JPH0874066A - 無塗装車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金材およびその製造方法 - Google Patents

無塗装車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金材およびその製造方法

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JPH0874066A
JPH0874066A JP21383994A JP21383994A JPH0874066A JP H0874066 A JPH0874066 A JP H0874066A JP 21383994 A JP21383994 A JP 21383994A JP 21383994 A JP21383994 A JP 21383994A JP H0874066 A JPH0874066 A JP H0874066A
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aluminum alloy
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oxide
antifouling
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Tsugumoto Ikeda
貢基 池田
Hiroo Shigeru
博雄 茂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム合金材表面に特定の酸化物皮膜
を形成することにより、従来の洗浄液、洗浄方法、特に
酸性洗浄液において十分な洗浄効果が得られる防汚性の
優れた無塗装車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金
材を提供する。 【構成】 表面にCa、Ba、Mg、Mn、Ni、Co、Znの少なく
とも一種以上の酸化物、またはCa、Ba、Mg、Mn、Ni、C
o、Znの少なくとも一種以上の酸化物とアルミニウム酸
化物とからなる皮膜を有し、皮膜厚が0.01〜5 μm であ
るするアルミニウム合金材である。また、表面に膜厚が
0.01μm 以上のTi、Zrの1種類以上の酸化物、またはT
i、Zrの1種類以上の酸化物とアルミニウム酸化物とか
らなる皮膜を有し、さらに皮膜中にフッ化物を Fとして
1〜50at%含有するアルミニウム合金材である。また、
表面に膜厚が0.01μm 以上のMgの酸化物とアルミニウム
酸化物とからなる皮膜を有し、皮膜中に、硫酸根を Sと
して 1〜5 at%含有するアルミニウム合金材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無塗装で使用される車
両外板用アルミニウム合金材に関し、さらに詳しくは、
使用時に付着する汚れが取れやすい防汚性の優れた無塗
装車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金材およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から車両用外板としては耐食性、美
観などの面からステンレス鋼やアルミニウム合金が汎用
されてきたが、近年、軽量化ニーズが強まる中、アルミ
ニウム合金の適用拡大が検討されている。
【0003】しかし、アルミニウム合金の適用に際して
は、表面の汚染、変色などによる外観変化が大きな問題
となる。そのため、アルミニウム合金製車両外板におい
ては、その対策として各種の塗装が施されることが考え
られるが、塗装外板ではアルミニウム合金自身が有する
元来の金属光沢が失われるばかりでなく、傷などの塗装
欠陥を起点として塗膜の膨れや剥がれが発生し、かえっ
て美観を損なうことが懸念される。
【0004】無塗装車両においては、洗浄液や洗浄方法
からの検討が行われており、例えば、特開昭58-6981 号
公報や特開平5-9765号公報などの酸性洗浄液や、特開昭
58-1078 号公報や特公平4-187788号公報などのアルカリ
性洗浄液が提案されている。
【0005】また、防汚用皮膜としては、厨房器具、暖
房器具などを対象として、アルカリけい酸塩を主成分と
する組成物が特開昭56-93782号公報に提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記洗
浄液や洗浄方法については、実際の施工において多大な
労力を要するわりには効果が少ないばかりでなく、アル
ミニウム合金素材を局部的に腐食させる可能性がある。
また、洗浄液による環境汚染や作業従事者への悪影響が
懸念される。前述した防汚用組成物についても、車両外
板の汚れ成分であるカーボン、有機物、金属粉などに起
因する汚れに対しては防汚効果が少なく適用は困難であ
る。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、アルミニウム合金材表面に特定の
酸化物皮膜を形成することにより、従来の洗浄液、洗浄
方法、特に酸性洗浄液において十分な洗浄効果が得られ
る防汚性の優れた無塗装車両外板用防汚表面処理アルミ
ニウム合金材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1) 表
面にCa、Ba、Mg、Mn、Ni、Co、Znの少なくとも一種以上
の酸化物からなる皮膜を有する無塗装車両外板用防汚表
面処理アルミニウム合金材である。
【0009】(2) 表面にCa、Ba、Mg、Mn、Ni、Co、Znの
少なくとも一種以上の酸化物とアルミニウム酸化物とか
らなる皮膜を有する無塗装車両外板用防汚表面処理アル
ミニウム合金材である。
【0010】(3) 酸化物皮膜の膜厚が0.01〜 5μm であ
る上記(1) または(2) の無塗装車両外板用防汚表面処理
アルミニウム合金材である。
【0011】(4) アルミニウム合金材表面をCa、Ba、M
g、Mn、Ni、Co、Znの少なくとも一種以上のイオンを含
有するpHが 4〜11の水溶液に接触させる上記(3) の無塗
装車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金材の製造方
法である。
【0012】(5) 表面に膜厚が0.01μm 以上のTi、Zrの
1種類以上の酸化物からなる皮膜を有する無塗装車両外
板用防汚表面処理アルミニウム合金材である。
【0013】(6) 表面に膜厚が0.01μm 以上のTi、Zrの
1種類以上の酸化物とアルミニウム酸化物とからなる皮
膜を有する無塗装車両外板用防汚表面処理アルミニウム
合金材である。
【0014】(7) 上記(5) または(6) において、皮膜中
に、さらにフッ化物を Fとして 1〜50at%含有する無塗
装車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金材である。
【0015】(8) 表面に膜厚が0.01μm 以上のMgの酸化
物とアルミニウム酸化物とからなる皮膜を有し、かつ皮
膜中に、硫酸根を Sとして 1〜5 at%含有する無塗装車
両外板用防汚表面処理アルミニウム合金材である。
【0016】(9) アルミニウム合金材表面を、Mgイオン
と硫酸イオンを含有するpHが 6〜9の水溶液に接触させ
る上記(8) の無塗装車両外板用防汚表面処理アルミニウ
ム合金材の製造方法である。
【0017】
【作用】本発明者らは、アルミニウム合金材の防汚性を
改善するため、表面皮膜付与の観点から検討を行った。
その結果、アルミニウム合金材表面にCa、Ba、Mg、Mn、
Ni、Co、Znの少なくとも1種以上の酸化物からなる皮膜
を付与することにより、しゅう酸系など従来の酸性洗浄
液で容易に汚染物質が除去できることを見出した。
【0018】これは、酸性洗浄液での洗浄時に酸化物皮
膜表面が均一にエッチングされることにより付着したカ
ーボン、有機物、金属系などの汚れ物質が容易に除去で
きるものであり、短時間の洗浄で十分な洗浄効果がえら
れるばかりでなく、アルミニウム合金素材の過度のエッ
チングを防止することによって孔食などの腐食を抑え、
長期にわたって初期の美観を維持することができる。
【0019】また、酸化物皮膜中に酸化アルミニウムが
共存する場合には、酸化皮膜の優れた洗浄性と酸化アル
ミニウムの持つ優れた耐食性とが相まって、さらに安定
した防汚効果が達成できる。
【0020】これら酸化皮膜の膜厚が0.01〜 5μm の範
囲、望ましくは 0.1〜 5μm の範囲で優れた防汚性が発
揮でき、0.01μm 未満では被膜が十分とならず十分な防
汚効果は期待できない。皮膜厚の上限については防汚性
の面からは特に規定されるものではないが、 5μm 以上
にしても防汚効果は同程度であり、膜厚の増大にともな
う皮膜の密着性低下を防止する観点から 5μm 以下にす
ることが望ましい。
【0021】本発明に係わる表面処理アルミニウム合金
材を得るための製造方法としては、被処理材であるアル
ミニウム合金材をCa、Ba、Mg、Mn、Ni、Co、Znの少なく
とも一種以上のイオンを含有する水溶液に浸漬処理ある
いはスプレー処理する方法が推奨される。
【0022】その際の水溶液のpHは 4〜11、望ましくは
5〜10に調整することが必要であり、pH4 未満の強酸性
水溶液中やpH11を超える強アルカリ性水溶液中ではアル
ミニウム合金素材が急激な溶解反応を起こし、皮膜成形
が困難なばかりでなく、表面の美観も損なわれる。
【0023】以上のように、本発明に係わる表面処理ア
ルミニウム合金材は優れた防汚性を有し、一定期間使用
後洗浄する際に、洗浄後再度同様の処理を行って皮膜を
形成することによって、長期間にわたって安定した防汚
効果を維持することが可能である。
【0024】本発明者らは、さらに長期防汚性を有する
皮膜について鋭意検討を行った結果、皮膜として特にT
i、Zrの酸化物からなり、かつフッ化物を含有すること
により優れた長期防汚性が達成できることを見出した。
また、短時間で洗浄効果が得られる皮膜構造について鋭
意検討を行った結果、皮膜として特にMg、Alの酸化物か
らなり、かつ硫酸根を含有することにより、より優れた
洗浄性が達成できることを見出した。
【0025】前者の長期防汚性を有する皮膜は、洗浄
時、Ti、Zr酸化物表面の極微量が溶解し、汚れが除去さ
れ、しかも皮膜の長期保持が可能である。また、この皮
膜中の酸化アルミニウムの存在は、素材との密着性を向
上させ、さらにフッ化物の存在は、微量溶解の均一溶解
性を高め、洗浄効果を上げる。
【0026】洗浄効果を上げる皮膜中のフッ化物の量
は、 Fとして 1〜50at%に限定する。その理由は、フッ
化物が 1at%未満では、容易な皮膜溶解が起こりにく
く、50at%を超えると皮膜溶解量が増加して皮膜の長期
保持が若干悪くなるからである。
【0027】この酸化物皮膜の膜厚は、0.01μm 以上、
望ましくは 0.1μm 以上で優れた防汚性が発揮でき、0.
01μm 未満では被覆が十分とならず十分な防汚効果は期
待できないと同時に、長期防汚性の効果も期待できな
い。皮膜厚の上限については、特に規定されるものでは
なく、膜厚が厚いほど長期にわたって防汚効果が発揮で
きる。
【0028】以上のように、長期防汚性を有する本発明
に係わる表面処理アルミニウム合金材は優れた防汚性を
有し、一定期間使用後洗浄する際に、洗浄後再度同様の
皮膜を被覆する必要もなく、長期間にわたって安定した
防汚効果を維持することが可能である。
【0029】後者の短時間で洗浄効果が得られる皮膜
は、Mgが表面の均一なエッチング効果をもたらし、さら
に皮膜中の硫酸根の存在は皮膜自身の酸性洗浄液に対す
る溶解性を高め、より短時間での洗浄効果を上げるもの
と考えられる。
【0030】洗浄効果を上げる皮膜中の硫酸根の量は、
Sとして 1〜5 at%に限定する。その理由は、硫酸根が
1at%未満では、洗浄による皮膜の溶解性が悪く容易な
汚れ除去ができなく、 5at%を超えると均一な皮膜が得
られないからである。
【0031】この酸化物皮膜の膜厚は、0.01μm 以上、
望ましくは 0.1μm 以上で優れた防汚性が発揮でき、0.
01μm 未満では被覆が十分とならず十分な防汚効果は期
待できない。皮膜厚の上限については、特に規定される
ものではないが、本発明皮膜は、洗浄液に完全溶解させ
るものであるため、 1μm 程度で十分である。
【0032】上記の短時間で洗浄効果が得られる皮膜の
製造方法は、被処理材であるアルミニウム合金材をMgイ
オンおよび硫酸イオンを含有する水溶液に浸漬処理ある
いはスプレー処理する方法が推奨される。この時、水溶
液には素材溶解により生じたAlイオンも含有しているが
皮膜形成には何ら問題はない。
【0033】その際の水溶液のpHは 6〜9 、望ましくは
7〜9 に調整することが必要であり、 pH6未満の強酸性
水溶液中や pH9を超える強アルカリ性水溶液中ではアル
ミニウム合金素材が急激な溶解反応を起こし、皮膜形成
が困難なばかりでなく、表面の美観も損なわれる。
【0034】以上のように、短時間で洗浄効果が得られ
る本発明に係わる表面処理アルミニウム合金材は優れた
防汚性を有するが、一定期間使用後洗浄する際に、洗浄
後再度同様の処理を繰り返し行って皮膜を形成すること
によって、長期間にわたって安定した防汚効果を維持す
ることが可能である。
【0035】本発明におけるアルミニウム合金素材とし
ては、Mg、Cu、Si、Zn、Cr、Mn等の1種類以上を合金元
素として含有するアルミニウム合金があげられる。もち
ろん純アルミニウムにも適用可能であるが、耐食性や機
械的性質に優れた汎用性の高いAl-Mg 系合金 (5000系合
金) やAl-Mg-Si系合金 (6000系合金) が推奨される。そ
の形状については、何ら制限を受けるものではなく、板
材はもとより型材、棒材、線材、管材など用途・目的に
応じて種々の形状のものに適用することができる。
【0036】以下、実施例をあげて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制
限を受けるものではない。
【0037】
【実施例】
実施例1 6063アルミニウム合金材料を種々のイオンを含有する水
溶液中に浸漬し、アルミニウム合金材料表面に表1に示
すような皮膜厚の酸化物皮膜を形成した。比較例には無
処理材も加えた。これらの皮膜組成をX線光電子分光分
析法 (XPS)により分析した。その一例として、酸化
ニッケル+酸化アルミニウム皮膜の深さ方向の組成分析
結果を図1に示す。これらの被覆材料の耐汚染性を調査
するために、表面にカーボンブラック、流動パラフィ
ン、牛脂、鉄粉からなる汚染物質を塗布した後、市販の
しゅう酸系洗浄液に5分間浸漬後水洗した。洗浄性は汚
染前に対する洗浄後の明度(L値)変化を色差計で測定
し、以下の基準で評価した。皮膜組成の分析結果および
洗浄性の評価結果を表1に示す。
【0038】 評価基準 L値変化2未満:◎ L値変化5未満:○ L値変化10未満:△ L値変化10以上:×
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、本発明の規定条
件をすべて満たした No.1〜8の本発明例では、いずれ
も優れた防汚性を示している。 No.6については、皮膜
厚が薄めのため若干性能は劣るものの、十分な洗浄効果
を有している。
【0041】これに対して、比較例 No.9〜11は、処理
液pHが本発明の範囲外であるため、被覆層が形成されて
おらず、性能は不十分である。また、 No.12は皮膜厚が
薄いため、 No.13、14は皮膜が酸化アルミニウム単独あ
るいは酸化けい素であるため、洗浄効果は十分とは言え
ない。さらに、 No.15の無処理材は防汚性が極めて劣っ
ている。
【0042】実施例2 6063アルミニウム合金材料をTiイオン、Zrイオン、 Fイ
オンを含有する水溶液中に浸漬し、アルミニウム合金材
料表面に表2に示すような皮膜厚の酸化物皮膜を形成し
た。比較例には無処理材も加えた。これらの皮膜組成を
X線光電子分光分析法 (XPS) により分析した。これ
らの被覆材料の耐汚染性を調査するために、表面にカー
ボンブラック、流動パラフィン、牛脂、鉄粉からなる汚
染物質を塗布した後、市販のしゅう酸系洗浄液に2分間
浸漬後水洗した。洗浄性は汚染前に対する洗浄後の明度
(L値)変化を色差計で測定し、以下の基準で評価し
た。皮膜組成の分析結果および洗浄性の評価結果を表2
に示す。
【0043】 評価基準 L値変化2未満:◎ L値変化5未満:○ L値変化5以上:×
【0044】
【表2】
【0045】表2から明らかなように、本発明の規定条
件をすべて満たした No.1〜6の本発明例では、いずれ
も優れた防汚性を示している。 No.1、2については、
皮膜中の F量が 0%であるため、若干性能は劣るもの
の、十分な洗浄効果を有している。
【0046】これに対して、比較例 No.7〜9は、皮膜
厚が薄く本発明の範囲外であるため、被覆層が十分に形
成されておらず、性能は不十分である。さらに No.10の
無処理材は防汚性が極めて劣っている。
【0047】実施例3 6063アルミニウム合金材料をMgイオン、硫酸イオン、Al
イオンを含有する水溶液中に浸漬し、アルミニウム合金
材料表面に表3に示すような皮膜厚の酸化物皮膜を形成
した。比較例には無処理材も加えた。これらの皮膜組成
をX線光電子分光分析法 (XPS) により分析した。こ
れらの被覆材料の耐汚染性を調査するために、表面にカ
ーボンブラック、流動パラフィン、牛脂、鉄粉からなる
汚染物質を塗布した後、市販のしゅう酸系洗浄液に2分
間浸漬後水洗した。洗浄性は汚染前に対する洗浄後の明
度(L値)変化を色差計で測定し、以下の基準で評価し
た。皮膜組成の分析結果および洗浄性の評価結果を表3
に示す。
【0048】 評価基準 L値変化2未満:◎ L値変化5未満:○ L値変化5以上:×
【0049】
【表3】
【0050】表3から明らかなように、本発明の規定条
件をすべて満たした No.1〜6の本発明例では、いずれ
も優れた防汚性を示している。 No.5、6については、
処理液のpHが規定範囲の限界のため皮膜厚が薄く、若干
性能は劣るものの、十分な洗浄効果を有している。
【0051】これに対して、比較例 No.9、10は、処理
液のpHが本発明の範囲外であるため、被覆層が形成され
ず、性能は不十分である。また、 No.7、8は、硫酸根
が少ないため、容易な皮膜溶解とならず洗浄効果は十分
とはいえない。一方、 No.11は、硫酸根が多いため、均
一な皮膜が形成されず良好な洗浄性は得られなかった。
さらに、 No.12の無処理材は防汚性が極めて劣ってい
る。
【0052】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば、従来の洗浄液、洗浄方法、特に酸性洗
浄液において十分な洗浄効果が得られる防汚性の優れた
無塗装車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金材を提
供することができる。このため、アルミニウム合金材の
車両外板への適用を拡大することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化ニッケル+酸化アルミニウム皮膜の深さ方
向の組成分析結果を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にCa、Ba、Mg、Mn、Ni、Co、Znの少
    なくとも一種以上の酸化物からなる皮膜を有することを
    特徴とする無塗装車両外板用防汚表面処理アルミニウム
    合金材
  2. 【請求項2】 表面にCa、Ba、Mg、Mn、Ni、Co、Znの少
    なくとも一種以上の酸化物とアルミニウム酸化物とから
    なる皮膜を有することを特徴とする無塗装車両外板用防
    汚表面処理アルミニウム合金材
  3. 【請求項3】 酸化物皮膜の膜厚が0.01〜 5μm である
    請求項1または請求項2記載の無塗装車両外板用防汚表
    面処理アルミニウム合金材
  4. 【請求項4】 アルミニウム合金材表面をCa、Ba、Mg、
    Mn、Ni、Co、Znの少なくとも一種以上のイオンを含有す
    るpHが 4〜11の水溶液に接触させることを特徴とする無
    塗装車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金材の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 表面に膜厚が0.01μm 以上のTi、Zrの1
    種類以上の酸化物からなる皮膜を有することを特徴とす
    る無塗装車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金材。
  6. 【請求項6】 表面に膜厚が0.01μm 以上のTi、Zrの1
    種類以上の酸化物とアルミニウム酸化物とからなる皮膜
    を有することを特徴とする無塗装車両外板用防汚表面処
    理アルミニウム合金材。
  7. 【請求項7】 皮膜中に、さらにフッ化物を Fとして 1
    〜50at%含有する請求項5または請求項6記載の無塗装
    車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金材。
  8. 【請求項8】 表面に膜厚が0.01μm 以上のMgの酸化物
    とアルミニウム酸化物とからなる皮膜を有し、かつ皮膜
    中に、硫酸根を Sとして 1〜5 at%含有することを特徴
    とする無塗装車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金
    材。
  9. 【請求項9】 アルミニウム合金材表面を、Mgイオンと
    硫酸イオンを含有するpHが 6〜9 の水溶液に接触させる
    ことを特徴とする請求項8記載の無塗装車両外板用防汚
    表面処理アルミニウム合金材の製造方法。
JP21383994A 1994-06-29 1994-09-07 無塗装車両外板用防汚表面処理アルミニウム合金材およびその製造方法 Withdrawn JPH0874066A (ja)

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