JPH0860353A - スパッタリングカソード - Google Patents

スパッタリングカソード

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JPH0860353A
JPH0860353A JP19953294A JP19953294A JPH0860353A JP H0860353 A JPH0860353 A JP H0860353A JP 19953294 A JP19953294 A JP 19953294A JP 19953294 A JP19953294 A JP 19953294A JP H0860353 A JPH0860353 A JP H0860353A
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JP
Japan
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metal plate
ceramic target
plate
ceramic
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JP19953294A
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English (en)
Inventor
Noriaki Tani
典明 谷
Ikuo Suzuki
郁生 鈴木
Kyuzo Nakamura
久三 中村
Koukou Suu
紅▲コウ▼ 鄒
Michio Ishikawa
道夫 石川
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Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属板でスパッタリング中にターゲット材が
熱膨張により外側に伸びることを抑制することが出来、
また、長時間の連続放電を行ってもアーキングの回数が
極めて少なくなり、かつアーキングが生じたとしてもセ
ラミックスターゲットの側端部が欠けたり、ひび割れた
りしないで、安定して連続放電が可能となるスパッタリ
ングカソード。 【構成】 セラミックスターゲットを用いてスパッタリ
ングを行うスパッタリングカソードを、セラミックスタ
ーゲットと、該セラミックスターゲットの側端部を保護
するための金属板と、電気的にフローティング電位のシ
ールド板から成る構成のスパッタリングカソード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上にスパッタリン
グ法を用いて誘電体膜を成膜するためのスパッタリング
カソードに関し、更に詳しくは、長時間アーキングやタ
ーゲットのチッピングのない、安定した成膜を行うため
のスパッタリングカソードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板上にスパッタリング法を用い
て誘電体膜を成膜するためのスパッタリングカソードは
以下のような構成が一般的である。
【0003】即ち、得ようとする誘電体膜を成膜するた
めのセラミックスターゲットと、それを冷却するために
ボンディングまたは接触して設置されるバッキングプレ
ートおよびこれに電位を印加した際にターゲット以外の
部分をスパッタしないようにターゲットが設置された部
分以外をシールドする電気的に接地された所謂アースシ
ールドから成る。
【0004】セラミックスターゲットをスパッタリング
する場合には、一般的にRFスパッタリング法、或いは
RFにDCを重畳したスパッタリング法が用いられてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のスパッタリ
ングカソードを用いて例えばRFスパッタリング法によ
りセラミックスターゲットにスパッタリングを行う時、
ターゲットやバッキングプレートとアースシールドの距
離が遠すぎると、アースシールドとバッキングプレート
の間に放電が起こり、バッキングプレート材がスパッタ
され、成膜中の誘電体膜中に不純物として混入するとい
う不具合が生じるので、その空隙は一般に数mm程度に設
定される。
【0006】しかし、この場合長時間連続してスパッタ
リングを行っていると、時々アースシールドとターゲッ
トの間で所謂アーキングが突発的に生じることがある。
【0007】このアーキングは普通数時間から数十時間
に1〜2回程度の頻度であるから、ターゲット材料が金
属材である場合には、それほど問題とはならない。しか
しターゲット材料がセラミックス材の場合は材料自体が
脆く割れやすいので、このようなアーキングが生じた場
合にはターゲット材料の端部等が欠ける所謂チッピング
が生じてしまう。このようにターゲット材料が金属材の
場合にはアーキングが生じても割れたり、欠けたりする
ことはないが、ターゲット材料がセラミックス材の場合
にはチッピングが生じると大量の発塵を生じたり、ター
ゲット材料に欠けが進行して行き、連続した安定成膜が
不可能となるという問題がある。
【0008】本発明はかかる従来の問題点を解消し、主
としてチタン酸系セラミックス材から成るターゲット材
料に長時間連続放電した際、アーキングの発生によりタ
ーゲット材の割れや欠けが生じないスパッタリングカソ
ードを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のスパッタリング
カソードは、セラミックスターゲットと、該セラミック
スターゲットの側端面に接して設置された金属板と、該
金属板と空間的に10mm以下の空隙を保って該金属板上
を蔽っている電気的にフローティング状態のシールド板
から成ることを特徴する。
【0010】また、前記セラミックスターゲットをBa
TiO3、SrTiO3、(BaSr)TiO3、PbT
iO3、Pb(ZrTi)O3、(PbLa)(ZrT
i)O3等のチタン酸系セラミックスターゲットとして
もよい。
【0011】また、前記金属板をセラミックスターゲッ
トを構成する元素の少なくとも1つから成る金属材料、
もしくは少なくとも1つから成る金属を主成分とする金
属材料としてもよい。
【0012】また、前記シールド板の開口部をセラミッ
クスターゲットの寸法に対して該セラミックスターゲッ
トの側端部よりターゲット中央側方向に20mm以下、該
セラミックスターゲットの側端部より更に外方向に10
mm以下の開口部としてもよい。
【0013】また、前記金属板の厚さをターゲット厚さ
に対し1/2から2倍の板厚としてもよい。
【0014】
【作用】セラミックスターゲットの側端面に接しで設置
された金属板はセラミックスターゲットの側端部保護の
役割をなす。また、該金属板はセラミックスターゲット
が熱膨張によって外側に伸び熱割れが生じないよう、熱
膨張を押さえ込む働きもなす。
【0015】また、金属板はシールド板により、その上
部が蔽われているので、スパッタされることがない。
【0016】
【実施例】本発明において、スパッタリングカソードを
セラミックスターゲットと、該セラミックスターゲット
の側端面に接して設置した金属板と、該金属板と空間的
な空隙を保って該金属板の上を蔽った電気的にフローテ
ィング状態のシールド板から成る構成としたのは、一般
的にはシールド板は接地されているのが普通ではある
が、複数個の基板上に誘電体膜を得るためにスパッタリ
ングを連続して長時間行った場合、ターゲット材料周囲
にある防着板や基板等、種々の構造物上に誘電体膜材料
が厚く堆積するので、スパッタリングの初期は電気的に
アース電位であったとしても、構造物上への誘電体膜の
堆積と共に、フローティング状態へと変化する。
【0017】その際、シールド板は他の構造物に比べて
誘電体膜が堆積しにくい位置にあるので、長時間スパッ
タリングを行った場合にはシールド板がアース電位にあ
るとターゲット材料とシールド板の間で放電が集中す
る。
【0018】その時、ターゲット材料の端部でアーキン
グが生じたり、またプラズマが集中することによって発
生する熱でターゲット材料に熱膨張のためのクラックが
生じ、場合によってはターゲット材料の側端部が欠ける
ことがある。
【0019】従って、シールド板は電気的にフローティ
ングにしたり、シールド板の材質を絶縁物にする等の工
夫を施している。
【0020】しかし、このような工夫を施しても長時間
スパッタを行った場合、数時間から数十時間に1〜2回
はアーキングが発生することが多い。特に信頼性を重要
視するプロセスにおいてターゲット材料の脆性が高い場
合には、このアーキングが生じたことによるターゲット
材料の側端部が欠け、また欠けることによって更にそこ
に放電が集中する等して欠けが進行し、安定した放電が
維持出来なくなる。
【0021】そこで、セラミックスターゲットの側端面
に接して金属板を設けた場合、アーキングが発生しても
そのアーキングはシールド板と金属板との間で起こるの
でターゲット材料に欠けが生じることはない。
【0022】即ち、セラミックスターゲットの側端面に
接しで設置された金属板はセラミックスターゲットの側
端部保護の役割をなす。また、該金属板はセラミックス
ターゲットが熱膨張によって外側に伸び熱割れが生じな
いよう、熱膨張を押さえ込む働きもなす。
【0023】また、セラミックスターゲットはバッキン
グプレートを介して冷却されるが、セラミックス材の低
い熱伝導率のため冷却効率が悪い。そこで、セラミック
スターゲットの側端面に接して金属板を設置することに
よってターゲット材料の側端面の冷却が強化され、側端
部の熱割れを防止する働きもなす。
【0024】この金属板はシールド板によりその上部が
蔽われているので、スパッタされることがないが、万が
一、誘電体膜中への混入に備えてターゲット材料を構成
する金属元素から成ることが望ましい。
【0025】以上の理由により、本発明のスパッタリン
グカソードを用いた場合、セラミックスターゲットに割
れや欠けが生じず、長時間安定したスパッタリングが可
能となる。
【0026】本発明において、シールド板を金属板と空
間的10mm以下の空隙を保って該金属板を蔽って電気的
にフローティング状態としたのは、空隙が10mm以上で
はシールド板と金属板の間の空間にプラズマが入り、金
属板がスパッタされるため、得られる誘電体膜中に金属
板材料が混入し、不具合を生じるためである。
【0027】また、シールド板の開口部をセラミックス
ターゲットの寸法に対してセラミックスターゲットの側
端部よりターゲット中央側方向に20mm以下、該セラミ
ックスターゲットの側端部より更に外方向に10mm以下
としたのは、セラミックスターゲットの側端部よりター
ゲット中央側方向に20mmを超えた場合は、発生してい
るプラズマにシールド板がさらされるため、僅かではあ
るがシールド板がスパッタされ、得られる誘電体膜中に
シールド板材料が混入し、不具合を生じるようになり、
セラミックスターゲットの側端部より更に外方向に10
mmを超えた場合は、金属板がスパッタされるため、得ら
れる誘電体膜中に金属板材料が混入し、不具合を生じる
からである。
【0028】また、金属板の厚さをセラミックスターゲ
ット厚さに対して1/2から2倍の到厚としたのは、金
属板の厚さがセラミックスターゲット厚さの1/2に満
たない場合は、ターゲットの側端保護の効果が弱くな
り、端部がチッピングを起こし易くなり、金属板の厚さ
がセラミックスターゲット厚さの2倍を超えた場合は、
金属板のターゲット側の側面がスパッタされ、得られる
誘電体膜中に金属板材料が混入するからである。
【0029】以下に本発明の具体的実施例を比較例と共
に説明する。
【0030】実施例1 本実施例は請求項第1項の実施例である。
【0031】図1は本発明のスパッタリングカソードの
1実施例を示し、図中、1はスパッタリングカソードを
示す。
【0032】スパッタリングカソード1はセラミックス
ターゲット2と、該セラミックスターゲット2を冷却す
るためのバッキングプレート3とから成り、該バッキン
グプレート3の裏面側にマグネトロン放電を起こさせる
ための磁石4と、磁石4を固定するための磁気回路用鉄
ヨーク5を配置する。バッキングプレート3の裏面側の
開口部6は冷却用蓋7で閉塞され、閉塞された空間部8
内で冷却水Wを循環させてバッキングプレート3を介し
てセラミックスターゲット2を冷却するための導入口9
と排出口10を冷却用蓋7に配設した。
【0033】また、バッキングプレート3の周囲を真空
チャンバー壁11に絶縁板12aを介して配設し、更
に、真空チャンバー壁11内にシールド板用絶縁板12
bを介してシールド板13を配設した。
【0034】そして、本実施例ではセラミックスターゲ
ット2として外径100mm、厚さ5mmのBaTiO3(チタ
ン酸バリウム)ターゲットを用い、該セラミックスター
ゲット2をバッキングプレート3上にボンディングし
た。
【0035】また、内径100.1mm、外径130mm、厚さ5mm
のリング状のTi(チタン)製の金属板14をセラミッ
クスターゲット2に嵌め込み、ネジ(図示せず)でバッ
キングプレート3上に固定した。
【0036】また、シールド板13を内径100mmの円形
状の開口部15を有するステンレス製のシールド板と
し、これをシールド板用絶縁板12を用いてアース電位
の真空チャンバー内壁11から電気的にフローティング
状態とした。
【0037】また、シールド板13と金属板14との空
隙Cを3mmとした。
【0038】また、スパッタリング時のスパッタ圧力は
アルゴン(Ar)ガス0.5Pa、酸素(O2)ガス0.1Paと
した。
【0039】そして、誘電体膜を成膜すべき基板として
Siウェハを用い、スパッタリングカソード1にRF1k
Wを印加し、連続100時間の放電を行って基板上にBaT
iO3の誘電体膜を成膜すると共に、放電中のアーキン
グの検知を行った。
【0040】アーキングの検知はRF電源の反射波波形
(以下Prと称する)をレコーダーに記録し、瞬間的に
Prが増大した時と、目視によるアーキングの発生が一
致していることから、Prの瞬間的増大の回数を計数し
た。その結果、アーキング回数は2回であった。
【0041】連続放電後、真空チャンバーを開き、内部
の観察を行ったところ、リング状のTi製金属板14の
内方端部と、シールド板13の開口部15端部との間に
アーキングが生じた小さな放電跡が2ケ所あった。
【0042】また、エロージョン部分のセラミックスタ
ーゲット2の表面粗さが、他の部分に比べて少し荒れて
いただけで、それ以外は何ら変化は見られなかった。
【0043】また、誘電体膜を成膜されたSiウエハ上
のダスト数をダストカウンター(トプコン社製WM-1000
B)で測定(ダスト径0.2μm以上)したところ、成膜時
に発生したダスト数は8個であった。
【0044】次に、基板として予め下地Pt膜を形成さ
れたSiウエハを用いて、前記と同様にBaTiO3
電体膜を成膜後、その上に更に直径1mmφの上部Pt電
極を形成した。下地Pt電極と上部Pt電極との間に電
圧を印加し、上下電極間に流れる電流密度が1×103
A/cm2以上になる時の電圧(以下この時の電圧を耐圧
と呼ぶ)を測定した結果40Vであった。
【0045】比較例1 図2は比較例1を行う際に用いるスパッタリングカソー
ドの該略図である。
【0046】図2に示すスパッタリングカソード1は、
リング状のTi製の金属板を用いず、またシールド板1
3の円形状の開口部15の内径を106mmとし、シールド
板13とバッキングプレート3との空隙Sを3mmとした
以外は前記実施例1(図1)に示すスパッタリングカソ
ード1と同一とした。他の符号は図1に示すスパッタリ
ングカソードと同一のため説明を省略する。
【0047】そして、前記実施例1と同様の方法で連続
100時間の放電を行って基板上にBaTiO3の誘電体膜
を成膜した。
【0048】そして、放電中のアーキング回数、放電後
のセラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜さ
れた誘電体膜の状態を調べた結果、アーキング回数は5
回でであり、また、セラミックスターゲットの側端部が
欠けており、欠けた部分から細かいひびが各個所ともに
3〜4本セラミックスターゲットの中央方向に2〜3cm
生じていた。また、ウエハ上のダスト数は89個であっ
たが、ターゲット側端が欠けた所に対応して、ウエハ上
のダストも片寄って付着していた。ダストの少ない部分
で測定した耐圧は37Vであった。
【0049】比較例2 図3は比較例2を行う際に用いるスパッタリングカソー
ドの該略図である。
【0050】図3に示すスパッタリングカソード1は、
リング状のTi製の金属板を用いず、またシールド板1
3の円形状の開口部15の内径を106mmとし、シールド
板13とパッキングプレート3との空隙Sを3mmとし、
シールド板13は真空チャンバー内壁11に直接取付け
て電気的にアース電位とした以外は前記実施例1(図
1)に示すスパッタリングカソード1と同一とした。他
の符号は図1に示すスパッタリングカソードと同一のた
め説明を省略する。
【0051】そして、前記実施例1と同様の方法で連続
100時間の放電を行って基板上にBaTiO3の誘電体膜
を成膜した。
【0052】そして、放電中のアーキング回数、放電後
のセラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜さ
れた誘電体膜の状態を調べた結果、アーキング回数は1
20回であり、また、セラミックスターゲットの側端部
とシールド板の開口部端部との間にアーキングが発生し
た痕跡がいたるところにあり、また、セラミックスター
ゲットの側周縁がほぼ全周囲に亘って欠け落ちていた。
また、その部分から発生したと思われる細いひびがセラ
ミックスターゲット全面に亘り多数観察された。また、
成膜ダスト数は1000個以上であった。
【0053】前記実施例1、比較例1並びに比較例2の
結果から明らかなように、比較例2では、真空チャンバ
ー内のシールド板以外の周囲の防着板等の構造物は厚い
誘電体膜で蔽われているので、電気的に絶縁されている
のに対し、シールド板は配置的に誘電体膜が廻り込みに
くいため、比較的長時間アース電位を保ち続ける。その
結果、セラミックスターゲット上からアーキングが発生
しようとした際、このアース電位であるシールド板とタ
ーゲットとの間でアーキングが起こる。この時、シール
ド板は一般に金属材料で出来ているので、痕跡がうすく
残る程度ですむが、セラミックスターゲットは材質的に
脆く強度がないため、アーキングが発生した個所より欠
けや割れが生じてしまう。
【0054】比較例1ではシールド板がフローティング
状態なので比較例2に比べてアーキングの発生回数は激
減しているが、しかしアーキングが発生した際はセラミ
ックスターゲットの欠けはどうしても発生してしまい、
次第にこの欠けが拡大していく。
【0055】本発明の実施例1のようにセラミックスタ
ーゲットの側端面に接して金属板を設置すると、アーキ
ングが万が一発生してもこのアーキングは金属板の上面
或いは内周端面で発生するので、セラミックスターゲッ
トが割れたり、ひびが入ったりしない。この金属板は所
謂セラミックスターゲットの欠けを保護するためのもの
であることが分かる。
【0056】実施例2〜6 本実施例は請求項第2項の実施例である。
【0057】セラミックスターゲット材料としてSrT
iO3(チタン酸ストロンチウム)、(Ba0.5
0.5)TiO3(チタン酸ストロンチウムバリウム)、
PbTiO3(チタン酸鉛)、Pb(Zr0.5Ti0.5
3(ジルコン酸チタン酸鉛)、(Pb0.8La0.2
(Zr0.5Ti0.5)O3(ジルコン酸チタン酸鉛ランタ
ン)を用いた以外は、前記実施例1と同様の方法で連続
100時間の放電を行って基板上に 各ターゲット材料の誘
電体膜を成膜した。
【0058】そして、放電中のアーキング回数、放電後
のセラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜さ
れた各ターゲット材料の誘電体膜の状態を調べた。その
結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1から明らかなように、アーキング回数
が6回以下と極めて少なく、また、ターゲットの状態も
欠けやひび割れがなく、また、成膜ダストの数も20個
以下と極めて少なく、かつ耐圧も30V以上得られてい
る。
【0061】実施例7 本実施例は請求項第3項の実施例である。
【0062】セラミックスターゲットの側端面に嵌め込
み配置する金属板として内径100.1mm、外径130mm、厚さ
5mmのリング状のPb(鉛)製の金属板を用いた以外
は、前記実施例5と同様の方法で連続100時間の放電を
行って基板上にPb(Zr0.5Ti0.5)O3の誘電体膜
を成膜した。
【0063】そして、放電中のアーキング回数、放電後
のセラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜さ
れた誘電体膜の状態を調べた結果、アーキング回数は3
回であり、また、セラミックスターゲットは欠けやひび
割れ等がなく、また、成膜ダスト数は13個、耐圧は4
0Vであった。
【0064】比較例3 セラミックスターゲットの側端面に嵌め込み配置する金
属板として内径100.1mm、外径130mm、厚さ5mmのリング
状のステンレス製(SUS304)の金属板を用いた以
外は、前記実施例1と同様の方法で連続100時間の放電
を行って基板上にBaTiO3の誘電体膜を成膜した。
【0065】放電後、化学分析(ICP法)により誘電
体膜組成を調べたところ、Fe(鉄)が約0.6%含まれて
いた。成膜ダスト数は9個であったが、耐圧は11Vで
あった。
【0066】実施例8 本実施例は請求項第4項の実施例である。
【0067】シールド板として円形状の開口部の内径を
60mm(セラミックスターゲットの側端部に対してターゲ
ットの中央側方向に向ってシールド板が20mmオーバーラ
ップしている状態)としたシールド板を用いた以外は、
前記実施例1と同様の方法で連続100時間の放電を行っ
て基板上にBaTiO3の誘電体膜を成膜した。
【0068】そして、放電中のアーキング回数、放電後
のセラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜さ
れた誘電体膜の状態を調べた結果、アーキング回数は6
回であり、また、セラミックスターゲットは特に変化が
なかった。成膜ダスト数は20個で、耐圧は30Vであ
った。
【0069】比較例4 図4は比較例4を行う際に用いるスパッタリングカソー
ドの該略図である。
【0070】図4に示すスパッタリングカソード1は、
シールド板13の円形状の開口部15の内径を50mm(セ
ラミックスターゲットの側端部に対してターゲットの中
央側方向に向ってシールド板が25mmオーバーラップして
いる状態)とした以外は前記実施例1(図1)に示すス
パッタリングカソード1と同一とした。他の符号は図1
に示すスパッタリングカソードと同一のため説明を省略
する。
【0071】そして、前記実施例1と同様の方法で連続
100時間の放電を行って基板上にBaTiO3の誘電体膜
を成膜した。
【0072】そして、放電中のアーキング回数、放電後
セラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜され
た誘電体膜の状態を調べた結果、アーキング回数は6回
であったが、シールド板の開口部端部とその近傍のセラ
ミックスターゲットとの間でアーキングが生じた痕跡が
認められ、その部分のセラミックスターゲットの表面が
2mm×5mm位の大きさでうろこ状に2ケ所欠けていた。ま
た、その欠けた個所から細いひびが3方向に伸びてい
た。
【0073】また、成膜ダスト数は118個、耐圧は1
5Vであった。
【0074】実施例9 本実施例は請求項第4項の実施例である。
【0075】シールド板として円形状の開口部の内径が
120mm(セラミックスターゲットの側端部より更に外方
向に向ってシールド板の開口部が10mmの位置関係にある
状態)のシールド板を用いた以外は、前記実施例1と同
様の方法で連続100時間の放電を行って基板上にBaT
iO3の誘電体膜を成膜した。
【0076】そして、放電中のアーキング回数、放電後
のセラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜さ
れた誘電体膜の状態を調べた結果、アーキング回数は2
回であり、また、セラミックスターゲットは割れや欠け
等の変化はなく、また、成膜ダスト数は10個、耐圧は
33Vであった。
【0077】比較例5 シールド板として円形状の開口部の内径が130mm(セラ
ミックスターゲットの側端部より更に外方向に向ってシ
ールド板の開口部が15mmの位置関係にある状態)のシー
ルド板を用いた以外は、前記実施例1と同様の方法で連
続100時間の放電を行って基板上にBaTiO3の誘電体
膜を成膜した。
【0078】そして、放電中のアーキング回数、放電後
のセラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜さ
れた誘電体膜の状態を調べた結果、アーキング回数は1
回と少なかったか、Ti製のリング状の金属板の上面も
スパッタされており、また、誘電体膜のBa/Ti組成
比はBaTiO3の化学量論組成1.0に比べて0.97とTi
が多めに混入していた。成膜ダスト数は7個、耐圧は1
7Vであった。
【0079】実施例10 本実施例は請求項第5項の実施例である。
【0080】セラミックスターゲットの側端面に嵌め込
み配置する金属板として内径100.1mm、外径130mm、厚さ
2.5mmのリング状のTi(チタン)製の金属板を用いた
以外は、前記実施例1と同様の方法で連続100時間の放
電を行って基板上にBaTiO3の誘電体膜を成膜し
た。
【0081】そして、放電中のアーキング回数、放電後
のセラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜さ
れた誘電体膜の状態を調べた結果、アーキング回数は4
回であった。また、セラミックスターゲットは特に欠け
や割れ等がなく、また、成膜ダスト数は20個、耐圧は
35Vであった。
【0082】比較例6 セラミックスターゲットの側端面に嵌め込み配置する金
属板として内径100.1mm、外径130mm、厚さ2mmのリング
状のTi(チタン)製の金属板を用いた以外は、前記実
施例1と同様の方法で連続100時間の放電を行って基板
上にBaTiO3の誘電体膜を成膜した。
【0083】そして、放電中のアーキング回数、放電後
のセラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜さ
れた誘電体膜の状態を調べた結果、アーキング回数は2
回であったが、アーク放電痕跡のセラミックスターゲッ
ト材の端部、上部が夫々1ケ所小さくは欠けていた。ま
た、成膜ダスト数は51個、耐圧は30Vであった。
【0084】実施例11 本実施例は請求項第5項の実施例である。
【0085】セラミックスターゲットの側端面に嵌め込
み配置する金属板として内径100.1mm、外径130mm、厚さ
10mmのリング状のTi(チタン)製の金属板を用いた以
外は、前記実施例1と同様の方法で連続100時間の放電
を行って基板上にBaTiO3の誘電体膜を成膜した。
【0086】そして、放電中のアーキング回数、放電後
のセラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜さ
れた誘電体膜の状態を調べた結果、アーキング回数は3
回であった。また、セラミックスターゲットは特に欠け
や割れ等がなく、また、成膜ダスト数は16個、耐圧は
30Vであった。
【0087】比較例7 セラミックスターゲットの側端面に嵌め込み配置する金
属板として内径100.1mm、外径130mm、厚さ11mmのリング
状のTi(チタン)製の金属板を用いた以外は、前記実
施例1と同様の方法で連続100時間の放電を行って基板
上にBaTiO3の誘電体膜を成膜した。
【0088】そして、放電中のアーキング回数、放電後
のセラミックスターゲットの状態並びに基板上に成膜さ
れた誘電体膜の状態を調べた結果、アーキング回数は3
回であり、セラミックスターゲットは特に欠けやひび割
れがなく、また、成膜ダスト数は20個であったが、耐
圧は18Vまで低下していた。また、誘電体膜のBa/
Ti組成比は0.99と化学量論組成に比べてTiが多めに
混入していた。
【0089】前記実施例ではセラミックスターゲットの
材料としてチタン酸系化合物を用いたが、チタン酸系化
合物に代えて誘電体膜材であるLiNbO3(ニオブ酸
リチウム)、LiTaO3(タンタル酸リチウム)を用
いてもよい。
【0090】また、金属板の材料としてNb(ニオ
ブ)、Ta(タンタル)を用いてもよい。
【0091】また、セラミックスターゲットの大きさ、
形状はRFスパッタリング法、或いはRFにDCを重畳
したスパッタリング法に適応させて他の寸法、形状のタ
ーゲットを用いてもよい。
【0092】
【発明の効果】本発明によるときは、セラミックスター
ゲットを用いてスパッタリングを行うスパッタリングカ
ソードを、セラミックスターゲットと、該セラミックス
ターゲットの側端部を保護するための金属板と、電気的
にフローティング電位のシールド板から成る構成とした
ので、長時間の連続放電を行ってもアーキングの回数が
極めて少なくなり、かつアーキングが生じたとしてもセ
ラミックスターゲットの側端部が欠けたり、ひび割れた
りしないで、安定して連続放電が可能となる等の効果が
ある。
【0093】また、金属板をセラミックスターゲットを
構成する元素の少なくとも1つから成る金属材料、もし
くは少なくとも1つから成る金属を主成分とする金属材
料を用いることにより、万が一、ごく僅かでも金属板が
スパッタリングされ、膜中に混入することが生じても耐
圧を低下させないことが出来る。
【0094】また、シールド板の開口部の大きさをセラ
ミックスターゲットの寸法に対して該セラミックスター
ゲットの側端部よりターゲット中央側方向に20mm以
下、該セラミックスターゲットの側端部より更に外方向
に10mm以下の開口部とすることにより、シールド板や
金属板がスパッタリングされることなく、従って、膜中
にこれらの材料が混入することを避けることが出来る。
【0095】また、金属板の厚さをターゲット厚さに対
し1/2から2倍の板厚とすることにより、ターゲット
の側端を保護し、万が一、アーキングがこの近傍で発生
してもターゲットの欠けや割れ等を防ぐことが出来、ま
た、金属板材料がスパッタリングされ、膜中に金属板材
料が混入するのを防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスパッタリングカソードの1実施例
の該略図、
【図2】 比較例1で用いたスパッタリングカソードの
該略図、
【図3】 比較例2で用いたスパッタリングカソードの
該略図、
【図4】 比較例4で用いたスパッタリングカソードの
該略図。
【符号の説明】
1 スパッタリングカソード、 2 セラミックス
ターゲット、3 バッキングプレート、 13
シールド板、14 金属板、 15
シールド板の開口部、C 空隙。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鄒 紅▲こう▼ 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 石川 道夫 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスターゲットと、該セラミッ
    クスターゲットの側端面に接して設置された金属板と、
    該金属板と空間的に10mm以下の空隙を保って該金属板
    上を蔽っている電気的にフローティング状態のシールド
    板から成ることを特徴するスパッタリングカソード。
  2. 【請求項2】 前記セラミックスターゲットはBaTi
    3、SrTiO3、(BaSr)TiO3、PbTi
    3、Pb(ZrTi)O3、(PbLa)(ZrTi)
    3等のチタン酸系セラミックスターゲットであること
    を特徴とする請求項第1項に記載のスパッタリングカソ
    ード。
  3. 【請求項3】 前記金属板はセラミックスターゲットを
    構成する元素の少なくとも1つから成る金属材料、もし
    くは少なくとも1つから成る金属を主成分とする金属材
    料であることを特徴とする請求項第1項または第2項に
    記載のスパッタリングカソード。
  4. 【請求項4】 前記シールド板はセラミックスターゲッ
    トの寸法に対して該セラミックスターゲットの側端部よ
    りターゲット中央側方向に20mm以下、該セラミックス
    ターゲットの側端部より更に外方向に10mm以下の開口
    部を有することを特徴とする請求項第1項ないし第3項
    のいずれか1項に記載のスパッタリングカソード。
  5. 【請求項5】 前記金属板の厚さはターゲット厚さに対
    し1/2から2倍の板厚であることを特徴とする請求項
    第1項ないし第4項のいずれか1項に記載のスパッタリ
    ングカソード。
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