JPH0870699A - 芝生養成用固定ピン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 省力化、安全性、土壌調整、環境保護などの
諸効果を得ることができること。また芝生を固定する際
に軸体が変形することなくスムースに土中に杭込むと共
に、芝生を確実に固定することができること。 【構成】 軸芯方向に突条を有する軸体と、この軸体に
偏心して水平方向に連設する押え頭部とから成り、押え
頭部並びに軸体は、生分解性プラスチックと麦飯石粉末
とを混合材料として形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフ場、公園などに
敷設される芝生を根付けさせる際に使用される芝生養成
用固定ピンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、芝生をゴルフ場、公園などに植え
る際、その根が土に張り付くまで竹串を使用して芝生を
固定している。すなわち、所要の長さを有する多数の竹
串を芝生の上から貫通状態に土中に差し込んで各芝生を
固定している。

【０００３】ところで、竹串は芝生が根付いてもそのま
ま土中に残っているので、土中ないし芝生から取り除く
必要がある。ところが、芝生の葉が竹串に覆い被さって
いるため、取り除き作業が大変であると共に、芝生の表
面側から竹串を容易に見付けることができず、しばしば
竹串を取り残すことがあった。したがって、取り残しに
よる危険性があった。そこで、現在、省力化、安全性な
どを達成することができる芝生養成用固定ピンの出現が
要望されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
従来の欠点（要望）に鑑み、省力化、安全性、土壌調
整、環境保護などの諸効果を得ることができ、また芝生
を固定する際に軸体が変形することなくスムースに土中
に杭込むと共に、芝生を確実に固定することができ、さ
らに土中に杭込んだら容易に抜けない芝生養成用固定ピ
ンを得ることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の芝生養成用固定
ピンは、軸芯方向に突条を有する軸体と、この軸体に偏
心して水平方向に連設する押え頭部とから成り、押え頭
部並びに軸体は、生分解性プラスチックと麦飯石粉末と
を混合材料として形成されていることを特徴とする。

【０００６】上記構成に於いて、軸体の突条は尖端部か
ら上端部にかけて複数個設けられ、各突条にはそれぞれ
抜け止め防止突起爪が形成されている。

【０００７】

【作用】矩形状の各養成芝生は、色々な大きさを有する
が、各芝生はそれぞれ多少の間隔を有して土の上に敷設
される。芝生養成用固定ピンは、各芝生を固定するため
に前記間隙に差し込まれる。しかして、固定ピンを土に
差し込む時は、芝生の側端部の縁に対して当該固定ピン
を垂直に立て、押え頭部を杭打ちで叩く。そうすると、
固定ピンの軸体は各突条に案内されながら土の中に略ス
トレートに入り込む。そして、押え頭部はその下面の小
突片が芝生に食い込んだ状態で芝生の側端部を固定す
る。

【０００８】しかして、固定ピンは各突条に抜け止め防
止突起爪を有しているので、土中から簡単には抜けな
い。また土中に入った状態では土中の微生物の作用によ
り分解し、５０日前後で半減する。そして、３６０日位
で採集不能になる。採集不能になると、その有効成分に
より、水質調整機能、土壌調整機能などの緒機能を発揮
する。

【０００９】

【実施例】以下、図面に示す実施例につき説明する。図
１ないし図４に於いて、１は芝生養成用固定ピンであ
る。この固定ピン１は、例えばゴルフ場、公園などに於
いて芝生を植える際、その根が土壌に付くまで芝生２を
土に固定するために用いられる。

【００１０】しかして、３は軸芯方向に突条４を有する
軸体である。軸体３は断面が円又は多角形でも良いが、
本実施例では固定ピン１を土に差し込む際に方向性がで
るように（固定ピン１が土にストレートに入り込むよう
に）断面が十字型に形成されている。したがって、前記
突条４は尖端部４ａから上端部４ｂにかけて合計４個設
けられている。そして、各突条４にはそれぞれ抜け止め
防止突起爪５が形成されている ６は軸体３に偏心して水平方向に連設する板状の押え頭
部である。この押え頭部６の下面には芝生２の側端縁部
に食込む小突片７が複数個形成されている。

【００１１】前記押え頭部６並びに軸体４は、図３で示
すように生分解性プラスチック８と麦飯石粉末９とを混
合材料として形成されている。

【００１２】生分解性プラスチック８は、１９８９年に
イタリアのノバモント社によって開発され、１９９０年
より生産が開始されている。この商業的に生産されてい
る生分解性プラスチックは、「マタービー」と称され、
トウモロコシ澱粉を主成分とし、変成ポリビニルアルコ
ールと添加剤とで合成さている。生分解性プラスチック
は通常の成型機で任意の形態に射出成型され、使用後は
水中や土中の微生物によってコンポスト（堆肥）化する
性質を有している。したがって、生分解性プラスチック
は、いわば繰り返し再生される農産物由来の天然原料を
主成分とする熱可塑性プラスチックで、自然環境中の微
生物の作用により完全に分解する材料ということができ
る。

【００１３】一方、麦飯石粉末９は、「麦飯石（バクハ
ンセキ）」と称され、珪酸および酸化アルミニウムを主
成分とし、これらに鉄、カルシウム、マンガン、マグネ
シウム、カリウム、ナトリウム、リンなど多数の物質を
含んでいる。麦飯石は相当程度の微粉末の状態でも、海
綿のような多孔性が維持される「超多孔性」、分子間で
活発なイオン交換を行い、有機物質を酸化分解させる
「触媒作用」、有害物質の元素と反応し、その有害性を
取り除く「元素間親和力」などの性質を有する。そし
て、麦飯石は水質調整機能、土壌調整機能などの諸機能
を有する。

【００１４】ところで、生分解性プラスチック８と麦飯
石粉末９とを混合材料として形成された固定ピン１は、
実験結果では、生分解性プラスチック８に麦飯石粉末９
を１５〜３０パーセント混合した一例では、多少の弾力
性があるものの、ある程度の硬さを有するため、固定ピ
ン１を土の中に手で押し込んでも又は押え頭部６を叩い
て固定ピン１を埋め込んでも、その素材性と突条４とが
相俟って著しく反る（変形）ことがない。また固定ピン
１は土中に入った状態では５０日前後で半減し、３６０
日位で採集不能になった。したがって、固定ピン１の取
り除き作業が不要であり、かつ、固定ピン１の残存によ
る危険性もない。

【００１５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に於いては次に列挙するような効果がある。 （１）固定ピンは生分解性プラスチックで形成されてい
るので、使用中に土中の微生物の作用により完全に分解
する。したがって、固定ピンを土中から取り除く作業が
不要であり、省力化、安全性など効果を達成することが
できる。 （２）固定ピンは生分解性プラスチックに麦飯石粉末を
混合して形成されているので、ある程度の硬さを得るこ
とができる。したがって、固定ピンを土中に手で押し込
んでも又は押え頭部を叩いて埋め込んでも、その素材性
と突条とが相俟って著しく反る（変形する）ことがな
い。 （３）麦飯石粉末を材料としているので、水質調整機
能、土壌調整機能などの諸機能を発揮させることができ
る。特に芝生管理のため大量の農薬が使用されているゴ
ルフ場に於いては、麦飯石粉末が土壌中水分に対する活
性酸素の溶出等により土壌環境の改善を促進させ、その
結果、病害の予防並びに芝生の生育を促進させるので、
その分の農薬散布の量を少なくすることもでき、したが
って、生分解性プラスチックの使用と相俟って環境の保
護を図ることができる。 （４）押え頭部が軸体に偏心して水平方向に連設してい
るので、芝生を確実に固定することができる。 （５）各突条にそれぞれ抜け止め防止突起爪が形成され
ている実施例の場合は、土中に杭込んだら容易に抜けな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の概略斜視図。

【図２】図１の２ー２線概略断面説明図。

【図３】図１の３ー３線概略断面説明図（縦断面図）。

【図４】使用状態の一例を示す概略説明図。

【符号の説明】

１…固定ピン、２…芝生、３…軸体、４…突条、５…抜
け止め防止突起爪、６…押え頭部ー、７…小突片、８…
生分解性プラスチック、９…麦飯石粉末。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸芯方向に突条を有する軸体と、この軸
   体に偏心して水平方向に連設する押え頭部とから成り、
   押え頭部並びに軸体は、生分解性プラスチックと麦飯石
   粉末とを混合材料として形成されていることを特徴とす
   る芝生養成用固定ピン。
2. 【請求項２】 請求項１に於いて、軸体の突条は尖端部
   から上端部にかけて複数個設けられ、各突条にはそれぞ
   れ抜け止め防止突起爪が形成されていることを特徴とす
   る芝生養成用固定ピン。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２に於いて、押え
   頭部は板状であり、下面には芝生の側端縁部に食込む小
   突片が複数個形成されていることを特徴とする芝生養成
   用固定ピン。