JPH0870753A - 早煮え美味麺類製品の製造方法 - Google Patents
早煮え美味麺類製品の製造方法Info
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- JPH0870753A JPH0870753A JP25024294A JP25024294A JPH0870753A JP H0870753 A JPH0870753 A JP H0870753A JP 25024294 A JP25024294 A JP 25024294A JP 25024294 A JP25024294 A JP 25024294A JP H0870753 A JPH0870753 A JP H0870753A
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- JP
- Japan
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- noodles
- water
- starch
- temperature
- noodle
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 早煮え,美味,安価,長持ち、の諸条件を具
備した麺類製品の製造方法を提供する。 【構成】 生麺を美味しく茹でるには,先ず麺の中心部
迄熱水を浸透させる事が必須条件であるが、之には可成
り時間を要する。殊にうどんの如き肉厚のものは顕著で
ある。しかし澱粉の糊化現象を研究解析してみると、糊
化初期にはまだ結晶性ミセルが存在したままの状態で水
分のみが澱粉粒内に浸透するという所謂膨潤作用があ
り、次の段階でこの浸透した熱水に澱粉分子が溶解して
本格糊化が達成され、しかも糊化初期の膨潤現象は糊化
開始温度に近い比較的低温下の或る温度範囲で進行する
事が明かになった。従ってこの発明では麺形成前に多量
の水分を適温加熱によってベト付きもなく澱粉内に浸透
させる方法を完成した。この発明では単に小規模な手打
ち的製麺法のみでなく、大規模な麺量産法の1例として
特殊前処理機によって、手製麺工程の前半を、そしてそ
の後半をポリマー発泡シートを製造する際の押出機に近
い方法により目的を達成しうる事を特徴とする。
備した麺類製品の製造方法を提供する。 【構成】 生麺を美味しく茹でるには,先ず麺の中心部
迄熱水を浸透させる事が必須条件であるが、之には可成
り時間を要する。殊にうどんの如き肉厚のものは顕著で
ある。しかし澱粉の糊化現象を研究解析してみると、糊
化初期にはまだ結晶性ミセルが存在したままの状態で水
分のみが澱粉粒内に浸透するという所謂膨潤作用があ
り、次の段階でこの浸透した熱水に澱粉分子が溶解して
本格糊化が達成され、しかも糊化初期の膨潤現象は糊化
開始温度に近い比較的低温下の或る温度範囲で進行する
事が明かになった。従ってこの発明では麺形成前に多量
の水分を適温加熱によってベト付きもなく澱粉内に浸透
させる方法を完成した。この発明では単に小規模な手打
ち的製麺法のみでなく、大規模な麺量産法の1例として
特殊前処理機によって、手製麺工程の前半を、そしてそ
の後半をポリマー発泡シートを製造する際の押出機に近
い方法により目的を達成しうる事を特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、早煮え,美味,安
価,長持ち,の諸条件を具備した麺類製品の製造方法に
関する。
価,長持ち,の諸条件を具備した麺類製品の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】この発明の基本となる、麺形成前に、そ
の麺茹でに必要な水分を或る温度範囲での加熱によって
予め麺内に保有せしめて、茹で時間の大幅な短縮を図
る、という技術は、之迄の特許,出願公開等を調査した
結果、今日迄実施された形跡の無い事が明かになった。
考えられる理由は、麺殊にうどん類は我が国固有の食文
化であり、比較的湿気の多い日本の土地柄で生産される
所謂内地産小麦粉に適した食品として育成された事か
ら、古来伝統的製法が根強く成長し、完成の域にあると
思われている為、他の製法に目を向ける雰囲気が育たな
かった故と推測される。
の麺茹でに必要な水分を或る温度範囲での加熱によって
予め麺内に保有せしめて、茹で時間の大幅な短縮を図
る、という技術は、之迄の特許,出願公開等を調査した
結果、今日迄実施された形跡の無い事が明かになった。
考えられる理由は、麺殊にうどん類は我が国固有の食文
化であり、比較的湿気の多い日本の土地柄で生産される
所謂内地産小麦粉に適した食品として育成された事か
ら、古来伝統的製法が根強く成長し、完成の域にあると
思われている為、他の製法に目を向ける雰囲気が育たな
かった故と推測される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば麺類の中でうど
んの場合を例にとって説明すれば、所謂従来の手打ちう
どんの中でも特に美味しいと定評のあるものの作り方
は、適度の塩水混合と混捏による適当なグルテンの析出
(化学分野では塩析と称する),足踏みによる均一な水
和,適温下での長時間の熟成等、数多くの工程,時間,
及び外部条件の変化に対処する為の長年培われた勘の働
き等により、漸く美味しいうどん生地を作るのが真の手
打ちうどんであり、確かに味は美味であるが生産性は極
めて低い。生産性を大幅にアップするには機械化する外
はないが、機械化すれば時短による製造過程省略の為必
ず味が低下する。また美味しいうどんを得るには、生麺
の段階で古来或る範囲内に於いて成るべく多量の水を加
えて水和を充分に行わせる事が必要とされ、之が或る程
度煮え時間の短縮にもつながるのであるが、之を充分に
行えばうどんのベト付きが激しくなり、打粉を充分に使
っても長時間保管すれば隣同志がくつ付き易くなる欠点
が出てくるので、加水量も程々の所で行わざるを得なく
なる。従って通常希望される5分以内という可成り短い
時間での茹で上げ麺の製造は難しくなる。しかし仮に機
械を利用して製造する時に水和を充分に行った場合は、
ベト付きを防ぐ為に多量の打粉を使用する外多くの対策
が必要になり、機械装置もこの為複雑にならざるを得な
くなるので、機械麺は手打ち麺より水分を減らすのが通
常であり、従って麺の茹で時間は長時間にならざるを得
ず、味も低下する。
んの場合を例にとって説明すれば、所謂従来の手打ちう
どんの中でも特に美味しいと定評のあるものの作り方
は、適度の塩水混合と混捏による適当なグルテンの析出
(化学分野では塩析と称する),足踏みによる均一な水
和,適温下での長時間の熟成等、数多くの工程,時間,
及び外部条件の変化に対処する為の長年培われた勘の働
き等により、漸く美味しいうどん生地を作るのが真の手
打ちうどんであり、確かに味は美味であるが生産性は極
めて低い。生産性を大幅にアップするには機械化する外
はないが、機械化すれば時短による製造過程省略の為必
ず味が低下する。また美味しいうどんを得るには、生麺
の段階で古来或る範囲内に於いて成るべく多量の水を加
えて水和を充分に行わせる事が必要とされ、之が或る程
度煮え時間の短縮にもつながるのであるが、之を充分に
行えばうどんのベト付きが激しくなり、打粉を充分に使
っても長時間保管すれば隣同志がくつ付き易くなる欠点
が出てくるので、加水量も程々の所で行わざるを得なく
なる。従って通常希望される5分以内という可成り短い
時間での茹で上げ麺の製造は難しくなる。しかし仮に機
械を利用して製造する時に水和を充分に行った場合は、
ベト付きを防ぐ為に多量の打粉を使用する外多くの対策
が必要になり、機械装置もこの為複雑にならざるを得な
くなるので、機械麺は手打ち麺より水分を減らすのが通
常であり、従って麺の茹で時間は長時間にならざるを得
ず、味も低下する。
【0004】この茹で時間の大幅な短縮を狙ったもの
に、所謂うどん玉の如き茹で麺が市販されているが、之
は麺の味を大きく低下させる伸びの問題(後述)によ
り、肝心の味を犠牲にする欠点がある。この事を解決す
る方法として、麺に伸びが発生する前に急速冷凍して冷
凍麺となす方法がある。確かに之は味の点では不満は無
いが、急速冷凍には極めて短い時間での冷凍が必要とさ
れる事から、極低温生成維持の為の電力費が麺のコスト
を押し上げるばかりでなく、一度解凍されて且つ長分間
放置された麺は大幅に味が低下し、再度冷凍しても味の
回復は不可能となる為、製品の輸送,販売,購買後の保
存にも常に冷凍状態を維持する事が不可欠となる事か
ら、総合的に可成り経費食いの欠点がある。
に、所謂うどん玉の如き茹で麺が市販されているが、之
は麺の味を大きく低下させる伸びの問題(後述)によ
り、肝心の味を犠牲にする欠点がある。この事を解決す
る方法として、麺に伸びが発生する前に急速冷凍して冷
凍麺となす方法がある。確かに之は味の点では不満は無
いが、急速冷凍には極めて短い時間での冷凍が必要とさ
れる事から、極低温生成維持の為の電力費が麺のコスト
を押し上げるばかりでなく、一度解凍されて且つ長分間
放置された麺は大幅に味が低下し、再度冷凍しても味の
回復は不可能となる為、製品の輸送,販売,購買後の保
存にも常に冷凍状態を維持する事が不可欠となる事か
ら、総合的に可成り経費食いの欠点がある。
【0005】また手打ち生麺の場合、食塩が或程度多量
に存在する為若干の腐敗防止には役立つとはいえ、熟成
工程が35℃前後という体温に近い温度付近が最適とさ
れているので、之は生化学的には最適な温度であるが、
この温度付近は同時に麺生地内の雑菌の繁殖にとっても
最適の温度となる為、熟成を行った生地は長持ちしない
欠点が出てくる。この為生産側の都合の良い時に多量生
産をして作り置きする事が難しくなる。従って高級手打
ち麺の場合味の美味しさを最大の目的とする為生産性は
犠牲にせざるを得なくなり、生産コストは人件費と連動
する事になる。しかし機械生産をした時でも生麺の場合
は雑菌の繁殖を極度に抑える事は出来ないので長期保存
は難しい。
に存在する為若干の腐敗防止には役立つとはいえ、熟成
工程が35℃前後という体温に近い温度付近が最適とさ
れているので、之は生化学的には最適な温度であるが、
この温度付近は同時に麺生地内の雑菌の繁殖にとっても
最適の温度となる為、熟成を行った生地は長持ちしない
欠点が出てくる。この為生産側の都合の良い時に多量生
産をして作り置きする事が難しくなる。従って高級手打
ち麺の場合味の美味しさを最大の目的とする為生産性は
犠牲にせざるを得なくなり、生産コストは人件費と連動
する事になる。しかし機械生産をした時でも生麺の場合
は雑菌の繁殖を極度に抑える事は出来ないので長期保存
は難しい。
【0006】以上の問題点を整理すれば次の如くにな
る。(1)茹で時間短縮手段が麺の伸びによる味の低下
又は麺の冷凍によるコスト上昇をもたらす問題,(2)
味向上の為に充分な水和を行う事が生産性を阻害する問
題,(3)味向上の為の熟成が生麺保存期間を短縮させ
る問題,(4)量産の為生産性を重視すれば味が低下す
る問題、の4項目に要約される。
る。(1)茹で時間短縮手段が麺の伸びによる味の低下
又は麺の冷凍によるコスト上昇をもたらす問題,(2)
味向上の為に充分な水和を行う事が生産性を阻害する問
題,(3)味向上の為の熟成が生麺保存期間を短縮させ
る問題,(4)量産の為生産性を重視すれば味が低下す
る問題、の4項目に要約される。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明が従来の麺類製
法と際立って異なる点は、小麦粉を主成分とする原料
を、小麦粉澱粉の糊化開始温度を上廻る或範囲内の温度
下で混練する事により、小麦粉内に茹で麺に必要とされ
る量に近い水分を予め浸透させながら、且つ味覚の低下
を伴わない事である。この場合最初に懸念される点は麺
の伸びの問題である。文献によれば、「茹で麺の伸びと
は、麺は茹でた当初、麺の表面と中心部の水分に明かな
差を生ずるが、時間の経過と共に麺内に水分の移動が起
こり、水分差が無くなる為噛んだ時の歯応えが低下し、
味が落ちてくる。之を一般に麺が伸びると称している」
とある。
法と際立って異なる点は、小麦粉を主成分とする原料
を、小麦粉澱粉の糊化開始温度を上廻る或範囲内の温度
下で混練する事により、小麦粉内に茹で麺に必要とされ
る量に近い水分を予め浸透させながら、且つ味覚の低下
を伴わない事である。この場合最初に懸念される点は麺
の伸びの問題である。文献によれば、「茹で麺の伸びと
は、麺は茹でた当初、麺の表面と中心部の水分に明かな
差を生ずるが、時間の経過と共に麺内に水分の移動が起
こり、水分差が無くなる為噛んだ時の歯応えが低下し、
味が落ちてくる。之を一般に麺が伸びると称している」
とある。
【0008】一方澱粉はミクロ的には、通常澱粉粒とい
う澱粉分子が会合した結晶性のミセルを形成しており、
之を水分共存下で徐々に昇温して行くと、澱粉の種類に
よって多少の変動はあるものの、大体55℃前後から糊
化が始まり、90℃〜100℃でミセルが完全に消失
し、糊化が完了する。しかしこの糊化にも段階があって
初期段階では澱粉粒の結晶したミセルを完全に残したま
まの状態で、先ず水分が澱粉粒内へ浸透し、澱粉粒が膨
潤状態になる。その後更に昇温を続けると、ミセルが消
失する。この事は麺を茹でる時にも同様に、この順序で
澱粉の糊化が行われる。しかし麺の場合特にうどん類の
場合は、厚みがある為に内部迄の水分の浸透に最も時間
がかかる事から、麺が本当に美味しく茹で上がる迄には
長分間を必要とする。従って予め麺内の澱粉に適度の水
分を吸収させ、糊化初期の膨潤状態にしておけば、澱粉
内への熱の浸透速度は水分の浸透速度に比べて遥に速い
為、加熱すれば短分間で茹で上がる事になる。つまり換
言すれば、この発明の方法は麺の茹で上げに最も時間の
かかる部分を前処理により前以って通過させておく方法
といえる。しかし一方に於いて前記麺の伸びの問題は、
この発明の場合一体どうなるのかという疑問が残る。
う澱粉分子が会合した結晶性のミセルを形成しており、
之を水分共存下で徐々に昇温して行くと、澱粉の種類に
よって多少の変動はあるものの、大体55℃前後から糊
化が始まり、90℃〜100℃でミセルが完全に消失
し、糊化が完了する。しかしこの糊化にも段階があって
初期段階では澱粉粒の結晶したミセルを完全に残したま
まの状態で、先ず水分が澱粉粒内へ浸透し、澱粉粒が膨
潤状態になる。その後更に昇温を続けると、ミセルが消
失する。この事は麺を茹でる時にも同様に、この順序で
澱粉の糊化が行われる。しかし麺の場合特にうどん類の
場合は、厚みがある為に内部迄の水分の浸透に最も時間
がかかる事から、麺が本当に美味しく茹で上がる迄には
長分間を必要とする。従って予め麺内の澱粉に適度の水
分を吸収させ、糊化初期の膨潤状態にしておけば、澱粉
内への熱の浸透速度は水分の浸透速度に比べて遥に速い
為、加熱すれば短分間で茹で上がる事になる。つまり換
言すれば、この発明の方法は麺の茹で上げに最も時間の
かかる部分を前処理により前以って通過させておく方法
といえる。しかし一方に於いて前記麺の伸びの問題は、
この発明の場合一体どうなるのかという疑問が残る。
【0009】この発明では糊化の初期温度に近い適温下
で澱粉を膨潤状態となしたものを麺線に形成するので、
之を熱湯で茹でる時は極めて短分間に茹で上げる事が出
来る。この時麺の伸び防止手段として、予め麺内に浸透
させておく水分量を、多過ぎないよう実験的に得た少し
少なめの適量にしておくと、之を茹でた時、熱は麺内に
短分間で通る為、予め浸透させてある水分に澱粉が溶け
て麺全体は短分間で茹で上がるが、麺の表層部はその短
い時間内にも鍋内の豊富な熱水の浸蝕を受けて麺の中心
部より水分過剰となり、麺の表層部と中心部との間に明
かな水分差を生じ、短い茹で時間にも拘らず、生麺を煮
た直後と全く同様の美味しい歯応えを与える。従って問
題点(1)の、茹で時間短縮手段が伸びによる味低下を
もたらす問題は、之により明らかにクリアする事ができ
る。更にこの発明は量産の為の機械製麺の一例として、
後述する如く、押出機による連続運転を行う事が出来る
為急速冷凍麺製造の為の極低温発生電力費に較べれば電
力コストは極めて少ない利点がある。一方冷凍麺の場合
は冷凍費に加うるに、冷凍前に生麺を美味しくなる所迄
長分間茹でる為の燃料費が別に加算され、将来共大幅な
コストの低減は困難といわざるを得ない。
で澱粉を膨潤状態となしたものを麺線に形成するので、
之を熱湯で茹でる時は極めて短分間に茹で上げる事が出
来る。この時麺の伸び防止手段として、予め麺内に浸透
させておく水分量を、多過ぎないよう実験的に得た少し
少なめの適量にしておくと、之を茹でた時、熱は麺内に
短分間で通る為、予め浸透させてある水分に澱粉が溶け
て麺全体は短分間で茹で上がるが、麺の表層部はその短
い時間内にも鍋内の豊富な熱水の浸蝕を受けて麺の中心
部より水分過剰となり、麺の表層部と中心部との間に明
かな水分差を生じ、短い茹で時間にも拘らず、生麺を煮
た直後と全く同様の美味しい歯応えを与える。従って問
題点(1)の、茹で時間短縮手段が伸びによる味低下を
もたらす問題は、之により明らかにクリアする事ができ
る。更にこの発明は量産の為の機械製麺の一例として、
後述する如く、押出機による連続運転を行う事が出来る
為急速冷凍麺製造の為の極低温発生電力費に較べれば電
力コストは極めて少ない利点がある。一方冷凍麺の場合
は冷凍費に加うるに、冷凍前に生麺を美味しくなる所迄
長分間茹でる為の燃料費が別に加算され、将来共大幅な
コストの低減は困難といわざるを得ない。
【0010】次に問題点(2)の、味向上の為に充分な
水和を行う事が生産性を低下させる問題に関する本発明
について述べる。一般に澱粉物質は、過剰にならない或
範囲内で糊化に必要な最少限に近い量の水分を与えて昇
温糊化した後冷却すると、水分によって澱粉が膨潤して
も、結晶性ミセルが完存したままなのでベト付きの殆ど
無い比較的硬い物質を生ずる性質がある。小麦粉澱粉も
同様である。しかし小麦粉には他の穀物にないベト付き
を助長するグルテンの存在があるが、之も糊化開始温度
以上に加熱するとベト付きの殆ど無い別の物質に変化す
る。従って量産の場合後述する如く、この発明の方法に
より、茹で麺に必要な量に近い水分を前処理機及び押出
機内で小麦粉に与えて昇温混練し、冷却後押出機系外へ
押し出す時は、通常の生麺に比してベト付きの殆ど無い
極めて取扱い易い麺が得られる。この為この発明の方法
にて之迄の常識からは過剰と思われる水分量を小麦粉に
与えて、充分な水和のもとに麺を生産しても、ベト付き
が殆ど無い事から生産性は低下しない。
水和を行う事が生産性を低下させる問題に関する本発明
について述べる。一般に澱粉物質は、過剰にならない或
範囲内で糊化に必要な最少限に近い量の水分を与えて昇
温糊化した後冷却すると、水分によって澱粉が膨潤して
も、結晶性ミセルが完存したままなのでベト付きの殆ど
無い比較的硬い物質を生ずる性質がある。小麦粉澱粉も
同様である。しかし小麦粉には他の穀物にないベト付き
を助長するグルテンの存在があるが、之も糊化開始温度
以上に加熱するとベト付きの殆ど無い別の物質に変化す
る。従って量産の場合後述する如く、この発明の方法に
より、茹で麺に必要な量に近い水分を前処理機及び押出
機内で小麦粉に与えて昇温混練し、冷却後押出機系外へ
押し出す時は、通常の生麺に比してベト付きの殆ど無い
極めて取扱い易い麺が得られる。この為この発明の方法
にて之迄の常識からは過剰と思われる水分量を小麦粉に
与えて、充分な水和のもとに麺を生産しても、ベト付き
が殆ど無い事から生産性は低下しない。
【0011】次に、味向上の為の熟成が生麺保存期間を
短縮させる問題点に関する本発明について述べると、こ
の発明では澱粉粒内へ水分を浸透させる手段として澱粉
の糊化開始温度(小麦粉の種類によって異なるが最低約
55℃とされる)から本格糊化の始まる温度(小麦粉の
種類によって異なり明確ではないが大凡そ70℃前後と
される)迄の温度範囲内で加熱混練すると、混練により
麺の旨味を形成する組織を壊す事なく短分間に必要水分
を澱粉粒内に浸透させる事が出来る。通常この発明の方
法では65℃を中心に数度のバラツキを以て加熱される
が、一般にビール,牛乳等の飲料食品で行われる低温殺
菌温度は63℃付近とされるので、可成りの殺菌効果が
あると推定され、この発明の方法にて製造した麺は通常
の10℃以下の冷蔵庫内では2ケ月以上の保存にも味の
変化をきたさない利点がある。
短縮させる問題点に関する本発明について述べると、こ
の発明では澱粉粒内へ水分を浸透させる手段として澱粉
の糊化開始温度(小麦粉の種類によって異なるが最低約
55℃とされる)から本格糊化の始まる温度(小麦粉の
種類によって異なり明確ではないが大凡そ70℃前後と
される)迄の温度範囲内で加熱混練すると、混練により
麺の旨味を形成する組織を壊す事なく短分間に必要水分
を澱粉粒内に浸透させる事が出来る。通常この発明の方
法では65℃を中心に数度のバラツキを以て加熱される
が、一般にビール,牛乳等の飲料食品で行われる低温殺
菌温度は63℃付近とされるので、可成りの殺菌効果が
あると推定され、この発明の方法にて製造した麺は通常
の10℃以下の冷蔵庫内では2ケ月以上の保存にも味の
変化をきたさない利点がある。
【0012】最後に量産による生産性向上と味低下の問
題であるが、通常の美味しい麺の製造では麺線に加工す
る前に麺を適温下で数時間寝かせるという所謂熟成工程
が欠かせないものとなっているが、之を化学的に分析す
れば、小麦粉内の酵素を触媒として澱粉分子の極一部を
分解せしめ、麺内に炭酸ガスを微細に発生させて麺に弾
力性を付加するものである。本発明の方法では後述の如
く、最後の工程で押出機を利用した量産の時でも、前工
程で炭酸塩アルカリ水を小麦粉澱粉内へ浸透させ第1次
加水を行った後、後工程の押出機内で第2次加水の食用
希酸水を適量添加して混練しながら混練中に徐々に炭酸
ガスを発生させ、麺内に微細気泡を形成する方法も行う
事が出来るので、長時間の所謂熟成工程を省略する事が
可能となる。従って生産性向上と味低下の問題は之によ
ってクリアする事が出来る。
題であるが、通常の美味しい麺の製造では麺線に加工す
る前に麺を適温下で数時間寝かせるという所謂熟成工程
が欠かせないものとなっているが、之を化学的に分析す
れば、小麦粉内の酵素を触媒として澱粉分子の極一部を
分解せしめ、麺内に炭酸ガスを微細に発生させて麺に弾
力性を付加するものである。本発明の方法では後述の如
く、最後の工程で押出機を利用した量産の時でも、前工
程で炭酸塩アルカリ水を小麦粉澱粉内へ浸透させ第1次
加水を行った後、後工程の押出機内で第2次加水の食用
希酸水を適量添加して混練しながら混練中に徐々に炭酸
ガスを発生させ、麺内に微細気泡を形成する方法も行う
事が出来るので、長時間の所謂熟成工程を省略する事が
可能となる。従って生産性向上と味低下の問題は之によ
ってクリアする事が出来る。
【0013】
【作用】この発明の方法の実施手順は一つに限らず多く
の方法があるが、図1に手製麺作りの場合の工程例を、
そして図2以後にこの発明の方法にて麺を大量生産する
場合の機械製麺法の1例について例示した。
の方法があるが、図1に手製麺作りの場合の工程例を、
そして図2以後にこの発明の方法にて麺を大量生産する
場合の機械製麺法の1例について例示した。
【0014】図1に於いて、工程(1)では小麦粉と時
には他の粉末(大凡そ10%以内)も混ぜてボール内に
入れてよく混合する。工程(2)で全加水量(例えばう
どん麺の場合、全粉末重量の70%弱,ラーメンの場
合、同約60%強)の大部分の約70%を添加し、泡立
器でよく攪拌する。この時より旨味を出す手段の一つと
して炭酸塩アルカリ水を少量添加する事が多い。この後
之を工程(3)に示す如く、ポリ袋に入れて手の掌と指
で約5分間よく練る。その後工程(4)の如く電子レン
ジに入れて、3,4秒間ずつ数回加熱するが、電子レン
ジでは部分的に昇温が不均一の為加熱を中断してはレン
ジ外でポリ袋ごとよく混練し、全体の温度を均一に近く
した後、温度計を麺原料内に挿入して測温する。之を
5,6回繰り返すと所定の65℃に近くなる。温度が5
5℃を超える頃から少しずつ小麦粉が水を吸って硬くな
り、60℃以上になると可成り硬くなるのがわかる。小
麦粉塊が硬くなった所で工程(5)の如くポリ袋より小
麦粉塊を出し、ミキサーにかけ易いように小塊に千切っ
てボール内に2,3分放冷する。大凡そ40℃以下に降
温した所でミキサー(工程6)に入れて細粒化する。冷
却すると小麦粉塊は更に硬くなるので簡単に細粒化され
る。之をボール内に戻し(工程7)第2次加水を行い、
残りの約30%の水分を添加し混捏する。
には他の粉末(大凡そ10%以内)も混ぜてボール内に
入れてよく混合する。工程(2)で全加水量(例えばう
どん麺の場合、全粉末重量の70%弱,ラーメンの場
合、同約60%強)の大部分の約70%を添加し、泡立
器でよく攪拌する。この時より旨味を出す手段の一つと
して炭酸塩アルカリ水を少量添加する事が多い。この後
之を工程(3)に示す如く、ポリ袋に入れて手の掌と指
で約5分間よく練る。その後工程(4)の如く電子レン
ジに入れて、3,4秒間ずつ数回加熱するが、電子レン
ジでは部分的に昇温が不均一の為加熱を中断してはレン
ジ外でポリ袋ごとよく混練し、全体の温度を均一に近く
した後、温度計を麺原料内に挿入して測温する。之を
5,6回繰り返すと所定の65℃に近くなる。温度が5
5℃を超える頃から少しずつ小麦粉が水を吸って硬くな
り、60℃以上になると可成り硬くなるのがわかる。小
麦粉塊が硬くなった所で工程(5)の如くポリ袋より小
麦粉塊を出し、ミキサーにかけ易いように小塊に千切っ
てボール内に2,3分放冷する。大凡そ40℃以下に降
温した所でミキサー(工程6)に入れて細粒化する。冷
却すると小麦粉塊は更に硬くなるので簡単に細粒化され
る。之をボール内に戻し(工程7)第2次加水を行い、
残りの約30%の水分を添加し混捏する。
【0015】第1次加水の時に炭酸塩(炭酸ナトリウ
ム,炭酸カリウム−−ラーメン製造の時のかん水に含ま
れる成分)アルカリ水を添加した場合は、食用希酸水
(例えばくえん酸,りんご酸,酢酸,希塩酸−−胃の中
の酸は塩酸,等)を炭酸塩のアルカリ性を中和するより
若干少ない量添加して混捏する。既にアルカリ水が均一
に小麦粉内に浸透しているので酸による中和は徐々に均
一に行われ、同時に発生する炭酸ガスも均一に小麦粉塊
の中に練り込まれる。この時それ迄アルカリ塩によって
可成り黄色味を帯びていた麺原料が白色に変わる。練り
込まれた炭酸ガスは麺内に微細な気泡を形成し、麺に弾
力性を付与する。
ム,炭酸カリウム−−ラーメン製造の時のかん水に含ま
れる成分)アルカリ水を添加した場合は、食用希酸水
(例えばくえん酸,りんご酸,酢酸,希塩酸−−胃の中
の酸は塩酸,等)を炭酸塩のアルカリ性を中和するより
若干少ない量添加して混捏する。既にアルカリ水が均一
に小麦粉内に浸透しているので酸による中和は徐々に均
一に行われ、同時に発生する炭酸ガスも均一に小麦粉塊
の中に練り込まれる。この時それ迄アルカリ塩によって
可成り黄色味を帯びていた麺原料が白色に変わる。練り
込まれた炭酸ガスは麺内に微細な気泡を形成し、麺に弾
力性を付与する。
【0016】之は手打麺で麺原料を適温で数時間寝かせ
るのと略同様の意味をもつ。前述の如く、一般に手打麺
を寝かせる作用は生化学反応を利用するもので、小麦粉
中の酵素の作用により寝かせ中澱粉が分解発酵する際炭
酸ガスが微量発生し、弾力性が付加されるが、之が急速
に進むと、澱粉が分解により低分子化して所謂腰が無く
なり、反って味が落ちる事になるので、之を適度に押さ
える目的もあって食塩が少し過剰に添加され、分解が進
み過ぎないように、寝かせ時間も作り方に応じて限定さ
れる。尚食塩添加の目的にはグルテンの析出を促す目的
もある。本発明の方法は澱粉の低分子化を伴う事なく、
炭酸ガスを均一微細に麺内に練り込む事が出来るという
利点がある。
るのと略同様の意味をもつ。前述の如く、一般に手打麺
を寝かせる作用は生化学反応を利用するもので、小麦粉
中の酵素の作用により寝かせ中澱粉が分解発酵する際炭
酸ガスが微量発生し、弾力性が付加されるが、之が急速
に進むと、澱粉が分解により低分子化して所謂腰が無く
なり、反って味が落ちる事になるので、之を適度に押さ
える目的もあって食塩が少し過剰に添加され、分解が進
み過ぎないように、寝かせ時間も作り方に応じて限定さ
れる。尚食塩添加の目的にはグルテンの析出を促す目的
もある。本発明の方法は澱粉の低分子化を伴う事なく、
炭酸ガスを均一微細に麺内に練り込む事が出来るという
利点がある。
【0017】第2次加水後よく混練された麺原料は、一
般の生麺に較べれば、極めて過剰の水分が添加されてい
るにも拘わらず、殆どベト付きが無い為、この後の工程
で他の手打麺と全く同様に麺棒にて板状に伸展し麺線に
切断するが、作業性は中々良好である。
般の生麺に較べれば、極めて過剰の水分が添加されてい
るにも拘わらず、殆どベト付きが無い為、この後の工程
で他の手打麺と全く同様に麺棒にて板状に伸展し麺線に
切断するが、作業性は中々良好である。
【0018】図2〜図6は、この発明の基本的な方法で
ある図1の製法を、日産数十万食でも製造可能な量産方
法の一つとして例示したものである。図2は図1の工程
(1)〜(6)の前処理工程をこの装置一つで実施する
事が出来る。図2−(1)は、一部切欠き,一部断面の
見取図で、簡単にいえばモーターMから先端出口栓1迄
貫通する芯棒2の周りに、扇風機の羽根のような攪拌羽
根3が1ヶ所に数枚ずつ芯棒に固定されており、羽根に
は逆流孔4が空けられ芯棒2の中心部には揺れ止め5が
外筒6の内部に固定されている。小麦粉等の粉末原料は
ハッチ7を空けてここから投入され、水分等の液体原料
は液体注入孔8より注入され、9はバンドヒーター加熱
器,10は温度センサーで、この温度指示でヒーター9
の加熱が断続し、所定の温度に制御される。11は懸架
棒で、外筒6の中心にあって、図2−(2),(3),
(4)の如く、その時々に必要となる前処理器の姿勢が
11を中心にして保持される。
ある図1の製法を、日産数十万食でも製造可能な量産方
法の一つとして例示したものである。図2は図1の工程
(1)〜(6)の前処理工程をこの装置一つで実施する
事が出来る。図2−(1)は、一部切欠き,一部断面の
見取図で、簡単にいえばモーターMから先端出口栓1迄
貫通する芯棒2の周りに、扇風機の羽根のような攪拌羽
根3が1ヶ所に数枚ずつ芯棒に固定されており、羽根に
は逆流孔4が空けられ芯棒2の中心部には揺れ止め5が
外筒6の内部に固定されている。小麦粉等の粉末原料は
ハッチ7を空けてここから投入され、水分等の液体原料
は液体注入孔8より注入され、9はバンドヒーター加熱
器,10は温度センサーで、この温度指示でヒーター9
の加熱が断続し、所定の温度に制御される。11は懸架
棒で、外筒6の中心にあって、図2−(2),(3),
(4)の如く、その時々に必要となる前処理器の姿勢が
11を中心にして保持される。
【0019】量産の為の機械製麺の際に図2−(1)の
装置を使用する場合、図1−工程(1)の如く、小麦粉
とその他の粉末を混合する時は、図2−ハッチ7より原
料粉末を投入した後、図2−(2)の如く、モーターM
を斜め下にして、出口栓1の近くに図示した矢印12の
方向へモーターMを回転させると、投入した粉末は斜め
左上方へ押し上げられると同時に、密閉状態にある為、
羽根に空けてある孔4から逆流するものも多く、極めて
短時間で均一に混合される。ここで図1−工程(2)の
如く第1次加水を行う時は、図2−液体注入孔8より所
要量の液を注入するが、最初は注入液を全体に均一に分
散させる為、図2−(2)の姿勢に前処理機を保持し数
分間攪拌するが、図1−工程(3)の混捏を行う時は図
2−(3)の姿勢とし、数分間攪拌羽根3をゆっくり回
転させる。すると外筒内の原料は下方へ強く押し付けら
れるが、一部は逆流孔4より原料が逆流し、極めて短時
間に充分な混捏が行われる。その後の図1−工程(4)
の昇温工程については、図2−バンドヒーター9を働か
せ、温度センサー10の制御により、所定の温度、例え
ば65℃±3℃に昇温,保持すると、水分を充分に吸入
して少し硬くなった原料が前処理機内に得られる。之を
外部から放水その他の方法で外筒を冷却し、前処理機の
姿勢を図2−(2)の状態にし回転を早めると、冷却さ
れて硬くなった原料が短時間に攪拌され分離されて細分
化される。この時点で図1−工程(6)迄が終了し、低
温殺菌され、且つ水又はアルカリ水等を所要量吸入して
膨潤した麺原料の細粒粉が得られる。之を図2−(4)
の如く出口栓を外して図の如くサイロ(貯留蔵)13へ
貯蔵する。この後はこのサイロより少しずつ取り出して
手製麺を作る事も可能であるが、通常は図3の如く押出
機その他を利用する方法で機械製麺を行う。この麺原料
は長持ちするのでサイロへの貯留が量産の時のクッショ
ンとなり、その後の押出機による連続製造が一層スムー
ズになる。
装置を使用する場合、図1−工程(1)の如く、小麦粉
とその他の粉末を混合する時は、図2−ハッチ7より原
料粉末を投入した後、図2−(2)の如く、モーターM
を斜め下にして、出口栓1の近くに図示した矢印12の
方向へモーターMを回転させると、投入した粉末は斜め
左上方へ押し上げられると同時に、密閉状態にある為、
羽根に空けてある孔4から逆流するものも多く、極めて
短時間で均一に混合される。ここで図1−工程(2)の
如く第1次加水を行う時は、図2−液体注入孔8より所
要量の液を注入するが、最初は注入液を全体に均一に分
散させる為、図2−(2)の姿勢に前処理機を保持し数
分間攪拌するが、図1−工程(3)の混捏を行う時は図
2−(3)の姿勢とし、数分間攪拌羽根3をゆっくり回
転させる。すると外筒内の原料は下方へ強く押し付けら
れるが、一部は逆流孔4より原料が逆流し、極めて短時
間に充分な混捏が行われる。その後の図1−工程(4)
の昇温工程については、図2−バンドヒーター9を働か
せ、温度センサー10の制御により、所定の温度、例え
ば65℃±3℃に昇温,保持すると、水分を充分に吸入
して少し硬くなった原料が前処理機内に得られる。之を
外部から放水その他の方法で外筒を冷却し、前処理機の
姿勢を図2−(2)の状態にし回転を早めると、冷却さ
れて硬くなった原料が短時間に攪拌され分離されて細分
化される。この時点で図1−工程(6)迄が終了し、低
温殺菌され、且つ水又はアルカリ水等を所要量吸入して
膨潤した麺原料の細粒粉が得られる。之を図2−(4)
の如く出口栓を外して図の如くサイロ(貯留蔵)13へ
貯蔵する。この後はこのサイロより少しずつ取り出して
手製麺を作る事も可能であるが、通常は図3の如く押出
機その他を利用する方法で機械製麺を行う。この麺原料
は長持ちするのでサイロへの貯留が量産の時のクッショ
ンとなり、その後の押出機による連続製造が一層スムー
ズになる。
【0020】図3は図1−工程(7)の第2次加水と麺
線に連続成形する工程(8)迄を、押出機を利用して行
うものである。この方法は押出機の縦断面図、図3−
(1)に示す如く、サイロに貯留された細粒化原料が入
口ホッパー15より連続投入され、押出機の途中にある
液体注入孔16より第2次の、残りの水分(約30%)
の加水が行われる。尚全加水量が比較的少ない若干硬い
麺を製造する時は、第1次,第2次の両加水迄を前処理
機で行い、液体注入孔16からの加水は行わない事もあ
る。図3で使われる押出機では、スクリューの前半部1
7は通常のスクリュー形状をなし、単位時間に一定量正
確に図右前方へ原料移送するが、後半部スクリュー18
は、図3−(3)に示す如く、スクリューに切欠き19
及び混練子20が設置されている為、一旦前進した原料
の一部が切欠き部から戻り且つ混練子で攪拌される事か
ら、この後半部スクリュー18は、前進と同時に可成り
の混練効果を発揮する。この押出混練方式は、ポリスチ
レン発泡シートを連続的に製造する場合の装置として、
既に30年程も前からこの分野で、ポリスチレンのペレ
ット(粒塊)と発泡剤(炭化水素液)を充分に混練しな
がら押出す方法として使用され、今日迄成功を収めてい
るので、之を本発明の方法に応用しても、本発明の方が
多くの条件に於いて有利な事から、混練,押出しの成果
は確かである。之は発明者の一人が過去にポリスチレ
ン,ポリエチレンの発泡シートの開発,企業化に従事し
た経験上からの判断である。21は温度センサーで、バ
ンドヒーター22と連動する。但しこのヒーターは外気
温度が極端に低い時の操業の始め、その他特殊操業の時
に使用するもので、平常は殆ど使用しない。右前方へ回
転しながら押出された原料は、原料回転止めリング23
により直進に改められ、原料が高温になる時に備えて内
筒冷却部25が設置されている。押出機先端部、図3−
(2)へ導かれた原料はノズルから麺線状に押出され
る。この時麺線カッター27が一定秒数毎に間欠的に少
しずつ回転する事から、ここで一定長の麺線に切断され
る。図3−(4)はこの押出機の全容の見取図である。
図4は攪拌,混練を行いながら強力に押出すトゥインス
クリュー押出機の横断面図で、現在ポリエチレン発泡シ
ートの連続製造に使用されており、このような形式の押
出機でもこの発明の方法を実施する事が可能である。図
4に於いて、28,29はスクリューで、30,31は
スクリュー螺旋羽根で、32,33はその断面であり、
34は液体注入孔である。このトゥインスクリューの回
転方向は同一方向に回転するが、二つのスクリューの接
触する部分では、図4の中心部に描かれている回転方向
に見られる如く、作動方向が逆になる為ここで強力な混
練が行われる。従って押出機の長さを短く出来る利点が
ある。
線に連続成形する工程(8)迄を、押出機を利用して行
うものである。この方法は押出機の縦断面図、図3−
(1)に示す如く、サイロに貯留された細粒化原料が入
口ホッパー15より連続投入され、押出機の途中にある
液体注入孔16より第2次の、残りの水分(約30%)
の加水が行われる。尚全加水量が比較的少ない若干硬い
麺を製造する時は、第1次,第2次の両加水迄を前処理
機で行い、液体注入孔16からの加水は行わない事もあ
る。図3で使われる押出機では、スクリューの前半部1
7は通常のスクリュー形状をなし、単位時間に一定量正
確に図右前方へ原料移送するが、後半部スクリュー18
は、図3−(3)に示す如く、スクリューに切欠き19
及び混練子20が設置されている為、一旦前進した原料
の一部が切欠き部から戻り且つ混練子で攪拌される事か
ら、この後半部スクリュー18は、前進と同時に可成り
の混練効果を発揮する。この押出混練方式は、ポリスチ
レン発泡シートを連続的に製造する場合の装置として、
既に30年程も前からこの分野で、ポリスチレンのペレ
ット(粒塊)と発泡剤(炭化水素液)を充分に混練しな
がら押出す方法として使用され、今日迄成功を収めてい
るので、之を本発明の方法に応用しても、本発明の方が
多くの条件に於いて有利な事から、混練,押出しの成果
は確かである。之は発明者の一人が過去にポリスチレ
ン,ポリエチレンの発泡シートの開発,企業化に従事し
た経験上からの判断である。21は温度センサーで、バ
ンドヒーター22と連動する。但しこのヒーターは外気
温度が極端に低い時の操業の始め、その他特殊操業の時
に使用するもので、平常は殆ど使用しない。右前方へ回
転しながら押出された原料は、原料回転止めリング23
により直進に改められ、原料が高温になる時に備えて内
筒冷却部25が設置されている。押出機先端部、図3−
(2)へ導かれた原料はノズルから麺線状に押出され
る。この時麺線カッター27が一定秒数毎に間欠的に少
しずつ回転する事から、ここで一定長の麺線に切断され
る。図3−(4)はこの押出機の全容の見取図である。
図4は攪拌,混練を行いながら強力に押出すトゥインス
クリュー押出機の横断面図で、現在ポリエチレン発泡シ
ートの連続製造に使用されており、このような形式の押
出機でもこの発明の方法を実施する事が可能である。図
4に於いて、28,29はスクリューで、30,31は
スクリュー螺旋羽根で、32,33はその断面であり、
34は液体注入孔である。このトゥインスクリューの回
転方向は同一方向に回転するが、二つのスクリューの接
触する部分では、図4の中心部に描かれている回転方向
に見られる如く、作動方向が逆になる為ここで強力な混
練が行われる。従って押出機の長さを短く出来る利点が
ある。
【0021】図5は図3の押出機の先端部から、冷却状
態にある麺が押出されて麺線にカットされる状況を図示
した見取図である。切断された麺線はベルトコンベア3
8にて、途中39で打粉を散布されて、自動包装機の方
へ送られる。。図6は押出機の先端に一つ設けられたノ
ズルから押出された麺が帯状にプレス加工され、本発明
の方法の特徴である、極めて短時間で煮える性質を利用
した麺の新製品として、後述する加工麺帯の製法を図示
したものである。図6に於いて先端ノズル40は後工程
のプレス加工を容易にする為、敢えて冷却しない。4
2,43は第1次プレスロールで、表面が剥離加工され
ており、麺原料が常温より若干高い温度で放出される為
少しねばりのある麺チューブを、表面滑らかに中間プレ
スする事が出来る。44,45は第2次プレスロール
で、ここでプレスされたものが最終製品,加工麺帯46
の厚さと幅を決定する。第2次プレス加工されたものは
金網コンベア47に載って移動するが、その時、図の如
く上下より空冷却され、ロールカッター48,49で一
定長に切断され、更に廻転板50を経てベルトコンベア
51に載せられ、自動包装の方へ移送される。以上は図
1に掲示した手製麺作りの場合の工程例を大量産する時
の方法として1例を図示したもので、考えられる量産法
が数多く存在するのは明白である。
態にある麺が押出されて麺線にカットされる状況を図示
した見取図である。切断された麺線はベルトコンベア3
8にて、途中39で打粉を散布されて、自動包装機の方
へ送られる。。図6は押出機の先端に一つ設けられたノ
ズルから押出された麺が帯状にプレス加工され、本発明
の方法の特徴である、極めて短時間で煮える性質を利用
した麺の新製品として、後述する加工麺帯の製法を図示
したものである。図6に於いて先端ノズル40は後工程
のプレス加工を容易にする為、敢えて冷却しない。4
2,43は第1次プレスロールで、表面が剥離加工され
ており、麺原料が常温より若干高い温度で放出される為
少しねばりのある麺チューブを、表面滑らかに中間プレ
スする事が出来る。44,45は第2次プレスロール
で、ここでプレスされたものが最終製品,加工麺帯46
の厚さと幅を決定する。第2次プレス加工されたものは
金網コンベア47に載って移動するが、その時、図の如
く上下より空冷却され、ロールカッター48,49で一
定長に切断され、更に廻転板50を経てベルトコンベア
51に載せられ、自動包装の方へ移送される。以上は図
1に掲示した手製麺作りの場合の工程例を大量産する時
の方法として1例を図示したもので、考えられる量産法
が数多く存在するのは明白である。
【0022】
実施例1 うどん製造の場合について 図1の工程に於いて、中力粉100gに対して、コーン
スターチ5g,かんてん粉0.2gを、工程(1)の如
く混合し、工程(2)に於いて、水50mlに、重曹
0.24g,炭酸カリウム0.12g,食塩2.5gを
溶解した溶液を、第1次加水として添加した。之をポリ
袋に入れて5分間,主として手掌でゆっくりと混捏し
た。之を電子レンジに入れて、3秒間ずつ上下を逆にし
て加熱しては混練し、不均一な昇温是正を2回行い、測
温した所、原料の中心部の温度が48℃となった。ここ
で3分間混捏を行った後、再度電子レンジへ入れ、前と
同様のやり方で63℃迄昇温した。その後硬くなった原
料をポリ袋から出し、工程(5)の如くボール内で放冷
した後、ミキサーで5秒間砕粉し、工程(7)の如く第
2次加水を行った。希酸水としては、1分子の結晶水を
持つクエン酸を1.25%溶解するクエン酸水18ml
を、振りかけるようにして添加し、混捏棒で少し混捏し
て固めた後、ポリ袋に入れ、5分間混捏した。初め黄色
味の濃かった原料が混捏と共に、アルカリの中和と炭酸
ガスの発生により、白色に変わり、うどん麺として良好
な状態になった。之を麺棒にて厚さ約3.5匪に伸展
し、更に約3.5mm角の麺線に切断した。このうどん
は沸騰水中に投入して再沸騰させた後、3分で茹で上が
り、それ以上茹で時間を多くしても殆ど美味しさに変化
はなく、冷水でよく洗浄,冷却後、熱かけ麺として美味
しい麺を得た。
スターチ5g,かんてん粉0.2gを、工程(1)の如
く混合し、工程(2)に於いて、水50mlに、重曹
0.24g,炭酸カリウム0.12g,食塩2.5gを
溶解した溶液を、第1次加水として添加した。之をポリ
袋に入れて5分間,主として手掌でゆっくりと混捏し
た。之を電子レンジに入れて、3秒間ずつ上下を逆にし
て加熱しては混練し、不均一な昇温是正を2回行い、測
温した所、原料の中心部の温度が48℃となった。ここ
で3分間混捏を行った後、再度電子レンジへ入れ、前と
同様のやり方で63℃迄昇温した。その後硬くなった原
料をポリ袋から出し、工程(5)の如くボール内で放冷
した後、ミキサーで5秒間砕粉し、工程(7)の如く第
2次加水を行った。希酸水としては、1分子の結晶水を
持つクエン酸を1.25%溶解するクエン酸水18ml
を、振りかけるようにして添加し、混捏棒で少し混捏し
て固めた後、ポリ袋に入れ、5分間混捏した。初め黄色
味の濃かった原料が混捏と共に、アルカリの中和と炭酸
ガスの発生により、白色に変わり、うどん麺として良好
な状態になった。之を麺棒にて厚さ約3.5匪に伸展
し、更に約3.5mm角の麺線に切断した。このうどん
は沸騰水中に投入して再沸騰させた後、3分で茹で上が
り、それ以上茹で時間を多くしても殆ど美味しさに変化
はなく、冷水でよく洗浄,冷却後、熱かけ麺として美味
しい麺を得た。
【0023】実施例2 ラーメン製造の場合について この発明の方法では、うどんの場合でも初めアルカリ性
にて処理する事が多く、之を第2次加水の際に希酸によ
り中和するが、理論的中和点より若干多くアルカリ性を
残す。之はアルカリ側の方が澱粉の分解が無く、麺の腰
の良さに影響が無く無難な為である。この発明の方法に
よるラーメン製造の場合は、小麦粉にうどん同様の中力
粉か、中力と強力の混合したものを使用し、全体の水分
添加量をうどんの場合より僅かに少なくし、第2次加水
の際の希酸水中の酸の量も少なくして、アルカリ性をう
どんの場合より大幅に増加させる事により、黄色味を帯
びた所謂ラーメン的な麺が得られる。具体的製法の手順
はうどんの場合と全く同様であるが、1例を挙げれば、
小麦粉には中力と強力を50%ずつ混合したものを使用
し、この小麦粉100gに対して、水46ml中に、炭
酸ナトリウム0.15g,炭酸カリウム0.12g,食
塩1gを溶解したものを、第1次加水として添加し、第
2次加水として1.0%クエン酸水16mlを添加し、
薄黄色の麺を得た。之を1.5〜2.0mm角の麺線に
切断し、ラーメンに類似した麺として賞味した。之は再
沸騰後1.5分で茹で上がり、伸びのある美味しいラー
メンを得た。
にて処理する事が多く、之を第2次加水の際に希酸によ
り中和するが、理論的中和点より若干多くアルカリ性を
残す。之はアルカリ側の方が澱粉の分解が無く、麺の腰
の良さに影響が無く無難な為である。この発明の方法に
よるラーメン製造の場合は、小麦粉にうどん同様の中力
粉か、中力と強力の混合したものを使用し、全体の水分
添加量をうどんの場合より僅かに少なくし、第2次加水
の際の希酸水中の酸の量も少なくして、アルカリ性をう
どんの場合より大幅に増加させる事により、黄色味を帯
びた所謂ラーメン的な麺が得られる。具体的製法の手順
はうどんの場合と全く同様であるが、1例を挙げれば、
小麦粉には中力と強力を50%ずつ混合したものを使用
し、この小麦粉100gに対して、水46ml中に、炭
酸ナトリウム0.15g,炭酸カリウム0.12g,食
塩1gを溶解したものを、第1次加水として添加し、第
2次加水として1.0%クエン酸水16mlを添加し、
薄黄色の麺を得た。之を1.5〜2.0mm角の麺線に
切断し、ラーメンに類似した麺として賞味した。之は再
沸騰後1.5分で茹で上がり、伸びのある美味しいラー
メンを得た。
【0024】実施例3 加工麺帯製造の場合について この麺は後述する如く、1.5〜2.0mm位の厚さの
ものを数枚重ねて冷蔵庫に保管して置き、料理の際必要
に応じて適当な大きさに切断加工して使用するもので、
図6に於いて説明したものであり、手製麺では大量作る
事は難しい。使用原料の処方としてはうどんの場合と略
同様であり、異なる点だけ述べると、水分はうどんとラ
ーメンの中間が適当であり、図6の量産法に従い、10
枚重ね位で各層間に少量の打粉を挟み、約10cm×2
0cm×(1.5〜2.0)mmの製品が最適と考えら
れる。
ものを数枚重ねて冷蔵庫に保管して置き、料理の際必要
に応じて適当な大きさに切断加工して使用するもので、
図6に於いて説明したものであり、手製麺では大量作る
事は難しい。使用原料の処方としてはうどんの場合と略
同様であり、異なる点だけ述べると、水分はうどんとラ
ーメンの中間が適当であり、図6の量産法に従い、10
枚重ね位で各層間に少量の打粉を挟み、約10cm×2
0cm×(1.5〜2.0)mmの製品が最適と考えら
れる。
【0025】
【発明の効果】この発明では、発明者が過去にポリスチ
レン及びポリエチレン発泡シートの工業生産に深く関わ
って来た事から、図1の手製麺作りの工程を量産する場
合の例として、押出機を使用する方法を挙げたが、技術
的には、この発明の方が温度条件も可成り低く、押出機
の長さも短く、ポリマーの発泡より容易且つ安定した連
続運転が可能な為、生産性もよく大量生産によって美味
しい麺類を安価に製造する事が可能と考えられる。ま
た、この発明の一番の主眼である極めて短時間で茹で上
げられる効果は、従来インスタント食品の如き特殊加工
麺では既に可能となっているが、生麺では冷凍麺(コス
ト高が問題),麺玉(麺の伸びが問題)に頼る外は無
く、この発明により更に新しい分野が開拓された事にな
る。殊に生麺を煮てお客に提供する麺店では伸びを考慮
して、茹でた麺を茹で上がり後大凡そ20分以内にお客
に提供する必要があり、従って短分間で茹で上がる美味
しい生麺の提供は朗報といえる。
レン及びポリエチレン発泡シートの工業生産に深く関わ
って来た事から、図1の手製麺作りの工程を量産する場
合の例として、押出機を使用する方法を挙げたが、技術
的には、この発明の方が温度条件も可成り低く、押出機
の長さも短く、ポリマーの発泡より容易且つ安定した連
続運転が可能な為、生産性もよく大量生産によって美味
しい麺類を安価に製造する事が可能と考えられる。ま
た、この発明の一番の主眼である極めて短時間で茹で上
げられる効果は、従来インスタント食品の如き特殊加工
麺では既に可能となっているが、生麺では冷凍麺(コス
ト高が問題),麺玉(麺の伸びが問題)に頼る外は無
く、この発明により更に新しい分野が開拓された事にな
る。殊に生麺を煮てお客に提供する麺店では伸びを考慮
して、茹でた麺を茹で上がり後大凡そ20分以内にお客
に提供する必要があり、従って短分間で茹で上がる美味
しい生麺の提供は朗報といえる。
【0026】また、この発明を応用した新しい商品であ
る加工麺帯は、約10cm×20cm×(厚さ1.5〜
2.0cm)のものを、10〜20枚重ねたもので、主
婦は之を平素は冷蔵庫に保管しておき、副食不足の際に
適宜重ねたまま切断して、1〜2分煮れば食卓に供する
事が出来る。縦に1〜1.5cm幅に切ればキシメンと
なり、更に広幅に長さを短く切れば疑似ワンタン麺とな
り、大凡2〜3mm幅に千切りにして1分間程で素早く
茹で上げ、マヨネーズ等で和えて食膳に出せばスパゲッ
ティサラダもどきとなり、簡単に素早く出来る料理とし
て珍重される効果がある。
る加工麺帯は、約10cm×20cm×(厚さ1.5〜
2.0cm)のものを、10〜20枚重ねたもので、主
婦は之を平素は冷蔵庫に保管しておき、副食不足の際に
適宜重ねたまま切断して、1〜2分煮れば食卓に供する
事が出来る。縦に1〜1.5cm幅に切ればキシメンと
なり、更に広幅に長さを短く切れば疑似ワンタン麺とな
り、大凡2〜3mm幅に千切りにして1分間程で素早く
茹で上げ、マヨネーズ等で和えて食膳に出せばスパゲッ
ティサラダもどきとなり、簡単に素早く出来る料理とし
て珍重される効果がある。
【0027】この加工麺帯は、従来の世間一般の製麺法
では美味しく作る事が出来ない。理由を述べると、この
加工麺帯は薄板状にして、主婦の好みに従って即席に加
工される事を狙いとしている為、冷凍麺で之を作るとす
れば、初めに生の板状麺を作って手間をかけて茹で、之
を重ねて冷凍したとしても、冷凍麺は解凍すれば急速に
味が低下するのでそのまま熱湯に投入してこそ美味しく
食べられるものであり、冷凍のままでは好みの形に切断
する事は不可能で、この製造には不向きである。インス
タント食品的特殊加工麺で作ればパリついて切断加工は
出来ない。唯一、一般生麺を作る方法にてこの加工麺帯
に似た薄板状のものを作って重ねる事は可能であるが、
仮に作ったとして、軟らか過ぎて重ねて千切りにする等
の細かい切断は素人の主婦には無理であり、また茹で時
間も最低7,8分は必要であり、この発明の製品のよう
に1,2分というわけにはいかない。之等の理由から、
他の如何なる加工麺もこの発明の新製品である加工麺帯
を作る事は不可能である。
では美味しく作る事が出来ない。理由を述べると、この
加工麺帯は薄板状にして、主婦の好みに従って即席に加
工される事を狙いとしている為、冷凍麺で之を作るとす
れば、初めに生の板状麺を作って手間をかけて茹で、之
を重ねて冷凍したとしても、冷凍麺は解凍すれば急速に
味が低下するのでそのまま熱湯に投入してこそ美味しく
食べられるものであり、冷凍のままでは好みの形に切断
する事は不可能で、この製造には不向きである。インス
タント食品的特殊加工麺で作ればパリついて切断加工は
出来ない。唯一、一般生麺を作る方法にてこの加工麺帯
に似た薄板状のものを作って重ねる事は可能であるが、
仮に作ったとして、軟らか過ぎて重ねて千切りにする等
の細かい切断は素人の主婦には無理であり、また茹で時
間も最低7,8分は必要であり、この発明の製品のよう
に1,2分というわけにはいかない。之等の理由から、
他の如何なる加工麺もこの発明の新製品である加工麺帯
を作る事は不可能である。
【0028】この発明の方法では前処理の際に、水分の
小麦粉内への短時間での浸透及び原料内への気泡の増成
を目的として、少量のエタノールを添加する事もあり、
また前処理の際に最高温度を68℃位迄昇温する事の
外、この発明の方法に使用する水を水道水のアクを抜く
為に、一度沸騰させた湯ざまし水を使用する事も出来る
ので、之等の諸条件は夫々麺内での雑菌の消滅を図るの
に相乗効果がある。従って10℃以下の冷蔵庫内で保管
する場合は、少なくとも2ヵ月間は味の変化無く保存す
る事が出来、長期保存性があるので、製造側にとっても
都合のよい時に作り置きが出来、消費者にとっても買い
置きが出来るので好都合である。
小麦粉内への短時間での浸透及び原料内への気泡の増成
を目的として、少量のエタノールを添加する事もあり、
また前処理の際に最高温度を68℃位迄昇温する事の
外、この発明の方法に使用する水を水道水のアクを抜く
為に、一度沸騰させた湯ざまし水を使用する事も出来る
ので、之等の諸条件は夫々麺内での雑菌の消滅を図るの
に相乗効果がある。従って10℃以下の冷蔵庫内で保管
する場合は、少なくとも2ヵ月間は味の変化無く保存す
る事が出来、長期保存性があるので、製造側にとっても
都合のよい時に作り置きが出来、消費者にとっても買い
置きが出来るので好都合である。
【0029】最後に一番重要な味の問題であるが、麺の
味をよくする要因の一つに、古来水和を充分に行う事が
挙げられている。勿論水和にも限度があり、過剰は禁物
であるが、この発明では水分を糊化の初期温度に近い比
較的低温下で澱粉内に吸収させる為、通常の生麺製造で
の美味しい麺製造の為に望まれる最適水分量の範囲内の
水分なら、予め簡単に麺内に吸収させる事が出来る。し
かも澱粉の本格的糊化の始まらない澱粉粒内に結晶性ミ
セルの残留したままの状態、即ち前糊化状態で水和を行
い、炭酸塩アルカリ水の希酸水での中和により炭酸ガス
を徐々に発生させ、之を押出機内で微細に練り込む為、
通常生麺製造の際に行われている長時間の熟成と略同一
の効果を短時間に挙げる事が出来るので、之は明らかに
量産を容易にし、味のよさをそのまま残した上での麺製
造のコストダウンにつながる効果がある。
味をよくする要因の一つに、古来水和を充分に行う事が
挙げられている。勿論水和にも限度があり、過剰は禁物
であるが、この発明では水分を糊化の初期温度に近い比
較的低温下で澱粉内に吸収させる為、通常の生麺製造で
の美味しい麺製造の為に望まれる最適水分量の範囲内の
水分なら、予め簡単に麺内に吸収させる事が出来る。し
かも澱粉の本格的糊化の始まらない澱粉粒内に結晶性ミ
セルの残留したままの状態、即ち前糊化状態で水和を行
い、炭酸塩アルカリ水の希酸水での中和により炭酸ガス
を徐々に発生させ、之を押出機内で微細に練り込む為、
通常生麺製造の際に行われている長時間の熟成と略同一
の効果を短時間に挙げる事が出来るので、之は明らかに
量産を容易にし、味のよさをそのまま残した上での麺製
造のコストダウンにつながる効果がある。
【図1】この図は、この発明の方法を実施する際の手製
での麺作りの工程を解り易くする為に、イラストにて要
点のみ説明した工程図である。
での麺作りの工程を解り易くする為に、イラストにて要
点のみ説明した工程図である。
【図2】この図は、この発明による麺を量産する為の機
械製麺の前処理工程例の見取図である。
械製麺の前処理工程例の見取図である。
【図3】この図は、この発明による麺を量産する為の機
械製麺の押出機による後処理、即ち麺形成工程例の見取
図である。
械製麺の押出機による後処理、即ち麺形成工程例の見取
図である。
【図4】この図は、図3の押出機の別形式の横断面図で
ある。
ある。
【図5】この図は、この発明による麺を量産する為の機
械製麺の後処理工程例の見取図である。
械製麺の後処理工程例の見取図である。
【図6】この図は、この発明による図5とは別の種類の
麺を量産する為の機械製麺の後処理工程例の見取図であ
る。
麺を量産する為の機械製麺の後処理工程例の見取図であ
る。
2:前処理機芯棒 3:攪拌羽根 4:逆流孔 7:原料投入ハッチ 8:液体注入孔 9:バンドヒーター 10:温度センサー 11:懸架棒 14:押出機外筒 16:液体注入孔 18:後半部スクリュー 19:混練促進用切
欠き部 27:麺線カッター 32,33,34,
35,:プレスロール 36:加工麺帯 M:モーター
欠き部 27:麺線カッター 32,33,34,
35,:プレスロール 36:加工麺帯 M:モーター
Claims (1)
- 【請求項1】小麦粉を主体とする穀物粉末より麺類を製
造する際、その麺を茹でた時に麺内に含有される水分に
近い比較的多量の水分量を、予め前記穀物粉末に添加分
散せしめ、之をその穀物内澱粉の糊化開始温度付近か
ら、澱粉粒(生澱粉は通常澱粉粒という結晶性の強固な
微小粒子を形成している)が熱水に溶出して透明化する
即ち本格的糊化の始まる前迄の温度範囲内に加熱し、穀
物中の澱粉粒内に前記水分を浸透させ、澱粉粒を糊化前
段の膨潤状態となしたる後、之を麺状に成形するが、麺
茹での際最も時間を要する澱粉内への水分浸透段階を麺
形成前に予め終了せしめておく事を特徴とする早煮え美
味の麺類製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25024294A JPH0870753A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 早煮え美味麺類製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25024294A JPH0870753A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 早煮え美味麺類製品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0870753A true JPH0870753A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=17204961
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25024294A Pending JPH0870753A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 早煮え美味麺類製品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0870753A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007075112A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Cj Corp | 押出成形工程を用いた冷麺製造方法及び装置 |
CN113397395A (zh) * | 2021-07-08 | 2021-09-17 | 王军杰 | 即食面条制售机水汽循环系统 |
-
1994
- 1994-09-06 JP JP25024294A patent/JPH0870753A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007075112A (ja) * | 2005-09-12 | 2007-03-29 | Cj Corp | 押出成形工程を用いた冷麺製造方法及び装置 |
CN113397395A (zh) * | 2021-07-08 | 2021-09-17 | 王军杰 | 即食面条制售机水汽循环系统 |
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