JPH0864037A - シールド型多心フラットケーブル及びその製造方法 - Google Patents
シールド型多心フラットケーブル及びその製造方法Info
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- JPH0864037A JPH0864037A JP21823094A JP21823094A JPH0864037A JP H0864037 A JPH0864037 A JP H0864037A JP 21823094 A JP21823094 A JP 21823094A JP 21823094 A JP21823094 A JP 21823094A JP H0864037 A JPH0864037 A JP H0864037A
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- foamed
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高周波領域においても充分なシールド効果を
発揮し、かつ端末処理や接続処理の端末加工性にもすぐ
れたシールド型多心フラットケーブルと、その製造方法
を提供する。 【構成】 導体上に発泡プラスチック絶縁層を具えた絶
縁線心の複数本とアース線を平行に配列し、この上下よ
り片面に導電層を有する発泡プラスチック体で、上記導
電層を内側にしてサンドイッチ状に一体化して成るシー
ルド型多心フラットケーブルとその製造方法。
発揮し、かつ端末処理や接続処理の端末加工性にもすぐ
れたシールド型多心フラットケーブルと、その製造方法
を提供する。 【構成】 導体上に発泡プラスチック絶縁層を具えた絶
縁線心の複数本とアース線を平行に配列し、この上下よ
り片面に導電層を有する発泡プラスチック体で、上記導
電層を内側にしてサンドイッチ状に一体化して成るシー
ルド型多心フラットケーブルとその製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高周波領域で使用される
電子機器用配線材としてのシールド型多心フラットケー
ブル及びその製造方法に関するものである。
電子機器用配線材としてのシールド型多心フラットケー
ブル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電子機器用配線材としては、導体
上にポリエチレンやポリ塩化ビニル等の樹脂の絶縁被覆
層を施したものが用いられ、使用周波数が高くなるにつ
れ、数十MHz 以上では発泡ポリエチレンで絶縁被覆した
電線が用いられてきた。一方、配線を簡素化するために
平型のフラットケーブルも用いられてきたが、平型であ
るため絶縁線心の一本一本にシールド層を設けることは
非常に面倒で、フラットケーブル全体を導電層を覆った
シールド型フラットケーブルが用いられてきた。
上にポリエチレンやポリ塩化ビニル等の樹脂の絶縁被覆
層を施したものが用いられ、使用周波数が高くなるにつ
れ、数十MHz 以上では発泡ポリエチレンで絶縁被覆した
電線が用いられてきた。一方、配線を簡素化するために
平型のフラットケーブルも用いられてきたが、平型であ
るため絶縁線心の一本一本にシールド層を設けることは
非常に面倒で、フラットケーブル全体を導電層を覆った
シールド型フラットケーブルが用いられてきた。
【0003】図2は従来のシールド型フラットケーブル
の一例の横断面図である。図面に示すように、複数本の
平角あるいは丸線の導体11,12を間隔をおいて平行に配
列し、この上下より塩化ビニルシート又は接着剤付のP
ETフィルで加熱加圧して積層一体化して絶縁層13を形
成し、その外周上に接着剤銅箔を施してシールド層14を
形成し、その一部をアース導体12に接続し、さらにシー
ルド層14の外周上にポリエチレンや塩化ビニル等のプラ
スチックシース15を施して構成されている。
の一例の横断面図である。図面に示すように、複数本の
平角あるいは丸線の導体11,12を間隔をおいて平行に配
列し、この上下より塩化ビニルシート又は接着剤付のP
ETフィルで加熱加圧して積層一体化して絶縁層13を形
成し、その外周上に接着剤銅箔を施してシールド層14を
形成し、その一部をアース導体12に接続し、さらにシー
ルド層14の外周上にポリエチレンや塩化ビニル等のプラ
スチックシース15を施して構成されている。
【0004】図3は従来のシールド型フラットケーブル
の他の例の横断面図である。図面に示すように、導体21
上に発泡ポリエチレン等の発泡絶縁層22を押出し成形
し、その外周上に銅線編組、銅テープ等でシールド層23
を形成したシールド単線24の複数本を平行に配列し、こ
れらの外周上に一括してポリエチレンや塩化ビニル等の
プラスチックシース25を押出し成形して構成されてい
る。
の他の例の横断面図である。図面に示すように、導体21
上に発泡ポリエチレン等の発泡絶縁層22を押出し成形
し、その外周上に銅線編組、銅テープ等でシールド層23
を形成したシールド単線24の複数本を平行に配列し、こ
れらの外周上に一括してポリエチレンや塩化ビニル等の
プラスチックシース25を押出し成形して構成されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の図2に示すシー
ルド型フラットケーブルは数十MHz 以下の高周波領域で
はシールド効果が認められるものの、百MHz 以上の高周
波領域ではシールド効果が不充分であった。又図3に示
すシールド型フラットケーブルは高周波領域でのシール
ド効果は良いが、絶縁線心の一本一体にシールド層が設
けられているため、端末処理や接続処理に非常に手数を
要し、又加工費が高く、実用的でないという問題があ
る。
ルド型フラットケーブルは数十MHz 以下の高周波領域で
はシールド効果が認められるものの、百MHz 以上の高周
波領域ではシールド効果が不充分であった。又図3に示
すシールド型フラットケーブルは高周波領域でのシール
ド効果は良いが、絶縁線心の一本一体にシールド層が設
けられているため、端末処理や接続処理に非常に手数を
要し、又加工費が高く、実用的でないという問題があ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題点を
解消し、高周波領域においてもシールド効果が充分であ
り、かつ端末処理や接続処理が容易なシールド型多心フ
ラットケーブル及びその製造方法を提供するもので、そ
の第1の特徴は導体上に発泡プラスチック絶縁層を具え
た絶縁線心の複数本とアース線を平行に配列し、この上
下より片面に導電層を有する発泡プラスチック体で、上
記導電層を内側にしてサンドイッチ状に一体化して成る
シールド型多心フラットケーブルにある。
解消し、高周波領域においてもシールド効果が充分であ
り、かつ端末処理や接続処理が容易なシールド型多心フ
ラットケーブル及びその製造方法を提供するもので、そ
の第1の特徴は導体上に発泡プラスチック絶縁層を具え
た絶縁線心の複数本とアース線を平行に配列し、この上
下より片面に導電層を有する発泡プラスチック体で、上
記導電層を内側にしてサンドイッチ状に一体化して成る
シールド型多心フラットケーブルにある。
【0007】そして、本発明の第2の特徴は、導体上に
発泡プラスチック絶縁層を具えた絶縁線心の複数本とア
ース線を平行に配列し、この上下より片面に導電層を有
する熱発泡型のプラスチックシートを、上記導電層を内
側にして供給しつつ加熱、加圧して上記プラスチックシ
ートを発泡せしめるとともにサンドイッチ状に一体化す
るシールド型多心フラットケーブルの製造方法にある。
発泡プラスチック絶縁層を具えた絶縁線心の複数本とア
ース線を平行に配列し、この上下より片面に導電層を有
する熱発泡型のプラスチックシートを、上記導電層を内
側にして供給しつつ加熱、加圧して上記プラスチックシ
ートを発泡せしめるとともにサンドイッチ状に一体化す
るシールド型多心フラットケーブルの製造方法にある。
【0008】
【実施例】図1は本発明のシールド型多心フラットケー
ブルの具体例の横断面図である。図面に示すように、撚
線の導体1上に低誘電率な発泡プラスチック絶縁層2を
設けた絶縁線心3の複数本とアース線6を平行に配列
し、この上下から片面に導電層4を設けた発泡プラスチ
ック体5で、上記導電層4を絶縁線心3側にしてサンド
イッチ状に一体化されており、上記発泡プラスチック体
5の外側には絶縁フィルム等による保護層7が施されて
いる。
ブルの具体例の横断面図である。図面に示すように、撚
線の導体1上に低誘電率な発泡プラスチック絶縁層2を
設けた絶縁線心3の複数本とアース線6を平行に配列
し、この上下から片面に導電層4を設けた発泡プラスチ
ック体5で、上記導電層4を絶縁線心3側にしてサンド
イッチ状に一体化されており、上記発泡プラスチック体
5の外側には絶縁フィルム等による保護層7が施されて
いる。
【0009】絶縁線心3は、銅撚線の導体1と、該導体
1上に低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、EV
A、EEA、ポリプロピレン等の樹脂組成物単体、もし
くはこれら2種以上を混合した組成物を、化学発泡剤又
はガス発泡剤で30〜80%発泡させた発泡プラスチック絶
縁層2からなり、要求される電気的特性や機械的特性か
ら材料及び発泡度を選定する。場合によってはフッ素系
樹脂発泡絶縁体を用いることも出来る。アース線6は導
電層4と接続可能なもので、銅導体の単線、撚線あるい
はそれらのメッキ線を用いることができる。
1上に低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、EV
A、EEA、ポリプロピレン等の樹脂組成物単体、もし
くはこれら2種以上を混合した組成物を、化学発泡剤又
はガス発泡剤で30〜80%発泡させた発泡プラスチック絶
縁層2からなり、要求される電気的特性や機械的特性か
ら材料及び発泡度を選定する。場合によってはフッ素系
樹脂発泡絶縁体を用いることも出来る。アース線6は導
電層4と接続可能なもので、銅導体の単線、撚線あるい
はそれらのメッキ線を用いることができる。
【0010】導電層4は銅、アルミニウム等の金属箔に
導電性接着剤を塗布して絶縁線心3と一体化可能なも
の、あるいは接着性樹脂中に銀、銅、ニッケル、半田等
の導電性粉末を混練した導電性接着剤を用いることが出
来、接着性樹脂としては、熱によって化学反応をおこし
て接着するような熱硬化型樹脂より、ポリオレフィン、
ポリエステル、ポリウレタン、熱可塑性ゴムのような熱
溶融によって接着するホットメルト型樹脂が望ましい。
これら導電層の選定は、シールド効果の要求度、柔軟
性、端末加工性、価格等を考慮して選定する。
導電性接着剤を塗布して絶縁線心3と一体化可能なも
の、あるいは接着性樹脂中に銀、銅、ニッケル、半田等
の導電性粉末を混練した導電性接着剤を用いることが出
来、接着性樹脂としては、熱によって化学反応をおこし
て接着するような熱硬化型樹脂より、ポリオレフィン、
ポリエステル、ポリウレタン、熱可塑性ゴムのような熱
溶融によって接着するホットメルト型樹脂が望ましい。
これら導電層の選定は、シールド効果の要求度、柔軟
性、端末加工性、価格等を考慮して選定する。
【0011】発泡プラスチック体5は、ポリエチレン、
EVA、EEAポリプロピレン等のポリオレフィン、あ
るいは塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル等の熱
可塑性樹脂に化学発泡剤を添加、混練したものが用いら
れ、所定温度に加熱することにより 0.2倍から5倍ぐら
い体積が膨張するシートを用いる。又上記発泡剤として
は、ニトロソ化合物のN,N'ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、アゾ化合物のアゾジカルボンアミドアゾビ
スイソブチロニトリル、バリウムアゾジカルホキレー
ト、アゾジカルボンアミドを主成分とする複合発泡剤、
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒ
ドラジド、P・トルエンスルホニルセミカバジド等を用
いることができる。これらはプラスチック材質と発泡さ
せたい温度によって選定する。特に本発明に用いる発泡
剤は、絶縁線心をつつみ込むように発泡させる必要があ
り、発泡プラスチック絶縁層が潰れない温度で発泡出来
る発泡剤を選定する必要があり、80〜160 ℃程度の範囲
で発泡させるのが好ましい。又発泡倍率も絶縁線心間を
埋め込めるよう20〜50%程度の発泡度となるよう添加量
と加熱温度及び圧力を調整する。
EVA、EEAポリプロピレン等のポリオレフィン、あ
るいは塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル等の熱
可塑性樹脂に化学発泡剤を添加、混練したものが用いら
れ、所定温度に加熱することにより 0.2倍から5倍ぐら
い体積が膨張するシートを用いる。又上記発泡剤として
は、ニトロソ化合物のN,N'ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、アゾ化合物のアゾジカルボンアミドアゾビ
スイソブチロニトリル、バリウムアゾジカルホキレー
ト、アゾジカルボンアミドを主成分とする複合発泡剤、
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒ
ドラジド、P・トルエンスルホニルセミカバジド等を用
いることができる。これらはプラスチック材質と発泡さ
せたい温度によって選定する。特に本発明に用いる発泡
剤は、絶縁線心をつつみ込むように発泡させる必要があ
り、発泡プラスチック絶縁層が潰れない温度で発泡出来
る発泡剤を選定する必要があり、80〜160 ℃程度の範囲
で発泡させるのが好ましい。又発泡倍率も絶縁線心間を
埋め込めるよう20〜50%程度の発泡度となるよう添加量
と加熱温度及び圧力を調整する。
【0012】さらに、熱発泡型プラスチックシートの片
面には、PETフィルム、PEN、PPS、PES、P
EI、PIフィルム等の各種絶縁フィルムを、発泡プラ
スチックシートと一体化なるようにラミネートして保護
層7を形成し、機械的強度、電気的特性の向上を図るよ
うにしてもよい。
面には、PETフィルム、PEN、PPS、PES、P
EI、PIフィルム等の各種絶縁フィルムを、発泡プラ
スチックシートと一体化なるようにラミネートして保護
層7を形成し、機械的強度、電気的特性の向上を図るよ
うにしてもよい。
【0013】次に本発明のシールド型多心フラットケー
ブルの製造方法について説明する。撚線導体1上にポリ
エチレン、フッ素樹脂等の低誘電率な発泡プラスチック
絶縁層2を形成した絶縁線心3の複数本と、アース線6
を平行に配列しつつ、この上下からあらかじめ導電性金
属箔に導電性接着剤を塗布した導電層4と、絶縁フィル
ム及び発泡剤含有プラスチックシートをラミネートした
発泡型導電層を、導電性接着剤層を絶縁線心側にして、
絶縁線心をつつみ込むように供給し、加熱加圧して熱ラ
ミネートする。この時の熱によって、発泡剤含有プラス
チックシートは数倍から数十倍に発泡し、導電性金属箔
を絶縁線心の外周に押しつけ、かつ導電性接着剤によっ
て絶縁線心外周に接着し、一体化されて図1のようなシ
ールド型多心フラットケーブルが得られる。この時の加
熱温度と圧力及び使用材料によって導電層(シールド
層)の密着力はコントロール出来、端末処理、接続処理
時の皮剥ぎ性も良好なものが得られる。
ブルの製造方法について説明する。撚線導体1上にポリ
エチレン、フッ素樹脂等の低誘電率な発泡プラスチック
絶縁層2を形成した絶縁線心3の複数本と、アース線6
を平行に配列しつつ、この上下からあらかじめ導電性金
属箔に導電性接着剤を塗布した導電層4と、絶縁フィル
ム及び発泡剤含有プラスチックシートをラミネートした
発泡型導電層を、導電性接着剤層を絶縁線心側にして、
絶縁線心をつつみ込むように供給し、加熱加圧して熱ラ
ミネートする。この時の熱によって、発泡剤含有プラス
チックシートは数倍から数十倍に発泡し、導電性金属箔
を絶縁線心の外周に押しつけ、かつ導電性接着剤によっ
て絶縁線心外周に接着し、一体化されて図1のようなシ
ールド型多心フラットケーブルが得られる。この時の加
熱温度と圧力及び使用材料によって導電層(シールド
層)の密着力はコントロール出来、端末処理、接続処理
時の皮剥ぎ性も良好なものが得られる。
【0014】
【作用】本発明のシールド型多心フラットケーブルは、
絶縁線心として低誘電率な発泡絶縁層を具えているの
で、非常に微弱な電気信号等を伝送ロスが少なく、高周
波を高速で伝送することができる。又導電層(シールド
層)はシース層を兼ねた発泡プラスチック体の発泡圧力
によって、あたかも絶縁線心の1本1本にシールド層を
形成したように、絶縁線心をつつみ込み、かつ導電性接
着剤で一体化しているため、絶縁線心からシールド層を
剥離する際には1本1本を剥離する必要がなく、多心分
を簡単に一括して剥ぎ取ることが出来る。さらにシール
ド層をアース回路に落すためには、絶縁線心の外側に裸
のアース線を一本縦添えするのみで、導電性接着剤と接
続し、非常に簡単にアースを取ることができる。
絶縁線心として低誘電率な発泡絶縁層を具えているの
で、非常に微弱な電気信号等を伝送ロスが少なく、高周
波を高速で伝送することができる。又導電層(シールド
層)はシース層を兼ねた発泡プラスチック体の発泡圧力
によって、あたかも絶縁線心の1本1本にシールド層を
形成したように、絶縁線心をつつみ込み、かつ導電性接
着剤で一体化しているため、絶縁線心からシールド層を
剥離する際には1本1本を剥離する必要がなく、多心分
を簡単に一括して剥ぎ取ることが出来る。さらにシール
ド層をアース回路に落すためには、絶縁線心の外側に裸
のアース線を一本縦添えするのみで、導電性接着剤と接
続し、非常に簡単にアースを取ることができる。
【0015】導電層(シールド層)外側の発泡プラスチ
ック体は、塩化ビニル発泡体やポリオレフィン発泡体あ
るいはポリエステルフィルムに発泡型ポリエステル接着
剤を塗布したもの等、各種のものを使用することが出
来、これらは導電層(シールド層)を機械的、熱的、化
学的な劣化条件から保護し、非常に耐久性にすぐれたシ
ールド型多心フラットケーブルが得られる。
ック体は、塩化ビニル発泡体やポリオレフィン発泡体あ
るいはポリエステルフィルムに発泡型ポリエステル接着
剤を塗布したもの等、各種のものを使用することが出
来、これらは導電層(シールド層)を機械的、熱的、化
学的な劣化条件から保護し、非常に耐久性にすぐれたシ
ールド型多心フラットケーブルが得られる。
【0016】これらのことから、本発明のシールド型多
心フラットケーブルにおいては、数十MHz から数千MHz
の高周波領域においても、伝送ロスが少なく、回路間の
漏話もなく、かつ柔軟で取扱いやすいフラットケーブル
を供給することができる。又フラットケーブルの製造も
従来の製造プロセスを大幅に変更する必要がなく、接続
処理や端末処理時の皮剥も容易で、加工性にすぐれ、低
コストなフラットケーブルが供給できる。
心フラットケーブルにおいては、数十MHz から数千MHz
の高周波領域においても、伝送ロスが少なく、回路間の
漏話もなく、かつ柔軟で取扱いやすいフラットケーブル
を供給することができる。又フラットケーブルの製造も
従来の製造プロセスを大幅に変更する必要がなく、接続
処理や端末処理時の皮剥も容易で、加工性にすぐれ、低
コストなフラットケーブルが供給できる。
【0017】
(実施例1) 0.127mmφ銅導体を7本撚合せた導体上
に、低密度ポリエチレンにアゾジカルボンアミド系発泡
剤を3部添加した組成物を外径 0.9mmφになるように押
出し発泡成形し、発泡倍率50%の絶縁線心を得た。一
方、厚さ9μmの銅箔に、ニッケル粉含有のポリエステ
ル系導電性接着剤を厚さ30μmになるよう塗布、乾燥
し、さらに厚さ25μmのポリエステルフィルムに分解温
度 125℃のアゾジカルボンアミド系発泡剤を4部添加し
たエチレンビニルアセテート樹脂を貼合せ、 150μm厚
さの熱発泡型プラスチックシートを得た。
に、低密度ポリエチレンにアゾジカルボンアミド系発泡
剤を3部添加した組成物を外径 0.9mmφになるように押
出し発泡成形し、発泡倍率50%の絶縁線心を得た。一
方、厚さ9μmの銅箔に、ニッケル粉含有のポリエステ
ル系導電性接着剤を厚さ30μmになるよう塗布、乾燥
し、さらに厚さ25μmのポリエステルフィルムに分解温
度 125℃のアゾジカルボンアミド系発泡剤を4部添加し
たエチレンビニルアセテート樹脂を貼合せ、 150μm厚
さの熱発泡型プラスチックシートを得た。
【0018】上記の複合シート2枚を、前述の絶縁線心
20本と 1.0mmφのアース線1本を平行に配列した上下よ
り、導電性接着剤層を内側にしてサプライし、 200℃に
加熱された加圧ロールに供給した。ライン速度は発泡絶
縁線心が潰れない温度と圧力で、導電性接着剤を熱溶融
するとともに、熱発泡型プラスチックシートを約2倍の
厚さになるように加熱、加圧発泡させて絶縁線心と融着
一体化させた。この際、加圧ローラで発泡させることに
より、絶縁線心間の谷間にも発泡圧力により導電性接着
剤層が密着するようにした。このようにして、絶縁線心
の外周が導電性接着剤で隙間なく埋まり20本の絶縁線心
がフラットな状態で整列されたシールド型多心フラット
ケーブルを得た。
20本と 1.0mmφのアース線1本を平行に配列した上下よ
り、導電性接着剤層を内側にしてサプライし、 200℃に
加熱された加圧ロールに供給した。ライン速度は発泡絶
縁線心が潰れない温度と圧力で、導電性接着剤を熱溶融
するとともに、熱発泡型プラスチックシートを約2倍の
厚さになるように加熱、加圧発泡させて絶縁線心と融着
一体化させた。この際、加圧ローラで発泡させることに
より、絶縁線心間の谷間にも発泡圧力により導電性接着
剤層が密着するようにした。このようにして、絶縁線心
の外周が導電性接着剤で隙間なく埋まり20本の絶縁線心
がフラットな状態で整列されたシールド型多心フラット
ケーブルを得た。
【0019】得られたフラットケーブルはシールド層の
導電率(固有抵抗)を測定するとともに、静電シールド
効果を1MHz 〜 1000MHzまで測定し、シールドのないフ
ラットケーブルと比較して減衰率を求めた。又端末部の
シールド層の皮剥ぎ性を調べるため、シールド層にナイ
フでノッチ傷を入れ、シールド銅箔の剥取り性を作業環
境温度にて測定した。これらの結果を表1に示す。
導電率(固有抵抗)を測定するとともに、静電シールド
効果を1MHz 〜 1000MHzまで測定し、シールドのないフ
ラットケーブルと比較して減衰率を求めた。又端末部の
シールド層の皮剥ぎ性を調べるため、シールド層にナイ
フでノッチ傷を入れ、シールド銅箔の剥取り性を作業環
境温度にて測定した。これらの結果を表1に示す。
【0020】(実施例2) 0.127mmφ銅導体を7本撚
合せた導体上に、高密度ポリエチレンにアゾジカルボン
アミド系発泡剤を4部添加した組成物を外径 0.9mmφに
なるように押出し発泡成形し、発泡倍率60%の絶縁線心
を得た。一方、厚さ9μmの銅箔に、銅粉含有のポリウ
レタン系導電性接着剤を厚さ30μmになるよう塗布、乾
燥し、さらに厚さ25μmのポリエステルフィルムに分解
温度 105℃のアゾビスイソブチロニトリル発泡剤を5部
添加した塩化ビニルを貼合せ、 150μm厚さの熱発泡型
プラスチックシートを得た。
合せた導体上に、高密度ポリエチレンにアゾジカルボン
アミド系発泡剤を4部添加した組成物を外径 0.9mmφに
なるように押出し発泡成形し、発泡倍率60%の絶縁線心
を得た。一方、厚さ9μmの銅箔に、銅粉含有のポリウ
レタン系導電性接着剤を厚さ30μmになるよう塗布、乾
燥し、さらに厚さ25μmのポリエステルフィルムに分解
温度 105℃のアゾビスイソブチロニトリル発泡剤を5部
添加した塩化ビニルを貼合せ、 150μm厚さの熱発泡型
プラスチックシートを得た。
【0021】上記の複合シート2枚を、前述の絶縁線心
20本と 1.0mmφのアース線1本を平行に配列した上下よ
り、導電性接着剤層を内側にしてサプライし、 160℃に
加熱された加圧ロールに供給して実施例1と同様の方法
でシールド型多心フラットケーブルを作成し、実施例1
と同様にシールド層の導電率(固有抵抗)、静電シール
ド効果を測定し、又端末部のシールド層の皮剥ぎ性を調
べた。これらの結果を表1に示す。
20本と 1.0mmφのアース線1本を平行に配列した上下よ
り、導電性接着剤層を内側にしてサプライし、 160℃に
加熱された加圧ロールに供給して実施例1と同様の方法
でシールド型多心フラットケーブルを作成し、実施例1
と同様にシールド層の導電率(固有抵抗)、静電シール
ド効果を測定し、又端末部のシールド層の皮剥ぎ性を調
べた。これらの結果を表1に示す。
【0022】(実施例3) 0.127mmφ銅導体7本を撚
合せた導体上に、高密度ポリエチレンにアゾジカルボン
アミド系発泡剤を3倍添加した組成物を外径 0.9mmφに
なるように押出し発泡成形し、発泡倍率55%の絶縁線心
を得た。一方、ホットメルト系ポリエステル樹脂にフレ
ーク状銀粉を添加した導電性接着剤を厚さ30μmになる
ように塗布、乾燥し、さらに分解温度 105℃のアゾビス
イソブチロニトリル発泡剤4部を添加した塩化ビニル樹
脂に貼合せ、 200μm厚さの熱発泡型プラスチックシー
トを得た。
合せた導体上に、高密度ポリエチレンにアゾジカルボン
アミド系発泡剤を3倍添加した組成物を外径 0.9mmφに
なるように押出し発泡成形し、発泡倍率55%の絶縁線心
を得た。一方、ホットメルト系ポリエステル樹脂にフレ
ーク状銀粉を添加した導電性接着剤を厚さ30μmになる
ように塗布、乾燥し、さらに分解温度 105℃のアゾビス
イソブチロニトリル発泡剤4部を添加した塩化ビニル樹
脂に貼合せ、 200μm厚さの熱発泡型プラスチックシー
トを得た。
【0023】上記の複合シート2枚を前述の絶縁線心20
本と 1.0mmφのアース線1本を平行に配列した上下よ
り、導電性接着剤層を内側にしてサプライし、 160℃に
加熱された加圧ロールに供給して実施例1と同様の方法
でシールド型多心フラットケーブルを作成し、実施例1
と同様に、シールド層の導電率(固有抵抗)、静電シー
ルド効果を測定し、又端末部のシールド層の皮剥ぎ性を
調べた。これらの結果を表1に示す。
本と 1.0mmφのアース線1本を平行に配列した上下よ
り、導電性接着剤層を内側にしてサプライし、 160℃に
加熱された加圧ロールに供給して実施例1と同様の方法
でシールド型多心フラットケーブルを作成し、実施例1
と同様に、シールド層の導電率(固有抵抗)、静電シー
ルド効果を測定し、又端末部のシールド層の皮剥ぎ性を
調べた。これらの結果を表1に示す。
【0024】(比較例) 0.127mmφ銅導体7本を撚合
せた導体を、1.25mmピッチで平行に20本並べてサプライ
し、その上下から塩化ビニル樹脂を厚さ 1.0mmになるよ
う押出し被覆してフラットケーブルを得た。その周囲
に、厚さ25μmのポリエステルフィルムと厚さ9μmの
銅箔をウレタン系接着剤を用いて貼合せた導電性シート
を巻付け、前記と同様のウレタン系接着剤でフラットケ
ーブルと一体化した、さらにフラットケーブルの導体の
1本と銅箔を接続するため、超音波溶接機を用いて数cm
間隔で溶着してアース回路とし、シール型フラットケー
ブルを得た。得られたフラットケーブルは実施例と同様
の特性評価を行った。
せた導体を、1.25mmピッチで平行に20本並べてサプライ
し、その上下から塩化ビニル樹脂を厚さ 1.0mmになるよ
う押出し被覆してフラットケーブルを得た。その周囲
に、厚さ25μmのポリエステルフィルムと厚さ9μmの
銅箔をウレタン系接着剤を用いて貼合せた導電性シート
を巻付け、前記と同様のウレタン系接着剤でフラットケ
ーブルと一体化した、さらにフラットケーブルの導体の
1本と銅箔を接続するため、超音波溶接機を用いて数cm
間隔で溶着してアース回路とし、シール型フラットケー
ブルを得た。得られたフラットケーブルは実施例と同様
の特性評価を行った。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシールド
型多心フラットケーブルによれば、表1の結果から判る
ように、シールド層の電気抵抗は数オーム/mと低く、
かつ周波数が1〜1000MHz の領域でいずれも20dB以上の
シールド効果を示している。又ケーブル端末部のシール
ド層の皮剥ぎ性は絶縁線心より剥離容易であり、導電性
接着剤が絶縁線心表面に残留することなく、実用上の各
温度において端末加工性が良好である。
型多心フラットケーブルによれば、表1の結果から判る
ように、シールド層の電気抵抗は数オーム/mと低く、
かつ周波数が1〜1000MHz の領域でいずれも20dB以上の
シールド効果を示している。又ケーブル端末部のシール
ド層の皮剥ぎ性は絶縁線心より剥離容易であり、導電性
接着剤が絶縁線心表面に残留することなく、実用上の各
温度において端末加工性が良好である。
【0027】これに対して、比較例のシールド型フラッ
トケーブルは、シールド層の電気抵抗は低いにかかわら
ず、シールド効果は 10MHz以下ではわずかに効果はある
が、それ以上になると殆んど効果がない。又シールド層
の剥離が低温では非常に困難で、高温下では接着剤が絶
縁体表面に残留する等端末加工性が悪い。
トケーブルは、シールド層の電気抵抗は低いにかかわら
ず、シールド効果は 10MHz以下ではわずかに効果はある
が、それ以上になると殆んど効果がない。又シールド層
の剥離が低温では非常に困難で、高温下では接着剤が絶
縁体表面に残留する等端末加工性が悪い。
【0028】このように、本発明のシールド型多心フラ
ットケーブルは高周波領域においても良好なシールド効
果を発揮するとともに、実用上の各作業環境温度におい
ても端末処理が容易で、高周波領域で使用される電子機
器用配線として極めて効果的である。
ットケーブルは高周波領域においても良好なシールド効
果を発揮するとともに、実用上の各作業環境温度におい
ても端末処理が容易で、高周波領域で使用される電子機
器用配線として極めて効果的である。
【図1】本発明のシールド型多心フラットケーブルの具
体例の横断面図である。
体例の横断面図である。
【図2】従来のシールド型フラットケーブルの一例の横
断面図である。
断面図である。
【図3】従来のシールド型フラットケーブルの他の例の
横断面図である。
横断面図である。
1 導体 2 発泡プラスチック絶縁層 3 絶縁線心 4 導電層(シールド層) 5 発泡プラスチック体 6 アース線 7 保護層
Claims (2)
- 【請求項1】 導体上に発泡プラスチック絶縁層を具え
た絶縁線心の複数本とアース線を平行に配列し、この上
下より片面に導電層を有する発泡プラスチック体で、上
記導電層を内側にしてサンドイッチ状に一体化して成る
ことを特徴とするシールド型多心フラットケーブル。 - 【請求項2】 導体上に発泡プラスチック絶縁層を具え
た絶縁線心の複数本とアース線を平行に配列し、この上
下より片面に導電層を有する熱発泡型のプラスチックシ
ートを、上記導電層を内側にして供給しつつ加熱、加圧
して上記プラスチックシートを発泡せしめるとともにサ
ンドイッチ状に一体化することを特徴とするシールド型
多心フラットケーブルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21823094A JPH0864037A (ja) | 1994-08-19 | 1994-08-19 | シールド型多心フラットケーブル及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21823094A JPH0864037A (ja) | 1994-08-19 | 1994-08-19 | シールド型多心フラットケーブル及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0864037A true JPH0864037A (ja) | 1996-03-08 |
Family
ID=16716653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21823094A Pending JPH0864037A (ja) | 1994-08-19 | 1994-08-19 | シールド型多心フラットケーブル及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0864037A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019067520A (ja) * | 2017-09-28 | 2019-04-25 | 東京特殊電線株式会社 | フラットケーブル |
CN112155545A (zh) * | 2020-09-22 | 2021-01-01 | 芯海科技(深圳)股份有限公司 | 阻抗测量装置、人体秤及人体成分分析仪 |
-
1994
- 1994-08-19 JP JP21823094A patent/JPH0864037A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019067520A (ja) * | 2017-09-28 | 2019-04-25 | 東京特殊電線株式会社 | フラットケーブル |
CN112155545A (zh) * | 2020-09-22 | 2021-01-01 | 芯海科技(深圳)股份有限公司 | 阻抗测量装置、人体秤及人体成分分析仪 |
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