JPH0859818A - グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体 - Google Patents

グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体

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JPH0859818A
JPH0859818A JP6221091A JP22109194A JPH0859818A JP H0859818 A JPH0859818 A JP H0859818A JP 6221091 A JP6221091 A JP 6221091A JP 22109194 A JP22109194 A JP 22109194A JP H0859818 A JPH0859818 A JP H0859818A
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polyalkylene glycol
glycerin
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Hisaya Umehara
尚也 梅原
Toru Yasukochi
徹 安河内
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Abstract

(57)【要約】 【構成】式[1]で示されるグリセリンポリアルキレン
グリコールエーテル誘導体。 【化1】 (ただし、式中、(A1O)mおよび(A2O)nは、炭素数2
〜4のアルキレンオキシドの1種の付加体よりなる基ま
たは2種以上のランダム状もしくはブロック状の付加体
よりなる基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは異なる構
造を有し、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜2
4の炭化水素基もしくはアシル基で同一でも異なってい
てもよく、mは1〜200、nは1〜200である。) 【効果】本発明のグリセリンポリアルキレングリコール
エーテル誘導体は、ポリオキシアルキレン鎖がすべて同
一であるものと物性が異なり、新規な界面活性剤として
利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グリセリンポリアルキ
レングリコールエーテル誘導体に関する。さらに詳しく
は、本発明は、グリセリン残基のα、β位とγ位とで異
なる組成のポリオキシアルキレン鎖を持つ、界面活性剤
として有用な、新規なグリセリンポリアルキレングリコ
ールエーテル誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】グリセリンにアルキレンオキシドを付加
することにより、グリセリンのポリアルキレングリコー
ルエーテルが合成されることは知られている。このよう
なグリセリンのポリアルキレングリコールエーテルや、
さらに、そのエーテル化あるいはエステル化した化合物
は、界面活性剤、潤滑油、化粧品、あるいは消泡剤とし
て有用であることが知られている。しかし、従来より合
成されているグリセリンのポリアルキレングリコールエ
ーテルは、グリセリンのα、β、γ位の3個の水酸基に
対して同時に、同じ組成のアルキレンオキシドを付加し
た化合物であり、したがって3個のポリオキシアルキレ
ン鎖は、組成および鎖長ともに等しい構造を有するもの
であった。グリセリンのα、β、γ位の構造の異なる化
合物としては、特開昭64−13046号公報および特
開平6−145341号公報にグリセリン残基のα位に
のみアルキレンオキシドを付加したグリセリン誘導体が
示されている。従来、グリセリンにアルキレンオキシド
を付加することによって、グリセリンのα、β、γ位に
同一構造のポリオキシアルキレン鎖を持つグリセリン誘
導体を合成することは容易であったが、グリセリンの
α、β、γ位に異なる組成のポリオキシアルキレン鎖を
持つグリセリン誘導体は知られておらず、このようなグ
リセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の開
発が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、グリセリン
のα、β位とγ位とで、異なる組成のポリオキシアルキ
レン鎖を有する、新規なグリセリンポリアルキレングリ
コールエーテル誘導体を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、グリセリンの1
個または2個の水酸基をエーテル化、エステル化などに
より保護し、残余の水酸基にアルキレンオキシドを付加
したのち、保護した水酸基を遊離の水酸基に変換して、
さらにアルキレンオキシドを付加することにより、グリ
セリンの3個の水酸基に構造の異なるポリオキシアルキ
レン鎖を付加した化合物が得られることを見いだし、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、(1)一般式[1]で示されるグリセリ
ンポリアルキレングリコールエーテル誘導体、
【化2】 (ただし、式中、A1OおよびA2Oは炭素数2〜4のオ
キシアルキレン基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは、
炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1種の付加体より
なる基または2種以上のランダム状もしくはブロック状
の付加体よりなる基であり、(A1O)mおよび(A2O)n
は異なる構造を有し、R1およびR2は水素原子または炭
素数1〜24の炭化水素基もしくはアシル基で同一でも
異なっていてもよく、mおよびnはアルキレンオキシド
の付加モル数を示し、mは1〜200、nは1〜200
である。)を提供するものである。
【0005】一般式[1]で表される本発明のグリセリ
ンポリアルキレングリコールエーテル誘導体において、
1OおよびA2Oで示される炭素数2〜4のオキシアル
キレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレ
ン基、キオキシブチレン基、オキシテトラメチレン基な
どが挙げられ、これらは、エチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランな
どを付加することにより形成せしめることができる。こ
れらは、単独でも、2種以上が混合して付加していても
よく、2種以上が付加している場合は、ランダム状でも
ブロック状でもよい。一般式[1]で表される本発明の
グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体に
おいて、(A1O)mおよび(A2O)nは、上記の炭素数2〜
4のアルキレンオキシドの1種の付加体よりなる基また
は2種以上のランダム状もしくはブロック状の付加体よ
りなる基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは異なる構造
を有している。ここに(A1O)mおよび(A2O)nが異なる
構造を有するとは、(A1O)mおよび(A2O)nを構成する
オキシアルキレン基の組成が異なること、(A1O)mおよ
び(A2O)nを構成するオキシアルキレン基の結合状態
が、例えば、一方がランダム状で他方がブロック状であ
るごとく、異なること、(A1O)mおよび(A2O)nで表さ
れるポリオキシアルキレン鎖の鎖長が異なること、など
を意味するものである。一般式[1]で表される本発明
のグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導体
は、グリセリンの3個の水酸基に結合するポリオキシア
ルキレン鎖の構造が、α、β位に結合したポリオキシア
ルキレン鎖と、γ位に結合したポリオキシアルキレン鎖
が異なっていて、かつ、それぞれの鎖部分の鎖長および
それぞれの鎖部分が有する親水性親油性バランスを独立
して変化せしめることができるので、界面活性剤として
の特性を任意に調整することができる。このような界面
活性剤は、潤滑油、化粧品や医薬品の原料や基材および
消泡剤として有用である。一般式[1]で表される本発
明のグリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導
体において、mおよびnはアルキレンオキシドの付加モ
ル数を示し、mは1〜200、好ましくは5〜100、
より好ましくは10〜80であり、nは1〜200、好
ましくは5〜100、より好ましくは10〜80であ
る。mまたはnが200を超えると、グリセリンポリア
ルキレングリコールエーテルの粘度が高くなる。なお、
本発明においては、m=1およびn=1の場合も含め
て、グリセリンポリアルキレングリコールエーテル誘導
体と総称する。
【0006】一般式[1]で表される本発明のグリセリ
ンポリアルキレングリコールエーテル誘導体において、
1およびR2で示される炭素数1〜24の炭化水素基と
しては、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和の脂肪族
炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基など
があり、このような炭化水素基としては、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、
ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキ
シル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキ
サデシル基、イソセチル基、オクタデシル基、イソステ
アリル基、オレイル基、イコシル基、ドコシル基、テト
ラコシル基、ベンジル基、クレジル基、ブチルフェニル
基、ジブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニル
フェニル基、ドデシルフェニル基、ジオクチルフェニル
基、ジノニルフェニル基、スチレン化フェニル基などを
挙げることができる。R1およびR2で示される炭化水素
基の炭素数は1〜24であるが、好ましくは1〜12で
あり、より好ましくは1〜4である。R1およびR2で示
される炭化水素基の炭素数が24を超えると、反応しに
くくなる。一般式[1]で表される本発明のグリセリン
ポリアルキレングリコールエーテル誘導体において、R
1およびR2で示される炭素数1〜24のアシル基として
は、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪
酸、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、
ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、マーガリン酸、
ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン
酸、アクリル酸、メタクリル酸、パルミトレイン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、安息香
酸などに由来するアシル基などを挙げることができる。
1およびR2で示されるアシル基の炭素数は1〜24で
あるが、好ましくは2〜18であり、より好ましくは2
および12〜18である。R1およびR2で示されるアシ
ル基の炭素数が24を超えると、アシル基部分の疎水性
が強くなりすぎる。
【0007】一般式[1]で表される本発明のグリセリ
ンポリアルキレングリコールエーテル誘導体の製造法
は、下記に示す方法により、特に好適に製造することが
できる。 (1)α,β−アルキリデングリセリンのごとき環状ア
セタールまたは環状ケタール、例えば、イソプロピリデ
ングリセリンに、イソプロピリデングリセリン1モル当
たり炭素数2〜4のアルキレンオキシドA2O1〜20
0モルを付加して、イソプロピリデングリセリンモノポ
リアルキレングリコールエーテルを合成する。次いで、
末端の水酸基を塩化アルキルなどでエーテル化、または
無水酢酸などでエステル化したのち、温和な酸性条件下
で環状ケタール構造を形成する保護基を脱離せしめ、生
成した2個の水酸基を有するグリセリンモノポリアルキ
レングリコールエーテル誘導体1モル当たり、最初の付
加反応とは異なるアルキレンオキシドA1O2〜400
モルを付加し、必要に応じて末端の水酸基をエーテル化
またはエステル化することによって得ることができる。
本製造方法において、アルキレンオキシドA1Oおよび
アルキレンオキシドA2Oは、それぞれ1種のアルキレ
ンオキシドであってもよく、あるいは、2種以上のアル
キレンオキシドであってもよい。本製造方法の反応経路
を、次の式[2]に示す。
【化3】 (ただし、式中、A1OおよびA2Oは炭素数2〜4のオ
キシアルキレン基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは、
炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1種の付加体より
なる基または2種以上のランダム状もしくはブロック状
の付加体よりなる基であり、(A1O)mおよび(A2O)n
異なる構造を有し、R1およびR2は水素原子または炭素
数1〜24の炭化水素基もしくはアシル基で同一でも異
なっていてもよく、mおよびnはアルキレンオキシドの
付加モル数を示し、mは1〜200、nは1〜200で
ある。)
【0008】(2)グリセリン−α−モノエステル、例
えば、グリセリルモノアセテートに、グリセリルモノア
セテート1モル当たり炭素数2〜4のアルキレンオキシ
ドA1O2〜400モルを付加して、グリセリルモノア
セテートジポリアルキレングリコールエーテルを合成す
る。次いで、必要に応じて末端の2個の水酸基を塩化ア
ルキルなどでエーテル化したのち、酸性条件下でα位の
アシル基を脱アシル化して得られる1個の水酸基を有す
るグリセリンジポリアルキレングリコールエーテル誘導
体1モル当たり、最初の付加反応とは異なるアルキレン
オキシドA2O1〜200モルを付加し、さらに必要に
応じて末端の水酸基をエーテル化またはエステル化する
ことによって得ることができる。本製造方法において、
アルキレンオキシドA1OおよびアルキレンオキシドA2
Oは、それぞれ1種のアルキレンオキシドであってもよ
く、あるいは、2種以上のアルキレンオキシドであって
もよい。本製造方法の反応経路を、次の式[3])に示
す。
【化4】 (ただし、式中、A1OおよびA2Oは炭素数2〜4のオ
キシアルキレン基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは、
炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1種の付加体より
なる基または2種以上のランダム状もしくはブロック状
の付加体よりなる基であり、(A1O)mおよび(A2O)n
異なる構造を有し、R1は水素原子または炭素数1〜2
4の炭化水素基であり、R2は水素原子または炭素数1
〜24の炭化水素基もしくはアシル基であり、mおよび
nはアルキレンオキシドの付加モル数を示し、mは1〜
200、nは1〜200である。)
【0009】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例中、圧力はゲージ
圧でkg/cm2で示し、%は重量%を示す。 実施例1 イソプロピリデングリセリン158.4g(1.2モル)
と水酸化ナトリウム2.4gを5リットル容オートクレ
ーブに採り、系内を窒素ガスに置換した後100℃に昇
温し、100〜150℃、10kg/cm2以下の条件でエ
チレンオキシド2460g(55.9モル)を4時間か
けて加えた後、更に1時間反応を続けた。次に窒素ガス
を通じて未反応エチレンオキシドを除去しながら60℃
まで冷却した。その後、酢酸でpHを7.0に調整し、1
00℃、100mmHg以下で1時間脱水を行った。次に、
80℃に冷却し析出した塩をろ別して化合物1−A24
17gを得た。得られた化合物1−Aの水酸基価は2
6.6(エチレンオキシド46モルが付加したときの計
算値は26.0)、凝固点は49.7℃であった。これら
の結果から、化合物1−Aの構造は式[1−A]と推定
した。
【化5】 次に5リットル容オートクレーブに化合物1−A210
9g(1モル)、ナトリウムメトキシド84.5g(1.
56モル)を採り、系内を窒素ガスに置換した後、かき
混ぜながら100℃に昇温し、100mmHg以下で1時間
ナトリウムアルコキシド化を行った。次に、窒素ガスに
よって系内を常圧にし、塩化メチルを吹き込み、系内が
1kg/cm2になるように吹き込み量を調節しながら10
0℃で3時間保持した。その後、窒素ガスを吹き込みな
がら60℃まで冷却すると共に過剰の塩化メチルを留去
した。その後、酢酸でpHを7.0に調整し、100℃、
100mmHg以下で1時間脱水を行った。次に、80℃に
冷却し析出した塩をろ別して化合物1−B1930gを
得た。得られた化合物1−Bの水酸基価は0.1(計算
値は0)、凝固点は48.9℃であった。これらの結果
から、化合物1−Bの構造は式[1−B]と推定した。
【化6】 次に、化合物1−B1900gを3リットル容ガラス反
応器に採り、10%塩酸水溶液を加えpHを1.0に調整
し、60℃で1時間かき混ぜた。その後、50%水酸化
ナトリウム水溶液で反応物のpHを6.5に調整し、10
0℃、100mmHg以下で1時間加熱して生成したアセト
ンを水と共に留去した。次に、80℃に冷却し、析出し
た塩をろ別して化合物1−C1684gを得た。得られ
た化合物1−Cの水酸基価は53.4(計算値は52.
7)、凝固点は49.4℃であった。これらの結果か
ら、化合物1−Cの構造は式[1−C]と推定した。
【化7】 次に5リットル容オートクレーブに化合物1−C105
0.5g(0.5モル)、水酸化ナトリウムを4.0g採
り、系内を窒素ガスに置換した後、100〜150℃、
10kg/cm2以下の条件でプロピレンオキシド1050
g(18.1モル)を5時間かけて加えた後、更に2時
間反応を続けた。次に窒素ガスを通じて未反応プロピレ
ンオキシドを除去しながら60℃まで冷却した後、酢酸
でpHを7.0に調整し、100℃、100mmHg以下で1
時間脱水を行った。その後、80℃に冷却し析出した塩
をろ別して化合物1−D1845gを得た。得られた化
合物1−Dの水酸基価は28.2(計算値は27.4)、
凝固点は41.2℃であった。これらの結果から、化合
物1−Dの構造は式[1−D]と推定した。
【化8】 実施例1の結果を、第1表に示す。
【0010】
【表1】
【0011】得られた化合物1−Dのゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラムを図1に、赤外吸収スペクトルを図
2に示す。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーの測定条件は次のとおりである。 <ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定条件
> 機種 ;SHODEX GPC SYSTEM−1
1 展開溶媒 ;テトラヒドロフラン サンプル ;0.15%×100×0.001ml 流速 ;1.0ml/min 充填カラム;SHODEX KF−801、KF−80
3、KF−804 カラム温度;40℃ カラム長さ;I.D.8mm×30cm×3 検出器 ;RI×8 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定結
果は次のとおりである。 数平均分子量(Mn)=3967 重量平均分子量(Mw)=4118 多分散度(Mw/Mn)=1.038 赤外吸収スペクトルの測定結果は次のとおりである。3
480cm-1に水酸基の吸収が認められる。2870cm-1
にメチル基、メチレン基の吸収が認められる。1375
cm-1および1350cm-1に枝別れメチル基の吸収が認め
られる。1120cm-1エーテル結合の吸収が認められ
る。 実施例2 実施例1と同様の方法で得られた化合物1−A105
4.5g(0.5モル)とナトリウムメトキシド42.1
g(0.78モル)を2リットル容ガラス反応器に採
り、かき混ぜながら100℃に昇温し、100mmHg以下
で1時間ナトリウムアルコキシド化を行った。次に、窒
素ガスによって系内を常圧にもどし、窒素雰囲気下のも
とで塩化ラウロイル174.8g(0.8モル)を2時間
かけて滴下した後、更に8時間反応を行った。反応後6
0℃に冷却した後、酢酸でpHを7.0に調整し、100
℃、100mmHg以下で1時間脱水を行った。その後、8
0℃に冷却し析出した塩をろ別して化合物2−E896
gを得た。得られた化合物2−Eの水酸基価は0.15
(計算値は0)、鹸化価は23.6(計算値は24.
0)、凝固点は45.7℃であった。これらの結果か
ら、化合物2−Eの構造は式[2−E]と推定した。
【化9】 次に1リットル容ガラス反応器に化合物2−Eを700
g(0.3モル)、80%酢酸水溶液を200g採り、
96℃で3時間還留リフラックスを行った。その後、5
0%水酸化ナトリウム水溶液で反応物のpHを6.5に調
整し、100℃、100mmHg以下で1時間加熱して生成
したアセトンを水と共に留去した。次に80℃に冷却
し、析出した塩をろ別して化合物2−F525gを得
た。得られた化合物2−Fの水酸基価は49.5(計算
値は48.8)、鹸化価は22.9(計算値は24.
4)、凝固点は46.2℃であった。これらの結果か
ら、化合物2−Fの構造は式[2−F]と推定した。
【化10】 次に5リットル容オートクレーブに化合物2−Fを45
9.6g(0.2モル)、水酸化ナトリウムを2.0g採
り、系内を窒素ガスに置換した後100℃に昇温し、1
00〜150℃、10kg/cm2以下の条件でプロピレン
オキシド609g(10.5モル)を7時間かけて加え
た後、更に2時間反応を続けた。次に窒素ガスを通じて
未反応プロピレンオキシドを除去しながら60℃まで冷
却した後、酢酸でpHを7.0に調整し、100℃、1
00mmHg以下で1時間脱水を行った。その後、80℃に
冷却し析出した塩をろ別して化合物2−G962gを得
た。得られた化合物2−Gの水酸基価は22.1(計算
値は21.1)、鹸化価は29.8(計算値は31.
7)、凝固点は38.8℃であった。これらの結果か
ら、化合物2−Gの構造は式[2−G]と推定した。
【化11】 実施例2の結果を、第2表に示す。
【0012】
【表2】
【0013】実施例3 グリセリルモノアセテート134g(1モル)と水酸化
ナトリウム3.0gを5リットル容オートクレーブに採
り、系内を窒素ガスに置換した後100℃に昇温し、1
00〜150℃、10kg/cm2以下の条件でエチレオキ
シド3080g(70モル)を4時間かけて加えた後、
更に1時間反応を続けた。次に、窒素ガスを通じて未反
応エチレオキシドを除去しながら60℃まで冷却した。
その後、酢酸でpHを7.0に調整し、100℃、100m
mHg以下で1時間脱水を行った。次に、80℃に冷却し
析出した塩をろ別して化合物3−H3034gを得た。
得られた化合物3−Hの水酸基価は36.5(計算値は
35.9)、鹸化価は17.5(計算値は17.9)、凝
固点は47.3℃であった。これらの結果から、化合物
3−Hの構造は式[3−H]と推定した。
【化12】 次に5リットル容オートクレーブに化合物3−H292
0g(0.95モル)、ナトリウムメチラート169.0
g(3.12モル)を加え、系内を窒素ガスに置換した
後、かき混ぜながら100℃に昇温し、100mmHg以下
で1時間ナトリウムアルコキシド化を行った。次に、窒
素ガスによって系内を常圧にし、塩化メチルを吹き込
み、系内が1kg/cm2になるように吹き込み量を調節し
ながら100℃で3時間保持した。その後、窒素ガスを
吹き込みながら60℃まで冷却すると共に過剰の塩化メ
チルを留去した。その後、酢酸でpHを7.0に調整し、
100℃、100mmHg以下で1時間脱水を行った。次
に、80℃に冷却し析出した塩をろ別して化合物3−I
2739gを得た。得られた化合物3−Iの水酸基価は
0.1(計算値は0)、鹸化価は16.9(計算値は1
7.8)、凝固点は46.2℃であった。これらの結果か
ら、化合物3−Iの構造は式[3−I]と推定した。
【化13】 次に化合物3−I2600gを5リットル容ガラス反応
器に採り、30%水酸化ナトリウム水溶液を100g加
え、80℃で1時間かき混ぜた。その後、10%塩酸水
溶液で反応物のpHを6.5に調整し、100℃、100m
mHg以下で1時間脱水を行った。次に、析出した塩をろ
別して化合物3−J2340gを得た。得られた化合物
3−Jの水酸基価は18.7(計算値は18.0)、鹸化
価は0(計算値は0)、凝固点は46.5℃であった。
これらの結果から、化合物3−Jの構造は式[3−J]
と推定した。
【化14】 次に5リットル容オートクレーブに化合物3−Jを21
80g(0.7モル)、水酸化ナトリウムを4.0g採
り、系内を窒素ガスに置換した後100℃に昇温し、1
00〜150℃、10kg/cm2以下の条件でプロピレン
オキシド1100g(19モル)を7時間かけて加えた
後、更に2時間反応を続けた。次に窒素ガスを通じて未
反応プロピレンオキシドを除去しながら60℃まで冷却
した後、酢酸でpHを7.0に調整し、100℃、100m
mHg以下で1時間脱水を行った。その後、80℃に冷却
し析出した塩をろ別して化合物3−K2785gを得
た。得られた化合物3−Kの水酸基価は12.8(計算値
は12.1)、鹸化価は0(計算値は0)、凝固点は3
5.4℃であった。これらの結果から、化合物3−Kの
構造は式[3−K]と推定した。
【化15】 実施例3の結果を、第3表に示す。
【0014】
【表3】
【0015】実施例4 実施例3と同様の方法で得られた化合物3−J2180
g(0.7モル)と水酸化ナトリウム4.0gを5リット
ル容オートクレーブに採り、系内を窒素ガスに置換した
後100℃に昇温し、100〜150℃、10kg/cm2
以下の条件で予め混合したエチレオキシド550g(1
2.5モル)とプロピレンオキシド550g(9.5モ
ル)の混合物を5時間かけて加えた後、更に2時間反応
を続けた。次に窒素ガスを通じて未反応エチレオキシド
およプロピレンオキシド除去しながら60℃まで冷却し
た後、酢酸でpHを7.0に調整し、100℃、100mmH
g以下で1時間脱水を行った。その後、80℃に冷却し
析出した塩をろ別して化合物4−L2714gを得た。
得られた化合物4−Lの水酸基価は13.1(計算値は
12.2)、凝固点は38.2℃であった。これらの結果
から、化合物4−Lの構造は式[4−L]と推定した。
【化16】 実施例4の結果を、第4表に示す。
【0016】
【表4】
【0017】比較例1 グリセリン69.0g(0.75モル)と水酸化ナトリウ
ム4.0gを5リットル容オートクレーブに採り、系内
を窒素ガスに置換した後100℃に昇温し、100〜1
50℃、10kg/cm2以下の条件で予め混合したエチレ
オキシド1500g(34.1モル)とプロピレンオキ
シド1500g(25.9モル)の混合物を5時間かけ
て加えた後、更に2時間反応を続けた。次に窒素ガスを
通じて未反応エチレオキシドおよプロピレンオキシド除
去しながら60℃まで冷却した後、酢酸でpHを7.0に
調整し、100℃、100mmHg以下で1時間脱水を行っ
た。その後、80℃に冷却し析出した塩をろ別して化合
物M2701gを得た。得られた化合物Mの水酸基価は
41.9(計算値は41.1)、流動点は−34℃であっ
た。これらの結果から、化合物M4の構造は式[M]と
推定した。
【化17】 比較例1の結果を、第5表に示す。
【0018】
【表5】
【0019】実施例1の化合物1−Dと化合物Mとの表
面張力、凝固点、曇点の比較を第6表に示す。
【0020】
【表6】
【0021】ただし、測定法は次のとおりである。 表面張力;ウィルヘルミー法、Surface Ten
tiometer A−3[KYOWA KAGAKU
Co.LTD]を使用する。 凝固点;JIS K 0065 に従う。 曇点;試料の1重量%水溶液を調製し、この溶液7mlを
内径15mmの透明ガラス管に入れ、この中へ温度計を入
れ、曇りを生ずる温度より約2〜3℃高い温度まで温度
計でよくかき混ぜながら加温し、再びよくかき混ぜなが
ら空冷し、透明になったときの温度を測定する。以上の
結果より、本発明のグリセリンポリアルキレングリコー
ルエーテル誘導体は、α、β、γ位のポリオキシアルキ
レン鎖がすべて同一であるものに比べ、物性が異なるこ
とが判る。
【0022】
【発明の効果】本発明は、グリセリンのα、β位とγ位
とで異なる構造のポリオキシアルキレン鎖を持つグリセ
リンポリアルキレングリコールエーテル誘導体である。
本発明のグリセリンポリアルキレングリコールエーテル
誘導体は、α、β、γ位のポリオキシアルキレン鎖が同
一であるものと比べ物性が異なり、新規な非イオン界面
活性剤として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1の化合物1−Dのゲルパーミ
エーションクロマトグラムである。
【図2】図2は、実施例1の化合物1−Dの赤外吸収ス
ペクトル図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1]で示されるグリセリンポリア
    ルキレングリコールエーテル誘導体。 【化1】 (ただし、式中、A1OおよびA2Oは炭素数2〜4のオ
    キシアルキレン基であり、(A1O)mおよび(A2O)nは、
    炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1種の付加体より
    なる基または2種以上のランダム状もしくはブロック状
    の付加体よりなる基であり、(A1O)mおよび(A2O)n
    異なる構造を有し、R1およびR2は水素原子または炭素
    数1〜24の炭化水素基もしくはアシル基で同一でも異
    なっていてもよく、mおよびnはアルキレンオキシドの
    付加モル数を示し、mは1〜200、nは1〜200で
    ある。)
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