JPH0873752A - 金属様の色彩と天然皮革様の感触を有する組成物およびこれを用いた成形品 - Google Patents

金属様の色彩と天然皮革様の感触を有する組成物およびこれを用いた成形品

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JPH0873752A
JPH0873752A JP22908194A JP22908194A JPH0873752A JP H0873752 A JPH0873752 A JP H0873752A JP 22908194 A JP22908194 A JP 22908194A JP 22908194 A JP22908194 A JP 22908194A JP H0873752 A JPH0873752 A JP H0873752A
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JP
Japan
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weight
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pearlescent pigment
collagen powder
powder
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Application number
JP22908194A
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English (en)
Inventor
Masahiro Okubo
久 保 雅 裕 大
Tetsuo Wada
田 哲 夫 和
Tetsuhiko Yamaguchi
口 哲 彦 山
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シート状物、家具、家庭用電気製品等の表面
に塗布あるいは積層し、これらに金属様の色彩と暖かみ
のあるさらさらした感触を有する組成物を提供する。 【構成】 有機溶剤に可溶性の合成樹脂系バインダー、
コラーゲン粉末および真珠光沢顔料の3種の成分からな
り、基材に塗布または積層することにより、金属様の色
彩を付与し、天然皮革様の優れた感触を付与する組成
物。 【効果】 基材に暖かみのあるソフトでさらさらした感
触を付与する事ができ、さらに表面層に金属様の色彩を
付与する事が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コラーゲン粉末を合成
樹脂系バインダー中に含有する組成物およびこれを用い
た成形品に関し、とくに金属様の色彩と、天然皮革様の
感触を付与するに適した組成物及びこれを用いた成形品
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塩化ビニル、合成皮革等のシート
状製品、あるいは家具、家庭用電気製品等の器物は、高
級化志向に伴い、表面が天然皮革のような外観、感触、
機能等を持つことが要求されることが多くなっている。
この皮革様の外観等を与えるために、古くは、塩化ビニ
ルシートや器物等の基材の表面に、ウレタン樹脂、アク
リル樹脂等の、有機溶剤に可溶性の合成樹脂をバインダ
ーとし、これにシリカ等の無機顔料を艶消し剤として配
合した仕上材を塗布し、さらにはその表面にシボ等の皮
革模様の加工を施すことが行われていた。しかしなが
ら、このような仕上材では、艶、模様等の外観は皮革様
になるが、暖かみ、さらさら感等の感触は皮革とは程遠
いものであった。
【0003】また上記のような無機顔料以外に、有機溶
剤不溶性合成樹脂粉末を添加した組成物も、特に塗料の
分野で現在一般的に用いられており、この場合には、艶
消しの外観と、スエード調の感触を付与することができ
る。さらに弾性を有する樹脂を用いた粉末を添加した場
合には、耐擦り傷性も良好な表面層を得ることができる
(特公昭51−10251号公報参照)。しかし、これ
らの有機溶剤不溶性合成樹脂粉末を添加した組成物を用
いて形成された表面層は、皮革様のソフトフィール感に
劣る感触となり、天然皮革のような外観、感触は発現さ
れない。
【0004】最近になって、これらの要求に対応すべ
く、無機顔料,有機溶剤不溶性合成樹脂粉末の代わり
に、皮革屑を粉砕して得られる皮革繊維粉または皮革粉
を用いた組成物が、自動車内装材料、家具、家庭用電気
製品等に天然皮革に近い性能を付与する塗工材として用
いられている。この皮革粉を用いた皮革様組成物および
皮革様組成物形成方法は、例えば特開昭49−7405
号公報、特開昭63−218286号公報、特開昭63
−236636号公報等に記載されている。
【0005】また動物組織中のコラーゲンを特定の方法
で精製し、耐熱安定化、微粉末化を施したコラーゲン粉
末を用いた組成物も知られている。このコラーゲン粉末
含有組成物を用いて表面層を形成した場合、上記の皮革
粉を用いた組成物に比較して、優れた物性を発現させる
ことができる(特開平3−124800号公報、特開平
3−195800号公報、特開平3−255200号公
報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの皮革粉あるい
はコラーゲン粉末を用いた皮革様組成物は、基材表面に
優れた皮革様外観、暖かみ、さらさら感等の感触を付与
するとともに、優れた艶消し効果を付与できることが明
らかにされている。しかしながら、この艶消し効果は、
塗膜を柔らかくソフトにするほど顕著になるために、被
塗工物に金属様の色彩とソフト感の両者を求めるとき大
きな障害となっていた。
【0007】一般的にこの問題は、合成皮革等の柔らか
いシート状物に塗布するコーティング組成物の場合に
は、柔らかい合成樹脂に真珠光沢顔料あるいはアルミペ
ーストを混合することによりある程度解決することが可
能であるが、プラスチック等の比較的硬い基材上に塗布
する場合にはあまり有効ではなかった。
【0008】本発明の目的は、前述の従来技術の問題点
を解消して、シート状物、家具、家庭用電気製品等の表
面性状もしくは物性の異なる種々の基材の表面に、金属
様の色彩と暖かみ、さらさら感等の感触を付与し、天然
皮革に近い性質を与えることができる組成物および成形
品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに種々検討した結果、コラーゲン粉末と真珠光沢顔料
とを併用し、これを合成樹脂系バインダーに添加混合す
ることにより、金属様の色彩を有し、かつ、暖かみ、さ
らさら感等を有する優れた感触の組成物を得ることがで
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】請求項1記載の本発明の組成物は、有機溶
剤に可溶性の合成樹脂系バインダー、コラーゲン粉末、
および真珠光沢顔料を含有することを特徴とするもので
ある。すなわち本発明の組成物は、合成樹脂系バインダ
ーにコラーゲン粉末および真珠光沢顔料を配合したもの
であり、これにより、この組成物を塗布した基材の表面
に平滑性を与えると共に、暖かみを持たせて、天然皮革
に近い外観および感触を有する表面層を形成するととも
に、表面層の光に対する反射が増大し、被塗工物に真珠
様あるいは金属様の色彩を付与することができる。
【0011】また、請求項2記載の本発明の組成物は、
請求項1記載の真珠光沢顔料が二酸化チタン被覆雲母か
らなることを特徴とするものである。
【0012】さらに、請求項3記載の本発明の組成物
は、請求項1または2記載の真珠光沢顔料が平均粒径5
〜150μm、厚さ0.05〜0.20μmの粉末から
なることを特徴とするものである。
【0013】さらにまた、請求項4記載の本発明の組成
物は、請求項1,2または3記載の組成物において、前
記コラーゲン粉末と前記真珠光沢顔料との配合比が重量
比で20/80〜80/20であり、かつ、コラーゲン
粉末および真珠光沢顔料の合計量が、前記合成樹脂系バ
インダーの固形分100重量部に対して5〜200重量
部であることを特徴とするものである。
【0014】さらにまた、請求項5記載の本発明の組成
物は、請求項1,2,3または4記載の組成物におい
て、前記コラーゲン粉末が、粒子径40μm以下である
粒子の含量が85重量%以上であり、その吸水度が12
0〜300重量%、吸油度が0.70〜4.00ml/
g、見かけかさ比重が0.02〜0.30g/mlであ
ることを特徴とするものである。
【0015】さらにまた、請求項6記載の本発明の成形
品は、請求項1の組成物を、合成樹脂、金属、木材、ま
たは繊維シートからなる基材に塗布あるいは積層するこ
とにより得ることを特徴とするものである。
【0016】本発明に用いるコラーゲン粉末には特に制
限はなく、前述のような従来から公知の皮革粉ならびに
精製コラーゲン粉末を用いることができる。例えば、特
開平3−255200号公報に記載された方法で調製さ
れたものを好適に使用でき、また他の方法によって製造
されたものであっても良い。
【0017】このようなコラーゲン粉末は、動物組織か
ら、精製、安定化処理を経て、微粉化処理が施されてい
る。本発明では、種々のコラーゲン粉末を使用すること
が可能であるが、その効果を最大限に生かした組成物を
得るためには、下記のような物性を持つコラーゲン粉末
を使用することが好ましい。
【0018】すなわち見掛けかさ比重が0.02〜0.
30g/mlであるコラーゲン粉末である。またコラー
ゲン粉末は、その吸水度が120〜300重量%、吸油
度が0.70〜4.00ml/gの高い吸水性と吸油性
をもっているものが好ましい。
【0019】また、本発明の組成物中に配合するコラー
ゲン粉末の最適粒子径は、希望する表面のタッチと、表
面層の膜厚とに応じて変動するので、一義的に規定する
ことはできないが、一般的には、コラーゲン粉末はその
粒子径40μm以下である粒子の含量が85重量%以上
であるものが好適である。粒子径40μm以下である粒
子の含量が85重量%未満であると、表面層が粗くなり
タッチ感が損なわれ、さらさらした平滑感が得られない
等の不都合が生じることがあるからである。なおこの明
細書において、粉末の粒子径及び粒径分布は、レザー回
折法(マイクロトラック−II SRA型(日機装(株)
製)を使用して測定した値で示す。
【0020】また、本発明に用いるコラーゲン粉末の見
掛けかさ比重は、0.02〜0.30g/mlが好まし
い。これは、0.02g/ml未満では、取扱い時に粉
塵がたち易く、かつ合成樹脂バインダー中への分散が困
難になるので好ましくないからである。逆に見掛けかさ
比重が大きくなると、同一重量のコラーゲン粉末が組成
物中に占める体積が減少し、0.30g/mlを超える
と、暖かみ、さらさら感等の感触が著しく低下して好ま
しくないからである。
【0021】さらに、本発明の組成物に配合するコラー
ゲン粉末の吸水度は、120〜300重量%の範囲内が
好適である。これは、吸水度120重量%未満では、組
成物中のコラーゲンに由来する吸水能力が不十分とな
り、人間の手に触れたときのさらさらした感触が減少す
ることがあり、また逆に吸水度が300重量%を超える
と、空気中の水分を過剰に吸収し体積が増加するため、
組成物がひび割れしたり強度が低下する等の不都合が生
じるおそれがあるからである。
【0022】さらにまた、コラーゲン粉末の吸油度は
0.70〜4.00ml/gの範囲が好ましい。これ
は、この範囲のコラーゲン粉末を合成樹脂系バインダー
と混合して使用する場合、合成樹脂系バインダー中にお
いて、コラーゲン粉末が樹脂中の有機溶剤等を吸収して
膨潤し、密度が低下し沈降が抑制され、またコラーゲン
粉末が沈降しても再分散が容易になる効果が顕著になる
ためである。一方、吸油度が0.70ml/g未満の場
合には上記の効果が十分でなく、コラーゲン粉末が沈降
して固まり再分散が困難になることがあるので注意が必
要である。また吸油度が4.00ml/gを超えると、
合成樹脂系バインダー中に混合した組成物の乾燥中に、
コラーゲン粉末が大量の溶剤を放出して収縮するため、
ひび割れや平滑感を失う不都合が生じるおそれがあるた
めである。
【0023】本発明で用いる真珠光沢顔料とは、一般に
二酸化チタン被覆雲母とも呼ばれている無機顔料で、種
々の化学的組成のものがあるが、一例を示すと、TiO
2 (Fe23 )/K2 3 ・Al2 3 ・6SiO2
/2H2 Oの組成式で表され、これは偏平な雲母の表面
を二酸化チタンの膜で被覆した構造をしている。このよ
うな二酸化チタン被覆雲母では、雲母の屈折率が1.5
7で、二酸化チタンの屈折率が2.52(アナタース
型)もしくは2.72(ルチル型)であり、両者に大き
な差があることから、金属様あるいは真珠様の光沢を発
する。また二酸化チタンの被覆した膜厚を調節して、反
射する光の波長を変化させることで、様々な色彩の光沢
を発することができる。
【0024】本発明では、一般に市販されている塗料添
加用真珠光沢顔料のほとんどすべてを使用することがで
きるが、好ましくは、平均粒子径が5〜150μm、厚
さが0.05〜0.20μmの粉末を用いる。これは真
珠光沢顔料の平均粒子径が5μm未満では、取扱い時に
粉塵がたち易く、かつ合成樹脂バインダー中への分散が
困難になるので好ましくなく、150μmを超えると表
面層が粗くなりタッチ感が損なわれ、さらさらした平滑
感が得られない等の不具合が生じるからである。また真
珠光沢顔料の粒子の厚さが0.05μm未満では合成樹
脂バインダー中に分散させる際に、真珠光沢顔料が破砕
され、光沢が減る現象がおこり易くなるために好ましく
なく、0.20μmを超えると組成物中における真珠光
沢顔料の配向が多方向になり、光の一方向への反射によ
る光沢が減少することがおこり易くなるため好ましくな
い。
【0025】二酸化チタンの結晶型には前述のようにル
チル型とアナタース型の2種が有るが、本発明では両種
を使用することができる。また、赤色の色彩を付与する
目的で、二酸化チタンの他、酸化鉄の膜で覆った真珠光
沢顔料も使用することができる。具体的な市販の真珠光
沢顔料としては、イリオジン100シリーズ、イリオジ
ン200シリーズ、イリオジン300シリーズ、イリオ
ジン500シリーズ(以上全て、メルクジャパン(株)
製)、テイカパールTPシリーズ、テイカパールSPシ
リーズ(以上、テイカ(株)製)等が挙げられるが、こ
れ以外のものも使用可能である。
【0026】コラーゲン粉末と真珠光沢顔料との配合比
は、重量比で20/80〜80/20の範囲が好適であ
る。さらに、好ましくは、30/70〜70/30の範
囲である。これは、配合比が20/80未満ではコラー
ゲン粉末の量が少なくなり過ぎ、塗布した基材の表面に
暖かみ、さらさら感等のコラーゲン由来の感触がほとん
ど発現されず好ましくないからである。これらのコラー
ゲン由来の感触をより明確に発現させることを望む場合
には、真珠光沢顔料50重量%に対してコラーゲン粉末
の配合比率を50重量%より多く設定すると好適であ
る。
【0027】また、コラーゲン粉末と真珠光沢顔料との
配合比が80/20を超えると、塗布した基材の表面
の、入射角60度、反射角60度での鏡面光沢度が3.
0以下となり、金属様の色彩が失われることがあるから
である。この金属様の色彩を成形品に十分に発現させる
ためには、真珠光沢顔料の配合比をコラーゲン粉末50
重量%に対して50重量%より多く設定すると好適であ
る。
【0028】ここに言う「金属様の色彩」とは、入射角
60度、反射角60度の鏡面光沢度が3以上のものとし
た。これは、各種金属の入射角60度、反射角60度の
鏡面光沢度が、その表面形状にもよるが、一般には3以
上を示したからである。ここで、鏡面光沢度は、デジタ
ル変角光沢計(UGV−5D、スガ試験機(株)製)を
使用して測定した値で示す。
【0029】また、本発明の組成物中には、ウレタン樹
脂粉末、アクリル樹脂粉末、ナイロン樹脂粉末、フェノ
ール樹脂粉末、ユリア樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、
テフロン樹脂粉末等の、いわゆる有機溶剤不溶性合成樹
脂粉末を添加しても良い。この有機溶剤不溶性合成樹脂
粉末を必要に応じて添加した場合には、組成物を塗布あ
るいは積層した成型品の傷つき性防止効果を向上するこ
とができる。その添加量にとくに制限はないが、有機溶
剤不溶性合成樹脂粉末の添加量は、合成樹脂系バインダ
ーの固形分100重量部に対して5〜200重量部以下
が好ましい。それは、5重量部より少ないと傷つき性防
止の効果が十分でなく、また、200重量部より多いと
組成物の強度が不足し成型品を加工する時にひび割れ等
の不具合がでる可能性があるからである。
【0030】また、添加する有機溶剤不溶性合成樹脂粉
末の粒子径は、これもコラーゲン粉末と同様、表面層の
膜厚と希望する表面のタッチによって選択されるが、一
般的には粒子径64μm以上の粒子を含有しないものが
好適である。尚、粒径分布が正規分布類似である場合、
粒子径64μm以上の粒子を含まない有機溶剤不溶性合
成樹脂粉末の平均粒子径は概ね18μm以下となる。こ
こに、粉末の粒子径及び粒径分布は、レザー回折法にし
がって、マイクロトラック−II SRA型(日機装
(株)製)を使用して測定した値で示したものである。
【0031】本発明に使用される合成樹脂系バインダー
としては、一般的にはウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩
化ビニル樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂が用いられ
る。またこれらの樹脂は組成物の状態で有機溶剤に可溶
性である必要があり、その溶剤としては、たとえばトル
エン、キシレン等の非極性溶剤から、酢酸ブチル、酢酸
エチル、ブチルセロソルブアセテート、MIBK、ME
K、アノン、アセトン等のエステル・ケトン類、ブチル
セロソルブ、ブチルカルビトール、THF等のエーテル
類、エタノール、IPA、ブチルアルコール等のアルコ
ール類、または、DMF、N−メチルピロリドン等の高
沸点溶剤等が挙げられる。さらにはこれらの混合溶剤で
も良い。
【0032】なおこの明細書で、「有機溶剤に可溶性」
とは、上記有機溶剤のいずれか、またはそれらの混合溶
剤に合成樹脂を添加し、良く混合した場合、目視にて均
質な液体の混合物となる状態を意味する。また「組成物
の状態で」の意味は、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の
場合、組成物の状態即ち硬化前の状態では有機溶剤に可
溶性なものの、硬化後の架橋構造が形成された状態で
は、上記有機溶剤には不溶性となる樹脂もあるためであ
る。
【0033】本発明の組成物は、上記の合成樹脂系バイ
ンダーが上記有機溶剤に溶解している状態、あるいは水
に溶解または分散している状態で使用される。コラーゲ
ン粉末と真珠光沢顔料との合計重量は、合成樹脂系バイ
ンダーの固形分100重量部に対して、5〜200重量
部であり、好ましくは20〜150重量部である。これ
は、5重量部より少ない重量部では、入射角60度、反
射角60度での鏡面光沢度が3.0以下となり、金属様
の色彩が失われ、暖かみ、さらさら感等の感触の発現も
不十分となり好ましくないからである。また、200重
量部を超えると、組成物が固く脆くなり、また、組成物
を加工して得た成形品の表面から、コラーゲン粉末や、
真珠光沢顔料の剥離が生じ好ましくないからである。
【0034】なお、これらの成分以外に、従来より使用
されているシリカ等の無機顔料艶消し剤、ポリエチレン
ワックス等の有機艶消し剤、さらには、シリコン樹脂、
アクリルポリマー等のレベリング剤、スリップ剤、ポリ
シロキサンポリマー等の消泡剤、ポリアマイド、ポリカ
ルボン酸、シリコン樹脂、界面活性剤等の沈降防止剤、
分散剤等の種々の添加剤を配合することも可能である。
【0035】本発明の組成物をシート状に加工して積
層、あるいは、シートの表面に塗布することにより、ウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ
樹脂等の合成樹脂、鉄、アルミニウム、あるいはそれら
の合金等の金属、木材、または綿、ナイロン、ポリエス
テル、レーヨン、ビニロン等の繊維の成形物であるシー
ト、家具、家庭用電気製品等の被塗工物に金属様の色彩
をともなう美麗な外観と、人間の手が触れたときに指紋
が付着せず、かつ、暖かみ、さらさら感等の感触を付与
することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を示す。 (実施例1) ・コラーゲン粉末 (トリアゼット CX260−1、昭和電工(株)製) 50重量部 ・真珠光沢顔料(イリオジン 103、メルクジャパン製) 50重量部 を、酢酸ブチル/キシレン/トルエン(比率7/2/
1)の混合シンナー565重量部中に分散させた。使用
されたコラーゲン粉末は、粒子径40μm以下である粒
子の含量が100重量%、吸水度が220重量%、吸油
度が1.13ml/g、見掛けかさ比重が0.17g/
mlのものである。また真珠光沢顔料は、粒子径64μ
m以下の粒子の含量が99重量%以上のものである。
【0037】この分散液中に、 ・ポリウレタン用ポリエステル樹脂 (マイテック UC708、三菱化成(株)製) 143重量部 ・レベリング剤(ペレノール F40、サンノプコ(株)製) 7重量部 ・硬化促進触媒(ジブチルチンジラウレートSTANN BL、三共有機合成(株)製)の1%酢酸ブチル溶液 39重量部 を加え、ペイントコンディショナーを用いて3時間分散
させた。
【0038】さらにこの分散液に、イソシアネート硬化
剤(マイテック NY718T、三菱化成(株)製)9
4重量部を加え、混合後、スプレーで基材であるABS
樹脂板上に塗布を行った。この塗膜を室温で10分間セ
ッティングした後、80℃で30分間乾燥を行い、表面
層を有するABS樹脂板を得た。
【0039】得られた表面層は、入射角60度、反射角
60度での鏡面光沢度が5.0であり、真珠光沢顔料由
来の金属様の銀色の色彩を発現した。またコラーゲン粉
末由来のソフト感と、手で触れた際に指紋の残らないさ
らさらした感触を有するものであった。
【0040】(実施例2) ・コラーゲン粉末 (トリアゼット CX260−1、昭和電工(株)製) 50重量部 ・真珠光沢顔料(イリオジン 153、メルクジャパン製) 50重量部 を、酢酸エチル/酢酸ブチル/メチルイソブチルケトン
/n−ブチルアルコール/プロピレングリコールメチル
エーテルアセテート/シクロヘキサン(比率2/2/1
/2/2/1)の混合シンナー203重量部中に分散さ
せた。使用されたコラーゲン粉末は、粒子径40μm以
下である粒子の含量が100重量%、吸水度が223重
量%、吸油度が1.12ml/g、見掛けかさ比重が
0.17g/mlのものである。また真珠光沢顔料は、
粒子径64μm以下の粒子の含量が99重量%以上のも
のである。
【0041】この分散液中に、 ・アクリル樹脂 (ダイヤナール LR−162、三菱レイヨン(株)製) 374重量部 ・レベリング剤(ペレノール F40、サンノプコ(株)製) 8重量部 を加え、ペイントコンディショナーを用いて9時間分散
させた。
【0042】さらにこの分散液に、上記と同じ組成の混
合シンナー576重量部を加えて混合後、スプレーで基
材であるポリスチロール樹脂板上に塗装を行った。この
塗膜を室温で10分間セッティングした後、60℃で1
0分間乾燥を行い、表面層を有するポリスチロール樹脂
板を得た。
【0043】得られた表面層は、入射角60度、反射角
60度での鏡面光沢度が4.3であり、真珠光沢顔料由
来の金属様の銀色の色彩を発現した。またコラーゲン粉
末由来のソフト感と、手で触れた際に指紋の残らないさ
らさらした感触を有するものであった。
【0044】(実施例3) ・コラーゲン粉末(微粉砕皮革粉) 6重量部 ・真珠光沢顔料(テイカパール TPR−70、テイカ(株)製)6重量部 を、トルエン100重量部およびメチルエチルケトン3
0重量部中に分散させた。使用されたコラーゲン粉末
は、粒子径40μm以下である粒子の含量が100重量
%、吸水度が160重量%であり、吸油度が0.70m
l/gであり、かつ、見掛けかさ比重が0.38g/m
lのものである。
【0045】この分散液に、さらに、ウレタン樹脂(バ
イデルム シーラー OS New(固形分15重量
%)バイエルジャパン(株)製)100重量部を添加
し、ペイントコンディショナーを用いて3時間分散させ
た。
【0046】得られた組成物を100メッシュのグラビ
アコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚が10μmになる
ように基材である合成皮革上に塗布して、80℃で2分
間乾燥を行い、表面層を形成させた合成皮革を得た。
【0047】この合成皮革は、入射角60度、反射角6
0度での鏡面光沢度が3.4であり、真珠光沢顔料由来
の金属様の銀色の色彩を発現した。またコラーゲン粉末
由来のソフト感と、手で触れた際に指紋の残らないさら
さらした感触のを有していた。
【0048】(実施例4) ・コラーゲン粉末 (トリアゼットCX260−1、昭和電工(株)製) 40重量部 ・真珠光沢顔料 (テイカパール TPX−720、テイカ(株)製) 40重量部 ・塩化ビニル樹脂(TK−1300、信越化学工業(株)製)100重量部 ・ジオクチルフタレート 90重量部 からなる組成物を混練し、カレンダー法により0.5m
mのシートとした。使用されたコラーゲン粉末は、粒子
径40μm以下である粒子の含量が100重量%、吸水
度が217重量%、吸油度が1.10ml/g、見掛け
かさ比重が0.16g/mlのものであった。
【0049】得られたシートは、入射角60度、反射角
60度での鏡面光沢度が3.9であった。また真珠光沢
顔料由来の金属様の銀色の色彩を有し、かつコラーゲン
粉末由来のソフト感と、手で触れた際に指紋の残らない
さらさらした感触のものであった。
【0050】(比較例1)実施例1において、真珠光沢
顔料を添加せず、コラーゲン粉末だけを100重量部と
して、実施例1と同様の条件で組成物を調製し、基材に
塗布した。得られた塗膜は、コラーゲン粉末由来のソフ
ト感と、手で触れた際に指紋の残らないさらさらした感
触のものであったが、入射角60度、反射角60度での
鏡面光沢度が0.9である艶消しの外観となり、金属様
の色彩とは異なるものであった。
【0051】(比較例2)実施例1において、コラーゲ
ン粉末を添加せず、真珠光沢顔料だけを100重量部と
して、実施例1と同様の条件で組成物を調製し、基材に
塗布した。得られた塗膜は、入射角60度、反射角60
度での鏡面光沢度が5.2である実施例1より優れた金
属様の色彩を示したものの、コラーゲン粉末由来のソフ
トなさらさらした感触は失われ、手で触れた際に指紋が
付着するという欠点を有していた。
【0052】実施例1〜4、および比較例1,2の塗膜
の風合いおよび金属様色彩を判定した結果を表1に示
す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、合成樹脂バ
インダー中にコラーゲン粉末と真珠光沢顔料とを併用し
たものを添加含有させることによって、それらにソフト
でさらさらした感触を付与することができるとともに金
属様の色彩を付与することができる。
【0055】また、本発明の請求項2または3によれ
ば、真珠光沢顔料として、特定の雲母、または、特定の
平均粒子径および厚さを有するものを用いることによ
り、金属様あるいは真珠様のより優れた光沢を発現させ
ることができ、さらに、反射光の波長を変化させ、様々
の色彩を発現させることができる。
【0056】また、本発明の請求項4によれば、コラー
ゲン粉末と真珠光沢顔料との配合比を特定することによ
り、コラーゲン由来の感触をより明確に発現させ、さら
に真珠光沢顔料由来の金属様の色彩を十分に発現させる
ことができる。
【0057】また、本発明の請求項5によれば、コラー
ゲン粉末の特質を特定することにより、金属様の色彩お
よび暖かみ、さらさら感等の感触の発現を安定させると
ともに塗布後の製品の表面の特性をさらに向上させるこ
とができる。
【0058】また、本発明の請求項6によれば、これら
の組成物を合成樹脂,金属,木材または繊維シート上に
塗布あるいは積層することにより多種の基材の表面に金
属様の色彩および暖かみがあり、さらに、さらさら感等
を付与し、天然皮革に近い性質を有する成形品を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 7/04 Z C08K 3/00 KAA

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤に可溶性の合成樹脂系バインダ
    ー、コラーゲン粉末、および真珠光沢顔料を含有するこ
    とを特徴とする組成物。
  2. 【請求項2】 前記真珠光沢顔料が、二酸化チタン被覆
    雲母であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記真珠光沢顔料は、平均粒子径が5〜
    150μm、厚さが0.05〜0.20μmの粉末から
    なることを特徴とする請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記コラーゲン粉末と前記真珠光沢顔料
    との配合比が重量比で20/80〜80/20であり、
    かつ、コラーゲン粉末および真珠光沢顔料の合計量が、
    前記合成樹脂系バインダーの固形分100重量部に対し
    て5〜200重量部であることを特徴とする請求項1,
    2または3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記コラーゲン粉末が、粒子径40μm
    以下である粒子の含量が85重量%以上であり、その吸
    水度が120〜300重量%、吸油度が0.70〜4.
    00ml/g、見かけかさ比重が0.02〜0.30g
    /mlであることを特徴とする請求項1,2,3または
    4に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1の組成物を、合成樹脂、金属、
    木材、または繊維シートからなる基材に塗布あるいは積
    層することにより得られることを特徴とする成形品。
JP22908194A 1994-08-31 1994-08-31 金属様の色彩と天然皮革様の感触を有する組成物およびこれを用いた成形品 Pending JPH0873752A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1088778C (zh) * 1998-08-07 2002-08-07 艾因兴产株式会社 一种冲击缓冲部件和其制造方法及其所用的填充材料
JP2011153208A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Toppan Printing Co Ltd 真珠光沢顔料を用いたインキ

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1088778C (zh) * 1998-08-07 2002-08-07 艾因兴产株式会社 一种冲击缓冲部件和其制造方法及其所用的填充材料
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