JPH0870169A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JPH0870169A
JPH0870169A JP20641194A JP20641194A JPH0870169A JP H0870169 A JPH0870169 A JP H0870169A JP 20641194 A JP20641194 A JP 20641194A JP 20641194 A JP20641194 A JP 20641194A JP H0870169 A JPH0870169 A JP H0870169A
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JP
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layer
dielectric layer
hole
toner
conductive layer
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JP20641194A
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Kenji Hyodo
建二 兵頭
Wakana Inoue
和佳奈 井上
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い解像性を持つスルーホールを有するプリ
ント配線板の製造方法を提供する。 【構成】 絶縁性基板の両面に第1の金属導電層を設け
た積層板に、スルーホールを開け、金属めっき処理を行
ってスルーホール内部および積層板表面に第2の金属導
電層を形成し、少なくとも第2の金属導電層表面にアル
カリ可溶型誘電層を設け、該誘電層上に静電潜像を形成
し、好ましくは反転現像法によってスルーホール内部お
よび配線部をトナー層で被覆し、次いでトナー層未覆誘
電層を溶出除去した後、露出した第2の金属導電層およ
び第1の金属導電層をエッチング除去し、さらに場合に
応じて残存する誘電層およびトナー層を剥離するプリン
ト配線板の製造方法において、表面に配線パターンを有
するマスクを設置した帯電体を、該誘電層に接触させて
電圧を印加することにより、上記静電潜像の作製を行う
ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリント配線板の製造方
法に関し、特にスルーホールを有するプリント配線板の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板に高密度化が求められる
中で配線を多層構造とし、層間を貫通孔(スルーホー
ル)もしくは非貫通孔で接続したプリント配線板が主流
になっている。
【0003】サブトラクティブ法では、予め絶縁性基板
に第1の金属導電層を張り合わせた積層板に開けたスル
ーホールの内壁に金属めっき処理によって第2の金属導
電層を形成して導電性を持たせた後、スルーホール部を
レジスト層で保護し、エッチングを行う。レジスト層用
材料としては、一般に感光性樹脂が用いられる。感光性
樹脂を適当な溶媒に溶解または分散させた液状フォトレ
ジストでは、スルーホール内部に穴埋めインクを充填し
てスルーホールの保護を行うことができる。また、感光
性樹脂を膜状にしたドライフィルムフォトレジストでは
この膜でスルーホール口を塞ぐテンティング法によりス
ルーホール内部の金属めっき層を保護することができ
る。
【0004】しかし、感光性樹脂は酸素、光により光反
応性が劣化するために、保管には充分な注意を払う必要
があるばかりか、作業中も酸素に最低限ふれないように
する必要があった。また、配線のファイン化のために進
められているフォトマスクを使用しないレーザー直接描
画法に対応するには、 光感度が1〜数百mJ/cm2
低いために、露光用光源の出力が大きくなるという欠点
があって、高解像性を有するレジスト層の作製は困難で
あった。
【0005】レーザー直接描画法を行うためのレジスト
層用材料として、西独特許第1117391号、同第2
526720号、同第3210577号、特開昭52−
2437号、同57−48736号、同59−1684
62号、同63−129689号公報等に電子写真感光
体が提案されている。電子写真感光体は、光導電性化合
物、レーザー光の種類により異なるが、 数〜数十μJ
/cm2の高い光感度を有している。
【0006】電子写真感光体を用いてスルーホールを有
するプリント配線板を製造する方法は特公平1−355
18号公報に開示されている。図2に示したように、は
じめにスルーホール1を開けて金属めっき処理を行った
積層板13(図2(a))に、光導電層19をスルーホ
ール1内部および積層板13表面部に設け(図2
(b))た後、光導電層19表面を暗中で一様に帯電さ
せ(図2(c))、図2(d)のように露光を行い、電
荷が残存する非露光部とスルーホール1部を電子写真法
で逆極性の現像剤を用いて現像し、回路部に相当するト
ナー層18をスルーホール1内部および光導電層19表
面に作製する(図2(e))。その後、このトナー層1
8をレジストとしてトナー層18で被覆されていない部
分の光導電層14を溶出除去(図2(f))し、次いで
残存するトナー層18とその下の光導電層19をレジス
ト層として露出した第2の金属導電層14および第1の
金属導電層をエッチング除去し(図2(g))、かつこ
のレジスト層を剥離し(図2(h))て、絶縁性基板1
1上に金属配線を作製する。
【0007】上記の方法では、スルーホール1内部をト
ナー層18で保護するためには、帯電工程(図2
(c))において、スルーホール内部の光導電層19を
均一に帯電させる必要がある。しかしながら、一般に行
われているコロナ帯電法、接触帯電法等では、スルーホ
ール1のアスペクト比(スルーホール長/スルーホール
径)が大きくなった場合、穴奥部には電荷が発生せず、
その部分にはトナー現像時にトナーの付着が起こらない
ため、第1の金属導電層12および第2の金属導電層1
4のエッチング時にスルーホール内壁の第2の金属導電
層14が除去されてしまうことがあった。
【0008】また、電子写真感光体をレジスト材料とし
て用いるために帯電、露光、現像工程を暗中で行わなけ
ればならず、作業場を限定されるという欠点があった。
さらに、電子写真感光体は光を照射すると若干ではある
が経時的に光導電性等の電子写真特性が低下していくた
めに、電子写真感光体塗布後の積層板の保管に際しては
遮光等の管理が必要となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はプリント配線
板の製造方法に関し、さらにはスルーホールを有するプ
リント配線板をサブトラクティブ法で製造する方法に関
し、高解像性を有する配線を作製することができ、かつ
保存性、作業性に優れたレジスト材料を使用することで
容易に高密度プリント配線板を製造する方法を提供す
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、絶縁性基板の両面に
第1の金属導電層を設けた積層板に、スルーホールを開
け、金属めっき処理を行ってスルーホール内部および積
層板表面に第2の金属導電層を形成した後、少なくとも
積層板表面部の第2の金属導電層表面上にアルカリ可溶
型誘電層を設け、該誘電層上に静電潜像を形成し、電子
写真現像法によってスルーホール内部および配線部をト
ナー層で被覆し、次いでトナー層未覆誘電層を溶出除去
した後、露出した第2の金属導電層および第1の金属導
電層をエッチング除去し、さらに場合に応じて残存する
誘電層およびトナー層を剥離するプリント配線板の製造
方法において、表面に配線パターンを有するマスクを設
置した帯電体を、該誘電層に接触させて電圧を印加する
ことにより、上記静電潜像の作製を行えば良いことを見
い出した。
【0011】本発明によれば、帯電体を用いて誘電層上
に静電潜像を形成した後、電子写真現像剤を用いて配線
部に相当するトナー層を形成し、このトナー層で被覆さ
れなかった誘電層を溶出除去して、レジスト層を作製す
るので、これまで解像性に大きな制限を与えていた露光
工程を行う必要がないうえ、電子写真法の場合と同程度
の細密な画像を有するレジスト層を作製することができ
る。
【0012】また、静電潜像を作製する際の被帯電体が
誘電層であるので、帯電、現像工程において、暗中で作
業する必要がない。さらに、誘電層の材料塗液および誘
電層塗布後の積層板を保管する場合に、誘電層が酸素、
光等に適当な耐性を有しているので、感光性樹脂や電子
写真感光体の場合よりも緩和された条件での保管が可能
である。
【0013】さらに、 誘電層に少なくとも金属製芯棒
と106〜1010Ω・cmの電気抵抗を有する導電性弾
性体から構成されるロール状帯電体を接触させ、かつ電
圧を印加する、接触帯電法で静電潜像を作製すること
で、コロナ帯電法の場合に問題になるオゾンの発生、高
印加電圧等の問題がない。また、帯電体に巻き付けるマ
スクを替えるだけで、配線のパターンの変更に対処する
ことができ、多品種小ロットのプリント配線板の生産に
も容易に対応することができる。
【0014】本発明を図1に基づいて詳細に説明する。
まず、絶縁性基板11に第1の金属導電層12を設けた
積層板13にスルーホール1を開けた後、金属めっき処
理を行ってスルーホール1内部および積層板表面に第2
の金属導電層14を形成し、このスルーホール1を通し
て積層板の両面を導通させる(図1(a))。次に少な
くとも第2の金属導電層14の表面部分にアルカリ可溶
型誘電層15を形成する(図1(b))。このとき、ス
ルーホール1内部の第2の金属導電層上に部分的に誘電
層15が形成されても差し支えない。続いて、この誘電
層15にマスク16を設置した帯電体17を接触させて
(図1(c))、静電潜像を得る(図1(d))。この
静電潜像を電子写真現像剤で現像してトナー層18を作
製(図1(e))し、続いてトナー層18で被覆されて
いない部分の誘電層15を溶出除去(図1(f))し、
次いで露出した第2の金属導電層14および第1の金属
導電層12をエッチング(図1(g))し、さらにレジ
スト層として使用した誘電層15およびトナー層18を
剥離(図1(h))して、金属配線を作製する。
【0015】本発明に係わる帯電体としては、 特に金
属製の芯棒に106〜1010Ω・cmの電気抵抗を有す
る導電性弾性体を巻き付けたものが好ましい。金属製芯
棒としては鉄、アルミニウム、銅、SUS等の良導電性
の金属を用いることができる。導電性弾性体としては、
弾性体に導電性微粒子を含有させたものを使用すること
ができる。導電性微粒子としては、カーボンブラック、
酸化スズ粒子、酸化チタン粒子等を用いることができ
る。本発明に用いられる弾性体としては、ウレタン、天
然ゴム、ブチルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジ
エンゴム、シリコーン、スチレン−ブタジエンゴム、エ
チレン−プロピレンゴム等が挙げられる。また、弾性体
の周囲にナイロン、ウレタン等の保護層を設けても良
い。帯電体の形状は、ロール状が好適であるが、ブレー
ド状、四角ブロック状、球状、ブラシ状等の種々の形状
を用いても良い。
【0016】上記帯電体は画像パターンに相当するマス
クを貼り付け、誘電層の必要な部分にのみ帯電が行われ
るようにする。
【0017】本発明に係わる絶縁性基板に第1の金属導
電層を設けた積層板としては、紙基材またはガラス基材
にエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等を含浸させたも
の、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の絶
縁性基板に銅、銀、アルミ等の第1の金属導電層を張り
合わせたものを使用できる。これら積層板としては、
「プリント回路技術便覧−第二版−」((社)プリント
回路学会編、1993年発行、日刊工業新聞社発刊)記
載のものを使用することができる。
【0018】本発明に係わる第1の金属導電層の厚さと
しては、種々のものが使用でき、一般には5μm〜35
μmのものが使われているが、それよりも厚いものや薄
いものも使用することができる。高い解像性を有するプ
リント配線板を製造するためには、第1の金属導電層の
厚みは薄い方がよい。
【0019】本発明のプリント配線板の製造方法では、
上記積層板に所望の径を有するスルーホールを開けた
後、金属めっき処理を行い、スルーホール内部および積
層板表面に第2の金属導電層を形成する。金属が銅の場
合、「表面実装技術」(1993年6月号、日刊工業新
聞社発刊)記載の無電解銅めっき−電気銅めっき工程、
ダイレクトプレイティング(直接電気銅めっき)工程等
を使用することができる。
【0020】本発明に係わる誘電層は、静電潜像を作製
するために電荷保持性が必要となる。また、レジスト層
として不要な誘電層を通常アルカリ溶出液により除去す
るので、アルカリ可溶性でなければならない。さらに、
不要な第1および第2の金属導電層のエッチング除去の
際に主に用いられる酸性エッチング液に対して耐性を有
していなければならない。したがって、本発明に係わる
誘電層としては、主にアニオン性官能基を含む樹脂が用
いられる。アニオン性官能基を含む単量体の含有量が多
いと誘電層の皮膜が脆弱になるばかりか、所望の帯電性
を得ることができない。したがって、アニオン性単量体
と非イオン性単量体を適宜共重合させることが望まし
い。
【0021】アニオン性官能基を有する樹脂中、特にカ
ルボン酸基を有するモノマー含有共重合体およびフェノ
ール樹脂は、電荷保持性が高く有利に使用できる。カル
ボン酸基を有するモノマー含有共重合体としては、スチ
レンとマレイン酸モノエステルとの共重合体、アクリル
酸あるいはメタクリル酸とそれらのアルキルエステル、
アリールエステルまたはアラルキルエステルとの二元以
上の共重合体が好ましい。また、酢酸ビニルとクロトン
酸との共重合体も良い。フェノール樹脂中特に好ましい
ものは、フェノール、 o-クレゾール、m-クレゾー
ル、あるいはp-クレゾールとホルムアルデヒドまたは
アセトアルデヒドとを酸性条件下で縮合させたノボラッ
ク樹脂を挙げることができる。
【0022】本発明に係わる誘電層の樹脂成分の具体例
は、スチレン/マレイン酸モノアルキルエステル共重合
体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、ス
チレン/メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合
体、アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、メタ
クリル酸/メタクリル酸エステル/アクリル酸エステル
共重合体、スチレン/メタクリル酸/アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸エス
テル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸
ビニル/クロトン酸/メタクリル酸エステル共重合体、
安息香酸ビニル/アクリル酸/メタクリル酸エステル共
重合体等のスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等と上記カル
ボン酸含有モノマーとの共重合体や、メタクリル酸アミ
ド、フェノール性水酸基、スルホン酸基、スルホンアミ
ド基、スルホンイミド基、ホスホン酸基を有するモノマ
ーを含有する共重合体、フェノール樹脂、キシレン樹脂
等が挙げられる。これらの結着樹脂は単独でも、あるい
は2種以上を混合して用いても良い。また、これらの樹
脂の重量平均分子量は5000〜200000が好まし
い。
【0023】本発明に係わる誘電層の作製は、バーコー
ト法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコ
ート法、剥離基板からの転写法、浸漬法、電着法等によ
り行う。誘電層は第2の金属導電層の表面にのみ形成
し、スルーホール内部には全面塗布されなくても良い。
塗布液は誘電層を構成する樹脂を適当な溶媒に溶解また
は分散して作製する。また、塗布液には必要に応じ、樹
脂成分のほかに誘電層の膜物性、塗布液の粘度、分散性
等を改良する目的で、可塑剤、界面活性剤、その他の添
加剤を加えることができる。塗布液の樹脂成分濃度およ
び使用する溶媒は塗布方法および乾燥条件等によって適
当なものを選択する。
【0024】誘電層は、厚いと非回路部の誘電層の溶出
除去においてアルカリ溶出液の劣化を促進するばかりか
サイドエッチングにより回路画像の線が細り、再現性の
良好な画像を得ることができない。また、逆に薄いと必
要な電荷が帯電できない、ピンホールが生じる等の問題
が起こる。本発明に係わる誘電層15は厚さ0.5〜1
5μmが好ましく、さらには1〜10μmが好適であ
る。
【0025】誘電層と帯電体を接触させ、電圧を印加す
ることで得た静電潜像は、電子写真現像剤により現像す
る。現像方法としては、静電潜像と逆極性の電荷を有す
る電子写真現像剤を用いて帯電部を現像する正現像法と
静電潜像と同極性の電荷を有する電子写真現像剤を用い
て非帯電部を現像する反転現像法を用いることができ
る。しかしながら、反転現像法では、たとえスルーホー
ル内部の第2の金属導電層上に誘電層が存在する場合で
もこの誘電層を帯電させる必要がなく、また誘電層がス
ルーホール内部に存在しない場合でも、トナー層が第2
の金属導電層上に満遍なく設けられ、充分に第2の金属
導電層を保護することができることから、反転現像法で
トナー層を形成することが望ましい。反転現像法を行う
場合には、適当なバイアス電圧を印加することが好まし
い。
【0026】電子写真現像剤としては、湿式または乾式
の電子写真現像剤を用いることができる。電子写真現像
剤は、後工程で誘電層の溶出、第1および第2の金属導
電層および金属めっき層のエッチング工程があることか
ら、耐アルカリ性および耐酸性が必要となり、これらの
性質を有する樹脂成分を主に含有する。樹脂成分として
は、例えばメタクリル酸、メタクリル酸エステル等から
成るアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとエチ
レンまたは塩化ビニル等との共重合体、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラールの様な
ビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、スチレンとブタ
ジエン、メタクリル酸エステル等との共重合物、ポリエ
チレン、ポリプロピレンおよびその塩化物、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポ
リエステル樹脂、ポリカプラミドやポリヘキサメチレン
アジポアミド等のポリアミド樹脂、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、アルキッド樹脂、ビニル変性アルキッド樹
脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロ
ースエステル誘導体、その他ワックス、蝋等が挙げられ
る。また、電子写真現像剤には現像あるいは定着等に悪
影響を及ぼさない範囲で、色素や電荷制御剤を含有させ
ることもできる。さらに、その荷電は使用する帯電の際
の帯電極性に応じて正、負を使い分ける必要がある。
【0027】現像後、誘電層に付着した電子写真現像剤
を熱定着法、光定着法、溶剤定着法等の方法で定着し、
配線部を保護するトナー層が得られる。
【0028】現像後、トナー層で被覆されなかった誘電
層をアルカリ溶液で溶出除去して、第1の金属導電層1
2および第2の金属導電層14のエッチングに対するレ
ジスト層が形成される。アルカリ溶液中の塩基性化合物
としては、例えばけい酸アルカリ金属塩、アルカリ金属
水酸化物、リン酸および炭酸アルカリ金属およびアンモ
ニウム塩等の無機塩基性化合物、エタノールアミン類、
エチレンジアミン、プロパンジアミン類、トリエチレン
テトラミン、モルホリン等の有機塩基性化合物等を用い
ることができる。上記塩基性化合物は単独または混合物
として使用できる。また、アルカリ溶出液の溶媒として
は水を有利に用いることができる。
【0029】誘電層が溶出されて露出した第2の金属導
電層14および第1の金属導電層12を取り除くには、
前述の「プリント回路技術便覧−第二版−」((社)日
本プリント回路工業会編、1993年刊行、日刊工業新
聞社発行)記載のエッチング装置等を使用することがで
きる。第2の金属導電層14および第1の金属導電層1
2が銅によって形成されている場合は、塩化第二鉄液、
塩化第二銅液等が使用できる。
【0030】エッチングにより回路部に相当する金属配
線が形成され後、この金属配線上にはレジスト層である
誘電層およびトナー層が存在している。これらはそのま
ま存在していても良いが回路構成部品、チップ等の接続
の際に不要となる場合が多い。このときは、一般の感光
性樹脂を利用したプリント配線板製造時と同様に、アル
カリ溶出液よりさらにアルカリ度の強い溶液で処理する
ことによりこれらを除去することができる。これには、
メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ブタノ
ール、ジオキサン、ブチルセロソルブの様な有機溶剤を
アルカリ溶液に混合することができ、場合によっては有
機溶剤のみを使用する。有機溶剤のみを使用する場合に
は、キシレン、トルエン等の水と混合しない有機溶媒を
用いることもできる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1によりさらに詳
説するが、本発明はその主旨を超えない限り下記実施例
に限定されるものではない。
【0032】実施例1スルーホール1の作製と誘電層15の作製 プリント配線板用銅張積層板13(銅箔厚18μm、積
層板厚1.0mm、紙基材フェノール樹脂銅張積層板、
20×30cm)に0.4mmφと0.6mmφのスル
ーホール1を各100個開けた後、金属めっき処理(O
PCプロセスM:奥野製薬(株))を施し、スルーホー
ル1内部および銅箔12表面に厚さ8μmの銅層14を
設けた。次いで表1に記載した塗液にこの積層板を陽極
として浸漬し、陰極にステンレス板(20×30×0.
1cm)を用いて、直流電圧100mA/dm2を2分
間印加して、 電着法により誘電層15を作製した。1
20℃で15分間乾燥した後の膜厚は7.0μmであっ
た。
【0033】
【表1】
【0034】静電潜像18の作製とトナー現像 鉄製芯棒20(1.5cmφ)の周りにカーボンブラッ
ク含有ニトリルブチルゴム(電気抵抗5×108Ω・c
m、 厚さ2cm)を巻き付けた帯電体17に、絶縁性
ブチルゴムでできたマスク16(厚さ25μm)を張り
合わせたものを、上記誘電層15に接触させながら、電
圧(+450V)を印加して非配線部に相当する部分が
+280Vに帯電した静電潜像を得た。この積層板を、
三菱プリンティングシステム用正電荷トナー「ODP−
TW」を用いて、バイアス電圧+120V印加のもと反
転現像法により現像し、80℃で3分間熱風乾燥して、
配線部に相当する部分のトナー層18を作製した。得ら
れたトナー層18は厚さ1.5μm、線幅45μmで、
途中に断線、ピンホール等の欠陥は観られなかった。
【0035】非配線部誘電層15の溶出と金属導電層1
2、14のエッチング 上記トナー層18を設けた後、35℃の2.0%炭酸ナ
トリウム溶液を20秒間スプレー(1kg/cm2
し、 トナー層18で被覆されていない誘電層15を溶
出除去した。続いて、40℃に加熱した市販の塩化第二
鉄溶液を1分間スプレー(3kg/cm2)し、 非配線
部の銅箔12および銅層14をエッチング除去した。さ
らに、35℃の3.0%水酸化ナトリウム溶液で処理
し、レジスト層として使用した誘電層15およびトナー
層18を剥離して金属配線を得た。得られた金属配線は
線幅約42μmで、回路の欠落等の欠陥は確認されなか
った。また、スルーホール1内部の銅層14も完全に残
存していた。
【0036】比較例1スルーホールの作製と光導電層の作製 実施例1と同様の方法で、両面銅張積層板に0.4mm
φ、0.6mmφのスルーホールを100個ずつ形成
し、銅めっき処理を施して銅層を形成した後、これを表
2の組成を有する塗液に浸漬し、90℃で20分間熱風
乾燥して、光導電層を作製した。得られた光導電層は銅
層への接着性は良好で、膜厚は5.5±3.5μmであ
った。。この光導電層の静電特性を川口電機(株)製静
電場測定器SP−428で測定したところ、コロナ電圧
−6.0kV印加のもとで、初期電位V0(帯電持の表
面電位) −280V、 電荷保持率CR 97.0
%、感度E1/2(2lxのタングステン光を当てた後、
表面電位が半分になるまでの露光量) 3.12lx・
sec.、 残量電位(露光7秒後の表面電位)Vr
10Vと、良好であった。顕微鏡で観察したところ、
0.6mmφのスルーホールには光導電層が付着してい
たが、一部の0.4mmφのスルーホールにはホールの
中央部に帯状の塗布不良部が観られた。
【0037】
【表2】
【0038】トナー画像の作製 上記光導電層表面を暗中で接触帯電方式により一様に+
280Vに帯電した後、フラットベッドプリンターで線
幅約40μmの非回路部分を露光し、静電潜像を得た。
この後、 正電荷トナー(「LOM−EDIII」:三菱製
紙(株)製)を用いてトナー層を作製し、70℃で5分
間乾燥させた。得られたトナー層は線幅40±3μm、
厚さ約2μmであった。スルーホール内部を顕微鏡で観
察したところ、0.6mmφのスルーホールには内壁に
満遍なくトナー層が付着していたが、0.4mmφのス
ルーホールでは、光導電層の作製が行われていなかった
部分へのトナー層の付着が確認されなかった。
【0039】アルカリ溶出および金属導電層のエッチン
上記トナー層を形成した後、実施例1で誘電層、銅層お
よび銅箔、レジストを除去したのと同様の方法で処理
し、回路部以外の光導電層、銅層および銅箔そしてレジ
スト(光導電層とトナー層)を除去した。得られた金属
配線(線幅40μm)は約3μm程度のサイドエッチン
グがあったほかは欠陥は確認されなかった。また、スル
ーホールの断面を顕微鏡で観察したところ、トナー層が
形成されていなかったスルーホール1の銅がエッチング
されていた(0.6mmφ;0個、0.4mmφ;40
個)。
【0040】実施例2スルーホール1の作製と誘電層15の作製 実施例1と同様の方法で銅張積層板にスルーホール1を
開け、銅めっき処理を施した後、表3の組成を有する塗
液を用いて、バーコート法により銅層14表面およびス
ルーホール1内部の一部に誘電層15を作製した。90
℃で15分乾燥した後の誘電層15の膜厚は約7μmで
あった。
【0041】
【表3】
【0042】静電潜像18の作製とトナー現像 上記誘電層15に25℃で白色光(タングステン光、1
00lx)に24時間を照射した後、実施例1と同様の
方法で、静電潜像18を作製した。該静電潜像部の表面
電位は+275Vと、帯電性の劣化は見られなかった。
続いて反転現像法により配線部に相当するトナー層18
を設けた。得られたトナー層18は厚さ1.5μm、線
幅45μmで、途中に断線、ピンホール等の欠陥は観ら
れなかった。
【0043】非配線部誘電層15の溶出と金属導電層1
2、14のエッチング 上記トナー層18を設けた後、実施例1と同様の方法で
トナー層18で被覆されていない誘電層15を溶出除去
し、続いて非配線部の銅箔12および銅層14をエッチ
ング除去した。さらに、表4に示した組成を有する液
(40℃)を用いてレジスト層として使用した誘電層1
5およびトナー層18を剥離して金属配線を得た。得ら
れた金属配線は線幅約42μmで、回路の欠落等の欠陥
は確認されなかった。また、スルーホール内部の銅層1
4も完全に残存していた。
【0044】
【表4】
【0045】比較例2スルーホールの作製と光導電層の作製 実施例1と同様の方法で、両面銅張積層板に0.4mm
φ、0.6mmφのスルーホールを100個ずつ形成
し、銅めっき処理を施して銅層を形成した後、これを表
2の組成を有する塗液に浸漬し、90℃で20分間熱風
乾燥して、光導電層を作製した。得られた光導電層は銅
層への接着性は良好で、膜厚は5.5±3.5μmであ
った。。この光導電層の静電特性は、コロナ電圧+5.
3kV印加のもとで、V0 +280V、CR 97.
5%、E1/2 2.96lx・sec.、Vr +8V
と、良好であった。 顕微鏡で観察したところ、0.6
mmφのスルーホールには光導電層が付着していたが、
一部の0.4mmφのスルーホールにはホールの中央部
に帯状の塗布不良部が観られた。
【0046】トナー画像の作製 上記光導電層に、白色光(タングステン光、100l
x)を25℃で24時間照射した後、静電特性を測定し
たところ、コロナ電圧+5.3kV印加のもとで、V0
+232V、CR 89.0%、 E1/2 5.94l
x・sec.、Vr+42Vと、帯電性、光導電性とも
に悪化していた。形成した光導電層に、帯電、露光処理
を行った後、三菱OPCプリンティングシステム用正電
荷トナー(三菱製紙(株)製、「ODP−TW」を用い
て、+120Vのバイアス電圧印加のもとで反転現像法
によりトナー層を形成した。得られたトナー層は厚さ約
0.7μmと付着量が少なく、また線幅も40±8μm
と不鮮明であった。また、一部画像欠落が確認された。
スルーホール内部にもトナーが付着していないところが
確認された(0.6mmφ;12個、0.4mmφ;6
5個)。
【0047】アルカリ溶出および金属導電層のエッチン
上記トナー画像を形成した積層板を、比較例1と同様の
方法で処理し、回路部以外の光導電層および銅箔と銅層
を除去し、さらにレジストとして使用した光導電層とト
ナー層を除去した。得られた金属配線は線幅が30μm
〜45μmとかなり不均一で、画像欠落も確認差れた。
また、スルーホールの断面を顕微鏡で観察したところ、
トナー層が形成されていなかったスルーホールの銅がエ
ッチングされていた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明のプリント
配線板の製造方法によれば、静電記録方式によりレジス
ト層を作製することで、容易に高解像性を有する金属配
線を製造することができる。また、レジスト層用材料の
保管に際しては、感光性樹脂や光導電層を用いた場合に
必要であった酸素や光等に対する制限がなく、長期間安
定な状態を維持できる。さらに、静電潜像の作製をマス
クを巻き付けたロール状帯電体を用いて行うことで、オ
ゾンの発生量を減らすことができ、さらに多品種小ロッ
ト化にも容易に対応することができるという秀逸な効果
をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント配線板の製造方法を示した概
略説明図
【図2】従来の電子写真法によるプリント配線板の製造
方法を示した概略説明図
【符号の説明】
1 スルーホール 11 絶縁性基板 12 第1の金属導電層 13 積層板 14 第2の金属導電層(金属めっき層) 15 誘電層 16 マスク 17 帯電体 18 トナー層 19 光導電層 20 鉄製芯棒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板の両面に第1の金属導電層を
    設けた積層板に、スルーホールを開け、金属めっき処理
    を行ってスルーホール内部および積層板表面に第2の金
    属導電層を形成した後、少なくとも積層板表面部の第2
    の金属導電層表面にアルカリ可溶型誘電層を設け、該誘
    電層上に静電潜像を形成して、電子写真現像法でスルー
    ホール内部および配線部をトナー層で被覆し、次いでト
    ナー層未覆部誘電層を溶出除去した後、露出した第2の
    金属導電層および第1の金属導電層をエッチング除去
    し、さらに場合に応じて残存する誘電層およびトナー層
    を剥離するプリント配線板の製造方法において、表面に
    配線パターンを有するマスクを設置した帯電体を、該誘
    電層に接触させて電圧を印加することにより、上記静電
    潜像の作製を行うことを特徴とするプリント配線板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 帯電体が、 少なくとも金属製芯棒と1
    6〜1010Ω・cmの電気抵抗を有する導電性弾性体
    から構成されるロール状帯電体である請求項1記載のプ
    リント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 電子写真現像法が反転現像法である請求
    項1または2記載のプリント配線板の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7670742B2 (en) 2005-03-15 2010-03-02 Ricoh Company, Ltd. Recording material, toner, liquid developer and image forming method using the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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