1002を再生する。ローディングポスト7により磁
気テープ8が巻き付けられた磁気ヘッド5を有するシリ
ンダ4には、キャプスタン位相制御の基準となる基準信
号を発生する基準信号発生器6が取り付けられている。
【0008】速度検出回路10は、周波数信号の発生周
期を測定し、これに基づいて磁気テープ8の移送速度
(キャプスタン回転速度)Vcを検出する。速度誤差算
出回路11は、速度検出回路10の出力である検出速度
Vcと目標速度Vtとから速度誤差Veを検出し、加算
回路14に出力する。
【0009】位相検出回路12は、基準信号の発生から
制御信号が発生するまでの時間を計測することにより、
制御信号の位相で表される磁気テープ8の位相Pcを検
出する。基準信号と制御信号との発生時間差からの位相
検出は下記に基づいている。一定周期で発生する信号で
は、位相と発生からの経過時間とは一対一で対応するた
め、位相は経過時間の発生周期から求めることができ
る。このことから、同じ一定周期で発生する2つの信号
の位相を検出する場合、2信号の発生時間差から2信号
の位相差が検出できる。
【0010】よって、目標速度で磁気テープを移送した
場合、基準信号と制御信号の発生周期が等しくなるの
で、両信号の発生時間差から両信号の位相が検出でき
る。位相制御は磁気テープが目標速度付近で移送されて
いる状態で行うため、磁気テープの移送速度を一定と見
なして、基準信号と制御信号との発生時間の差に基づい
て位相を検出する。
【0011】位相誤差算出回路13は、移送検出回路1
2から供給される検出位相Pcと、目標位相Ptとから
位相誤差Peを検出し、加算回路14に出力する。加算
回路14は、速度誤差Veと位相誤差Peを加算した合
成誤差信号を駆動回路15に供給する。駆動回路15
は、合成誤差信号に基づいてキャプスタンを回転させる
ことで、キャプスタンの回転、すなわち磁気テープ8を
所定の速度・位相で移送するように制御することで、磁
気ヘッド5が常に正しくビデオトラックを走査し磁気テ
ープ8に記録された映像を正確に再生する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来構成では、位相誤差の検出が制御信号1周期に1度し
か行われないため制御の応答性が低くなる。また、基準
信号と制御信号の発生時間差を計測し、この時間差に基
づいて位相を検出しているため、磁気テープの走行速度
が目標速度から外れると正確な位相が検出できない。こ
の結果、所定位相状態(以下、位相引込状態とする)と
なるまでに時間を要するために、VTRに再生開始が命
令された後、映像の出画が開始されるまでに時間を要す
る、という問題点を有している。
【0013】本発明では上記従来の問題点を解決するも
ので、制御信号1周期中の位相誤差の検出回数を増やし
て安定性・応答性を向上させるとともに、目標速度と異
なる速度で磁気テープが移送された場合でも正確な位相
を検出することで、位相引込に時間を要さないテープ状
媒体移送装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の第1の構成のテープ状媒体移送装置は、回
転によりテープ状媒体を移送するキャプスタンと、 キ
ャプスタンの回転に比例し、所定の目標速度では外部か
ら供給される基準信号より短い周期の周波数信号を発生
する周波数信号発生手段と、周波数信号からテープ状媒
体の移送速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段
の出力と所定の目標速度とから速度誤差を算出する速度
誤差算出手段と、テープ状媒体上に一定の間隔で記録さ
れた制御信号を再生する制御信号再生手段と、周波数信
号が発生する度に、基準信号と周波数信号との位相を検
出する第1の位相検出手段と、制御信号と制御信号発生
直後の周波数信号との位相を検出する第2の位相検出手
段と、制御信号発生後に周波数信号が発生する回数を計
測する発生回数計測手段と、周波数信号が発生する度
に、第2の位相検出手段の出力と発生回数計測手段の出
力とから、基準信号と周波数信号との目標位相を算出す
る目標位相算出手段と、第1の位相検出手段の出力と目
標位相算出手段の出力とから位相誤差を算出する位相誤
差算出手段と、速度誤差算出手段の出力と位相誤差算出
手段の出力とを加算する加算手段と、加算手段の出力に
基づいてキャプスタンを駆動する駆動手段とを備えたも
のである。
【0015】本発明の第2の構成のテープ状媒体移送装
置は、回転によりテープ状媒体を移送するキャプスタン
と、キャプスタンの回転に比例し、所定の目標速度では
外部から供給される基準信号より短い周期の周波数信号
を発生する周波数信号発生手段と、周波数信号からテー
プ状媒体の移送速度を検出する速度検出手段と、速度検
出手段の出力と所定の目標速度とから速度誤差を算出す
る速度誤差算出手段と、テープ状媒体上に一定の間隔で
記録された制御信号を再生する制御信号再生手段と、基
準信号と周波数信号との発生時間差を測定し、測定時間
により位相を検出する第1の位相検出手段と、速度検出
手段の出力に基づいて、第1の位相検出手段の出力を補
正する第1の位相補正手段と、制御信号と制御信号発生
直後の周波数信号との発生時間差を測定し、測定時間に
より位相を検出する第2の位相検出手段と、速度検出手
段の出力に基づいて、第2の位相検出手段の出力を補正
する第2の位相補正手段と、制御信号発生後に周波数信
号が発生する回数を計測する発生回数計測手段と、周波
数信号が発生する度に、第2の位相補正手段の出力と発
生回数計測手段の出力とから、基準信号と周波数信号と
の目標位相を算出する目標位相算出手段と、第1の位相
補正手段の出力と目標位相算出手段の出力とから位相誤
差を算出する位相誤差算出手段と、速度誤差算出手段の
出力と位相誤差算出手段の出力とを加算する加算手段
と、加算手段の出力に基づいてキャプスタンを駆動する
駆動手段とを備えたものである。
【0016】本発明の第3の構成のテープ状媒体移送装
置は、回転によりテープ状媒体を移送するキャプスタン
と、キャプスタンの回転に比例し、所定の目標速度では
外部から供給される基準信号より短い周期の周波数信号
を発生する周波数信号発生手段と、キャプスタンが1回
転する間に1回、位置検出信号を発生する位置検出信号
発生手段と、周波数信号からテープ状媒体の移送速度を
検出する速度検出手段と、速度検出手段の出力と所定の
目標速度とから速度誤差を算出する速度誤差算出手段
と、テープ状媒体上に一定の間隔で記録された制御信号
を再生する制御信号再生手段と、基準信号と周波数信号
との発生時間差を測定し、測定時間により位相を検出す
る第1の位相検出手段と、制御信号と制御信号発生直後
の周波数信号との発生時間差を測定し、測定時間により
位相を検出する第2の位相検出手段と、制御信号発生後
に周波数信号が発生する回数を計測する発生回数計測手
段と、予め目標速度における周波数信号の発生周期を計
測し、周波数信号発生手段の取り付け位置を検出する取
付位置検出手段と、周波数信号の発生する度に、位置検
出信号と周波数信号に応じてキャプスタンの位置を検出
する位置検出手段と、取付位置検出手段の出力を位置検
出手段の出力に対応させて記憶し、位相制御時には位置
検出手段の出力と発生回数検出手段の出力とに応じて記
憶内容を出力するメモリと、周波数信号が発生する度
に、メモリの出力と第2の位相検出手段の出力とから、
基準信号と周波数信号との目標位相を算出する目標位相
算出手段と、第1の位相検出手段の出力と目標位相算出
手段の出力とから位相誤差を算出する位相誤差算出手段
と、速度誤差算出手段の出力と位相誤差算出手段の出力
とを加算する加算手段と、加算手段の出力に基づいてキ
ャプスタンを駆動する駆動手段とを備えたものである。
【0017】
【作用】第1の構成によれば、制御信号と制御信号発生
直後の周波数信号との発生時間差から、制御信号と制御
信号発生直後の周波数信号との位相を検出し、この位相
と制御信号発生以後の周波数信号の発生回数とから、基
準信号と周波数信号との目標位相を算出する。また、基
準信号と周波数信号との発生時間差に基づいて、基準信
号と周波数信号との位相を検出する。この検出位相と目
標位相とから位相誤差を検出するため、制御信号の発生
周期よりも短い周波数信号の発生周期で位相誤差が検出
できる。
【0018】第2の構成によれば、第1の構成に加え
て、周波数信号発生ごとに検出する磁気テープの移送速
度に基づいて検出した制御信号と制御信号発生直後の周
波数信号との位相、および基準信号と周波数信号との位
相を補正する。よって、目標速度における位相を検出す
る第1の構成に比べ正確な位相を検出でき、より正確な
位相誤差を周波数信号の発生周期で検出する。したがっ
て、第1の構成よりも正確な位相制御が実現できる。
【0019】第3の構成によれば、第1の構成に加え
て、予め周波数信号の発生周期を計測し、周波数信号発
生手段の取付位置を検出して、メモリに記憶しておく。
そして、周波数信号発生の度にメモリの記憶内容に基づ
いて目標位相を算出する。これにより、工作精度などを
起因とする周波数信号の周期変動を考慮に入れない第1
の構成よりも、正確な目標位相を算出できるため、第1
の構成よりも正確な位相制御が実現できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。但し、以下に示す実施例は、テープ
媒体移送装置としてVTRに搭載されているキャプスタ
ンを例に挙げて説明する。
【0021】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
のテープ状媒体移送装置の構成を示すブロック図、図2
は第1の実施例に用いるキャプスタンと、移送されるテ
ープ状媒体、およびそれに記録された制御信号の記録位
置とを示した構成図である。図3は基準信号、制御信号
および周波数信号の波形を示した信号波形図である。
【0022】図1に示すようにテープ状媒体移送装置
は、キャプスタン1と、周波数信号発生手段となる周波
数信号発生器2およびキャプスタン1に取り付けられて
周波数信号発生器2を作動させるための周波数信号発生
素子201(図2参照)と、速度検出手段となる速度検
出回路111と、速度誤差算出手段となる速度誤差算出
回路112と、制御信号再生手段となる制御信号再生器
3と、第1の位相検出手段となる第1位相検出回路11
3と、第2の位相検出手段となる第2位相検出回路11
4と、発生回数計測手段となる発生回数計測回路115
と、目標位相算出手段となる目標位相算出回路116
と、位相誤差算出手段となる位相誤差算出回路117
と、加算手段となる加算回路14と、駆動手段となる駆
動回路15とからなる。
【0023】図1に示された各回路の機能について、以
下に説明する。キャプスタン1は、回転することにより
テープ状媒体である磁気テープ8を移送する。磁気テー
プ8とキャプスタン1との間にはスリップなどの損失が
ないため、磁気テープの移送速度とキャプスタンの外周
速度(以下、回転速度とする)とは等しい。但し、キャ
プスタン1の外周は、磁気テープ8に一定間隔で記録さ
れた制御信号の記録間隔に等しいため、キャプスタン1
回転で制御信号は1回発生する。
【0024】キャプスタン1の回転により周波数信号発
生素子201がキャプスタン1の周囲に取り付けられた
周波数信号発生器2を通過すると、周波数信号発生器2
は周波数信号を発生し、速度検出回路111、第1位相
検出回路113、第2位相検出回路114、および発生
回数計測回路115に供給する。図2に示すように、4
個の周波数信号発生素子201がキャプスタン1に等間
隔θ1(θ1=90度)に取り付けられているため、キ
ャプスタン1回転で周波数信号が4回発生する。
【0025】制御信号再生器3は、磁気テープ8の移送
にともない、磁気テープ8に一定間隔で記録された制御
信号を再生し、第2位相検出回路114と発生回数計測
回路115に供給する。目標速度で磁気テープ8を移送
したとき、制御信号は基準信号と同一周期で再生され
る。
【0026】速度検出回路111は、周波数信号の発生
周期を計測し、それに基づいてキャプスタンの回転速度
(磁気テープ8の走行速度と等しい)を検出し、速度誤
差算出回路112に供給する。速度誤差算出回路112
は、供給された回転速度と目標速度とから速度誤差を算
出し加算回路14に供給する。
【0027】第1位相検出回路113は、基準信号の発
生から周波数信号が発生するまでの時間を計測し、その
時間に基づいて基準信号と周波数信号との位相である第
1位相を検出し、位相誤差算出回路117に供給する。
位相制御が磁気テープ8の移送が目標時間付近で行われ
ることから、移送速度が目標速度と等しいと見なす。計
測時間に基づく第1位相の検出は、 (第1位相)=360×(計測時間)÷(基準信号の周期)…(1) から求められる。また、ローディングポスト7により磁
気テープ8が巻き付けられ磁気ヘッド5を有するシリン
ダ4の定常回転により、基準信号は基準信号発生器6か
ら一定周期で供給される。
【0028】第2位相検出回路114は、制御信号の発
生から制御信号発生直後の周波数信号が発生するまでの
時間を計測して、その計測結果に基づいて制御信号と制
御信号発生直後の周波数信号との位相である第2位相を
検出し、目標位相算出回路116に供給する。発生回数
計測回路115は、制御信号発生後の周波数信号の発生
回数を計測し、その回数を目標位相算出回路116に供
給する。
【0029】目標位相算出回路116は、第2位相検出
回路114から供給された第2位相と、発生回数計測回
路115から供給された発生回数とから、位相引込状態
における制御信号と周波数信号との目標位相を算出す
る。
【0030】目標位相算出回路116における目標位相
の算出方法を以下に説明する。第1の実施例のキャプス
タン1が1回転する間に、制御信号は1回発生し、周波
数信号は4回発生するため、制御信号1周期は周波数信
号1周期の4倍となる。従って、周波数信号1周期の間
に制御信号の位相はθ1だけ変化する。このことを利用
して、周波数信号の発生回数から制御信号の位相の変化
量を求めることができる。
【0031】また、制御信号と制御信号発生直後の周波
数信号との位相である第2位相は、キャプスタンに磁気
テープを装着したときの両者の位置に依存し、0度から
90度の範囲で変化する。
【0032】周波数信号の発生回数をN、第2位相をP
2とすると、制御信号発生後N回目の周波数信号と制御
信号との位相Pctlは、 Pct1=P2+θ1×(N−1)…(2) で求めることができる。所定位相状態における基準信号
と制御信号との位相P0と(2)式で求めたPctlと
から、制御信号発生後N回目の周波数信号発生時点にお
ける、所定位相状態となるための基準信号と周波数信号
との目標位相Pnは、 Pn=P0+Pct1=P0+P2+θ1×(N−1)…(3) より求めることができる。
【0033】例として、図3に示した周波数信号Aが発
生した場合、制御信号発生後、最初の周波数信号(発生
回数N=1)であるため、目標位相Paは(3)式を用
いると、 Pa=P0+P2+θ1×(1−1)=P0+P2…(4) で与えられる。周波数信号Bが発生した場合、制御信号
発生後の最初の周波数信号(発生回数N=2)であるた
め、目標位相Pbは(3)式を用いると、 Pb=P0+P2+θ1×(2−1)=P0+P2+θ1…(5) で与えられる。以後、同様にして周波数信号C,Dにつ
いても目標位相を算出する。以上の方法で算出した目標
位相を、目標位相算出回路116は位相誤差検出回路1
17に供給する。
【0034】位相誤差算出回路117は、第1位相検出
回路113から供給された第1位相と、目標時間検出回
路116から供給された目標位相とから、位相誤差を算
出して加算回路14に供給する。加算回路14は、速度
誤差と位相誤差を加算し駆動回路15に供給する。駆動
回路15は加算回路14の出力に基づいてキャプスタン
1を回転させることで、磁気テープ8を所定の速度・位
相状態で移送させる。
【0035】以上のように図1に構成を示したテープ状
媒体移送装置について、以下その動作について図3を用
いて説明する。第1位相検出回路113は、基準信号が
入力すると時間計測を開始する。磁気テープ8の移送に
より、制御信号が制御信号再生器3から供給されると、
第2位相検出回路114は時間の計測を開始し、発生回
数計測回路115は、制御信号の発生毎に内部のカウン
タをリセットした後、このカウンタにより周波数信号の
発生回数の計数を開始する。
【0036】制御信号発生後1回目の周波数信号(図3
の周波数信号A)が発生すると、速度検出回路111は
前回の周波数信号発生からの計測時間に基づいて、キャ
プスタン1の回転速度で表される磁気テープ8の移送速
度を検出し、速度誤差算出回路112に供給する。速度
誤差算出回路112は、供給された検出速度と磁気テー
プ8の目標速度とから、速度誤差を検出して加算回路1
4に出力する。
【0037】同じく1回目の周波数信号Aが発生する
と、第1位相検出回路113は計測した基準信号発生か
らの時間に基づき、第1位相P1aを検出し位相誤差算
出回路117に供給する。また、第2位相検出回路11
4は、制御信号発生で計測を開始した時間に基づいて第
2位相P2を検出し、目標位相算出回路116に供給す
る。同時に、発生回数計測回路115は、周波数信号A
が発生によりカウンタ値に1を加算する。発生回数計測
回路115は、カウンタの値が1であるため、発生回数
1を目標位相算出回路116に供給する。
【0038】目標位相算出回路は116は、供給された
第2位相P2と発生回数1とから、(4)式で与えられ
る目標位相Paを算出する。そして、目標位相算出回路
116は、目標位相Paを位相誤差算出回路117に供
給する。
【0039】位相誤差算出回路117は、検出した第1
位相P1aと目標時間Paとから位相誤差Peaを算出
し、加算回路14に位相誤差を供給する。加算回路14
は、周波数信号Aの発生により検出した速度誤差と位相
誤差Peaとを加算した合成誤差を駆動回路15に出力
する。駆動回路15は、加算回路14の出力に基づい
て、位相誤差と速度誤差が零となるようにキャプスタン
1の回転を制御し、磁気テープの移送を行う。
【0040】周波数信号Bが発生した場合、制御信号発
生後2回目の周波数信号であるため、目標位相Pbは
(5)式から算出し、この目標時間Pbと検出した第1
位相P1bとに基づいて、位相誤差Pebを算出し、発
生時点での速度誤差と加算した合成誤差に基づいて、キ
ャプスタン1の回転を制御する。以後、上記の動作を繰
り返すことによってキャプスタン1の回転を制御する。
【0041】以上のように第1の実施例では、周波数信
号の発生する度に、第1位相検出回路113が検出した
基準信号と周波数信号との位相と、制御信号と周波数信
号との位相、および制御信号発生後の周波数信号の発生
回数に基づいて目標位相算出回路116が算出した目標
位相とから位相誤差を算出する。したがって、従来よう
に制御信号の1周期に1回の位相誤差算出を行うのでは
なく、制御信号よりも短い周波数信号の1周期に1回の
位相誤差算出を行うため、キャプスタンの位相制御ゲイ
ンを上げて、従来より安定性・応答性が高く、位相引込
完了までの時間を短縮する位相制御を行なうことができ
る。
【0042】なお、目標位相の算出には、制御信号の発
生から周波数信号が発生するまでの時間を計測し、その
時間より算出した制御信号と周波数信号との位相を用い
ても、同様の効果が得られる。また、上記の第1の実施
例において、図1中に破線で囲まれた部分100はマイ
クロコンピュータの中でソフトウェア処理によっても同
様に実現すること可能であり、本実施例にとどまるもの
ではない。
【0043】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例
について説明する。図4は本発明の第2の実施例のテー
プ状媒体移送装置の構成を示すブロック図である。第2
の実施例に用いるキャプスタンと、移送されるテープ状
媒体とそれに記録された制御信号の記録位置とを示した
構成は図2と同じである。図5は基準信号、制御信号及
び周波数信号の波形を示した信号波形図である。
【0044】図4に示すようにテープ状媒体移送装置
は、キャプスタン1と、周波数信号発生手段となる周波
数信号発生器2およびキャプスタン1に取り付けられて
周波数信号発生器2を作動させるための周波数信号発生
素子201(図2参照)と、速度検出手段となる速度検
出回路111と、速度誤差算出手段となる速度誤差算出
回路112と、制御信号再生手段となる制御信号再生器
3と、第1の位相検出手段となる第1位相検出回路11
3と、第1の位相補正手段となる第1位相補正回路40
1と、第2の位相検出手段となる第2位相検出回路11
4と、第2の位相補正手段となる第2位相補正回路40
2と、発生回数計測手段となる発生回数計測回路115
と、目標位相算出手段となる目標位相算出回路116
と、位相誤差算出手段となる位相誤差算出回路117
と、加算手段となる加算回路14と、駆動手段となる駆
動回路15とからなる。
【0045】図4に示された各回路の機能について、以
下に説明する。但し、図1と同一部分は同一符号とし説
明を省く。また、速度検出回路111、第1位相検出回
路113、第2位相検出回路114は出力先が図1とは
異なり、速度検出回路111は出力を第1位相補正回路
401と第2位相補正回路402、および速度誤差算出
回路112とに供給し、第1位相検出回路113は出力
を第1位相補正回路401に供給し、第1位相検出回路
114は出力を第2位相補正路402に供給する。これ
にも伴い、目標位相算出回路116への入力は第2位相
検出回路の出力から第2位相補正回路402の出力に、
位相誤差算出回路117への入力は第1位相検出回路1
13の出力から第1位相補正回路401の出力に、それ
ぞれ変更する。
【0046】第1位相補正回路401は、速度検出回路
が出力する検出速度に基づいて、第1位相検出回路が出
力する第1位相を、 (第1補正位相)=(第1位相)×(検出速度)÷(目標速度)…(6) により補正して、第1補正位相として位相誤差算出回路
117に供給する。
【0047】この補正について以下に説明する。第1の
実施例では、位相制御が磁気テープが目標速度付近で移
送されている状態で行われるために、磁気テープの位相
速度と目標速度とが等しいとして、第1位相は第1位相
検出回路113が基準信号発生から周波数信号が発生す
るまでの時間に基づいて、(1)式により算出されてい
る。しかし、(1)式を用いて検出した位相は、磁気テ
ープの移送速度が目標速度よりも遅い場合は実際の位相
よりも大きな値を、磁気テープの移送速度が目標速度よ
りも速い場合は実際の位相よりも小さな値を検出してし
まい、正確な位相が検出できない。実際の位相は、 (第1位相)=360×(測定時間)÷(制御信号の周期)…(7) によって検出できるため、(1)式による第1位相を
(7)式による実際の位相と一致させるため、第1位相
に基準信号の周期と制御信号の周期との比を乗すればよ
い。基準信号の周期と制御信号の周期との比は、目標速
度と検出速度との比の逆数に等しいため、第1位相補正
回路401では第1位相を(6)式を用いて補正し、実
際の位相と等しい第1補正位相を出力する。
【0048】第2位相補正回路402は、第2位相補正
回路401と同じ理由から、速度検出回路が出力する検
出速度に基づいて、第2位相検出回路が出力する第2位
相を、 (第2補正位相)=(第2位相)×(検出速度)÷(目標速度)…(8) により補正して、第2補正位相として目標位相算出回路
116に供給する。
【0049】以上のように図4に構成を示したテープ状
媒体移送装置について、以下その動作について図5を用
いて説明する。第1位相検出回路113は、基準信号が
入力すると時間計測を開始する。磁気テープ8の移送に
より、制御信号が制御信号再生器3から供給されると、
第2位相検出回路114は時間の計測を開始し、発生回
数計測回路115は、制御信号の発生毎に内部のカウン
タをリセットした後、このカウンタにより周波数信号の
発生回数の計数を開始する。
【0050】制御信号発生後1回目の周波数信号(図5
の周波数信号A)が発生すると、速度検出回路111は
前回の周波数信号発生から計測していた時間に基づい
て、キャプスタン1の回転速度で表される磁気テープ8
の移送速度Vaを検出し、速度誤差算出回路112と第
1位相尾補正回路401、および第2位相補正回路40
2とに供給する。速度誤差算出回路112は、供給され
た検出速度と磁気テープ8の目標速度V0とから、速度
誤差Veaを検出して加算回路14に出力する。
【0051】同じく1回目の周波数信号Aが発生する
と、第1位相検出回路113は基準信号の発生から計測
を開始した時間に基づいて、第1位相P1aを検出し第
1位相補正回路401に供給する。また、第2位相検出
回路114は、制御信号発生で計測を開始した時間に基
づいて第2位相P2を検出し、第2位相補正回路402
に供給する。同時に、発生回数計測回路115は、周波
数信号Aが発生によりカウンタ値に1を加算する。発生
回数計測回路115は、カウンタの値が1であるため、
発生回数1を目標位相算出回路116に供給する。
【0052】第1位相補正回路401は、供給された第
1位相P1aを検出速度Vaに基づいて(6)式により
補正し、第1補正位相P1arとして位相誤差算出回路
117に供給する。第2位相補正回路402は、供給さ
れた第2位相P2を検出速度Vaに基づいて(8)式に
より補正し、第2補正位相P2rとして目標位相算出回
路116に供給する。
【0053】目標位相算出回路は116は、供給された
第2補正位相P2rと発生回数1とから、 Pa=P2r+P0+θ1×(1−1)=P2r+P0…(9) で与えられる目標位相Paを算出する。そして、目標位
相算出回路116は、目標位相Paを位相誤差算出回路
117に供給する。
【0054】位相誤差算出回路117は、検出した第1
補正位相P1arと目標位相Paとから図5に示す位相
誤差Peaを算出し、加算回路14に位相誤差を供給す
る。加算回路14は、周波数信号Aの発生により検出し
た速度誤差Veaと位相誤差Peaとを加算して駆動回
路15に出力する。駆動回路15は、加算回路14の出
力に基づいて、位相誤差と速度誤差が零となるようにキ
ャプスタン1の回転を制御し、磁気テープの移送を行
う。
【0055】周波数信号Bが発生した場合、目標位相P
bは(5)式から算出し、この目標時間Pbと検出した
第1補正位相P1brとに基づいて、位相誤差Pebを
算出し、発生時点での速度誤差と加算した合成誤差に基
づいて、キャプスタン1の回転を制御する。以後、上記
の動作を繰り返すことによってキャプスタン1の回転を
制御する。
【0056】以上のように第2の実施例では、第1の実
施例に加えて、周波数信号発生ごとに検出した磁気テー
プの走行速度に基づいて、基準信号と周波数信号との位
相、および制御信号と制御信号発生直後の周波数信号と
の位相を、検出速度に基づいて補正することで、第1の
実施例に比べより正確な位相誤差を周波数信号の発生周
期で検出できるため、第1の実施例よりも正確な位相制
御が実現できる。
【0057】なお、上記の第2の実施例において、図4
中の破線で囲まれた部分400はマイクロコンピュータ
の中でソフトウェア処理によっても同様に実現すること
可能であり、本実施例にとどまるものではない。
【0058】(実施例3)本発明の第3の実施例につい
て説明する。図6は本発明の第3の実施例のテープ状媒
体移送装置の構成を示すブロック図、図7は第3の実施
例に用いるキャプスタンと、移送されるテープ状媒体と
それに記録された制御信号の記録位置とを示した構成図
である。図8は基準信号、制御信号、周波数信号および
位置検出信号の波形を示した信号波形図である。
【0059】図6に示すようにテープ状媒体移送装置
は、キャプスタン1と、周波数信号発生手段となる周波
数信号発生器2およびキャプスタン1に取り付けられて
周波数信号発生器2を作動させるための周波数信号発生
素子201(図7参照)と、位置検出信号発生手段とな
る位置検出信号発生器602およびキャプスタン1に取
り付けられて位置検出信号発生器602を作動させるた
めの位置検出信号発生素子702(図7参照)と、速度
検出手段となる速度検出回路111と、速度誤差算出手
段となる速度誤差算出回路112と、第1の位相検出手
段となる第1位相検出回路113と、第2の位相検出手
段となる第2位相検出回路114と、発生回数計測手段
となる発生回数計測回路615と、取付位置検出手段と
なる取付位置検出回路617と、位置検出手段となる位
置検出回路618と、メモリ619と、目標位相算出手
段となる目標位相算出回路616と、位相誤差算出手段
となる位相誤差算出回路117と、加算手段となる加算
回路14と、駆動手段となる駆動回路15とからなる。
【0060】図6に示された各回路の機能について、以
下に説明する。但し、図1と同一部分は同一符号とし説
明を省く。キャプスタン1に1個取り付けられた位置検
出信号発生素子702がキャプスタンの周囲に取り付け
られた位置検出信号発生器602を通過すると、位置検
出信号発生器602は位置検出信号を発生し、位置検出
回路618に供給する。位置検出信号発生素子702は
キャプスタンに1個取り付けられているため、キャプス
タン1回転で周波数信号が1回発生する。図7に示す第
3の実施例の用いるキャプスタンは、各周波数信号発生
素子201を90度(=θ10)間隔で4つ配置するよ
うに作成した。しかし、工作精度などの問題で図7に示
した素子AからDは角度θ1aからθ1d(但し、θ1
a+θ1b+θ1cθ1d=360)、および位置検出
信号発生素子702と素子Aは取付角がθ2となるよう
に各素子が配置されている。
【0061】発生回数計測回路615は、制御信号が供
給されてからの周波数信号の発生回数を計測し、その回
数をメモリ619に供給する。取付位置検出回路617
は、キャプスタンの定常回転時に周波数信号の発生周期
を測定し、この周期に基づいて周波数信号発生素子20
1の取付位置位置を検出する。取付位置の検出方法を以
下に説明する。周波数信号の発生周期は、隣り合う周波
数信号発生素子201との取付位置に対応した周期で発
生する。図7に示すキャプスタン1では、1回転する間
に周波数信号が4回発生するので、キャプスタンの定常
回転状態で、連続して測定した周波数信号4周期の比に
よって、周波数信号発生素子201の取付位置が検出で
きる。この方法を用いて、素子AからDの取付位置θ1
aからθ1d(この場合の取付位置は隣の素子との取付
角とする)を、メモリ619に供給する。位置検出回路
618は、位置検出信号が供給されてからの周波数信号
の発生回数を計測し、発生回数に基づいてキャプスタン
1の位置を検出しメモリ619に出力する。
【0062】メモリ619は、取付位置検出回路617
から供給される取付位置を、位置検出回路618から供
給されるキャプスタン1の位置に対応させて記憶する。
そして、発生回数計測回路615から発生回数が、位置
検出回路618から検出位置がそれぞれ供給されると、
検出位置より1つ前の位置から発生回数より1減算した
個数の記憶内容を目標位相算出回路616に供給する。
但し、素子Aの前の取付位置は素子Dとする。
【0063】目標位相算出回路616は、第2位相検出
回路114から供給された第2位相と、メモリ618か
ら供給される周波数信号の取付位置とに基づいて、基準
信号と周波数信号との目標位相を算出する。
【0064】以上の様に構成されたテープ媒体移送装置
について、以下にその動作を図8を用いて説明する。過
去の回転状態において、予め、キャプスタンの定常回転
状態で位置検出信号が発生すると、位置検出回路618
は内部のカウンタを零にリセットした後に周波数信号の
の発生回数の計測を開始する。
【0065】素子Aによる周波数信号Aが発生した場
合、取付位置検出回路617は、検出した周波数信号の
発生周期に基づいて周波数信号発生素子201の取付角
θ1aを検出し、メモリ619に供給する。図8の素子
Aによる周波数信号が発生した場合、θ1aであり、素
子Bではθ1b、素子Cではθ1c、素子Dではθ1d
をそれぞれ検出する。
【0066】また、位置検出回路618は内部のカウン
タ値に1を加算する。カウンタ値が1であるため、位置
検出回路618は素子Aによる周波数信号であるとし
て、メモリ619に素子Aによる周波数信号発生を示す
信号を出力する。メモリ619は、取付位置検出回路6
17から供給された取付位置θ1aが、位置検出手段の
出力により素子Aによるものとして記憶する。以下、素
子BからDまでも同様に記憶する。
【0067】次に、キャプスタン停止状態で起動する。
第1位相検出回路113は、シリンダ4の定常回転によ
り一定周期で発生する基準信号が入力すると、時間計測
を開始する。磁気テープ8の移送により、制御信号が制
御信号再生器3から供給されると、第2位相検出回路1
14は時間の計測を開始し、発生回数計測回路615は
制御信号の発生毎に内部のカウンタをリセットした後、
このカウンタにより周波数信号の発生回数の計数を開始
する。
【0068】位置検出信号が発生すると、位置検出回路
618は内部のカウンタを零にリセットした後に周波数
信号の発生回数の計測を開始する。制御信号発生後1回
目の周波数信号(図8の周波数信号A)が発生すると、
速度検出回路111はキャプスタン1の回転速度で表さ
れる磁気テープ8の移送速度を検出し、速度誤差算出回
路112に供給する。速度誤差算出回路112は、供給
された検出速度と磁気テープ8の目標速度とから、速度
誤差を検出して加算回路14に出力する。
【0069】同じく1回目の周波数信号Aが発生する
と、第1位相検出回路113は基準信号の発生から計測
を開始した時間に基づいて、第1位相P1aを検出し位
相誤差算出回路117に供給する。また、第2位相検出
回路114は、制御信号発生で計測を開始した時間に基
づいて第2位相P2を検出し、目標位相算出回路116
に供給する。同時に、発生回数計測回路615は、周波
数信号Aが発生によりカウンタ値に1を加算し、カウン
タの値が1であるため、発生回数1をメモリ619とに
供給する。また、位置検出回路618も内部のカウンタ
値に1を加算し、カウンタ値が1であるため、位置検出
回路618は素子Aによる周波数信号であるとして、メ
モリ619に素子Aによる周波数信号発生を示す信号を
出力する。
【0070】メモリ619は位置検出回路618から素
子Aによる周波数信号が到来したことを伝達されると、
発生回数計測回路615からから供給される発生回数が
1であるため、発生回数から1減算すると結果が零とな
るため、記憶内容を出力せずに零を出力する。目標位相
算出回路616は、第2位相検出回路114から供給さ
れた第2位相P2と、メモリ618からは零が供給され
るため、目標位相Paを Pa=P2+P0…(10) として算出する。但し、P0は所定位相状態での基準信
号と制御信号との位相である。そして、目標位相Paを
位相誤差算出回路117に供給する。
【0071】位相誤差算出回路117は、検出した第1
位相P1aと目標時間Paとから図8に示す位相誤差P
eaを算出し、加算回路14に位相誤差を供給する。加
算回路14は、周波数信号Aの発生により検出した速度
誤差と位相誤差Peaとを加算して駆動回路15に出力
する。駆動回路15は、加算回路14の出力に基づい
て、位相誤差と速度誤差が零となるようにキャプスタン
1の回転を制御し、磁気テープの移送を行う。
【0072】周波数信号Bが発生した場合、位置検出回
路618は位置検出信号発生後2回目の周波数信号であ
るため、周波数信号発生素子Bによるもであると判別
し、メモリ619に素子Bによる周波数信号が到来した
こと伝達する。メモリ619は、位置が素子Bの周波数
信号の発生と、発生回数計測回路615から供給される
発生回数が2であるため、記憶内容からθ1aを目標位
相検出回路616に供給する。目標位相算出回路616
は、メモリ618から供給されたθ1aから、目標位相
Pbを Pb=P2+P0+θ1a…(11) として算出し、位相誤差算出回路117に供給する。こ
の目標位相Pbと第1位相とから位相誤差Pebを算出
し、発生時点での速度誤差と加算した合成誤差に基づい
て、キャプスタン1の回転を制御する。
【0073】周波数信号Cが発生した場合、位置検出信
号発生後3回目のとなる周波数信号発生素子Cによる周
波数信号であるため、メモリ618は、供給される発生
回数3より、メモリの記憶内容からθ1aとθ1bとを
目標位相算出回路616に供給する。
【0074】目標位相算出回路616は、目標位相Pc
を Pc=P2+P0+θ1a+θ1b…(12) として算出し、位相誤差算出回路117に供給する。こ
の目標位相Pbと第1位相とから位相誤差Pecを算出
し、発生時点での速度誤差と加算した合成誤差に基づい
て、キャプスタン1の回転を制御する。以後、上記の動
作を繰り返すことによってキャプスタン1の回転を制御
する。
【0075】以上のように第3の実施例では、発生回数
計測回路615が、予め周波数信号と位置検出信号の発
生位相を測定し、その結果をメモリ619が記憶してお
く。そして、周波数信号の発生する度に行う目標位相の
算出を、メモリの記憶内容に基づいて行う。周波数信号
発生毎の目標位相算出に際し、目標位相算出回路616
が実際の取付角を用いずに設計時の取付角を用いて算出
した目標位相を用いた場合、検出位相が本来の目標位相
と等しく、実際は位相誤差が零であるにもかかわらず、
位相誤差が零にならずに、誤った位相状態に引き込まれ
てしまう事態を防ぐことができる。従って、第1の実施
例よりも正確な位相誤差が検出でき、より正確な位相制
御が実現できる。
【0076】なお、周波数信号発生素子の取付位置の検
出に、周波数信号の発生周期を計測し、その周期を用い
たが、これを速度検出回路の出力を用いても同様の効果
が得られると共に、構成要素を少なくしてコストを押さ
えることができる。
【0077】また、上記の第3の実施例において、図6
中の破線で囲まれた部分600は、マイクロコンピュー
タの中でソフトウェア処理によっても同様に実現するこ
と可能であり、本実施例にとどまるものではない。第2
の実施例と第3の実施例を組み合わせると更なる性能の
向上がはかれ、本実施例にとどまるものではない。
【0078】
【発明の効果】以上のように本発明では、周波数信号が
発生する度に、基準信号の発生からの位相を検出する第
1の位相検出手段と、制御信号発生から周波数信号発生
までの位相を測定する第2の位相差測定手段と、制御信
号発生後に周波数信号が発生する回数を計測する発生回
数計測手段と、基準信号と周波数信号との位相差である
目標位相を算出する目標位相算出手段と、検出位相と目
標位相とから位相誤差を算出する位相誤差算出手段とを
設けることにより、制御信号の発生周期よりも短い周期
の周波数信号が発生する度に、位相誤差を算出する。よ
って、キャプスタンの位相誤差を算出する回数を増加し
て位相制御ゲインを上げ、安定性・応答性の高いテープ
状媒体の移送が可能あり、また位相引込に要する時間を
従来よりも短縮する優れたテープ状媒体移送装置が実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるテープ状媒体移
送装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1および第2の実施例における、キ
ャプスタンとテープ状媒体、記録された制御信号の記録
位置を示した構成図。
【図3】本発明の第1の実施例において動作説明に用い
る信号波形図。
【図4】本発明の第2の実施例におけるテープ状媒体移
送装置の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第2の実施例において動作説明に用い
る信号波形図。
【図6】本発明の第3の実施例におけるテープ状媒体移
送装置の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第3の実施例における、キャプスタン
とテープ状媒体、記録された制御信号の記録位置を示し
た構成図。
【図8】本発明の第3の実施例において動作説明に用い
る信号波形図。
【図9】従来のテープ状媒体移送装置の構成を示すブロ
ック図。
【図10】従来のテープ状媒体移送装置において動作説
明に用いる信号波形図。
【図11】VTR用磁気テープの信号フォーマットを示
したトラック図。
【符号の説明】 1 キャプスタン 2 周波数信号発生器 3 制御信号再生器 6 基準信号発生器 14 加算回路 15 駆動回路 111 速度検出回路 112 速度誤差算出回路 113 第1位相検出回路 114 第2位相検出回路 115,615 発生回数計測回路 116,616 目標位相算出回路 117 位相誤差算出回路 401 第1位相補正回路 402 第2位相補正回路 617 取付位置検出回路 618 位置検出回路 619 メモリ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転によりテープ状媒体を移送するキャ
    プスタンと、 前記キャプスタンの回転に比例し、所定の目標速度では
    外部から供給される基準信号より短い周期の周波数信号
    を発生する周波数信号発生手段と、 前記周波数信号から前記テープ状媒体の移送速度を検出
    する速度検出手段と、 前記速度検出手段の出力と所定の目標速度とから速度誤
    差を算出する速度誤差算出手段と、 前記テープ状媒体上に一定の間隔で記録された制御信号
    を再生する制御信号再生手段と、 前記周波数信号が発生する度に、前記基準信号と前記周
    波数信号との位相を検出する第1の位相検出手段と、 前記制御信号と前記制御信号発生直後の前記周波数信号
    との位相を検出する第2の位相検出手段と、 前記制御信号発生後に前記周波数信号が発生する回数を
    計測する発生回数計測手段と、 前記周波数信号が発生する度に、前記第2の位相検出手
    段の出力と前記発生回数計測手段の出力とから、前記基
    準信号と前記周波数信号との目標位相を算出する目標位
    相算出手段と、 前記第1の位相検出手段の出力と前記目標位相算出手段
    の出力とから位相誤差を算出する位相誤差算出手段と、 前記速度誤差算出手段の出力と前記位相誤差算出手段の
    出力とを加算する加算手段と、 前記加算手段の出力に基づいてキャプスタンを駆動する
    駆動手段とを備えたテープ状媒体移送装置。
  2. 【請求項2】 第1の位相検出手段は、基準信号と周波
    数信号との発生時間差を測定し、測定時間により位相を
    検出し、 第2の位相検出手段は、制御信号と前記制御信号発生直
    後の周波数信号との発生時間差を測定し、測定時間によ
    り位相を検出することを特徴とする請求項1記載のテー
    プ状媒体移送装置。
  3. 【請求項3】 回転によりテープ状媒体を移送するキャ
    プスタンと、 前記キャプスタンの回転に比例し、所定の目標速度では
    外部から供給される基準信号より短い周期の周波数信号
    を発生する周波数信号発生手段と、 前記周波数信号から前記テープ状媒体の移送速度を検出
    する速度検出手段と、 前記速度検出手段の出力と所定の目標速度とから速度誤
    差を算出する速度誤差算出手段と、 前記テープ状媒体上に一定の間隔で記録された制御信号
    を再生する制御信号再生手段と、 前記基準信号と前記周波数信号との発生時間差を測定
    し、測定時間により位相を検出する第1の位相検出手段
    と、 前記速度検出手段の出力に基づいて、前記第1の位相検
    出手段の出力を補正する第1の位相補正手段と、 前記制御信号と前記制御信号発生直後の周波数信号との
    発生時間差を測定し、測定時間により位相を検出する第
    2の位相検出手段と、 前記速度検出手段の出力に基づいて、前記第2の位相検
    出手段の出力を補正する第2の位相補正手段と、 前記制御信号発生後に前記周波数信号が発生する回数を
    計測する発生回数計測手段と、 前記周波数信号が発生する度に、前記第2の位相補正手
    段の出力と前記発生回数計測手段の出力とから、前記基
    準信号と前記周波数信号との目標位相を算出する目標位
    相算出手段と、 前記第1の位相補正手段の出力と前記目標位相算出手段
    の出力とから位相誤差を算出する位相誤差算出手段と、 前記速度誤差算出手段の出力と前記位相誤差算出手段の
    出力とを加算する加算手段と、 前記加算手段の出力に基づいてキャプスタンを駆動する
    駆動手段とを備えたテープ状媒体移送装置。
  4. 【請求項4】 回転によりテープ状媒体を移送するキャ
    プスタンと、 前記キャプスタンの回転に比例し、所定の目標速度では
    外部から供給される基準信号より短い周期の周波数信号
    を発生する周波数信号発生手段と、 前記キャプスタンが1回転する間に1回、位置検出信号
    を発生する位置検出信号発生手段と、 前記周波数信号から前記テープ状媒体の移送速度を検出
    する速度検出手段と、 前記速度検出手段の出力と所定の目標速度とから速度誤
    差を算出する速度誤差算出手段と、 前記テープ状媒体上に一定の間隔で記録された制御信号
    を再生する制御信号再生手段と、 前記基準信号と前記周波数信号との発生時間差を測定
    し、測定時間により位相を検出する第1の位相検出手段
    と、 前記制御信号と前記制御信号発生直後の周波数信号との
    発生時間差を測定し、測定時間により位相を検出する第
    2の位相検出手段と、 前記制御信号発生後に前記周波数信号が発生する回数を
    計測する発生回数計測手段と、 予め、目標速度における前記周波数信号の発生周期を計
    測し、前記周波数信号発生手段の取り付け位置を検出す
    る取付位置検出手段と、 前記周波数信号の発生する度に、前記位置検出信号と前
    記周波数信号に応じて前記キャプスタンの位置を検出す
    る位置検出手段と、 前記取付位置検出手段の出力を前記位置検出手段の出力
    に対応させて記憶し、位相制御時には前記位置検出手段
    の出力と前記発生回数計測手段の出力とに応じて記憶内
    容を出力するメモリと、 前記周波数信号が発生する度に、前記メモリの出力と前
    記第2の位相検出手段の出力とから、前記基準信号と前
    記周波数信号との目標位相を算出する目標位相算出手段
    と、 前記第1の位相検出手段の出力と前記目標位相算出手段
    の出力とから位相誤差を算出する位相誤差算出手段と、 前記速度誤差算出手段の出力と前記位相誤差算出手段の
    出力とを加算する加算手段と、 前記加算手段の出力に基づいてキャプスタンを駆動する
    駆動手段とを備えたテープ状媒体移送装置。
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