JPH0871523A

JPH0871523A - 生ごみ醗酵処理装置

Info

Publication number: JPH0871523A
Application number: JP6228947A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Onodera; 和夫小野寺
Original assignee: O K KIKAKU KENKYUSHO KK
Current assignee: O K KIKAKU KENKYUSHO KK
Priority date: 1994-08-30
Filing date: 1994-08-30
Publication date: 1996-03-19

Abstract

(57)【要約】【目的】好気性醗酵微生物を用いた生ごみ醗酵処理装
置において、チョウバエなどの小害虫の侵入をシャット
アウトすることができる生ゴミ醗酵処理装置を提供す
る。【構成】被処理物を収納して醗酵処理する通気性内袋
Ｆを収納する断熱性外容器１と、漏斗状の底板２と、前
記内袋Ｆと外容器１及び底板２との間に隙間を形成する
穴あきスペーサ５、６と、該外容器１の上部開口を覆う
通気口１３付き蓋体１１と、前記外容器１内に連通する
給気管８又は給気孔８１を備えてなり、該給気管８又は
給気孔８１の開口部及び前記蓋体の通気口１３を遮虫布
９で完全に覆った。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、家庭や飲食店の厨房
などから発生する生ゴミを醗酵分解処理する生ゴミ醗酵
処理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から家庭の厨房などから排出される
を生ゴミを処理する場合、日当たりの良い庭先などに穴
を掘って生ゴミを埋め、土中の微生物の働きによってこ
れを醗酵分解させる方法が行われてきた。しかしなが
ら、近年の住宅事情にあっては、こうした自然的処理方
法は実施が困難となってきたため、地方自治体が各家庭
から出た生ゴミを回収・分別し、専用焼却場にて一括処
理する方法が、現状では一般的となっている。

【０００３】ところが、生活人口の偏在や食生活の多様
化に伴って、都市部では生ゴミの発生が著しく増大化す
る、一方では煙害や臭気公害などを伴う焼却場の新設が
困難であるという問題があるため、既設設備での生ゴミ
処理も限界に近づいた感がある。そこで、本願発明者は
先に、醗酵促進剤を用いることで、生ゴミの効率的醗酵
条件を人工的に作ることができる生ゴミ醗酵処理装置
（特願昭６１−６７７３３号）提案した。

【０００４】この醗酵促進剤とは、数種類の好気性・中
高温菌をブレンドしたものを、微生物間の生物バランス
を崩さないように増殖・濃縮し、さらに微生物の発育成
分や消臭剤を添加したもので、収納容器内の生ゴミを効
率よく醗酵できるように構成されている。即ち、容器内
に投入された生ゴミの上にこの促進剤を所定量振りかけ
ると、時間経過とともに容器内の生ゴミの醗酵が付勢さ
れ、大量の水分が流出して、１〜２か月後には初期の生
ゴミ総量の１／１０以下にまで減少するというものであ
る。

【０００５】そして、この醗酵促進剤を使用した生ゴミ
醗酵処理装置をさらに発展させ、収納容器内の醗酵作用
で生じる水滴を集めて容器の下側へ流下できる底板を備
えた生ゴミ醗酵処理装置（実願平１−１９２９０号）を
提案してきた。

【０００６】この装置は、収納容器の上部開口を覆う通
気口付き蓋体と、底板に連通する排水管とを備えてお
り、醗酵に必要な空気を通気口から供給する一方、醗酵
で生じた水を排水管から排出できるようになっており、
コンパクトな構造で、効率のよい生ゴミ処理を実現でき
る装置として好評を得ている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の生ゴミ醗酵処理装置は、まれにではあるが、小さな
虫（チョウバエなど）が排水管や蓋体の通気口を伝って
収納容器内に侵入することがあった。この現象は、内袋
に残留した醗酵生成物の中に蛆が発生させることもあ
り、生ゴミ処理がうまく機能していたとしても、ユーザ
ーの不評を買う結果を招来する恐れのある重大な欠点で
あった。この発明は上記の点に鑑み、生ゴミ処理機能を
持ちながら、チョウバエなどの小害虫をシャットアウト
できる生ゴミ醗酵処理ボックスを提供することを目的と
している。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項１の生ゴミ醗酵処理装置は、被処理物を収納
して醗酵処理する通気性内袋を収納する断熱性外容器
と、漏斗状の底板と、前記内袋と外容器及び底板との間
に隙間を形成する穴あきスペーサと、該外容器の上部開
口を覆う通気口付き蓋体と、前記外容器内に連通する給
気管又は給気孔を備えてなり、該給気管又は給気孔の開
口部及び前記蓋体の通気口を遮虫布で覆った。

【０００９】請求項２の生ゴミ醗酵処理装置は、前記蓋
体と外容器の嵌合部に遮虫クッション材を介装し、請求
項３の生ゴミ醗酵処理装置は、前記蓋体が天板の内壁に
付着した水滴を下方へ流下可能な勾配を有し、かつ、前
記内袋と前記底板の間に通気性の隙間形成板を介装し、
請求項４の生ごみ醗酵処理装置は、前記外容器の内面に
遠赤外線反射塗料を塗布してなるものとした。

【００１０】

【作用】請求項１の生ゴミ醗酵処理装置において、醗酵
過程に必要な空気は、外容器の下部に設けた給気孔又は
底板に設けた給気管より取り入れられる一方、生ゴミか
ら発生した水分は蓋体の通気口を通して外に放出される
が、これら通気口と給気管又は給気孔の開口から侵入し
ようとする小害虫は遮虫布により阻止される。

【００１１】請求項２の生ゴミ醗酵処理装置において、
蓋体と外容器の嵌装部は蓋体の自重によるクッション材
の変形によって密閉され、小害虫の侵入が阻止され、請
求項３の生ゴミ醗酵処理装置において、蓋体の天板の内
壁に付着した水滴は容器内へ流下され、請求項４の生ご
み醗酵処理装置において、醗酵熱に伴う遠赤外線は遠赤
外線反射塗料により反射されて外容器内を保温する。

【００１２】

【実施例】以下、この発明を添付の図面に基づく一実施
例により説明する。図において、１は本願生ごみ醗酵処
理ボックス１００の主体をなす外容器で、該外容器１は
プラスチック段ボールを折り曲げて形成した四角筒（図
示していないが円筒でもよい）で構成されている。該プ
ラスチック段ボールは外容器１の軽量化と断熱性に寄与
し、かつ、雨水の侵入を防ぐとともに、装置内部を醗酵
に必要な温湿度に維持できるものである。該外容器１の
内面には醗酵熱に伴う遠赤外線を反射されて容器内を保
温するために、遠赤外線反射塗料（図示せず）を塗布す
ることもある。

【００１３】２は漏斗状の底板で、その周囲は前記外容
器１の内壁に沿うスカート部２ａになっている。該底板
２は漏斗状の中央部から垂下した集水管３に向けて装置
内部で生じた水分を集水して下方へ流下できるようにな
っている。また、漏斗状の周辺部には後記するスペーサ
５の下端を浮かせるための突起３ａが設けられ、外容器
１の内壁を伝って流下した水分を集水し易く構成してい
る。２１は前記外容器１と底板２のスカート部２ａとの
結合手段である。

【００１４】前記外容器１と底板２で囲繞された空間内
には、通気性の内袋Ｆが収納され、該内袋Ｆに生ゴミＧ
を貯留できるようになっている。ここで、該内袋Ｆの生
ゴミＧの底部には、醗酵促進剤Ｈが１０〜２０ｃｍ程度
の厚さに収納され、投入された生ゴミから出る水分を吸
収すると同時に、微生物群の活性化を促し、５０℃〜８
０℃に至る高温醗酵を促進できるようになっている。

【００１５】４は抑え枠で、該抑え枠４はプラスチック
製の４角周枠からなり、外容器１の上縁１Ａに前記内袋
Ｆを挟み込んで嵌装することにより、内袋Ｆのずり落ち
を防止できるようになっている。

【００１６】５は通気孔を有するスペーサ（隙間形成
板）で、該スペーサ５は網状などの表面積の大きい穴あ
きプラスチック板（ないし発泡プラスチック）などから
なり、前記外容器１の内壁と内袋Ｆの間に介装されて、
外容器１の内壁に内袋Ｆが密着しないようにしている。
これにより、該スペーサ５は生ゴミから蒸発した水分が
蓋体１１の内面で結露して外容器内面を伝って流下して
も内袋Ｆを濡らして、目詰まりを起こすのを有効に防止
する。尚、前記スペーサ５は外容器１の内壁に直に突設
リブ体を設けるように構成してもよい。

【００１７】６は前記内袋Ｆと前記底面２との間に隙間
を形成するための通気孔を有するスペーサ（隙間形成
板）で、卵ケースのような凹凸を持つ表面積の大きい板
に多数の穴をあけてなる。該スペーサ６は底板２の集水
管３を通して給気される空気を内袋Ｆ内の生ゴミＧに供
給するのに有効であるとともに、生ゴミＧから生じた水
を底板２側へ通過できるように構成されている。さら
に、該スペーサ６は内袋Ｆ内の生ゴミＧを保温する機能
も備えれば、高温醗酵を促進する上においてより好まし
い。

【００１８】７は前記集水管３に集められた水を流下す
る排水管で、該排水管７は前記外容器１の外部に突出し
た出口７Ａより排水できるようになっている。該出口７
Ａの近傍にはコック（開閉手段）７Ｂが設けられ、開状
態で排水、閉状態で小害虫遮断を行えるようになってい
る。尚、該コック（開閉手段）７Ｂの替わりに、一方向
弁を出口７Ａに設け、一々コックの開閉作業を行わなく
ても水の自重により開状態となって排水され、それ以外
の時は閉状態を保って小害虫を遮蔽することができるよ
うにしても良い。

【００１９】８は前記底板２の集水管３に連通した給気
管、８１は外容器１の下部（前記底板２よりやや上方）
外周に設けた給気孔である。給気管８及び給気孔８１は
外容器１内へ外気を供給するためのものである。尚、給
気管８は下向き傾斜に構成されており、集水管３から流
下した水は、給気管８内に入ることはなく、すべて排水
管７内を流下するようになっている。９は前記給気管８
の開口部８Ａ及び給気孔８１の開口部に付設した遮虫布
で、小害虫の進入を防止できるように構成されている。
ここに遮虫布９とは例えば手拭いやタオル地程度の緻密
布で構成され、空気は通すが、チョウバエのような小型
害虫は完全に遮蔽できるようになっている。９Ａは該遮
虫布９の抑えリングである。

【００２０】１０は前記外容器１の上部開口を覆う蓋体
で、該蓋体１０はその下側に角形周溝１１Ａを備えてお
り、該角形周溝１１Ａを前記外容器１の上縁１Ａに嵌装
することにより、醗酵空間を外部から遮蔽できるように
構成されている。さらに、該角形周溝１１Ａの内側に
は、スポンジなどの柔軟性の材料からなる遮虫クッショ
ン材１２が内装され、角形周溝１１Ａと上縁１Ａの隙間
を蓋体１０の自重による変形で遮蔽できるように構成さ
れている。これにより、蓋体１０の嵌装部からの小害虫
進入を阻止できるようになっている。

【００２１】また、該蓋体１０は切妻屋根のような傾斜
した屋根面を備えており、その内壁に付着した結露を、
内壁面に沿って流下させ、前記内袋Ｆないしスペーサ５
を介して集水管３に集水できるようになっている。こう
した目的を満たすために、屋根面の勾配は１５度以上で
あることが望ましい。尚、蓋体１０の屋根の形状は切妻
に限らない。

【００２２】前記蓋体１０の立壁には複数の通気口１３
が設けられ、蓋体１０と外容器１で囲繞された醗酵空間
の上方より空気の給気と排出ができるようになってい
る。各通気口１３には前記遮虫布９が付設され、小害虫
の進入を防止できるようになっている。

【００２３】上記実施例において、蓋体１０を取り外し
た状態の生ごみ醗酵処理装置１００の上部開口より予め
醗酵促進剤が収納されている内袋Ｆ内に生ゴミＧを投入
し、蓋体１０を外容器１の上縁１Ａに嵌装する。この
時、蓋体１０の角形周溝１１Ａと上縁１Ａがほぼ入子状
に嵌合するとともに、クッション材１２が適宜変形して
隙間を密閉し、小さな虫の進入をも阻止することができ
る。しかして、内袋Ｆの底部には予め収納した醗酵促進
剤Ｈが投入された生ゴミＧからの水分を吸収し、醗酵を
極めて速やかに開始させる。

【００２４】醗酵を開始した生ゴミＧは、やがて６０〜
８０度に至る醗酵熱を生じるとともに、多量の水分を流
出及び蒸発させることとなる。流出した水分は、まず醗
酵促進剤Ｈに吸収され、醗酵促進剤Ｈ内に含まれた微生
物群を俄に活性化させる。これにより、極めて短時日の
うちに中高温醗酵状態への移行が行われ、水分流出と蒸
発が一層促進される。

【００２５】蒸発した水分は、蓋体１０の屋根１１の内
壁面に結露した後、該内壁面を伝って流下し、内袋Ｆな
いしスペーサ５を伝って底板２の集水管３に集められ
る。そして、排水管７内を流下して、出口７Ａより装置
１００外へ排水される。この間において、醗酵空間に
は、上方より蓋体１０の通気口１３を通った空気が、底
部からは通気管８又は給気孔８１を通った空気が供給さ
れ、好気性醗酵が安定的に持続される。

【００２６】また、蓋体１０と外容器１を構成するプラ
スチック段ボールの断熱作用により外気温に対する保温
がなされる。この場合、外容器１の内面に遠赤外線反射
塗料が塗布されていると、醗酵熱に伴う遠赤外線が反射
されて容器内をより有効に保温することとなる。

【００２７】さらに、通気口１３、通気管８又は給気孔
８１は遮虫布９によりそれぞれ封緘されているため、い
かなる小型の小害虫でも阻止される。また、排水管７の
出口はコック７Ａが開状態の時のみ排水が行われるか
ら、やはり、いかなる小型の小害虫でも阻止される。

【００２８】こうした条件で装置１００内の醗酵は進
み、生ゴミＧの体積は、投入時の十分の１程度にまで縮
小され、堆肥としても利用可能な無臭性の醗酵生成物に
転換される。この醗酵生成物が内袋Ｆを満たすまでにな
ったら、抑え枠４を外して内袋Ｆを取り出して、廃棄
（ないしは、中身の醗酵生成物を肥料として再利用）す
ることができる。

【００２９】

【発明の効果】上記のように請求項１の生ごみ醗酵処理
装置は、被処理物を収納して醗酵処理する通気性内袋を
収納する断熱性外容器と、漏斗状の底板と、前記内袋と
外容器及び底板との間に隙間を形成する穴あきスペーサ
と、該外容器の上部開口を覆う通気口付き蓋体と、前記
外容器内に連通する給気管又は給気孔を備えてなり、該
給気管又は給気孔の開口部及び前記蓋体の通気口を遮虫
布で覆ったことを特徴としているので、醗酵過程に必要
な空気は、蓋体の通気口と給気管又は給気孔から常時供
給され、しかも、これら通気口と給気管又は給気孔の開
口から侵入しようとする小害虫は遮虫布により完全に阻
止することができる。

【００３０】請求項２の生ゴミ醗酵処理装置は、前記蓋
体と外容器の嵌合部に遮虫クッション材を介装している
ので、蓋体と外容器の嵌装部は、蓋体の自重によるクッ
ション材の変形によって密閉され、小害虫の侵入が阻止
するし、請求項３の生ゴミ醗酵処理装置は、前記蓋体
が、内壁に付着した水滴を下方へ流下可能な勾配を有し
ているので、蓋体の天板の内壁に付着した水滴は容器内
へ流下され、請求項４の生ごみ醗酵処理装置において、
醗酵熱に伴う遠赤外線は、遠赤外線反射塗料により反射
されるので、外容器内の保温性が高められる。

【００３１】上記の結果、簡潔な構成でありながら、好
気性醗酵による生ゴミの処理を家庭で簡単に行うことが
でき、しかもチョウバエなどの小害虫侵入による不快な
蛆発生現象をも防止でき、自治体による生ゴミ回収作業
の簡素化、ゴミ資源のリサイクル促進などに優れた効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願生ゴミ醗酵処理装置の構成を示す略示的断
面図である。

【図２】本願生ゴミ醗酵処理装置の底板付近を示す断面
斜視図である。

【符号の説明】

１外容器２底板３集水管４抑え枠５スペーサ（側面用隙間形成板）６スペーサ（底面用隙間形成板）７排水管７Ａ排水口７Ｂコック（開閉手段）８給気管８１給気孔８Ａ給気口９遮虫布１０蓋体１１屋根１２遮虫パッド１３通気窓Ｆ内袋Ｇ生ゴミＨ醗酵促進剤

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】被処理物を収納して醗酵処理する通気性
内袋を収納する断熱性外容器と、漏斗状の底板と、前記
内袋と外容器及び底板との間に隙間を形成する穴あきス
ペーサと、該外容器の上部開口を覆う通気口付き蓋体
と、前記外容器内に連通する給気管又は給気孔を備えて
なり、該給気管又は給気孔の開口部及び前記蓋体の通気
口を遮虫布で覆ったことを特徴とする生ゴミ醗酵処理装
置。
【請求項２】前記蓋体と外容器の嵌合部に遮虫クッシ
ョン材を介装してなる請求項１記載の生ゴミ醗酵処理装
置。
【請求項３】前記蓋体が、内壁に付着した水滴を下方
へ流下可能な勾配を有するものである請求項１または２
記載の生ゴミ醗酵処理装置。
【請求項４】前記外容器の内面に、遠赤外線反射塗料
を塗布してなる請求項１〜３のいずれか１項に記載の生
ごみ醗酵処理装置。