JPH0870707A - コンクリート類側壁培地の植栽方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリートブロックを積み上げて路面４よ
り高くした側壁２Ａ・２Ｂからなるコンクリート類側壁
培地５において、側壁２Ａ・２Ｂの高温化に基づく培地
５への悪影響を防止して、培地５に植えた樹木６の給水
管理をし易くし、植栽ゾーン１の美観保持と維持コスト
の低減を図る。 【構成】 側壁２Ａ・２Ｂの内側に、発泡スチロール製
の断熱固形板３を添設し、しかるのち、その内側に培土
７を入れて断熱外層つき培地５になし、所要の樹木６を
植え込む植栽方法が特徴である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、道路の中央分離帯・公
園・広場等において、コンクリートブロック側壁または
コンクリート側壁によって、高く区画した植栽ゾーンの
培地に、植物を植える場合に用いるコンクリート類側壁
培地の植栽方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に広く普及している道路の中央分離
帯や公園・広場の植栽ゾーンに植物を並植する場合は、
路面や地面の上に、コンクリートブロックを積み上げた
コンクリートブロック側壁や、コンクリート打設のコン
クリート側壁によって、その路面等から一段高くして区
画した細長容器状の植栽ゾーンを設け、その植栽ゾーン
に培土を入れて培地になし、所要の樹木を並植するコン
クリート類側壁培地の植栽方法が行なわれている。な
お、本発明においては、前記のコンクリートブロックの
側壁とコンクリート側壁からなる構造の培地を、コンク
リート類側壁培地という。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】以上の従来のコンクリ
ート類側壁培地における植栽方法によると、路面等から
一段と高くした植栽ゾーンの側壁がコンクリートブロッ
クまたはコンクリート壁からなり、そのコンクリート類
側壁は、応分の機械的強度と風雨・寒暑に耐える耐自然
天候性を有するので、その植栽ゾーンが長期に亘って形
状が安定して培地を安定させるメリットが存在する。

【０００４】しかし、その植栽ゾーンの側壁を形成する
コンクリート類側壁は、熱容量が大なる物理的特性を有
し、かつ、路面上等に立設している側壁外側が太陽直射
や路面反射熱を受けるので、酷暑の期間には、その側壁
が極めて高温になると共に、一度高温になると蓄熱され
て冷え難くなり、その側壁に直接接触している培土も側
壁と追随した高温状態を維持するので、培地が高温持続
して極度の乾燥状態となる不良現象が避けられない。

【０００５】従って、例えば、路面に立設している道路
中央分離帯の植栽ゾーンでは、前記の不良現象が顕著に
なるので、植栽して間がなく、移植による体力消耗と根
付きが不充分な新植の植物は、酷暑の期間に枯死するも
のが多く、公園等の美観を損なうと共に、その枯死を少
しでも緩和するためには、頻繁にして充分な給水を続け
ざるを得なく、植栽ゾーンの管理が極めて煩雑になると
共に、枯死したものの補植が必要になり、コスト高にな
る難点がある。本発明は、以上の従来技術の難点を解消
する植栽方法を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以上の技術課題を解決す
る本発明の植栽方法は「コンクリートブロック壁または
コンクリート壁を側壁となして高く区画した植栽ゾーン
に植栽するにおいて、前記側壁の内側面に、断熱性材料
からなる断熱固形板を添設し、しかるのち、前記断熱固
形板で枠囲いした空間部分に培土を入れて断熱外層つき
培地になし、前記培地に植栽することを特徴とするコン
クリート類側壁培地の植栽方法」になっている。

【０００７】即ち、本発明の植栽方法は、前記の断熱固
形板からなる断熱外層つき培地に植栽することを要旨と
するものであり、その断熱固形板としては、断熱保温の
特性を有し、かつ、培地の土圧に耐えて圧縮変形しない
固形体にして、耐自然天候性・耐久性を有する物質から
なる例えば「発泡スチロール等の独立発砲体の発泡樹脂
の板体」または「黒曜石を加熱発泡させた発泡粒体を主
成分とする発泡粒子板体」或は「任意の断熱材を保護ケ
ースに充填して板体になしたもの」等のものが用いら
れ、概ね１０〜２０粍の板厚にして側壁に添えつけられ
る。

【０００８】そして、前記の断熱固形板からなる断熱外
層は、道路中央分離帯の植栽ゾーンのように細長く連続
するものにおいては、その植栽ゾーンの側壁両側の内側
に、側壁の長手方向に連続配設すると共に、概ね培土を
入れる深さ程度まで添設される。しかし、その添設形態
は、側壁の内側に、隙間なく密な状態に厳密に設ける必
要はなく、植栽した植物を保護するに足る必要部分のみ
に限定することがある。

【０００９】

【作用】以上の本発明の植栽方法は、コンクリートブロ
ック壁・コンクリート壁の側壁を有して、路面等から一
段と高くした道路中央分離帯等の植栽ゾーンにおいて、
その側壁の内側に断熱固形板の断熱外層を有する培地に
なすので、その側壁が、太陽直射や路面反射熱を受けて
高温となり、その高温が持続されても、その側壁内の培
地は断熱外層を介して高温側壁と間接接触する状態とな
り、高温側壁からの伝導熱を有効に遮断し、培地の高温
化と異常乾燥化を防止することができる。そして、その
植栽ゾーンを良好な状態に維持し、植物枯死を防止し
て、公園等の美観低下を防ぐことができる。

【００１０】

【実施例】以下、実施例に基づいて詳しく説明する。即
ち、道路の中央分離帯の植栽ゾーン１に応用した本発明
一実施例の図１を参照して、コンクリートブロックを路
面４に積み上げて、所要の幅と深さを有する平行二条の
コンクリートブロック側壁２Ａ・２Ｂからなるコンクリ
ート類側壁培地５に、所要の樹木６を並設するにおい
て、側壁２Ａ・２Ｂの内側には、発泡スチロール製の固
形板体の断熱固形板３が長手方向に連続して添設され
る。

【００１１】詳しくは、断熱固形板３は、培土７の土圧
に耐える耐圧強度と、自然の天候に対して相当の年数耐
久できる厚さ概ね２０粍の独立発泡樹脂体の発泡スチロ
ール板が用いてあり、側壁２Ａ・２Ｂの長手方向に順次
連続して配設され、その断熱固形板３を側壁２Ａ・２Ｂ
の内側に接合させて立設添設し、しかるのち、その断熱
固形板３の内側に培土７を入れて断熱外層つき培地５に
なし、その培地５に所要の植木６が一列並植に植え付け
られる。なお、図中の８は、培土７の下に敷きつめる公
知の底ライニング材である。

【００１２】以上の図１実施例の植栽方法は、側壁２Ａ
・２Ｂと培土７との間に、断熱固形板３が介在する断熱
外層つき培地５にするので、前記の作用があり、側壁２
Ａ・２Ｂが太陽直射・路面４の反射熱を受けて高温にな
っても、培地５は、高温側壁２Ａ・２Ｂから有効に断熱
されて、通常の平地培地と概ね同等な環境に維持できる
ので、高温異常乾燥とならず、側壁２Ａ・２Ｂの高温化
に基づく樹木６への悪影響を有効に抑止することができ
る。

【００１３】以上の実施例のものと、断熱固形板３不存
在の従来のコンクリート類側壁培地のものを、同一側壁
構造・同一条件路面に並設して、同一日植栽・人工給水
皆無の条件で、酷暑期間に対比したところ、本発明の断
熱外層つき培地５のものは、樹木６の枯地がゼロであっ
たのに対し、従来培地のものは概ね３０％の枯死が生
じ、本発明の植栽方法の有効性が歴然としてあらわれ
た。

【００１４】

【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明のコンクリ
ート類側壁培地の植栽方法は、高温状態となる側壁に基
づく悪影響を防止して、培地を良好な状態に維持するの
で、植栽ゾーンへの煩雑な給水作業を無用にすると共
に、枯死植物の対策も無用にして、道路中央分離帯・公
園・広場等における植栽ゾーンの美観低下を防止し、そ
の植栽ゾーンの管理性向上と維持コストの低減を図る効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明一実施例のコンクリート類側壁培地の植
栽方法の手順と手法を示す斜視図

【符号の説明】

１ 植栽ゾーン ２Ａ・２Ｂ コンクリートブロック側壁 ３ 断熱固形板 ４ 路面 ５ 培地 ６ 樹木 ７ 培土

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリートブロック壁またはコンクリ
   ート壁を側壁となして高く区画した植栽ゾーンに植栽す
   るにおいて、前記側壁の内側面に、断熱性材料からなる
   断熱固形板を添設し、しかるのち、前記断熱固形板で枠
   囲いした空間部分に培土を入れて断熱外層つき培地にな
   し、前記培地に植栽することを特徴とするコンクリート
   類側壁培地の植栽方法。