JPH0859592A - ロイシン−アルキルエステルイソシアナート、その製法およびその重合体 - Google Patents

ロイシン−アルキルエステルイソシアナート、その製法およびその重合体

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JPH0859592A
JPH0859592A JP6201077A JP20107794A JPH0859592A JP H0859592 A JPH0859592 A JP H0859592A JP 6201077 A JP6201077 A JP 6201077A JP 20107794 A JP20107794 A JP 20107794A JP H0859592 A JPH0859592 A JP H0859592A
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JP
Japan
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leucine
alkyl ester
isocyanate
alkyl
formula
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JP6201077A
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English (en)
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Takeshi Endo
藤 剛 遠
十志和 ▲高▼田
Toshikazu Takada
Fumio Mita
田 文 雄 三
Noboru Kuzuha
葉 昇 葛
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AIBAITSU KK
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AIBAITSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記(I)式にて示されるロイシン−アルキ
ルエステルイソシアナートから導かれる構成単位を含有
する(共)重合体。 【化1】 【効果】 本発明に係るロイシン−アルキルエステルイ
ソシアナート(共)重合体は、ポリ(イソシアナート)
に由来するらせん構造と、アミノ酸に由来する光学活
性、生理活性とを合わせ持ち、液晶性、生体適合性、生
分解性等の特性を発現すると期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、新規化合物であるロイシ
ン−アルキルエステルイソシアナート、その製造方法、
および該化合物の(共)重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】各種のイソシアナートが青酸ナトリウム
等を開始剤とするアニオン重合により1-ナイロン構造の
ポリマーを与えることが報告(Shashoua, V.E.; J. Am.
Chem.Soc. 1959, 81, 3156)されて以来、数多くのポ
リ(イソシアナート)の合成および、その剛直ならせん
構造に由来する液晶性等の興味深い物性が検討されてい
る。アミノ酸エステルのイソシアナート誘導体は従来ペ
プチド合成のビルディングブロックとして広く用いられ
てきたが、そのアニオン重合はこれまで報告されていな
い。
【0003】本発明者らは、ポリ(イソシアナート)の
らせん構造と、アミノ酸に由来する光学活性、生理活性
とを合わせ持ち、液晶性、生体適合性、生分解性等の特
性を発現する新規重合体を得るべく鋭意検討の結果、光
学活性なアミノ酸エステルのイソシアナート誘導体に着
目し、本発明を完成するに至った。
【0004】
【発明の目的】本発明は、液晶性、生体適合性、生分解
性等の特性を有すると期待される新規重合体を提供する
ことを目的としている。また本発明はこのような新規重
合体の出発物質となる単量体化合物およびその製造方法
を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明に係る新規化合物であるロイシン
−アルキルエステルイソシアナートは、下記(I)式に
て示される構造を有する。
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1 は炭素数1〜3のアルキル基
を示す。)ここで、ロイシンとしては、具体的にはL-ロ
イシンまたはD-ロイシンが用いられる。
【0008】本発明に係るロイシン−アルキルエステル
イソシアナートは、下記(II)式にて示されるロイシン
−アルキルエステルとホスゲンとを反応させることによ
り得られる。
【0009】
【化4】
【0010】本発明に係るロイシン−アルキルエステル
イソシアナート重合体は、上記(I)式にて示されるロ
イシン−アルキルエステルイソシアナートを、アニオン
重合開始剤の存在下で重合して得られる。
【0011】本発明に係るロイシン−アルキルエステル
イソシアナート/アルキルイソシアナート共重合体は、
上記(I)式にて示されるロイシン−アルキルエステル
イソシアナートとアルキルイソシアナート(R2NC
O:R2はアルキル基である)とを、アニオン重合開始
剤の存在下で共重合して得られる。
【0012】このような本発明に係るロイシン−アルキ
ルエステルイソシアナート(共)重合体は、液晶性、生
体適合性、生分解性等の特性を有すると期待される。
【0013】
【発明の具体的説明】本発明に係るロイシン−アルキル
エステルイソシアナートは下記(I)式にて示される構
造を有している。
【0014】
【化5】
【0015】ここで、R1 は炭素数1〜3のアルキル基
を示し、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル
基、i-プロピル基であって、好ましくはメチル基であ
る。上記ロイシン−アルキルエステルイソシアナートの
主骨格を形成するロイシンは、L-体であってもまたD-体
であってもよく、これらの混合物(ラセミ体)であって
もよいが、液晶性の観点からは、L-体またはD-体の何れ
か一種であることが好ましく、また生体適合性の観点か
らは、L-体であることが好ましい。
【0016】このような本発明に係るロイシン−アルキ
ルエステルイソシアナートの構造は、核磁気共鳴分析
(NMR)、赤外線吸光分析(IR)、元素分析等によ
って決定することができる。
【0017】本発明のロイシン−アルキルエステルイソ
シアナートは、ロイシン−アルキルエステルとホスゲン
とを反応させることにより得られる。出発物質であるロ
イシン−アルキルエステルは、ロイシンとアルコール
(R1OH、ここでR1 は炭素数1〜3のアルキル基を
示す)とを公知の手法により反応させることにより得ら
れる。ロイシンは、L-体であってもまたD-体であっても
よく、これらの混合物(ラセミ体)であってもよい。ま
た、アルコールとしては、メタノール、エタノール、プ
ロパノールが用いられ、特にメタノールが好ましい。こ
のような反応により得られるロイシン−アルキルエステ
ルは、通常は塩酸塩あるいはTosOH塩等の形態で存
在する。本発明においては、これら塩の形態でロイシン
−アルキルエステルを用いることもできるし、また脱塩
し単離したロイシン−アルキルエステルを用いることも
できる。
【0018】ロイシン−アルキルエステルとホスゲンと
を反応させることにより本発明に係るロイシン−アルキ
ルエステルイソシアナートが得られる。この反応は、ピ
リジン、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼン、トル
エン、DMF等の溶媒中で、ピリジン、トリエチルアミ
ン等の塩基存在下、−10〜10℃程度で、1〜5時間
程度で行なうことが好ましい。この反応は、次式にて表
される。
【0019】
【化6】
【0020】本発明に係るロイシン−アルキルエステル
イソシアナート重合体は、上記のロイシン−アルキルエ
ステルイソシアナートをアニオン重合開始剤の存在下で
重合することにより得られる。
【0021】アニオン重合開始剤としては、ピリジン、
CsF、青酸ナトリウム、メチルリチウム、アルカリ金
属アルコキシド(MeONa、t−BuOK等)等が用
いられる。
【0022】重合反応は、固相(塊状重合)で行なって
もよく、また反応溶媒として、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、トルエン等を用い液相にて重合
を行なうこともできる。
【0023】アニオン重合開始剤の使用量は、全モノマ
ー1モルに対して0.1〜100モル%、好ましくは
0.1〜70モル%、特に好ましくは1〜50モル%の
割合で用いることが望ましい。また液相重合の場合、反
応系内おけるモノマー濃度は、通常0.1〜10モル/
リットル、好ましくは0.5〜5モル/リットル程度で
あることが望ましい。重合反応は、−100℃〜室温程
度、好ましくは−70〜0℃程度の温度で、1〜72時
間程度行なわれる。所定の時間反応後、反応系にメタノ
ールを添加して重合を停止し、洗浄、乾燥することによ
りロイシン−アルキルエステルイソシアナート重合体が
得られる。得られるロイシン−アルキルエステルイソシ
アナート重合体の固有粘度(ηinh)は、通常は0.0
1〜10dl/g程度であり、好ましくは0.1〜1dl/g程
度である。この重合反応は、下記式にて示される。
【0024】
【化7】
【0025】かくして得られる重合体は、ポリ(イソシ
アナート)に由来するらせん構造と、アミノ酸に由来す
る光学活性、生理活性とを合わせ持ち、液晶性、生体適
合性、生分解性等の特性を発現すると期待される。
【0026】本発明に係るロイシン−アルキルエステル
イソシアナート/アルキルイソシアナート共重合体は、
上記(I)式にて示されるロイシン−アルキルエステル
イソシアナートとアルキルイソシアナート(R2NC
O:R2はアルキル基である)とを、アニオン重合開始
剤の存在下で共重合して得られる。
【0027】ここで、R2としては、具体的には、メチ
ル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチ
ル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基等の炭素数1〜8のアルキ
ル基が挙げられ、これらの中でも特に好ましいものは、
n-ブチル基である。
【0028】ロイシン−アルキルエステルイソシアナー
トとアルキルイソシアナート(R2NCO)との共重合
は、前述したロイシン−アルキルエステルイソシアナー
トの単独重合の場合と同様の条件下で行なわれる。
【0029】ロイシン−アルキルエステルイソシアナー
ト/アルキルイソシアナート共重合体中における、ロイ
シン−アルキルエステルイソシアナートから誘導される
構成単位(A)と、アルキルイソシアナートから誘導さ
れる構成単位(B)との比は、特に限定はされないが、
通常A/B(モル比)で、99/1〜1/99、好まし
くは95/5〜5/95程度である。また、液晶性の観
点からは、比旋光度が大きなものが好ましいと考えられ
るため、アルキルイソシアナートから誘導される構成単
位(B)の割合の大きな共重合体が好ましい。一方、生
体適合性、生分解性の観点からは、L-ロイシン−アルキ
ルエステルイソシアナートから誘導される構成単位の割
合の大きな共重合体が好ましい。このような本発明に係
る共重合体の固有粘度(ηinh)は、通常は0.01〜
10dl/g程度であり、好ましくは0.1〜1dl/g程度で
ある。
【0030】また、本発明のロイシン−アルキルエステ
ルイソシアナート/アルキルイソシアナート共重合体に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、種々のアニオン
重合可能な単量体が共重合されていてもよい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて、さらに具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0032】
【実施例1】 〔L-ロイシンメチルエステルイソシアナートの合成〕L-
ロイシンメチルエステル塩酸塩(0.3モル)およびピ
リジン(1.2モル)を塩化メチレン(0.75リット
ル)に溶解した。得られた溶液を0℃に保ち、ホスゲン
(0.78モル)を供給した。得られた反応混合物を、
1M塩酸および飽和食塩水で洗浄後、濃縮・減圧蒸留
し、収率84%でL-ロイシンメチルエステルイソシアナ
ート(以下、LeuMI と略記することがある)を得た。
【0033】得られたLeuMI の沸点、比旋光度[α]22
D、IRスペクトルを以下に示す。 沸点:57℃/0.9mmHg [α]22 D:−21.2°(c 0.5 g/dl、CHCl3)であ
った。 IR (KBr):2961, 2874, 2261, 1748, 1439, 1273, 121
3, 1003, 928 cm-1
【0034】
【実施例2および3】 〔L-ロイシンメチルエステルイソシアナート(LeuMI)
の重合〕実施例1において得られたLeuMI を、重合溶媒
としてのジメチルホルムアミド1.5ミリリットルに、
2モル/リットルとなるように溶解した。溶液を−50
℃まで冷却し、表1に記載のアニオン重合開始剤を、Le
uMI 1モルに対し、3モル%となる量で添加した。開始
剤を添加して数分後に白色ポリマーの沈澱が認められ
た。
【0035】20時間経過後、重合体溶液にメタノール
を添加して重合を停止し、沈澱したポリマーをメタノー
ルで洗浄し、減圧乾燥することによりポリマーを回収し
た。収率を表1に示す。
【0036】得られたポリマーは、THF、クロロホル
ム、DMSO等の有機溶媒には不溶であったが、トリフ
ルオロ酢酸、硫酸に溶解した。トリフルオロ酢酸溶液と
して測定したポリマーの固有粘度ηinhを表1に示す。
また、22℃にて測定した比旋光度を表1に併せて示
す。
【0037】さらに、ポリマーの 1H−NMRおよびI
Rスペクトルを、それぞれ図1および図2に示す。この
結果、得られたポリマーは、イソシアナートのアニオン
重合において報告されている1-ナイロン構造 (Shashou
a, V.E.; Sweeny, W.; Tietz,R.F.: J. Am. Chem. So
c., 1960, 82, 866)を有することが判明した。
【0038】
【表1】
【0039】
【実施例4〜7】 〔LeuMIとn-ブチルイソシアナートとの共重合〕実施例
1において得られたLeuMI とn-ブチルイソシアナート
(以下、BIと略記する)とを、表2に記載のモル比で、
合計2モル/リットルとなるように、重合溶媒としての
ジメチルホルムアミド1.5ミリリットルに溶解した。
溶液を−50℃まで冷却し、MeLiを3モル%となる
量で添加した。
【0040】以下、実施例2および3と同様の操作を行
い、LeuMI/BI共重合体を得た。なお、本実施例におい
て、共重合体組成は、 1H−NMRスペクトルによって
測定し、固有粘度ηinhは、30℃のトリフルオロ酢酸
(c 0.5 g/dl)で測定し、比旋光度は25℃のトリフル
オロ酢酸(c 0.5 g/dl)中にて測定した。また、Td10
(10%重量減少温度)は、窒素気流中の熱重量分析に
おいて10%の重量減少が観察された温度を指す。
【0041】結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明に係るロイシン−アルキルエステ
ルイソシアナート(共)重合体は、ポリ(イソシアナー
ト)に由来するらせん構造と、アミノ酸に由来する光学
活性、生理活性とを合わせ持ち、液晶性、生体適合性、
生分解性等の特性を発現すると期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ロイシン−アルキルエステルイソシ
アナート重合体の 1H−NMRスペクトルを示す。
【図2】 図2は、ロイシン−アルキルエステルイソシ
アナート重合体のIRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 葛 葉 昇 神奈川県足柄上郡開成町吉田島1433番地の 6

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(I)式にて示されるロイシン−ア
    ルキルエステルイソシアナート。 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】 ロイシンがL-ロイシンであることを特徴
    とする請求項1に記載のロイシン−アルキルエステルイ
    ソシアナート。
  3. 【請求項3】 ロイシンがD-ロイシンであることを特徴
    とする請求項1に記載のロイシン−アルキルエステルイ
    ソシアナート。
  4. 【請求項4】 下記(II)式にて示されるロイシン−ア
    ルキルエステルとホスゲンとを反応させることを特徴と
    する上記(I)式にて示されるロイシン−アルキルエス
    テルイソシアナートの製造方法。 【化2】 (式中、R1 は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
  5. 【請求項5】 上記(I)式にて示されるロイシン−ア
    ルキルエステルイソシアナートを、アニオン重合開始剤
    の存在下で重合して得られる、ロイシン−アルキルエス
    テルイソシアナート重合体。
  6. 【請求項6】 上記(I)式にて示されるロイシン−ア
    ルキルエステルイソシアナートとアルキルイソシアナー
    ト(R2NCO:R2はアルキル基である)とを、アニオ
    ン重合開始剤の存在下で共重合して得られる、ロイシン
    −アルキルエステルイソシアナート/アルキルイソシア
    ナート共重合体。
JP6201077A 1994-08-25 1994-08-25 ロイシン−アルキルエステルイソシアナート、その製法およびその重合体 Pending JPH0859592A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998031662A1 (fr) * 1997-01-16 1998-07-23 Mitsubishi Chemical Corporation Composes aliphatiques de triisocyanate, leur procede d'obtention et resines de polyurethane en etant faites
JP2003026753A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 樹脂の製造方法

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