JPH087170B2 - コンクリート等の断熱温度上昇試験装置 - Google Patents
コンクリート等の断熱温度上昇試験装置Info
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- JPH087170B2 JPH087170B2 JP4172451A JP17245192A JPH087170B2 JP H087170 B2 JPH087170 B2 JP H087170B2 JP 4172451 A JP4172451 A JP 4172451A JP 17245192 A JP17245192 A JP 17245192A JP H087170 B2 JPH087170 B2 JP H087170B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート、モルタ
ル等の断熱温度上昇試験装置、特に熱媒ジャケット方式
の断熱温度上昇試験装置に関するものである。
ル等の断熱温度上昇試験装置、特に熱媒ジャケット方式
の断熱温度上昇試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のコンクリート等の断熱温度上昇試
験装置を大別すると、供試体を断熱状態に維持するため
の熱媒の種類(空気、水、あるいは油)、供試体の寸
法、供試体周囲の断熱材の有無、断熱状態の制御方法、
温度を検出するための物理量によって大まかに分類でき
るが、試験装置によって断熱温度上昇量が異なる。
験装置を大別すると、供試体を断熱状態に維持するため
の熱媒の種類(空気、水、あるいは油)、供試体の寸
法、供試体周囲の断熱材の有無、断熱状態の制御方法、
温度を検出するための物理量によって大まかに分類でき
るが、試験装置によって断熱温度上昇量が異なる。
【0003】断熱温度上昇量が異なる原因として、以下
の3点が考えられた。 供試体を断熱状態に維持するための供試体周囲の温度
分布にムラがある。 供試体の温度を測定するセンサー、計測器の精度によ
り、わずかな測定誤差が生じても、試験期間が比較的長
期にわたるため、その誤差が蓄積されて最終温度上昇量
に大きな差が生じる。 供試体の温度は発熱量が多い場合には100℃以上に
も達するが、その過程の供試体の温度変化に対して周囲
の熱媒温度が正確に追随できず、誤差が蓄積されて最終
温度上昇量に大きな差が生じる。 そこで、以上の問題点を解決するために『熱媒ジャケッ
ト方式』のコンクリートの断熱温度上昇試験装置を開発
した(特願昭60−151366号)。
の3点が考えられた。 供試体を断熱状態に維持するための供試体周囲の温度
分布にムラがある。 供試体の温度を測定するセンサー、計測器の精度によ
り、わずかな測定誤差が生じても、試験期間が比較的長
期にわたるため、その誤差が蓄積されて最終温度上昇量
に大きな差が生じる。 供試体の温度は発熱量が多い場合には100℃以上に
も達するが、その過程の供試体の温度変化に対して周囲
の熱媒温度が正確に追随できず、誤差が蓄積されて最終
温度上昇量に大きな差が生じる。 そこで、以上の問題点を解決するために『熱媒ジャケッ
ト方式』のコンクリートの断熱温度上昇試験装置を開発
した(特願昭60−151366号)。
【0004】この装置は、図3に示すように、外形状が
略直方体に形成され、外周壁を二重壁面で囲繞し、その
二重壁の間に断熱材が充填され、二重壁面の内側に形成
された空間には供試体1を格納する熱媒ジャケット3を
内設した試験槽2と、配管により接続され、加熱装置4
および冷却装置5を備えて試験槽内に複数設けられた温
度計6a,6cの測定結果に基づき温度調節しながらポ
ンプ7により熱媒体を熱媒ジャケット3へ循環させる熱
媒循環装置12と、供試体1および熱媒体を温度計測し
て温度制御する制御部13とからなる。
略直方体に形成され、外周壁を二重壁面で囲繞し、その
二重壁の間に断熱材が充填され、二重壁面の内側に形成
された空間には供試体1を格納する熱媒ジャケット3を
内設した試験槽2と、配管により接続され、加熱装置4
および冷却装置5を備えて試験槽内に複数設けられた温
度計6a,6cの測定結果に基づき温度調節しながらポ
ンプ7により熱媒体を熱媒ジャケット3へ循環させる熱
媒循環装置12と、供試体1および熱媒体を温度計測し
て温度制御する制御部13とからなる。
【0005】制御部13では、試料温度計6aおよび熱
媒ジャケット温度計6cにより温度測定し、その測定値
をアナログ変換器21,22により電圧値に変換し、試
料温度計6aの結果を中心温度表示計23に表示し、変
化率演算装置24に入力して中心温度の変化を求めると
ともに、その結果と熱媒ジャケット温度計6cの結果と
から、熱媒温度制御装置25が予測された試料中心温度
変化率に基づき熱媒温度上昇が供試体1の中心温度の上
昇に遅れないように熱媒の温度制御を行い、また同時
に、記録計26によって供試体1の中心温度および熱媒
ジャケット3の温度を記録させる。
媒ジャケット温度計6cにより温度測定し、その測定値
をアナログ変換器21,22により電圧値に変換し、試
料温度計6aの結果を中心温度表示計23に表示し、変
化率演算装置24に入力して中心温度の変化を求めると
ともに、その結果と熱媒ジャケット温度計6cの結果と
から、熱媒温度制御装置25が予測された試料中心温度
変化率に基づき熱媒温度上昇が供試体1の中心温度の上
昇に遅れないように熱媒の温度制御を行い、また同時
に、記録計26によって供試体1の中心温度および熱媒
ジャケット3の温度を記録させる。
【0006】熱媒温度制御装置25による制御は、サイ
リスタ27を制御して、熱媒温度をコンクリート等の供
試体1の中心温度と一致するように加熱装置4によって
熱媒温度を上げさせるか、駆動装置28により駆動され
た冷却装置5によって熱媒温度を下げるかして制御させ
る。この温度制御において、予め設定した温度に保持す
る定値運転をさせるには、切換スイッチ29を操作して
熱媒温度制御装置25に定値運転の指示を与えることに
よって行う。
リスタ27を制御して、熱媒温度をコンクリート等の供
試体1の中心温度と一致するように加熱装置4によって
熱媒温度を上げさせるか、駆動装置28により駆動され
た冷却装置5によって熱媒温度を下げるかして制御させ
る。この温度制御において、予め設定した温度に保持す
る定値運転をさせるには、切換スイッチ29を操作して
熱媒温度制御装置25に定値運転の指示を与えることに
よって行う。
【0007】この『熱媒ジャケット方式』の断熱温度上
昇試験装置は、以下のような特長を有しており、試験開
始から2週間程度の測定期間において、実構造物の温度
上昇をほぼ正確に(±1.0℃以内)追随できるもので
あった。
昇試験装置は、以下のような特長を有しており、試験開
始から2週間程度の測定期間において、実構造物の温度
上昇をほぼ正確に(±1.0℃以内)追随できるもので
あった。
【0008】供試体1の全周囲面に対して熱媒を均等
に循環させているため温度分布が非常に良好である。 試供体1に対向する熱媒ジャケット3の内面はステン
レス鏡面仕上げになっており、放射率が低く熱が逃げに
くい構造である。 空気循環式に比べ熱媒の比熱が大きいため熱伝達が確
実で安定している。 供試体1と熱媒ジャケット3との間は密着状態に近
く、断熱材等を入れていないため供試体1の温度の急速
な変化に対しても熱伝達が素早く行われている。 供試体1と熱媒ジャケット3との温度測定系(温度計
6a、アナログ変換器21、変化率演算装置24、およ
び温度計6c,アナログ変換器22、および熱媒温度制
御装置25)は超高分解能で温度差を検出し、制御演算
を行っているので、供試体1に対する熱媒ジャケット3
の温度の追従性は素早く、かつ正確である。
に循環させているため温度分布が非常に良好である。 試供体1に対向する熱媒ジャケット3の内面はステン
レス鏡面仕上げになっており、放射率が低く熱が逃げに
くい構造である。 空気循環式に比べ熱媒の比熱が大きいため熱伝達が確
実で安定している。 供試体1と熱媒ジャケット3との間は密着状態に近
く、断熱材等を入れていないため供試体1の温度の急速
な変化に対しても熱伝達が素早く行われている。 供試体1と熱媒ジャケット3との温度測定系(温度計
6a、アナログ変換器21、変化率演算装置24、およ
び温度計6c,アナログ変換器22、および熱媒温度制
御装置25)は超高分解能で温度差を検出し、制御演算
を行っているので、供試体1に対する熱媒ジャケット3
の温度の追従性は素早く、かつ正確である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今日の
ようにコンクリート構造物が大型化し、しかも急速施工
が多くなると、温度ひび割れ防止のために、水硬性のス
ラグおよびポゾラン物質のフライアッシュ等の混和材料
を多量に含む超低発熱型セメントが広く用いられるよう
になってきた。
ようにコンクリート構造物が大型化し、しかも急速施工
が多くなると、温度ひび割れ防止のために、水硬性のス
ラグおよびポゾラン物質のフライアッシュ等の混和材料
を多量に含む超低発熱型セメントが広く用いられるよう
になってきた。
【0010】この超低発熱セメントは、発熱量が少ない
ばかりでなく、その水和反応が極めて緩慢で、長期にわ
たり継続するため、コンクリートの断熱温度上昇量を1
ケ月以上の長期間継続して測定することが必要になる。
このようなコンクリートの断熱温度上昇量を長期にわた
り測定する場合では、試験装置の周囲の雰囲気温度が変
化しても温度制御が乱れることなく、計測系および制御
系を高精度に安定化させる必要があり、さらに、試験装
置の雰囲気温度が供試体周囲の熱媒ジャケット温度に与
える影響を極力取り除いて、供試体からの熱の漏れをほ
ぼ完全に防ぐ必要がある等の問題点が生じていた。
ばかりでなく、その水和反応が極めて緩慢で、長期にわ
たり継続するため、コンクリートの断熱温度上昇量を1
ケ月以上の長期間継続して測定することが必要になる。
このようなコンクリートの断熱温度上昇量を長期にわた
り測定する場合では、試験装置の周囲の雰囲気温度が変
化しても温度制御が乱れることなく、計測系および制御
系を高精度に安定化させる必要があり、さらに、試験装
置の雰囲気温度が供試体周囲の熱媒ジャケット温度に与
える影響を極力取り除いて、供試体からの熱の漏れをほ
ぼ完全に防ぐ必要がある等の問題点が生じていた。
【0011】本発明は、従来の技術における上記問題点
を解消するため、長期にわたる試験において、環境条件
の変化に影響されず、試験装置周囲の雰囲気温度が変化
した場合でも計測制御系の温度制御や供試体周囲の熱媒
ジャケット温度が影響されず、しかも供試体からの熱漏
れが防止できるコンクリート等の断熱温度上昇試験装置
を提供するものである。
を解消するため、長期にわたる試験において、環境条件
の変化に影響されず、試験装置周囲の雰囲気温度が変化
した場合でも計測制御系の温度制御や供試体周囲の熱媒
ジャケット温度が影響されず、しかも供試体からの熱漏
れが防止できるコンクリート等の断熱温度上昇試験装置
を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、図1の実施例装置に例示するように、コンクリート
等の断熱温度上昇試験装置を構成する。
に、図1の実施例装置に例示するように、コンクリート
等の断熱温度上昇試験装置を構成する。
【0013】この断熱温度上昇試験装置は、供試体
(1)の中心温度に追随させた温度の熱媒体を循環させ
る熱媒ジャケット(3)を内設した試験槽(2)を備え
た断熱温度上昇試験装置であって、前記試験槽(2)の
外部を断熱壁面(31a)により熱媒体循環可能かつ断
熱可能に囲繞した断熱室(31)と、前記断熱壁面(3
1a)の内部を供試体中心温度に追随させた熱媒体によ
り温度制御して規定温度範囲内に保持する温度調節手段
(34)とを備えたことを特徴とする。そして、この断
熱温度上昇試験装置は、前記規定温度範囲を供試体中心
温度の±0.5 ℃とすることを特徴とすることが望まし
い。
(1)の中心温度に追随させた温度の熱媒体を循環させ
る熱媒ジャケット(3)を内設した試験槽(2)を備え
た断熱温度上昇試験装置であって、前記試験槽(2)の
外部を断熱壁面(31a)により熱媒体循環可能かつ断
熱可能に囲繞した断熱室(31)と、前記断熱壁面(3
1a)の内部を供試体中心温度に追随させた熱媒体によ
り温度制御して規定温度範囲内に保持する温度調節手段
(34)とを備えたことを特徴とする。そして、この断
熱温度上昇試験装置は、前記規定温度範囲を供試体中心
温度の±0.5 ℃とすることを特徴とすることが望まし
い。
【0014】また、この断熱温度上昇試験装置は、供試
体(1)の中心温度に追随させた温度の熱媒体を循環さ
せる熱媒ジャケット(3)を内設した試験槽(2)を備
えた断熱温度上昇試験装置であって、前記試験槽(2)
の外部を断熱壁面(31a)により熱媒体循環可能かつ
断熱可能に囲繞した断熱室(31)と、前記断熱壁面
(31a)の内部を供試体中心温度に追随させた熱媒体
により温度制御して規定温度範囲内に保持する温度調節
手段(34)と、供試体中心温度と熱媒ジャケット温度
を測定し、この測定結果を記録するとともに測定結果に
基づき温度制御を行う温度制御手段(33a)と、この
温度制御手段(33a)を断熱壁面(33b)により囲
繞した計測制御室(33)と、前記断熱壁面(33b)
の内部を前記断熱室(31)とは独立に、かつ略一定温
度に保持する温度調節手段(36)とを備えたことを特
徴とする。そして、この断熱温度上昇試験装置は、前記
規定温度範囲を供試体中心温度の±0.5 ℃とするととも
に前記略一定温度を20±1 ℃とすることを特徴とするこ
とが望ましい。
体(1)の中心温度に追随させた温度の熱媒体を循環さ
せる熱媒ジャケット(3)を内設した試験槽(2)を備
えた断熱温度上昇試験装置であって、前記試験槽(2)
の外部を断熱壁面(31a)により熱媒体循環可能かつ
断熱可能に囲繞した断熱室(31)と、前記断熱壁面
(31a)の内部を供試体中心温度に追随させた熱媒体
により温度制御して規定温度範囲内に保持する温度調節
手段(34)と、供試体中心温度と熱媒ジャケット温度
を測定し、この測定結果を記録するとともに測定結果に
基づき温度制御を行う温度制御手段(33a)と、この
温度制御手段(33a)を断熱壁面(33b)により囲
繞した計測制御室(33)と、前記断熱壁面(33b)
の内部を前記断熱室(31)とは独立に、かつ略一定温
度に保持する温度調節手段(36)とを備えたことを特
徴とする。そして、この断熱温度上昇試験装置は、前記
規定温度範囲を供試体中心温度の±0.5 ℃とするととも
に前記略一定温度を20±1 ℃とすることを特徴とするこ
とが望ましい。
【0015】さらにまた、この断熱温度上昇試験装置
は、供試体(1)の中心温度に追随させた温度の熱媒体
を循環させる熱媒ジャケット(3)を内設した試験槽
(2)を備えた断熱温度上昇試験装置であって、前記試
験槽(2)の外部を断熱壁面(31a)により熱媒体循
環可能かつ断熱可能に囲繞した断熱室(31)と、前記
熱媒ジャケット(3)の内部に流れる熱媒体を供試体中
心温度に追随させるように温度調節する温度調節手段
(H1,C1,P,32a)を密閉容器(32b)に封
入した熱媒制御部(32)と、前記断熱壁面(31a)
の内部を供試体中心温度に追随させた熱媒体により温度
制御して規定温度範囲内に保持する温度調節手段(3
4)と、前記供試体中心温度と前記温度調節手段(3
4)の内部温度とに基づき前記温度調節手段(34)を
制御する温度制御手段(TIC2)を密閉容器(35
a)に封入した断熱室空調制御部(35)と、供試体中
心温度と熱媒ジャケット温度を測定し、この測定温度を
記録するとともに測定結果に基づき温度調節を行う温度
調節手段(33a)と、この温度調節手段(33a)を
断熱壁面(33b)により囲繞した計測制御室(33)
と、前記断熱壁面(33b)の内部を前記断熱室(3
1)とは独立に、かつ略一定温度に保持する温度調節手
段(36)とを備えたことを特徴とする。そして、この
断熱温度上昇試験装置は、前記略一定温度を20±1 ℃に
するとともに、前記規定温度範囲を供試体中心温度の±
0.5 ℃以内にすることを特徴とすることが望ましい。
は、供試体(1)の中心温度に追随させた温度の熱媒体
を循環させる熱媒ジャケット(3)を内設した試験槽
(2)を備えた断熱温度上昇試験装置であって、前記試
験槽(2)の外部を断熱壁面(31a)により熱媒体循
環可能かつ断熱可能に囲繞した断熱室(31)と、前記
熱媒ジャケット(3)の内部に流れる熱媒体を供試体中
心温度に追随させるように温度調節する温度調節手段
(H1,C1,P,32a)を密閉容器(32b)に封
入した熱媒制御部(32)と、前記断熱壁面(31a)
の内部を供試体中心温度に追随させた熱媒体により温度
制御して規定温度範囲内に保持する温度調節手段(3
4)と、前記供試体中心温度と前記温度調節手段(3
4)の内部温度とに基づき前記温度調節手段(34)を
制御する温度制御手段(TIC2)を密閉容器(35
a)に封入した断熱室空調制御部(35)と、供試体中
心温度と熱媒ジャケット温度を測定し、この測定温度を
記録するとともに測定結果に基づき温度調節を行う温度
調節手段(33a)と、この温度調節手段(33a)を
断熱壁面(33b)により囲繞した計測制御室(33)
と、前記断熱壁面(33b)の内部を前記断熱室(3
1)とは独立に、かつ略一定温度に保持する温度調節手
段(36)とを備えたことを特徴とする。そして、この
断熱温度上昇試験装置は、前記略一定温度を20±1 ℃に
するとともに、前記規定温度範囲を供試体中心温度の±
0.5 ℃以内にすることを特徴とすることが望ましい。
【0016】
【作用】このように発明を構成したことによって、この
断熱温度上昇試験装置は、試験槽(2)が供試体(1)
の中心温度に追随させた温度の熱媒体を循環させる熱媒
ジャケット(3)によって断熱状態に保持されるばかり
か、断熱室(31)内が断熱壁面(31a)により熱媒
体循環可能かつ断熱可能に囲繞されて、試験槽(2)の
外部を断熱状態に保持し、温度調節手段(34)が断熱
壁面(31a)の内部の熱媒体を供試体中心温度に追随
させるように温度制御して規定温度範囲内に保持させ、
環境温度の変化に影響されずに、コンクリートの水和反
応熱による温度上昇量を長期間精度良く計測できるよう
にする。そして、この断熱温度上昇試験装置は、断熱壁
面(31a)の内部を規定温度範囲の供試体中心温度の
±0.5 ℃以内に維持し供試体温度を正確に測定し易くし
て、長期間にわたり供試体の温度上昇を正確に測定させ
ることができるようにする。
断熱温度上昇試験装置は、試験槽(2)が供試体(1)
の中心温度に追随させた温度の熱媒体を循環させる熱媒
ジャケット(3)によって断熱状態に保持されるばかり
か、断熱室(31)内が断熱壁面(31a)により熱媒
体循環可能かつ断熱可能に囲繞されて、試験槽(2)の
外部を断熱状態に保持し、温度調節手段(34)が断熱
壁面(31a)の内部の熱媒体を供試体中心温度に追随
させるように温度制御して規定温度範囲内に保持させ、
環境温度の変化に影響されずに、コンクリートの水和反
応熱による温度上昇量を長期間精度良く計測できるよう
にする。そして、この断熱温度上昇試験装置は、断熱壁
面(31a)の内部を規定温度範囲の供試体中心温度の
±0.5 ℃以内に維持し供試体温度を正確に測定し易くし
て、長期間にわたり供試体の温度上昇を正確に測定させ
ることができるようにする。
【0017】また、この断熱温度上昇試験装置は、熱媒
ジャケット(3)に供試体(1)の中心温度に追随させ
た熱媒体を循環させて試験槽(2)を断熱状態にすると
ともに、温度調節手段(34)により供試体中心温度に
追随させるように熱媒体を温度制御して断熱壁面(31
a)の内部を規定温度範囲内に保持し、さらに、温度調
節手段(36)により断熱室(31)とは独立にかつ略
一定温度に保持された計測制御室(33)の断熱壁面
(33b)により囲繞された温度制御手段(33a)が
供試体(1)の温度測定結果を記録するとともに、この
測定結果に基づき熱媒体の温度制御を行い、長期間にわ
たり精度良くコンクリートの断熱温度上昇量を計測す
る。そして、この断熱温度上昇試験装置は、前記規定温
度範囲を供試体中心温度の±0.5 ℃とするとともに前記
略一定温度を20±1 ℃とすることにより、長期間にわた
り正確に断熱温度上昇量を測定させることができるよう
にする。
ジャケット(3)に供試体(1)の中心温度に追随させ
た熱媒体を循環させて試験槽(2)を断熱状態にすると
ともに、温度調節手段(34)により供試体中心温度に
追随させるように熱媒体を温度制御して断熱壁面(31
a)の内部を規定温度範囲内に保持し、さらに、温度調
節手段(36)により断熱室(31)とは独立にかつ略
一定温度に保持された計測制御室(33)の断熱壁面
(33b)により囲繞された温度制御手段(33a)が
供試体(1)の温度測定結果を記録するとともに、この
測定結果に基づき熱媒体の温度制御を行い、長期間にわ
たり精度良くコンクリートの断熱温度上昇量を計測す
る。そして、この断熱温度上昇試験装置は、前記規定温
度範囲を供試体中心温度の±0.5 ℃とするとともに前記
略一定温度を20±1 ℃とすることにより、長期間にわた
り正確に断熱温度上昇量を測定させることができるよう
にする。
【0018】さらにまた、この断熱温度上昇試験装置
は、温度調節手段(36)により外部環境の影響を受け
ない一定な環境条件に保持された計測制御室(33)で
温度調節手段(33a)が各部を正確に制御し、熱媒制
御部(32)によって熱媒体を供試体中心温度に追随さ
せるように温度制御した熱媒ジャケット(3)により試
験槽(2)が断熱状態に維持され、密閉容器(35a)
に封入された温度制御手段(TIC2)が一定条件のも
とで温度調節手段(34)を制御し、温度調節手段(3
4)によって温度制御された断熱室(31)により試験
槽(2)の外部が断熱状態を維持することにより、試験
槽(2)の断熱状態を高精度で維持し、数カ月にわたる
長期間であってもコンクリート等の断熱温度上昇量を正
確に測定させる。
は、温度調節手段(36)により外部環境の影響を受け
ない一定な環境条件に保持された計測制御室(33)で
温度調節手段(33a)が各部を正確に制御し、熱媒制
御部(32)によって熱媒体を供試体中心温度に追随さ
せるように温度制御した熱媒ジャケット(3)により試
験槽(2)が断熱状態に維持され、密閉容器(35a)
に封入された温度制御手段(TIC2)が一定条件のも
とで温度調節手段(34)を制御し、温度調節手段(3
4)によって温度制御された断熱室(31)により試験
槽(2)の外部が断熱状態を維持することにより、試験
槽(2)の断熱状態を高精度で維持し、数カ月にわたる
長期間であってもコンクリート等の断熱温度上昇量を正
確に測定させる。
【0019】そして、この断熱温度上昇試験装置は、計
測制御室(33)の内部を20±1 ℃の略一定温度にする
とともに、断熱室(31)の断熱壁面(31a)を供試
体中心温度の±0.5 ℃以内の規定温度範囲にすることに
より、正確に温度管理された環境条件のもとで、数カ月
におよぶ長期間にわたり、断熱温度上昇量を精度良く測
定することができるようにする。
測制御室(33)の内部を20±1 ℃の略一定温度にする
とともに、断熱室(31)の断熱壁面(31a)を供試
体中心温度の±0.5 ℃以内の規定温度範囲にすることに
より、正確に温度管理された環境条件のもとで、数カ月
におよぶ長期間にわたり、断熱温度上昇量を精度良く測
定することができるようにする。
【0020】
【実施例】図1に示すように、熱媒ジャケット方式のコ
ンクリートの断熱温度上昇試験装置は、一定温度に保持
して供試体1を格納しておく断熱室31と、熱媒ジャケ
ット3内の熱媒体を温度調節して循環させる熱媒制御部
32と、供試体1および熱媒ジャケット3の温度を測定
して各制御部へ制御信号を送出する計測制御室33と、
断熱室31の室温を一定に保持するように室内の空気温
度を調節して循環させる断熱室空調部34と、断熱室空
調部34の空気温度および計測制御部33aからの制御
信号を基にして断熱室31へ循環させる空気温度を調節
する断熱室空調制御部35と、計測制御室33の恒温室
内を一定の温度に保持するため温度調節した空気を送風
する計測制御室空調部36とからなる。
ンクリートの断熱温度上昇試験装置は、一定温度に保持
して供試体1を格納しておく断熱室31と、熱媒ジャケ
ット3内の熱媒体を温度調節して循環させる熱媒制御部
32と、供試体1および熱媒ジャケット3の温度を測定
して各制御部へ制御信号を送出する計測制御室33と、
断熱室31の室温を一定に保持するように室内の空気温
度を調節して循環させる断熱室空調部34と、断熱室空
調部34の空気温度および計測制御部33aからの制御
信号を基にして断熱室31へ循環させる空気温度を調節
する断熱室空調制御部35と、計測制御室33の恒温室
内を一定の温度に保持するため温度調節した空気を送風
する計測制御室空調部36とからなる。
【0021】断熱室31は、試験槽2の外周面を一定の
間隙を設けて取り巻く断熱壁面31aによって形成され
ていて、この断熱室31の内部へ一定温度に調節された
空気を送風し、熱媒ジャケット3と合わせて二重の温度
調節構造を備えた格納容器を形成する。断熱室31内
は、雰囲気温度を供試体中心温度に対して規定温度範囲
(±0.5 ℃)以内に維持するように制御し、環境条件に
よる熱媒ジャケット温度への影響を極力取り除くように
する。
間隙を設けて取り巻く断熱壁面31aによって形成され
ていて、この断熱室31の内部へ一定温度に調節された
空気を送風し、熱媒ジャケット3と合わせて二重の温度
調節構造を備えた格納容器を形成する。断熱室31内
は、雰囲気温度を供試体中心温度に対して規定温度範囲
(±0.5 ℃)以内に維持するように制御し、環境条件に
よる熱媒ジャケット温度への影響を極力取り除くように
する。
【0022】熱媒制御部32は、熱媒ジャケット3に熱
媒体を温度調節して循環させる制御装置全体(加熱装置
(H1)、冷却装置(C1)、ポンプ(P)、熱交換器
を内蔵した熱媒タンク32a)が、環境条件の変化を受
けないように、密閉容器32bに封入した構造を有す
る。計測制御室33は、装置各部が環境条件の変化に影
響されないように、試料温度計(TI)、ジャケット温
度調節計(TIC1)、遅れ補正演算器(RC)、およ
びフロッピディスクレコーダ(FDR)等を有する制御
盤33a全体を、断熱壁面33bにより形成された空調
付き恒温室33cに収容する構造を有する。この空調付
き恒温室33cは、断熱温度上昇試験時に室内温度を一
定温度(20±1℃)に保持されるように制御し、温度
系の計測制御機器における動作の安定性を向上させる。
媒体を温度調節して循環させる制御装置全体(加熱装置
(H1)、冷却装置(C1)、ポンプ(P)、熱交換器
を内蔵した熱媒タンク32a)が、環境条件の変化を受
けないように、密閉容器32bに封入した構造を有す
る。計測制御室33は、装置各部が環境条件の変化に影
響されないように、試料温度計(TI)、ジャケット温
度調節計(TIC1)、遅れ補正演算器(RC)、およ
びフロッピディスクレコーダ(FDR)等を有する制御
盤33a全体を、断熱壁面33bにより形成された空調
付き恒温室33cに収容する構造を有する。この空調付
き恒温室33cは、断熱温度上昇試験時に室内温度を一
定温度(20±1℃)に保持されるように制御し、温度
系の計測制御機器における動作の安定性を向上させる。
【0023】断熱室空調部34は、断熱室31内へ送風
する空気の温度を調節する加熱装置(H2)と冷却装置
(C2)の熱交換器34a,34b、および空気を循環
させるブロア34cを収容した空調装置本体34dの外
壁面に断熱材を外装して環境条件の影響を排除した構造
を有する。断熱室空調制御部35は、吹出し温度調節計
(TIC2)が、環境条件の変化を受けないように、密
閉容器に封入した構造を有する。計測制御室空調部36
は、計測制御室33の恒温室33c内の空気を循環させ
るとともに温度調節する小型の空調装置であって、計測
制御室33の壁面に取り付けて使用する形式の構造を有
する。
する空気の温度を調節する加熱装置(H2)と冷却装置
(C2)の熱交換器34a,34b、および空気を循環
させるブロア34cを収容した空調装置本体34dの外
壁面に断熱材を外装して環境条件の影響を排除した構造
を有する。断熱室空調制御部35は、吹出し温度調節計
(TIC2)が、環境条件の変化を受けないように、密
閉容器に封入した構造を有する。計測制御室空調部36
は、計測制御室33の恒温室33c内の空気を循環させ
るとともに温度調節する小型の空調装置であって、計測
制御室33の壁面に取り付けて使用する形式の構造を有
する。
【0024】〔実施例の作用〕実施例装置による断熱温
度上昇試験時には、断熱室31に供試体1を格納した試
験槽2を格納し、断熱室空調制御部35を作動させて、
断熱室31を一定温度に保持させる。計測制御部33a
では、試料温度計(TI)およびジャケット温度調節計
(TIC1)によって供試体1および熱媒ジャケット3
の温度を測定しフロッピディスクレコーダ(FDR)に
記録し、そして、断熱空調制御部35に供試体中心温度
の測定結果を送信するとともに、遅れ補正演算器(R
C)によって熱媒ジャケット補正温度を算出して熱媒制
御部32に制御信号を送信する。
度上昇試験時には、断熱室31に供試体1を格納した試
験槽2を格納し、断熱室空調制御部35を作動させて、
断熱室31を一定温度に保持させる。計測制御部33a
では、試料温度計(TI)およびジャケット温度調節計
(TIC1)によって供試体1および熱媒ジャケット3
の温度を測定しフロッピディスクレコーダ(FDR)に
記録し、そして、断熱空調制御部35に供試体中心温度
の測定結果を送信するとともに、遅れ補正演算器(R
C)によって熱媒ジャケット補正温度を算出して熱媒制
御部32に制御信号を送信する。
【0025】断熱室空調制御部35では、計測制御部3
3aからの測定温度と断熱室空調部34内の測定温度に
基づき断熱室空調部34へ制御信号を送信して、断熱室
31内へ送風する空気の温度を調節し、常時、断熱室3
1の雰囲気温度を供試体中心温度に対して規定温度範囲
(±0.5 ℃)以内に維持させる。熱媒制御部32では、
計測制御部33aからの制御信号に基づき、熱媒ジャケ
ット3内を循環させる熱媒体を温度調節し、熱媒ジャケ
ット3内が時間遅れを伴うことなく供試体中心温度と一
致するように制御する。
3aからの測定温度と断熱室空調部34内の測定温度に
基づき断熱室空調部34へ制御信号を送信して、断熱室
31内へ送風する空気の温度を調節し、常時、断熱室3
1の雰囲気温度を供試体中心温度に対して規定温度範囲
(±0.5 ℃)以内に維持させる。熱媒制御部32では、
計測制御部33aからの制御信号に基づき、熱媒ジャケ
ット3内を循環させる熱媒体を温度調節し、熱媒ジャケ
ット3内が時間遅れを伴うことなく供試体中心温度と一
致するように制御する。
【0026】各制御部へ測定結果および制御信号を送出
する計測制御室33では、予め計測制御室空調部36を
作動させて温度調節した空気を送風しておき、計測制御
室33の室内を一定の温度(20±1℃)に保持させ
る。
する計測制御室33では、予め計測制御室空調部36を
作動させて温度調節した空気を送風しておき、計測制御
室33の室内を一定の温度(20±1℃)に保持させ
る。
【0027】〔実施例の効果〕このような装置によるコ
ンクリートの温度上昇を測定する試験が安定しているこ
とを確認するために、表1に示す配合のコンクリートに
関して行った断熱温度上昇試験の結果を、表2〜4なら
びに図2に示す。この試験の結果、試験開始後3ケ月ま
での長期間にわたるコンクリートの断熱温度上昇量が、
安定的に得られている。
ンクリートの温度上昇を測定する試験が安定しているこ
とを確認するために、表1に示す配合のコンクリートに
関して行った断熱温度上昇試験の結果を、表2〜4なら
びに図2に示す。この試験の結果、試験開始後3ケ月ま
での長期間にわたるコンクリートの断熱温度上昇量が、
安定的に得られている。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明による断熱温度上昇
試験装置では、試験槽(2)が供試体(1)の中心温度
に追随させた温度の熱媒体を循環させる熱媒ジャケット
(3)によって断熱状態に保持されるばかりか、断熱室
(31)内が断熱壁面(31a)により熱媒体循環可能
かつ断熱可能に囲繞されて、試験槽(2)の外部を断熱
状態に保持し、温度調節手段(34)が断熱壁面(31
a)の内部の熱媒体を供試体中心温度に追随させるよう
に温度制御して規定温度範囲内に保持させることができ
るようにしたことによって、供試体温度が環境条件の影
響を受けることなく安定に温度変化することができ、長
期間のコンクリート等の水和反応熱による温度上昇量
を、環境温度の変化に影響されずに、長期間精度良く計
測でき、数カ月にわたる測定においても正確な値を得る
ことができる。そして、この断熱温度上昇試験装置で
は、断熱壁面(31a)の内部を規定温度範囲の供試体
中心温度の±0.5 ℃以内に維持できることにより、環境
温度の変化に影響されずに、供試体温度の変化を反映さ
せ、この変化を正確に測定でき、長期間にわたる供試体
の温度上昇を正確に測定することができる。
試験装置では、試験槽(2)が供試体(1)の中心温度
に追随させた温度の熱媒体を循環させる熱媒ジャケット
(3)によって断熱状態に保持されるばかりか、断熱室
(31)内が断熱壁面(31a)により熱媒体循環可能
かつ断熱可能に囲繞されて、試験槽(2)の外部を断熱
状態に保持し、温度調節手段(34)が断熱壁面(31
a)の内部の熱媒体を供試体中心温度に追随させるよう
に温度制御して規定温度範囲内に保持させることができ
るようにしたことによって、供試体温度が環境条件の影
響を受けることなく安定に温度変化することができ、長
期間のコンクリート等の水和反応熱による温度上昇量
を、環境温度の変化に影響されずに、長期間精度良く計
測でき、数カ月にわたる測定においても正確な値を得る
ことができる。そして、この断熱温度上昇試験装置で
は、断熱壁面(31a)の内部を規定温度範囲の供試体
中心温度の±0.5 ℃以内に維持できることにより、環境
温度の変化に影響されずに、供試体温度の変化を反映さ
せ、この変化を正確に測定でき、長期間にわたる供試体
の温度上昇を正確に測定することができる。
【0033】また、この断熱温度上昇試験装置では、熱
媒ジャケット(3)に供試体(1)の中心温度に追随さ
せた熱媒体を循環させて試験槽(2)を断熱状態にする
とともに、温度調節手段(34)により供試体中心温度
に追随させるように熱媒体を温度制御して断熱壁面(3
1a)の内部を規定温度範囲内に保持することができ、
さらに、温度調節手段(36)により断熱室(31)と
は独立にかつ略一定温度に保持された計測制御室(3
3)の断熱壁面(33b)により囲繞された温度制御手
段(33a)が供試体(1)の温度測定結果を記録する
とともに、この測定結果に基づき熱媒体の温度制御を行
うことができるようにしたことによって、供試体温度が
環境条件の影響を受けることなく安定に温度変化するこ
とができ、しかも一定条件に管理された計測制御により
熱媒体の温度制御ができ、長期間のコンクリート等の水
和反応熱による温度上昇量を、環境温度の変化に影響さ
れずに、長期間精度良く計測して正確な値を得ることが
できる。そして、この断熱温度上昇試験装置では、断熱
室(31)の断熱壁面(31a)の内部を供試体中心温
度の±0.5 ℃の規定温度範囲にできるとともに計測制御
室(33)の断熱壁面(33b)の内部を20±1 ℃の略
一定温度にできるため、環境条件の影響を受けずに温度
測定が正確にできるとともにこの正確な測定値に基づき
温度制御を安定良くできて、長期間にわたり正確に断熱
温度上昇量を測定することができる。
媒ジャケット(3)に供試体(1)の中心温度に追随さ
せた熱媒体を循環させて試験槽(2)を断熱状態にする
とともに、温度調節手段(34)により供試体中心温度
に追随させるように熱媒体を温度制御して断熱壁面(3
1a)の内部を規定温度範囲内に保持することができ、
さらに、温度調節手段(36)により断熱室(31)と
は独立にかつ略一定温度に保持された計測制御室(3
3)の断熱壁面(33b)により囲繞された温度制御手
段(33a)が供試体(1)の温度測定結果を記録する
とともに、この測定結果に基づき熱媒体の温度制御を行
うことができるようにしたことによって、供試体温度が
環境条件の影響を受けることなく安定に温度変化するこ
とができ、しかも一定条件に管理された計測制御により
熱媒体の温度制御ができ、長期間のコンクリート等の水
和反応熱による温度上昇量を、環境温度の変化に影響さ
れずに、長期間精度良く計測して正確な値を得ることが
できる。そして、この断熱温度上昇試験装置では、断熱
室(31)の断熱壁面(31a)の内部を供試体中心温
度の±0.5 ℃の規定温度範囲にできるとともに計測制御
室(33)の断熱壁面(33b)の内部を20±1 ℃の略
一定温度にできるため、環境条件の影響を受けずに温度
測定が正確にできるとともにこの正確な測定値に基づき
温度制御を安定良くできて、長期間にわたり正確に断熱
温度上昇量を測定することができる。
【0034】さらにまた、この断熱温度上昇試験装置で
は、温度調節手段(36)により外部環境の影響を受け
ない一定な環境条件に保持された計測制御室(33)で
温度調節手段(33a)が各部を正確に制御でき、熱媒
制御部(32)によって熱媒体を供試体中心温度に追随
させるように温度制御した熱媒ジャケット(3)により
試験槽(2)が断熱状態に維持でき、密閉容器(35
a)に封入された温度制御手段(TIC2)が一定条件
のもとで温度調節手段(34)を制御し、温度調節手段
(34)によって温度制御された断熱室(31)により
試験槽(2)の外部が断熱状態を維持できることによっ
て、試験槽(2)の断熱状態を高精度で維持でき、供試
体中心温度と熱媒ジャケット温度とを環境条件の影響を
受けずに正確にでき、数カ月にわたる長期間であっても
コンクリート等の断熱温度上昇量を正確に測定すること
ができる。
は、温度調節手段(36)により外部環境の影響を受け
ない一定な環境条件に保持された計測制御室(33)で
温度調節手段(33a)が各部を正確に制御でき、熱媒
制御部(32)によって熱媒体を供試体中心温度に追随
させるように温度制御した熱媒ジャケット(3)により
試験槽(2)が断熱状態に維持でき、密閉容器(35
a)に封入された温度制御手段(TIC2)が一定条件
のもとで温度調節手段(34)を制御し、温度調節手段
(34)によって温度制御された断熱室(31)により
試験槽(2)の外部が断熱状態を維持できることによっ
て、試験槽(2)の断熱状態を高精度で維持でき、供試
体中心温度と熱媒ジャケット温度とを環境条件の影響を
受けずに正確にでき、数カ月にわたる長期間であっても
コンクリート等の断熱温度上昇量を正確に測定すること
ができる。
【0035】そして、この断熱温度上昇試験装置では、
計測制御室(33)の内部を20±1℃の略一定温度にす
るとともに、断熱室(31)の断熱壁面(31a)を供
試体中心温度の±0.5 ℃以内の規定温度範囲にできるよ
うにしたことによって、正確に温度管理された環境条件
のもとで、数カ月におよぶ長期間にわたり、断熱温度上
昇量を安定して精度良く測定することができる。
計測制御室(33)の内部を20±1℃の略一定温度にす
るとともに、断熱室(31)の断熱壁面(31a)を供
試体中心温度の±0.5 ℃以内の規定温度範囲にできるよ
うにしたことによって、正確に温度管理された環境条件
のもとで、数カ月におよぶ長期間にわたり、断熱温度上
昇量を安定して精度良く測定することができる。
【0036】このため試験開始後、数カ月にわたる測定
が必要となるコンクリート等の断熱温度上昇試験であっ
ても、環境条件の変化の影響を取り除くことができ、供
試体温度を外乱の影響無く変化させることができ、計測
制御系を安定に動作させて、断熱温度上昇量の安定的か
つ正確な測定値を得ることができる。
が必要となるコンクリート等の断熱温度上昇試験であっ
ても、環境条件の変化の影響を取り除くことができ、供
試体温度を外乱の影響無く変化させることができ、計測
制御系を安定に動作させて、断熱温度上昇量の安定的か
つ正確な測定値を得ることができる。
【図1】本発明による実施例装置の構成図である。
【図2】実施例装置を用いた断熱温度上昇試験による測
定結果の一例を示すグラフである。
定結果の一例を示すグラフである。
【図3】従来装置の構成図である。
1 供試体 2 試験槽 3 熱媒ジャケット 31 断熱室 31a 断熱壁面 32 熱媒制御部 32a 熱媒タンク 32b 密閉容器 33 計測制御室 33a 温度制御手段(計測制御部) 33b 断熱壁面 34 断熱室空調部(温度調節手段) 35 断熱室空調制御部(断熱制御部) 35a 密閉容器 36 計測制御室空調部(温度調節手段) TI 試料温度計 TIC1 ジャケット温度調節計 TIC2 吹出し温度調節計 RC 遅れ補正演算器 FDR フロッピディスクレコーダ H1 加熱装置 H2 加熱装置 C1 冷却装置 C2 冷却装置 P ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 時川 忠 栃木県宇都宮市雀の宮1−12−15 住友セ メント株式会社コンクリート技術試験所内 (72)発明者 長曽我部 徹 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメン ト株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−103557(JP,A) 特開 平2−208562(JP,A) 特開 昭54−28679(JP,A)
Claims (6)
- 【請求項1】 供試体(1)の中心温度に追随させた温
度の熱媒体を循環させる熱媒ジャケット(3)を内設し
た試験槽(2)を備えた断熱温度上昇試験装置であっ
て、前記試験槽(2)の外部を断熱壁面(31a)によ
り熱媒体循環可能かつ断熱可能に囲繞した断熱室(3
1)と、前記断熱壁面(31a)の内部を供試体中心温
度に追随させた熱媒体により温度制御して規定温度範囲
内に保持する温度調節手段(34)とを備えたことを特
徴とするコンクリート等の断熱温度上昇試験装置。 - 【請求項2】 前記規定温度範囲を供試体中心温度の±
0.5 ℃とすることを特徴とする請求項1記載のコンクリ
ート等の断熱温度上昇試験装置。 - 【請求項3】 供試体(1)の中心温度に追随させた温
度の熱媒体を循環させる熱媒ジャケット(3)を内設し
た試験槽(2)を備えた断熱温度上昇試験装置であっ
て、前記試験槽(2)の外部を断熱壁面(31a)によ
り熱媒体循環可能かつ断熱可能に囲繞した断熱室(3
1)と、前記断熱壁面(31a)の内部を供試体中心温
度に追随させた熱媒体により温度制御して規定温度範囲
内に保持する温度調節手段(34)と、供試体中心温度
と熱媒ジャケット温度を測定し、この測定結果を記録す
るとともに測定結果に基づき温度制御を行う温度制御手
段(33a)と、この温度制御手段(33a)を断熱壁
面(33b)により囲繞した計測制御室(33)と、前
記断熱壁面(33b)の内部を前記断熱室(31)とは
独立に、かつ略一定温度に保持する温度調節手段(3
6)とを備えたことを特徴とするコンクリート等の断熱
温度上昇試験装置。 - 【請求項4】 前記規定温度範囲を供試体中心温度の±
0.5 ℃とするとともに前記略一定温度を20±1 ℃とする
ことを特徴とする請求項3記載のコンクリート等の断熱
温度上昇試験装置。 - 【請求項5】 供試体(1)の中心温度に追随させた温
度の熱媒体を循環させる熱媒ジャケット(3)を内設し
た試験槽(2)を備えた断熱温度上昇試験装置であっ
て、前記試験槽(2)の外部を断熱壁面(31a)によ
り熱媒体循環可能かつ断熱可能に囲繞した断熱室(3
1)と、前記熱媒ジャケット(3)の内部に流れる熱媒
体を供試体中心温度に追随させるように温度調節する温
度調節手段(H1,C1,P,32a)を密閉容器(3
2b)に封入した熱媒制御部(32)と、前記断熱壁面
(31a)の内部を供試体中心温度に追随させた熱媒体
により温度制御して規定温度範囲内に保持する温度調節
手段(34)と、前記供試体中心温度と前記温度調節手
段(34)の内部温度とに基づき前記温度調節手段(3
4)を制御する温度制御手段(TIC2)を密閉容器
(35a)に封入した断熱室空調制御部(35)と、供
試体中心温度と熱媒ジャケット温度を測定し、この測定
温度を記録するとともに測定結果に基づき温度調節を行
う温度調節手段(33a)と、この温度調節手段(33
a)を断熱壁面(33b)により囲繞した計測調節室
(33)と、前記断熱壁面(33b)の内部を前記断熱
室(31)とは独立に、かつ略一定温度に保持する温度
調節手段(36)とを備えたことを特徴とするコンクリ
ート等の断熱温度上昇試験装置。 - 【請求項6】 前記略一定温度を20±1 ℃にするととも
に、前記規定温度範囲を供試体中心温度の±0.5 ℃以内
にすることを特徴とする請求項5記載のコンクリート等
の断熱温度上昇試験装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4172451A JPH087170B2 (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | コンクリート等の断熱温度上昇試験装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4172451A JPH087170B2 (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | コンクリート等の断熱温度上昇試験装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0618457A JPH0618457A (ja) | 1994-01-25 |
JPH087170B2 true JPH087170B2 (ja) | 1996-01-29 |
Family
ID=15942234
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4172451A Expired - Lifetime JPH087170B2 (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | コンクリート等の断熱温度上昇試験装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH087170B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006036129A1 (en) * | 2004-09-29 | 2006-04-06 | National University Of Singapore | A temperature monitoring apparatus, system and method for monitoring the temperature of a reactant system |
CN104655671B (zh) * | 2014-12-31 | 2017-08-25 | 威仕英索(北京)仪器设备有限公司 | 绝热加速量热仪及检测方法 |
CN111735840B (zh) * | 2020-06-18 | 2023-06-02 | 三峡大学 | 一种混凝土单面热传导试验装置及其试验方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4130016A (en) * | 1977-08-08 | 1978-12-19 | The Dow Chemical Company | Adiabatic calorimeter apparatus and method for measuring the energy change in a chemical reaction |
JPH0641927B2 (ja) * | 1985-07-11 | 1994-06-01 | 住友セメント株式会社 | 自己発熱を伴う試料の断熱温度上昇試験装置 |
JPH02208562A (ja) * | 1989-02-09 | 1990-08-20 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 嫌気性発酵槽の負荷検出方法および制御方法 |
JP3033386U (ja) * | 1996-07-09 | 1997-01-21 | 富士木工株式会社 | 建物の内壁等に対するビスの保持力を増すための構造 |
-
1992
- 1992-06-30 JP JP4172451A patent/JPH087170B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0618457A (ja) | 1994-01-25 |
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