JPH0931057A - プロリン骨格を有するビニルエーテル、その製法およびその重合体ならびに共重合体 - Google Patents
プロリン骨格を有するビニルエーテル、その製法およびその重合体ならびに共重合体Info
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- JPH0931057A JPH0931057A JP7185129A JP18512995A JPH0931057A JP H0931057 A JPH0931057 A JP H0931057A JP 7185129 A JP7185129 A JP 7185129A JP 18512995 A JP18512995 A JP 18512995A JP H0931057 A JPH0931057 A JP H0931057A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 下記(I)式にて示されるプロリン骨格
を有するビニルエーテルから導かれる構成単位を含有す
る(共)重合体。 【化1】 (式中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、X
は、アミノ基保護基である。) 【効果】 本発明に係る(共)重合体は、プロリン構造
に由来する光学活性、生理活性とを合わせ持ち、液晶
性、生体適合性、生分解性等の特性を発現すると期待さ
れる。
を有するビニルエーテルから導かれる構成単位を含有す
る(共)重合体。 【化1】 (式中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、X
は、アミノ基保護基である。) 【効果】 本発明に係る(共)重合体は、プロリン構造
に由来する光学活性、生理活性とを合わせ持ち、液晶
性、生体適合性、生分解性等の特性を発現すると期待さ
れる。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、新規化合物であるプロリ
ン骨格を有するビニルエーテル、これらの製造方法、お
よびこれら化合物の(共)重合体ならびに該(共)重合
体を加水分解して得られる不整誘導型(共)重合体に関
する。
ン骨格を有するビニルエーテル、これらの製造方法、お
よびこれら化合物の(共)重合体ならびに該(共)重合
体を加水分解して得られる不整誘導型(共)重合体に関
する。
【0002】
【従来の技術】合成ペプチドは生体高分子である蛋白質
のモデルとして、その合成、構造、物性に関する検討、
ならびに生化学的、医化学的研究が広く行われてきた。
ペプチドの構成成分であるアミノ酸は、医薬品、食品等
に幅広く用いられており、近年の醗酵法、化学合成法の
目覚ましい発展により光学純度の極めて高いものが、大
量かつ安価に入手可能になっている。本発明者らはこの
ような情況を鑑み、アミノ酸、ペプチドを生体関連機能
のみならず、光学、電気、磁気、化学的機能を発現する
機能性高分子の材料として位置づけ種々検討を行ってい
る。
のモデルとして、その合成、構造、物性に関する検討、
ならびに生化学的、医化学的研究が広く行われてきた。
ペプチドの構成成分であるアミノ酸は、医薬品、食品等
に幅広く用いられており、近年の醗酵法、化学合成法の
目覚ましい発展により光学純度の極めて高いものが、大
量かつ安価に入手可能になっている。本発明者らはこの
ような情況を鑑み、アミノ酸、ペプチドを生体関連機能
のみならず、光学、電気、磁気、化学的機能を発現する
機能性高分子の材料として位置づけ種々検討を行ってい
る。
【0003】このような一連の研究において、本発明者
らはプロリン骨格を有するビニルエーテルの合成に成功
し、その(共)重合体ならびに該(共)重合体を加水分
解して得られる不整誘導型(共)重合体をも包含する本
発明を完成するに至った。
らはプロリン骨格を有するビニルエーテルの合成に成功
し、その(共)重合体ならびに該(共)重合体を加水分
解して得られる不整誘導型(共)重合体をも包含する本
発明を完成するに至った。
【0004】
【発明の目的】本発明は、生体適合性、生分解性等の生
体関連特性、液晶性等の光学的特性、さらには電気、磁
気、化学的機能特性を有すると期待される新規重合体を
提供することを目的としている。また本発明はこのよう
な新規重合体の出発物質となる単量体化合物およびその
製造方法を提供することを目的としている。
体関連特性、液晶性等の光学的特性、さらには電気、磁
気、化学的機能特性を有すると期待される新規重合体を
提供することを目的としている。また本発明はこのよう
な新規重合体の出発物質となる単量体化合物およびその
製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明に係る新規化合物であるプロリン
骨格を有するビニルエーテルは、下記(I)式にて示さ
れる構造を有する。
骨格を有するビニルエーテルは、下記(I)式にて示さ
れる構造を有する。
【0006】
【化5】
【0007】(式中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン
基であり、Xは、アミノ基保護基である。) ここで、Rはエチレン基であることが好ましく、またプ
ロリンは、L-体であってもよく、またD-体であってもよ
い。
基であり、Xは、アミノ基保護基である。) ここで、Rはエチレン基であることが好ましく、またプ
ロリンは、L-体であってもよく、またD-体であってもよ
い。
【0008】本発明に係るプロリン骨格を有するビニル
エーテルは、下記(II)式にて示される保護プロリン
と、
エーテルは、下記(II)式にて示される保護プロリン
と、
【0009】
【化6】
【0010】(式中、Xは、アミノ基保護基である。) ビニルオキシアルキルアルコール(HO−R−O−CH
=CH2 :Rは炭素数1〜3のアルキレン基である)と
を脱水縮合させることにより得られる。
=CH2 :Rは炭素数1〜3のアルキレン基である)と
を脱水縮合させることにより得られる。
【0011】本発明に係る重合体は、下記(III)式に
て示される繰り返し単位からなる。本発明に係る共重合
体は、下記(III)式および(IV)にて示される繰り返
し単位からなる。
て示される繰り返し単位からなる。本発明に係る共重合
体は、下記(III)式および(IV)にて示される繰り返
し単位からなる。
【0012】
【化7】
【0013】(式中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン
基であり、R’は、炭素数1〜6のアルキル基または炭
素数3〜6のシクロアルキル基であり、Xは、アミノ基
保護基である。) 本発明に係る不整誘導型(共)重合体は、上記の重合体
または共重合体を加水分解することにより得られる。
基であり、R’は、炭素数1〜6のアルキル基または炭
素数3〜6のシクロアルキル基であり、Xは、アミノ基
保護基である。) 本発明に係る不整誘導型(共)重合体は、上記の重合体
または共重合体を加水分解することにより得られる。
【0014】
【発明の具体的説明】本発明に係るプロリン骨格を有す
るビニルエーテルは下記(I)式にて示される構造を有
している。
るビニルエーテルは下記(I)式にて示される構造を有
している。
【0015】
【化8】
【0016】式中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基
であり、具体的には、メチレン、エチレン、プロピレ
ン、イソプロピレンであり、これらの中でも好ましくは
エチレンである。
であり、具体的には、メチレン、エチレン、プロピレ
ン、イソプロピレンであり、これらの中でも好ましくは
エチレンである。
【0017】Xは、アミノ基保護基である。アミノ基保
護基としては、汎用のものが特に制限なく用いられ、た
とえば、Boc、Z、Tos、Bzl等が挙げられる。
このような保護基は、後述するような所要の反応に先立
ち、アミノ基を保護するために導入され、所要の反応の
途中または終了後に、必要に応じ脱保護される。保護基
の導入/脱保護には、汎用の試薬類が特に制限なく用い
られる。
護基としては、汎用のものが特に制限なく用いられ、た
とえば、Boc、Z、Tos、Bzl等が挙げられる。
このような保護基は、後述するような所要の反応に先立
ち、アミノ基を保護するために導入され、所要の反応の
途中または終了後に、必要に応じ脱保護される。保護基
の導入/脱保護には、汎用の試薬類が特に制限なく用い
られる。
【0018】上記プロリンは、L-プロリンであってもよ
く、またD-プロリンであってもよく、これらの混合物
(ラセミ体)であってもよいが、液晶性の観点からは、
L-体またはD-体の何れか一種であることが好ましく、ま
た生体適合性、生分解性の観点からは、L-体であること
が好ましい。
く、またD-プロリンであってもよく、これらの混合物
(ラセミ体)であってもよいが、液晶性の観点からは、
L-体またはD-体の何れか一種であることが好ましく、ま
た生体適合性、生分解性の観点からは、L-体であること
が好ましい。
【0019】このような本発明に係るプロリン骨格を有
するビニルエーテルの構造は、核磁気共鳴分析(NM
R)、赤外線吸光分析(IR)、元素分析等によって決
定することができる。
するビニルエーテルの構造は、核磁気共鳴分析(NM
R)、赤外線吸光分析(IR)、元素分析等によって決
定することができる。
【0020】本発明のプロリン骨格を有するビニルエー
テルは、下記(II)式にて示されるプロリンまたは保護
プロリンと、
テルは、下記(II)式にて示されるプロリンまたは保護
プロリンと、
【0021】
【化9】
【0022】(式中、Xは、前記と同様である。) ビニルオキシアルキルアルコール(HO−R−O−CH
=CH2 :Rは前記と同様である)とを脱水縮合させる
ことにより得られる。
=CH2 :Rは前記と同様である)とを脱水縮合させる
ことにより得られる。
【0023】ビニルオキシアルキルアルコールとして
は、具体的には、ビニルオキシメタノール、ビニルオキ
シエタノール、ビニルオキシプロパノール、ビニルオキ
シイソプロパノール等が用いられる。
は、具体的には、ビニルオキシメタノール、ビニルオキ
シエタノール、ビニルオキシプロパノール、ビニルオキ
シイソプロパノール等が用いられる。
【0024】脱水縮合には、従来より公知の手法が特に
制限なく用いられ、たとえば、DCC法、DCC−アデ
ィティブ法、カルボニルイミダゾール法等が採用され
る。これの中でも、特に1-エチル-3-ジメチルアミノプ
ロピル塩酸塩(EDC・HCl)を用いた縮合法が好ま
しい。脱水縮合は、通常は、0〜25℃にて、1〜10
0時間程度行われる。
制限なく用いられ、たとえば、DCC法、DCC−アデ
ィティブ法、カルボニルイミダゾール法等が採用され
る。これの中でも、特に1-エチル-3-ジメチルアミノプ
ロピル塩酸塩(EDC・HCl)を用いた縮合法が好ま
しい。脱水縮合は、通常は、0〜25℃にて、1〜10
0時間程度行われる。
【0025】本発明に係る重合体は、上記のプロリン骨
格を有するビニルエーテルを重合開始剤の存在下に重合
することにより得られる。なお、本発明における重合体
は、上記のプロリン骨格を有するビニルエーテルを2種
以上適宜に組み合わせて得られる共重合体をも包含す
る。このような本発明の重合体は、下記(III)式にて
示される繰り返し単位からなる。
格を有するビニルエーテルを重合開始剤の存在下に重合
することにより得られる。なお、本発明における重合体
は、上記のプロリン骨格を有するビニルエーテルを2種
以上適宜に組み合わせて得られる共重合体をも包含す
る。このような本発明の重合体は、下記(III)式にて
示される繰り返し単位からなる。
【0026】
【化10】
【0027】(式中、RおよびXは、前記と同様であ
る。) 重合開始剤としては、BF3・OEt2、AlCl3、T
iCl3、SnCl4、硫酸、リン酸、過塩素酸等の従来
より公知のカチオン重合開始剤が好ましく用いられる。
る。) 重合開始剤としては、BF3・OEt2、AlCl3、T
iCl3、SnCl4、硫酸、リン酸、過塩素酸等の従来
より公知のカチオン重合開始剤が好ましく用いられる。
【0028】重合反応は、固相(塊状重合)で行なって
もよく、また反応溶媒として、ジクロロメタン、クロロ
ベンゼン、ジメチルホルムアミド等を用い液相にて重合
を行なうこともできる。
もよく、また反応溶媒として、ジクロロメタン、クロロ
ベンゼン、ジメチルホルムアミド等を用い液相にて重合
を行なうこともできる。
【0029】重合開始剤の使用量は、全モノマー1モル
に対して0.1〜10モル%程度の割合で用いることが
好ましい。また液相重合の場合、反応系内おけるモノマ
ー濃度は、通常0.1〜10モル/リットル程度である
ことが好ましい。重合温度は、使用される重合開始剤の
種類に応じて適宜に設定されるが、通常−100℃〜1
00℃程度である。重合時間は、通常は1〜72時間程
度である。所定の時間反応後、重合を停止し、洗浄、乾
燥することにより本発明の重合体が得られる。得られる
重合体の分子量は、通常は5,000〜1,000,0
00程度であり、好ましくは10,000〜800,0
00程度である。
に対して0.1〜10モル%程度の割合で用いることが
好ましい。また液相重合の場合、反応系内おけるモノマ
ー濃度は、通常0.1〜10モル/リットル程度である
ことが好ましい。重合温度は、使用される重合開始剤の
種類に応じて適宜に設定されるが、通常−100℃〜1
00℃程度である。重合時間は、通常は1〜72時間程
度である。所定の時間反応後、重合を停止し、洗浄、乾
燥することにより本発明の重合体が得られる。得られる
重合体の分子量は、通常は5,000〜1,000,0
00程度であり、好ましくは10,000〜800,0
00程度である。
【0030】かくして得られる重合体は、プロリン構造
に由来する光学活性、生理活性とを合わせ持ち、液晶
性、生体適合性、生分解性等の特性を発現すると期待さ
れる。本発明に係る共重合体は、上記(I)式にて示さ
れるプロリン骨格を有するビニルエーテルと、これとカ
チオン重合可能な、アルキルビニルエーテルまたはシク
ロアルキルビニルエーテルとをカチオン重合開始剤の存
在下でカチオン重合して得られる。
に由来する光学活性、生理活性とを合わせ持ち、液晶
性、生体適合性、生分解性等の特性を発現すると期待さ
れる。本発明に係る共重合体は、上記(I)式にて示さ
れるプロリン骨格を有するビニルエーテルと、これとカ
チオン重合可能な、アルキルビニルエーテルまたはシク
ロアルキルビニルエーテルとをカチオン重合開始剤の存
在下でカチオン重合して得られる。
【0031】このような本発明の共重合体は、下記(II
I)式および(IV)にて示される繰り返し単位からな
る。
I)式および(IV)にて示される繰り返し単位からな
る。
【0032】
【化11】
【0033】(式中、RおよびXは前記と同様であり、
R’は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数3〜6
のシクロアルキル基である。) ここで、プロリン骨格を有するビニルエーテルとカチオ
ン重合可能な、アルキルビニルエーテルまたはシクロア
ルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、
イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
イソブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、
ヘキシルビニルエーテル、シクロプロピルビニルエーテ
ル、シクロブチルビニルエーテル、シクロペンチルビニ
ルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等が挙げら
れる。
R’は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数3〜6
のシクロアルキル基である。) ここで、プロリン骨格を有するビニルエーテルとカチオ
ン重合可能な、アルキルビニルエーテルまたはシクロア
ルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、
イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
イソブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、
ヘキシルビニルエーテル、シクロプロピルビニルエーテ
ル、シクロブチルビニルエーテル、シクロペンチルビニ
ルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等が挙げら
れる。
【0034】これらの中でも特に好ましくはイソブチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル等が用いられ
る。共重合は、前述した本願重合体の調製と同様の条件
下で行なわれる。
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル等が用いられ
る。共重合は、前述した本願重合体の調製と同様の条件
下で行なわれる。
【0035】このような本発明の共重合体は、前述した
構成単位(III) および(IV)からなる。本発明の共重
合体中における、構成単位(III)と構成単位(IV)と
の比は、特に限定はされないが、通常(III)/(IV)
(モル比)で、99/1〜1/99、好ましくは95/
5〜5/95程度である。このような共重合体の組成
は、用途に応じて適宜に設定され、たとえば生体適合
性、生分解性の観点からは、プロリン骨格を有するビニ
ルエーテルから誘導される構成単位(III)の割合の大
きな共重合体が好ましい。このような本発明に係る共重
合体の分子量は、通常は5,000〜1,000,00
0程度であり、好ましくは10,000〜800,00
0程度である。
構成単位(III) および(IV)からなる。本発明の共重
合体中における、構成単位(III)と構成単位(IV)と
の比は、特に限定はされないが、通常(III)/(IV)
(モル比)で、99/1〜1/99、好ましくは95/
5〜5/95程度である。このような共重合体の組成
は、用途に応じて適宜に設定され、たとえば生体適合
性、生分解性の観点からは、プロリン骨格を有するビニ
ルエーテルから誘導される構成単位(III)の割合の大
きな共重合体が好ましい。このような本発明に係る共重
合体の分子量は、通常は5,000〜1,000,00
0程度であり、好ましくは10,000〜800,00
0程度である。
【0036】また、本発明の共重合体には、本発明の目
的を損なわない範囲で、種々の単量体が共重合されてい
てもよい。本発明に係る不整誘導型(共)重合体は、前
記した重合体または共重合体を加水分解することにより
得られる。加水分解は水酸化ナトリウム水溶液、水酸化
カリウム水溶液等を用い、通常0〜50℃、1〜100
時間程度で行われる。
的を損なわない範囲で、種々の単量体が共重合されてい
てもよい。本発明に係る不整誘導型(共)重合体は、前
記した重合体または共重合体を加水分解することにより
得られる。加水分解は水酸化ナトリウム水溶液、水酸化
カリウム水溶液等を用い、通常0〜50℃、1〜100
時間程度で行われる。
【0037】このような加水分解により、以下のよう
に、プロリンが脱離し、ビニルオキシアルコール単位
(III')を与える。
に、プロリンが脱離し、ビニルオキシアルコール単位
(III')を与える。
【0038】
【化12】
【0039】したがって、加水分解生成物中には、光学
活性を発現する不整炭素が存在しない。このため、上記
のような加水分解生成物は、本来、光学活性を喪失する
はずであるが、驚くべきことに、不整誘導が起こり、若
干の光学活性を有することが確認された。
活性を発現する不整炭素が存在しない。このため、上記
のような加水分解生成物は、本来、光学活性を喪失する
はずであるが、驚くべきことに、不整誘導が起こり、若
干の光学活性を有することが確認された。
【0040】このような不整誘導型(共)重合体は、生
体適合性の高い水酸基を要することから、各種生体適合
性材料、生分解性材料等への応用が期待される。
体適合性の高い水酸基を要することから、各種生体適合
性材料、生分解性材料等への応用が期待される。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて、さらに具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0042】なお、以下の実施例において、 1H−NM
Rの測定は、TMSを溶媒とし、400MHzにて行っ
た。
Rの測定は、TMSを溶媒とし、400MHzにて行っ
た。
【0043】
【実施例1】 〔プロリン骨格を有するビニルエーテルの合成〕N-ベン
ジルオキシカルボニル-L-プロリン(Z−保護プロリ
ン)(34.6g,139ミリモル)と、2-ビニルオキシ
エタノール(12.2g, 139ミリモル)とを、ジク
ロロメタン溶液中で、縮合剤(EDC・HCl,160
ミリモル,30.6g)を用い、25℃にて12時間脱
水縮合を行った。得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにて精製し、Z−保護プロリン骨格
を有するビニルエーテル(以下、「ZProVE」と略
記する)を得た(収率73%)。
ジルオキシカルボニル-L-プロリン(Z−保護プロリ
ン)(34.6g,139ミリモル)と、2-ビニルオキシ
エタノール(12.2g, 139ミリモル)とを、ジク
ロロメタン溶液中で、縮合剤(EDC・HCl,160
ミリモル,30.6g)を用い、25℃にて12時間脱
水縮合を行った。得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにて精製し、Z−保護プロリン骨格
を有するビニルエーテル(以下、「ZProVE」と略
記する)を得た(収率73%)。
【0044】得られたZProVEの23℃での比旋光
度[α]Dおよび元素分析結果を以下に示す。 [α]D:−46.4°(c 1.00g/dl、CHCl3) 元素分析:計算値(C17H21NO5);C=63.94, H=6.6
3, N=4.39 実測値;C=64.13, H=6.69, N=4.49
度[α]Dおよび元素分析結果を以下に示す。 [α]D:−46.4°(c 1.00g/dl、CHCl3) 元素分析:計算値(C17H21NO5);C=63.94, H=6.6
3, N=4.39 実測値;C=64.13, H=6.69, N=4.49
【0045】
【実施例2】 〔ZProVEの重合〕実施例1において得られたZP
roVE2ミリモルを、重合溶媒としてのジクロロメタ
ン2mlに、濃度1モル/リットルとなるように溶解し、
重合開始剤としてBF3・OEt2 を3モル%(6ミリ
モル)添加し、−50℃にて20時間液相重合を行なっ
た。
roVE2ミリモルを、重合溶媒としてのジクロロメタ
ン2mlに、濃度1モル/リットルとなるように溶解し、
重合開始剤としてBF3・OEt2 を3モル%(6ミリ
モル)添加し、−50℃にて20時間液相重合を行なっ
た。
【0046】20時間経過後、メタノールに再沈澱する
ことにより単離、精製を行ない、減圧乾燥することによ
りポリマーを回収した(収率99%)。 1H−NMRに
より測定したZProVEの転化率は100%であっ
た。
ことにより単離、精製を行ない、減圧乾燥することによ
りポリマーを回収した(収率99%)。 1H−NMRに
より測定したZProVEの転化率は100%であっ
た。
【0047】得られたポリマーの 1H−NMRスペクト
ルを図1に示す。またポリマーの分子量および分子量分
布をGPCによるポリスチレン換算から求めた。またポ
リマーのガラス転移温度(Tg)をDSCにより測定し
た。ポリマーのTd10(10%重量減少温度)を、窒素
気流中の熱重量分析により測定した。23℃(c 1.00g/
dl, CHCl3) にて比旋光度[α]D を測定した。これら
の結果を表1に示す。
ルを図1に示す。またポリマーの分子量および分子量分
布をGPCによるポリスチレン換算から求めた。またポ
リマーのガラス転移温度(Tg)をDSCにより測定し
た。ポリマーのTd10(10%重量減少温度)を、窒素
気流中の熱重量分析により測定した。23℃(c 1.00g/
dl, CHCl3) にて比旋光度[α]D を測定した。これら
の結果を表1に示す。
【0048】
【実施例3、4】 〔ZProVEの重合〕実施例2において、重合温度を
−20℃(実施例3)、室温(実施例4)とした以外
は、実施例2と同様の操作を行った。結果を表1に示
す。
−20℃(実施例3)、室温(実施例4)とした以外
は、実施例2と同様の操作を行った。結果を表1に示
す。
【0049】
【表1】
【0050】
【実施例5】 〔ZProVEとイソブチルビニルエーテルの共重合〕
ZProVE 7.5ミリモルとイソブチルビニルエー
テル(以下、IBVEと略記する)2.5ミリモルと
を、重合溶媒としてのジクロロメタンに、濃度1モル/
リットルとなるように溶解し、重合開始剤としてBF3
・OEt2 を3モル%(0.3ミリモル)添加し、−5
0℃にて20時間液相重合を行なった。
ZProVE 7.5ミリモルとイソブチルビニルエー
テル(以下、IBVEと略記する)2.5ミリモルと
を、重合溶媒としてのジクロロメタンに、濃度1モル/
リットルとなるように溶解し、重合開始剤としてBF3
・OEt2 を3モル%(0.3ミリモル)添加し、−5
0℃にて20時間液相重合を行なった。
【0051】20時間経過後、メタノールに再沈澱する
ことにより単離、精製を行ない、減圧乾燥することによ
りポリマーを回収した(収率76%)。得られたポリマ
ーを実施例2と同様にして評価した。結果を表2に示
す。
ことにより単離、精製を行ない、減圧乾燥することによ
りポリマーを回収した(収率76%)。得られたポリマ
ーを実施例2と同様にして評価した。結果を表2に示
す。
【0052】
【実施例6、7および比較例1】 〔ZProVEとIBVEの共重合〕実施例5におい
て、ZProVEとIBVEの比〔ZProVE/IB
VE(モル比)〕を50/50(実施例6)、75/2
5(実施例7)、0/100(比較例1)とした以外
は、実施例5と同様の操作を行った。結果を表2に示
す。
て、ZProVEとIBVEの比〔ZProVE/IB
VE(モル比)〕を50/50(実施例6)、75/2
5(実施例7)、0/100(比較例1)とした以外
は、実施例5と同様の操作を行った。結果を表2に示
す。
【0053】
【表2】
【0054】
【実施例8】 〔ZProVE重合体の加水分解〕実施例2で得た重合
体を、水/アセトン混合溶媒(2ml/20ml)にNaO
H(400mg)を溶解した溶液中に投入し、室温にて5
日間攪拌した。五日間経過後、アセトンを減圧留去し、
5M塩酸5mLを添加し、析出したポリマーを1M塩酸
で洗浄後、減圧乾燥することによりポリマーを回収した
(収率90%)。
体を、水/アセトン混合溶媒(2ml/20ml)にNaO
H(400mg)を溶解した溶液中に投入し、室温にて5
日間攪拌した。五日間経過後、アセトンを減圧留去し、
5M塩酸5mLを添加し、析出したポリマーを1M塩酸
で洗浄後、減圧乾燥することによりポリマーを回収した
(収率90%)。
【0055】得られたポリマーの23℃での比旋光度
[α]Dを以下に示す。 [α]D:+6.5°(c 1.00g/dl、CF3CO2H)
[α]Dを以下に示す。 [α]D:+6.5°(c 1.00g/dl、CF3CO2H)
【0056】
【発明の効果】本発明に係るプロリン骨格を有するビニ
ルエーテルの(共)重合体は、プロリン構造に由来する
光学活性、生理活性とを合わせ持ち、液晶性、生体適合
性、生分解性等の特性を発現すると期待される。
ルエーテルの(共)重合体は、プロリン構造に由来する
光学活性、生理活性とを合わせ持ち、液晶性、生体適合
性、生分解性等の特性を発現すると期待される。
【図1】 図1は、実施例2で得られた重合体の 1H−
NMRスペクトルである。
NMRスペクトルである。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記(I)式にて示されるプロリン骨格
を有するビニルエーテル。 【化1】 (式中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、X
は、アミノ基保護基である。) - 【請求項2】 下記(II)式にて示される保護プロリン
と、 【化2】 (式中、Xは、アミノ基保護基である。) ビニルオキシアルキルアルコール(HO−R−O−CH
=CH2 :Rは炭素数1〜3のアルキレン基である)と
を脱水縮合することを特徴とするプロリン骨格を有する
ビニルエーテルの製造方法。 - 【請求項3】 下記(III)式にて示される繰り返し単
位からなる重合体。 【化3】 (式中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、X
は、アミノ基保護基である。) - 【請求項4】 下記(III)式にて示される繰り返し単
位と、下記(IV)にて示される繰り返し単位とからなる
共重合体。 【化4】 (式中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、
R’は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数3〜6
のシクロアルキル基であり、Xは、アミノ基保護基であ
る。) - 【請求項5】 請求項3または4に記載の重合体または
共重合体を加水分解して得られる不整誘導型重合体また
は共重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7185129A JPH0931057A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | プロリン骨格を有するビニルエーテル、その製法およびその重合体ならびに共重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7185129A JPH0931057A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | プロリン骨格を有するビニルエーテル、その製法およびその重合体ならびに共重合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931057A true JPH0931057A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16165387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7185129A Pending JPH0931057A (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | プロリン骨格を有するビニルエーテル、その製法およびその重合体ならびに共重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0931057A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000002856A1 (en) * | 1998-07-08 | 2000-01-20 | Rolic Ag | Chiral compounds and their use as doping agents in liquid crystals |
JP2014531476A (ja) * | 2011-08-26 | 2014-11-27 | アローヘッド リサーチ コーポレイション | インビボ核酸送達のためのポリ(ビニルエステル)ポリマー |
-
1995
- 1995-07-21 JP JP7185129A patent/JPH0931057A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000002856A1 (en) * | 1998-07-08 | 2000-01-20 | Rolic Ag | Chiral compounds and their use as doping agents in liquid crystals |
JP2014531476A (ja) * | 2011-08-26 | 2014-11-27 | アローヘッド リサーチ コーポレイション | インビボ核酸送達のためのポリ(ビニルエステル)ポリマー |
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