JPH0865514A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH0865514A
JPH0865514A JP6214210A JP21421094A JPH0865514A JP H0865514 A JPH0865514 A JP H0865514A JP 6214210 A JP6214210 A JP 6214210A JP 21421094 A JP21421094 A JP 21421094A JP H0865514 A JPH0865514 A JP H0865514A
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JP
Japan
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image
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area
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data
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Application number
JP6214210A
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English (en)
Inventor
Koji Aikawa
幸二 相川
Chiyuukai Sai
忠会 斉
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0865514A publication Critical patent/JPH0865514A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多値出力のディジタル複写機などにおいて階
調再現処理をする場合に、出力画像中で人の目にはっき
りわかる画質欠陥を生じないようにする。 【構成】 像域分離部20で、入力画像データから入力
画像の文字領域、写真領域および網点領域を分離判定す
る。その判定結果にもとづいて、変数決定部30で、入
力画像の特徴を段階的または連続的に示す像域分離変数
を決定する。その像域分離変数にもとづいて、階調再現
制御部60で、入力画像データに対する階調再現特性を
段階的または連続的に変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多値出力のディジタ
ル複写機などにおいて階調再現処理または万線スクリー
ン処理をする画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多値出力のディジタル複写機において階
調再現を行うには、一般に入力画像データに対して所定
の階調再現特性を有する画像データが書き込まれたルッ
クアップテーブルを用い、入力画像データをこのルック
アップテーブルから読み出した画像データに変換する方
法がとられる。
【0003】しかし、文字や図形などの線画像と写真な
どの中間調画像とでは、その性質の違いに応じて階調再
現特性を変える必要がある。
【0004】そこで従来は、階調変換用に2つのメモリ
を設けて、その一方に線画像の画像データに対する階調
再現特性を有する画像データを書き込んで、これを線画
像用ルックアップテーブルとするとともに、他方に中間
調画像の画像データに対する階調再現特性を有する画像
データを書き込んで、これを中間調画像用ルックアップ
テーブルとし、原稿中に線画像部分と中間調画像部分と
が混在する場合には、入力画像の線画像領域と中間調画
像領域をたとえば4×4画素というような画素ブロック
単位で分離判定し、その判定結果によって、入力画像の
線画像領域では線画像用ルックアップテーブルからの画
像データを出力画像データとして取り出し、入力画像の
中間調画像領域では中間調画像用ルックアップテーブル
からの画像データを出力画像データとして取り出すとい
うように、入力画像の線画像領域と中間調画像領域とで
2つのルックアップテーブルからの画像データを切り換
えるようにしている。
【0005】また、多値出力のディジタル複写機におい
ては、画像出力装置(画像記録装置)の入力部であるレ
ーザ制御信号生成部において、画像処理装置からの多値
出力画像データがD/Aコンバータによりアナログ信号
に変換されて図26に示すような出力画像信号Aoaが
得られ、この出力画像信号Aoaがコンパレータにより
同図に示すような三角波信号Saと比較されて画像出力
装置の記録用レーザをオンオフ制御する同図に示すよう
なレーザ制御信号Lcaが得られ、これによって出力画
像に同図の斜線部1で示すような万線スクリーンが形成
される。
【0006】しかし、文字や図形などの線画像では万線
スクリーンの出力線数を同図に示すような400線/1
インチという高線数とすることによって画像の精細度が
上がる利点があるが、写真などの中間調画像では万線ス
クリーンの出力線数をこのような高線数にすると階調再
現性が悪くなる不都合を生じ、したがって中間調画像で
は万線スクリーンの出力線数をたとえば200線/1イ
ンチというような低線数とする必要がある。
【0007】そこで従来は、原稿中に線画像部分と中間
調画像部分とが混在する場合には、入力画像の線画像領
域と中間調画像領域をたとえば4×4画素というような
画素ブロック単位で分離判定し、その判定結果によっ
て、入力画像の線画像領域では、多値出力画像データが
アナログ信号に変換されて得られる図26に示すような
出力画像信号Aoaを同図に示すような1画素周期の三
角波信号Saと比較して同図に示すように各画素期間ご
とにレーザをオンとするようなレーザ制御信号Lcaを
得、これによって出力画像に同図に示すような出力線数
が400線/1インチの万線スクリーン1を形成し、入
力画像の中間調画像領域では、多値出力画像データがア
ナログ信号に変換されて得られる図29に示すような出
力画像信号Aocを同図に示すような2画素周期を1周
期とする三角波信号Scと比較して同図に示すように隣
り合う2画素期間にまたがってレーザをオンとするよう
なレーザ制御信号Lccを得、これによって出力画像に
同図に示すような出力線数が200線/1インチの万線
スクリーン4を形成するというように、入力画像の線画
像領域と中間調画像領域とで万線スクリーンの出力線数
を切り換えるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の階調再現処理のように入力画像の線画像領域と
中間調画像領域とで2つのルックアップテーブルからの
階調再現特性の異なる画像データを切り換える場合に
は、入力画像のそれぞれたとえば4×4画素の隣接する
2つの画素ブロックが本来は同一種類の画像領域である
にもかかわらず、その種別の判定に誤りを生じて異なる
種類の画像領域と判定されたときには、その隣接する2
つの画素ブロックの間でまったく異なる階調再現がなさ
れることによって、出力画像中で人の目にはっきりわか
る画質欠陥を生じてしまう欠点がある。
【0009】また、上述した従来の万線スクリーン処理
のように入力画像の線画像領域と中間調画像領域とで万
線スクリーンの出力線数を切り換える場合には、入力画
像のそれぞれたとえば4×4画素の隣接する2つの画素
ブロックが本来は同一種類の画像領域であるにもかかわ
らず、その種別の判定に誤りを生じて異なる種類の画像
領域と判定されたときには、その隣接する2つの画素ブ
ロックの間で万線スクリーンの出力線数がまったく変え
られることによって、出力画像中で人の目にはっきりわ
かる画質欠陥を生じてしまう欠点がある。
【0010】そこで、この発明は、多値出力のディジタ
ル複写機などにおいて階調再現処理または万線スクリー
ン処理をする画像処理装置において、出力画像中で人の
目にはっきりわかる画質欠陥を生じることがないように
したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】階調再現処理に係る、こ
の発明では、後述の実施例の参照符号を対応させると、
入力画像データから入力画像の文字領域、写真領域およ
び網点領域を分離判定する像域分離部20と、この像域
分離部20での判定結果にもとづいて、入力画像の特徴
を段階的または連続的に示す像域分離変数を決定する変
数決定部30と、この変数決定部30で決定された像域
分離変数にもとづいて、入力画像データに対する階調再
現特性を段階的または連続的に変化させる階調再現制御
系60,70と、を設ける。
【0012】この場合、階調再現のためにはルックアッ
プテーブルを用いることができ、その場合には、階調再
現制御系60,70は、後述の実施例の参照符号を対応
させると、階調変換を行うための複数のルックアップテ
ーブル61,62と、変数決定部30で決定された像域
分離変数にもとづいて、上記複数のルックアップテーブ
ル61,62からの画像データの混合比を決定する混合
比決定部70と、上記複数のルックアップテーブル6
1,62からの画像データを上記混合比決定部70で決
定された混合比で混合して出力する画像データ混合出力
部63,64,65と、から構成する。
【0013】また、このように階調再現のために複数の
ルックアップテーブルを用いる場合には、後述の実施例
の参照符号を対応させると、複数のルックアップテーブ
ルを、文字画像用ルックアップテーブル61と写真画像
用ルックアップテーブル62とからなるものとすること
ができる。
【0014】万線スクリーン処理に係る、この発明で
は、後述の実施例の参照符号を対応させると、入力画像
データから入力画像の文字領域、写真領域および網点領
域を分離判定する像域分離部20と、この像域分離部2
0での判定結果にもとづいて、入力画像の特徴を段階的
または連続的に示す像域分離変数を決定する変数決定部
30と、この変数決定部30で決定された像域分離変数
にもとづいて段階的または連続的に強度を変化させた万
線スクリーンパターンのデータを生成するパターン生成
部80と、入力画像データに対して上記パターン生成部
80からの万線スクリーンパターンデータを付加するパ
ターン付加部90と、を設ける。
【0015】なお、この明細書の特許請求の範囲および
発明の詳細な説明の「課題を解決するための手段」以降
において、文字画像ないし文字領域とは、文字や図形を
主体とし、画像信号レベルとして白と黒にピークを有
し、信号変化が急峻な画像ないし領域をいい、写真領域
ないし写真画像とは、写真などの中間調画像ないしその
領域で、画像信号分布が比較的平坦で、信号変化も緩や
かな画像ないし領域をいい、網点画像ないし網点領域と
は、印刷物などに見られる、網点形成による疑似階調画
像ないしその領域をいう。
【0016】
【作用】上記のように構成した、階調再現処理に係る、
この発明の画像処理装置においては、入力画像の特徴、
すなわち入力画像の画素または画素ブロックが文字領
域、写真領域または網点領域に属する度合を段階的また
は連続的に示す像域分離変数にもとづいて入力画像デー
タに対する階調再現特性が段階的または連続的に変化さ
せられるので、一方で、完全な文字領域ではコントラス
トを強調する階調再現がなされ、完全な写真領域では中
間調を十分に再現する階調再現がなされ、文字画像と写
真画像の間の性質を有する領域では、それに応じた階調
再現がなされるというように、それぞれの領域の性質に
応じた適切な階調再現がなされるとともに、他方で、入
力画像の隣接する2つの画素または画素ブロックが本来
は同一種類の画像領域であるにもかかわらず、その種別
の判定に誤りを生じて異なる種類の画像領域と判定され
たときでも、その隣接する2つの画素または画素ブロッ
クの間でまったく異なる階調再現がなされることがな
く、出力画像中で人の目にはっきりわかる画質欠陥を生
じることがない。
【0017】上記のように構成した、万線スクリーン処
理に係る、この発明の画像処理装置においては、入力画
像の特徴、すなわち入力画像の画素または画素ブロック
が文字領域、写真領域または網点領域に属する度合を段
階的または連続的に示す像域分離変数にもとづいてパタ
ーン生成部80からの万線スクリーンパターンの強度が
段階的または連続的に変化させられるので、このパター
ン生成部80からの万線スクリーンパターンを出力線数
がたとえば200線/1インチというような低線数の万
線スクリーンを形成するものとすることによって、一方
で、完全な文字領域では、パターン生成部80からの万
線スクリーンパターンの強度がゼロとされることによ
り、多値出力画像データがアナログ信号に変換されて得
られる出力画像信号が三角波信号のような参照信号と比
較されることによる、出力線数がたとえば400線/1
インチというような高線数の万線スクリーンのみが形成
され、完全な写真領域では、逆にパターン生成部80か
らの万線スクリーンパターンの強度が最大とされること
により、出力線数が低線数の万線スクリーンが出力線数
が高線数の万線スクリーンに対して最大強度で重畳され
て形成され、文字画像と写真画像の間の性質を有する領
域では、パターン生成部80からの万線スクリーンパタ
ーンの強度が中間レベルとされることにより、出力線数
が低線数の万線スクリーンが出力線数が高線数の万線ス
クリーンに対して中間の強度で重畳されて形成されると
いうように、それぞれの領域の性質に応じた適切な線数
態様の万線スクリーンが形成されるとともに、他方で、
入力画像の隣接する2つの画素または画素ブロックが本
来は同一種類の画像領域であるにもかかわらず、その種
別の判定に誤りを生じて異なる種類の画像領域と判定さ
れたときでも、その隣接する2つの画素または画素ブロ
ックの間でまったく異なる線数態様の万線スクリーンが
形成されることがなく、出力画像中で人の目にはっきり
わかる画質欠陥を生じることがない。
【0018】
【実施例】図1は、この発明の画像処理装置の一例の全
体構成を示し、ディジタル複写機において画像読取装置
(画像入力装置)から入力端子10に得られた入力画像
データDiを処理して出力端子150に、すなわち画像
出力装置(画像記録装置)に出力画像データDoを出力
するものである。
【0019】この例のディジタル複写機は、その画像処
理装置のディジタル出力モードとして、すなわち出力画
像データDoのモードとして、多値出力モードと二値出
力(二値化出力)モードのいずれかを選択することがで
きるものである。ただし、通常は二値出力モードとさ
れ、出力画像の画質を上げようとするときにはユーザが
多値出力モードに切り換えることができるものである。
【0020】そして、この例においては、後述するよう
に、二値出力モードでは、入力画像データDiに対して
フィルタリング処理、階調再現処理、および誤差拡散法
に対してディザ法を組み合わせた方法による疑似階調化
処理(疑似的階調再現処理)がなされ、多値出力モード
では、入力画像データDiに対してフィルタリング処
理、階調再現処理、および万線スクリーン処理がなされ
る。
【0021】また、この例の画像処理装置は、複写すべ
き原稿が文字画像を主体としたものであるか、写真画像
または網点画像を主体としたものであるか、文字画像と
写真画像または網点画像が混在したものであるかに応じ
て、ユーザが文字画像モード、写真画像モードおよび文
字写真混在画像モードのいずれかを選択することができ
るものである。ただし、通常は文字画像モードまたは文
字写真混在画像モードとされ、ユーザが必要に応じて文
字写真混在画像モードまたは文字画像モードあるいは写
真画像モードに切り換えることができるものである。
【0022】この例の画像処理装置は、図1に示すよう
に、像域分離部20、変数決定部30、ディジタルフィ
ルタ部40、フィルタ係数生成部50、階調再現制御部
60、階調再現制御係数生成部70、パターン生成部8
0、パターン付加部90、パターン付加係数生成部10
0、スイッチ111,112、誤差拡散部120を有す
る二値化処理部130、および誤差付加係数生成部14
0を備えるとともに、制御系およびユーザインタフェー
スとして、CPU200、ROM210、RAM22
0、操作部230および表示部240を備える。
【0023】CPU200は、後述するように像域分離
部20などの各部を制御し、または各部にデータをロー
ドするものであり、ROM210は、CPU200が実
行すべき制御プログラムなどが書き込まれたものであ
り、RAM220は、CPU200のワークエリアとし
て用いられるものである。
【0024】操作部230は、上述した各モードを選択
するボタンないしスイッチや、コピー開始ボタンなどを
有し、ユーザが所望の機能を選択して、その実行を指示
するものであり、表示部240は、複写機の動作状況を
表示するものである。
【0025】入力端子10には、画像読取装置において
原稿が、たとえばCCD(固体撮像素子)からなるライ
ンセンサ(イメージスキャナ)により、たとえば400
dpi(400ドット/1インチ)の解像度で読み取ら
れることによって得られたアナログ入力画像信号がディ
ジタルデータに変換されて得られる、この例では8ビッ
ト256階調の入力画像データDiが入力される。
【0026】像域分離部20においては、この入力端子
10に得られた入力画像データDiから、入力画像の文
字領域、写真領域および網点領域が画素単位で分離判定
されるとともに、その判定結果に同期した画像データが
取り出される。この像域分離部20は、一例として画像
電子学会誌・第20巻・第5号(1991年)に記載さ
れた論文「文字/網点/写真混在画像の2値化表現」に
示されたものと同様の構成にすることができる。
【0027】図2は、その像域分離部20の一例を示
し、入力端子10からの入力画像データDiがウインド
ウ形成回路21に供給されて、ウインドウ形成回路21
から図3に示すような注目画素Pccを中心とする5×
3画素のウインドウ22内の各画素の画像データが取り
出され、これら画像データが像域判定回路23に供給さ
れて、像域判定回路23において図4および図5に示す
像域判定ルーチン24に従って注目画素Pccが文字領
域、写真領域および網点領域のいずれであるかが判定さ
れる。
【0028】すなわち、像域判定回路23においては、
まずステップS1においてウインドウ22内の15画素
の画像データの最大値Dmaxおよび最小値Dminを
検出し、次にステップS2において、その最大値Dma
xと最小値Dminとの差がしきい値T1を超えるか否
かによって、注目画素Pccが網点領域である可能性が
あるか否かを判断する。上述したように画像データが8
ビット256階調の場合、しきい値T1はたとえば20
0前後とされる。
【0029】ステップS2においてDmax−Dmin
>T1であると判断したときには、すなわち注目画素P
ccは網点領域である可能性があると判断したときに
は、次にステップS3に進んでウインドウ22内の15
画素の画像データの平均値を算出し、さらにステップS
4に進んでウインドウ22内の15画素の画像データの
値をその平均値と比較することによってウインドウ22
内の15画素の画像データを仮に二値化する。
【0030】さらに、ステップS5に進んで仮二値化さ
れたデータがウインドウ22内において、図6Aの矢印
で示すように主走査方向(ライン方向)に「0」から
「1」または「1」から「0」に変化する点の数Kh
(図6Aの場合には6)、および図6Bの矢印で示すよ
うに副走査方向(ライン方向と直交する方向)に「0」
から「1」または「1」から「0」に変化する点の数K
v(図6Bの場合には5)を計数し、次にステップS6
においてKh>T2かつKv>T3であるか否かを判断
する。図示した例のようにウインドウ22が5×3画素
の場合、たとえばT2=6,T3=5とされる。
【0031】網点画像では一般に上記の変化点数Khお
よびKvが多くなることから、ステップS6において
は、Kh>T2かつKv>T3であると判断したときに
は注目画素Pccは網点領域であると判断し、Kh≦T
2またはKv≦T3であると判断したときには注目画素
Pccは網点領域でないと判断するが、文字画像中の細
い斜線部分などでも変化点数KhおよびKvが多くな
り、逆に網点画像でも粗い網点部分などでは変化点数K
hおよびKvが少なくなることから、ステップS6にお
ける判断をそのまま注目画素Pccが網点領域であるか
否かの判定結果とすると、判定結果に誤りを生じる。
【0032】すなわち、図7A,Bはそれぞれ文字画像
中の細い斜線部分にみられる画像パターンの5×3画素
の部分を示し、斜線を付した画素は黒画素、付していな
い画素は白画素、×を付した画素はいずれであるかを問
わない画素であるが、ウインドウ22内の画像パターン
がこのようなものであると、Kh≧7かつKv≧6とな
ることによって、上述したようにT2=6,T3=5と
設定された場合には、Kh>T2かつKv>T3となっ
て、ステップS6においては注目画素Pccは網点領域
であると判断されてしまう。
【0033】また、図8A,B,C,Dはそれぞれ網点
画像中の粗い網点部分にみられる画像パターンの5×3
画素の部分を示し、斜線を付した画素は黒画素、付して
いない画素は白画素であるが、ウインドウ22内の画像
パターンがこのようなものであると、Kh=6かつKv
=5となることによって、上述したようにT2=6,T
3=5と設定された場合には、Kh=T2かつKv=T
3となって、ステップS6においては注目画素Pccは
網点領域でないと判断されてしまう。
【0034】そこで、ステップS6においてKh>T2
かつKv>T3であると判断したときには、すなわち注
目画素Pccは網点領域であると判断したときには、次
にステップS7に進んでウインドウ22内の画像パター
ンを図7A,Bに示したような参照画像パターンとパタ
ーンマッチングによって比較して、ウインドウ22内の
画像パターンが参照画像パターンと一致するか否かを判
断し、一致しないと判断したときには、次にステップS
8において最終的に注目画素Pccは網点領域であると
判定する。
【0035】ステップS6においてKh≦T2またはK
v≦T3であると判断したときには、すなわち注目画素
Pccは網点領域でないと判断したときには、次にステ
ップS9に進んでウインドウ22内の画像パターンを図
8A,B,C,Dに示したような参照画像パターンとパ
ターンマッチングによって比較して、ウインドウ22内
の画像パターンが参照画像パターンと一致するか否かを
判断し、一致すると判断したときには、ステップS7に
おいてウインドウ22内の画像パターンが図7A,Bに
示したような参照画像パターンと一致しないと判断した
ときと同様に、次にステップS8において最終的に注目
画素Pccは網点領域であると判定する。
【0036】ステップS2においてDmax−Dmin
≦T1であると判断したとき、すなわち注目画素Pcc
が網点領域である可能性はないと判断したとき、ステッ
プS7においてウインドウ22内の画像パターンが図7
A,Bに示したような参照画像パターンと一致すると判
断したとき、またはステップS9においてウインドウ2
2内の画像パターンが図8A,B,C,Dに示したよう
な参照画像パターンと一致しないと判断したときには、
次にステップS10に進んで上述した最大値Dmaxと
最小値Dminとの差がしきい値T4を超えるか否かを
判断する。上述したように画像データが8ビット256
階調の場合、しきい値T4は30〜50程度とされる。
【0037】そして、ステップS10においてDmax
−Dmin>T4であると判断したときには、次にステ
ップS11において最終的に注目画素Pccは文字領域
であると判定し、ステップS10においてDmax−D
min≦T4であると判断したときには、次にステップ
S12において最終的に注目画素Pccは写真領域であ
ると判定する。
【0038】このように図1および図2に示した像域分
離部20においては、入力画像データDiから入力画像
の文字領域、写真領域および網点領域が画素単位で判定
され、判定結果として、注目画素Pccが網点領域であ
るか否かを示す1ビットの判定出力Daと、注目画素P
ccが網点領域でないと判定したときに写真領域である
か文字領域であるかを示す1ビットの判定出力Dbが得
られる。
【0039】また、その判定結果に同期した入力画像デ
ータ、すなわち注目画素Pccについての入力画像デー
タがウインドウ形成回路21から取り出されて図1に示
したディジタルフィルタ部40に供給される。
【0040】像域分離部20からの判定出力Daおよび
Dbは、さらに変数決定部30に供給されて、変数決定
部30において、注目画素Pccが網点領域に属する度
合いを示す像域分離変数、および注目画素Pccが写真
領域に属する度合いを示す、換言すると注目画素Pcc
が文字領域に属する度合いを示す像域分離変数が決定さ
れる。
【0041】以下、ある画素が網点領域に属する度合い
を示す像域分離変数を網点変数と定義し、ある画素が写
真領域に属する度合いを示す像域分離変数を写真変数と
定義し、注目画素Pccについての網点変数を網点変数
Accとし、注目画素Pccについての写真変数を写真
変数Bccとする。
【0042】変数決定部30は、その基本的な考え方が
前掲の論文に示されているように、像域検出にヒステリ
シスをもたせることによって像域検出をより正しくする
ものである。
【0043】図9は、その変数決定部30の一例を示
し、網点変数決定部分については、像域分離部20から
の判定出力Daが網点変数決定回路31に供給され、網
点変数決定回路31で決定された注目画素Pccについ
ての網点変数Accがバッファメモリ32に書き込ま
れ、バッファメモリ32から読み出された網点変数が網
点変数決定回路31に帰還される。
【0044】図10に示すように、注目画素Pccに対
して主走査方向に1画素先行する画素をPcp、副走査
方向に1ライン先行する画素をPpc、画素Ppcに対
して主走査方向に1画素先行する画素をPppとすると
き、注目画素Pccについての網点変数Accが決定さ
れる時には、画素Pcp,Ppc,Pppについての網
点変数、すなわち画素Pcp,Ppc,Pppがそれぞ
れ注目画素Pccであった時にそれぞれにつき決定され
た網点変数Acp,Apc,Appが、バッファメモリ
32に書き込まれていてバッファメモリ32から読み出
され、網点変数決定回路31においては、後述する変数
決定ルーチンに従って、判定出力Daと、これら網点変
数Acp,Apc,Appとから、注目画素Pccにつ
いての網点変数Accが決定される。
【0045】また、写真変数決定部分については、像域
分離部20からの判定出力Dbがバッファメモリ33に
書き込まれ、バッファメモリ33から読み出された判定
出力および網点変数決定回路31からの注目画素Pcc
についての網点変数Accが写真変数決定回路34に供
給され、写真変数決定回路34で決定された注目画素P
ccについての写真変数Bccがバッファメモリ35に
書き込まれ、バッファメモリ35から読み出された写真
変数が写真変数決定回路34に帰還される。
【0046】バッファメモリ33には、注目画素Pcc
を中心とする図11に示すような3×3画素のウインド
ウ36内の各画素についての判定出力Dbが書き込ま
れ、注目画素Pccについての写真変数Bccが決定さ
れる時には、そのウインドウ36内のすべての画素につ
いての判定出力Dbがバッファメモリ33から読み出さ
れるとともに、注目画素Pccの直前の画素Pcpにつ
いての写真変数、すなわち画素Pcpが注目画素Pcc
であった時に画素Pcpにつき決定された写真変数Bc
pが、バッファメモリ35に書き込まれていてバッファ
メモリ35から読み出され、写真変数決定回路34にお
いては、後述する変数決定ルーチンに従って、網点変数
決定回路31からの網点変数Acc、バッファメモリ3
3からの判定出力Db、およびバッファメモリ35から
の写真変数Bcpから、注目画素Pccについての写真
変数Bccが決定される。
【0047】図12および図13は、網点変数決定回路
31および写真変数決定回路34における変数決定ルー
チン37の一例を示し、まずステップS21において注
目画素Pccまたはこれに対して副走査方向に1ライン
先行する画素Ppcについての判定出力Daが網点領域
であることを示しているか否かを、すなわち像域分離部
20において注目画素Pccと画素Ppcのいずれかが
網点領域であると判定されたか否かを判断する。
【0048】ステップS21において像域分離部20に
おいては注目画素Pccと画素Ppcのいずれかが網点
領域であると判定されたと判断したときには、次にステ
ップS22において注目画素Pccについての網点変数
Accを直前の画素Pcpについての網点変数Acpに
対して一定値Audだけカウントアップしたものとす
る。
【0049】ステップS21において像域分離部20に
おいては注目画素Pccと画素Ppcのいずれも網点領
域でないと判定されたと判断したときには、次にステッ
プS23において注目画素Pccについての網点変数A
ccを直前の画素Pcpについての網点変数Acpに対
して一定値Audだけカウントダウンしたものとする。
【0050】ステップS22またはS23において一定
値Audをカウントアップまたはカウントダウンしたと
きは、次にステップS24において直前ラインの画素P
pc,Pppについての網点変数Apc,Appを用い
て副走査方向に一定のヒステリシス演算を行うことによ
って注目画素Pccについての網点変数Accを算出
し、さらにステップS25に進んで、その網点変数Ac
cを一定範囲内に制限する。すなわち、網点変数Acc
の最小値を0とし、最大値を所定値Amaxとする。一
例として、網点変数Accは4ビットのデータとして出
力され、最大値Amaxが15とされる。
【0051】写真変数Bccの決定については、まずス
テップS25の後のステップS26において網点変数A
ccが0であるか否かを判断し、0であると判断したと
きには、次にステップS27に進んで図9に示したバッ
ファメモリ33に書き込まれた、注目画素Pccを中心
とする図11に示すような3×3画素のウインドウ36
内の各画素についての判定出力Dbから、像域分離部2
0においてはウインドウ36内のいくつか画素が写真領
域であると判定されたかを判断する。
【0052】ステップS27において像域分離部20に
おいてはウインドウ36内のN1以上、たとえば6以上
の画素が写真領域であると判定されたと判断したときに
は、次にステップS28において注目画素Pccについ
ての写真変数Bccとして直前の画素Pcpについての
写真変数Bcpに対して一定値Budをカウントアップ
したものを算出する。
【0053】ステップS27において像域分離部20に
おいてはウインドウ36内のN2以下、たとえば2以下
の画素が写真領域であると判定されたと判断したときに
は、次にステップS29において注目画素Pccについ
ての写真変数Bccとして直前の画素Pcpについての
写真変数Bcpに対して一定値Budをカウントダウン
したものを算出する。
【0054】ステップS28またはS29において上記
のように写真変数Bccを算出したときは、さらにステ
ップS30に進んで、その写真変数Bccを一定範囲内
に制限する。すなわち、写真変数Bccの最小値を0と
し、最大値を所定値Bmaxとする。一例として、写真
変数Bccは4ビットのデータとして出力され、最大値
Bmaxが15とされる。
【0055】ステップS27において像域分離部20に
おいてはウインドウ36内のN1より少なく、N2より
多い数の、たとえば3〜5個の画素が写真領域であると
判定されたと判断したときには、次にステップS31に
おいて注目画素Pccの直前の画素Pcpについての写
真変数Bcpを注目画素Pccについての写真変数Bc
cとする。
【0056】ステップS26において網点変数Accが
0でないと判断したときには、次にステップS32に進
んで注目画素Pccについての写真変数Bccを上記の
最大値Bmaxとする。
【0057】このように図1および図9に示した変数決
定部30においては、像域分離部20からの判定出力D
aおよびDbにもとづいて、入力画像の特徴を段階的な
いし連続的に示す像域分離変数が画素単位で決定され
る。
【0058】図1に示したディジタルフィルタ部40に
おいては、文字写真混在画像モード時には、変数決定部
30からの網点変数Accおよび写真変数Bccにもと
づいて、入力画像データに対するフィルタ特性が段階的
に変えられる。
【0059】図14は、そのディジタルフィルタ部40
および図1に示したフィルタ係数生成部50の一例を示
し、像域分離部20の上述したウインドウ形成回路21
からの8ビットの入力画像データがウインドウ形成回路
41に供給されて、ウインドウ形成回路41から図15
に示すような注目画素Pccを中心とする3×3画素の
ウインドウ42内の各画素の画像データが取り出され、
これら画像データが演算回路43に供給されて、後述す
るようにフィルタ係数生成部50から得られたフィルタ
係数によって係数算出回路44から得られた、ウインド
ウ42内の各画素に対するフィルタ係数がウインドウ4
2内の各画素の画像データに乗算されるとともに、それ
ぞれの乗算結果の総和が求められ、かつその総和の小数
点以下が切り捨てられて、演算回路43から8ビットの
画像データが出力される。
【0060】ウインドウ42内の各画素に対するフィル
タ係数は、図15に対応させて図16に示すように、注
目画素Pccに対するそれをXとすると、注目画素Pc
cに対して空間的にみて真上、真下および真横に位置す
る画素に対するそれがYで示すように同一値とされ、注
目画素Pccに対して空間的にみて左上、右上、左下お
よび右下に位置する画素に対するそれがZで示すように
同一値とされ、かつウインドウ42内のすべての画素に
対するそれの総和X+4(Y+Z)が1とされる。
【0061】フィルタ係数生成部50は、一例としてレ
ジスタ51、係数算出回路52、レジスタ53およびス
イッチ54によって構成され、文字写真混在画像モード
時には、多値出力モード時であるか二値出力モード時で
あるかを問わず、CPU200からレジスタ51に、上
記の係数Y,Zの、それぞれ網点変数Accが最大値A
maxのとき、1のとき、写真変数Bccが最大値Bm
axのとき、0のときにおける値を示す、それぞれ4ビ
ットのデータがロードされ、係数算出回路52におい
て、このレジスタ51からのデータと変数決定部30か
らの網点変数Accおよび写真変数Bccから、係数
Y,Zの、それぞれ網点変数Accが最大値Amaxか
ら1までの各値となるとき、および写真変数Bccが最
大値Bmaxから0までの各値となるときにおける値を
示す、それぞれ4ビットのデータが算出され、CPU2
00からの制御信号CONTによりスイッチ54が係数
算出回路52側に切り換えられることによって、この係
数算出回路52からのデータがフィルタ係数生成部50
の出力として取り出される。
【0062】そして、ディジタルフィルタ部40の係数
算出回路44においては、このフィルタ係数生成部50
からの係数Y,Zを示すデータとX+4(Y+Z)=1
の算式から、図16に示した係数X,Y,Zの、それぞ
れ網点変数Accが最大値Amaxから1までの各値と
なるとき、および写真変数Bccが最大値Bmaxから
0までの各値となるときにおける値を示す、それぞれ4
ビットのデータが得られる。
【0063】ここで、係数X,Y,Zは、X+4(Y+
Z)=1という条件のもとで、網点変数Accおよび写
真変数Bccに対して、図17に示すように、網点変数
Accが1以上であるとき、すなわち注目画素Pccが
網点領域である可能性があるときには、網点変数Acc
に応じて、網点変数Accが最大値Amaxのときには
平滑化を最も強くし、網点変数Accが1のときには平
滑化を最も弱くするようなフィルタ係数とされ、網点変
数Accが0のとき、すなわち注目画素Pccが写真領
域または文字領域であるときには、写真変数Bccに応
じて、写真変数Bccが最大値Bmaxのときには高域
強調をせず、写真変数Bccが0のときには高域強調を
最も強くするようなフィルタ係数とされる。
【0064】このように図1および図14に示したディ
ジタルフィルタ部40においては、変数決定部30から
の網点変数Accおよび写真変数Bccにもとづいて、
注目画素Pccが網点領域に属するときには、その度合
いに応じて入力画像データの平滑化処理がなされるとと
もに、注目画素Pccが文字領域に属するときには、そ
の度合いに応じて入力画像データの高域強調処理がなさ
れる。
【0065】なお、図1に示した例は後述するように二
値出力モード時の文字写真混在画像モード時には誤差拡
散法が用いられるが、誤差拡散法は周知のように、文字
領域での解像度の劣化、および写真領域での縞模様の発
生、という問題点がある。また、網点領域では、スキャ
ナのサンプリング周波数と網点周波数の干渉によるモア
レが発生する。
【0066】しかし、図1および図14に示した例にお
いては、文字写真混在画像モード時、入力画像の網点領
域ではディジタルフィルタ部40が平滑フィルタとされ
ることによってモアレの発生が抑えられるとともに、入
力画像の文字領域ではディジタルフィルタ部40が高域
強調フィルタとされることによって解像度の劣化が抑え
られる。写真領域での縞模様の発生は、後述するように
ディザ法が組み合わせられることによって抑えられる。
【0067】文字画像モード時または写真画像モード時
には、多値出力モード時であるか二値出力モード時であ
るかを問わず、CPU200からレジスタ53に上記の
係数Y,Zとして、それぞれディジタルフィルタ部40
を文字画像または写真画像に最適なフィルタ特性とする
値を付与する、それぞれ4ビットのデータがロードさ
れ、CPU200からの制御信号CONTによりスイッ
チ54がレジスタ53側に切り換えられることによっ
て、このレジスタ53からのデータがフィルタ係数生成
部50の出力として取り出され、ディジタルフィルタ部
40の係数算出回路44において、このフィルタ係数生
成部50からの係数Y,Zを示すデータとX+4(Y+
Z)=1の算式から、図16に示した係数X,Y,Z
の、それぞれディジタルフィルタ部40を文字画像また
は写真画像に最適なフィルタ特性とする値を示す、それ
ぞれ4ビットのデータが得られる。
【0068】すなわち、文字画像モード時または写真画
像モード時には、変数決定部30からの網点変数Acc
および写真変数Bccにもとづくことなく、CPU20
0からレジスタ53にロードされるデータにもとづい
て、ディジタルフィルタ部40は文字画像または写真画
像に最適なフィルタ特性とされる。
【0069】ディジタルフィルタ部40からの8ビット
の画像データは、この発明の画像処理装置の要部の一つ
である階調再現制御部60に供給されて、文字写真混在
画像モード時には、変数決定部30からの網点変数Ac
cおよび写真変数Bccにもとづいて、その画像データ
に対する階調再現特性が段階的に変えられる。
【0070】図18は、その階調再現制御部60および
図1に示した階調再現制御係数生成部70の一例を示
す。以下においては、階調再現制御をTRCと呼ぶこと
によって、階調再現制御部60をTRC部60、階調再
現制御係数をTRC係数、階調再現制御係数生成部70
をTRC係数生成部70と、それぞれ略称する。
【0071】TRC部60は、たとえば、それぞれディ
ジタルフィルタ部40からの8ビットの画像データによ
ってアクセスされる、それぞれ256×8ビットのRA
M構成の、階調変換用の2個のルックアップテーブル
(以下、LUTと称する)61,62を有し、そのLU
T61,62からのそれぞれ8ビットの画像データが乗
算回路63,64に供給されて、LUT61,62から
の画像データに対して後述するようにTRC係数生成部
70から得られたTRC係数Kt,1−Ktが乗算さ
れ、それぞれの乗算結果の画像データが加算回路65に
供給されて互いに加算されるとともに、その小数点以下
が切り捨てられて、加算回路65から階調変換後の8ビ
ットの出力画像データが得られる。
【0072】ここで、文字写真混在画像モード時には、
CPU200からLUT61に文字画像用のコントラス
トを強調する階調再現特性の変換データがロードされる
とともに、CPU200からLUT62に写真画像用の
中間調を十分に再現する階調再現特性の変換データがロ
ードされる。ただし、多値出力モード時と二値出力モー
ド時とでは、そのロードされる変換データが変えられ
る。
【0073】TRC係数生成部70は、一例としてレジ
スタ71および選択回路72によって構成され、レジス
タ71にはCPU200から、たとえば図19に示すよ
うにTRC係数Ktまたは1−Ktをそれぞれ0,1/
8,2/8,3/8,4/8,5/8,6/8,7/
8,1とするような、それぞれ4ビットのデータがロー
ドされ、文字写真混在画像モード時には、多値出力モー
ド時であるか二値出力モード時であるかを問わず、CP
U200からの制御信号CONTによって選択回路72
からは、このレジスタ71からのデータのうちの変数決
定部30からの網点変数Accおよび写真変数Bccに
応じたものが、TRC係数Ktおよび1−Ktとして取
り出される。
【0074】すなわち、文字写真混在画像モード時に
は、回20に示すように、網点変数Accが1以上であ
るとき、すなわち注目画素Pccが網点領域である可能
性があるときには、Kt=0,1−Kt=1とされ、網
点変数Accが0のとき、すなわち注目画素Pccが写
真領域または文字領域であるときには、写真変数Bcc
に応じて、写真変数Bccが最大値Bmaxのときには
Kt=0,1−Kt=1とされ、写真変数Bccが0の
ときにはKt=1,1−Kt=0とされ、写真変数Bc
cが最大値Bmaxと0の間のときにはTRC係数Kt
および1−KtがKt=0(1−Kt=1)とKt=1
(1−Kt=0)の間で写真変数Bccに応じて1/8
のステップで直線的に変えられる。
【0075】したがって、TRC部60においては、文
字写真混在画像モード時には、LUT61からの文字画
像用のコントラストを強調する階調再現特性の画像デー
タとLUT62からの写真画像用の中間調を十分に再現
する階調再現特性の画像データが、注目画素Pccが文
字領域に属する度合いに応じた混合比Kt:1−Ktで
混合されて出力され、入力画像データに対する階調再現
特性が入力画像の特徴に応じて段階的に画素単位で変え
られる。
【0076】なお、図18に示した例においては、CP
U200からTRC係数生成部70のレジスタ71にロ
ードされるデータの内容が図19に示したものとは変え
られることによって、注目画素Pccが文字領域または
写真領域であるときにおけるLUT61からの画像デー
タとLUT62からの画像データとの混合比Kt:1−
Ktを、写真変数Bccに対して、すなわち注目画素P
ccが文字領域に属する度合いに対して非直線的に変化
させることもできる。
【0077】文字画像モード時には、CPU200から
LUT61にのみ、文字画像用のコントラストを強調す
る階調再現特性の画像データがロードされるとともに、
TRC係数生成部70の選択回路72からは、CPU2
00からの制御信号CONTによって、Kt=1,1−
Kt=0とするデータが取り出されて、TRC部60か
らはLUT61からの文字画像用の階調再現特性の画像
データがそのまま出力される。
【0078】写真画像モード時には、CPU200から
LUT61にのみ、写真画像用の中間調を十分に再現す
る階調再現特性の画像データがロードされるとともに、
文字画像モード時と同様にKt=1,1−Kt=0とさ
れて、TRC部60からはLUT61からの写真画像用
の階調再現特性の画像データがそのまま出力される。
【0079】図1に示したパターン生成部80、パター
ン付加部90およびパターン付加係数生成部100は、
この発明の画像処理装置の要部の一つで、多値出力モー
ド時の文字写真混在画像モード時には、変数決定部30
からの網点変数Accおよび写真変数Bccにもとづい
て段階的に強度が変えられる、出力線数を低線数とする
万線スクリーンパターンのデータを生成してCRC部6
0からの画像データに付加し、二値出力モード時の文字
写真混在画像モード時には、変数決定部30からの網点
変数Accおよび写真変数Bccにもとづいて段階的に
強度が変えられる、誤差拡散法と組み合わせられること
によって疑似階調化処理をするディザ法におけるディザ
マトリクスパターンのデータを生成してCRC部60か
らの画像データに付加するものである。
【0080】図21は、そのパターン生成部80、パタ
ーン付加部90およびパターン付加係数生成部100の
一例を示し、パターン生成部80は、たとえば図22に
示すような8×8画素(8×8ドット)の領域について
の単位パターンデータが格納されるレジスタ81を有
し、これにCPU200から、多値出力モード時の文字
写真混在画像モード時には後述するような万線スクリー
ンパターンデータがロードされ、二値出力モード時の文
字写真混在画像モード時にはディザマトリクスパターン
データがロードされる。パターンデータは、画像データ
と同様に8ビットデータである。
【0081】レジスタ81にロードされた単位パターン
データは、万線スクリーンまたはディザマトリクスの単
位パターンが出力画像中において主走査方向および副走
査方向に繰り返し展開されるように繰り返して読み出さ
れ、そのレジスタ81からのパターンデータが減算回路
82に供給されて、レジスタ81からのパターンデータ
からパターン生成部80内で生成された10進数表示で
128(16進数表示で「80」)の値のデータDcが
減算され、減算回路82からのパターンデータが乗算回
路83に供給されて、減算回路82からのパターンデー
タに対して後述するようにパターン付加係数生成部10
0から得られたパターン付加係数Kpが乗算される。
【0082】パターン付加部90においては、加算回路
91においてTRC部60からの8ビットの画像データ
に対してスイッチ92を通じて取り出されたパターン生
成部80からのパターンデータが加算されるとともに、
その加算結果が10進法表示で0から255までの値の
8ビットの画像データとして出力される。ただし、文字
画像モード時および写真画像モード時には、CPU20
0からの制御信号CONTによってスイッチ92がオフ
にされてパターンデータは付加されない。
【0083】パターン付加係数生成部100は、一例と
してレジスタ101、係数算出回路102およびスイッ
チ103によって構成され、文字写真混在画像モード時
には、レジスタ101にはCPU200から、パターン
付加係数Kpをたとえば1,7/8,6/8,5/8,
4/8,3/8,2/8,1/8,0のいずれかとする
4ビットのデータがロードされるとともに、係数算出回
路102においては、変数決定部30からの網点変数A
ccおよび写真変数Bccから、網点変数Accが0の
とき、すなわち注目画素Pccが写真領域または文字領
域であるときにおいて、図23に示すように写真変数B
ccに応じて、写真変数Bccが最大値Bmaxのとき
にはKp=1とし、写真変数Bccが0のときにはKp
=0とし、写真変数Bccが最大値Bmaxと0の間の
ときにはKp=1とKp=0の間でパターン付加係数K
pを1/15のステップで直線的に変えるような4ビッ
トのデータが算出される。
【0084】そして、網点変数Accが1以上であると
き、すなわ注目画素Pccが網点領域である可能性があ
るときには、その網点変数Accを示すデータによって
スイッチ103がレジスタ101側に切り換えられて、
レジスタ101からのデータによってパターン付加係数
Kpが図23に示すように1,7/8,6/8,5/
8,4/8,3/8,2/8,1/8,0のいずれかに
固定され、網点変数Accが0のとき、すなわち注目画
素Pccが写真領域または文字領域であるときには、そ
の網点変数Accを示すデータによってスイッチ103
が係数算出回路102側に切り換えられて、上述したよ
うに写真変数Bccに応じてパターン付加係数Kpが1
から0までの間で1/15のステップで変えられる。
【0085】したがって、パターン生成部80およびパ
ターン付加部90においては、文字写真混在画像モード
時で、注目画素Pccが網点領域である可能性があると
きには、レジスタ81から得られて128の値が減じら
れたパターンデータに対して固定の係数が乗じられたも
のがTRC部60からの画像データに加えられ、注目画
素Pccが写真領域または文字領域であるときには、レ
ジスタ81から得られて128の値が減じられたパター
ンデータに対して注目画素Pccが写真領域に属する度
合いに応じて段階的に変えられた係数が乗じられたもの
がTRC部60からの画像データに加えられる。
【0086】パターン付加部90からの、多値出力モー
ド時の文字写真混在画像モード時には後述するような万
線スクリーンパターンデータが付加された8ビットの画
像データは、多値出力モード時には図1に示したスイッ
チ111および112がそれぞれスイッチ112および
111側に切り換えられることによって、多値出力モー
ド時の文字写真混在画像モード時には画像処理装置の出
力端子150にそのまま取り出される。そして、この画
像処理装置の出力端子150に得られた出力画像データ
Doは、図1には示していないが画像出力装置(画像記
録装置)の入力部であるレーザ制御信号生成部に供給さ
れる。
【0087】図24は、そのレーザ制御信号生成部の一
例を示し、レーザ制御信号生成部300は、出力端子1
50からの8ビットの出力画像データDoをアナログ信
号に変換して出力画像信号Aoを得るD/Aコンバータ
301、ライン同期信号(1ライン周期のクロック)H
Sおよび画素クロック(1画素周期のクロック)PCに
同期して1画素周期の三角波信号Saが得られる三角波
発生回路302、ライン同期信号Hsおよび画素クロッ
クPCに同期して三角波信号Saの1/2の周波数の三
角波信号Scが得られる三角波発生回路303、三角波
発生回路302からの三角波信号Saと三角波発生回路
303からの三角波信号Scのいずれかを選択して取り
出すスイッチ304、およびD/Aコンバータ301か
らの出力画像信号Aoをスイッチ304からの三角波信
号SaまたはScと比較して画像出力装置の記録用レー
ザをオンオフ制御するレーザ制御信号Lcを得るコンパ
レータ305によって構成され、多値出力モード時の文
字写真混在画像モード時、文字画像モード時および二値
出力モード時にはスイッチ304が三角波発生回路30
2側に切り換えられ、多値出力モード時の写真画像モー
ド時にはスイッチ304が三角波発生回路303側に切
り換えられる。
【0088】したがって、多値出力モード時の、図1お
よび図21に示したパターン生成部80およびパターン
付加部90においてパターンデータが生成付加されない
文字画像モード時には、TRC部60からパターン付加
部90およびスイッチ111,112を通じて出力画像
データDoとしてレーザ制御信号生成部300に供給さ
れた画像データがレーザ制御信号生成部300のD/A
コンバータ301によりアナログ信号に変換されて得ら
れた、図26に示すような出力画像信号Aoaが、コン
パレータ305により三角波発生回路302からの1画
素周期の三角波信号Saと比較されて、コンパレータ3
05からはレーザ制御信号Lcとして同図に示すように
各画素期間ごとにレーザをオンとするような信号Lca
が得られ、出力画像の解像度が400ドット/1インチ
であるとすると、出力画像には同図の斜線部1で示すよ
うに400線/1インチの万線スクリーンが形成され
る。
【0089】これに対して、多値出力モード時の文字写
真混在画像モード時には、CPU200からパターン生
成部80のレジスタ81に万線スクリーンパターンデー
タがロードされ、パターン付加部90においてTRC部
60からの画像データに対して万線スクリーンパターン
データが付加される。
【0090】そして、この例においては、そのレジスタ
81にロードされる、8×8画素(8×8ドット)の領
域についての万線スクリーンパターンデータが、図25
に示すように、主走査方向の1つおきの画素については
16進数表示で「70」(10進数表示で112)のデ
ータ値となり、他の1つおきの画素については16進数
表示で「90」(10進数表示で144)のデータ値と
なるものとされる。
【0091】したがって、パターン生成部80の減算回
路82からの万線スクリーンパターンデータは、主走査
方向の1つおきの画素では10進数表示で112−12
8=−16の値となり、他の1つおきの画素では10進
数表示で144−128=+16の値となって、パター
ン付加係数Kpを1とし、かつそのパターン生成部80
からの万線スクリーンパターンデータがTRC部60か
らの画像データに付加されることなく画像処理装置の出
力画像データDoとしてレーザ制御信号生成部300に
供給されるとすると、レーザ制御信号生成部300のコ
ンパレータ305においては図27に示すような信号A
oxが三角形発生回路302からの1画素周期の三角波
信号Saと比較されて、コンパレータ305からはレー
ザ制御信号Lcとして同図に示すように1つおきの画素
期間においてレーザをオンとするような信号Lcxが得
られ、出力画像には同図の斜線部2で示すように200
線/1インチの万線スクリーンが形成されることにな
る。
【0092】すなわち、多値出力モード時の文字写真混
在画像モード時には、パターン生成部80およびパター
ン付加部90においては出力画像に200線/1インチ
の万線スクリーンを形成するパターンデータが生成され
てTRC部60からの画像データに付加され、しかも、
注目画素Pccが網点領域である可能性があるときに
は、パターン付加係数Kpが一定値に固定されることに
よって、その200線/1インチの万線スクリーンの強
さ(万線の線幅)が一定となり、注目画素Pccが写真
領域または文字領域であるときには、注目画素Pccが
写真領域に属する度合いに応じてパターン付加係数Kp
が1から0までの間で段階的に変えられることによっ
て、その200線/1インチの万線スクリーンの強さが
最大値からゼロまでの間で段階的に変えられる。
【0093】実際には、パターン生成部80からの万線
スクリーンパターンデータがパターン付加部90におい
てTRC部60からの画像データに付加されるので、図
26に示したTRC部60からの画像データがアナログ
信号に変換されて得られる出力画像信号Aoaが三角波
信号Saと比較されることによる400線/1インチの
万線スクリーン1に対して、図27に示したパターン生
成部80からの万線スクリーンパターンデータがアナロ
グ信号に変換されて得られる信号Aoxが三角波信号S
aと比較されることによる200線/1インチの万線ス
クリーン2が重畳されることになる。
【0094】図28は、その状態を示し、出力画像信号
AobはTRC部60からの画像データに対してパター
ン生成部80からの万線スクリーンパターンデータが付
加された出力画像データDoがアナログ信号に変換され
たものであり、レーザ制御信号Lcbはその出力画像信
号Aobが三角波信号Saと比較されて得られたもので
あり、斜線部3はそのレーザ制御信号Lcbによる、4
00線/1インチの万線スクリーンに対して200線/
1インチの万線スクリーンが重畳された状態の万線スク
リーンである。
【0095】上述したようにレジスタ81にロードされ
る万線スクリーンパターンデータが図25に示したもの
とされ、減算回路82においてレジスタ81からのパタ
ーンデータから10進数表示で128(16進数表示で
「80」)の値のデータDcが減算される場合には、パ
ターン生成部80からパターン付加部90に供給される
万線スクリーンパターンデータが主走査方向の1つおき
の画素と他の1つおきの画素とで絶対値が等しく符号の
異なる値となるので、TRC部60からの画像データに
対して万線スクリーンパターンデータが付加されること
によって画像処理装置の出力画像データDoの平均値、
すなわち出力画像信号Aoの直流レベルが変化してしま
うことがない。
【0096】多値出力モード時の文字画像モード時に
は、上述したように万線スクリーンパターンデータが生
成付加されず、図26に示したように出力画像には40
0線/1インチの万線スクリーン1が形成される。
【0097】多値出力モード時の写真画像モード時に
は、上述したように万線スクリーンパターンデータが生
成付加されず、TRC部60からの画像データそのもの
とされた出力画像データDoがレーザ制御信号生成部3
00のD/Aコンバータ301によりアナログ信号に変
換されて得られた図29に示すような出力画像信号Ao
cが、コンパレータ305により三角波発生回路303
からの2画素周期を1周期とする三角波信号Scと比較
されて、コンパレータ305からはレーザ制御信号Lc
として同図に示すように隣り合う2画素期間にまたがっ
てレーザをオンとするような信号Lccが得られ、出力
画像には同図の斜線部4で示すように写真画像に最適な
形態の200線/1インチの万線スクリーンが形成され
る。
【0098】二値出力モード時の文字写真混在画像モー
ド時には、図示していないがレジスタ81には8×8画
素(8×8ドット)の領域についてのディザマトリクス
パターンデータがロードされ、パターン付加部90にお
いてTRC部60からの画像データに対してパターン生
成部80からのディザマトリクスパターンデータが付加
される。
【0099】二値出力モード時の写真画像モード時に
は、同様にレジスタ81にディザマトリクスパターンデ
ータがロードされるとともに、CPU200からパター
ン付加係数生成部100のレジスタ101にパターン付
加係数Kpを1とする4ビットのデータがロードされ、
CPU200からの制御信号CONTによってスイッチ
103がレジスタ101側に切り換えられて、そのレジ
スタ101からのデータによってパターン付加係数Kp
が1に固定され、パターン付加部90においてTRC部
60からの画像データに対してパターン生成部80から
のディザマトリクスパターンデータが付加される。
【0100】二値出力モード時の文字画像モード時に
は、ディザマトリクスパターンデータは生成付加されな
い。
【0101】二値出力モード時には、図1に示したスイ
ッチ111および112がそれぞれ二値化処理部130
側に切り換えられてパターン付加部90からの画像デー
タが二値化され、その二値化された画像データが出力画
像データDoとして出力端子150に取り出される。そ
して、二値出力モード時の文字写真混在画像モード時ま
たは写真画像モード時には、その二値化にあたって誤差
拡散部120において上述したパターン生成部80、パ
ターン付加部90およびパターン付加係数生成部100
におけるディザ法と組み合わせられる誤差拡散法が実施
されて、画像データに対する疑似階調化処理がなされ
る。
【0102】図30は、その二値化処理部130の一例
を示し、二値化処理部130は、スイッチ131〜13
3、二値化回路134および誤差拡散部120によって
構成され、二値出力モード時の文字画像モード時には、
スイッチ131および132がそれぞれスイッチ132
および131側に切り換えられ、スイッチ133がオフ
とされて、パターン付加部90およびスイッチ111を
通じたTRC部60からの画像データがスイッチ131
および132を通じて二値化回路134に供給されて、
基準値のデータDthと比較されることによって二値化
され、すなわち、たとえばTRC部60からの画像デー
タの値が128以上のときには255の値とされ、TR
C部60からの画像データの値が127以下のときには
0とされた画像データに変換され、その二値化された画
像データがスイッチ112を通じて出力画像データDo
として出力端子150に取り出される。
【0103】二値出力モード時の文字写真混在画像モー
ド時には、スイッチ131および132がそれぞれ誤差
拡散部120の加算回路121側に切り換えられ、スイ
ッチ133がオンとされて、誤差拡散部120において
誤差拡散法が実施される。この誤差拡散法による疑似階
調化処理は、基本的に前掲の論文や特開平4−4007
1号公報に示されたものと同じである。
【0104】すなわち、文字写真混在画像モード時に
は、スイッチ111を通じたパターン付加部90から
の、ディザマトリクスパターンデータが付加された画像
データがスイッチ131を通じて加算回路121に供給
されて、パターン付加部90からの画像データに対して
後述するように乗算回路122から得られた補正データ
が加算され、その加算結果の画像データがスイッチ13
2を通じて二値化回路134に供給されて二値化され、
その二値化された画像データがスイッチ133を通じて
誤差演算回路123に供給されるとともに、二値化回路
134に供給される二値化前の画像データが誤差演算回
路123に供給されて、誤差演算回路123において二
値化誤差が計算され、その計算結果の誤差データが注目
画素Pccに対する誤差データとしてバッファメモリ1
24に書き込まれる。
【0105】バッファメモリ124からは注目画素Pc
cの近傍の画素についての誤差データ、すなわち近傍の
画素がそれぞれ注目画素Pccであった時にそれぞれに
つき計算されてバッファメモリ124に書き込まれた誤
差データが読み出され、その読み出された誤差データが
重み付け誤差総和演算回路125に供給されて、誤差デ
ータに対して、それぞれの近傍画素に応じた、総和が1
となる重み付け係数が乗算されるとともに、それぞれの
乗算結果の総和が求められ、その総和の誤差データが乗
算回路122に供給されて、総和の誤差データに対して
後述するように誤差付加係数生成部140から得られた
誤差付加係数Keが乗算され、その乗算結果のデータが
上述したように補正データとして加算回路121に供給
される。
【0106】誤差付加係数生成部140においては、変
数決定部30からの網点変数Accおよび写真変数Bc
cから、たとえば図31に示すように、網点変数Acc
が1以上であるとき、すなわち注目画素Pccが網点領
域である可能性があるときにはKe=1とし、網点変数
Accが0のとき、すなわち注目画素Pccが写真領域
または文字領域であるときには、写真変数Bccに応じ
て、写真変数Bccが最大値BmaxのときにはKe=
1とし、写真変数Bccが0のときにはKe=0とし、
写真変数Bccが最大値Bmaxと0の間のときにはK
eを1と0の間で1/15のステップで変化させるデー
タが決定または算出される。
【0107】このように文字写真混在画像モード時、注
目画素Pccが文字領域に属する度合いに応じて誤差拡
散における誤差フィードバック量が制限されることによ
って、上述したように文字写真混在画像モード時には注
目画素Pccが文字領域に属する度合いに応じてディジ
タルフィルタ部40において高域強調処理がなされるこ
とと相まって、誤差拡散法による場合の文字領域での解
像度の劣化が抑えられる。
【0108】写真画像モード時には、変数決定部30か
らの網点変数Accおよび写真変数Bccにもとづくこ
となく、CPU200からの制御信号CONTによって
誤差付加係数生成部140からは誤差付加係数Keを1
とするデータが得られ、誤差拡散部120における誤差
フィードバック量が最大とされる。
【0109】上述した例によれば、多値出力モード時の
文字写真混在画像モード時においては、TRC部60に
おいてLUT61からの文字画像用のコントラストを強
調する階調再現特性の画像データとLUT62からの写
真画像用の中間調を十分に再現する階調再現特性の画像
データが、変数決定部30からの網点変数Accおよび
写真変数Bccにもとづいて入力画像の注目画素Pcc
が文字領域に属する度合いに応じた混合比Kt:1−K
tで混合されて、入力画像データに対する階調再現特性
が入力画像の特徴に応じて段階的に画素単位で変えられ
るので、一方で、完全な文字領域ではコントラストを強
調する階調再現がなされ、完全な写真領域では中間調を
十分に再現する階調再現がなされ、文字画像と写真画像
の間の性質を有する領域では、それに応じた階調再現が
なされるというように、それぞれの領域の性質に応じた
適切な階調再現がなされるとともに、他方で、入力画像
の隣接する2つの画素が本来は同一種類の画像領域であ
るにもかかわらず、その種別の判定に誤りを生じて異な
る種類の画像領域と判定されたときでも、その隣接する
2つの画素の間でまったく異なる階調再現がなされるこ
とがなく、出力画像中で人の目にはっきりわかる画質欠
陥を生じることがない。
【0110】また、二値出力モード時の文字写真混在画
像モード時においても、TRC部60において多値出力
モード時の文字写真混在画像モード時と同様の段階的な
階調再現制御がなされるとともに、パターン生成部8
0、パターン付加部90および二値化処理部130にお
いて変数決定部30からの網点変数Accおよび写真変
数Bccにもとづいて、入力画像の注目画素Pccが写
真領域に属する度合いに応じてディザ法および誤差拡散
法による疑似階調化処理が段階的に制御されるので、文
字画像と写真画像の間の性質を有する領域に出力画像中
で人の目にはっきりわかる境界を生じてしまうことがな
い。
【0111】さらに、上述した例によれば、多値出力モ
ード時の文字写真混在画像モード時においては、パター
ン生成部80およびパターン付加部90において変数決
定部30からの網点変数Accおよび写真変数Bccに
もとづいて、入力画像の注目画素Pccが写真領域に属
する度合いに応じて段階的に強度が変えられる出力線数
が200線/1インチという低線数の万線スクリーンパ
ターンのデータが生成されて画像データに付加されるの
で、一方で、完全な文字領域ではレーザ制御信号生成部
300において出力画像データDoがアナログ信号に変
換されて得られる出力画像信号Aoaが三角波信号Sa
と比較されることによる出力線数が400線/1インチ
という高線数の万線スクリーン1が形成され、完全な写
真領域ではその400線/1インチの万線スクリーン1
に対して200線/1インチの万線スクリーン2が最大
強度で重畳されて形成され、文字画像と写真画像の間の
性質を有する領域では400線/1インチの万線スクリ
ーン1に対して200線/1インチの万線スクリーン2
が中間の強度で重畳されて形成されるというように、そ
れぞれの領域の性質に応じた適切な線数態様の万線スク
リーンが形成されるとともに、他方で、入力画像の隣接
する2つの画素が本来は同一種類の画像領域であるにも
かかわらず、その種別の判定に誤りを生じて異なる種類
の画像領域と判定されたときでも、その隣接する2つの
画素の間でまったく異なる線数態様の万線スクリーンが
形成されることがなく、出力画像中で人の目にはっきり
わかる画質欠陥を生じることがない。
【0112】像域分離部20および変数決定部30の構
成およびルーチンは、上述した具体例と変えることがで
きる。また、像域分離部20および変数決定部30にお
いては画像領域の分離判定および像域分離変数の決定
が、たとえば4×4画素というような画素ブロック単位
でなされるようにしてもよい。
【0113】その他の部分の構成も、上述した具体例と
変えることができる。ディジタル複写機のモードとして
も、上述した各種モードをすべてとりうるようにする必
要はない。また、この発明はディジタル複写機に限ら
ず、ファクシミリやプリンタなどの画像処理装置にも適
用することができる。
【0114】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、多
値出力のディジタル複写機などにおいて階調再現処理ま
たは万線スクリーン処理をする場合において、出力画像
中で人の目にはっきりわかる画質欠陥を生じることがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像処理装置の一例を示すブロック
図である。
【図2】像域分離部の一例を示すブロック図である。
【図3】像域分離部で形成されるウインドウの一例を示
す図である。
【図4】像域分離部における像域判定ルーチンの一例の
一部を示すフローチャートである。
【図5】その続きを示すフローチャートである。
【図6】像域判定ルーチンにおいて計数される仮二値化
されたデータの変化点数を説明するための図である。
【図7】像域判定に用いられる参照画像パターンを示す
図である。
【図8】像域判定に用いられる参照画像パターンを示す
図である。
【図9】変数決定部の一例を示すブロック図である。
【図10】像域分離変数の決定に用いられる画素を示す
図である。
【図11】像域分離変数の決定に用いられる画素を示す
図である。
【図12】変数決定部における変数決定ルーチンの一例
の一部を示すフローチャートである。
【図13】その続きを示すフローチャートである。
【図14】ディジタルフィルタ部およびフィルタ係数生
成部の一例を示すブロック図である。
【図15】ディジタルフィルタ部で形成されるウインド
ウの一例を示す図である。
【図16】フィルタ係数の説明に供する図である。
【図17】像域分離変数とフィルタ係数との関係の一例
を示す図である。
【図18】階調再現制御部および階調再現制御係数生成
部の一例を示すブロック図である。
【図19】階調再現制御係数の生成の説明に供する図で
ある。
【図20】像域分離変数と階調再現制御係数との関係の
一例を示す図である。
【図21】パターン生成部、パターン付加部およびパタ
ーン付加係数生成部の一例を示すブロック図である。
【図22】単位パターンの説明に供する図である。
【図23】像域分離変数とパターン付加係数との関係の
一例を示す図である。
【図24】レーザ制御信号生成部の一例を示す図であ
る。
【図25】万線スクリーンパターンデータの一例を示す
図である。
【図26】多値出力モード時の文字画像モード時に40
0線/1インチの万線スクリーンが形成される様子を示
す図である。
【図27】万線スクリーンパターンデータにより200
線/1インチの万線スクリーンが形成される様子を示す
図である。
【図28】万線スクリーンパターンデータが画像データ
に付加されたときに形成される万線スクリーンの態様を
示す図である。
【図29】多値出力モード時の写真画像モード時に20
0線/1インチの万線スクリーンが形成される様子を示
す図である。
【図30】二値化処理部の一例を示すブロック図であ
る。
【図31】像域分離変数と誤差付加係数との関係の一例
を示す図である。
【符号の説明】
20 像域分離部 30 変数決定部 60 階調再現制御部 61,62 ルックアップテーブル 63〜65 画像データ混合出力部 70 階調再現制御係数生成部(混合比決定部) 80 パターン生成部 90 パターン付加部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力画像データから入力画像の文字領域、
    写真領域および網点領域を分離判定する像域分離部と、 この像域分離部での判定結果にもとづいて、入力画像の
    特徴を段階的または連続的に示す像域分離変数を決定す
    る変数決定部と、 この変数決定部で決定された像域分離変数にもとづい
    て、入力画像データに対する階調再現特性を段階的また
    は連続的に変化させる階調再現制御系と、 を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】入力画像データから入力画像の文字領域、
    写真領域および網点領域を分離判定する像域分離部と、 この像域分離部での判定結果にもとづいて、入力画像の
    特徴を段階的または連続的に示す像域分離変数を決定す
    る変数決定部と、 階調変換を行うための複数のルックアップテーブルと、 上記変数決定部で決定された像域分離変数にもとづい
    て、上記複数のルックアップテーブルからの画像データ
    の混合比を決定する混合比決定部と、 上記複数のルックアップテーブルからの画像データを上
    記混合比決定部で決定された混合比で混合して出力する
    画像データ混合出力部と、 を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】複数のルックアップテーブルが、文字画像
    用ルックアップテーブルと写真画像用ルックアップテー
    ブルとからなることを特徴とする請求項2に記載の画像
    処理装置。
  4. 【請求項4】入力画像データから入力画像の文字領域、
    写真領域および網点領域を分離判定する像域分離部と、 この像域分離部での判定結果にもとづいて、入力画像の
    特徴を段階的または連続的に示す像域分離変数を決定す
    る変数決定部と、 この変数決定部で決定された像域分離変数にもとづいて
    段階的または連続的に強度を変化させた万線スクリーン
    パターンのデータを生成するパターン生成部と、 入力画像データに対して上記パターン生成部からの万線
    スクリーンパターンデータを付加するパターン付加部
    と、 を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013008536A1 (ja) 2011-07-12 2013-01-17 富士フイルム株式会社 分版条件決定装置、方法及び記憶媒体

Cited By (2)

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US9767397B2 (en) 2011-07-12 2017-09-19 Fujifilm Corporation Color separation condition determining apparatus, method and non-transitory storage medium

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