JPH0864413A - 超電導コイル用巻線装置 - Google Patents

超電導コイル用巻線装置

Info

Publication number
JPH0864413A
JPH0864413A JP20043794A JP20043794A JPH0864413A JP H0864413 A JPH0864413 A JP H0864413A JP 20043794 A JP20043794 A JP 20043794A JP 20043794 A JP20043794 A JP 20043794A JP H0864413 A JPH0864413 A JP H0864413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
bobbin
wire
superconducting
lead
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20043794A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsukasa Taniguchi
谷口  司
Yasuo Suzuki
保夫 鈴木
Kiyoshi Yamaguchi
潔 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP20043794A priority Critical patent/JPH0864413A/ja
Publication of JPH0864413A publication Critical patent/JPH0864413A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】撚線構造を有する超電導線を用いる超電導コイ
ル製作時において、線材の撚り方向と同じ方向に撚りを
加え、かつ張力を加えながら巻回すことができるように
線材ボビンには受け軸が設けられ、張力用と撚線化用の
駆動部を備えた超電導コイル用巻線装置。 【効果】上記構成の巻線装置では、交流通電に伴う巻枠
を超電導線との振動や摩擦を極力制限し、安定に動作す
る超電導コイル装置を製作可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超電導コイル用巻線装置
に係り、特に、超電導線が動きにくく、安定に動作する
超電導マグネットを製作する巻線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導コイル用巻線装置は、超電導コイ
ルボビンとボビンを取り付けた固定架台、超電導線が巻
いてある線材ボビンとボビンを固定する固定架台ならび
に線材に張力を加える装置で構成されている。
【0003】超電導線は大電流化と損失低減のため、幾
重にも撚線化した線材が用いられる。コイル製作時には
超電導線の動きを防止するため、超電導線に張力を加え
ながら巻線を行うが、このままだと超電導線の撚りの部
分が伸びた状態でコイル巻枠に巻回されることになる。
そして、超電導コイル装置は主に液体ヘリウム温度(−
269℃)という極低温で運転するものなので、せっか
く張力を加えながら巻線しても、コイル巻枠と超電導線
との熱収縮率の差によって、巻枠と超電導線で緩みを生
じやすかった。隙間を生じるとコイル励磁時に超電導線
はコイルの発生する磁場により電磁力を受けコイル巻枠
と擦れ合い、摩擦熱を生じてコイル通電可能電流値が低
下し、安定に動作させることが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような巻線の方
式では、撚線化した超電導線材は張力を加えながら巻線
を行うと、超電導線の撚りが伸びた状態でコイル巻枠に
巻回されていく。このような状態のままであるとコイル
を液体ヘリウム温度という極低温に冷却することにより
コイル巻枠と超電導線の熱収縮率の差で巻枠と超電導線
間で隙間を生じ、コイルを運転したとき、すぐクエンチ
(超電導状態から常電導状態への転移)してしまう。
【0005】また、交流で動作するコイルの線材として
超電導フィラメントの回りにキュプロニッケル(Cu−
Ni合金)を配置した線が多く使用される。キュプロニ
ッケルは従来用いられる銅に比べ電気抵抗が高く安定性
が低いため、さらに強固な巻線で線材を巻枠にしっかり
と固定し線材が動かないようにし、クエンチしないこと
が重要である。コイル励磁時の不安定さを解消するた
め、巻枠と超電導線材との緩みをなくすことはコイル製
作時の重要な課題である。
【0006】本発明の目的は安定に動作する超電導コイ
ル装置を得るため、コイル巻枠と超電導線をしっかりと
固定できる巻線装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】主に商用周波数で動作す
る超電導コイル装置では、線材が電磁力によって周波数
の二倍で振動し、少しでもコイル巻枠と線材の間で隙間
があると線材が動いて、摩擦熱によって、コイルがクエ
ンチを起こす。そこで超電導コイルを製作する場合、線
材の動き(ワイヤモーション)をいかに防止するかがポ
イントとなる。強固な巻線で線材を巻枠にしっかりと固
定し線材が動かないようにするために、線材の撚方向と
同じ方向に撚りを加え、かつ張力を加えながら巻回すこ
とで、極低温にコイルが冷却され、コイル通電時にも超
電導線とコイル巻枠の擦れ合いを防止し、安定な超電導
コイル装置を製作可能な巻線装置を用いて超電導コイル
装置を製作した。
【0008】
【作用】本発明の超電導コイル用巻線装置は線材の撚方
向と同一方向に巻線できるため、巻線張力によって撚線
が伸びて撚りピッチが大きくなろうとも、撚りを加えて
ピッチを小さく抑えながら巻線することができる。その
ため、コイル励磁時の線材の動き(ワイヤモーション)
を極力、防止することができ安定に動作する超電導コイ
ルを得ることができる。
【0009】
【実施例】
(実施例1)以下、図面を参照しながら本発明の実施例
を説明する。図1は本発明の実施例の超電導コイル用巻
線装置の斜視図である。巻線装置の構成はコイルボビン
1とそれを支持するコイルボビン用トルクモータ3,線
材ボビン2とそれを支持する受け軸5、並びに線材ボビ
ン用トルクモータ4,撚線化用回転モータ6,線材ボビ
ンと受け軸、張力用駆動用モータ、撚線化用回転モータ
の一連の装置をコイルボビンに対して軸方向に移動可能
とした水平移動用モータ8および水平移動用軸9および
一連の装置をコイルボビンに対して周方向に上下に移動
可能とした上下移動用モータ10,12および上下移動
用軸11,13で構成されている。
【0010】また、図2は超電導線の断面構成と主要諸
元である。主に交流用もしくはパルス用で使用され、大
容量化と損失低減のために外径0.25mm の超電導素線
を一次撚線では6本、2次撚線では36本という具合に
多重撚線化し、束ねた断面構成になっている。径の小さ
い超電導素線を撚線化した超電導線を用いると線に鎖交
する磁束を少なくすることができ損失を小さくできる。
そこで、ツイストピッチと撚りピッチは素線,一次撚
線,二次撚線と1.25mm,7.53mm,18.0mmと超
電導線にダメージを与えない範囲で極力きつく撚線化し
ている。撚線のピッチをきつくすることは損失低減に大
いに有効である。また、超電導フィラメントのNb−T
iの他にマトリックスとして線材の大部分は、Cu−N
iの高抵抗部材とCuで構成されている。高抵抗母材を
使用するのは交流やパルスで用いられる超電導線の特徴
である。
【0011】次に超電導線を実際に巻回するときの作業
について説明する。超電導線はコイルボビン用モータと
線材ボビン用モータとのトルクバランスにより、超電導
線に一定の張力を加えながら巻線、つまり線材ボビンに
巻かれている超電導線をコイルボビン側に巻回すことが
できるようになっている。張力は超電導線の特性にダメ
ージを与えない範囲に設定した。巻線はコイルボビンに
いつでも一定角度で超電導線が入射するように線材ボビ
ンと受け軸,線材ボビン用モータ,撚線化用回転モータ
の一連の装置をコイルボビンに対して軸方向に対しては
水平方向に、周方向に対しては上下方向にそれぞれ移動
可能としてある。加えて、巻回される超電導線の撚り方
向と同じ方向に撚るため、線材ボビンおよび線材ボビン
用モータと受け軸をより線化回転モータで図に示すよう
に回転させることで、巻線時の張力による超電導線の撚
線の伸び分をもとの撚線ピッチに戻し、コイルボビンと
超電導線をしっかり固定しながら巻線することができ
る。超電導線の巻線時の張力による、撚りの伸びは図3
に示すように超電導線を引っ張るか否かでは100mmに
対しておよそ1mm(1%)の伸びを生じていることが超
電導線の引っ張り試験によって判明した。コイル製作に
おいては超電導線に張力を加えながら、なお撚線の伸び
た分に対応して撚り方向と同一方向にも回転できるよう
な巻線装置を巻線作業時に稼働した。撚り方向の回転速
度は数rpm 程度が超電導線にダメージを与えない範囲と
して妥当といえる。先述のように超電導線材の最大歪み
量は1%を越えており、この状態でコイル巻線を行うと
コイル励磁時には極低温に冷やされていることで超電導
線とコイル巻枠との熱収縮率の差、交流モードコイル運
転による超電導線の振動により超電導線が動き、コイル
巻枠や超電導線の撚線間で擦れ合い、摩擦熱によりコイ
ルはクエンチしてしまう。本発明はこの点を改善するた
めコイル巻線時に撚りを加えながら、一定の張力で巻線
できる巻線装置を使用している。
【0012】表1に本実施例で製作した超電導コイル装
置の仕様を示す。
【0013】
【表1】
【0014】超電導線は外径0.25mm の超電導素線を
一,二次まで撚線化したものである。図4は本発明の超
電導コイル用巻線装置と従来の巻線装置を用いたときの
コイル性能比較を示す。Aコイルとは本発明の巻線装置
を用いて製作したコイル、Bコイルとは従来巻線装置を
用いて製作したコイルである。なお、用いた超電導線は
Aコイル,Bコイル共に同一である。超電導線の短尺の
長さの超電導性能と比較して、Aコイルのコイル性能は
88%、Bコイルでは50%と本発明による巻線装置を
用いて製作したコイル性能の方が格段に良かった。さら
に繰り返し励磁試験では、図5に示すように、Aコイル
ではクエンチした電流値が変わらず、ほぼ一定の値が得
られ良い再現性を示した。これに対してBコイルでは電
流値が一定ではなく、クエンチする電流値も低い。本発
明の巻線装置を用いた超電導コイル装置は、クエンチ電
流値が高く、安定に動作するコイル特性が得ることがで
きる。
【0015】(実施例2)実施例1では線材ボビンが一
つの場合でそれに伴う線材ボビンモータや受け軸、より
線化回転モータも一つずつの場合の例であった。本発明
は線材ボビンが複数の場合でも適用することが可能であ
る。図6に巻線装置の構成を示す。この実施例では、線
材ボビンが二つの場合で、線材ボビンが二つ用いるのに
伴って構成する線材ボビン,受け軸、より線化モータも
二つずつ配置している。線材ボビンが3個の場合は受け
軸、より線化モータも相当して、三つずつというように
増やせばよい。各々の線材ボビン側の装置がコイルボビ
ンへの巻線作業では、超電導線に張力とよりを加えなが
ら行うことができる。それぞれの装置を個々に制御でき
るので、超電導線の種類が異なっていても、最適なコイ
ル巻線の条件を得ることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の巻線装置では超電導線の撚方向
と同一方向によりを加え、張力を加えながら巻線できる
ため、撚りのピッチを小さく抑えながら巻線することが
できる。そのため、コイル励磁時の線材の動き(ワイヤ
モーション)を極力、防止することができ安定に動作す
る超電導コイルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の超電導コイル用巻線装置の
斜視図。
【図2】交流用もしくはパルス用で使用される超電導線
の構成と主要諸元の説明図。
【図3】巻線作業時、超電導線に張力を加えたときの状
態の説明図。
【図4】本発明の超電導コイル用巻線装置と従来の巻線
装置を用いたときのコイル性能比較図。
【図5】本発明の超電導コイル用巻線装置と従来の巻線
装置を用いたときの繰り返し励磁試験の結果の説明図。
【図6】本発明の第二実施例の超電導コイル用巻線装置
の構成を示す斜視図。
【符号の説明】
1…コイルボビン、2…線材ボビン、3…コイル用トル
クモータ、4…線材ボビン用トルクモータ、5…線材ボ
ビン受け軸、6…撚線化用回転モータ、7…超電導線、
8…水平移動用モータ、9…水平移動用軸、10…上下
移動用モータ、11…上下移動用軸。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撚線構造を有する超電導線を用いる超電導
    コイルの製作時に、線材の撚方向と同じ方向に撚りを加
    え、張力を加えながら巻回すことができることを特徴と
    する超電導コイル用巻線装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、線材ボビンに受け軸が
    設けられ、張力用と撚線化用の駆動部を備えた超電導コ
    イル用巻線装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記線材ボビンと前記
    受け軸はコイルボビンの軸方向に対して平行に、左右移
    動可能な超電導コイル用巻線装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3において、前記線材
    ボビンと前記受け軸はコイルボビンの軸方向に対して垂
    直に、上下移動可能な超電導コイル用巻線装置。
  5. 【請求項5】線材ボビンが複数個の場合に、各々の線材
    に撚方向と同じ方向に撚りを加え、かつ張力を加えなが
    ら巻回すことができることを特徴とする超電導コイル用
    巻線装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記線材ボビンには受
    け軸が設けられ、張力用と撚線化用の駆動部を備えた超
    電導コイル用巻線装置。
  7. 【請求項7】請求項5または6において、前記線材ボビ
    ンと前記受け軸はコイルボビンの軸方向に対して平行
    に、左右移動可能な超電導コイル用巻線装置。
  8. 【請求項8】請求項5,6または7において、前記線材
    ボビンと前記受け軸はコイルボビンの軸方向に対して垂
    直に、上下移動可能な超電導コイル用巻線装置。
JP20043794A 1994-08-25 1994-08-25 超電導コイル用巻線装置 Pending JPH0864413A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20043794A JPH0864413A (ja) 1994-08-25 1994-08-25 超電導コイル用巻線装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20043794A JPH0864413A (ja) 1994-08-25 1994-08-25 超電導コイル用巻線装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0864413A true JPH0864413A (ja) 1996-03-08

Family

ID=16424283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20043794A Pending JPH0864413A (ja) 1994-08-25 1994-08-25 超電導コイル用巻線装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0864413A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210128433A (ko) * 2019-03-11 2021-10-26 니코벤처스 트레이딩 리미티드 에어로졸 제공 디바이스

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210128433A (ko) * 2019-03-11 2021-10-26 니코벤처스 트레이딩 리미티드 에어로졸 제공 디바이스
JP2022524200A (ja) * 2019-03-11 2022-04-28 ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド エアロゾル供給デバイス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4050515B2 (ja) 高臨界温度複合超伝導導体
US20220005632A1 (en) Insulation-coated compound superconducting wire and rewinding method thereof
DE112008000036T5 (de) Supraleitende Synchronmaschine
JPH0864413A (ja) 超電導コイル用巻線装置
JP4477859B2 (ja) 永久電流スイッチ、超電導磁石及び磁気共鳴イメージング装置
US3330978A (en) Coil end support assembly
Sugimoto et al. Performance of Polyvinyl Formal Insulated Cu–Nb/Nb 3 Sn Wires for React-and-Wind Process
JPH10135061A (ja) 超電導コイルの製造方法
JPH10116721A (ja) 超電導バルク体マグネット
JP5060275B2 (ja) 超電導コイル装置
JP2745780B2 (ja) 超電導磁石
JP2829008B2 (ja) 超電導磁石.半導体単結晶引上げ装置.核磁気共鳴装置及び超電導磁石の製造方法
JPH06260335A (ja) 高温超電導マグネット
JP4757985B2 (ja) 超電導コイル、その製造方法及びそれに用いる超電導導体
CN211791005U (zh) 一种交流串励电机绕组的绕线结构
JPS60154509A (ja) 超電導マグネツトの製造方法
Fujino et al. Studies on Nb 3 Sn field coils for superconducting machine
JPH0227610A (ja) 伸縮性導電線とその製造方法
Ishiyama et al. Design and construction of a superconducting cylindrical linear induction motor with AC superconducting primary windings
Shimizu et al. Dependence of quench current level of superconducting wire and cable on the winding tension
JP2635740B2 (ja) 交流用超電導マグネット
JPH07320928A (ja) 超伝導磁石
Tsukamoto et al. Development of Superconducting Linear Induction Motor
JP3119514B2 (ja) 超電導導体
Takahata et al. Effect of Bending on Critical Current of React-and-Jacket Processed Nb3Sn Conductor