JPH0863582A - 画像処理方法及びこれを利用した化粧のシミュレート方法 - Google Patents

画像処理方法及びこれを利用した化粧のシミュレート方法

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JPH0863582A
JPH0863582A JP7083328A JP8332895A JPH0863582A JP H0863582 A JPH0863582 A JP H0863582A JP 7083328 A JP7083328 A JP 7083328A JP 8332895 A JP8332895 A JP 8332895A JP H0863582 A JPH0863582 A JP H0863582A
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Kunio Nogi
都夫 野木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】顔面のイメージデータから、略同一のRGB構
成比を有する部分を認識する画像処理及び化粧のシミュ
レート方法の提供。 【構成】撮像装置2のデータから、人体Mの肌、口など
の略同一のRGB構成比を有する部分を特定するため
に、グレイスケールメモリ4から選ばれた認識開始座標
(A、B)の画素と、この画素から周囲(A+n、B+
n)の座標内に位置する各画素との階調を比較し所定の
範囲内にある画素をピックアップする抽出処理と、抽出
された画素について、画像入力メモリ3を参照しこれら
の画素の中間値のRGB構成比を算出する処理と、エッ
ジメモリ5上で、認識開始座標の画素と同一値かつエッ
ジ内部に存在する画素と、この画素から周囲(A+m、
B+m)の座標内に位置する画素に対して入力メモリ3
を参照しかつ中間値のRGB構成比と略一致する画素と
を検索し、各画素のメモリに、同一の領域を示すデータ
番号を代入する処理とを含むとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、取得された顔面のイメ
ージデータから、肌、口といったほぼ同一のRGB構成
比を有する領域を特定でき、かつこの領域のRGB構成
比を変化させることにより、例えば化粧前、化粧後の状
態に近似したイメージを表示しうる画像処理方法及びこ
れを利用した化粧のシミュレート方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧のシミュレートを行うソフト
ウェアはほとんど存在せず、ある化粧品の色が自分に合
うか等の適否は、実際にその化粧品を試してみる必要が
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実に
化粧をしていたのでは、長時間を要するため好ましくな
いばかりか、他の色々な化粧品を試したいような場合に
は、化粧を落とすのにも多大の時間を要する。
【0004】本発明は、以上のような問題点に鑑み、顔
面の略同一のRGB構成比を有する領域を自動認識しう
るとともに、顔面の特定領域のRGB構成比を変化させ
ることを基本として、現実に化粧をしなくとも化粧の結
果に近似した状態を容易に確認しうる画像処理方法及び
これを利用した化粧のシミュレート方法を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、撮像装置で人
体の顔面を撮影して得られる画像イメージデータから、
人体の肌、口などの略同一のRGB構成比を有する部分
を特定するために、前記画像イメージデータを各画素ご
とにRGBの三原色の成分に分解して画像入力メモリに
記憶させる処理と、この画像入力メモリの各画素データ
を、輝度の大小に応じたグレイスケールに変換してグレ
イスケールメモリに記憶させる処理と、このグレイスケ
ールメモリの各画素データを所定の境界値に基づいて2
値化することによりエッジを抽出してエッジメモリに記
憶させる処理とからなる前処理を有する画像処理方法で
あって、前記グレイスケールメモリから選ばれたX−Y
平面上の座標で表される認識開始座標(A、B)の画素
と、この認識開始座標の画素から周囲(A+n、B+
n)の座標内に位置する各画素との階調を比較しかつ階
調差が所定の範囲内にある画素をピックアップする処理
と、前記ピックアップされた画素について、前記画像入
力メモリを参照しこれらの画素の中間値のRGB構成比
を算出する処理と、前記エッジメモリ上で、前記認識開
始座標の画素と同一値かつエッジ内部に存在する画素
と、この画素から周囲(A+m、B+m)の座標内に位
置する画素に対して前記画像入力メモリを参照しかつ前
記算出された中間値のRGB構成比と略一致する画素と
を検索し、これらの検索された各画素のメモリに、同一
の領域であることを示すデータ番号を代入する処理とを
有する部分特定処理を含む画像処理方法である。
【0006】
【作用】請求項1の部分特定処理により、肌や口といっ
た略同一のRGB構成比を有する領域を特定しうるとと
もに、請求項8の処理により、予め選択された選択領域
を、カラーイメージ決定処理により決定されたカラーイ
メージのRGB構成比に置き換えて選択領域の色変化を
容易になしうる。したがって、例えば選択領域を口唇と
し、又カラーイメージデータに多数の口紅色を記憶して
おくことにより、現実に撮影された口唇を口紅色に変化
でき、実際に化粧を施すことなく化粧後に近似した状態
を容易に確認しうる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を化粧のシミュレー
トに用いた場合を例にとり、図面に基づき説明する。図
1に示すように、本発明の処理を行う装置として、例え
ばスチルカメラ、ビデオカメラ、イメージスキャナ等の
撮像装置2と、画像処理用のメモリ3〜5と、後述する
ぼかし率を記憶しうるぼかし率メモリ11と、イメージ
カラー記憶用のメモリ12と、CPU7と、カラーCR
T等の表示装置9と、キーボード等の入力装置10とか
ら構成されるものが挙げられる。
【0008】本発明では、前記撮像装置2で人体Mの顔
面を撮影して画像データを取得する画像入力処理を行う
が、本実施例では又好ましくは青色の単一色の背景中に
人体Mの顔面中心と撮影画像の中心を略一致させ、かつ
完全に収まるよう正面方向から撮影して画像イメージデ
ータを取得する。
【0009】又画像入処理では以下のように前処理をお
こなう。第一に、撮像装置2から得られた画像イメージ
データは、例えば、
【数1】 に示すような、マスク係数を使用し、平滑化して図2
(A)に示すような画像入力メモリ3に本例ではRGB
夫々8ビットの256階調で記憶され、この情報は本例
では常時前記表示装置9にカラーイメージとして表示さ
れる。
【0010】
【数1】
【0011】なお画像入力メモリ3の各画素6には、図
2(A)に示すようにそれぞれ上位1バイトに作業用エ
リアを設けており、このエリアの各ビットには例えば背
景…眉、目、口、肌といった各特定領域の部分を示すビ
ット領域が割り当てられ、いずれかのビットが1であれ
ば、当該画素は、そのビットが示す領域部分であること
を示している。なおこの特定部分にビットを立てる処理
については後で述べる。
【0012】第二に、画像入力メモリの各画素をRGB
→YIQ変換の一部であるNTSC信号の輝度情報に、
本例では
【数2】 で示す式を用いてグレイスケールに変換し、図2(B)
に示すように1バイトの256階調でグレイスケールメ
モリ4に記憶させる。なお
【数2】のr、g、bは、夫々三原色R(赤)、G
(緑)、B(青)の各混合量を示している。
【0013】
【数2】
【0014】第三に、グレイスケールメモリ4の各画素
を、本例では境界値128で2値化し、例えば
【数3】 に示すマスク係数を使用して画像の濃淡のエッジを抽出
し、図2(C)に示すように1バイトの0又は1である
2値データとしてエッジメモリ5に記憶させる。
【0015】
【数3】
【0016】なお、本実施例では、図2(D)に示すよ
うに、化粧のシミュレートを実行する際に、ぼかし率を
記憶させうる1画素に1バイトのぼかし率メモリ11を
具えるがこれについては後に述べる。
【0017】図3には前記処理にて得られたエッジメモ
リ5を、二次元のX−Y座標系上に、エッジ部、すなわ
ち記憶値が「1」である画素を黒(但し、ハッチングを
除く)でかつ人体の頭部を上にして展開した図を示して
いる。
【0018】次に、これらの画像データを画像処理する
ことにより、略同一のRGB構成比を有する領域を特定
する部分特定処理を行う。例えば、ほぼ同一のRGB構
成比を有する背景部分を特定する場合について説明す
る。
【0019】先ず前記エッジメモリと同様にグレイスケ
ールメモリ4を二次元のX−Y座標に展開し、かつ最左
上方の端部に原点座標(0,0)を位置させ、この原点
座標(0,0)を認識開始座標とする。
【0020】次に、この認識開始座標と、認識開始座標
(0,0)から周囲(0+n、0+n)の座標内、本例
ではn=+10としたx座標が10以下、y座標が10
以下に位置する各画素との階調を比較し、かつ階調差が
所定の範囲内、本例では20以内にある画素をピックア
ップする抽出処理を行う。
【0021】これらのピックアップされた画素につい
て、前記画像入力メモリ3を参照し、例えばヒストグラ
ム等の常法に従い、構成色の中間値のRGB構成比を求
めるRGB構成比算出処理を行う。
【0022】前記エッジメモリ5上で、前記認識開始座
標(0、0)の画素と同一値かつエッジ内部に存在する
画素と、この画素から周囲(A+m、B+m)、本例で
はm=+100とした座標内に位置する画素に対して前
記画像入力メモリ3を参照しかつ前記算出された中間値
のRGB構成比と略一致する画素とを検索する。なおR
GBの構成比は完全に一致するものの他、多少の偏差、
例えば±5程度の偏差を有するものを含めるようにして
も良い。又、これらの検索された各画素のメモリに同一
のデータ番号を代入するデータ番号代入処理を行う。
【0023】前記の処理で検索された画素には、背景部
分であることを示す同一のデータ番号、例えば16進コ
ード0x80が前記作業用エリアにOR演算されること
により、前記画像入力メモリ3の背景のビットに1が立
つ。この領域は、エッジメモリで見た場合、図3でハッ
チングで示す領域として特定される。
【0024】次に、例えば顔面の肌の部分を特定する処
理について説明する。図3に示す、X−Y平面上に表し
たエッジメモリ画像のX方向に並んだ画素の中間点XC
からY方向に伸ばす縦中心軸をL1とする。
【0025】又、この縦中心軸L1のY方向上部から前
記背景部分以外の画像データが初めて出現する画素のY
座標をYSとし、入力画像の最も下(本例では+方向)
のY座標をYEとし、前記YSと、YEとのY方向中間
位置YCからX方向にのばした横中間軸をL2とする。
【0026】前記縦中心軸L1と、横中間軸L2との交
点P1(XC、YC)を前記認識開始座標とし、前記画
像部分特定処理を行う。このように交点P1を特定した
のは、人体の顔面中心と、撮影画像の中心とが略一致す
るように撮影したことに基づいており、この点P1は理
論上、又経験則上顔面の中心とみなすことができる。
【0027】従って、この交点P1を認識開始座標とし
て前記部分特定処理を行えば、RGB構成比が略一致す
ると判断された画素の前記作業用エリアに、肌であるこ
とを示す同一のデータ番号、例えば16進コード0x0
1がORで演算され、前記肌のビットに1が立つ。この
領域は、図4(A)でハッチングで示すようになる。
【0028】次に口の部分を特定する処理について説明
する。この処理においては、前記部分特定処理で得られ
た肌の画像部分を、前記縦中心軸L1上の最も下の位置
にあるY座標値YHから上へ向けて(Y=0に近づけ
て)移動しながら検索し、最初に現れた肌とは異なるデ
ータ番号を有する画素を認識開始点P2(XC,YM)
として部分特定処理を行う。
【0029】このような画素P2を口を特定する際の認
識開始点としたのは、画面の最下端は、通常顎と考えら
れるため、その上に存在し、かつRGB構成比が異なる
部分は口(口唇)と考えられることに基づく。なお、こ
の認識開始点P2は、エッジによって閉じた内部に存在
する点(画素)である場合に限る。
【0030】このような認識開始点P2を基準として部
分特定処理により、特定された画素は、その作業用エリ
アに口唇部分であることを示す同一のデータ番号、例え
ば16進コード0x02がORで演算され、前記口のビ
ットに1が立つ。このような画素は、図4(B)に黒塗
りで示す領域のようになる。
【0031】これらの処理の流れは、図5のフローチャ
ートのステップST1〜ST5に示され、又部分特定処
理(ステップST5)の詳細は図6のフローチャートに
示すようになる。なお図6の最終ステップにある判断
は、例えば逐次値i=1で認識開始座標をP1とし、逐
次値i=2で認識開始座標をP2とするように、順次行
うようにする。
【0032】以上のように本発明の部分特定処理は、経
験則的な事実に基づく人体の顔面の構成を利用して、種
々の認識開始点を与えてやることで、特定部分を抽出す
ることが可能となる。
【0033】又部分特定処理での認識開始点の画素との
階調差を本例では+20のものを検索するようにしてい
るが、これをさらに+15、+10、+5といったよう
に除々に減じていくことにより、又外部から前記認識開
始座標を適宜与えることで、よりシビアな部分特定が可
能となり、例えば、+15では図7に示すように肌のう
ち、頬や額、瞼、顎といった部分までも区別して特定し
うる。なお好ましいのは+25〜+5の範囲、中でも+
20である。
【0034】なお前記部分特定処理は、顔面を所定の大
きさかつ所定のファインダ内の位置に撮影することなど
により、予め複数の位置に認識開始座標を固定的に定め
ても良く、これに基づいて複数の領域を特定するように
構成しても良い。
【0035】以上のように各領域を特定された後は、図
5にステップST6〜9で示される領域選択処理、カラ
ーイメージ決定処理、RGB変化処理、表示処理を行
う。この領域選択処理は、例えば、表示装置9に示され
る画像データに、マウス、キーボード、ライトペンの入
力手段を用いて口、鼻など前記部分特定処理にて特定さ
れた一つの領域を選択指示することができる。
【0036】次に、前記選択された領域に塗るカラーイ
メージデータを決定するカラーイメージ決定処理(図7
に示す)を行う。
【0037】カラーイメージデータは、本例ではファン
デーション、口紅、頬紅、アイシャドウ等の各化粧品に
対応した疑似色からなるとともに、カラーイメージメモ
リ12に前記入力手段により適宜、決定自在に記憶され
ている。
【0038】したがって、前記領域選択処理で口唇を選
択したときには、カラーイメージ決定処理で、例えば、
某化粧品メーカの#123番の口紅などを決定しうると
ともに、本例では、描画強度やコントラスト等も併せて
指示しうるように構成されている。なお描画強度、コン
トラスト等は省略しても良い。
【0039】ここで、「描画強度」とは、選択された領
域の画素の色に対する、決定されたカラーイメージデー
タの描画色の配合の度合いを表し、例えば、描画対象の
画素の色をT、カラーイメージデータの描画色をF、描
画強度をG(%)とすれば、描画色Fは、 {T×(100−G)}+(F×G) となり、描画色の配合が調整される。従って、描画強度
Gを100%と決定すれば、描画色Fのみがそのまま採
用されることになり、逆に描画強度が0であれば、描画
対象の画素の色がそのまま採用される。
【0040】又、コントラストは、描画色の明るさを示
し、例えばカラーイメージデータの描画色Fのコントラ
ストを、CTからNに変化させたときには、コントラス
トNのときの描画色Fは、(F/CT)×Nになる。
【0041】次に、前記選択された領域を、カラーイメ
ージデータ決定処理により決定された描画色のRGB構
成比に置き換えるRGB変化処理(図8に示す)と、そ
の結果を前記表示装置9に表示する表示処理とを行うこ
とにより、例えば特定領域の化粧後に近似した状態を確
認しうる。
【0042】前記RGB変化処理は、例えば次のような
手順で行う。一つの例として、RGB構成比、明度など
が前記処理により予め特定されたカラーイメージデータ
の描画色をF、外部から指示される前記描画強度をG
(%)、ぼかし率をE(%)とし、又選択された領域の
データ番号を有する全ての画素Pi(i=1〜nの逐次
値である)のRGB中間値の色をCLとする。
【0043】ここで、「ぼかし率」とは、描画の対象と
なっている画素の色と、施そうとする描画色(描画強度
が与えられた場合には、それにより調整された後の色)
との調合をいい、このぼかし率が大であるほど描画色の
反映が小となるものである。
【0044】然して先ず、前記RGBの中間値の色CL
と、画素Piとの明度比Dを、選択された領域に属する
全ての画素について
【数4】 で示す式により演算する。
【0045】
【数4】
【0046】次に前記描画色Fの明度FYは、選択され
た領域に属する全ての画素について
【数5】 で示す式により個々に演算して決定される。但し、F
Y′は描画色F本来の明度、Dは選択されている領域の
前記各画素毎の明度比である。
【0047】
【数5】
【0048】又描画色Fの色調合の比率Q1、描画の対
象となる画素Piの色調合の比率Q2を
【数6】
【数7】 より求める
【0049】
【数6】
【0050】
【数7】
【0051】したがって、描画強度Gが100%であれ
ば、Q1=ぼかし率E、Q2=(100−ぼかし率E)
となる。
【0052】前記各値を用いて、描画の対象となる領域
の全ての画素Piの各RGB成分の混合量の係数r′、
g′、b′を
【数8】
【数9】
【数10】 のように置換して画像入力メモリに記憶させる。
【0053】
【数8】
【0054】
【数9】
【0055】
【数10】
【0056】前記
【数8】、
【数9】、
【数10】の各混合量を
【数11】 を用いて混合することにより任意の色光F′を得ること
ができ、この値を用いて、RGBカラーイメージ画像を
表示装置9に表示させる。
【0057】
【数11】
【0058】このとき、色光F′には明度処理を含ませ
て考えることができる。即ち、F′の色度一定で明度を
増やせばそれに比例して前記r′、g′、b′の係数は
同じ比率を保って増し、本例ではその比率に前記
【数4】で求めた明度比Dを採用することにより明暗の
調整を容易になしうる。
【0059】このように、本発明の化粧のシミュレート
方法では、選択された領域に、単に決定された色を塗る
のではなく、カラーイメージデータの描画色にぼかし率
を与え、しかも描画色を、領域の中間値に対する明度比
に応じて各画素に付しうるなど、処理対象の画像データ
の実物に対し、実際に指定された色を塗った時に近い状
態を再現しうる。
【0060】又前記ぼかし率E(%)は、例えば、肌の
領域に任意の色光をぼかし率E(%)でシミュレートす
る場合、肌の領域の画素全てを均一のぼかし率とする
他、例えば、次のような方法により、肌の領域内で変化
させるぼかし率変化処理を行いうる。
【0061】先ず、一つの方法として、図9に示すよう
に、前記選択された領域SAを最も外から囲む1画素の
環状部分をS1として以下、前記領域の内側に向かう1
画素の環状部分をS2、S3、…、Snとし、前記1画
素の各環状部分S1に用いるぼかし率をE1、同S2に
用いるぼかし率をE2、…同環状体Snに用いるぼかし
率をEnとしたとき、 En=E−(n−1)*m (但し、nは1からの整数、mは変化率で、しかもEの
最小値は0とする)で表されるぼかし率を用いることが
できる。
【0062】つまり、このようなぼかし処理は、ぼかし
たい領域を例えば地図の等高線のような輪郭に区分して
順次ぼかし率を本例では中心に向けて小さくしていき、
ぼかし率がゼロとなったところでその変化は終了する。
なおぼかし率がゼロでは、描画色がそのまま反映される
のである。
【0063】なおここで、前記mは、任意に定めうるス
テップ数であり、この値は描画領域により異なるものの
例えば2〜50、好ましくは5〜25、より好ましくは
10〜20程度に設定することにより滑らかなぼかしを
実現することができ、しかも前記mとnとの積m・n
は、100未満とすることが好ましい。
【0064】このようなぼかし率変化処理は、口唇の領
域を選択した場合次のように行いうる。即ち、先ず前記
変化率をmとすると、画像入力メモリ3の作業用エリア
における口唇のビット、即ち先頭より下位2ビットが1
の画素を検索する。
【0065】その画素のうち、周囲1画素が肌を表す領
域、つまり作業用エリアの下位1ビットが1である画素
を抽出する。つまり、口唇の領域を構成する画素のう
ち、最外周をなす前記環状部分S1を特定し、これらの
画素のぼかしメモリ11に、前記式で与えられるぼかし
率E1を代入する。
【0066】次に、口唇の領域の画素のうち、周囲1画
素のぼかし率がE1である画素を抽出する。つまり、口
唇の領域を構成する画素のうち、最外周をなす環状部分
S1に隣り合う環状部分S2を特定し、これらの画素の
ぼかしメモリ11に、ぼかし率E2を代入する。
【0067】以下同様に、ぼかし率がゼロになるまで選
択された口唇の領域の全ての画素について処理を繰り返
す。
【0068】このようにぼかし率を付加することによ
り、単一のぼかし塗りでは表現しえないきわめて実物に
近似したぼかしを可能とする他、どのような形状の領域
に対しても、均一にしかも正確にぼかし塗りすることが
できる。なお領域の中心に向けてぼかし率を大きくして
も良く、このとき変化率は負となる。
【0069】次に、他の方法としては、図10に示すよ
うに、選択された領域の重心が、AGであるとすれば、
この重心位置AGを中心とする同心の円弧RCにより、
領域SAを順次分割し、最も離れた箇所から、ぼかし率
Eを100−m(mは、前記同様ぼかし率の変化率であ
る)、その次に離れている領域を(100−2m)とい
うように、以下順次選択されている領域が無くなるまで
処理を続けることも可能である。
【0070】さらに、他の方法としては、図11に示す
ように、ぼかし中心の位置を、選択されている領域SA
を覆う外接円ROを仮定し、かつこの外接円ROの中心
位置Aとすることにより、この位置Aから最も離れてい
る領域のぼかし率Eが、100−m、その次に離れてい
る領域は100−2mというように、以下順次選択され
ている領域が無くなるまで処理を続けることもできる。
【0071】このようにぼかし率変化処理は、ぼかしの
中心位置をどのように定めるかによって無限のバリエー
ションを持つ。
【0072】
【発明の効果】叙上の如く、本発明によればRGB構成
比が近似した部分を特定することにより、肌や口等を容
易に認識でき、又当該特定部分のRGBを、指示された
色で変化させうることにより、化粧前、化粧後に近似し
たイメージ画像を表示しうるシミュレートを可能として
現実に化粧をしなくとも短時間で化粧の結果を確認しう
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理に用いられる装置を説明するため
の線図である。
【図2】画素のデータを説明するための線図である。
【図3】エッジメモリをX−Yの二次元に展開して示す
図である。
【図4】(A)、(B)ともに、エッジメモリをX−Y
の二次元に展開して示す図である。
【図5】本発明の一実施例を示すフローチャートであ
る。
【図6】本発明の一実施例を示すフローチャートであ
る。
【図7】カラーイメージ決定処理のフローチャートであ
る。
【図8】RGB変化処理のフローチャートである。
【図9】ぼかし率変化処理の一実施例を示す線図であ
る。
【図10】ぼかし率変化処理の一実施例を示す線図であ
る。
【図11】ぼかし率変化処理の一実施例を示す線図であ
る。
【符号の説明】
2 撮像装置 3 画像入力メモリ 4 グレイスケールメモリ 5 エッジメモリ 6 画素 7 CPU 9 表示装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撮像装置で人体の顔面を撮影して得られる
    画像イメージデータから、人体の肌、口などの略同一の
    RGB構成比を有する部分を特定するために、 前記画像イメージデータを各画素ごとにRGBの三原色
    の成分に分解して画像入力メモリに記憶させる処理と、 この画像入力メモリの各画素データを、輝度の大小に応
    じたグレイスケールに変換してグレイスケールメモリに
    記憶させる処理と、 このグレイスケールメモリの各画素データを所定の境界
    値に基づいて2値化することによりエッジを抽出してエ
    ッジメモリに記憶させる処理とからなる前処理を有する
    画像処理方法であって、 前記グレイスケールメモリから選ばれたX−Y平面上の
    座標で表される認識開始座標(A、B)の画素と、この
    認識開始座標の画素から周囲(A+n、B+n)の座標
    内に位置する各画素との階調を比較しかつ階調差が所定
    の範囲内にある画素をピックアップする処理と、 前記ピックアップされた画素について、前記画像入力メ
    モリを参照しこれらの画素の中間値のRGB構成比を算
    出する処理と、 前記エッジメモリ上で、前記認識開始座標の画素と同一
    値かつエッジ内部に存在する画素と、この画素から周囲
    (A+m、B+m)の座標内に位置する画素に対して前
    記画像入力メモリを参照しかつ前記算出された中間値の
    RGB構成比と略一致する画素とを検索し、これらの検
    索された各画素のメモリに、同一の領域であることを示
    すデータ番号を代入する処理とを有する部分特定処理を
    含む画像処理方法。
  2. 【請求項2】前記部分特定処理は、前記認識開始座標を
    前記グレイスケールメモリから選ばれたX−Y平面上の
    座標において最左上方又は最右上方とすることにより、
    人体の顔面以外の背景部分の領域を特定してなる請求項
    1記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】前記撮影は、正面方向から人体の顔面の略
    中心を撮影画像の略中心に位置させかつ顔面全体が完全
    に収まるようにするとともに、 前記部分特定処理は、前記認識開始座標として、X−Y
    平面上に表したエッジメモリ画像のX方向に並んだ画素
    の中間点からY方向に伸ばす縦中心軸と、Y方向の上部
    から前記背景部分以外のエッジが初めて出現する画素Y
    の座標と入力画像の最終Y座標の中間位置からX方向に
    のばした横中間軸との交点を含むことにより、肌の領域
    を特定してなる請求項2記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】前記部分特定処理で得られた肌の画像部分
    を、前記縦中心軸上の最も下のY座標値から上へ移動し
    ながら検索し、最初に現れた肌の画像部分とは異なるデ
    ータ番号を有する領域を口と認識させることを特徴とす
    る請求項3記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】前記画像処理方法は、前記特定された領域
    の画素を、任意のRGB構成比を有するカラーイメージ
    データに変化させるRGB変化処理を含むことを特徴と
    する請求項1乃至4記載の画像処理方法。
  6. 【請求項6】前記RGB変化処理は、 指示されたカラーイメージデータの描画色をFとすると
    ともに、前記特定された領域の各画素の色と描画色Fと
    の配合の度合いであるぼかし率をE(%)とするとき、
    描画の対象となる画素Piの各RGB成分r、g、bを r′=〔(r×E)+{描画色FのR成分×(100−
    E)}〕/100 g′=〔(g×E)+{描画色FのG成分×(100−
    E)}〕/100 b′=〔(b×E)+{描画色FのB成分×(100−
    E)}〕/100 (但しr、g、bは、画素Piの変化前のRGB成分で
    ある。)に置き換える処理とを含むことを特徴とする請
    求項5記載の画像処理方法。
  7. 【請求項7】前記RGB変化処理は、前記指示されたぼ
    かし率E(%)を、前記選択された領域内で順次変化さ
    せるぼかし率変化処理を含むことを特徴とする請求項5
    乃至6記載の画像処理方法。
  8. 【請求項8】撮像装置で人体の顔面を撮影して画像デー
    タを取得する画像入力処理と、 この入力された顔面の画像データを画像処理することに
    より、略同一のRGB構成比を有する複数の領域を特定
    する部分特定処理と、 前記画像処理方法は、前記部分特定処理により特定され
    た複数の領域から、一つの領域を選択しうる領域選択処
    理と、 予めRGB構成比を定められかつ記憶手段に記憶された
    ファンデーション、口紅、アイシャドウ、頬紅などの化
    粧品の疑似色からなるカラーイメージデータを決定する
    カラーイメージ決定処理と、 前記領域選択処理により選択された選択領域を、カラー
    イメージ決定処理により決定されたカラーイメージのR
    GB構成比に置き換えるRGB変化処理と、 このRGB変化処理の結果をカラーイメージ表示する表
    示処理とを有してなる画像処理を利用した化粧のシミュ
    レート方法。
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