JPH0869155A - 帯電部材用磁性粒子、それを用いた電子写真装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents

帯電部材用磁性粒子、それを用いた電子写真装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法

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JPH0869155A
JPH0869155A JP7156139A JP15613995A JPH0869155A JP H0869155 A JPH0869155 A JP H0869155A JP 7156139 A JP7156139 A JP 7156139A JP 15613995 A JP15613995 A JP 15613995A JP H0869155 A JPH0869155 A JP H0869155A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、汚れにくく、長期に渡って
良好な帯電特性を維持することができ、更に良好な注入
帯電を行うことのできる帯電手段用磁性粒子を提供する
ことにある。 【構成】 本発明は、電子写真感光体に接触配置され、
電圧を印加されることにより該電子写真感光体を帯電す
る帯電部材用の磁性粒子であって、下記式(1) (Fe23X (A)Y (B)Z (1) (式中、AはLi2 O、MnO及びMgOからなる群よ
り選ばれる少なくともひとつの金属酸化物成分を示し、
BはAとは異なる1種以上の金属酸化物成分を示し、
X、Y及びZは下記条件を満たすモル比を示す。 0.2<X<0.95、0.01<Y<0.5、X+Y
≦1及び0≦Z<0.79) で示されるフェライト成分を含有することを特徴とする
帯電部材用磁性粒子、それを用いた電子写真装置、プロ
セスカートリッジ及び画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体を帯電
させる帯電手段用の磁性粒子、それを用いた電子写真装
置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、帯電
手段及び画像露光手段により感光体上に静電気的潜像を
形成し、ついで該潜像をトナーで現像を行って可視像
(トナー画像)とし、紙などの転写材にトナー画像を転
写した後、熱、圧力などにより転写材上にトナー画像を
定着して複写物を得るものである。この際、転写材上に
転写されずに感光体上に残ったトナー粒子はクリーニン
グ工程により感光体上より除去される。
【0003】近年、電子写真感光体の光導電性物質とし
て種々の有機光導電物質が開発され、特に電荷発生層と
電荷輸送層を積層した機能分離型のものが実用化され、
複写機やプリンターやファクシミリなどに搭載されてい
る。このような電子写真装置での帯電手段としては、コ
ロナ放電を利用した手段が用いられていたが、多量のオ
ゾンを発生することからフィルタを具備する必要性があ
り、装置の大型化またはランニングコストのアップなど
の問題点があった。
【0004】このような問題点を解決するための技術と
して、ローラーまたはブレードなどの帯電部材を感光体
表面に当接させることにより、その接触部分近傍に狭い
空間を形成し所謂バッシェンの法則で解釈できるような
放電を形成することによりオゾン発生を極力抑えた帯電
方法が開発され、この中でも特に帯電部材として帯電ロ
ーラを用いたローラ帯電方式が、帯電の安定性という点
から好ましく用いられている。
【0005】この帯電は帯電部材から被帯電体への放電
によって行われるため、ある閾値電圧以上の電圧を印加
することにより帯電が開始される。例えば観光層の厚さ
が約25μmの有機光導電性物質を含有する感光体に対
して帯電ローラを当接させた場合には、約640V以上
の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始め、そ
れ以降は印加電圧に対して傾き1で線形に感光体表面電
位が増加する。以後この閾値電圧を帯電開始電圧Vth
と定義する。つまり、感光体表面電位Vdを得るために
は帯電ローラにはVd+Vthという必要とされる以上
のDC電圧が必要となる。また環境変動などによって帯
電ローラの抵抗値が変動するため、感光体の電位を所望
の値にすることが難しかった。
【0006】このため、異なる帯電の均一化を図るため
に特開昭63−149669号公報に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上の
ピーク間電圧を持つAC電圧を重畳した電圧を接触帯電
ローラに印加するDC+AC帯電方式が用いられる。こ
れは、ACによる電位のならし効果を目的としたもので
あり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央である
Vdに収束し、環境などの外乱には影響されにくい。
【0007】しかしながら、このような帯電方法におい
ても、その本質的な帯電機構は、帯電部材から感光体へ
の放電現象を用いているため、先に述べたように帯電に
必要とされる電圧は感光体表面電位以上の値が必要とさ
れる。また、AC電圧の電界に起因する帯電部材と感光
体の振動及び騒音(以下AC帯電音と称す)の発生、ま
た、放電による感光体表面の劣化などが顕著になり、新
たな問題点となっていた。
【0008】一方、特開昭61−57958号公報に開
示されるように、導電性保護膜を有する感光体を、導電
性微粒子を用いて帯電する画像形成方法がある。この公
報には、感光体として107 〜1013Ωcmの抵抗を有
する半導電性保護膜を有する感光体を用い、この感光体
を1010Ωcm以下の抵抗を有する導電性微粒子を用い
て帯電することにより、感光層中に電荷が注入すること
なく、感光体をムラなく均一に帯電することができ、良
好な画像再現を行うことができる旨記載されている。こ
の方法によれば、AC帯電における問題であった振動、
騒音などは防止できるが、帯電効率は悪く、また、転写
残トナーを帯電部材である導電性微粒子がかき取ること
などによって帯電部材にトナーが付着し、その結果帯電
特性の変化が起こる。
【0009】より帯電効率の良い帯電方法としては、感
光体へ電荷を直接注入する所謂注入帯電が知られてい
る。
【0010】この帯電ローラ、帯電繊維ブラシ、帯電磁
気ブラシなどの接触帯電部材に電圧を印加し、感光体表
面にあるトラップ準位に電荷を注入する注入帯電を行う
方法は、Japan Hardcopy92年論文集P
287の「導電性ローラを用いた接触帯電特性」などに
記載があるが、これらの方法は、暗所絶縁性の感光体に
対して、電圧を印加した低抵抗の帯電部材で注入帯電を
行う方法であり、帯電部材の抵抗値が十分に低く、更に
帯電部材に導電性を持たせる材質(導電フィラーなど)
が表面に十分に露出していることが条件になっていた。
このため、前記の文献においても帯電部材としてはアル
ミ箔や、高湿環境下で十分抵抗値が下がったイオン導電
性の帯電部材が好ましいとされている。本発明者らの検
討によれば感光体に対して十分な電荷注入が可能な帯電
部材の抵抗値は1×103 Ωcm以下であり、これ以上
では印加電圧と帯電電位の間に差が生じ始め帯電電位の
収束性に問題が生じることがわかっている。
【0011】しかしながら、このような抵抗値の低い帯
電部材を実際に使用すると、感光体表面に生じたキズ、
ピンホールなどに対して帯電部材から過大なリーク電流
が流れ込み、周辺の帯電不良や、ピンホールの拡大、帯
電部材の通電破壊が生じ易い。
【0012】これを防止するためには帯電部材の抵抗値
を1×104 Ω程度以上にする必要があるが、この抵抗
値の帯電部材では先に述べたように感光体への電荷注入
性が低下し、帯電が行われないという矛盾が生じてしま
う。
【0013】そこで、接触方式の帯電装置もしくは該帯
電装置を用いた画像形成方法について上記のような問題
点を解消する、即ち、低抵抗の帯電部材を用いないと生
じなかった電荷注入による良好な帯電性と、低抵抗の帯
電部材では防止することのできなかった被帯電体上のピ
ンホールリークという背反した特性を両立させることが
望まれていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】また、上述のように、
被帯電部材に接触させた帯電部材を用いる画像形成方法
においては、帯電部材の汚れ(スペント)による帯電不
良により画像欠陥を生じ易く、耐久性に問題が生じる傾
向にあり、被帯電部材への電荷注入による帯電において
も、帯電部材の汚れによる帯電不良の影響を防止するこ
とが多数枚プリントを可能にするため急務であった。
【0015】本発明の目的は、汚れにくく、長期に渡っ
て良好な帯電特性を維持することのできる帯電手段用磁
性粒子、それを持ち用いた電子写真装置、プロセスカー
トリッジ及び画像形成方法を提供することにある。
【0016】また、本発明の目的は、良好な注入帯電を
行うことのできる帯電手段用磁性粒子、それを用いた電
子写真装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法を
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、電子写
真感光体に接触配置され、電圧を印加されることにより
該電子写真感光体を帯電する帯電部材用の磁性粒子であ
って、下記式(1) (Fe23X (A)Y (B)Z (1) (式中、AはLi2 O、MnO及びMgOからなる群よ
り選ばれる少なくともひとつの金属酸化物成分を示し、
BはAとは異なる1種以上の金属酸化物成分を示し、
X、Y及びZは下記条件を満たすモル比を示す。
【0018】0.2<X<0.95、0.01<Y<
0.5、X+Y≦1及び0≦Z<0.79) で示されるフェライト成分を含有することを特徴とする
帯電部材用磁性粒子である。
【0019】また、本発明は上記磁性粒子を用いた電子
写真装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法であ
る。
【0020】本発明においては、磁性粒子を磁気によっ
てスリーブ上に穂立ちすることによって形成した磁気ブ
ラシを帯電部材として感光体に接触させ、この帯電部材
に電圧を印加することによって感光体を帯電させる。そ
のために、磁性粒子は比較的強い磁気特性を持っている
必要があるが、そのような粒子をそのまま用いると体積
抵抗値が帯電部材として好ましい範囲に入りにくいた
め、還元処理、組成調整などを行って体積抵抗値を調整
する。
【0021】その観点から、AはLi2 O、MnO及び
MgOからなる群より選択される少なくともひとつの金
属酸化物成分を示す。またBはAとは異なる1種以上の
金属酸化物成分を示すが、上記観点からNa2 O、K2
O、CaO、SrO、Al23 、SiO2 及びBi2
3 からなる群より選ばれる金属酸化物成分であること
が好ましい。更には、金属酸化物成分中の金属が陽イオ
ンの安定し易いアルカリ金属またはアルカリ土類金属で
あることが好ましい。即ち、Na2 O、K2 O、CaO
及びSrOからなる群より選ばれる金属酸化物成分であ
ることが好ましい。その理由は定かではないが、下記の
ように考えられる。即ち、フェライトとしてスピネル構
造をとるためには金属陽イオンが適正なイオン半径をと
ることが重要であり、このため、Na、K、Ca及びS
rの酸化物が固溶した磁性粒子が特に良好な結果をもた
らすものと推定される。
【0022】また、本発明においては、X、Y及びZが
0.2<X<0.95、0.01<Y<0.5、X+Y
≦1及び0≦Z<0.79を満たさないと磁性粒子の抵
抗の制御が困難になってしまう。更に、磁性粒子燒結時
の生産性の点からはY>Zであることが好ましい。
【0023】本発明の磁性粒子によって形成される帯電
部材の抵抗値は1×104 〜1×1011Ωであることが
好ましい。抵抗値が1×104 Ω以下ではピンホールリ
ークが生じ易くなる傾向があり、1×1011Ωを超える
と良好な帯電がしにくくなる傾向がある。また、帯電部
材の抵抗値を上記範囲内に制御するためには本発明の磁
性粒子の体積抵抗値は1×104 〜1×1011Ωcmで
あることが好ましい。
【0024】特に本発明の磁性粒子を注入帯電に用いる
場合、帯電部材はこの感光体の電荷注入層に電荷を良好
に注入する役割と、感光体上に生じたピンホールなどの
欠陥に帯電電流が集中してしまうことに起因して生ずる
帯電部材及び感光体の通電破壊を防止する役割を兼ね備
えなければならない。従って、帯電部材の抵抗値は1×
104 Ω〜1×109 Ωであることが好ましく、特には
1×104 Ω〜1×107 Ωであることが好ましい。帯
電部材の抵抗値が1×104 Ω未満ではピンホールリー
クが生じ易くなる傾向があり、1×109 Ωを超えると
良好な電荷の注入がしにくくなる傾向にある。また、抵
抗値を上記範囲内に制御するためには、本発明の磁性粒
子の体積抵抗値は1×104 Ωcm〜1×109 Ωcm
であることが好ましく、特には104 Ωcm〜107 Ω
cmであることが好ましい。
【0025】また、注入帯電以外の帯電に用いる場合、
帯電部材の抵抗は1×106 〜1×1011Ωであること
が好ましい、磁性粒子の体積抵抗値は1×106 〜1×
1011Ωcmであることが好ましい。
【0026】磁性粒子の体積抵抗値は、図2に示すセル
を用いて測定した。即ち、セルAに磁性体粒子を充填
し、該充填磁性体粒子に接するように電極1及び2を配
し、該電極間に電圧を印加し、その時流れる電流を測定
することにより求めた。その測定条件は、23℃、65
%の環境で充填磁性体粒子のセルとの接触面積S=2c
2 、厚みd=1mm、上部電極の荷重10kg、印加
電圧100Vである。なお、図2中、9は主電極、10
は上部電極、11は絶縁物、12は電流計、13は電圧
計、14は定電圧装置、15は磁性粒子、16はガイド
リングを示す。
【0027】また、本発明においては、体積抵抗の調節
などの目的で、本発明の磁性粒子の表面に導電性の金属
酸化物やカーボンブラックなどの導電性粒子を分散した
樹脂層や、導電性の金属酸化物などの無機物質の層を設
けることもできる。
【0028】本発明の磁性粒子の平均粒径及び粒度分布
測定におけるピークは5〜100μmの範囲にあること
が、粒子表面の汚染による帯電劣化の防止の観点から好
ましい。
【0029】これは、磁性粒子の比表面積を増大させ、
磁気ブラシの密度を密にし、かつ磁性粒子の入れ代わり
が起こりやすくした方が、一部表面が汚染されたとして
も常に安定した帯電を得易いからである。
【0030】具体的には、帯電部材として、鉄粉やフェ
ライト、マグネタイトなどの酸化鉄などの磁性粒子から
なる帯電磁気ブラシを用いた場合、帯電部材の抵抗値を
1×104 Ω〜1×109 Ωの範囲にすることは可能で
はあるが、耐久を行うと、クリーニングされずに感光体
上に残ったトナーを帯電部材がかきとることなどによ
り、帯電部材へのトナースペントが生じてしまう。そこ
で微粒径の磁性粒子を用いれば、表面積が増大すること
および磁気ブラシの密度を密にすることである程度トナ
ースペントの影響を防止できるが、キャリアの流動性が
悪化するためにキャリアの入れ代わりが起きにくく長期
使用には好ましくない。したがって、本発明において
は、帯電性の良い特定の金属組成の粒径5〜100μm
の小粒径磁性粒子を用いることが、安定した帯電特性の
維持を達成するうえで好ましい。さらに好ましくは10
μm〜50μmが良い。即ち、磁性粒子の全体の体積抵
抗値は上記範囲に維持したまま、特定の金属を用いたフ
ェライトを用いることで磁性粒子にスペントが生じても
帯電性を劣化させない構成としたものである。
【0031】本発明においては磁性粒子の平均粒径が5
μmより小さいと、感光体への磁気ブラシの付着が生じ
やすく、また100μmより大きいと、スリーブ上での
磁気ブラシの穂立ちの密度を密しにくく、感光体への帯
電性が悪くなる傾向にある。なお平均粒径は、光学顕微
鏡または走査型電子顕微鏡によって、ランダムに100
個以上抽出した粒子の水平方向最大弦長の平均値とす
る。
【0032】また、磁性粒子の粒度分布のピークはレー
ザー回折式粒度分布測定装置HEROS(日本電子製)
を用いて、0.05μm〜200μmの範囲を32対数
分割することによって測定した。
【0033】また、本発明の磁性粒子の飽和磁化σsは
外部磁場487.9kA/m(5000エルステッド)
における測定で、40Am2 /kg(emu/g)以上
であることが良好な帯電を行うための磁気ブラシの形成
上好ましい。この磁気特性は振動型磁力計VSM−3S
−15(東英工業(株)製)を用いて測定した値であ
る。
【0034】また、本発明においては、本発明の効果を
防げない範囲で磁性粒子の結晶粒径の調整、焼成時の合
一防止、あるいは造粒時の粒度分布の調整を目的とし、
他の金属を水酸化物、酸化物、硫化物及び脂肪酸化合物
などの形態でフェライト成分に含有させても良い。他の
金属の含有量は式(1)で示されるフェライト成分に対
して3重量%以下であることが好ましい。
【0035】本発明に用いられる感光体の好ましい態様
の例を以下に説明する。
【0036】導電性基体としては、アルミニウムやステ
ンレスなどの金属、アルミニウム合金や酸化インジウム
−酸化錫合金など、これら金属や合金の被膜層を有する
プラスチック、導電性粒子を含侵させた紙やプラスチッ
ク、導電性ポリマーを有するプラスチックなどの円筒状
シリンダー及びフィルムが用いられる。
【0037】これら導電性基体上には、感光層の接着性
向上、塗工性改良、基体の保護、基体上に欠陥の被覆、
基体からの電荷注入性改良及び感光層の電気的破壊に対
する保護などを目的として下引き層を設けても良い。下
引き層は、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイ
ミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロー
ス、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−
アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノ
ール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニ
カワ、ゼラチン、ポリウレタン及び酸化アルミニウムな
どの材料によって形成される。その膜厚は通常0.1〜
10μm、好ましくは0.1〜3μm程度である。
【0038】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔類、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素及びセレン
やアモルファスシリコンなどの無機物質などの電荷発生
物質を適当な結着樹脂に分散し塗工する。あるいは蒸着
することなどにより形成される。結着樹脂としては、広
範囲な結着樹脂から選択でき、例えば、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、及
び酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。電荷発生層中に含
有される結着樹脂の量は80重量%以下、好ましくは0
〜40重量%に選ぶ。また、電荷発生層の膜厚は5μm
以下、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0039】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電
荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン、
アントラセン、ピレン、フェナントレンなどの構造を有
する多環芳香族化合物;インドール、カルバゾール、オ
キサジアゾール、ピラゾリンなどの含窒素環式化合物;
ヒドラゾン化合物;スチリル化合物;セレン、セレンー
テルル、非晶質シリコン、硫化カドニウムなどの無機化
合物が挙げられる。
【0040】また、これら電荷輸送物質を分散させる結
着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、
アクリル樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂、ポリ−N−
ビニルカルバゾールやポリビニルアントラセンなどの有
機光導電性ポリマーなどが挙げられる。
【0041】本発明の磁性粒子が注入帯電に用いられる
場合、本発明において用いられる感光体は、支持体より
最も離れた層、即ち表面層として電荷注入層を有する。
この電荷注入層の体積抵抗値は、十分な帯電性が得ら
れ、また、画像流れを起こしにくくするために、1×1
8 Ωcm〜1×1015Ωcmであることが好ましく、
特には画像流れの点から1×1010Ωcm〜1×1015
Ωcm、更に環境変動なども考慮すると、1×1012Ω
cm〜1×1015Ωcmであることが好ましい。1×1
8 Ωcm未満では高湿環境で帯電電荷が表面方向に保
持されないため画像流れを生じ易くなることがあり、1
×1015Ωcmを越えると帯電部材からの帯電電荷を十
分注入、保持できず、帯電不良を生じる傾向にある。こ
のような機能層を感光体表面に設けることによって、帯
電部材から注入された帯電電荷を保持する役割を果た
し、更に光露光時にこの電荷を感光体支持に逃がす役割
を果たし、残留電位を低減させる。また、本発明に係わ
る帯電部材と感光体を用いることでこのような構成をと
ることによって、帯電開始電圧Vthが小さく、感光体
帯電電位を帯電部材に印加する電圧のほとんど90%以
上に収束させることが可能になった。
【0042】例えば、本発明の帯電部材に絶対値で10
0〜2000Vの直流電圧を1000mm/分以下のプ
ロセススピードで印加したとき、本発明の電荷注入層を
有する電子写真感光体の帯電電位を印加電圧の80%以
上、更には90%以上にすることができる。これに対
し、従来の放電を利用した帯電によって得られる感光体
の帯電電位は、印加電圧が700Vの直流電圧であれ
ば、約30%に過ぎない200V程度であった。
【0043】なお、本発明における電荷注入層の体積抵
抗値の測定方法は、表面に金を蒸着させたポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム上に電荷注入層を作
成し、これを体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカー
ド社製4140B pAMATER)にて、23℃、6
5%の環境で100Vの電圧を印加して測定するという
ものである。
【0044】この電荷注入層は金属蒸着膜などの無機の
層あるいは導電性微粒子を結着樹脂中に分散させた導電
性微粒子樹脂分散層などによって構成され、蒸着膜は蒸
着、導電性微粒子樹脂分散膜はディッピング塗工法、ス
プレー塗工法、ロール塗工法及びビーム塗工法などの適
当な塗工法にて塗工することによって形成される。ま
た、絶縁性の結着樹脂に光透過性の高いイオン導電性を
持つ樹脂を混合、もしくは共重合させて構成するもの、
または中抵抗で光導電性のある樹脂単体で構成するもの
でもよい。導電性微粒子分散膜の場合、導電性微粒子の
添加量は結着樹脂に対して2〜190重量%であること
が好ましい。2重量%未満の場合には、所望の体積抵抗
値を得にくくなり、また190重量%を越える場合には
膜強度が低下してしまい電荷注入層が削り取られ易くな
り、感光体の寿命が短くなる傾向になるからである。
【0045】電荷注入層の結着樹脂としては、ポリエス
テル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、あるいはこれらの樹脂の硬化剤な
どが単独あるいは2種以上組み合わされて用いられる。
更に、多量の導電性微粒子を分散させる場合には、反応
性モノマーや反応性オリゴマーなどを用い、導電性微粒
子などを分散して、感光体表面に塗工した後、光や熱に
よって硬化させることが好ましい。また、感光層がアモ
ルファスシリコンである場合は、電荷注入層はSiCで
あることが好ましい。
【0046】また、電荷注入層の結着樹脂中に分散され
る導電性微粒子の例としては、金属や金属酸化物などが
挙げられ、好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ス
ズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、
酸化スズ被膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウム、ア
ンチモン被膜酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微
粒子がある。これらは単独で用いても2種以上を混合し
て用いても良い。一般的に電荷注入層に粒子を分散させ
る場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために入射
光の波長よりも粒子の粒径の方が小さいことが必要であ
り、本発明における表面層に分散される導電性、絶縁性
粒子の粒径としては0.5μm以下であることが好まし
い。
【0047】また、本発明においては、電荷注入層が滑
材粒子を含有することが好ましい。その理由は、帯電時
に感光体と帯電部材の摩擦が低減されるために帯電ニッ
プが拡大し、帯電特性が向上するためである。特に滑材
粒子として臨界表面張力の低いフッ素系樹脂、シリコー
ン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂を用いることが好
ましい。更に好ましくは4フッ化エチレン樹脂(PTF
E)が用いられる。この場合、滑材粒子の添加量は、結
着樹脂に対して2〜50重量%、好ましくは5〜40重
量%である。2重量%未満では滑材粒子の量が十分では
ないために、帯電特性の向上が十分でなく、また50重
量%を越えると、画像の分解能、感光体の感度が大きく
低下してしまうからである。
【0048】本発明における電荷注入層の膜厚は0.1
〜10μmであることが好ましく、特には1〜7μmで
あることが好ましい。
【0049】以下に本発明に使用される部材の構成、材
質及び製造方法などを例示する。
【0050】トナーの製造例 スチレン−ブチルアクリレート共重合体(共重合質量比80:20) 100質量部 マグネタイト 100質量部 含金属アゾ顔料 2質量部 低分子量ポリプロピレン 3質量部
【0051】上記材料をヘンシェルミキサーで混合した
後に、130℃に設定したエクストルーダーにて混練し
た。得られた混練物を冷却し、カッターミルにより粗粉
砕した後に、ジエツト気流を用いたジェットミルで微粉
砕し、風力分級して重量平均粒径7μmの黒色微粉体
(磁性トナー粒子)を得た。この黒色微粉体100部に
対して、シリコーンオイルにて疎水化処理をしたシリカ
1.2部を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、磁性ト
ナーを得た。
【0052】感光体製造例1 感光体は負帯電用の有機光導電物質を用いた感光体であ
り、φ30mmのアルミニウム製のシリンダー上に機能
層を5層設ける。
【0053】第1層は導電層であり、アルミニウムシリ
ンダーの欠陥などをならすため、またレーザ露光の反射
によるモアレの発生を防止するために設けられている厚
さ約20μmの導電性粒子分散樹脂層である。
【0054】第2層は正電荷注入防止層(下引き層)で
あり、アルミニウム基体から注入された正電荷が感光体
表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を
果たし、6−66−610−12−ナイロンとメトキシ
メチル化ナイロンによって106 Ωcm程度に抵抗調整
された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0055】第3層は電荷発生層であり、ジスアゾ系の
顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レ
ーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発生す
る。
【0056】第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネ
ート樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導
体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこ
の層を移動することはできず、電荷発生層で発生した正
電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0057】第5層は電荷注入層であり、光硬化性のア
クリル樹脂にSnO2 超微粒子、更に帯電部材と感光体
との接触時間を増加させて、均一な帯電を行うために粒
径約0.25μmの4フッ化エチレン樹脂粒子を分散し
たものである。具体的には、酸素欠損型の低抵抗化した
粒径約0.03μmのSnO2 粒子を樹脂に対して16
0重量パーセント、更に4フッ化エチレン樹脂粒子を3
0重量パーセント、分散剤を1.2重量パーセント分散
したものである。
【0058】これによって感光体表面層の体積抵抗値
は、電荷輸送層単体の場合5×1015Ωcmだったのに
比べ、5×1012Ωcmにまで低下した。
【0059】感光体製造例2 感光体製造例1の第5層に、4フッ化エチレン樹脂粒子
と分散材を分散しなかったこと以外は、感光体製造例1
と同様に感光体を作成した。
【0060】これによって感光体表面層の体積抵抗値
は、2×1012Ωcmにまで低下した。
【0061】感光体製造例3 感光体製造例1の第5層を、酸素欠損型の低抵抗化した
粒径約0.03μmのSnO2 粒子を光硬化性のアクリ
ル樹脂に対して300重量パーセント分散したものを加
えたこと以外は、感光体製造例1と同様に感光体を作成
した。
【0062】これによって感光体表面層の体積抵抗値
は、4×107 Ωcmにまで低下した。
【0063】感光体製造例4 第5層を形成しなかったこと以外は感光体製造例1と同
様にして感光体を作成した。
【0064】帯電部材用磁性粒子製造例1 水素雰囲気化で還元処理して体積抵抗値を4×106 Ω
cmに調整した平均粒径20μmのMn−Srフェライ
ト粒子からなる磁性粒子を帯電部材として用いた(式
(1)中X=0.7、Y=0.26、Z=0.04、
A:MnO、B:SrO)。
【0065】製造においてはそれぞれの金属の酸化物原
料を秤量混合し、得られた混合粉を約900℃で仮焼し
た後、粉砕し、粉砕度の粒径を空気透過法を用いて測定
したところ平均粒径で約2.0μmであった。次いで、
粉砕した資料にバインダーとして、PVA(ポリビニル
アルコール)の水溶液(PVA量としては0.5〜5.
0wt%)を加え、スプレードライヤーにより造粒し
た。得られた造粒粉を1100〜1300℃で焼成し、
解砕した後、分級により所望の粒度の磁性粒子を得たも
のである。
【0066】帯電部材用磁性粒子製造例2 金属酸化物原料を変える以外は磁性粒子製造例1と同様
にして得られた平均粒径30μm、体積抵抗値3×10
6 ΩcmのMn−Naフェライト粒子からなる磁性粒子
を帯電部材として用いた(式(1)中X=0.7、Y=
0.22、Z=0.08、A:MnO、B:Na2
O)。
【0067】帯電部材用磁性粒子製造例3 金属酸化物原料を変える以外は磁性粒子製造例1と同様
にして得られた平均粒径40μm、体積抵抗値3×10
6 ΩcmのMn−Kフェライト粒子からなる磁性粒子を
帯電部材として用いた(式(1)中X=0.7、Y=
0.24、Z=0.06、A:MnO、B:K2 O)。
【0068】帯電部材用磁性粒子製造例4 金属酸化物原料を変える以外は磁性粒子製造例1と同様
にして得られた平均粒径60μm、体積抵抗値9×10
5 ΩcmのMn−Mgフェライト粒子からなる磁性粒子
を帯電部材として用いた。(式(1)中X=0.7、Y
=0.3、Z=0、A:MnO及びMgO)。
【0069】帯電部材用磁性粒子製造例5 金属酸化物原料を変える以外は磁性粒子製造例1と同様
にして得られた平均粒径55μm、体積抵抗値5×10
6 ΩcmのMn−Li−Biフェライト粒子からなる磁
性粒子を帯電部材として用いた(式(1)中X=0.
7、Y=0.28、Z=0.02、A:MnO及びLi
2 O、B:Bi23 )。
【0070】帯電部材用磁性粒子製造例6 金属酸化物原料を変える以外は磁性粒子製造例1と同様
にして得られた平均粒径40μm、体積抵抗値6×10
6 ΩcmのMn−Caフェライト粒子からなる磁性粒子
を帯電部材として用いた(式(1)中X=0.7、Y=
0.25、Z=0.05、A:MnO、B:CaO)。
【0071】帯電部材用磁性粒子製造例7 金属酸化物原料を変える以外は磁性粒子製造例1と同様
にして得られた平均粒径60μm、体積抵抗値5×10
9 ΩcmのBaフェライト粒子を帯電部材として用いた
(式(1)中X=0.7、Y=0、Z=0.3、B:B
aO)。
【0072】帯電部材用磁性粒子製造例8 金属酸化物原料を変える以外は磁性粒子製造例1と同様
にして得られた平均粒径60μm、体積抵抗値4×10
3 Ωcmのマグネタイト粒子を帯電部材として用いた
(式(1)中X=0.7、Y=0、Z=0.3、B:F
23 )。
【0073】帯電部材用磁性粒子製造例9 水素還元処理しなかった以外は磁性粒子製造例6と同様
にして得られた平均粒径40μm、体積抵抗率2×10
8 ΩcmのMn−Caフェライト粒子からなる磁性粒子
を帯電部材として用いた。
【0074】帯電手段用磁性粒子製造例10 ストレートシリコーン樹脂1部と導電性粒子として導電
性カーボンブラック0.050部をキシレン溶液16部
に溶解した溶液をガラスビーズを入れたペイントシェイ
カーで2時間分散することによって、表面層用溶液を作
成した。この表面層溶液から作られる層の抵抗を前述の
電荷注入層の場合と同様の方法で測定したところ体積抵
抗値が8×106 Ωcmであった。次にこの溶液を流動
床型の塗布機(スピラコータ、岡田精工社製)を用いて
磁性粒子製造例1で用いた水素還元Mn−Srフェライ
ト粒子200部塗布し、乾燥し、更に120℃で加熱し
た。得られた磁性粒子の体積抵抗値は7×106 Ωcm
であった。
【0075】また、上記磁性粒子製造例で製造した磁性
粒子の飽和磁化σsは外部磁場487.9kA/m(5
000エルステッド)における測定で、すべて45Am
2 /kg(emu/g)以上の値を示した。
【0076】
【実施例】
実施例1 上に述べた感光体と、接触帯電部材を用いて帯電を行う
際の原理について述べる。本発明は、中抵抗の帯電部材
で、中抵抗の表面抵抗を持つ感光体表面に電荷注入を行
うものであるが、本実施例は感光体表面材質のもつトラ
ップ電位に電荷を注入するものではなく、電荷注入層の
導電粒子に電荷を充電して帯電を行うものである。
【0077】具体的には、電荷輸送層を誘電体、アルミ
ニウム支持体と電荷注入層内の導電粒子を両電極板とす
る微小なコンデンサーに、帯電部材で電荷を充電する理
論に基づくものである。この際、導電性粒子は互いに電
気的には独立であり、一種の微小なフロート電極を形成
している。このため、マクロ的には感光体表面は均一電
位に充電、帯電されているように見えるが、実際には微
小な無数の充電されたSnO2 が感光体表面を覆ってい
るような状況となっている。このため、レーザによって
画像露光を行ってもそれぞれのSnO2 粒子は電気的に
独立なため、静電潜像を保持することが可能になる。
【0078】次に、本実施例で用いた電子写真方式のプ
リンターについて図1を用いて説明する。プロセススピ
ードは24mm/secであり、感光体1は感光体製造
例1で得られたものを用い、23℃、65%の環境にお
いて耐久を行った。
【0079】帯電部材2は、帯電部材用磁性粒子製造例
1で作成された磁性導電粒子2aからなり、これを磁気
ブラシとして穂立ちさせるための非磁性の表面をブラス
ト処理したアルミニウム製の導電スリーブ2bとこれに
内包されるマグネットロール2cを用いることによっ
て、上記磁性導電粒子2aを導電スリーブ2b上に厚さ
1mmでコートして感光体1との間に幅約5mmの接触
ニップを形成させるようにした。該磁性粒子保持スリー
ブ2bと感光体1の間隙は約500μmとした。またマ
グネットロール2cは固定し、スリーブ2bの表面が感
光体表面の周速に対して2倍の早さで逆方向に回転する
ようにし、感光体と磁気ブラシが均一に接触するように
した。なお、磁気ブラシと感光体の間に周速差を設けな
い場合には、磁気ブラシ自体は物理的な復元力を持たな
いため、感光体のフレ、偏心などで磁気ブラシが押し退
けられた場合、磁気ブラシのニップが確保できなくなり
易く、帯電不良を起こすことがある。このため、常に新
しい磁気ブラシの面を当てることが好ましいので、本実
施例では2倍の早さで逆方向に回転させた。
【0080】次に、画像形成プロセスについて説明す
る。
【0081】まず、−700Vの直流電圧を印加された
上記帯電部材2を感光体1に対して当接、回転させるこ
とによって帯電を行う。次に露光部で画像露光を受け
る。これは、画像信号に従って強度変調を受けたレーザ
ダイオードからのレーザ光3をポリゴンミラーを用いて
走査することにより、感光体レーザ光3を照射し、静電
潜像を形成する。
【0082】次に、前記製造例で得られた磁性一成分絶
縁トナーを用いて反転現像を行う。マグネットを内包す
る直径16mmの非磁性スリーブ4にこのトナーをコー
トし、感光体表面との距離を300μmに固定した状態
で、感光体と等速で回転させ、スリーブに電圧を印加す
る。電圧は、−500VのDC電圧と、周波数1800
Hz、ピーク間電圧1600Vの矩形のAC電圧を重畳
したものを用い、スリーブと感光体の間でジャンピング
現象を行う。
【0083】このようにしてトナーで顕視化された像
は、次に転写材6に転写される。転写手段としては中抵
抗の転写ローラ5を用いる。本実施例ではローラ抵抗値
は5×108 Ωのものを用い、+2000VのDC電圧
を印加して転写を行った。
【0084】転写材上にトナー像を転写されたプリント
画像は、その後熱定着ローラ8によって定着を受け、機
外に排出される。また、転写されなかったトナーはクリ
ーニングブレード7で感光体表面からかき落され、次の
画像形成に備えられる。
【0085】本発明においては、上述の感光体1、帯電
手段、現像手段及びクリーニング手段などの構成要素の
うち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に
結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機や
レーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対
して着脱可能に構成してもよい。例えば、帯電手段、現
像手段及びクリーニング手段の少なくとも1つを感光体
1と共に一体に支持してカートリッジ化し、装置本体に
設けられたレールなどの案内手段を用いて装置本体に着
脱可能なプロセスカートリッジとすることができる。
【0086】以上のような構成のプリンターで画像評価
を行ったとろこ、−700VのDC電圧をスリーブに印
加して、感光体が接触ニップを1回通過しただけで、始
め0Vだった感光体表面電位が−680Vにまで帯電さ
れ、良好な帯電性を得ることができた。また、このとき
感光体上にピンホールが生じていてもリークは発生せ
ず、また帯電部材を構成している導電粒子が感光体上に
現像されることもなく、良好なベタ黒、ベタ白画像が得
られた。またこれを1000枚の画像出し耐久試験をし
ても初期と同様な帯電特性を示しており、良好なベタ
黒、ベタ白画像が得られた。なお、画像の評価は目視に
て行った。
【0087】また、反転現像においては、転写帯電の極
性が感光体の表面電位の極性と逆極性であるので、感光
体上の電位的履歴が次の帯電に影響する。そこで、A4
縦画像において感光体一周分(本実施例では感光体の直
径が30mmであるため約94mm)をベタ黒画像(電
位の絶対値低)としその直後をベタ白(電位の絶対値
高)とした画像を用いて帯電ゴーストの評価も行った。
良好に帯電する能力がないと、ベタ黒直後に電位の絶対
値を充分に上げることができず、反転現象においてはか
ぶりとなって表われるが、耐久を通じてこの画像におい
てもかぶりの発生はみられなかった。
【0088】なお、本発明の電子写真装置は、本実施例
で使用したものに限定されるものではなく、本発明の構
成を有しているものであれば、それ以外のプロセス条件
などは異なっていても良い。
【0089】実施例2 帯電部材として帯電手段用磁性粒子製造例2で得られた
磁性粒子を用いたことを除き、実施例1と同様に画像評
価を行ったところ、同様に初期から1000枚まで良好
なベタ黒、ベタ白画像が得られた。
【0090】実施例3 帯電部材として帯電手段用磁性粒子製造例3で得られた
磁性粒子を用いたことを除き、実施例1と同様に画像評
価を行ったところ、同様に初期から1000枚まで良好
なベタ黒、ベタ白画像が得られた。
【0091】実施例4〜5 帯電部材として帯電手段用磁性粒子製造例4及び5で得
られた磁性粒子を、感光体として感光体製造例2で得ら
れた感光体を用いたことを除き、実施例1と同様に画像
評価を行ったところ、帯電ニップの減少による若干の帯
電不良により、帯電ゴースト評価においてベタ白画像上
に若干のかぶりがあったものの実用上問題なく初期から
1000枚まで良好なベタ黒、ベタ白画像が得られた。
【0092】実施例6 帯電部材として帯電手段用磁性粒子製造例6で得られた
磁性粒子を用いたことを除き、実施例1と同様に画像評
価を行ったところ、初期は良好であったが、1000枚
耐久時に実用上問題ないが、若干の帯電不良(帯電ゴー
スト評価においてベタ白でかぶり画像)が発生した。
【0093】実施例7 帯電部材として帯電手段用磁性粒子製造例9で得られた
磁性粒子を、感光体として感光体製造例4で得られた感
光体を用い、印加電圧を−1250Vとした以外は実施
例1と同様にして画像評価を行ったところ、同様に初期
から1000枚まで良好なベタ黒、ベタ白画像が得られ
た。
【0094】実施例8 帯電部材として帯電手段用磁性粒子製造例10で得られ
た磁性粒子を用いたことを除き、実施例1と同様に画像
評価を行ったところ、同様に初期から1000枚まで良
好なベタ黒、ベタ白画像が得られた。
【0095】比較例1 帯電部材として帯電手段用磁性粒子製造例7で得られた
磁性粒子を用いたことを除き、実施例1と同様に画像評
価を行ったところ、初期から帯電不良による画像不良
(ベタ白でカブリ画像)が見られた。
【0096】比較例2 帯電部材として帯電手段用磁性粒子製造例8で得られた
磁性粒子を用いたことを除き、実施例1と同様に画像評
価を行ったところ、初期からピンホールリークに基づく
部分的帯電不良(ベタ白画像で黒ポチ)が生じた。
【0097】比較例3 感光体として感光体製造例8で得られた感光体を用いた
ことを除き、実施例1と同様に画像評価を行ったとこ
ろ、初期からピンホールリークに基づく部分的帯電不良
(ベタ白画像で黒ポチ)が生じた。
【0098】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、汚れに
くく、長期に渡って良好な帯電特性を維持することがで
き、更に良好な注入帯電を行うことのできる帯電手段用
磁性粒子、それを用いた電子写真装置、プロセスカート
リッジ及び画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
【図2】本発明の磁性粒子の体積抵抗値を測定する装置
の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 帯電部材 2a 磁性粒子 2b 導電スリーブ 2c マグネットロール 3 レーザー光 4 スリーブ 5 転写ローラ 6 転写材 7 クリーニングブレード 8 熱定着ローラ 9 主電極 10 上部電極 11 絶縁物 12 電流計 13 電圧計 14 定電圧装置 15 磁性粒子 16 ガイドリング A セル d 厚み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 會田 修一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体に接触配置され、電圧を
    印加されることにより該電子写真感光体を帯電する帯電
    部材用の磁性粒子であって、下記式(1) (Fe23X (A)Y (B)Z (1) (式中、AはLi2 O、MnO及びMgOからなる群よ
    り選ばれる少なくともひとつの金属酸化物成分を示し、
    BはAとは異なる1種以上の金属酸化物成分を示し、
    X、Y及びZは下記条件を満たすモル比を示す。 0.2<X<0.95、0.01<Y<0.5、X+Y
    ≦1及び0≦Z<0.79) で示されるフェライト成分を含有することを特徴とする
    帯電部材用磁性粒子。
  2. 【請求項2】 AがMnOである請求項1記載の帯電部
    材用磁性粒子。
  3. 【請求項3】 BがNa2 O、K2 O、CaO、Sr
    O、Al23 、SiO2 及びBi23 からなる群よ
    り選ばれる少なくとも一つの金属酸化物成分である請求
    項1または2記載の帯電部材用磁性粒子。
  4. 【請求項4】 BがNa2 O、K2 O、CaO及びSr
    Oからなる群より選ばれる少なくともひとつの金属酸化
    物成分である請求項3記載の帯電部材用磁性粒子。
  5. 【請求項5】 Y及びXがY>Zを満たす請求項1乃至
    4記載の帯電部材用磁性粒子。
  6. 【請求項6】 磁性粒子の平均粒径が5〜100μmで
    ある請求項1乃至5記載の帯電部材用磁性粒子。
  7. 【請求項7】 磁性粒子の体積抵抗値が1×104 〜1
    ×109 Ωcmである請求項1乃至6記載の帯電部材用
    磁性粒子。
  8. 【請求項8】 電子写真感光体の表面層が電荷注入層で
    ある請求項1乃至7記載の帯電部材用磁性粒子。
  9. 【請求項9】 電荷注入層の体積抵抗値が1×108
    1×1015Ωcmである請求項8記載の帯電部材用磁性
    粒子。
  10. 【請求項10】 電子写真感光体、及び実質的に請求項
    1乃至9に記載の磁性粒子からなり、該感光体に接触配
    置された帯電部材を有し、該帯電部材に電圧を印加する
    ことにより該感光体を帯電する帯電手段、画像露光手段
    及び現像手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  11. 【請求項11】 電子写真感光体、実質的に請求項1乃
    至9に記載の磁性粒子からなり、該感光体に接触配置さ
    れた帯電部材を有し、該帯電部材に電圧を印加すること
    により該感光体を帯電する帯電手段、及び現像手段及び
    クリーニング手段からなる群より選ばれる少なくともひ
    とつの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自
    在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 【請求項12】 実質的に請求項1乃至9に記載の磁性
    粒子からなり、電子写真感光体に接触配置された帯電部
    材に電圧を印加することにより該感光体を帯電する工
    程、帯電された帯電部材に画像露光することにより静電
    潜像を形成する工程及び形成された静電潜像を現像する
    工程を有することを特徴とする画像形成方法。
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