JPH0873422A - 新規アミノ酸エステルおよび白血球、エステラーゼ又はプロテアーゼの検出方法 - Google Patents

新規アミノ酸エステルおよび白血球、エステラーゼ又はプロテアーゼの検出方法

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JPH0873422A
JPH0873422A JP6214040A JP21404094A JPH0873422A JP H0873422 A JPH0873422 A JP H0873422A JP 6214040 A JP6214040 A JP 6214040A JP 21404094 A JP21404094 A JP 21404094A JP H0873422 A JPH0873422 A JP H0873422A
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JP
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group
amino acid
acid ester
esterase
protease
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Application number
JP6214040A
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English (en)
Inventor
Toshihisa Inoue
敏久 井上
Hideko Kosaka
秀子 小坂
Yuji Yagi
雄次 八木
Kazuo Achinami
一雄 阿知波
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Arkray Inc
Original Assignee
KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式:X−Z−CH2−O−A−Bまたは
X'−(CH2)n−Z−CH2−O−A−B [式中、Zは
酸素原子又は硫黄原子、Xは脂肪族炭化水素基、X'は
置換又は不置換の芳香族基又は複素環基若しくは炭化珪
素基、Aはアミノ酸又はペプチド化合物から誘導される
基、Bは基A中のアミノ基の保護基、nは0〜8の整数
を示す。]で表されるアミノ酸エステル。このアミノ酸
エステルは、液体試料中の白血球、エステラーゼ又はプ
ロテアーゼの検出に用いることができる。 【効果】 このアミノ酸エステルを白血球、エステラー
ゼ又はプロテアーゼに作用させるとホルムアルデヒドが
発生する。このホルムアルデヒドを検出することによ
り、白血球、エステラーゼ又はプロテアーゼを検出でき
るので、測定の自由度が増す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なアミノ酸エステ
ル、及び該アミノ酸エステルを使用する液体試料、特に
尿中の白血球、エステラーゼ又はプロテアーゼを検出す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】腎臓及び泌尿生殖器の疾病を診断する場
合、尿中白血球の検出・測定は非常に重要である。従
来、尿中白血球の検出は、顕微鏡と血球測定板とを用
い、一定量の尿中に含まれる白血球の数を数えて行って
いた。しかし、顕微鏡により白血球数を数える方法は、
作業量が多いために時間がかかる上に、熟練者でなけれ
ば精度の高い計数が行えるとは言い難い。
【0003】顕微鏡による計数に代わる簡便且つ精度の
良い方法として、白血球中に存在する「エステル分解活
性」や、「蛋白質分解活性」を利用した方法が開発され
た。 例えば、特公昭61−45982号公報に記載の方法で
は、基質として置換フェノキシ−アミノ酸エステルを用
い、白血球の作用で遊離した置換フェノールをジアゾニ
ウム塩により検出する。特公昭62−41710号公報
に記載の方法では、基質として5−フェニルピロールア
ミノ酸エステルを用い、白血球の作用で遊離した5−フ
ェニルピロールをジアゾニウム塩により検出する。特公
平2−43480号公報に記載の方法では、基質として
インドキシルアミノ酸エステルを用い、遊離したインド
キシルをジアゾニウム塩により検出している。
【0004】上記の特許公報に記載の方法はいずれも、
尿中白血球中に存在する「エステル分解活性」や、「蛋
白質分解活性」を利用しているが、上記方法に用いられ
ている各基質類はいずれも非常に高価であり、また、遊
離してきた物質が、ジアゾニウム塩や分光光度計によっ
てのみ検出可能であるので、検出手段の自由度が限られ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、液体試料中の白血球、エステラーゼ又はプロテアー
ゼを検出するため、白血球、エステラーゼ又はプロテア
ーゼによって加水分解を受けて、検出可能な物質を遊離
させる基質として有用な新規なアミノ酸エステルを提供
することである。本発明の第2の目的は、そのような新
規アミノ酸エステルを基質として使用する、白血球、エ
ステラーゼ又はプロテアーゼの検出方法を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、一般式: X−Z−CH2−O−A−B (I) または X'−(CH2)n−Z−CH2−O−A−B (II) [式中、Zは酸素原子又は硫黄原子、Xは脂肪族炭化水
素基、X'は置換又は不置換の芳香族基又は複素環基若
しくは炭化珪素基、Aはアミノ酸又はペプチド化合物か
ら誘導される基、Bは基A中のアミノ基の保護基を示
す。]で表されるアミノ酸エステル、及びpH7.0〜
8.5のアルカリ性緩衝液の存在下、白血球、エステラ
ーゼ又はプロテアーゼを含む液体試料に、該アミノ酸エ
ステルを作用させ、発生したホルムアルデヒドを検出す
ることを特徴とする白血球、エステラーゼ又はプロテア
ーゼの検出方法を提供する。また、本方法では、検出す
るホルムアルデヒドを、既知濃度のホルムアルデヒドと
発色の程度を比較することにより比色定量することが可
能である。
【0007】式(I)及び(II)中、基Xの脂肪族炭化
水素基は、一般に1〜18個、好ましくは1〜8個の炭
素原子を有しており、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基などの基が挙げられる。
【0008】基X'の芳香族基又は複素環基の例として
は、フェニル基、ベンジル基、ピリジン基、ナフチル基
などが挙げられる。また、これらの基は、置換基により
置換されていてもよく、置換基の例としては、炭素数1
〜4の直鎖又は分岐アルキル基、アルコキシ基、フェニ
ル基、ニトロ基、スルホン基、N−アシルアミノ基、
N,N−ジアルキルアミノ基が挙げられる。
【0009】炭化珪素基の例としては、(2ークロロメ
トキシエチル)−トリメチルシランが挙げられる。
【0010】基Aは、アミノ酸又はペプチド化合物から
誘導され、それらのカルボン酸部分において、−CH2
−O−の酸素原子とエステル結合を形成している。アミ
ノ酸の例としては、L−アラニン、L−ロイシン、フェ
ニルアラニン、バリン、イソロイシンが挙げられ、ペプ
チド化合物としては上記のアミノ酸が2〜10個結合し
たオリゴペプチドが好ましく、例としてはL−アラニル
L−ロイシン等が挙げられる。
【0011】アミノ酸の保護基としては従来既知のもの
がいずれも使用できるが、好ましい保護基の例は、アセ
チル基、t−ブトキシカルボニル(BOC)基、トシル
基、カルボベンゾキシ(CBZ)基、1−ジメチルアミ
ノナフタレン−5−スルホニル(ダンシル)基である。
【0012】本発明のアミノ酸エチルを白血球を含む液
体試料に作用させると、まず、式中の「O−A」部分の
エステル結合が、白血球のエステラーゼ活性により加水
分解され、「X−Z−CH2−OH」又は「X'−(C
2)n−Z−CH2−OH」と「HOOC−A'−B」
(−OC−A'=−A)とに分解される。次に、アルカ
リ性緩衝液の作用でアルカリ性条件下にすることで、
「X−Z−CH2−OH」又は「X'−(CH2)n−Z−C
2−OH」の「Z−CH2」部分の結合が切られる。そ
うして、「X−Z−H」又は「X'−(CH2)n−Z−
H」と「H−CHO」が遊離し、この「H−CHO」
(ホルムアルデヒド、ホルマリン)を検出する。
【0013】アルカリ性緩衝液としては、クラーク−ラ
ブス(Clark−Lubs)緩衝液、マッキルベイン(Mcllvai
ne)緩衝液、セーレンセン(Sorensen)緩衝液、コルトフ
(Kolthoff)緩衝液などが例示できる。このアルカリ性
緩衝液は、白血球の酵素的反応や、エステラーゼ、プロ
テアーゼの活性を促進する働きもある。
【0014】ホルマリンの検出は、様々な既知の方法で
行なえる。現在知られているホルマリンの検出方法とし
ては、エミッヒ(Emich)法、ナッシュ(Nash)法、
グリオキシム法、エチレンジアミン法、ジメドン法、リ
ミニ(Rimini)法、卵白鉄反応法、AOAC法(クロ
モトープ法、H22法及びKCN法)、亜硫酸ナトリウ
ム法、ジニトロフェニルヒドラゾン重量法、MBTH
法、ハンツシュ(Hantzsch)反応法、DABA蛍光
法、DTAN蛍光法、DAN蛍光法、フクシン亜硫酸塩
法、4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−
1,2,4−トリアゾール法、ペンタシアノアミン鉄塩−
硫化水素法、プロピオンアルデヒド(3−フェニル−2
−キノキザリニル)ヒドラゾン法、アゾベンゼン−p−フ
ェニルヒドラジンスルホン酸法、2,3−ジメチル−2,
3−ビス(ヒドロキシアミノ)ブタン法、ヒドロキシアミ
ン塩酸塩試験法、p−フェニレンジアミンH22法、銀
鏡反応法、アンジェリ(Angeli)反応法、ネスラー試
薬法、テトラゾリウム塩試験法。感度の大小はあるもの
の、これらのいずれのホルマリン検出方法も、試料の状
態及び目的に応じて使用できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0016】アミノ酸エステルの合成 実施例1 N−トシル−L−アラニンの合成
【化1】
【0017】L−アラニン11.5gを1N水酸化ナト
リウム溶液260mlに溶解し、5℃以下に冷却した。溶
液を撹拌しながら、p−トルエンスルホニルクロリド2
5.0gをトルエン60mlに溶解した溶液を、5℃以上
にならないように徐々に加え、室温下20時間撹拌し
た。反応液を水層とトルエン層とに分離し、水層を冷却
しながら5N HClによりpH1.0にし、析出した白
色結晶を濾取し、水洗して乾燥した。
【0018】
【化2】
【0019】N-トシル-L-アラニルオキシメチルエチ
ルエーテルの合成
【化3】
【0020】ジメチルホルムアミド30mlに、N−トシ
ル−L−アラニン2.5g及びトリエチルアミン1.1g
を加えて、30分撹拌した後、氷冷し、窒素気流下、ク
ロロメチルエチルエーテル1.0gを滴下し、室温下1
8時間撹拌した。反応液にクロロホルム100mlを加
え、水、飽和重曹水、飽和食塩水により順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、酢酸エチル−
シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して目的
物を得た。
【0021】IR(neat) 3622(NH)、1744(C
O)1 H−NMR(CDCl3):1.71(t、CH2CH3 )、
1.40(d、CCH3)2.40(s、トシル基のMe)、
3.55(q、C 2CH3)、4.01(q、C−Me)、
5.15(d、CH2)、5.65(d、CH2)、7.28、
7.30、7.74、7.76(Ph).13 C−NMR:14.9(CH 23)、19.7(CH
CH3 )、21.5(トシル基のMe)、51.5(H−
Me)、66.2(2CH3)、90.2(CH2)、12
7.2、129.7、136.9、143.6、(P
h)、171.9(C=O).
【0022】
【化4】
【0023】実施例2 N-トシル-L-アラニルオキシメチルメチルスルフィド
の合成
【化5】
【0024】ジメチルホルムアミド30mlに、N−ト
シル−L−アラニン2.5g及びトリエチルアミン1.
1gを加え、30分撹拌した後、氷冷し、窒素気流下、
クロロメチルメチルスルフィド1.0gを滴下し、室温
下18時間撹拌した。反応液にクロロホルム100mlを
加え、水、飽和重曹水、飽和食塩水により順次洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、酢酸エチル
−シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して目
的物を得た。融点15.2〜15.8℃(常温で液
体)。
【0025】
【化6】
【0026】実施例3 N−トシル-L-アラニルオキシメチルフェニルスルフィ
ドの合成
【化7】
【0027】ジメチルホルムアミド30mlに、N−ト
シル−L−アラニン2.5g及びトリエチルアミン1.
1gを加え、30分撹拌した後、氷冷し、窒素気流下、ク
ロロメチルメチルスルフィド1.6gを滴下し、室温下
18時間撹拌した。反応液にクロロホルム100mlを加
え、水、飽和重曹水、飽和食塩水により順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、酢酸エチル−
シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して目的
物を得た。
【0028】IR(neat) 3280(NH)、1806(C
O)1 H−NMR(CDCl3):1.55(d、CH−CH3 )、
2.45(s、トシル基のMe)、3.99(q、C−M
e)、5.27(d、CH2)、5.36(d、CH2)、7.2
2−7.80(Ph、m、9H).13 C−NMR:16.8(CH−CH3 )、21.7(トシ
ル基のMe)、53.0(H−Me)、78.4(CH2)、
127.7、129.0、129.1、129.7、1
30.5、131.5、132.5、145.5(Ph、
トシル)、172.3(C=O).
【0029】
【化8】
【0030】実施例4 N−トシル-L-アラニルオキシメチルベンジルエーテル
の合成
【化9】 ジメチルホルムアミド30mlに、N−トシル−L−アラ
ニン2.5g及びトリエチルアミン1.1gを加え、30
分撹拌した後、氷冷し、窒素気流下、クロロメチルベン
ジルエーテル1.6gを滴下し、室温下18時間撹拌し
た。反応液にクロロホルム100mlを加え、水、飽和重
曹水、飽和食塩水により順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧濃縮し、酢酸エチル−シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィにより精製して目的物を得た。
【0031】IR(neat) 3554(NH)、1802(C
O)1 H−NMR(CDCl3):1.35(d、CH−CH3 )、
2.34(s、トシル基のMe)、4.00(q、C−M
e)、4.55(CH2)、5.20(CH2)、7.24−
7.76(Ph、m、9H).13 C−NMR:19.6(CH−CH3 )、21.5(トシ
ル基のMe)、52.9(H−Me)、72.0、89.
4(CH2)、127.2、127.6、127.8、1
28.1、128.5、129.7、130.5、13
6.5(Ph、トシル)、171.8(C=O).
【0032】
【化10】
【0033】実施例5 N−トシル−L−バリンの合成
【化11】 L−バリン15.2gを1N水酸化ナトリウム溶液26
0mlに溶解し、5℃以下に冷却した。溶液を撹拌しなが
ら、p−トルエンスルホンニルクロリド25.0gをトル
エン60mlに溶解した溶液を、5℃以上にならないよう
に徐々に加え、室温下20時間撹拌した。反応液を、水
層とトルエン層とに分離し、水層を冷却しながら5N
HClによりpH1.0にし、析出した白色結晶を濾取
し、水洗して乾燥した。
【0034】
【化12】
【0035】N-トシル-L-バリルオキシメチルベンジ
ルエーテルの合成
【化13】 ジメチルホルムアミド30mlに、N−トシル−L−バリ
ン2.7g及びトリエチルアミン1.1gを加え、30分
撹拌した後、氷冷し、窒素気流下、クロロメチルベンジ
ルエーテル1.6gを滴下し、室温下18時間撹拌し
た。反応液にクロロホルム100mlを加え、水、飽和重
曹水、飽和食塩水により順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧濃縮し、酢酸エチル−シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィにより精製して目的物を得た。融点
73.8〜75.2℃。
【0036】
【化14】
【0037】実施例6 N−トシル−L−ロイシル−L−アラニンの合成
【化15】
【0038】L−ロイシン−L−アラニン20.2gを
1N水酸化ナトリウム溶液260mlに溶解し、5℃以下
に冷却した。溶液を撹拌しながら、p−トルエンスルホ
ンニルクロリド25.0gをトルエン60mlに溶解した
溶液を、5℃以上にならないように徐々に加え、室温下
20時間撹拌した。反応液を、水層とトルエン層とに分
離し、水層を冷却しながら5N HClによりpH1.0
にし、析出した白色結晶を濾取し、水洗して乾燥した。
【0039】
【化16】
【0040】N-トシル-L-ロイシル-L-アラニルオキ
シメチルベンジルエーテルの合成
【化17】 ジメチルホルムアミド30mlに、N−トシル−L−ロイ
シル−L−アラニン3.2g及びトリエチルアミン1.
1gを加え、30分撹拌した後、氷冷し、窒素気流下、
クロロメチルベンジルエーテル1.6gを滴下し、室温
下18時間撹拌した。 反応液にクロロホルム100mlを加え、水、飽和重曹
水、飽和食塩水により順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、減圧濃縮し、酢酸エチル−シリカゲルカラム
クロマトグラフィにより精製して目的物を得た。融点7
4.5〜75.8℃。
【0041】
【化18】
【0042】実施例7 クロロメタンスルホン酸ナトリウムの合成 :二口フラス
コにメチレンクロライド19.4g、エタノール88c
c、水32ccを加え、攪拌下、還流加熱した。水32cc
に亜硫酸ナトリウム8.8gを溶解した液を、シリンジ
にて注入した。24時間反応後、反応液を、エバポレー
タにて濃縮し、白色結晶を得た。さらに、エタノール5
00ccを加え、2時間攪拌下、還流加熱した。熱時瀘過
し、瀘液をエバポレータにて濃縮し、白色結晶クロロメ
タンスルホン酸ナトリウム(2.5g)を得た。
【0043】フェノキシメタンスルホン酸ナトリウムの
合成:ナスフラスコに、フェノール470mg、NaOH
400mg、水400mgを加え撹拌する。その後クロロメ
タンスルホン酸ナトリウム870mgを加え、2時間20
0度にて還流加熱した。反応後、ベンゼンを加え濃縮し
白色結晶を得た。真空ポンプにて完全に水分を除去し、
フェノキシメタンスルホン酸ナトリウム(1100mg)
を得た。
【0044】フェノキシメチルクロリドの合成:ナスフ
ラスコに、フェノキシメタンスルホン酸ナトリウム25
0mg、PCl5495mgを加え撹拌した。1時間室温下反
応後、POCl3をエバポレートにて除去し、さらに、真
空ポンプにて完全にPOCl3を除去した。乾燥メチルク
ロリトリを加え、結晶を瀘去し、瀘液を減圧下、濃縮
し、フェノキシメチルクロリド(180mg)を得た。
【0045】N−トシル−L−アラニン(486mg)の
ジメチルホルムアミド溶液に、アルゴン気流下、攪拌
下、氷冷下にて、60%油性水素下ナトリウム(124
mg)を加えた。30分攪拌後、氷冷下、フェノルキシメ
チルクロリド(284mg)を滴下し室温下18時間撹拌
した。反応液に酢酸を加え中和後、メチルクロリトリに
て希釈後、水、飽和重曹水、飽和食塩水にて洗い、硫酸
マグネシウムで乾燥した。 メチルクロリトリを減圧濃縮し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィ(酢酸エチル)より精製して下記化合物
を得た。
【0046】
【化19】
【0047】IR(neat) 3228(NH)、1801(C
O)1 H−NMR(CDCl3):1.35(d、CH−CH3 )、
2.37(s、トシル基のMe)、4.03(q、C−M
e)、5.60(dd、CH2)、6.91−7.93(Ph、
m、9H).13 C−NMR:19.6(CH−CH3)、21.5(トシ
ル基のMe)、51.4(H−Me)、86.6(CH2)、
123.1、127.0、129.3、129.6、1
34.5、146.1、156.4、165.4(Ph、
tosyl)、171.3(C=O).
【0048】実施例8 ホリマリン検出用試薬の調製 ホルマリン検出方法としてフクシン亜硫酸塩法を採用す
るホルマリン検出試薬用試薬(以下、「フクシン試薬」
と言う。)を以下の通り調製した。塩基性フクシン0.
2gを蒸留水150mlに加熱溶解し、冷却後、無水亜硫
酸ナトリウム2.0gを蒸留水20mlに溶解したものを
加え、10分間撹拌した後、濃塩酸2.0mlを加えて、
更に30分間撹拌した。この溶液に活性炭を加えて瀘過
し、透明なフクシン亜硫酸塩水溶液を得た。この溶液の
pHを水酸化ナトリウムで7.6に調整し、全量を水に
より200mlとした。
【0049】アルカリ性緩衝液の調製 Na247・10H2O 0.997gを100mlの蒸留
水に溶解したものに、0.1N HCl47.8mlを加え
て、全量を水により200mlとした。pHは7.6であ
った。この緩衝液を、以下「ボレート緩衝液」と言う。
【0050】化合物溶液の調製(以下、「基質溶液」と
言う。) 実施例1〜6で調製した各化合物10μモルをメタノー
ル1.0mlに溶かし、これをボレート緩衝液2mlに溶か
し、更にボレート緩衝液を加えて正確に10mlにした。
【0051】白血球、エステラーゼ又はプロテアーゼ溶
液の調製(以下、「試料溶液」と言う。) ・白血球溶液:ボレート緩衝液中白血球200個/μl ・エステラーゼ溶液:ボレート緩衝液中ズブチリシン3
0mg/l ・プロテアーゼ溶液:ボレート緩衝液中プロティナーゼ
K30mg/l
【0052】対照用ホルマリン溶液の調製 ホルマリン濃度が、ボレート緩衝液中100ppmになる
様に調製した。
【0053】活性測定方法 試験管にボレート緩衝液1.26mlと基質溶液0.70
mlを入れ、十分に 混合し、5分間37℃の恒温槽に入
れた。ここへ、試料溶液0.02mlを加えて十分に混合
し、3分後フクシン溶液0.02mlを加えて撹拌し、3
0秒後に 色相を比較した。対照試験は、上記試料溶液
の代わりに対照用ホルマリン溶液0.02mlを加える以
外は、同様の手順で行った。結果を表1に示す
【0054】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 阿知波 一雄 静岡県静岡市上沓谷町15−5

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: X−Z−CH2−O−A−B (I) または X'−(CH2)n−Z−CH2−O−A−B (II) [式中、Zは酸素原子又は硫黄原子、Xは脂肪族炭化水
    素基、X'は置換又は不置換の芳香族基又は複素環基若
    しくは炭化珪素基、Aはアミノ酸又はペプチド化合物か
    ら誘導される基、Bは基A中のアミノ基の保護基、nは
    0〜8の整数を示す。]で表されるアミノ酸エステル。
  2. 【請求項2】 基X'の置換基が、炭素数1〜4の直鎖
    又は分岐アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ニト
    ロ基、スルホン基、N−アシルアミノ基又はN,N−ジ
    アルキルアミノ基である請求項1に記載のアミノ酸エス
    テル。
  3. 【請求項3】 pH7.0〜8.5のアルカリ性緩衝液
    の存在下、白血球、エステラーゼ又はプロテアーゼを含
    む液体試料に、請求項1又は2に記載のアミノ酸エステ
    ルを作用させ、発生したホルムアルデヒドを検出するこ
    とを特徴とする白血球、エステラーゼ又はプロテアーゼ
    の検出方法。
JP6214040A 1994-09-07 1994-09-07 新規アミノ酸エステルおよび白血球、エステラーゼ又はプロテアーゼの検出方法 Pending JPH0873422A (ja)

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