JPH0860388A - 硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器および濾過方法 - Google Patents

硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器および濾過方法

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JPH0860388A
JPH0860388A JP19062294A JP19062294A JPH0860388A JP H0860388 A JPH0860388 A JP H0860388A JP 19062294 A JP19062294 A JP 19062294A JP 19062294 A JP19062294 A JP 19062294A JP H0860388 A JPH0860388 A JP H0860388A
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JP
Japan
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filter
acid
hydrofluoric acid
filter medium
pickling bath
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Withdrawn
Application number
JP19062294A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Ikeda
佳隆 池田
Koji Maruyama
康治 丸山
Takashi Sueyoshi
貴司 末吉
Tamotsu Fukuda
保 福田
Hiroshi Kobayashi
拡 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd, Nippon Yakin Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 耐硝弗酸性の化学繊維を束ねてなる濾材を堆
積してなる硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器及びそれ
を使用した濾過方法。 【効果】 安定的長期濾過、スラッジ効率的除去、濾液
再利用可能を達成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、硝弗酸系ステンレス
酸洗浴用濾過器およびそれを使用した濾過方法に関し、
より詳しくは、硝弗酸系ステンレス酸洗浴用の浴液中の
スラッジを効率的に除去することができ、酸洗浄液の損
失を少なくすることもできる硝弗酸系ステンレス酸洗浴
用濾過器、および浴液である酸洗浄液の損失が少量であ
ると共に、長期間安定して硝弗酸系ステンレス酸洗浴に
おける浴液の濾過を行なうことができる濾過方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決使用とする課題】従来、ステ
ンレスの酸洗浄を行なうステンレス酸洗浴において、酸
洗浴の浴液として硝酸および弗酸を含有する酸洗浄液が
使用されている。このステンレス酸洗浴中でステンレス
を何度も酸洗浄すると、浴液中にスラッジが形成され、
その濃度は次第に高まって行く。
【0003】このステンレス酸洗浴用の浴液は、ある程
度使用された後にこれを濾過してスラッジを除去するこ
とにより、新鮮な浴液としてステンレス酸洗浴に再使用
される。
【0004】使用済みのステンレス酸洗浴の浴液を濾過
する濾過装置として砂濾過方式の濾過装置がある。この
砂濾過方式の濾過装置は、濾材として砂を使用する。
【0005】しかしながら、硝酸および弗酸を含有する
ステンレス酸洗浴の浴液を砂濾過方式の濾過装置で濾過
すると、砂のケイ酸分が溶解し、濾過後のステンレン酸
洗浴の浴液が汚染されるという不都合がある。しかも砂
濾過方式は表層濾過であるから、多量のスラッジを含有
するステンレス酸洗浴の浴液を濾過すると、たちまちに
して濾材の目づまりが発生し、濾過不能になるという大
きな問題点もある。
【0006】一方、ステンレス酸洗浴中のスラッジを除
去する装置として固液分離装置が提案されている(特公
昭54−11544号公報参照)。
【0007】しかしながら、この固液分離装置は、ステ
ンレス酸洗浴中からスラッジを高濃度スラリーとして取
り出すので、廃液量が多くてステンレス酸洗浴の浴液の
ロスが多いという問題点がある。
【0008】この発明は前記事情に基づいて完成され
た。
【0009】この発明の目的は、長期間に渡って目詰ま
りを起こすことがなく、ステンレス酸洗浴中のスラッジ
を効率的に除去することのできる濾過装置を提供するこ
とにある。
【0010】この発明の目的は、濾過後のステンレス酸
洗浴の浴液を、濾材を構成する成分の溶出物で汚染され
ることがなく、ステンレス酸洗浴中からスラッジを効率
的に除去することができ、したがって、濾過後のステン
レス酸洗浴の浴液をそのままで再使用することのできる
濾過装置を提供することにある。
【0011】この発明の目的は、ステンレス酸洗浴を濾
過することにより濾材に付着したスラッジを、より一層
少ない逆洗液で、簡単に除去することのできる濾過装置
を提供することにある。
【0012】この発明の目的は、前記複数の目的を一挙
に達成することができる濾過装置を提供することにあ
る。
【0013】この発明の目的は、ステンレス酸洗浴から
スラッジを除去し、得られた濾液をステンレス酸洗浴と
して再利用することのできる濾過方法を提供することに
ある。
【0014】この発明の目的は、浴液である酸洗浄液の
損失が少量であると共に、長期間安定して硝弗酸系ステ
ンレス酸洗浴における浴液の濾過を行なうことができる
濾過方法を提供することにある。
【0015】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための第1の発明は、耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ね
てなる濾材を堆積してなることを特徴とする硝弗酸系ス
テンレス酸洗浴用濾過器であり、前記課題を解決するた
めの第2の発明は、耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ねて
なる濾材を堆積してなる濾過器で硝弗酸系ステンレス酸
洗浴の浴液を濾過する操作と、前記濾過器を逆洗する操
作とを交互に繰り返すことを特徴とする濾過方法であ
る。
【0016】上記第1および第2の発明における態様を
以下に列挙する。
【0017】第1の態様は、耐硝酸・弗酸性の化学繊維
を束ねてなる濾材を堆積してなることを特徴とする硝弗
酸系ステンレス酸洗浴用濾過器であり、第2の態様は、
前記第1の態様において、前記化学繊維が、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニ
ルよりなる群から選択される少なくとも一種である硝弗
酸系ステンレス酸洗浴用濾過器であり、第3の態様は、
前記第1または第2の態様において前記濾材が、前記耐
硝酸・弗酸性の化学繊維を全化学繊維に共通する少なく
とも1カ所において束ねてなる濾材である硝弗酸系ステ
ンレス酸洗浴用濾過器であり、第4の態様は、前記第1
または第2の態様において前記濾材が、所定の長さに調
整された前記耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ねてなる化
学繊維束の一端で拘束してなる濾材である硝弗酸系ステ
ンレス酸洗浴用濾過器であり、第5の態様は、前記第1
または第2の態様において前記濾材が、所定の長さに調
整された前記耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ねてなる化
学繊維束の中央部で拘束してなる濾材である硝弗酸系ス
テンレス酸洗浴用濾過器であり、第6の態様は、前記第
1または第2の態様において前記濾材が、所定の長さに
調整された前記耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ねてなる
化学繊維束の両端部それぞれにて拘束してなる濾材であ
る硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器であり、第7の態
様は、前記第1〜6のいずれかの態様において、前記濾
材が、直径0.5〜4.0mmの化学繊維を10〜1,
000本束ねてなる硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器
であり、第8の態様は、前記第1〜6のいずれかの態様
において、前記濾材が、耐硝酸・弗酸性のフィラメント
を所定の長さに揃えて束ねてなるストランドの複数を所
定の長さに揃え、そのストランド束の所定箇所にて拘束
してなる硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器であり、前
記第9の態様は前記第8の態様において、前記ストラン
ドは、直径が0.01〜0.1mmであり、かつ長さが
5〜30cmであるフィラメントを50〜500本集束
してなり、前記濾材が前記ストランドを10〜1,00
0本束ねてなる硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器であ
り、第10の態様は、耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ね
てなる濾材を堆積してなる濾過器で硝弗酸系ステンレス
酸洗浴の浴液を濾過する操作と、前記濾過器を逆洗する
操作とを交互に繰り返すことを特徴とする濾過方法であ
り、第11の態様は、前記第10の態様において、前記
濾過器が前記第1〜第9のいずれかの態様に示されたも
のである硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器である濾過
方法であり、第12の態様は、前記第10または11の
態様において、濾材の堆積高さが少なくとも1mである
硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器である濾過方法であ
り、第13の態様は、前記第10〜12のいずれかの態
様において、逆洗する操作で使用される逆洗水の量が、
濾材の堆積高さの少なくとも1.5倍になる量である硝
弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器である濾過方法であ
り、第14の態様は、前記第10〜13のいずれかの態
様において、逆洗する操作が、濾過器内に装填した逆洗
水に空気を吹き込んで濾過器内の濾材を流動させること
を内容とする硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器である
濾過方法である。
【0018】以下、この発明について詳細に説明する。
【0019】この発明における硝弗酸系ステンレス酸洗
浴の浴液の濾過は、耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ねて
なる濾材を用いる。
【0020】前記耐硝酸・弗酸性の化学繊維としては、
耐硝酸性および耐弗酸性を有する化学繊維であれば特に
限定はなく公知の種々の繊維を使用することができ、例
えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニ
ル、弗素系ポリオレフィン等の樹脂よりなる繊維、およ
び炭素繊維等を挙げることができる。
【0021】これらのなかでも、耐硝酸・弗酸性に優
れ、しかもスラッジ捕捉能力の高いことを理由に、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリ塩
化ビニルよりなる群から選択される化学繊維が好まし
い。
【0022】これらの繊維は、その一種を単独で使用し
てもよいし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併
用する場合の態様としては、異なる種類の化学繊維を束
ねて一つの束にして使用する態様であっても良いし、同
種の化学繊維のみを束ねた束を、他の種類の化学繊維を
束ねてなる束と併用する態様であっも良い。また、繊維
自体が二種以上の樹脂よりなる態様であっても良い。
【0023】この発明における濾材は、化学繊維を束ね
てなる。化学繊維を束ねてなる濾材の態様として、例え
ば、図1に示すように、所定の長さに切り揃えられた化
学繊維のフィラメントの束1を中央部で拘束してなる濾
材2や、図2に示すように、所定の長さに切り揃えられ
た化学繊維のフィラメントの束1をその束の端部で拘束
してなる濾材2や、図3に示すように、所定の長さに切
り揃えられた化学繊維のフィラメントの束1を両端近傍
で拘束してなる濾材を挙げることができる。また図1に
示すように拘束されたフィラメントの各端部を広げて図
3に示すような球状の濾材2にしても良い。
【0024】なお、図1〜4に示される濾材2において
は、各フィラメントの長さを所定の長さに切り揃えられ
ているが、各フィラメントの長さは同じ長さである必要
はない。束ねることのできるような十分な長さを有する
フィラメントであって、各フィラメントを束ねて各フィ
ラメントの端部を自由端(拘束されない状態となった端
部を少なくとも意味する。)とすることができるのであ
れば各フィラメントの長さには特に制限はない。といっ
ても、フィラメントの長さが余り長いと、濾材同士が絡
み合って濾材としての作用効果を奏するのに困難を来す
ことがあるので、フィラメントの長さは5〜30cmの
長さ範囲から適宜に選択される。長さが前記範囲内にあ
るフィラメントを束ねてなる濾材は、逆洗のときに濾材
自体の流動運動を活発にすることができ、濾材に捕捉さ
れたスラッジの振り落としを効果的に行うことができ
る。
【0025】濾材を形成するフィラメントの太さとして
は、通常0.01〜0.1mmの範囲内にある。フィラ
メントの太さが前記範囲内にあると、フィラメントを束
ねてなる濾材の全体形状が大きくなり、スラッジの捕捉
効果が大きくなる。
【0026】フィラメントを束ねて濾材を形成するとき
のフィラメントの本数としては、2,000〜200,
000本の範囲内から選択するのが好ましい。フィラメ
ントの本数が前記範囲内にあると、濾材における繊維間
隙が適正な状態、すなわち粗にならず密にならずの状態
になり、スラッジの捕捉効果および逆洗時のスラッジの
振り落とし効果を良く奏することができる。
【0027】図1〜4に示す形態およびその他の形態を
有する濾材において、各フィラメントを拘束する手段と
しては、各フィラメントが分離状態にならないようにす
ることができる限り特に制限がなく、たとえば、耐硝酸
・弗酸性の部材で形成された紐、糸、帯、あるいはバン
ド等で縛るという手段、各フィラメントを溶着するとい
う手段、耐硝酸・弗酸性の接着剤で接着するという手段
等を採用することができる。
【0028】この発明に係る濾材は、前記のようなフィ
ラメントを束ねてなる外に、次の態様が好ましい。
【0029】すなわち、この発明に係る濾材の他の態様
は、複数のフィラメントを束ねてなるストランドの複数
を、ストランドの束の所定の箇所で拘束してなる。
【0030】ストランドの束を拘束する位置としては、
図5に示すように、ストランド3の束の中央部であって
も良く、また、図6に示すようにストランドの束3の端
部であっても良く、図7に示すように、ストランドの束
3の両端近傍それぞれであっても良い。いずれにしても
ストランドの束のいずれかの箇所を拘束して、ストラン
ドの非拘束部がバラけた状態にすることが重要である。
好ましい拘束状態は、ストランドの非拘束部がストラン
ドの他端部となるような態様である。ストランドの他端
部が非拘束状態になっていると、ストランドを形成する
各フィラメントが更にバラけて、換言するとフィラメン
トの先端が1本1本分離した状態になって、スラッジ捕
捉効果が一層高まる。また、好ましい拘束位置はストラ
ンドの束の中央部であり、ストランドの束の中央部で拘
束してストランドの両端を展開すると、図8に示すよう
な球状の繊維体4が形成され、しかも各ストランドを形
成する各フィラメントの先端部も互いに分離した状態に
なり、スラッジ捕捉効果が一層高まる。
【0031】図1〜図8に示すいずれの態様を採用する
にせよ、あるいはその外の態様を取るにせよ、フィラメ
ントすなわち単繊維は、直線状であっても良いが若干捲
縮している方が好ましい。捲縮したフィラメントである
とスラッジの捕捉効果が向上する。ストランドは複数の
フィラメントを集束するために撚りがかかっていても良
いし、フィラメントが熱可塑性であれば各フィラメント
のところどころを溶着しても良い。工業的見地からする
と、複数のフィラメントを束ねて撚りをかけるのが、好
ましい。
【0032】ここでフィラメントの長さは、通常5〜3
0cmの長さ範囲から適宜に選択される。長さが前記範
囲内にあるフィラメントを使用して得られる濾材は、逆
洗のときに濾材自体の流動運動を活発にすることがで
き、濾材に捕捉されたスラッジの振り落としを効果的に
行うことができる。
【0033】ストランドを形成するフィラメントの太さ
としては、通常0.01〜0.1mmの範囲内にある。
フィラメントの太さが前記範囲内にあると、フィラメン
トを束ねてなるストランドおよびそのストランドを束ね
てなる濾材の全体形状が大きくなり、スラッジの捕捉効
果が大きくなる。
【0034】フィラメントを束ねてストランドを形成す
るときのフィラメントの本数としては、50〜500本
の範囲内から選択するのが好ましい。フィラメントの本
数が前記範囲内にあると、ストランドにおける繊維間隙
が適正な状態、すなわち粗にならず密にならずの状態に
なり、スラッジの捕捉効果および逆洗時のスラッジの振
り落とし効果を良く奏することができる。
【0035】このようなストランドを束ねて濾材を形成
するときのフィラメントの本数としては、2,000〜
200,000本の範囲内から選択するのが好ましい。
ストランドの本数が前記範囲内にあると、ストランドの
集合状態が適正な状態、すなわち粗にならず密にならず
の状態になり、スラッジの捕捉効果および逆洗時のスラ
ッジの振り落とし効果を良く奏することができる。
【0036】図1〜8に示す形態およびその他の形態を
有する濾材において、各ストランドを拘束する手段とし
ては、各ストランドが分離状態にならないようにするこ
とができる限り特に制限がなく、たとえば、耐硝酸・弗
酸性の部材で形成された紐、糸、帯、あるいはバンド等
で縛るという手段、各フィラメントを溶着するという手
段、耐硝酸・弗酸性の接着剤で接着するという手段等を
採用することができる。
【0037】この発明における濾材は、濾過器の内部に
堆積した状態に充填される。ここで、堆積した状態と
は、単に、濾過器の内部に複数の濾材を入れ、多段にな
った有様で収容された状態を言う。換言すると、濾過器
内に濾材を多段に収容し、しかも収容された濾材が上方
から外部圧力により圧縮されない限り、濾過器内に存在
する複数の濾材は堆積した状態であると言い得る。
【0038】濾材を堆積した多段にする場合、その堆積
高さは少なくとも1m、好ましくは1〜3mであるのが
良い。堆積高さが少なくとも1mあると、スラッジの濾
過を効率的に行うことができる。特に1〜2mの範囲内
にあると、堆積された下層の濾材が押しつぶされること
もなく、スラッジの濾過を効率的に行うことができる。
【0039】前記濾材を堆積する濾過器の形状として
は、内部に濾材を収容することができ、液体の注入口お
よび液体の排出口を有すれば特に限定はないが、例え
ば、液体の注入口および液体の排出口を有する有底の筒
状体であるのが好ましい。この場合において、濾過器本
体の上方は開放されていても良いし、覆蓋されていても
良い。つまり、この発明における濾過器は、内部にステ
ンレス酸洗浴の浴液を圧入することにより圧力をかけて
濾過する方式であっても良いし、内部にステンレス酸洗
浴の浴液を圧力をかけずに注入して、重力により濾過す
る方式であっても良い。
【0040】好ましい濾過器を図9に示す。図9に示す
ように、濾過器5は、仕切り部材6を備えた塔である。
この仕切り板6は、その上にこの発明に係る濾材を堆積
することができ、しかも流体を通過させることができる
構造を有する。仕切り板の具体的構造としては、たとえ
ば、塔内に張設された板部材に、この発明に係る濾材が
通過不可能な径を有する多数の開口部を設けてなる構
造、塔の内部に、この発明に係る濾材が通過不可能な間
隔で平行に、かつ水平に架け渡された複数の棒部材から
なる構造、この発明に係る濾材が通過不可能な目を有す
る網部材を塔内で水平に張設してなる構造等を挙げるこ
とができる。塔の上部には、気体排出管7が設けられ、
塔内の上部には硝弗酸系ステンレス酸洗浴を塔内に供給
する酸洗浴供給管8が設けられる。塔の下部には、ドレ
イン管9が設けられ、このドレイン管9には三方継手1
0を介して逆洗水供給管11、逆洗水排出管12および
処理水排出管13が設けられる。また、前記仕切り部材
6の下方には、逆洗空気供給管14が設けられる。
【0041】たとえば上記構成の濾過器およびこの発明
に係る濾材を使用して、この発明に係る濾過方法は次の
ようにして実施することができる。
【0042】この発明に係る濾過方法は、前述の内部に
耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ねてなる濾材を堆積して
なる濾過器を使用した濾過方法である。この濾過方法に
おいては、耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ねてなる濾材
を堆積してなる濾過器で硝弗酸系ステンレス酸洗浴の浴
液を濾過する操作と、前記濾過器を逆洗する操作とを交
互に繰り返す。
【0043】濾過器内に、この発明に係る濾材を堆積す
る。濾材の堆積高さは前述したように少なくとも1mに
するのが好ましい。
【0044】次いで、浴液として硝弗酸系の酸洗浄液を
用いたステンレス酸洗浴においてステンレスを洗浄した
後の、スラッジを含有する硝弗酸系ステンレス酸洗浴の
浴液を、濾過器に注入する。
【0045】注入された浴液は、この濾過器内に充填さ
れた濾材、すなわち耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ねて
なる濾材によって濾過される。この濾過においては、浴
液中のスラッジは堆積された濾材の表面のみならず、濾
材を形成する化学繊維の表面、化学繊維からなるフィラ
メントの表面あるいはストランドの表面で捕捉されるの
で、換言すると捕捉する面積が極めて大きいので、表面
濾過に比較すると多量のスラッジが濾材に捕捉される。
さらに、濾材からは濾材を構成する成分の溶出がなく、
浴液を濾材を構成する成分によって汚染することがない
ので、濾過器から排出される浴液をそのままステンレス
酸洗浴の浴液として再使用することができる。
【0046】所定時間の経過後に、硝弗酸系ステンレス
酸洗浴の浴液の塔内注入を停止し、塔内の液を排出して
から、塔内に逆洗水を装填する。逆洗水の量としては、
塔内の逆洗水の高さが濾材の堆積高さに対して少なくと
も1.5倍となるように調整するのが好ましい。濾材の
堆積高さの1.5倍以上の高さになるように逆洗水を濾
過器の中に充填すると、濾材の流動性が極めて良好にな
り、濾材に付着したスラッジの振り落としを効率的に行
うことができる。
【0047】逆洗水を塔内に装填してから、塔の下部か
ら空気(逆洗空気とも称する。)を圧入する。
【0048】逆洗空気を逆洗水内に圧入すると、逆洗水
内の濾材が上下に流動する。この濾材の流動により、濾
材に付着するスラッジが振り落とされる。振り落とされ
たスラッジは逆洗水内を下降し、塔底に沈積する。逆洗
空気の圧入を停止し、塔底に沈積したスラッジを塔底か
ら排出する。逆洗水を塔底から排出する。
【0049】その後第2回目の濾過操作に移行する。第
2回目以後の濾過操作および逆洗操作は上記と同様であ
る。
【0050】
【実施例】以下、この発明を実施例により詳細に説明す
る。この発明がかかる実施例により何ら限定されず、こ
の発明の効果を奏する限りにおいて適宜の設計変更を行
なうことができる。
【0051】(実施例1)図9に示す構造の濾過器を使
用した。ただし、この濾過器における仕切り部材におけ
る濾材配置面は、直径50cmの円形である。この濾過
器内に、直径0.035〜0.04mm、平均長さ15
0mmのフィラメントを約200本集束してなるストラ
ンドを約600本束ねてなるストランド束の中央部で拘
束し、ストランドの端部を分離、解繊することにより球
形に仕上げてなる球形繊維体である濾材を、自然な堆積
高さが2mになるように、堆積した。
【0052】弗化鉄を主成分とするスラッジを1,00
0ppmの濃度で含有する硝酸20%、弗酸5%の硝弗
酸系ステンレス酸洗浴液を、1m3 /時間(LV;5m
/時間)の流量で濾過器内に導入して濾過を行なった。
濾過当初、濾過器から排出される濾過液中に残存するス
ラッジの濃度は100ppm以下であった。濾過器から
排出される濾液中のスラッジの濃度が1,000ppm
近くなるのに6時間を要した。
【0053】濾過開始後6時間目に、硝弗酸系ステンレ
ス酸洗酸浴液の塔内供給を停止した。塔内の液をすべて
排出してから、逆洗水150リットル(仕切り板から逆
洗水の表面までの高さは約1mである。)を塔内に入
れ、塔底からエアーを吹き込んだ。逆洗水内で濾材を上
下に流動させて、濾材に付着するスラッジを振り落とし
た。濾材から脱落したスラッジと共に逆洗水を塔内から
排出した。スラッジ含有の逆洗水の全容積は155リッ
トルであり、そのスラッジ濃度は約3%であった。この
3%という数値は、逆洗水中のスラッジ濃度として高い
値である。
【0054】逆洗終了後に、再度前記と同様の硝弗酸系
ステンレス酸洗浴液を濾過器内に供給して濾過操作を行
った。濾過開始後の、濾過器から排出される濾液中に残
存するスラッジ濃度は100ppm以下であり、逆洗に
より再生された濾材をリサイクルして使用することがで
きることが明らかになった。
【0055】(比較例1)前記実施例1における濾過器
を使用した。この濾過器内に、前記実施例1で使用した
のと同じ個数の濾材を装填した。ただし、装填した濾材
を上部から押えつけて圧密し、いわゆる圧密充填状態に
した。圧密の結果、濾材の高さは100cmになってい
た。
【0056】前記実施例1におけるのと同様の硝弗酸系
ステンレス酸洗浴液を実施例1におけるのと同じ供給量
で濾過器内に供給した。
【0057】硝弗酸系ステンレス酸洗浴液の供給開始後
2時間経過すると、硝弗酸系ステンレス酸洗浴液を供給
する圧力が異常に高まり、濾過器の底から排出される液
量が減少した。つまり、濾過操作不可能に陥った。
【0058】そこで、前記実施例1におけるのと同様の
逆洗操作を行ったが、逆洗排液中のスラッジ濃度は0.
1%であった。また、濾過器内を調べると、固形のスラ
ッジ片が多数残留しており、しかも表層にマットボール
が形成されていて、リサイクリ使用が不可能な有様であ
った。
【0059】この比較例から明らかなように、この発明
に係る濾材を濾過器内で堆積状態で装填することが重要
であり、圧密状態にすると濾過機能が働かなくなる。
【0060】
【発明の効果】この発明によると、長期間に渡って目詰
まりを起こさず、ステンレス酸洗浴中のスラッジを効率
的に除去することのできる濾過装置を提供することがで
きる。この発明によると、濾過後のステンレス酸洗浴の
浴液を、濾材を構成する成分の溶出物で汚染させること
なく、ステンレス酸洗浴中からスラッジを除去すること
ができ、したがって、濾過後のステンレス酸洗浴の浴液
をそのままで再使用することのできる濾過装置を提供す
ることができる。
【0061】この発明によると、ステンレス酸洗浴を濾
過することにより濾材に付着したスラッジを、より一層
少ない逆洗液で、簡単に除去することのできる濾過装置
を提供することができる。
【0062】この発明によると、ステンレス酸洗浴から
スラッジを除去し、得られた濾液をステンレス酸洗浴と
して再利用することのできる濾過方法を提供することが
できる。
【0063】この発明によると、浴液である酸洗浄液の
損失が少量であると共に、長期間安定して硝弗酸系ステ
ンレス酸洗浴における浴液の濾過を行なうことができる
濾過方法を提供することができる。
【0064】さらに、この発明によるとスラッジを高濃
度で含有する溶液として回収することができ、スラッジ
の処理を容易にすると共に処理コストを低減することが
できる濾過方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係る濾材の一態様を示す説
明図である。
【図2】図2は、この発明に係る濾材の他の態様を示す
説明図である。
【図3】図3は、この発明に係る濾材の他の態様を示す
説明図である。
【図4】図4は、この発明に係る濾材の他の態様を示す
説明図である。
【図5】図5は、この発明に係る濾材の他の態様を示す
説明図である。
【図6】図6は、この発明に係る濾材の他の態様を示す
説明図である。
【図7】図7は、この発明に係る濾材の他の態様を示す
説明図である。
【図8】図8は、この発明に係る濾材の他の態様を示す
説明図である。
【図9】図9は、この発明の方法を実施するのに使用す
る濾過器の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・フィラメントの束、2・・・濾材、3・・・ス
トランドの束、4・・・球状の繊維体、5・・・濾過
器、6・・・仕切り板、7・・・気体排出管、8・・・
酸洗浴供給管、9・・・ドレイン管、10・・・三方継
手、11・・・逆洗水供給管、12・・・逆洗水排出
管、13・・・処理水排出管、14・・・逆洗空気供給
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末吉 貴司 神奈川県川崎市川崎区小島町4番2号 日 本冶金工業株式会社川崎製造所内 (72)発明者 福田 保 千葉県市原市八幡海岸通り38番地 旭硝子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 小林 拡 東京都江東区亀戸二丁目25番14号 旭硝子 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ねてなる
    濾材を堆積してなることを特徴とする硝弗酸系ステンレ
    ス酸洗浴用濾過器。
  2. 【請求項2】 前記化学繊維が、ポリエステル、ポリエ
    チレン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニルよりなる
    群から選択される少なくとも一種である前記請求項1に
    記載の硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器。
  3. 【請求項3】 耐硝酸・弗酸性の化学繊維を束ねてなる
    濾材を堆積してなる濾過器で硝弗酸系ステンレス酸洗浴
    の浴液を濾過する操作と、前記濾過器を逆洗する操作と
    を交互に繰り返すことを特徴とする濾過方法。
JP19062294A 1994-08-12 1994-08-12 硝弗酸系ステンレス酸洗浴用濾過器および濾過方法 Withdrawn JPH0860388A (ja)

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