JPH0868524A - 有機溶剤含有廃棄物の乾留焼却処理方法及び装置 - Google Patents

有機溶剤含有廃棄物の乾留焼却処理方法及び装置

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JPH0868524A
JPH0868524A JP6239723A JP23972394A JPH0868524A JP H0868524 A JPH0868524 A JP H0868524A JP 6239723 A JP6239723 A JP 6239723A JP 23972394 A JP23972394 A JP 23972394A JP H0868524 A JPH0868524 A JP H0868524A
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waste
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安彦 柳田
Takeshi Yamaguchi
健 山口
Yoshito Kaneyama
義人 兼山
Masaaki Konuma
正明 小沼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶剤含有廃棄物を乾留焼却処理するに当
って、乾留炉内の雰囲気中の酸素濃度を廃棄物投入前か
ら乾留工程終了まで、それぞれの燃焼限界以下に維持し
て爆発事故を防止する。 【構成】 乾留炉(1)の内部雰囲気に対する酸素濃度
計(30)の検出値によって、廃棄物投入前の炉内雰囲
気を有機溶剤ガスの燃焼限界以下の酸素濃度とし、廃棄
物投入後の乾留工程中の有機溶剤が混在する乾留ガスの
酸素濃度を燃焼限界以下に維持するように、吹込ノズル
(12)に供給する空気・不活性ガスの混合割合を調節
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機溶剤含有廃棄物の乾
留焼却処理技術に関し、詳しくは易揮発性,易引火性の
有機溶剤を含有する廃棄物、例えば塗料,印刷インキ,
接着剤,脱脂洗滌剤などの使用廃液,使用残液、あるい
はこれらが付着,含浸したウエス,フィルター及びこれ
らと他の可燃性物とが混在した廃棄物等を一括して安全
に乾留焼却する処理方法及びその装置の提供を目的とす
るものである。
【0002】
【従来の技術】可燃性廃棄物を乾留炉内に収容し、制限
した空気供給量下にその一部を燃焼して乾留し、発生し
た乾留ガスを燃焼炉に導いて完全に燃焼するとともに、
乾留炉の廃棄物を灰化燃焼処理することは例えば特開平
5−141639号公報に示されるように従来公知であ
る。前記の乾留焼却手段において、低沸点の有機溶剤を
含有する廃棄物が混在した場合には、乾留炉内に廃棄物
を投入収容したさいに、さらにはその乾留工程中に、炉
内雰囲気が有機溶剤蒸気と空気とよりなる爆発性混合気
状態となり爆発,爆燃などの事故を引起こす可能性があ
り、極めて危険であるので、有機溶剤含有廃棄物は他の
廃棄物と分別して、例えば特公平1−60731号公報
に示されるようなコークス燃焼ガス中で乾留する手段等
により処理しなければならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】塗料,印刷インキなど
の有機溶剤を構成成分とする液状物及びこれらの付着含
浸物などの廃棄物は、溶剤蒸気の揮散による火災,異臭
などの防止のため、通常密封缶に収容保管し、焼却のさ
いに密封缶から採り出して処理しているが、その作業が
面倒であるとともに、密封缶内に付着残存する廃棄物に
ついての保管,処理が必要であり、一方、有機溶剤含有
廃棄物を密封缶入りのまゝ乾留炉内に投入すると、缶か
ら洩出した有機溶剤蒸気と空気との混合雰囲気が、金属
缶などの衝突の火花、あるいは同時に投入した廃プラス
チック等の静電放電スパークなどにより点火爆発する危
険性があり、又乾留を安定的に継続することが困難であ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は有機溶剤含有廃
棄物を乾留焼却処理に当って、乾留炉内雰囲気を、有機
溶剤含有廃棄物の投入前に予め不活性ガスで置換して有
機溶剤蒸気の燃焼限界酸素濃度以下とし、廃棄物の投入
以降乾留工程終了までの乾留炉内の雰囲気を、乾留によ
って生ずる有機溶剤蒸気と熱分解ガスとよりなる乾留ガ
スの燃焼限界酸素濃度を超えないように維持して廃棄物
を乾留燃焼灰化し、発生した乾留ガスは燃焼炉に導いて
完全燃焼する処理方法及びこれに適する装置である。
【0005】すなわち、本発明の方法は、乾留炉内の空
気を不活性ガスで置換して炉内雰囲気を有機溶剤蒸気の
燃焼限界酸素濃度以下とした後に、炉内に有機溶剤含有
廃棄物を投入堆積せしめ、さらに不活性ガスの送入を進
めて炉内雰囲気の酸素濃度を低下する第一段階と、その
堆積廃棄物の下層の一部に着火して、前記の燃焼限界酸
素濃度の空気と不活性ガスの混合気を供給して堆積廃棄
物の下層全面に燃焼酸化層を形成して上層の廃棄物の乾
留を開始する第二段階と、発生する有機溶剤蒸気を含む
乾留ガス中の酸素濃度を、該乾留ガスの燃焼限界以下に
維持するようにして、前記の供給混合気の不活性ガスの
混合率を順次低下し且つその供給量を調節し、最終的に
は空気のみを供給して安定した乾留を継続し、灰燃焼を
経て焼却を終了する第三段階よりなり、前記第二段階,
第三段階で発生する乾留ガスは燃焼炉に導いて完全燃焼
せしめることを特徴とする有機溶剤含有廃棄物の乾留焼
却処理方法である。
【0006】前記の処理方法の第一段階で用いる不活性
ガスとしては、燃焼炉内で燃料を燃焼した排ガス又は別
個のガス源から供給される窒素ガス又は炭酸ガスであっ
ても良く、又第二段階,第三段階で用いる空気に混合す
る不活性ガスとしては、前記の乾留ガスを燃焼炉で燃焼
した排ガスを用いることができる。
【0007】本発明の装置は、前記の処理方法の実施に
適するものであって、乾留炉と燃焼炉と、その両炉を連
結する管路に設けられた燃焼筒と、燃焼炉から燃焼排ガ
スを外部に導出する排出管路を有した廃棄物乾留焼却処
理装置において、乾留炉は頂部に蓋により開閉し得る廃
棄物投入口、炉胴周壁部に炉内雰囲気に対する酸素濃度
計、炉底周壁部に支燃性ガスの吹込みノズル、その上部
に着火バーナー、さらにその上部に炉底温度計を設ける
とともに、前記酸素濃度計の検出値によって吹込ノズル
への支燃性ガスの供給量を調節する制御機構を設けたこ
とを特徴とする有機溶剤含有廃棄物の乾留焼却処理装置
である。
【0008】本発明によって処理される有機溶剤含有廃
棄物としては、メタノール,酢酸エチル,メチルエチル
ケトン,トルエンなど易揮発性,引火性の有機溶剤を含
有する塗料,印刷インキ,接着剤,油脂洗滌剤などの液
状物、及びその付着含浸物などの廃棄物であり、これら
は金属缶などに収容密封したまゝで処理することができ
る。そして廃棄物に含有された有機溶剤は可燃性固形物
の燃焼及び乾留とが安定的に継続する間に完全に蒸気化
されなければならず、実験によれば含有有機溶剤量に対
し、少なくとも重量比で3倍以上の可燃性固形分が必要
であった。したがって、有機溶剤含有廃棄物は通常、
紙,木材,プラスチック等の他の可燃性固形廃棄物とと
もに、乾留炉内に投入堆積して乾留処理するが、そのさ
いに他の可燃性固形廃棄物を下層とし、その上に有機溶
剤含有廃棄物層を形成するように投入することが望まし
い。
【0009】従来、有機溶剤蒸気と空気との混合ガス雰
囲気において、その酸素濃度が10%以上、水素,一酸
化炭素ガスと空気との混合ガス雰囲気においてその酸素
濃度が5%以上となると爆発性の燃焼を生ずること、こ
れを防止するため該混合気中に不活性ガスを加えてその
酸素濃度を低下せしめることは、公知である(昭和61
年8月15日、安全工学協会発行「安全工学,Vol.
25,No.4,p194〜205」参照)。本発明は
上記の知見条件を有機溶剤含有廃棄物の乾留焼却処理条
件に巧みに採り入れることにより、処理工程を安全,効
率的に実施し得るようにしたものである。
【0010】
【作用】本発明の乾留焼却処理方法は、その第一段階に
おいて乾留炉内の空気を不活性ガスで置換して有機溶剤
含有廃棄物の投入前に、予め炉内雰囲気を有機溶剤蒸気
の燃焼限界酸素濃度以下とすることにより、有機溶剤含
有廃棄物の投入過程で何等かの点火条件が生じても着火
爆発することがなく、廃棄物の投入堆積後にさらに不活
性ガス置換を進めて、炉内雰囲気をより低い酸素濃度と
して次の第二段階を円滑に開始するものである。
【0011】第二段階においては、堆積廃棄物の下層の
一部に着火するとともに前記の有機溶剤蒸気の燃焼限界
酸素濃度以下に調整した空気と不活性ガスの混合気を支
燃性ガスとして供給して、着火燃焼部分を堆積廃棄物の
下層全面にわたって順次拡大せしめて安定した燃焼酸化
層を形成することができ、この過程における炉内雰囲気
は有機溶剤蒸気と部分乾留により発生する水素,一酸化
炭素などの易燃性の分解ガスが存在するが、その雰囲気
の酸素濃度もさらに低下し、該雰囲気の燃焼限界酸素濃
度を超えることがなく、燃焼爆発を防止して安全に次の
第三段階に移行できる。
【0012】第三段階は前記の堆積廃棄物下層の安定し
た燃焼酸化層を維持しつつ乾留を促進するため、第二段
階で供給していた支燃性ガス中の空気に対する不活性ガ
スの混合量を徐々に減少して最終的には空気のみを供給
するが、その供給量は、乾留炉内の有機溶剤蒸気と、こ
れよりさらに易燃性の水素,一酸化炭素ガスを含む乾留
ガスとよりなる混合雰囲気中の酸素濃度が、該雰囲気の
燃焼限界を超えないように調節するものである。このよ
うにして、廃棄物に含まれた有機溶剤は完全に蒸気化
し、固形分は乾留,灰燃焼されて焼却を終るものであ
る。灰燃焼とは乾留ガス発生の終了した低発熱量となっ
た被燃焼物に多量の空気を供給して焼却する燃焼工程を
言う。
【0013】前記の第一段階,第二段階で発生する有機
溶剤等を含む乾留ガスは燃焼炉に導いて所要量の空気供
給の下に完全燃焼せしめ燃焼ガスとして処理系外に排出
するが、その排ガスの一部は第二段階,第三段階に用い
る不活性ガスとして還流使用することができる。
【0014】本発明の装置は前記の有機溶剤含有廃棄物
の乾留焼却処理方法の実施に適するものであって、乾留
炉,燃焼筒,燃焼炉及び排気管路を主要設備とした廃棄
物乾留焼却処理装置において、主として乾留炉の炉内雰
囲気に対する酸素濃度測定とこれに関連する廃棄物の投
入及び乾留工程の制御によって、炉内爆発を防止して円
滑な操業ができるようにした装置であり、その具体的条
件は下記の実施例の説明によって明らかにする。
【0015】
【実施例】以下、本発明の有機溶剤含有廃棄物の乾留焼
却処理方法を、図1の説明的構成図に示した実施例装置
を用いて実施する場合について説明する。図1におい
て、1は乾留炉、2は燃焼炉、3は燃焼筒、4は集塵
機、5は主排気ファン、6はスタックである。乾留炉1
は炉頂部に水封式の蓋15により開閉し得る廃棄物の投
入口14を有し、炉底部は逆円錐形の周壁を有しその下
端は灰出しダンパー22により開閉し得る灰出し口とな
っている。炉胴の上,中,下部に位置してそれぞれに炉
内雰囲気に対する酸素濃度計30が設けられ、又炉底部
の逆円錐形の周壁には、その下端の灰出し口に近接して
周壁の円周を等分した位置に16個の支燃性ガスの吹込
ノズル12、その上方に1個の着火バーナー11、又そ
の上方に周壁を四等分する位置に4個の熱電対型の炉底
温度計13が配設される。
【0016】燃焼筒3は乾留炉1と燃焼炉2とを連結す
る乾留ガス管路40の中間に設けられ、そのガス流入側
に予熱バーナー17、ガス流出側に給気ブロアー9が設
けられ、そのガス流入側が乾留ガス流出弁8を介して乾
留炉1に、又ガス流出側が燃焼部となって燃焼炉2に連
結される。燃焼炉2は集塵装置4,主排気ファン5を介
してスタック6に至る排出管路41により外気に連通
し、燃焼ガスを排出し得るものとしている。
【0017】42は主排気ファン5の流入側の排出管路
41から分岐して前記乾留炉1の吹込ノズル12に連結
される燃焼ガスの還流管路であり、この流路にはガス流
動方向に従って還流ガス弁43、分岐した空気流入弁4
4、ガス冷却器45、酸素濃度計46、送気ブロワー1
0、流量調節弁20、流量計21が順次設けられる。4
7はガス冷却器45からのドレイン受けである。上記の
流量計21は還流ガス量を計測し、コントローラー18
の設定値と比較判断して、送気ブロワー10の速度制御
により還流ガス量を調節するものである。又、コントロ
ーラー18は乾留炉1の酸素濃度計30の検出値に応じ
て、前記の送気ブロワー10の流量制御に優先して流量
調節弁20の弁開度、送気ブロワー10の速度を調節
し、還流ガス量の低減さらにはガス流動を停止するもの
である。
【0018】又、前記の乾留ガス流出弁8は乾留炉1の
不活性ガス置換時には全閉として用いるものであり、気
密性を高めることが好ましい。還流管路42の還流ガス
弁43は燃焼ガスを不活性ガスとして乾留炉1に送る場
合に全開とし、それ以外の場合は全閉とする。又、空気
流入弁44は、還流ガスの酸素濃度が、設定値範囲を維
持するように、還流管路42内の還流ガスの酸素濃度計
46の測定値に連動して開閉調節するものである。以上
の主排気ファン5,給気ブロワー9,送気ブロワー10
の運転制御、乾留ガス流出弁8,還流ガス弁43の弁開
閉制御、着火バーナー11,予熱バーナー17の作動停
止制御及び炉底温度計13,酸素濃度計30,46の作
動などは電気的又は圧気的な遠隔操作手段によって集中
管理することが望ましい。
【0019】前記の装置による有機溶剤含有廃棄物の乾
留焼却処理は、下記の手順によって行う。先ず、乾留ガ
ス流出弁8を閉じて、燃焼筒3の予熱バーナー17を給
油着火するとともに、主排気ファン5を始動し、予熱バ
ーナー17に僅かに過剰な空気を供給して完全燃焼によ
り燃焼炉2を予熱し、酸素濃度が5%以下となった燃焼
ガスは、集塵機4でダストを除去し、排出管路41を経
て主排気ファン5により吸気されてスタック6から外気
に放出される。
【0020】一方、乾留炉1は、頂部の投入口14の開
放下に、前記の燃焼炉2の燃焼ガスの排出管路41から
分岐した還流管路42の還流ガス弁43,流量調節弁2
0を全開とし、送気ブロワー10を始動して、排出管路
41から燃焼ガスの一部をガス冷却器45を通して50
℃以下に降温して、吹込ノズル12から乾留炉1内に送
入して炉内の空気とともに炉頂の投入口14から外気に
流出せしめて、炉内のガス置換を進める。そして、有機
溶剤を含まない紙,木材,プラスチック,雑芥などの可
燃性廃棄物は前記の不活性ガスによる炉内雰囲気の置換
前又は置換中に投入口14から炉内に投入堆積するとと
もに、炉胴の上中下に配設した酸素濃度計30による計
測を開始する。
【0021】前記のガス置換の進行にしたがって、上中
下の酸素濃度計30の全てが10%以下の検出値に達し
た時点で、有機溶剤含有廃棄物、その含浸付着物或いは
これらを収容した嵌込蓋密封缶などを前記の他の可燃性
廃棄物堆積層上に投入堆積せしめ、廃棄物の投入が終わ
るとともに、投入口14を蓋15により水封閉鎖し、炉
内への外気流入の遮断下に水封式のパージ弁16を全開
とし、パージ弁16からの換気流出により炉内の酸素濃
度が5%に達した時点で、パージ弁16を閉じ、送気ブ
ロワー10を停止して第一段階が終了する。
【0022】次いで、乾留ガス流出弁8の開弁、着火バ
ーナー11の点火、送気ブロワー10の運転再開を殆ど
同時に行うとともに、還流管路42の空気流入弁44を
徐々に開弁して酸素濃度計46の検出値が略10%を維
持し、この混合気の送風量を送気ブロワー10の速度制
御及び流量調節弁20の弁開度制御により前記の乾留炉
1内の雰囲気に対する3つの酸素濃度計30のいずれも
が5%以下の酸素濃度を維持するように制御して、堆積
廃棄物の下層の一部に着火した燃焼酸化層を、下層の全
面に拡大成長せしめて、第二段階を終わる。
【0023】前記の堆積廃棄物の下層全面に燃焼酸化層
が形成されたか否かは、着火バーナー11の上部の炉胴
に分布配設した4個の炉底温度計13の全てが約200
℃以上の検出温度を示すことによって検知することがで
き、この間に発生した有機溶剤蒸気及び熱分解による水
素,一酸化炭素ガスなどの可燃性ガスを含む乾留ガス
は、燃焼炉2で完全燃焼され、一方燃焼筒3の予熱バー
ナー17はこの間に停止し給気ブロワー9は引続いて空
気供給を継続し、その燃焼ガスの一部は還流管路42を
経て、酸素濃度を約10%として吹込ノズル12へ送ら
れ、大部分はスタック6から外気に放出される。
【0024】乾留炉1内の堆積廃棄物の下層全面に安定
した燃焼酸化層が形成された時に、還流管路42の空気
流入弁44の弁開度を徐々に増大して(還流ガス弁43
は全開,全閉のみに制御される)吹込ノズル12への還
流ガス中の酸素濃度を増加し最終的には還流ガス弁43
を閉じて空気のみを供給する(この間の酸素濃度計46
は第二段階の約10%の酸素濃度から、第三段階におい
て段階的に増加して20.9%の酸素濃度となるように
設定する)。炉内の乾留ガス雰囲気は、5%以上の酸素
濃度とならないように、酸素濃度計30によって計測
し、これを維持するように流量調節弁20を制御して、
安定した乾留を継続せしめ、乾留燃焼から灰燃焼を経て
焼却処理が完了して第三段階が終わり、炉底の残灰物,
金属缶などの不燃物は灰出しダンパー22を開いて炉外
に排出して処理が終了する。
【0025】前記の第二段階,第三段階において、乾留
炉1内の雰囲気の酸素濃度が、投入口14の蓋15,灰
出しダンパー22,炉壁などの故障等の原因で外気の流
入を生じて、6%以上に増大したことを酸素濃度計30
によって検出した場合には、送気ブロワー10を停止し
て、事故発生を防止する。なお、本実施例において乾留
炉1の炉胴に酸素濃度計30は上中下に3個、炉底周壁
部に着火バーナー11は1個、吹込ノズル12は16
個、炉底温度計13は4個を用いた場合を示したが、設
計条件,操業条件などによってそれぞの個数を増減して
もよいことは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
有機溶剤含有廃棄物の状態にかかわらずその乾留炉内の
投入堆積から着火乾留焼却までの全処理工程にわたって
炉内雰囲気を所望の不活性ガス置換及び支燃性ガス中の
不活性ガス比率の調整によって有機溶剤蒸気あるいは有
機溶剤蒸気と乾留ガスとの混合ガスの燃焼限界酸素濃度
を超えない条件を維持して、爆発燃焼を完全に防止し、
有機溶剤含有廃棄物と他の可燃性廃棄物とを一括処理で
き、又有機溶剤含有廃棄物を缶入密封状態のままでも処
理できるので、乾留焼却処理の能率を向上することがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置の実施例を示す説明的構成図であ
る。
【符号の説明】
1 乾留炉 2 燃焼炉 3 燃焼筒 5 主排気ファン 8 乾留ガス流出弁 9 給気ブロワー 10 送気ブロワー 11 着火バーナー 12 吹込ノズル 13 炉底温度計 14 投入口 15 蓋 17 予熱バーナー 18 コントローラー 20 流量調節弁 21 流量計 30 酸素濃度計 40 乾留ガス管路 41 排出管路 42 還流管路 43 還流ガス弁 44 空気流入弁 46 酸素濃度計
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 5/027 ZAB Z (72)発明者 小沼 正明 東京都板橋区高島平1−68−8−202

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤含有廃棄物の乾留焼却処理方法
    において、乾留炉内の空気を不活性ガスで置換して、炉
    内雰囲気を有機溶剤蒸気の燃焼限界酸素濃度以下とした
    後に、炉内に有機溶剤含有廃棄物を投入堆積せしめ、さ
    らに不活性ガスの送入を進めて炉内雰囲気の酸素濃度を
    低下する第一段階と、その堆積廃棄物の下層の一部に着
    火して前記の有機溶剤蒸気の燃焼限界酸素濃度の空気と
    不活性ガスの混合気を供給して堆積廃棄物の下層全面に
    燃焼酸化層を形成して上層の廃棄物の乾留を開始する第
    二段階と、発生する有機溶剤蒸気を含む乾留ガス中の酸
    素濃度を、該乾留ガスの燃焼限界以下に維持するように
    前記の供給混合気の不活性ガスの混合率を順次低下し且
    つその供給量を調節し、最終的には空気のみを供給して
    安定した乾留を継続し、灰燃焼を経て焼却を終了する第
    三段階とよりなり、前記第二段階,第三段階で発生する
    乾留ガスは、燃焼炉に導いて完全燃焼せしめることを特
    徴とする有機溶剤含有廃棄物の乾留焼却処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第一段階において用いる不活性ガス
    として燃焼炉内で燃料を燃焼した排ガスを用い、前記第
    二段階,第三段階において用いる混合気の不活性ガスと
    して前記の乾留ガスを燃焼炉内で燃焼した排ガスを用い
    る請求項1記載の有機溶剤含有廃棄物の乾留焼却処理方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1の第一段階で用いる不活性ガス
    として別個のガス源から供給される窒素ガス又は炭酸ガ
    スを用いる請求項1記載の有機溶剤含有廃棄物の乾留焼
    却処理方法。
  4. 【請求項4】 有機溶剤を含有しない他の可燃性廃棄物
    を乾留炉内の不活性ガス置換前又は不活性ガス置換工程
    中に、有機溶剤含有廃棄物の投入に先立って炉内に投入
    堆積せしめる請求項1記載の有機溶剤含有廃棄物の乾留
    焼却処理方法。
  5. 【請求項5】 乾留炉(1)と、燃焼炉(2)と、その
    両炉を連結する乾留ガス管路(40)に設けられた燃焼
    筒(3)と、燃焼炉(2)から燃焼排ガスを外部に導出
    する排出管路(41)とを有した廃棄物乾留焼却処理装
    置において、乾留炉(1)は頂部に蓋(15)により開
    閉し得る廃棄物投入口(14)、炉胴周壁部に炉内雰囲
    気に対する酸素濃度計(30)、炉底周壁部に支燃性ガ
    スの吹込ノズル(12)、その上部に着火バーナー(1
    1)、さらにその上部に炉底温度計(13)を設けると
    ともに、前記酸素濃度計(30)の検出値によって吹込
    ノズル(12)への支燃性ガスの供給量を調節するコン
    トローラー(18)を設けたことを特徴とする有機溶剤
    含有廃棄物の乾留焼却処理装置。
  6. 【請求項6】 燃焼炉(2)の燃焼排ガスの排出管路
    (41)から分岐して乾留炉(1)の吹込ノズル(1
    2)に連通する還流管路(42)を設け、該還流管路
    (42)には、ガス流動方向に順次、還流ガス弁(4
    3)及び管路から分岐した空気流入弁(44)、冷却器
    (45)、管路内の流動ガスに対する酸素濃度計(4
    6),送気ブロアー(10),流量調節弁(20),流
    量計(21)を設け、前記流量調節弁(20)及び送気
    ブロアー(10)は、乾留炉(1)に設けた酸素濃度計
    (30)の検出値に関連するコントローラー(18)に
    より弁開度,ブロワー運転速度が調節されるものである
    請求項5記載の有機溶剤含有廃棄物の乾留焼却処理装
    置。
  7. 【請求項7】 還流管路(42)の酸素濃度計(46)
    の検出値により空気導入弁(44)の開度を調節する手
    段を設けた請求項6記載の有機溶剤含有廃棄物の乾留焼
    却処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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