JPH0860332A - 溶射方法および溶射ガン - Google Patents

溶射方法および溶射ガン

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JPH0860332A
JPH0860332A JP21805194A JP21805194A JPH0860332A JP H0860332 A JPH0860332 A JP H0860332A JP 21805194 A JP21805194 A JP 21805194A JP 21805194 A JP21805194 A JP 21805194A JP H0860332 A JPH0860332 A JP H0860332A
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JP
Japan
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thermal spray
nozzle
thermal
gun
thermal spraying
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JP21805194A
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Inventor
Toshiharu Kon
敏晴 今
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SUKAIAN KK
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NIPPON KAIYO SERVICE KK
SUKAIAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 研削材粒子6を噴射するブラストノズル3と
溶射ガン1のノズル3とをこの両者が一緒に動かされる
こととなるように結合し、ブラストノズル3から素地7
に向かって研削材粒子6を噴射しながら同時に溶射ガン
1により該素地7に対し溶射を行う。 【効果】 素地7の各部がブラスト処理の直後に溶射を
行われるようにすることができ、これによって、確実
に、素地7に錆が生じていない状態で溶射を行うことが
できる。また、ブラスト処理と溶射作業とを同時に行う
ことができるので、ブラスト処理をも含めた全体としの
て施工時間を短縮できるとともに、省力化を図ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融状態またはそれに
近い状態の被覆物質(溶射材料)の粒子を素地(母材)
に吹き付けることにより、該素地上に溶射皮膜を形成す
る溶射方法および溶射ガンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、溶射作業を行う際には、素地に
溶射皮膜をよく密着させるために、前処理として素地に
ブラスト処理(圧縮空気流、遠心力等で砂、グリット等
の研削材粒子を素地に吹き付ける処理)により、素地表
面の黒皮や酸化物等を除去して素地表面を清浄化すると
ともに素地表面を粗面化する必要があるが、従来はこの
ようなブラスト処理を溶射作業とは完全に別個に行って
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
シートパイル護岸等のスプラッシュゾーンや水中等にお
いては、ブラスト処理を行ってもすぐに錆が発生してし
まう(水中では青錆、気中では赤錆がそれぞれ5〜6分
で発生する)ので、従来のようにブラスト処理を溶射作
業とは完全に別個に行うと、素地に錆が発生している状
態で溶射作業が行われることになり、溶射結果に悪影響
を与えるという問題があった。
【0004】また、ブラスト処理をも含めた全体としの
て施工時間が長く掛かるとともに、人手を多く要すると
いう問題もあった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、本発明の目的は、ブラスト処理と溶射とを同
時に行い、素地の各部がブラスト処理の直後に溶射を行
われるようにすることができるとともに、ブラスト処理
をも含めた全体としのて施工時間を短縮し、かつ省力化
を図ることができる溶射方法および溶射ガンを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の溶射方法は、研
削材粒子を噴射するブラストノズルと溶射ガンのノズル
とをこの両者が一緒に動かされることとなるように結合
し、前記ブラストノズルから素地に向かって研削材粒子
を噴射しながら同時に該素地に対し前記溶射ガンにより
溶射を行うものである。
【0007】また、本発明の溶射ガンは、研削材粒子を
噴射するブラストノズルを取り付けられたものである。
【0008】
【作用】本発明においては、ブラストノズルから素地に
向かって研削材粒子を噴射しながら同時に該素地に対し
溶射を行うことにより、素地の各部がブラスト処理の直
後に溶射を行われるようにすることができ、これによっ
て、確実に、素地に錆が生じていない状態で溶射を行う
ことができる。また、ブラスト処理と溶射作業とを同時
に行うことができるので、ブラスト処理をも含めた全体
としのて施工時間を短縮できるとともに、省力化を図る
ことができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明する。図1は本発明の第一実施例を示す。この実施
例は陸上(気中)での溶射に本発明を適用した例であ
る。この実施例においては、溶射ガン1のガンボデー2
の上部には、ブラストノズル3が、溶射ガン1のノズル
4とほぼ同方向となる状態で、着脱可能かつガンボデー
2に対する角度を若干調整可能に取り付けられている。
前記ブラストノズル3は図示しないブラストマシンにブ
ラストホース5を介して接続されている。
【0010】本実施例においては、前記ブラストマシン
から圧縮空気によりブラストホース5を経て送られてき
た研削材粒子6をブラストノズル3から素地7に向かっ
て噴射することができる。そして、このようにしてブラ
ストノズル3から素地7に向かって研削材粒子6を噴射
しながら同時に該素地7に対し溶射ガン1によって溶射
を行うことにより、素地7の各部がブラスト処理の直後
に溶射を行われるようにすることができる。これによっ
て、確実に、素地7に錆が生じていない状態で溶射を行
うことができる。また、ブラスト処理と溶射作業とを同
時に行うことができるので、ブラスト処理をも含めた全
体としのて施工時間を短縮できるとともに、省力化を図
ることができる。
【0011】なお、本実施例では、前記溶射ガン1はア
ーク式溶射装置の溶射ガンとされているが、本発明はア
ーク式溶射装置以外の溶射ガンにも適用できるものであ
る。また、溶射ガン1に対するブラストノズル3の設置
位置は任意に選択することができるが、本実施例のよう
に溶射ガン1の上部にブラストノズル3を設ける場合に
は、溶射ガン1を下から上に移動しながら溶射を行う
と、素地7の各部がブラスト処理の直後に溶射を行われ
るようにすることができる。
【0012】図2〜4は本発明の第二実施例を示してお
り、この実施例は本発明を水中での溶射に適用した例で
ある。
【0013】本発明者は、先に特開平4−165060
号において、水中で溶射を行うことができる水中溶射方
法および水中溶射ガンを提案した。しかしながら、この
従来の水中溶射方法および水中溶射ガンでは、溶射ガン
の先端部に筒状ないしはラッパ状の遮蔽体を取り付け、
この遮蔽体の先端開口部を素地に当接した状態で溶射を
行うことにより、溶射ガンから噴射される溶射ジェット
流に水が巻き込まれないようにしていたので、溶射面が
平らな場合にしか適用できないとともに、溶射面が遮蔽
体によって覆われてしまって目視できないため、作業性
が非常に悪いという問題があった。
【0014】また、このように溶射ガンを水中に持ち込
む場合、溶射ガンの防水が問題になる。例えば、ワイヤ
状の溶射材料を電気アークにより溶融又はそれに近い状
態にするアーク式溶射装置の溶射ガンにおいては、ワイ
ヤ状の溶射材料を駆動するための電動モータおよびアー
クを形成するための結線等の電気系統、その他がガン内
部に収容されるが、これらの電気系統等が水に触れない
ようにするため、ガン内部に水が浸入しないようにする
必要がある。
【0015】ところが、このようなアーク式溶射装置の
溶射ガンの場合、基本原理上密閉できない場所がある。
それは溶射材料のワイヤの入口と出口である。したがっ
て、単純に、従来の陸上用の溶射ガンを密閉構造に改造
することにより完全な防水構造の溶射ガンを得ようとし
ても、それは不可能であった。
【0016】また、上述のアーク式溶射装置の溶射ガン
のみならず、他の種の溶射装置の溶射ガンにおいても、
同様にして、完全な防水構造を得ることは困難であっ
た。
【0017】この図2〜4の第二実施例は、以上のよう
な従来の水中溶射方法および水中溶射ガンの欠点をも解
消するものである。
【0018】アーク式溶射装置の溶射ガン1のガンボデ
ー2の先端部には、該先端部に螺合されたノズル固定キ
ャップ8を介してノズル4が固定されている。前記ノズ
ル4の先端面の中心部には小さな穴からなるアトマイズ
エア噴出口9が設けられ、該アトマイズエア噴出口9の
周囲かつ近傍には小さな穴からなる複数のシールド流噴
出口10が図3によく示されるようにアトマイズエア噴
出口9に対し同心円状に配設されている。
【0019】前記ガンボデー2内には、2組ずつのワイ
ヤガイド11,12およびワイヤ駆動ローラ13が設け
られるとともに、前記ワイヤ駆動ローラ13を駆動する
電動モータおよび歯車等の動力伝達機構(ともに図示せ
ず)が設けられている。また、前記ワイヤガイド12の
先端部には、細い円筒状のコンタクトチップ14が設け
られている。また、前記ガンボデー2は、陸上に置かれ
た1対の巻き線リール(図示せず)に1対のワイヤチュ
ーブ15を介して接続されており、前記巻き線リールか
ら2本のワイヤ状の溶射材料16がワイヤチューブ15
を経てガンボデー2内に入り、さらにワイヤガイド1
1、ワイヤ駆動ローラ13、ワイヤガイド12およびコ
ンタクトチップ14を経てノズル4のアトマイズエア噴
出口9からノズル4外に突出し、図4のようにノズル4
より若干前方のアークポイントAにおいて互いに交わる
ようになっている(なお、図4は図2の断面と垂直な面
でノズル4付近を断面した断面図である)。
【0020】前記ガンボデー2にはエアホース17の一
端部が取り付けられており、該一端部は空気通路18を
介してノズル4に接続されるとともに、空気通路18お
よび小孔19を介してガンボデー2内部に接続されてい
る。前記エアホース17の他端部は、陸上に置かれたコ
ンプレッサ等のアトマイズエア用圧縮空気供給源(図示
せず)に接続されている。また、前記溶射材料16は、
陸上に置かれた電源(図示せず)にコンタクトチップ1
4、ワイヤガイド12および電源ケーブル20を介して
接続されている。前記ガンボデー2には溶射開始・停止
を操作するための引き金21が設けられている。
【0021】前記溶射ガン1のガンボデー2の上部に
は、ブラストノズル3が、ノズル4とほぼ同方向となる
状態で、着脱可能かつガンボデー2に対する角度を若干
調整可能に取り付けられている。前記ブラストノズル3
は図示しないブラストマシンにブラストホース5を介し
て接続されている。
【0022】次に、本実施例の作動を説明する。従来の
陸上のアーク式溶射ガンと同様に、アークポイントAに
おいて2本の溶射材料16間にアークが発生し、これら
の溶射材料16を溶融させる。一方、前記アトマイズエ
ア用圧縮空気供給源からエアホース17および空気通路
18を介してノズル4に送られてきた圧縮空気の一部は
アトマイズエア噴出口9からアトマイズエアとしてノズ
ル4外に噴出し、溶融状態の溶射材料16を吹き散らし
て粒子化し、図2および4に示されるように溶射ジェッ
ト流Tを形成する。また、ノズル4に送られてきた圧縮
空気の他の一部は図4のようにシールド流噴出口10か
ら噴出し、溶射ジェット流Tの周囲にシールド流Sを形
成する。
【0023】したがって、溶射ジェット流Tに周囲の水
が巻き込まれることがなく、良好に溶射を行うことがで
きる(図4の22は形成された溶射皮膜を示してい
る)。
【0024】なお、本実施例では、シールド流Sを空気
流により構成しているが、シールド流噴出口に水または
水と空気との混合したものを供給することにより、シー
ルド流Sを水流または水と空気との混合流によって構成
してもよい。また、空気の代わりに他の種の気体を用い
てシールド流Sを構成してもよい。
【0025】他方、前記アトマイズエア用圧縮空気供給
源からエアホース17を介して空気通路18に送られて
きた圧縮空気の一部は小孔19を経てガンボデー2内に
供給される。これにより、溶射ガン1内部を水圧より高
くできるので、溶射ガン1内部への水の浸入を完全に防
止することができる。
【0026】また、本実施例においても、前記ブラスト
マシンから圧縮空気によりブラストホース5を経て送ら
れてきた研削材粒子6をブラストノズル3から素地7に
向かって噴射することができる。そして、このようにし
てブラストノズル3から素地7に向かって研削材粒子6
を噴射しながら同時に該素地7に対し溶射を行うことに
より、素地7の各部がブラスト処理の直後に溶射を行わ
れるようにすることができ、これによって、確実に素地
に錆が生じていない状態で溶射を行うことができる。ま
た、ブラスト処理と溶射作業とを同時に行うことができ
るので、ブラスト処理をも含めた全体としのて施工時間
を短縮できるとともに、省力化を図ることができる。
【0027】なお、溶射トーチ13に対するブラストノ
ズル3の位置は任意に選択することができるが、本実施
例のように溶射トーチ13の上部にブラストノズル3を
設ける場合には、溶射トーチ13を下から上に移動しな
がら溶射を行うと、素地7の各部がブラスト処理の直後
に溶射を行われるようにすることができる。そして、こ
の場合、水中において、ブラストノズル3から噴射され
た空気等は上方に浮き上がって行くので、溶射作業者の
視界が妨げられず、良好な視界が確保される。
【0028】図5〜8は本発明の第三実施例を示してお
り、この実施例も本発明を水中での溶射に適用した例で
ある。
【0029】従来の溶射ガンは、前記第一および第二実
施例と同様に、溶射ジェット流を構成するアトマイズエ
ア等の気体を噴出するノズルと、このノズルに溶射材料
を供給する溶射材料駆動手段との両方を1つの共通のガ
ンボデーに装備していた。このため、溶射作業を行う
際、溶射ガン全体を動かさなければならなかったので、
作業性が悪いという問題があった。本実施例は、溶射ガ
ンを、ガン本体部24と溶射トーチ35とが分離した構
造とすることにより、さらにこのような欠点をも解消す
るものである。
【0030】本実施例において、アーク式溶射装置のガ
ン本体部24は次のような構成を有している。本体ケー
ス25は肩掛けベルト26を取り付けられることによ
り、溶射作業を行う作業者が肩に掛けられるようになっ
ている。前記本体ケース25内には2組のワイヤ駆動ロ
ーラ27、これらのワイヤ駆動ローラ27を駆動する電
動モータ28および歯車等の動力伝達機構(図示せ
ず)、並びにエア電磁弁29が収容されている。前記本
体ケース25は、陸上に置かれた1対の巻き線リール3
0にワイヤチューブ31を介して接続されており、巻き
線リール30から2本のワイヤ状の溶射材料16が該ワ
イヤチューブ31を経て本体ケース25内に供給され、
ワイヤ駆動ローラ27に至るようになっている。また、
前記エア電磁弁29の入口側は、陸上に置かれた圧縮空
気供給源であるコンプレッサ32にエアホース33を介
して接続されている。前記本体ケース25内においてエ
アホース33には小孔34が設けられており、この小孔
34を介して該エアホース33は本体ケース25内部の
空間にも接続されている。
【0031】一方、溶射トーチ35は図6によく示され
るように次のような構成を有している(なお、図6は図
5の紙面と垂直な面で溶射トーチ35を断面した断面図
である)。トーチボデー36は円筒状をなしていて、本
体ケース25から分離されており、このトーチボデー3
6の先端部には、ノズル37が螺着されている。前記ノ
ズル37内部とトーチボデー36内部とは、トーチボデ
ー36の先端部付近に設けられた壁38により仕切られ
ている。前記ノズル37の先端面の中心部には小さな穴
からなるアトマイズエア噴出口39が設けられ、該アト
マイズエア噴出口39の周囲かつ近傍には小さな穴から
なる複数のシールド流噴出口40がアトマイズエア噴出
口39に対し同心円状に配設されている。
【0032】前記壁38にはエア穴41および1対のチ
ップ支持具取付穴42が貫通されている。前記エア穴4
1にはトーチボデー36の後端側からホース接続具43
が螺着されており、このホース接続具43はトーチボデ
ー36内に突出している。前記ホース接続具43にはエ
アホース44の一端部が接続されており、このエアホー
ス44はトーチボデー36の後端部を貫通して本体ケー
ス25まで延び、該エアホース44の他端部は本体ケー
ス25内のエア電磁弁29の出口側に接続されている。
【0033】1対のシールドチューブ45は、トーチボ
デー36の内部から該トーチボデー36の後端部を貫通
して本体ケース25内にまで延びている。前記チップ支
持具取付穴42には電気導体からなるチップ支持具46
がそれぞれ嵌合されて取り付けられている。これらのチ
ップ支持具46にはチップ支持具取付穴42と同軸に穴
47が貫通されており、この穴47のノズル37側の端
部には電気導体からなるくの字状に屈曲された筒状のコ
ンタクトチップ48がそれぞれ螺着されている。前記コ
ンタクトチップ48の先端側はノズル37内に突出して
いる。前記チップ支持具46の後端側はトーチボデー3
6内に突出しており、穴47の後端側にはシールドチュ
ーブ45内に通された中空状のコンジットケーブル49
の一端部が嵌合されている。前記コンジットケーブル4
9の他端部は本体ケース25内にまで延びており、ワイ
ヤ駆動ローラ27から送り出された溶射材料16がさら
にこれらのコンジットケーブル49内、チップ支持具4
6の穴47、コンタクトチップ48内およびノズル37
のアトマイズエア噴出口39を経てノズル37外に突出
し、ノズル37より若干前方のアークポイントAにおい
て互いに交わるようになっている。前記コンジットケー
ブル49には編組線からなる導線50が被されており、
この導線50の一端部は止めねじ51によりチップ支持
具46の後端部に接続されている。前記導線50の他端
側は本体ケース25内において電源ケーブル52に接続
されており、これらの電源ケーブル52の他端側は陸上
に置かれた電源装置53に接続されている。
【0034】図5に示されるように、前記トーチボデー
36には溶射開始・停止を操作するためのスイッチ54
が設けられており、このスイッチ54は、本体ケース2
5を経由して陸上に置かれた電源装置53へ延びるコン
トロールケーブル55を介して電源装置53に接続され
ている。なお、図が煩雑にならないようにするため、図
ではその配線を示されていないが、前記電源装置53は
モータ28およびエア電磁弁29にも接続されている。
【0035】また、図では、理解を容易にするために、
ガン本体部24と溶射トーチ35とを結ぶエアホース4
4、シールドチューブ45およびコントロールケーブル
55がバラバラの状態になって示されているが、実際に
はこれらを束ねてもよいし、一本のチューブないしはケ
ーブルのようなものにこれらを収容してもよい。
【0036】図5に示されるように、前記溶射トーチ3
5のトーチボデー36の上部にはブラストノズル3が着
脱可能に取り付けられている。前記ブラストノズル3は
陸上に置かれたブラストマシン56にブラストホース5
を介して接続されている。コンプレッサ32はエア電磁
弁29および本体ケース25に接続されるとともにブラ
ストホース5にも接続されている。
【0037】次に、本実施例の作動を説明する。スイッ
チ54がオンされると、電源装置53は、まずエア電磁
弁29に通電して該エア電磁弁29を開き、続いて電源
ケーブル52を介して導線50およびモータ28に通電
する。したがって、まず、コンプレッサ32からエアホ
ース33、電磁弁29、エアホース44、ホース接続具
43およびエア穴41を介してノズル37に圧縮空気が
供給され、続いてアークポイントAにおいて2本のワイ
ヤ状の溶射材料16間にアークが発生し、これらの溶射
材料16が溶融するとともに、モータ28が回転してワ
イヤ駆動ローラ27により溶射材料16がノズル37の
方へ送り出される。
【0038】一方、図7に示されるように(図7は図5
の紙面と垂直な面で溶射トーチを断面した拡大断面図で
ある)、ノズル37に圧送されて来た圧縮空気の一部は
アトマイズエア噴出口39からアトマイズエアとしてノ
ズル37外に噴出し、溶融状態の溶射材料16を吹き散
らして粒子化し、溶射ジェット流Tを形成する。また、
ノズル37に送られてきた圧縮空気の他の一部はシール
ド流噴出口40から噴出し、溶射ジェット流Tの周囲に
シールド流Sを形成する。したがって、溶射ジェット流
Tに周囲の水が巻き込まれることがなく、良好に溶射を
行うことができる(図7において、7は素地、22は形
成された溶射皮膜を示している)。
【0039】そして、この溶射ガンでは、溶射作業時、
作業者は、ガン本体部24の方は肩掛けベルト26を用
いて肩に掛け、溶射トーチ35の方のみを手で持って動
かせばよいので、作業性が非常に良い。
【0040】また、本実施例では、エア電磁弁29が開
かれているときも閉じられているときも、コンプレッサ
32からエアホース33に送られてきた圧縮空気の一部
は小孔34を経て本体ケース25内の空間に供給され
る。これにより、本体ケース25内部の空気圧を水圧よ
り高くできるので、本体ケース25内部への水の浸入を
完全に防止することができる。さらに、本体ケース25
内からシールドチューブ45を経て圧縮空気がトーチボ
デー36内にも供給されるので、トーチボデー36内部
の空気圧も水圧より高くして、トーチボデー36内部へ
の水の浸入を完全に防止することができる。
【0041】なお、本実施例では、シールド流Sを空気
流により構成しているが、シールド流噴出口に水または
水と空気との混合したものを供給することにより、シー
ルド流を水流または水と空気との混合流によって構成し
てもよい。また、空気の代わりに他の種の気体を用いて
シールド流を構成してもよい。
【0042】また、本実施例においても、ブラストマシ
ン56より供給される研削材粒子6をコンプレッサ32
から供給される圧縮空気により、図8に示されるように
ブラストホース5を経てブラストノズル3から噴射する
ことができる。そして、このようにしてブラストノズル
3から素地7に向かって研削材粒子6を噴射しながら同
時に該素地7に対し溶射を行うことにより、素地7の各
部がブラスト処理の直後に溶射を行われるようにするこ
とができ、これによって、確実に、素地7に錆が生じて
いない状態で溶射を行うことができる。また、ブラスト
処理と溶射作業とを同時に行うことができるので、ブラ
スト処理をも含めた全体としのて施工時間を短縮できる
とともに、省力化を図ることができる。
【0043】なお、この場合も、溶射トーチ35に対す
るブラストノズル3の位置は任意に選択することができ
るが、本実施例のように溶射トーチ35の上部にブラス
トノズル3を設ける場合には、溶射トーチ35を下から
上に移動しながら溶射を行うと、素地7の各部がブラス
ト処理の直後に溶射を行われるようにすることができ
る。そして、この場合、水中において、ブラストノズル
3から噴射された空気等は上方に浮き上がって行くの
で、溶射作業者の視界が妨げられず、良好な視界が確保
される。
【0044】また、従来の溶射ガンや、図1〜4の第一
および第二実施例の溶射ガンのように、溶射ジェット流
Tを構成する気体を噴射するノズルとこのノズルに溶射
材料を供給する溶射材料駆動手段との両方を1つの共通
のガンボデーに装備した溶射ガンにおいては、ブラスト
ノズル3を取り付けると、溶射ガンが一層大型化すると
ともに重くなってしまうので、作業性が悪くなってしま
う虞があるが、本実施例のように溶射材料16を駆動す
る溶射材料駆動機構を収容したガン本体部24から分離
された溶射トーチ35にブラストノズル3を設ければ、
大型化したり重くなったりせず、手で持って容易に取り
扱うことができるので、作業性もよい。
【0045】なお、前記第二および第三実施例では、溶
射ガン内部に圧縮空気を供給するコンプレッサ等の圧縮
空気源をアトマイズエア用の圧縮空気供給源と共通とし
ているが、アトマイズエア用の圧縮空気供給源とは別個
の圧縮空気供給源から溶射ガン内部に圧縮空気を供給し
てもよい。
【0046】また、前記第二および第三実施例では、陸
上に設けられたコンプレッサ等の圧縮空気供給源から溶
射ガン内部に圧縮空気を供給しているが、ボンベ等の圧
縮空気供給源により水中から圧縮空気を溶射ガン内部に
供給してもよい。
【0047】また、圧縮空気以外の高圧の気体を溶射ガ
ン内部に供給してもよい。
【0048】図9は本発明の第四実施例を示している。
この実施例は、溶射ガンを前記図5〜8の第三実施例と
同様に肩掛け式とするとともに、第三実施例とは異な
り、陸上(気中)での溶射用としたものである。この実
施例においては、シールド流Sを形成する必要がないの
で、ノズル37にシールド流噴出口40が設けられてい
ないとともに、防水の必要がないので、本体ケース25
内においてエアホース33に小孔34が設けられていな
い。他の構成は前記図5〜8の第三実施例と同じであ
る。
【0049】本実施例においても、溶射作業時、作業者
は、ガン本体部24の方は肩に掛け、溶射トーチ35の
方のみを手で持って動かせばよいので、作業性が非常に
良い。
【0050】図10は本発明の第五実施例における溶射
トーチ35およびブラストノズル3を示す正面図であ
る。本実施例においては、溶射トーチ35のノズル37
の周囲に環状に開口するブラストノズル3が設けられて
いる。他の構成は前記図5〜8の第三実施例と同様であ
る。
【0051】本実施例においても、ブラストマシン56
から圧縮空気によりブラストホース5を経て送られてき
た研削材粒子6をブラストノズル3から素地7に向かっ
て噴射することができる。そして、このようにしてブラ
ストノズル3から素地7に向かって研削材粒子6を噴射
しながら同時に該素地7に対し溶射を行うことにより、
素地7の各部がブラスト処理の直後に溶射を行われるよ
うにすることができ、これによって、確実に、素地7に
錆が生じていない状態で溶射を行うことができる。ま
た、ブラスト処理と溶射作業とを同時に行うことができ
るので、ブラスト処理をも含めた全体としのて施工時間
を短縮できるとともに、省力化を図ることができる。
【0052】また、本実施例では、溶射時の溶射トーチ
35の移動方向を自由にすることができる。
【0053】なお、前記図10の第五実施例の場合とは
逆に、ブラストノズルの方を中心に設け、その周囲に溶
射トーチのノズルを環状に設けることも可能である。
【0054】また、前記第四および第五実施例ではガン
本体部24を肩に掛けるようにしているが、ガン本体部
24を背負ったり、腹に巻く等の他の態様によってガン
本体部24を作業者の身体に装着できるようにしてもよ
い。
【0055】また、前記各実施例においては、溶射ガン
に直接ブラストノズルを取り付けているが、本発明にお
いては必ずしも溶射ガンに直接ブラストノズルを取り付
けなくてもよく、例えば溶射ガンとブラストノズルを共
通の支持体に取り付ける等により、ブラストノズルと溶
射ガンのノズルとをこの両者が一緒に動かされることと
なるように結合してもよい。
【0056】さらに、前記各実施例においてはアーク式
溶射装置の溶射ガンが用いられているが、本発明におい
てはアーク式溶射装置以外の種々の形式の溶射ガンを用
いることもできる。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明は、ブラスト処理と
溶射とを同時に行い、素地の各部がブラスト処理の直後
に溶射を行われるようにすることができるとともに、ブ
ラスト処理をも含めた全体としのて施工時間を短縮し、
かつ省力化を図ることができる等の優れた効果を得られ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す側面図である。
【図2】本発明の第二実施例を示す断面図である。
【図3】前記第二実施例を示す正面図である。
【図4】前記第二実施例におけるノズル付近を図2の断
面と垂直な面で断面して示す拡大断面図である。
【図5】本発明の第三実施例を簡略化して示す断面図で
ある。
【図6】前記第三実施例における溶射トーチを図5の紙
面と垂直な面で断面して示す拡大断面図である。
【図7】前記第三実施例におけるノズル付近をさらに拡
大して示す拡大断面図である。
【図8】前記第三実施例における溶射作業を示す側面図
である。
【図9】本発明の第四実施例を簡略化して示す断面図で
ある。
【図10】本発明の第五実施例における溶射トーチおよ
びブラストノズルを示す正面図である。
【符号の説明】 1 溶射ガン 3 ブラストノズル 4 ノズル 6 研削材粒子 7 素地 16 溶射材料 24 ガン本体部 25 本体ケース 26 肩掛けベルト 27 ワイヤ駆動ローラ 28 電動モータ 35 溶射トーチ 36 トーチボデー 37 ノズル T 溶射ジェット流

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研削材粒子を噴射するブラストノズルと
    溶射ガンのノズルとをこの両者が一緒に動かされること
    となるように結合し、前記ブラストノズルから素地に向
    かって研削材粒子を噴射しながら同時に該素地に対し前
    記溶射ガンにより溶射を行うことを特徴とする溶射方
    法。
  2. 【請求項2】 溶射ガンにブラストノズルを取り付ける
    請求項1記載の溶射方法。
  3. 【請求項3】 研削材粒子を噴射するブラストノズルを
    取り付けられたことを特徴とする溶射ガン。
  4. 【請求項4】 作業者の身体に装着できるようにされた
    本体ケース、およびこの本体ケース内に収容されて溶射
    材料を駆動する溶射材料駆動機構を有してなるガン本体
    部と、前記本体ケースとは分離して設けられた溶射トー
    チと、この溶射トーチに設けられた、溶射ジェット流を
    構成する気体を噴射するノズルと、前記溶射トーチに取
    り付けられた研削材粒子を噴射するブラストノズルとを
    有してなり、 前記溶射材料駆動機構により前記本体ケースから前記溶
    射トーチに前記溶射材料が供給されることを特徴とする
    溶射ガン。
  5. 【請求項5】 前記溶射材料駆動機構は、ワイヤ状の溶
    射材料を駆動するワイヤローラと、このワイヤローラを
    駆動するモータとを備えてなる請求項4記載の溶射ガ
    ン。
  6. 【請求項6】 前記本体ケースは作業者の肩に掛けられ
    るようにされた請求項4または5記載の溶射ガン。
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