JPH0863715A - 磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法Info
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Abstract
Rヘッドを提供する。 【構成】 アルティック基板10上に下シールド11,
ギャップ層12、CoZrMoからなる隣接バイアス材
13を順次積層し、この上にNiFeからなるMR膜1
4を形成し、この上に縦方向バイアス磁界を生じさせる
ためのMn合金からなる反強磁性膜15を形成する。さ
らに、リード電極16を設け、所定膜厚のギャップ層1
7、NiFeからなる上シールド18、ギャップ層19
を積層し、最後にNiFeからなる書き込みポール20
を形成する。このとき、反強磁性膜15を成膜するため
のMn合金ターゲットを、300℃で窒素中に20時間
の熱処理を行い、ターゲット表面に析出した酸素をエッ
チングにより除去し、そのターゲットを用いて反強磁性
膜を形成する。これにより、反強磁性膜中の酸素,C濃
度を10原子%以下に抑え、交換バイアス量を大きくす
ることができる。
Description
ドおよびその製造方法に関し、特に強磁性磁気抵抗効果
を利用して読み出す強磁性磁気抵抗効果素子(以下、M
R素子と略す)を備える磁気抵抗効果ヘッド(以下、M
Rヘッドと略す)およびその製造方法に関する。
子と記録媒体との相対速度に依存しないため、小型高密
度の磁気記録装置の再生用ヘッドへの応用が期待されて
いる。しかし、MR素子を磁気記録の信号再生用ヘッド
として実用化するためには、再生印号のノイズの主因と
なり再生信号の再現性を低下させるバルクハウゼンノイ
ズを抑制する必要がある。
端部での反磁界によって生じる磁壁の不連続な移動であ
ると考えられる。このため、MR素子端部を単磁区化し
て磁壁をなくす方法が数多く提案されている。その一つ
として、特開昭62−40610号公報には、MR素子
の両端に反強磁性材料を置いて反強磁性材料の交換相互
作用によってセンス電流方向にバイアス磁界(以下縦方
向バイアス磁界と呼ぶ)を加える構造が開示されてい
る。
を抑えるための反強磁性材料としてMn合金がある。可
能なMn合金の中で、FeMnはMR素子材料であるN
iFe層と交換結合する能力が最も大きいと考えられ、
FeMnをNiFe層に直接付着する方法が提案されて
いる。しかしながら、FeMnは、非常に酸化しやすい
物質であり、大気中に晒すことにより、バイアス磁界量
の低下が観測された。
加し、耐食性を向上させることを目的とした特許が、特
開昭63−273372号公報および特開平4−211
106号公報に開示されている。このFeMnCrを用
いて作製した膜の交換バイアス磁界を測定したところ、
交換バイアス磁界量が“0”となる結果となった。一
方、信頼性の得られる膜となったNiMnについても交
換バイアス磁界量が“0”となる結果となった。
みなされたものであって、その原因を追求し、信頼性の
高い交換バイアス磁界量の大きいMRヘッドを提供する
ことにある。
ッドは、強磁性磁気抵抗効果層と、この強磁性磁気抵抗
効果層に接し、交換力により縦方向バイアス磁界を生じ
させる反強磁性体層とを備える磁気抵抗効果ヘッドにお
いて、前記反強磁性体層中の酸素濃度を前記反強磁性体
層組成の10原子%以下にしたことを特徴とする。さら
に、前記反強磁性体層と前記強磁性磁気抵抗効果層との
界面における酸素濃度を前記反強磁性体層組成の10原
子%以下にしたことを特徴とする。また、前記酸素濃度
が、炭素濃度であってもよい。
方法は、反強磁性体層を成膜するためのMn合金ター
ゲットを窒素中で熱処理し、表面に酸素を析出させる工
程、Mn合金ターゲットの表面に析出した酸素をエッ
チング法により除去する工程、酸素を除去した低酸素
濃度のMn合金ターゲットを用い、蒸着法もしくはスパ
ッタリング法により反強磁性体層を成膜する工程、とを
含んでいる。
n膜を、ガラス基板上に形成したNiFe膜上にそれぞ
れ積層し、バイアス磁界の大きさ(交換バイアス量)に
ついて調べた。それによると、FeMnCr膜を形成し
た場合、バイアス磁界が“0”となった試料があった。
この試料のオージェ分析による成分分析の結果を図3に
示す。図3は、横軸に試料の表面層の深さを表すものと
して測定の際のスパッタ時間で示し、縦軸にはその組成
を比で示した。これによると、FeMnCr膜の中には
Cが多く存在していることがわかる。
ス磁界の大きさが25(Oe:エルステッド)となり、
図4に示すように、膜中にはC(炭素)がほとんど含ま
れていないことがわかる。すなわち、FeMnCr膜を
形成した試料でバイアス磁界が“0”となったのは、こ
の膜中のCの影響であると考えられる。
バイアス磁界の大きさが10(Oe)となった。この試
料を同様にオージェ分析により調べた結果を図5に示
す。これによると、NiMn膜中には酸素が多く存在し
ていることがわかった。このようにNiFe膜との界面
に存在する酸素(O)のみではなく、膜中の酸素もバイ
アス磁界の大きさに関与しており、酸素濃度が高いとバ
イアス磁界は小さくなることがわかった。ここで、反強
磁性膜中の酸素濃度(原子%)とバイアス磁界の大きさ
(交換バイアス量)との関係を図6に示す。これによる
と、バイアス磁界を大きくするには、反強磁性膜中の酸
素,Cの濃度を10原子%以下に抑える必要がある。な
お、図に示す反強磁性膜の組成に存在するTaは、磁気
的分離層もしくは結晶性の向上をはかるための層に用い
たものである。
る。 (実施例1)図1は、本発明の一実施例を示す構成図で
あって、複合ヘッドを構成するMRヘッド部の構成を示
している。本実施例は、図1に示すように、まず、アル
ティック(AlTiC:アルミナ・チタン・カーバイ
ド)基板10上にNiFeからなる下シールド11、ギ
ャップ層12、CoZrMo等からなる隣接バイアス材
13を順次積層し、この上にNiFeからなるMR膜1
4を形成し、さらに、この上に縦方向バイアス磁界を生
じさせるためのFeMnCrからなる反強磁性膜15を
形成する。そして、Au等からなるリード電極16を設
け、所定膜厚のアルミナ(Al2 O3 )等からなるギャ
ップ層17を形成する。その後、NiFeからなる上シ
ールド18、アルミナからなるギャップ層19を積層
し、最後に、NiFeからなる書き込みポール20を形
成する。
の評価のために、ガラス基板上にNiFe/FeMnC
rと順次形成した試料について、バイアス磁界の大きさ
を測定した。その結果、バイアス磁界は20(Oe)で
あり、十分に大きな値が得られた。また、このときの膜
のC濃度は、図2のオージェ分析結果に示すように、十
分に小さいことがわかった。 (実施例2)次に、本発明の第2の実施例によるMRヘ
ッドについて説明する。本実施例は、実施例1におい
て、図1に示す反強磁性膜15のFeMnCrに代えて
NiMnを用いたものであって、それ以外は同様の構成
である。従って、構成の説明は重複を避けるために省略
する。
の評価のために、ガラス基板上にNiFe/NiMnと
順次形成した試料について、バイアス磁界の大きさを測
定した。その結果、バイアス磁界は20(Oe)であ
り、十分に大きな値が得られた。また、このときの膜の
酸素濃度は十分に小さいことがわかった。 (実施例3)次に、本発明の第3の実施例によるMRヘ
ッドについて説明する。本実施例の構成は、実施例2の
場合と同様であるが、反強磁性膜15の形成する際に用
いたNiMnターゲットに処理を加えたものであって、
それ以外は同様の構成であり、構成に関する説明は重複
を避けるために省略するが、このNiMnターゲットに
処理は、、まず、反強磁性膜15のNiMnを成膜する
ためのNiMnターゲットを、300℃で窒素中に20
時間の熱処理を行った後、NiMnターゲットの表面に
析出した酸素をエッチング法にて除去する。そして、酸
素を除去した低酸素濃度NiMnターゲットを用いてス
パッタ法により反強磁性膜15を形成する。
の評価のために、ガラス基板上にNiFe/NiMn
(低酸素濃度ターゲットで成膜)と順次形成した試料に
ついて、バイアス磁界の大きさを測定した。その結果、
バイアス磁界は25(Oe)以上であり、十分に大きな
値が得られた。また、このときの膜の酸素濃度は十分に
小さいことがわかった。
てNiMnを用いたが、FeMnCrについても前述の
処理(熱処理と表面に析出した酸素の除去)を行うこと
により、同様の結果が得られる。
効果ヘッドは、信頼性が高く、交換バイアス磁界量も十
分に大きいMRヘッドが得られるという効果がある。
る。
る。
る。
る。
関係を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 強磁性磁気抵抗効果層と、この強磁性磁
気抵抗効果層に接し、交換力により縦方向バイアス磁界
を生じさせる反強磁性体層とを備える磁気抵抗効果ヘッ
ドにおいて、前記反強磁性体層中の酸素濃度を前記反強
磁性体層組成の10原子%以下にしたことを特徴とする
磁気抵抗効果ヘッド。 - 【請求項2】 強磁性磁気抵抗効果層と、この強磁性磁
気抵抗効果層に接し、交換力により縦方向バイアス磁界
を生じさせる反強磁性体層とを備える磁気抵抗効果ヘッ
ドにおいて、前記反強磁性体層と前記強磁性磁気抵抗効
果層との界面における酸素濃度を前記反強磁性体層組成
の10原子%以下にしたことを特徴とする磁気抵抗効果
ヘッド。 - 【請求項3】 前記酸素濃度が、炭素濃度であることを
特徴とする請求項1または2記載の磁気抵抗効果ヘッ
ド。 - 【請求項4】 次の工程を含むことを特徴とする磁気抵
抗効果ヘッドの製造方法。 (イ)反強磁性体層を成膜するためのMn合金ターゲッ
トを窒素中で熱処理し、表面に酸素を析出させる工程 (ロ)Mn合金ターゲットの表面に析出した酸素をエッ
チング法により除去する工程 (ハ)酸素を除去した低酸素濃度のMn合金ターゲット
を用い、蒸着法もしくはスパッタリング法により反強磁
性体層を成膜する工程
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20354994A JP2669357B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20354994A JP2669357B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0863715A true JPH0863715A (ja) | 1996-03-08 |
JP2669357B2 JP2669357B2 (ja) | 1997-10-27 |
Family
ID=16475983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20354994A Expired - Fee Related JP2669357B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 磁気抵抗効果ヘッドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2669357B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0883196A2 (en) * | 1997-06-05 | 1998-12-09 | TDK Corporation | Magnetoresistance effect film and magnetoresistance effect type head |
-
1994
- 1994-08-29 JP JP20354994A patent/JP2669357B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0883196A2 (en) * | 1997-06-05 | 1998-12-09 | TDK Corporation | Magnetoresistance effect film and magnetoresistance effect type head |
US5968676A (en) * | 1997-06-05 | 1999-10-19 | Tdk Corporation | Magnetoresistance effect film and magnetoresistance effect type head |
EP0883196A3 (en) * | 1997-06-05 | 2000-01-12 | TDK Corporation | Magnetoresistance effect film and magnetoresistance effect type head |
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---|---|
JP2669357B2 (ja) | 1997-10-27 |
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