JPH0871089A - 人工歯根の製造方法及び製造装置 - Google Patents

人工歯根の製造方法及び製造装置

Info

Publication number
JPH0871089A
JPH0871089A JP6212849A JP21284994A JPH0871089A JP H0871089 A JPH0871089 A JP H0871089A JP 6212849 A JP6212849 A JP 6212849A JP 21284994 A JP21284994 A JP 21284994A JP H0871089 A JPH0871089 A JP H0871089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
artificial tooth
tooth root
adhesive
metal core
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6212849A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3586296B2 (ja
Inventor
Yasuhiko Hirayama
泰彦 平山
Tomoo Matsumoto
智勇 松本
Makoto Ogiso
誠 小木曾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP21284994A priority Critical patent/JP3586296B2/ja
Publication of JPH0871089A publication Critical patent/JPH0871089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3586296B2 publication Critical patent/JP3586296B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C13/00Dental prostheses; Making same
    • A61C13/0003Making bridge-work, inlays, implants or the like
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C8/00Means to be fixed to the jaw-bone for consolidating natural teeth or for fixing dental prostheses thereon; Dental implants; Implanting tools

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Dental Prosthetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 補償液の硬化を遅延させるとともに、接着剤
は補償液の供給部から最も離れた部分より徐々に硬化さ
せることができ、接着剤の重合収縮を補償し、強度が著
しく向上した人工歯根を効率よく製造しうる方法及び装
置の開発。 【構成】 セラミックス焼結体から成る人工歯根本体3
の凹部に接着剤9を入れ、次いで金属芯体4を挿入し、
重合可能な不飽和化合物及び重合開始剤を含有する補償
液6を注入しながら接着剤を重合させて人工歯根本体と
金属芯体とを接着複合化することにより人工歯根を製造
する方法において、重合時に、補償液を人工歯根本体と
金属芯体との開口部5に接触させて保持し、人工歯根本
体の底部を加熱して、そこから上記開口部に向かって徐
々に低くなる温度勾配をつけることを特徴とする人工歯
根の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体口腔内で利用可能
な歯科用材料であるセラミックス及び金属を有機接着剤
により複合化した人工歯根の製造方法及び製造装置に関
する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来から、種々の理由によ
り失われた歯を人工歯により回復させるとき、人工歯根
を歯槽骨膜下に埋入し、それにより上部構造を再建する
ことが行われている。人工歯根には様々な型が提案さ
れ、実際に使用されて今日に至っているが、それらの中
では骨と接触する外部に生体活性なセラミックス材料
を、内部に強度を維持補償するため金属芯体を用いた複
合化人工歯根が有望視されている。これら異種材料の複
合化には、溶射などにより直接金属芯体にセラミックス
層を形成させる方法、接着剤により複合化させる方法が
ある。このうち後者の場合、歯科用接着剤として広く使
用されている有機化合物系の2,2−ビス〔4−(3−
メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕
プロパン(以下、bis−GMAと略記する)系の接着
剤が用いられてきた。しかし、このbis−GMA系接
着剤は、重合時の収縮により接着界面に剥離層が生じ、
充分な接着効果を発現できない。
【0003】そこで、接着剤の重合収縮によって生じる
空隙を補償するため、特願平5−268872号におい
て、該空隙内に、重合可能な不飽和化合物及び重合開始
剤を含有する補償液を注入し、加圧重合を行うことが提
案された。この改良方法による効果をさらに有効なもの
とするため加圧重合過程の検討を行ったところ、加圧に
よる強制的な接着剤の補償をより完全なものとすること
により人工歯根の強度信頼性を向上させるためには、補
償液の硬化を遅延させる一方、接着剤は補償液の供給部
から最も離れた部分より徐々に硬化させればよいことが
分かった。これを実現するには、最遠部から供給部へ重
合開始剤の濃度勾配をつけることが考えられるが、人工
歯根では制御困難である。
【0004】
【発明の目的】本発明は、補償液の硬化を遅延させると
ともに、接着剤は補償液の供給部から最も離れた部分よ
り徐々に硬化させることができ、接着剤の重合収縮を補
償し、強度が著しく向上した人工歯根を効率よく製造し
うる方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【発明の概要】本発明は、最遠部から供給部へ温度勾配
を設けること、より具体的には最遠部のみを加熱するこ
とによって、接着剤が人工歯根中の補償液供給部から最
も離れた部分より重合硬化を開始し、硬化は徐々に移動
して最終的に供給部に達し、その間、硬化点での重合収
縮に対して供給部から補償液が補填されるように構成す
ることによって上記目的を達成したものである。
【0006】すなわち、本発明による人工歯根の製造方
法は、セラミックス焼結体から成る人工歯根本体の凹部
に接着剤を入れ、次いで金属芯体を挿入し、重合可能な
不飽和化合物及び重合開始剤を含有する補償液を注入し
ながら接着剤を重合させて人工歯根本体と金属芯体とを
接着複合化することにより人工歯根を製造する方法にお
いて、重合時に、補償液を人工歯根本体と金属芯体との
開口部に接触させて保持し、人工歯根本体の底部側を加
熱して、そこから上記開口部に向かって徐々に低くなる
温度勾配をつけることを特徴とする。
【0007】また、本発明による人工歯根の製造装置
は、人工歯根本体の外径と直径がほぼ同一の穴を1個以
上有する筒状体からなり、各穴の上部に、少なくとも人
工歯根本体と金属芯体との開口部に、重合可能な不飽和
化合物及び重合開始剤を含有する補償液を接触させて保
持しうる補償液貯留部が設けられていることを特徴とす
る。
【0008】本発明において人工歯根の本体は、セラミ
ックス焼結体から成るものである。セラミックスとして
は、リン酸カルシウム系セラミックス、アルミナ系セラ
ミックス、ジルコニア系セラミックスなどを用いること
ができる。しかし、生体親和性、新生骨誘導性などを考
慮すると、少なくとも生体組織と接触する部分はリン酸
カルシウム系セラミックス、特にハイドロキシアパタイ
ト及び/又はβ−リン酸三カルシウムの層を有すること
が好ましい。
【0009】人工歯根の本体全体がハイドロキシアパタ
イト焼結体から成るものも好ましいが、このハイドロキ
シアパタイト焼結体は、純粋である必要はないが、ハイ
ドロキシアパタイトを50重量%以上含むのが好まし
い。50重量%未満では、顎骨に埋入した後、顎骨との
骨性癒着が不充分となるおそれがある。さらに、ハイド
ロキシアパタイトに微粒状あるいはウィスカー状のリン
酸三カルシウム、アルミナ、シリカ及びジルコニアの1
種以上を添加・混合して焼結した人工歯根本体であって
もよい。微粒状あるいはウィスカー状の上記のようなセ
ラミックスを混入することにより、強度の向上が期待さ
れる。また、ハイドロキシアパタイトにリン酸三カルシ
ウムを添加して焼結したもの及びハイドロキシアパタイ
ト焼結体の表面にリン酸三カルシウム層を設けたもの
は、その人工歯根を顎骨に埋入したときに、新生骨の形
成に有効に作用する点で殊に好ましい。
【0010】本発明に用いる接着剤には、特に制限はな
く、例えば、メタクリレート系接着剤、アクリル系接着
剤などが挙げられる。これらのうち、メタクリル酸メチ
ルを主成分として含有し、副成分としてポリメタクリル
酸メチル、4−(2−メタクリロイルオキシエチル)ト
リメリット酸無水物(以下、4−METAと略記する。
この物質は、金属やセラミックスとの接着力を向上する
作用を有する)及び重合開始剤を含有するメタクリレー
ト系接着剤は、生体内で金属とセラミックス材料との間
で優れた接着性を示す点で、特に好適である。上記のよ
うな接着剤を用いて充分な接着性及び強度を達成するこ
とができるが、接着剤に充填剤として人工歯根本体を構
成するセラミックスと同種のセラミックス粉末を添加し
た接着剤を使用するのも好ましい。セラミックス粉末を
充填剤として添加する場合、セラミックス粉末は、50
〜75重量%の量で接着剤中に含まれるのが好ましい。
セラミックス粉末の配合割合が50重量%未満では、接
着剤の強度向上の効果が小さくなり、75重量%を超え
ると、接着力の低下と接着剤の粘度の増大が起こり、実
用に耐えなくなる。
【0011】本発明において、金属芯体としては、特に
制限はなく、チタン、コバルト−クロム合金、ステンレ
ス鋼などの金属あるいは合金から成る芯体を用いること
ができる。
【0012】本発明の方法を実施するには、上記のよう
な人工歯根本体の凹部に上記のような接着剤を入れ、金
属芯体を挿入して接着剤の重合を開始させ、重合可能な
不飽和化合物及び重合開始剤を含有する補償液を注入し
ながら重合を進行させるのであるが、その際、補償液を
少なくとも人工歯根本体と金属芯体との開口部に接触さ
せて保持し、人工歯根本体の底部を加熱して、そこから
上記開口部に向かって徐々に低くなる温度勾配をつけ
る。
【0013】本発明に使用する補償液は、上記のように
重合可能な不飽和化合物及び重合開始剤を含有するもの
である。重合可能な不飽和化合物としては、特に制限は
なく、酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチ
ル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル等のメ
タクリル酸エステル、アクリルアミド,N−メチルアク
リルアミド等のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミ
ド,N−メチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド
誘導体、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、
塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類などが挙げられる。
これらのうち1種又は2種以上を使用することができる
が、使用する接着剤に主成分として含まれるモノマーと
同一の不飽和化合物を用いるのが好ましい。
【0014】また、重合開始剤としては、過酸化水素、
クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキ
シド、過硫酸塩(K,Naまたはアンモニウム塩)、過
酢酸t−ブチル、過安息香酸t−ブチル、過酸化ベンゾ
イル、過酸化ジブチル、t−ブチルパーオキシ(2−エ
チルヘキサノエート)、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリルなどが挙げられる。
【0015】補償液は、接着剤の重合硬化によって生じ
た微少な空隙へ容易に浸入しうるように、低粘度である
ことが好ましく、接着剤よりも遅く硬化することが必要
である。そのため、補償液にはポリマーは含有しないの
が好ましく、重合開始剤の濃度を接着剤の場合より低く
するのが好ましい。
【0016】また、補償液の硬化を遅延、特に、人工歯
根本体と金属芯体との開口部、すなわち、補償液の供給
部付近での硬化による補償液の注入停止を防止し、さら
に最終的には接着剤の硬化よりも後に補償液を硬化させ
るためには補償液全体を低温に保つ必要がある。この低
温化を効果的に実現するため、金属芯体の頭部に金属製
の冷却棒を嵌合させ、熱拡散を生じさせるのが好まし
い。金属としては、補償液と接触しても腐食せず、熱伝
導性のよい金属材料であるのが好ましく、金属芯体とし
て挙げたものを使用することができる。
【0017】この冷却棒には補償液の固化物と冷却棒と
が接合されないように接合防止加工が施されているか、
又は接合されない材料から成る外筒が備えられているの
が好ましい。接合防止加工としては、例えば、テフロン
加工などが挙げられ、外筒としては例えば、テフロン製
外筒が挙げられる。この冷却棒は、これを金属芯体の頂
部に結合することによって、金属芯体の頂部に補償液が
回り込み、その補償液の固化物が該芯体に固着してしま
うのを防止する作用を及ぼすこともできる。
【0018】補償液が効果的に注入されるように、接着
剤が外界と接する部分、すなわち、人工歯根本体と金属
芯体との開口部を補償液と接触させて維持して重合を開
始するのが好ましい。重合が開始すると、接着剤層の方
が先に硬化し、同時に収縮する。この収縮による陰圧が
駆動力となって補償液が生じた空隙部に吸引され空隙が
補填され、こうして硬化点が徐々に上昇し、開口部まで
空隙を残すことなく接着層が形成される。
【0019】また、人工歯根本体の底部の加熱は、水
浴、電気的加熱など任意の手段で行うことができる。重
合は、補償液の注入を効果的に行うために比較的低い重
合温度で長時間、望ましくは45℃〜50℃で40時間
以上かけて行うことが好ましい。重合を完全に行うため
には、重合温度は80℃以上であることが好ましく、9
0℃以上であることがよりいっそう好ましい。
【0020】さらに補償液の注入を完全にするために
は、重合時に加圧することが好ましい。加圧方法として
は、特に制限はなく、様々な方法を採用することができ
るが、ガスを注入して重合容器内の内圧を高くする方法
が簡便で好ましい。また、遠心力を利用して補償液を注
入する方法などがある。この圧力は、大気圧下でさらに
1気圧以上が好ましく、1.5気圧以上かけるのがより
好ましい。また、重合雰囲気は、重合開始剤を効果的に
使用するため、窒素ガス雰囲気などの不活性雰囲気であ
るのが好ましい。
【0021】次に、図面を参照して本発明の方法及び装
置を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例を示す
人工歯根製造装置の断面図であり、図2は、図1に示し
た装置を人工歯根の製造中の状態で示す断面図である。
図1に示した人工歯根製造装置は、人工歯根本体の外径
と直径がほぼ同一の穴2を1個有する筒状体1からな
り、この穴2の上部に、少なくとも人工歯根本体3と金
属芯体4との開口部5に、重合可能な不飽和化合物及び
重合開始剤を含有する補償液6を接触させて保持しうる
補償液貯留部7が設けられている。さらに、筒状体1の
上部には、上部に加圧ガス導入口を有するフードをねじ
結合などによって結合しうるフード受容部8が設けられ
ている。
【0022】人工歯根本体3及び金属芯体4を接着剤層
9で複合化した人工歯根を図2に示したように人工歯根
製造装置の穴2内にセットした後、補償液貯留部7に補
償液6を入れ、人工歯根本体3の底部を加熱すると、接
着剤層9はその底部から開口部5に向かって温度勾配を
生じ、接着剤層9が底部から重合硬化を開始し、収縮分
は補償液6が補填し、空隙や剥離部のない硬化した接着
剤層を形成することができる。
【0023】金属芯体4の頂部に存在する穴に冷却棒を
結合して、金属芯体の頂部に補償液が回り込み、その補
償液が硬化して芯体に硬化物が付着して穴を埋めてしま
うのを防止するとともに、補償液を低温に保持するのが
好ましい。図3は、冷却棒10の断面図である。この冷
却棒10は、耐蝕性及び熱拡散に優れた金属、例えば、
チタンから成るが、補償液の固化物が付着しないよう
に、テフロンなどから成る外筒11を有する。
【0024】図4は、本発明の別の実施例を示す人工歯
根製造装置の平面図であり、図5は図4に示した人工歯
根製造装置にフードを取り付けた状態で示す図4のA−
A線断面図である。図4に示した人工歯根製造装置は、
一度に多数の人工歯根を製造しうるものであり、筒状体
12には、人工歯根を収容する多数の穴13及び外周付
近にフード受容部14が設けられている。このフード受
容部14にはフード15がねじ結合などによって結合さ
れる。また、このフード15には、図5に示したように
不活性ガス導入口16が設けられている。不活性ガス導
入口16の数は、穴13の数などに応じて適宜選定する
ことができる。
【0025】この人工歯根製造装置によれば、不活性ガ
ス導入口16から不活性ガスを圧入することによって、
補償液を容易に加圧することができ、また、補償液の蒸
発を防ぐこともできる。こうして加圧下に、人工歯根本
体の底部を加熱することによって、個々の接着剤層にそ
の底部から開口部5に向かって温度勾配を生じさせるこ
とができ、接着剤層の底部から重合硬化を開始させ、収
縮分は補償液6が補填し、空隙や剥離部のない硬化した
接着剤層を形成することができ、多数の人工歯根を一度
に効率よく製造することができる。
【0026】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれによって制限されるもの
ではない。なお、実施例中「部」は特に断りのない限
り、「重量部」を意味する。
【0027】実施例1 下記組成のメタクリル酸メチル系接着剤を調製した。 メタクリル酸メチルモノマー 50部 ポリメタクリル酸メチル 25部 過酸化ベンゾイル 0.25部 4−META 1.5部 ハイドロキシアパタイト粉末 125部 使用したハイドロキシアパタイト粉末は、公知の方法で
合成したスラリーを造粒した後、1050℃で4時間熱
処理し、乳鉢で粉砕して得たものである。
【0028】次に、補償液を下記の重量組成で調製し
た。 メタクリル酸メチルモノマー 50部 4−META 1.5部 過酸化ベンゾイル 0.15部
【0029】人工歯根本体をハイドロキシアパタイト焼
結体から作製し、芯体を金属チタンから作製した。人工
歯根本体の凹部内に上記のメタクリル酸メチル系接着剤
を充填し、次いで金属チタン芯体を圧入した後、余剰の
接着剤を除去した。こうして複合化した人工歯根を図2
に示したように、人工歯根製造装置にセットした後、そ
の装置の補償液貯留部に補償液を入れ、この状態で2気
圧の窒素雰囲気下で加圧重合を行った。このとき、歯根
底部が下側となっている。チタン芯体にはその頂部に金
属チタン製の冷却棒(長さ2cm)を取り付けた。温度
47℃の水浴を用いて、人工歯根の底部のみが加熱され
るようにして重合を開始させ、この温度に48時間維持
した。その後、段階的に温度を上げていき、最終的に9
5℃で1時間維持した後、徐冷することによって重合を
終了させた。次いで、歯根外部の余剰の固化した補償液
を除去した後、以上の手順で作製した人工歯根試料につ
いて、縦圧縮強度及び横圧縮強度を下記の方法で測定
し、結果を表1に示す。縦圧縮強度は、人工歯根を正立
の状態で上下方向から荷重を負荷して破壊時の荷重で示
し、横圧縮強度は、人工歯根を横に倒した状態で上下方
向から荷重を負荷して破壊時の荷重で示した。
【0030】実施例2 実施例1と同じ接着剤組成、補償液組成及び温度条件を
用いるが、常圧で接着操作を行った。得られた人工歯根
試料について、縦圧縮強度及び横圧縮強度を測定し、結
果を表1に示す。
【0031】比較例1 実施例1に用いたのと同じ接着剤及び補償液、人工歯根
本体及び金属チタン芯体を用いた。人工歯根本体の凹部
に接着剤を充填し、金属チタン芯体を圧入した後、余剰
の接着剤を除去した。この複合体を補償液を入れた容器
に倒立して置き、この状態で2気圧の窒素雰囲気下で加
圧重合を行った。50℃に設定した恒温器内に設置して
加圧重合を開始させ、13時間この温度に維持し、その
後、段階的に温度を上げていき、最終的に95℃に1時
間維持した後、徐冷することにより重合を終了させた。
次いで、歯根外部の余剰の固化した補償液を除去した
後、以上の手順で作製した人工歯根試料について、縦圧
縮強度及び横圧縮強度を測定したところ表1に示す結果
を得た。
【0032】比較例2 常圧で接着操作を行った以外は、比較例1と同じ条件で
人工歯根試料を作製し、縦圧縮強度及び横圧縮強度を測
定したところ表1に示す結果を得た。
【0033】
【表1】
【0034】この結果から、重合時に、補償液の供給部
から最も離れた側から補償液供給部に向かって温度が低
くなるように、温度勾配をつけることによって、縦圧縮
強度で100kgf、横圧縮強度で約50kgf、強度
が向上したことが分かる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、補償液の硬化を遅延さ
せるとともに、接着剤は補償液の供給部から最も離れた
部分より徐々に硬化させることができるため、接着剤の
重合収縮を完全に補償し、剥離部のない接着層を形成で
き、強度が著しく向上した人工歯根を容易に製造するこ
とができる。また、本発明の装置を用いれば、多数の人
工歯根を一度に製造することができ、効率よく品質の良
い人工歯根を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す人工歯根製造装置の断
面図である。
【図2】図1に示した人工歯根製造装置を人工歯根の製
造中の状態で示す断面図である。
【図3】冷却棒10の断面図である。
【図4】本発明の別の実施例を示す人工歯根製造装置の
平面図である。
【図5】図4に示した人工歯根製造装置にフードを取り
付けた状態で示す図4のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 筒状体 2 穴 3 人工歯根本体 4 金属芯体 5 開口部 6 補償液 7 補償液貯留部 8 フード受容部 9 接着剤層 10 冷却棒 11 外筒 12 筒状体 13 穴 14 フード受容部 15 フード 16 不活性ガス導入口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス焼結体から成る人工歯根本
    体の凹部に接着剤を入れ、次いで金属芯体を挿入し、重
    合可能な不飽和化合物及び重合開始剤を含有する補償液
    を注入しながら接着剤を重合させて人工歯根本体と金属
    芯体とを接着複合化することにより人工歯根を製造する
    方法において、重合時に、補償液を人工歯根本体と金属
    芯体との開口部に接触させて保持し、人工歯根本体の底
    部を加熱して、そこから上記開口部に向かって徐々に低
    くなる温度勾配をつけることを特徴とする人工歯根の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 金属芯体の頭部に冷却棒を嵌合させて、
    該頭部への補償液の回り込みを防止するとともに熱を拡
    散させて補償液を低温に維持する請求項1記載の人工歯
    根の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合を不活性雰囲気中で加圧下に行う請
    求項1又は2記載の人工歯根の製造方法。
  4. 【請求項4】 人工歯根本体の外径と直径がほぼ同一の
    穴を1個以上有する筒状体からなり、各穴の上部に、少
    なくとも人工歯根本体と金属芯体との開口部に、重合可
    能な不飽和化合物及び重合開始剤を含有する補償液を接
    触させて保持しうる補償液貯留部が設けられていること
    を特徴とする人工歯根の製造装置。
  5. 【請求項5】 金属芯体の頭部に結合しうる金属製の冷
    却棒を有し、該冷却棒には補償液の固化物と冷却棒とが
    接合されないように接合防止加工が施されているか、又
    は接合されない材料から成る外筒が備えられている請求
    項4記載の人工歯根の製造装置。
  6. 【請求項6】 筒状体の上部に結合でき、上部に不活性
    ガス導入口を有するフードを備えた請求項4又は5記載
    の人工歯根の製造装置。
JP21284994A 1994-09-06 1994-09-06 人工歯根の製造方法及び製造装置 Expired - Fee Related JP3586296B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21284994A JP3586296B2 (ja) 1994-09-06 1994-09-06 人工歯根の製造方法及び製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21284994A JP3586296B2 (ja) 1994-09-06 1994-09-06 人工歯根の製造方法及び製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0871089A true JPH0871089A (ja) 1996-03-19
JP3586296B2 JP3586296B2 (ja) 2004-11-10

Family

ID=16629350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21284994A Expired - Fee Related JP3586296B2 (ja) 1994-09-06 1994-09-06 人工歯根の製造方法及び製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3586296B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523735A (ja) * 2001-08-03 2005-08-11 アンドレ ベンアモー 接着によって互いに連結するコアとセラミック製のスリーブを含む歯科用インプラントおよびその類似物
EP1791490A1 (en) * 2004-09-01 2007-06-06 Nobel Biocare Services AG Implant for dental prosthesis, and method and system for producing the implant

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523735A (ja) * 2001-08-03 2005-08-11 アンドレ ベンアモー 接着によって互いに連結するコアとセラミック製のスリーブを含む歯科用インプラントおよびその類似物
EP1791490A1 (en) * 2004-09-01 2007-06-06 Nobel Biocare Services AG Implant for dental prosthesis, and method and system for producing the implant
EP1791490A4 (en) * 2004-09-01 2012-11-14 Nobel Biocare Services Ag IMPLANT FOR DENTAL PROSTHESIS, METHOD AND SYSTEM FOR PRODUCING THE SAME

Also Published As

Publication number Publication date
JP3586296B2 (ja) 2004-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4781675B2 (ja) 天然の歯の部分または歯に固定するための配合物
US4131597A (en) Bioactive composite material process of producing and method of using same
CA2027921C (en) Bone cement composition, cured product thereof, implant material and process for the preparation of the same
US5814681A (en) Restorative composition for hard tissue and dispensing apparatus therefor
JP5276175B2 (ja) 複合セラミックブロック
EP0089782A1 (en) Polymeric acrylic prosthesis
Wakefield et al. Shear bond strengths of six bonding systems using the pushout method of in vitro testing
EP0197920A1 (en) Method and device for fixing a joint prosthesis
JP5557276B2 (ja) 人工要素を、象牙質、エナメル質、骨または対応の置換材料の表面に固定するための方法、およびその方法を実行するためのセット
KR102597404B1 (ko) 치과용 접착제
Ishihara et al. Adhesive bone cement both to bone and metals: 4‐META in MMA initiated with tri‐n‐butyl borane
JP3586296B2 (ja) 人工歯根の製造方法及び製造装置
EP0053903B1 (en) Oral prosthesis and method for producing same
US20130004917A1 (en) Affixing an artificial element to a surface of dentine, enamel, bone, or a corresponding substitute material
Amarnath et al. Bond strength and tensile strength of surface treated resin teeth with microwave cured and heat cured acrylic resin denture base: An in-vitro study
EP3146934B1 (en) Pads for orthodontic brackets, orthodontic brackets, and methods of making orthodontic brackets
JP3471866B2 (ja) 人工歯根の製造方法
WO2010009567A2 (en) A preparation for being fastened on a natural tooth part or tooth and method of manufacturing such a preparation
Ghavami-Lahiji et al. Influence of Er, Cr: YSGG laser surface treatments on micro push-out bond strength of fiber posts to composite resin core materials
KR101922150B1 (ko) 치과 및 외과용 다공성 임플란트 및 그 제조방법
JPS63160662A (ja) 骨親和性に優れた金属材表面の処理方法
Thoms et al. The Effect of Dentin Primer on the Tensile Bond Strength to Human Enamel.
JP2673515B2 (ja) ポーラスコートインプラントの製造方法
JPS59500453A (ja) 高分子アクリル人工器官
JP2007089842A (ja) 骨補填部材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040723

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040727

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040806

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees