JPH086750Y2 - 組立て式ダンボール製パレット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、フォークリフト等を使
用して荷物の搬送を行うときに使用するパレットに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のフォークリフト用のパレットは、
木製あるいはプラスチックの細板の桟を多数本並べた上
面体の下面に間隔を有して複数本の桁材を固着して成
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来のパレットは、木
製あるいはプラスチック製であるため、重量を有し、特
に外国へ輸送するような場合には輸送費が高くなってし
まう。また不使用時および回収時に積み重ねた場合に、
場所を多くとる欠点を有する。さらに海外のドイツで
は、法規制により板と釘とを分離して廃棄せねばなら
ず、そのための手間は大変なものとなる。加えるに、木
製パレットにあっては、木材が湿気を含みやすいため、
虫が付いてしまったり、また割れて強度を損ない易い
上、特にオーストラリア、ニュージーランド、中国へ輸
送する場合は、通関検疫をパスするためには燻じょう処
理を行わねばならず、そのための手間および費用が掛か
ってしまう。そして近年イギリスにおいてもこれに準じ
る処理が要望されている。

【０００４】尚、ダンボール製のパレットも存するが、
強度、特にフォークリフトでの作業に対し、強度不足で
あったり、また部品点数が多く取り扱いおよび組立てが
複雑である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、軽量であるダ
ンボール板を使用し、使用時に簡単に現場にて組み立て
できる。そのために本考案は、一枚のダンボール板の両
端を折り返して桁部を作成し、さらにこの桁部に直交す
るように角筒状に組み立てた補強スリーブを組込み、か
つこの補強スリーブ部分をフォークリフトのフォーク差
し込み部とした。このように組み立てることにより、桁
部の角筒と、補強スリーブの角筒との交叉による強度を
有するパレットを提供できる。

【０００６】

【実施例】パレット本体部は、一枚の長方形のダンボー
ル板Ａからなり、その長手方向の中央にパレットの上面
部となる幅広部を残し、その両側に桁部を形成するため
の折れ線を桁部の高さ分の間隔にて２本の山折れ線１、
２；１′、２′、その外側の桁部の底幅分の間隔をおい
て山折れ線３、３′、さらにその外側に桁部の高さ分の
間隔をおいて、谷折れ線４、４′を形成してあり、そし
てその外側にパレット上面部中央の裏面に添着される両
端部分５、５′が形成されている。このダンボール板Ａ
の桁部の高さ部分に該当する第１山折れ線１、１′と、
第２山折れ線２、２′間の平面６、６′および第３山折
れ線３、３′と谷折れ線４、４′間の平面７、７′とに
は、長手方向の対応位置に各２個の開口８、９、１０、
１１；８′、９′、１０′、１１′が間隔を有して開け
られている。

【０００７】図２には、補強およびフォークリフトのフ
ォーク差し込み用の角筒スリーブを形成するためのダン
ボール板Ｂを示す。方形状のダンボール板Ｂの上部１５
が、ダンボール板Ａに形成した開口９〜１１，９′〜１
１′の長辺の幅ａと同一幅であり、左右方向に突設した
延長片１２、１２′を有し、この延長片には、基部にダ
ンボール板２枚分の厚さの間隔を有して谷折れ線１３、
１３′が形成されており、残部には適当間隔にて適宜枚
数の谷折れ線１４、１４′が形成されている。この上部
１５の下辺には、山折れ線１６、ダンボール板Ａの開口
８〜１１、８′〜１１′、の短辺の幅ｂの間隔を有して
山折れ線１７、そしてさらに開口８〜１１、８′〜１
１′の長辺の幅ａをおいて、短辺の幅ｂの間隔にて２本
の山折れ線１８、１９が形成され、下方には、開口の長
辺の幅ａの下部２０が残される。そしてこのダンボール
板Ｂは２枚用意される。

【０００８】組立ては、図３に示すように、まずダンボ
ール板Ａの各山折れ線１〜３、１′〜３′、を折曲し、
その後谷折れ線４、４′を折曲し、両端部分５、５′を
パレット上面部の裏面に添着する。次にスリーブは各山
折れ線１６〜１９を順次折曲し、下部２０が上部１５の
上に折り重なり二重となって図４のように組立てられ
る。この状態にて図３に示す本体部分の開口８、９に差
し込み、そののちに突出している延長片１２、１２′を
谷折れ線１４、１４′にて折曲しながらスリーブと本体
部の上面板との間に突入させて組立てが完了する。

【０００９】

【考案の効果】本考案は、組立て式であるので、持ち運
び、保管および回収時には、３枚の板にして行なえ、か
つ部品点数も３個であるので、嵩ばらず取り扱いが非常
に楽であり、組立て後は骨格が桁部とスリーブとの４本
の角筒同士の交叉であるので、堅固なものとなり、そし
て点荷重に対しても強いものとなっている。さらにフォ
ークリフトのフォーク差込部の上面が本体、上部が二重
となったスリーブおよびその重なるスリーブの延長片と
でダンボール板が四重になるようにしてあるので、フォ
ークでのリフト時の荷重強度が十分なものである。また
フォーク差込口の上縁のスリーブの上部折り重なりの切
口端がスリーブの延長片の折曲によりダンボール板の平
面にてカバーされているので、フォークの差し込み時に
ダンボール板の切口端にフォーク先端が突き刺さり破壊
するようなことがなく、堅固にまたフォークの差し込み
がスムーズに行えるようになっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本体部分の展開図

【図２】スリーブ部分の展開図

【図３】組立て図

【図４】スリーブ組立て図

【符号の説明】

１〜３ 山折れ線 ４ 谷折れ線 ８〜１１ 開口 １２ 延長部分 １３〜１４ 谷折れ線 １６〜１９ 山折れ線

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一枚の長方形のダンボール板Ａの長手方
   向の中央にパレットの上面部となる幅広部を残し、その
   両側に桁部を形成するための折れ線を桁部の高さ分の間
   隔にて２本の山折れ線１、２；１′、２′、その外側の
   桁部の底幅分の間隔をおいて山折れ線３、３′、さらに
   その外側に桁部の高さ分の間隔をおいて、谷折れ線４、
   ４′を形成してあり、その外側にパレット上面部の裏面
   に添着される両端部分５、５′が形成されており、さら
   にこのダンボール板Ａの桁部の高さ部分に該当する第１
   山折れ線１、１′と、第２山折れ線２、２′間の平面
   ６、６′および第３山折れ線３、３′と谷折れ線４、
   ４′間の平面７、７′とには、長手方向の対応位置に各
   ２個の開口８、９、１０、１１；８′、９′、１０′、
   １１′が間隔を有して開けられてパレット本体部分を形
   成しており、そして別の方形状のダンボール板Ｂの上部
   １５に、ダンボール板Ａに形成した開口９〜１１，９′
   〜１１′の長辺の幅ａと同一幅である延長片１２、１
   ２′を、左右方向に突設してあり、この延長片には、基
   部にダンボール板２枚分の厚さの間隔を有して谷折れ線
   １３、１３′が形成されており、この上部１５の下辺に
   は、山折れ線１６、ダンボール板Ａの開口８〜１１、
   ８′〜１１′、の短辺の幅ｂの間隔を有して山折れ線１
   ７、そしてさらに開口８〜１１、８′〜１１′の長辺の
   幅ａをおいて、短辺の幅ｂの間隔にて２本の山折れ線１
   ８、１９が形成され、下方には、開口の長辺の幅ａの下
   部２０が残されてスリーブ部を形成しており、このスリ
   ーブ部が２枚用意され、まずダンボール板Ａの各山折れ
   線１〜３、１′〜３′、を折曲し、その後谷折れ線４、
   ４′を折曲し、両端部分５、５′をパレット上面部の裏
   面に添着する。次にスリーブは各山折れ線１６〜１９を
   順次折曲し、下部２０が上部１５の上に折り重なるよう
   に組立てられ、この状態にて本体部分の開口８、９に差
   し込んだのちに突出している延長片１２、１２′を折曲
   しながらスリーブと本体部の上面板との間に延長片を突
   入させて組立てるようになっている組立て式段ボール製
   パレット。
2. 【請求項２】 ダンボール板Ｂの上部の延長片の両端に
   適当間隔にて適宜数の谷折れ線１４、１４′が形成され
   ている請求項１記載の組立て式ダンボール製パレット。