JPH0866751A - 連続鋳造方法および浸漬ノズル - Google Patents

連続鋳造方法および浸漬ノズル

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JPH0866751A
JPH0866751A JP20315094A JP20315094A JPH0866751A JP H0866751 A JPH0866751 A JP H0866751A JP 20315094 A JP20315094 A JP 20315094A JP 20315094 A JP20315094 A JP 20315094A JP H0866751 A JPH0866751 A JP H0866751A
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molten steel
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nozzle
casting
hole
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JP20315094A
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English (en)
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Takeshi Sugawara
健 菅原
Yasuhiro Hashimoto
康裕 橋本
Tsutomu Tanaka
田中  勉
Eiichi Takeuchi
栄一 竹内
Hiroshi Harada
寛 原田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、鋳込み開始時の自動制御を可能なら
しめ、且つ定常鋳造時の介在物欠陥と鋳片表層部負偏析
帯の形成を防止するのに優れた鋳造方法及び浸漬ノズル
の形状を提供する。 【構成】タンディッシュ内溶鋼を浸漬ノズルを用いて鋳
型内に注入するに際し、前記ノズルの側壁下部に鋳型の
内壁面に向かって溶鋼を吐出する横向き吐出孔と、前記
ノズル先端に鋳型の下方へ向かう垂直向き吐出孔を設
け、鋳込み開始時には垂直向き吐出孔からの注入溶鋼流
量を全注入溶鋼流量の85%以上、また鋳型内溶鋼面が
横向き吐出孔より上部となる定常鋳造時には、全注入溶
鋼流量の内横向き吐出孔から25〜75%、垂直向き吐
出孔から25〜75%の範囲で注入させる。次に、浸漬
ノズルの下部側壁に鋳型の内面に向かう4個または2個
の横向き吐出孔を設け、該ノズル先端には垂直向き吐出
孔を設けて5孔または3孔の浸漬ノズルとする。また、
垂直向き吐出孔の断面積割合を、垂直向き及び横向き吐
出孔の全断面積の15〜35%の範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造におい
て、鋳込み開始時における注入溶鋼流の飛散防止、定常
鋳造時における鋳型内での介在物欠陥や表面欠陥の生成
防止、並びに鋳片表層部における負偏析帯の形成を抑制
するのに優れた連続鋳造方法と浸漬ノズル形状に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造における浸漬ノズルの使用目的
は、タンディッシュ〜鋳型間での溶鋼の再酸化防止、鋳
型内での注入溶鋼流動の安定化による介在物欠陥や表面
欠陥の生成防止などであり、ノズルの型式としてはタン
ディッシュへの装着方法から内挿式一体型と外挿式分割
型とに分類される。内挿式一体型は、空気を遮断して介
在物やピンホール欠陥を防止するのに優れ、外挿式分割
型は、キャスト内で交換可能で多連鋳をし易い等の利点
がある。
【0003】浸漬ノズルの下部側壁に設けられた溶鋼を
鋳型内に導く吐出孔については、鋳片の断面形状やサイ
ズによって異なるが、一般的にスラブ連鋳では吐出溶鋼
流が鋳型の短辺面の各々に向かう2孔ノズルが、ブルー
ム連鋳では吐出溶鋼流が鋳型の短辺面と長辺面の各々に
向かう4孔ノズルが使用される。また、ビレット連鋳で
はオープン・オイルキャスティングが採用される場合が
多いが、高級鋼のビレット連鋳に際しては浸漬ノズル・
パウダーキャスティングが適用され、断面サイズが比較
的大きい場合に4孔ノズルが、小さい場合には単孔ノズ
ルが用いられるのが一般的傾向である。
【0004】浸漬ノズルの吐出孔については、上向き、
水平、または下向き角度のものがあり、その形状につい
ても円形、楕円形、または長方形のものがある。また浸
漬深さ(メニスカスから吐出孔上端までの距離)につい
ても、鋳造断面サイズや鋳造速度等によって適切に選択
される。
【0005】従来、浸漬ノズルに関する特許が幾つか公
開されている。例えば、特開昭61−14051号公報
には先端に半球状の湾曲部を設けてスリットを形成し、
該スリットの両端に1対の溶鋼流出孔を設けた浸漬ノズ
ルが述べられている。特開平2−280949号公報に
は、湾曲型連鋳機のタンディッシュから鋳型へ溶鋼を注
入する2孔式もしくは多孔式浸漬ノズルの吐出孔の水平
角度と突起物について述べられている。また、特開平3
−174958号公報には、2孔浸漬ノズルにおいて浸
漬ノズルに二つの吐出孔の断面積の和A1と浸漬ノズル
の内孔断面積A2との比をA1/A2≦1.1の範囲と
する浸漬ノズルが述べられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、連続鋳造作業の
自動化が積極的に進められ、タンディッシュから鋳型へ
の鋳込み開始作業についても、鋳込み開始から鋳型内湯
面上昇、鋳片引き抜き開始までの一連の作業の自動化
(以下オートスタートと称す)が多くの連鋳機で行われ
ている。オートスタートシステムの例を図1に示す。
【0007】図1に示したように、鋳型内湯面レベルの
検出には、鋳型銅板下部から上部にかけて複数個埋設さ
れた熱電対レベル計10が使用される場合が多く、該熱
電対レベル計により鋳型内に注入された溶鋼のレベルを
精度高く検出しながら、タンディッシュノズルの開度に
フィードバックして湯面上昇速度を制御し、湯面レベル
が所定の範囲内に到達した時点で、ピンチロールを正転
して鋳片の引き抜きが開始されるのが一般的である。
【0008】しかしながら、従来のようにブルーム・ビ
レット連鋳において4孔ノズルを用いたり、スラブ連鋳
において2孔ノズルを用いて鋳込み開始すると、タンデ
ィッシュからの注入溶鋼流が吐出孔から横向きに噴射さ
れるので、飛散溶鋼が鋳型内面に垂れかかり熱電対レベ
ル計に対して真の湯面でない外乱信号を与える問題があ
る。このため、鋳込み開始時には溶鋼を主として鋳型の
下方へ向かって垂直向きに注入せしめ、溶鋼が鋳型内面
に垂れかからないようにすることが必須である。
【0009】一方、定常鋳造時には下記に示す鋳片の介
在物欠陥、表面欠陥、ならびに負偏析等の欠陥の形成を
防止する目的から、浸漬ノズルを通って注入された溶鋼
の鋳型内上下方向の循環流動の形成やメニスカス部での
適正な溶鋼流速の確保が重要である。 (1)メニスカス部でのディッケルの生成防止 (2)メニスカス部でのパウダーの均一溶融促進 (3)鋳型内での介在物の浮上分離除去 (4)メニスカス部でのパウダーの巻き込み防止 (5)溶鋼流速の低減による鋳片表層部での負偏析帯の
形成防止。
【0010】これらの課題の内、(1)、(2)、
(3)に対しては、メニスカス部を含む鋳型内上部での
適度な溶鋼流動の付与が必要である。その理由は、適度
な溶鋼流動によりメニスカス部溶鋼温度の低下防止と均
一化が行われ、溶鋼の局部凝固の防止やパウダーの均一
溶融が図られ、更に鋳型内溶鋼中介在物の浮上分離が促
進されるためである。
【0011】一方(4)を満足させるためには、過度な
溶鋼流動の付与は有害である。即ち、吐出溶鋼流が鋳型
内壁に衝突し上向きに反転上昇してメニスカス部で激し
く流動すると、パウダーを溶鋼中に巻き込んで介在物欠
陥を生成する問題がある。従って、定常鋳造時には、鋳
型内における溶鋼流動を適正な範囲内に制御することが
極めて重要である。
【0012】次に、(5)の鋳片表層部での負偏析帯の
形成防止について述べる。浸漬ノズルの横向き吐出孔か
ら注入された溶鋼流が鋳型内凝固シェルの内面に衝突す
ると、デンドライト樹間に濃化しているC,Si,M
n,Crなどの溶質元素がその流動作用によって洗浄さ
れ、凝固シェル内面に負偏析帯が形成される。発明者ら
の調査によると、この負偏析は品種によっては有害であ
る。
【0013】例えば、バネ鋼の場合にはバネに成形後の
自由長にバラツキを生じさせて問題となる。図2に細径
バネの一例を示すが、このバネは線径1.0mmの素線
を冷間成形機で外径7.5mmφ、ピッチ2.0mm、
巻き数20巻き、自由長40.0mmの事務機器用バネ
にコイリングした例である。発明者らの調査によれば、
バネの自由長バラツキの原因は、鋳片表層部の負偏析度
と密接に関係する。即ち、図3に示す如く自由長バラツ
キの合格率(±0.2mm以内の比率で定義)は、鋳片
表層部の負偏析度が大きいほど低下している。
【0014】この理由は、バネへの冷間成形時の素線の
降伏強度がCなどの溶質元素の負偏析によって低下する
ためである。図3より、自由長バラツキを目標範囲内に
管理するためには、鋳片表層部のCの負偏析度Ke cをK
e c≧0.97以上に調整する必要がある。ここで、負偏
析Ke cは[1]式で定義し、Cminは鋳片表層部の負偏析
帯におけるCの最低濃度(%)、C0は取鍋溶鋼中のC
濃度(%)である。 Ke c=Cmin/C0………………[1]
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の各種課
題を解決するものである。即ち、タンディッシュ内溶鋼
を浸漬ノズルを用いて鋳型内に注入するに際し、前記ノ
ズルの側壁下部に鋳型の内壁面に向かって溶鋼を吐出す
る横向き吐出孔と、前記ノズル先端に鋳型の下方へ向か
う垂直向き吐出孔を設け、鋳込み開始時には垂直向き吐
出孔からの注入溶鋼流量を全注入溶鋼流量の85%以
上、また鋳型内溶鋼湯面が横向き吐出孔より上部となる
定常鋳造時には、全注入溶鋼流量のうち、横向き吐出孔
から25〜75%、垂直向き吐出孔から25〜75%の
範囲で注入するものである。
【0016】また、浸漬ノズルの下部側壁に鋳型の長辺
面および短辺面の各々に向かう4個の横向き吐出孔を設
け、該ノズル先端には垂直向き吐出孔を設けて5孔の浸
漬ノズルとするか、または、浸漬ノズルの下部側壁に鋳
型の短辺面の各々に向かう2個の横向き吐出孔を設け、
該ノズル先端には垂直向き吐出孔を設けてなる3孔の浸
漬ノズルとするものである。更に、本発明では垂直向き
吐出孔の断面積割合を、垂直向き及び横向き吐出孔の全
断面積の15〜35%の範囲とするものである。
【0017】
【作用】以下に、本発明について図面を参照しながら詳
細に説明する。図4に、本発明者らが測定した垂直向き
吐出孔の断面積割合(横向き吐出孔と垂直向き吐出孔の
全断面積に対する垂直向き吐出孔の断面積の比率)と垂
直向き吐出孔からの溶鋼流出割合に関する水モデル実験
結果の代表例を示す。
【0018】図において、鋳込み開始時(ノズル浸漬
前)とは、タンディッシュから鋳型内への注入開始時の
垂直向き吐出孔からの溶鋼流出割合を表し、定常鋳造時
(ノズル浸漬後)とは、鋳型内溶鋼湯面が横向き吐出孔
よりも上部となった以降の垂直向き吐出孔からの溶鋼流
出割合を表わす。
【0019】図4から明らかなように、鋳込み開示時は
ノズルが浸漬前であるため、溶鋼は垂直向き吐出孔から
流出し易く、垂直向き吐出孔断面積割合が15%、35
%の場合に夫々85%、100%の溶鋼が垂直向き吐出
孔から流出している。発明者らの調査では、85%以上
の溶鋼が垂直向き吐出孔から流出する場合には、熱電対
レベル計への外乱信号が発生しないことを確認している
ので、垂直向き吐出孔の断面積割合の下限値を15%と
規定するものである。
【0020】定常鋳造時には、垂直向き吐出孔の断面積
が15%、35%の場合に夫々25%、75%の溶鋼が
垂直向き吐出孔から流出している。一方、発明者らが行
った定常鋳造時における垂直向き吐出孔断面積割合とパ
ウダー巻き込み指数(湯面に浮かべたポリスチレン粒子
の湯面下への巻き込み個数)及び鋳型内上部での流速に
関する水モデル実験結果を図5に示す。
【0021】図5から明らかなように、パウダー膜込み
は垂直向き吐出孔断面積割合の増加と共に大幅に減少
し、垂直向き吐出孔の断面積割合が15%以上で、問題
のないレベル(垂直向き吐出孔のないノズルの場合の1
/5の個数に減少)となる。この場合の垂直向き吐出孔
からの溶鋼流出割合は、図4から25%以上である。
【0022】次にメニスカス部でのディッケルの生成防
止、パウダーの均一溶融促進及び介在物の浮上分離促進
のためには、前述の如く鋳型内上部での適度な溶鋼流動
が必要であるが、発明者らの調査では約5cm/sec以
上の溶鋼流速を確保すべきである。この場合の、垂直向
き吐出孔断面積割合は図5から35%以下、垂直向き吐
出孔からの溶鋼流出割合は、図4から75%以下であ
る。
【0023】更に、鋳片表層部でのCなどの負偏析の抑
制のためには、凝固シェル内面での溶鋼流速の低下が必
要である。ブルーム連鋳における発明者らの調査による
と、鋳片表層部でのCの負偏析度は[2]式で表せる。
【0024】 Ke c=1−7.0×10-5(Ke c−K0)(U/V)……………[2] ここで、Ke cはCの負偏析度、K0はCの平衡分配係
数、Uは凝固シェル前面での溶鋼流速(cm/sec)、Vは
鋳型内鋳片の凝固速度=k/{2(L/Vc)1/2(1/60)(1/10)}(c
m/sec)、kは凝固係数(mm・min-1/2)、Lはメニスカスか
らの距離(m)、Vcは鋳造速度(m/min)である。[2]式か
ら、Cの負偏析度と鋳造速度の関係について、溶融流速
Uを変えて計算すると図6が得られる。
【0025】図6からKe c≧0.97を満足する条件は
鋳造速度によっても変わるが、鋳造速度を一般的な値で
あるVc=0.5〜0.9m/minとすると、溶鋼流速
をU≦8cm/secに制限する必要があり、これを達成
するには、図5から垂直向き吐出孔断面積割合を15%
以上とする必要がある。
【0026】以上の理由を総合して、本発明では垂直向
き吐出孔からの溶鋼流出割合を25〜75%、垂直向き
吐出孔断面積割合を15〜35%に規定するものであ
る。なお、ブルーム・ビレット連鋳においては、鋳型横
断面形状が一般に正方形や長方形(偏平比=長辺の長さ
/短辺の長さ=1.0〜2.0程度)であるため5孔ノ
ズル(横向き吐出孔4個と垂直向き吐出孔)の適用が望
ましい。一方、スラブ連鋳においては、鋳型の横断面形
状が長方形(偏平比=2.0〜10程度)であるため、
3孔ノズル(短辺面に向かう横向き吐出孔2個と垂直向
き吐出孔)が適切である。また、垂直向き吐出孔の断面
形状については、円形、楕円形、長方形、またはその他
の形状でも良い。
【0027】
【実施例】曲率半径12mの4ストランド湾曲型ブルー
ム連鋳機において、270トン転炉及び取鍋精錬炉で溶
製したバネ鋼(AISI 9254)を、容量30トンのタンデ
ィッシュを用い、鋳片サイズ350mm×560mmの
ブルームを、鋳造速度Vc=0.7m/minで鋳造し
た。
【0028】図7に使用した本発明の浸漬ノズルを示
す。浸漬ノズル4の外径は130mmφ、内径は80m
mφである。なお、図8は従来の4孔ノズルであり横向
き吐出孔5は直径42mmφ×4ヶ、本発明になる5孔
ノズルでは横向き吐出孔5は42mmφ×4ヶ及び垂直
向き吐出孔6の直径は45mmφであり垂直向き吐出孔
6の断面積比は22%とした。
【0029】図1に、鋳込み開始時の状況を示す。図に
おいて、1は取鍋、2はタンディッシュ、3はタンディ
ッシュ内溶鋼、4は浸漬ノズル、5は横向き吐出孔、6
は垂直向き吐出孔、7は鋳込み開始時の溶鋼流、8は鋳
型、9は鋳型内溶鋼、10は鋳型銅板に埋設した熱電対
レベル計、11はタンディッシュストッパー、12はダ
ミーバー、13はピンチロール、14はオートスタート
制御装置、15はストッパー駆動装置、16はストッパ
ー駆動用油圧シリンダーである。
【0030】図1から判るように、鋳込み開始時にはタ
ンディッシュ2からの注入溶鋼流7は、主として浸漬ノ
ズル4の垂直向き吐出孔6から吐き出されており、鋳型
8の短辺及び長辺面には垂れかかりが認められない。そ
の結果、熱電対レベル計10は鋳型内湯面レベルを正確
に捕らえることが可能となり、鋳型内溶鋼9の湯面レベ
ル上昇速度制御からピンチロール13によるダミーバー
12の引き抜き開始までの一連のオートスタート操業が
安定して行われた。
【0031】これに対して、図8の4孔ノズルを用いて
鋳込み開始した比較例では、横向き吐出孔5から吐き出
された注入溶鋼が鋳型内面に飛散衝突し、熱電対レベル
計10があたかも湯面レベルを検出したかのような外乱
信号を捉えたために、制御が発散してオートスタートは
不能であった。
【0032】図9に、定常鋳造時の状況を示す。図にお
いて、17は横向き吐出孔からの上向き反転流、18は
横向き吐出孔からの下向き反転流、19は垂直向き吐出
孔からの注入溶鋼流、20はパウダーである。5孔ノズ
ルの使用により、定常鋳造時には垂直向きの注入溶鋼流
が形成されるため、従来よりも横向き吐出孔からの上向
き反転流17の割合が減少し、パウダーの巻き込みが従
来の4孔ノズルの場合の約1/10(図5A点→B点)
に減少した。
【0033】次に、鋳片の負偏析度について測定した結
果を、比較例と共に図10に示す。本発明法では、負偏
析度は全てKe c≧0.97以上となっており、当該鋳片
から製造したバネ鋼線材を冷間でコイリング後のバネの
自由長バラツキの不良品は発生しなかった。これに対し
て、比較例では負偏析度が大きく自由長バラツキも大き
かった。
【0034】
【発明の効果】本発明になる方法によれば、鋳込み開始
時には、安定したオートスタートの操業が可能である。
また、定常鋳造時は、鋳片の介在物欠陥および鋳片表層
部の負偏析帯も形成されず良好である。以上のように、
本発明は簡易なる方法にしてその工業的価値は極めて大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】は鋳込み開始時の注入状況を示す図。
【図2】はバネの一例を示す図。
【図3】は鋳片表層部の炭素の負偏析度とバネ自由長の
合格率の関係を示す図。
【図4】は垂直向き吐出孔の断面積割合と垂直向き吐出
孔からの溶鋼流出割合に関する関係を示す図。
【図5】は定常鋳造時における垂直向き吐出孔断面積割
合とパウダー巻き込み指数及び鋳型内上部での流速に関
する関係を示す図。
【図6】は鋳造速度、溶鋼流速とCの負偏析度の関係を
示す図。
【図7】は本発明になる浸漬ノズルを示す図。
【図8】は従来の浸漬ノズルを示す図。
【図9】は定常鋳造時の注入状況を示す図。
【図10】はバネの自由長に対する本発明の効果を示す
図。
【符号の説明】
1…取鍋、 2…タンディッシュ、 3…タンディッシ
ュ内溶鋼、 4…浸漬ノズル、 5…横向き吐出孔、
6…垂直向き吐出孔、 7…鋳込み開始時の溶鋼流、
8…鋳型、 9…鋳型内溶鋼、 10…鋳型に埋設した
熱電対レベル計、 11…タンディッシュストッパー、
12…ダミーバー、 13…ピンチロール、 14…
オートスタート制御装置、 15…ストッパー駆動装
置、 16…ストッパー駆動用油圧シリンダー、 17
…上向き反転流、 18…下向き反転流、 19…垂直
向き注入溶鋼流、 20…パウダー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 栄一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 原田 寛 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンディッシュ内溶鋼を浸漬ノズルを用い
    て鋳型内に注入するに際し、前記ノズルの側壁下部に鋳
    型の内壁面に向かって溶鋼を吐出する横向き吐出孔と、
    前記ノズル先端に鋳型の下方へ向かう垂直向き吐出孔を
    設け、鋳込み開始時には、垂直向き吐出孔からの注入溶
    鋼流量を全注入溶鋼流量の85%以上とし、また鋳型内
    溶鋼湯面が横向き吐出孔より上部となる定常鋳造時に
    は、全注入溶鋼流量の内垂直向き吐出孔から25〜75
    %、横向き吐出孔から25〜75%の範囲となるように
    して鋳型内に溶鋼を注入することを特徴とする連続鋳造
    方法。
  2. 【請求項2】浸漬ノズルの下部側壁に鋳型の長辺面およ
    び短辺面の各々に向かう4個の横向き吐出孔を設け、該
    ノズル先端には垂直向き吐出孔を設けてなる5孔の浸漬
    ノズル。
  3. 【請求項3】浸漬ノズルの下部側壁に鋳型の短辺面の各
    々に向かう2個の横向き吐出孔を設け、該ノズル先端に
    は垂直向き吐出孔を設けてなる3孔の浸漬ノズル。
  4. 【請求項4】垂直向き吐出孔の断面積を、垂直向きおよ
    び横向きの全吐出孔の断面積の15〜35%とした請求
    項2または3に記載の浸漬ノズル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101244322B1 (ko) * 2010-11-05 2013-03-14 주식회사 포스코 연속주조용 쉬라우드 노즐
WO2013039279A1 (ko) * 2011-09-16 2013-03-21 Kim Gihwan 쉬라우드 노즐 떨림 방지 기술.

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KR101244322B1 (ko) * 2010-11-05 2013-03-14 주식회사 포스코 연속주조용 쉬라우드 노즐
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