JP3946250B2 - チロシン誘導ジフェノールモノマの改良合成 - Google Patents

チロシン誘導ジフェノールモノマの改良合成 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、L−チロシン誘導ジフェノールモノマを有意に改善された収率と純度をもって合成することができる方法に関する。本発明はまた、新規なチロシン誘導ジフェノールモノマおよび該モノマから得られるポリマに関する。
背景技術
ジフェノールは、ポリカーボネート、ポリイミノカーボネート、ポリアリーレート、ポリウレタンなどのモノマ出発物質である。共通の所有に係る米国特許第5,099,060号には、ポリカーボネートおよびポリイミノカーボネートの重合において有用なアミノ酸誘導ジフェノール化合物が開示されている。得られるポリマは、広くは分解性ポリマとして有用であり、特に医療用の組織適合性生物侵食材料として有用である。これらのポリマのかかる目的に対する適合性は、天然に産するアミノ酸であるL−チロシンから誘導されるジフェノールからの重合の結果得られる。共通の所有に係る米国特許第5,216,115号には、医療用の組織適合性生物侵食材料として同じく有用なL−チロシン誘導ジフェノールから重合されるポリアリーレートが開示されている。
Lーチロシン誘導ジフェノールモノマは、Practice of Peptide Synthesis(ニューヨーク州に所在するSpringer-Verlag発行、1984年)の第145頁に掲載のBodanszkyの論文に開示されているように、カルボジイミド媒介カップリング反応により得られるとして、上記した特許に開示されている。L−チロシン誘導ジフェノールの精製は困難であることがわかった。ジフェノールは緩慢に結晶化して、カルボジイミドカップリング剤の副生成物で汚染される水不混和性オイルとして沈降する。その後、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)のような補助求核剤を添加することにより、ジフェノールの純度と収率を有意に改善できることが見出された。
粗のジフェノールの純度は有意に改善するが、化合物の最終精製は問題を残している。主たる汚染物質は、カルボジイミドの尿素副生成物である。例えば、最も一般的に入手することができる最も低コストのカルボジイミドであるジシクロヘキシルカルボジイミド(DDC)はL−チロシン誘導ジフェノール化合物の形成を媒介する場合に極めて有効であることが判明したが、水性相と水不混和性ジフェノール含有相との間に分布する副生成物のジシクロヘキシルユリア(DCU)を生成する。抽出および/または沈降技術によっては、DCUを完全には除去することができず、これはDCUは種々の物質から除去することが困難であるとするこれまでの報告と一致する。従って、DCC媒介カップリング反応により得られるL−チロシン誘導ジフェノール化合物を完全に精製するにはカラムクロマトグラフィが必要となる。
カラムクロマトグラフィ精製技術は、L−チロシン誘導ジフェノールモノマの小規模製造には満足のいくものである。しかしながら、スケールアップを行うと、収率の低下、溶離剤として多量の有機溶媒を使用する必要性および大規模なカラムクロマトグラフィの固有の難点をはじめとする幾つかの不利益が明らかとなっている。従って、副生成物を除去するのに困難を伴うことなく、L−チロシン誘導ジフェノール化合物を製造することができる方法が必要とされている。かかる副生成物を容易に除去することができる方法も所望されている。
WO93/25,571には、2乃至10のアミノ酸を含むペプチドをカルボジイミド媒介アミノ酸カップリング反応により合成する方法が記載されている。カルボジイミドの尿素副生成物が不溶の溶媒が反応溶媒として利用されるので、尿素副生成物は沈降し、ろ過により除去される。しかしながら、この方法は、尿素副生成物が反応溶媒中にかなりの程度まで可溶の状態に保持されるので、かかる用途のL−チロシン誘導ジフェノールの合成には適用することができない。従って、カルボジイミド副生成物の形成を抑制し、あるいはかかる副生成物の除去を容易に行うことができるL−チロシンカップリング方法が依然として必要とされている。
発明の概要
本発明は、かかる要望に答えるものである。カルボジイミド媒介カップリング反応(carbodiimide mediated coupling reaction)により得られるL−チロシン誘導ジフェノールの純度と収率は、水混和性有機溶媒をベースとする反応混合物において水溶性尿素副生成物を形成することができるカルボジイミドを利用することにより有意に改善することができることがわかった。カップリング反応が完了して、反応混合物を水と混合すると、ジフェノール生成物は水不混和性有機相として沈降し、カルボジイミドの尿素副生成物のほとんどは水混和性反応混合物中に残留する。ジフェノール相に残留する尿素副生成物は、有機相を水性抽出媒体で逆洗することにより除去することができる。
従って、本発明の一の観点によれば、L−チロシン誘導ジフェノール化合物を製造するための改良されたカルボジイミド媒介カップリング反応が提供されている。本発明のこの観点によれば、下記の式I
Figure 0003946250
の構造を有するジフェノール化合物を製造する方法が提供されており、上記式において、R1は−CH=CH−または(−CH2−)nであり、nは零または1乃至8の整数であり、R2は18個以下の炭素原子を含む直鎖および枝分れアルキルおよびアルキルアリール基から選ばれることを特徴とし、この方法は下記の式II
Figure 0003946250
の構造を有するヒドロキシフェニルカルボン酸を下記の式III
Figure 0003946250
の構造を有するチロシンエステルと、水溶性尿素副生成物を形成することができるカルボジイミドを含有する水混和性有機反応溶媒においてカップリングさせることによりジフェノール反応生成物を形成する工程を備えている。カップリング反応の終了時に、反応混合物を、水混和性有機相としてジフェノールを沈降させるのに十分な量の水と組み合わせる。このようにして、2相、即ち、ジフェノール反応生成物の大部分を含む水不混和性有機相と、水溶性尿素および未反応の出発物質の大部分を含む水性相とが形成される。
本発明の好ましい方法においては、分離された水不混和性有機相は、水性抽出媒体で洗浄され、次いでこの抽出媒体から分離される。洗浄工程が行われるかどうかに拘わらず、本発明の好ましい方法は、ジフェノール反応生成物を水不混和相として沈降させる。
本発明の改良された合成方法の知得に付随して、他のヒドロキシフェニルカルボン酸をL−チロシンとカップリングさせることにより、生体医学用の組織適合性のある(tissue compatible)生物侵食性(bioerodible)ポリマの重合におけるモノマとして有用なジフェノール化合物を生成することができることを知得した。かかるヒドロキシフェニルカルボン酸には、ヒドロキシ桂皮酸およびある種のヒドロキシフェニルアルキルカルボン酸が含まれる。本発明のこの観点により提供されるモノマは、R1が−CH=CH−または(−CH2−)nであり、nは零、1または3乃至8の整数であり、R2は18個以下の炭素原子を含む直鎖および枝分れアルキルおよびアルキルアリール基から選ばれることを特徴とする式Iの構造を有するジフェノール化合物である。
本発明はまた、米国特許第5,198,507号に開示されている方法により本発明のモノマから得られるポリカーボネートおよび米国特許第5,216,115号に開示されている方法による本発明のモノマから得られるポリアリーレートとを含む。
本発明は、コストが有意に低く、十分な純度を有する、生体医学用の高分子量の組織適合性のある生物侵食性ポリマを重合するL−チロシン誘導ジフェノールモノマを提供するものである。
発明を実施するための最良の形態
本発明に係る方法は、出発物質としてのL−チロシンから誘導されるジフェノール化合物を製造するものである。L−チロシンは、天然に産するアミノ酸である。本発明の方法により製造されるジフェノールは、R1およびR2が式Iに関して上記したように同じである式Iの構造を有する。式Iの好ましいL−チロシン誘導体には、R1が−CH2−CH2−である誘導体がある。これらの好ましい化合物は、デスアミノチロシル−チロシンアルキルエステルとして公知のチロシンジペプチド類似体である。デスアミノチロシン(Dat)自体は、天然において植物中に産する。この好ましいグループにおいては、ジフェノールは、N−末端アミノ基が除去されているチロシル−チロシンジペプチドの誘導体とみなすことができる。
本発明の方法によりつくられるデスアミノチロシル−チロシン化合物は、デスアミノチロシル−チロシンアルキルまたはアルキルアリールエステルと呼ぶのが一層適当である。デスアミノチロシル−チロシンアルキルエステルのグループの好ましいモノマは、エチル、ブチル、ヘキシル、オクチルおよびベンジルエステルである。最も好ましいエステルはエチルエステルであり、これはデスアミノチロシル−チロシンエチルエステル、即ち、DTEと呼ばれる。新たな洞察によれば、DTEはほとんどの細胞−ポリマ相互作用に関してデスアミノチロシル−チロシンヘキシルエステル即ちDTHよりも適しているものと考えられる。しかしながら、全ての先行特許においては、DTHが最も好ましいとみなされている。
本発明の方法は、式IIのヒドロキシフェニルカルボン酸をC−末端保護チロシンと反応させることにより、式Iのジフェノール化合物を製造するものであり、式IIにおいてR1は式Iに関して上記したものと同じである。本発明に関して使用するのに適したC−末端保護チロシンは式IIIに示されており、該式において、R2は式Iに関して上記したものと同じである。かかるC−末端保護が、C−末端のアルキルおよびアルキルアリールエステルの形成により得られる。8個以下の炭素原子を含むチロシンのC−末端保護アルキルおよびアルキルアリールエステルは、Chemistry of the Amino Acids(ニューヨーク州に所在するJohn Wiley & Sons発行、1961年)の第927−929頁に掲載のJ.P. GreensteinおよびM. Winitzの論文に開示されている手順に従って得られる。8個よりも多い炭素原子を含むチロシンのC−末端保護アルキルおよびアルキルアリールエステルは、Overellの米国特許第4,428,932号に開示されている手順に従って得られる。
チロシンアルキルまたはアルキルアリールエステルがはじめに塩の形で得られる場合には、塩は水性塩基で簡単に処理することにより除去される。次に、ジフェノール化合物は、、水溶性尿素副生成物を形成することができるカルボジイミドにより媒介されるカップリング反応をカルボジイミド、ヒドロキシフェニルカルボン酸およびチロシンエステルが可溶の水混和性有機反応溶媒において行わせることにより得られる。本発明において使用するのに適した、水溶性尿素副生成物を形成するカルボジイミドには、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCHCl)、1−アルキル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(アルキル=イソプロピル、シクロヘキシル)、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−(4)−エチル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(B−ジエチルアミノエチル)カルボジイミド、1,3−ジ−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド、1−アルキル−3−(3−モルホリニル−(4)−プロピル)カルボジイミド(アルキル=メチル、エチル)、1−ベンジル−3−(3−ジメチルアミノ−(N)−プロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルフェニル)カルボジイミドが含まれ、いずれの場合も、自由塩基または塩(HCl、メチオジド、メトp−トルエンスルホネート)としてである。好ましいカルボジイミドは、EDCHClである。
適宜の水混和性有機溶媒には、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメトキシエタン、アセトン、N−メチルピロリジノン、アセトニトリルが含まれる。好ましい溶媒はTHFである。
本発明の方法は、その他の点では、上記したPractice of Peptide Synthesisに開示されているようなペプチド化学の標準的な手順に従う。一般的には、等モル量のヒドロキシフェニルカルボン酸とチロシンエステルを、攪拌手段を装備した反応容器に入れる。この容器を封止しかつ窒素のような不活性ガスでガスシールし、十分な量の溶媒を加えてヒドロキシフェニルカルボン酸とチロシンエステルを溶解するとともに、カルボジイミドを添加する。溶媒のこの量は、過度の実験を必要とすることなく当業者が容易に定めることができる。
次に、反応混合物を、カルボジイミドの添加に先立ち約0℃の温度まで冷却し、次いで、不活性ガスシールの状態でカルボジイミドを反応混合物に加える。次に、反応混合物を低温で少なくとも1時間攪拌し、少なくとも1時間、好ましくは19時間攪拌しながら室温まで徐々に戻す。
その後、反応混合物を、ジフェノール反応生成物を水不混和性有機相として沈降させるのに十分な量の水と組み合わせる。反応溶媒に対して少なくとも2容量の水、好ましくは約10容量の水を利用する。
あるいは、反応溶媒を蒸発させて濃縮されたシロップ状の残留物を残すことができる。次に、この残留物を水で洗浄して、ジフェノール反応生成物を水不混和性有機相として沈降されるとともに、尿素副生成物を水性相に抽出する。
次に、ジフェノール含有水不混和性有機相を、多くの場合は塩化メチレン、クロロホルムまたは酢酸エチルのような水不混和性有機相を添加することにより、水性相から分離する。この段階で水不混和性溶媒を添加するのは、高度に濃縮されたジフェノール含有残留物を希釈するとともに、水性相からのジフェノールの分離を容易にするためである。DTEを得るのに好ましい溶媒は、酢酸エチルであり、他の全てのモノマの場合には塩化メチレンである。使用される反応溶媒の元の量に対して、少なくとも2容量の抽出溶媒を利用すべきである。
この段階で、有機相を、MgSO4またはNa2SO4上で乾燥し、ろ過し、オイルに濃縮し、オイルをヘキサンの下に置くことにより、ジフェノール反応生成物の極めて純粋な結晶を沈降させることができる。好ましくは、水不混和性有機相を酸と緩塩基(mild base)のいずれかまたは双方で逆洗し、水溶性汚染物質の有機相を更に精製する。好ましくは、有機相は、酸と双方の水性抽出媒体の複数部(multiple portions)で最終的に洗浄する。例えば、有機相を先づ0.1MのNa2CO3の複数部で洗浄し、次いで、飽和NaClの複数部、0.1Mのくえん酸または塩化水素酸の複数部および飽和NaClの複数部で洗浄することができる。各部に利用されるべき抽出媒体の容量は、当業者に周知であり、有機相の容量よりもわずかに多くすべきである。
水性相は好ましくは、等容量の有機相溶媒で更に逆洗される。次に、有機相を合わせ、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮してオイルとし、このオイルからジフェノール反応生成物を上記したようにヘキサンの下で回収することができる。米国特許第5,216,115号に記載のジフェノールのほかに、本発明の方法は、R1が−CH=CH−または(−CH2−)nであり、nは零もしくは1または3乃至8の整数であり、R2は18個以下の炭素原子を含む直鎖および枝分れアルキルおよびアルキルアリール基から選ばれることを特徴とする式Iのジフェノール化合物を得るのに利用することができる。R1はnが2であることを特徴とする(−CH2−)nであるのが好ましし。R2はエチル、ブチル、ヘキシル、オクチルまたはベンジルであるのが好ましい。最も好ましくは、R2はエチルである。これらのジフェノール化合物はまた、上記した米国特許第5,216,115号に記載の方法を利用して得ることもでき、本明細書においてはこの米国特許を引用してその説明に代える。
次に、ジフェノール化合物を重合に供して、医学用の組織適合性生物侵食ポリマを形成する。例えば、ジフェノール化合物は、米国特許第4,980,449号に開示されている適宜の方法の1つにより重合に供して、ポリイミノカーボネートを形成することができる。本明細書においてはこの米国特許を引用してその説明に代える。一の方法によれば、ジフェノールの一部は、適宜のジシアネートに変わり、次に、等モル量のジフェノールとジシアネートとを、金属アルコキシドまたは金属水酸化物のような強塩基触媒の存在下で重合に供する。得られるポリイミノカーボネートは、下記の式IV
Figure 0003946250
の構造を有し、該式においてR1およびR2は式Iに関して上記したものと同じである。
米国特許第4,980,449号にはまた、式IVのポリイミノカーボネートを合成することができる界面重合方法が記載されている。この方法においては、ジフェノールと強塩基触媒とを含む水性相を、水不混和性溶媒に溶解するジシアネートを含む有機相と接触させる。相転移(phase transfer)触媒を先づジシアネート溶液に加え、次に、これを激しく混合しながらジフェノール水溶液と接触させる。2つの相を十分に混合すると、ポリイミノカーボネート沈降物が形成する。
米国特許第4,980,449号に記載の更に別の方法によれば、ジフェノールを界面重合において臭化シアノゲンと反応させて、R1およびR2が式Iに関して上記したものと同じである式IVに示す構造を実質上有するポリイミノカーボネートを形成することができる。
ジフェノール化合物はまた、米国特許第5,099,060号に記載の方法によりホスゲンと反応させてポリカーボネートを形成することができる。本明細書においてはこの米国特許を引用してその説明に代える。この記載の方法は、実質上、ジフェノールをポリカーボネートに重合する従来の方法である。適宜の方法、関連する触媒および溶媒は本技術分野において公知であり、Chemistry and Physics of Polcarbonates(ニューヨーク州に所在するInterscience発行、1964年)に掲載のSchnellの論文に教示されている。本明細書においてはこの記載を引用してその説明に代える。本発明のジフェノールを利用してこれらの方法に従って得られるポリカーボネートは、下記の式V
Figure 0003946250
の構造を有する繰り返し構造単位を有し、上記式において、R1およびR2は式Iに関して上記したものと同じである。
ジフェノール化合物はまた、米国特許第5,216,115号に開示の方法に従って反応させてポリアリーレートを形成することができる。本明細書においてはこの米国特許を引用してその説明に代える。
米国特許第5,216,115号に記載のように、ジフェノール化合物は、4−(ジメチル−アミノ)ピリジウム−p−トルエンスルホネート(DPTS)を触媒として使用し、カルボジイミド媒介直接ポリエステル化において脂肪族または芳香族ジカルボン酸との反応に供される。ポリアリーレートの重合に適したジカルボン酸は、下記の式VIまたはVII
Figure 0003946250
の構造を有し、上記式において、脂肪族ポリアリーレートの場合には、Rは炭素原子が18個以下、好ましくは2乃至12個の飽和および不飽和の置換および未置換のアルキルまたはアルキルアリール基から選ばれる。芳香族のポリアリーレートの場合には、Rは18個の炭素原子好ましくは6乃至12個の炭素原子を含むアリール基から選ばれる。得られる脂肪族ポリアリーレートは下記の式VIIIの構造を有し、一方、得られる芳香族ポリアリーレートは下記の式IXの構造を有し、
Figure 0003946250
上記式において、Rは式VIに関して上記したものと同じであり、R1およびR2は式Iに対して上記したものと同じである。
本発明のジフェノールは、更なる補正にないポリスチレン標準に対するゲル透過クロマトグラフィ(GPC)からの算出に基づき、約60,000ダルトンを越え約200、000ダルトン以下の重量平均分子量およびこれを越えるポリイミノカーボネートを提供するものである。本発明のジフェノールは、更なる補正のないポリスチレン標準に対するGPCからの算出に基づき、約50,000ダルトンを越え、好ましくは100,000ダルトンを越える重量平均分子量を有するポリカーボネートを形成する。本発明のジフェノール化合物は、更なる補正のないポリスチレン標準に対するGPCからの算出に基づき、約50,000ダルトンを越え、好ましくは100,000ダルトンを越える重量平均分子量を有するポリアリーレートを提供するものである。
ポリマは、合成ポリマの分野において広く使用されている公知の方法により形成されて、組織適合性のあるモノマからいずれも誘導される、貴重な物理的および化学的特性を有する種々の有用な製品をつくることができる。かかる有用な製品は、押し出し、圧縮成形、射出成形、溶液流延、湿式紡糸などのような従来のポリマ形成技術により成形することができる。ポリマから得られる成形製品は、特に、医学移植用の分解性生体材料として有用である。かかる用途には、脈管移植片およびステンツ、骨盤、縫合材料、植込み可能なセンサ、手術癒着防止用バリヤ、植込み可能な薬剤供給装置、組織再生用基体、並びに、既知の期間内に害を及ぼすことなく分解するその他の補助剤および製品が含まれる。
ポリイミノカーボネートは低分子量の種に急速に分解するが、そのポリカーボネート対応物は分解が緩慢である。ポリアリーレート対応物は、中程度の加水分解速度を有する。ポリイミノカーボネートとポリカーボネートはまた、混合して中程度の生分解速度を有する物質を提供することができる。
以下において説明する非限定的な実施例は、本発明の観点を示すものである。部とパーセントはいずれも、別に指定されない限り重量に関するものであり、温度は全て摂氏である。L−チロシン、Dat、ヘキサノール、オクタノール、ブタノール、HOBtおよびDCCはAldrich(ウイスコンシン州、ミルウオーキー)から購入した。ヘキサンはFisher(ニューヨーク州、スプリングフィールド)から購入した。Fluka(ニューヨーク州、ロンコンコマ(Ronkonkoma))はホスゲンの供給元であった。EDCHlはJBL Scientific(カリフォルニア州、サンキスオブスポ(San Kuis Obspo))から入手した。溶媒は全てHPLC等級であった。THFは、ナトリウムとベンゾフェノンから蒸留した。その他の試薬はいずれも分析等級であり、受け入れたままの状態で使用した。
実施例
実施例においては、下記の製品特性手順が使用されている。
分光分析
1H NMRスペクトルの記録を、10%(w/v)ジュウテリウム置換(deuterated)溶媒5mmチューブのVarian Gemini 200を用い199.98MHzで行った。
分子量
分子量は、Perkin-Elmer Model 410ポンプと、Waters Model 410屈折率検出器と、Perkin-Elmer Model 2600コンピュータ化データステーションとからなるクロマトグラフ系のGPCにより測定した。2つのPL−ゲルGPCカラム(細孔サイズが105および103オングストローム、長さ30cm)を、THFにおいて1mL/分の流速で直列作動させた。ポリマ溶液(5mg/mL)を調製し、ろ過(0.45ミクロンの膜フィルタ)を行い、30分間平衡状態にしてから注入を行った。注入量は25マイクロリットルであった。分子量の算出を、更なる補正を行うことなくポリスチレン標準(Polymer Laboratories, Inc.)に対して行った。
熱分析
生成物の純度の測定は、インジウムで検量したTA Instruments 910示差走査熱量計(DSC)で測定した融点降下に基づくものであった。溶融温度の測定は、2.0mgのサンプルを1℃/分の加熱速度で60℃の範囲に亘って一回のランに供することにより行った。
薄層クロマトグラフィ(TLC)
TLCは、蛍光指示器を有する250ミクロンシリカゲルのアルミニウム裏打ちプレートでランに供した。プレートに対して100:10の塩化メチレン:メタノールを用いて溶離を行い、化合物を燐モリブデン酸で可視化した。
下記の表は、以下の実施例を示すジフェノールに関して用いた略語である。
Figure 0003946250
チロシンのエチル、ブチル、ヘキシルおよびオクチルエステルは、J. Biomed. Mater. Res.、第28巻、第919頁(1994年)に掲載のErtel等の報告を使用して合成した。
実施例1
DTHの製造
チロシンヘキシルエステル(9.63g、36.3mmol)とDat(6.04g、36.3mmol)とを、磁気攪拌棒を備えた三口丸底フラスコに入れた。フラスコを封止し、窒素でフラッシした。新しく蒸留したTHF60mLを注射器により添加した。反応混合物を、氷浴において10分間冷却した。次に、EDCHCl(7.67g、40.0mmol)を、窒素ガスシール状態に保持したまま添加した。反応混合物を、氷浴中で1時間および室温で19時間攪拌した。
反応混合物を、攪拌しながら、600mLの水に注入した。オイルが形成され、これを抽出により120mLの塩化メチレンに取り出した。有機相を、0.1MのNa2CO3200mL2部と、200mLの飽和NaCl2部と,0.1Mのクエン酸200mL2部と、飽和NaCl200mL2部とで洗浄した。水性相全てを塩化メチレン10mLで逆洗した。有機相を組み合わせ、MgSO4上で乾燥し、ろ過を行い、オイルに濃縮した。黄色のオイルをヘキサンの下に置き、ほとんど無色の結晶を得た。生成物の収率と純度を表IIに示す。1H−NMR(CDCl3):0.86(t,3H)、1.30(s,6H)、1.63(m,2H)、2.46(m,2H)、2.90(m,4H)、4.10(t,2H)、4.80(q,1H)、6.00(d,1H)、6.70(m,6H)、6.95(d,2H)。
実施例2
DTEの製造
チロシンヘキシルエステルの代わりにチロシンエチルエステル(4.00g、19.0mmol)を使用して、実施例1の手順を繰り返した。抽出溶媒として、塩化メチレンの代わりに酢酸エチルを使用した。生成物の収率と純度を表IIに示す。元素分析:計算:67.0%C、6.8%H、3.9%N;実験:66.9%C、6.6%H、3.7%N。1H−NMR(CDCl3):1.24(t,3H)、2.45(m,2H)、2.95(m,4H)、4.20(q,2H)、4.83(q,1H)、5.90(d,1H)、6.70(m,6H)、7.00(d,2H)。
実施例3
DTBの製造
チロシンヘキシルエステルの代わりにチロシンブチルエステル(7.50g、31.6mmol)を使用して、実施例1の手順を繰り返した。生成物の収率と純度を表IIに示す。元素分析:計算:68.4%C、7.3%H、3.6%N;実験:68.5%C、7.2%H、3.4%N。1H−NMR(CDCl3):0.930(t,3H)、1.30(m,2H)、1.64(m,2H)、2.46(m,2H)、2.90(m,4H)、4.10(t,2H)、4.80(q,1H)、5.90(d,1H)、6.70(m,6H)、6.95(d,2H)。
実施例4
DTOの製造
チロシンヘキシルエステルの代わりにチロシンオクチルエステル(2.00g、6.81mmol)を使用して、実施例1の手順を繰り返した。生成物の収率と純度を表IIに示す。元素分析:計算:70.6%C、8.2%H、3.2%N;実験:70.0%C、8.0%H、3.0%N。1H−NMR(CDCl3):0.88(t,3H)、1.28(s,10H)、1.60(m,2H)、2.40(m,2H)、2.90(m,4H)、4.10(t,2H)、4.80(q,1H)、5.90(d,1H)、6.70(m,6H)、7.00(d,2H)。
比較例
DTB、DTE、DTHおよびDTOを、Ertel等の報告に従い、カップリング剤としてDCC/HOBtを使用したカップリング反応において製造した。実施例1−4のジフェノールと比較した生成物の収率、純度および融点を表IIに示す。
Figure 0003946250
EDCHClをカップリング剤として使用して得られたジフェノールの純度と収率は、カップリング剤としてDCC/HOBtを使用して得られたジフェノールについて得られた値に匹敵するものであった。EDCHClにより得られたジフェノールをTLC分析したところ、DCC/HOBtにより得られたデスアミノチロシル−チロシンアルキルエステルよりもRf値が高い幾つかの微量不純物の存在が判明した。これらの汚染物質が重合反応に及ぼす影響を検討するために、実施例1−4のモノマの重合を、ホスゲンを用いて行った。
実施例5−8
実施例1−4のジフェノールの重合を、Biopolmers、第32巻、第411頁(1992年)に掲載のPulapura等の論文に記載のようにして、ホスゲンを含む溶液中で行った。ポリマの10%(w/v)塩化メチレン溶液を2倍容量のメタノール中に入れて沈降させることによりポリマの精製を行った。ポリマの代表的なバッチの重量平均および数平均分子量を表IIIに示す。
Figure 0003946250
重合反応はフェノール性ヒドロキシル基における縮合を介して進行するので、何らかの一官能価化合物の存在が、連鎖生長反応の早期終結を引き起こすとともに、低分子量のポリマの形成をもたらす。しかしながら、表IIIは、カップリング剤としてEDCHClを使用して得られるモノマが高分子量のポリマを提供することを示している。初期の評価によれば、EDCHClカップリング剤を用いて得られたモノマは、カップリング剤としてDCC/HOBtを使用して得られるモノマからのポリマと同じ物理機械的特性を有するポリマを提供することが示されている。
カップリング反応においてEDCHClを使用すると、DCC/HOBtを使用した場合に比べて幾つかの有意な利点が得られる。先づ、EDCHClによれば、HOBtのような補助求核剤が存在しないから比較的純粋な生成物が得られる。これは、多数の研究者が低コストを理由に他のカルボジイミドカップリング剤ではなくDCCを選択しているので有意である。しかしながら、モル基準では、DCC/HOBtの組み合わせは、コストの点でEDCHClに匹敵するものである。また、DCCの代わりにEDCHCLを使用すると、生成物の精製に関する主な技術として、有機溶媒におけるカラムクロマトグラフィの代わりに、水性媒体における簡単な沈降/抽出技術を使用することが可能となる。有機溶媒の大規模な使用に関連する環境問題を考えると、これは有意な利点である。
このように、大規模な合成において、便宜性とコストが重要な因子となる場合には、水溶性尿素副生成物を形成することができるカルボジイミドを利用する本発明の方法は、L−チロシン誘導ジフェノールモノマを合成することができる有利な手段を提供する。本発明の方法は、高分子量のポリマを重合するのに十分な純度のジフェノールモノマを有意に低コストで、環境的に許容することができる手順で生成することができる。
上記した実施例および好ましい実施例の説明は、請求の範囲に記載の本発明を限定するのではなく、例示するものであると理解されるべきである。容易に理解することができるように、上記した構成の数多くの変更と組み合わせを、請求の範囲に記載の本発明から逸脱することなく利用することができるものである。かかる変更は本発明の精神と範囲とから逸脱するものとしてみなされるものではなく、かかる全ての修正は下記の請求の範囲内に含まれるものである。

Claims (30)


  1. Figure 0003946250
    を有し、R1は−CH=CH−または(−CH2−)nであり、nは零または1乃至8の整数であり、R2は18個以下の炭素原子を含む直鎖および枝分れアルキルおよびアルキルアリール基から選ばれることを特徴とするジフェノール化合物を製造する方法であって、式
    Figure 0003946250
    を有するヒドロキシフェニルカルボン酸を、式
    Figure 0003946250
    を有するL−チロシンエステルと、水溶性尿素副生成物を形成することができるカルボジイミドを含有する水混和性有機反応溶媒においてカップリングさせることによりジフェノール反応生成物を形成する工程と、
    反応混合物を水不混和性有機相としてジフェノールを沈降させるのに有効な量の水と組み合わせることにより、ジフェノール反応生成物を含む水不混和性有機相を形成するとともに、反応副生成物と汚染物質とを実質上含む水混和性の相を形成する工程とを備える方法。
  2. 1は(−CH2−)nであり、nは零または1乃至3の整数であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 1は−CH2−CH2−であることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の方法。
  4. 2はエチル、ブチル、ヘキシル、オクチルおよびベンジル基よりなる群から選ばれることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  5. 2はエチル基であることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の方法。
  6. 前記カルボジイミドはEDCHCl、1−アルキル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(アルキル=イソプロピル、シクロヘキシル)、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−(4)−エチル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(B−ジエチルアミノエチル)カルボジイミド、1,3−ジ−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド、1−アルキル−3−(3−モルホリニル−(4)−プロピル)カルボジイミド(アルキル=メチル、エチル)、1−ベンジル−3−(3−ジメチルアミノ−(N)−プロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルフェニル)カルボジイミドよりなる群から選ばれ、、いずれの場合も、自由塩基または塩(HCl、メチオジド、メトp−トルエンスルホネート)としてであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  7. 前記カルボジイミドはEDCHClであることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の方法。
  8. 前記反応溶媒はTHF、ジオキサン、ジメトキシエタン、アセトン、N−メチルピロリジノン、アセトニトリルよりなる群から選ばれることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  9. 前記溶媒はTHFであることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の方法。
  10. 前記水不混和性有機相を前記水混和性反応溶媒から分離する工程を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  11. 前記ジフェノール反応生成物を前記水不混和性有機相から沈降させる工程を備えることを特徴とする請求の範囲第10項に記載の方法。
  12. 前記水不混和性有機相を分離する前記工程は前記水不混和性有機相を塩化メチレン、クロロホルムまたは酢酸エチルよりなる群から選ばれる溶媒に抽出する工程に特徴があることを特徴とする請求の範囲第10項に記載の方法。
  13. 前記溶媒はDTEに関しては酢酸エチルであり、他のモノマの全てに関しては塩化メチレンであることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の方法。
  14. 前記抽出された水不混和性有機相を水性抽出媒体で逆洗することを特徴とする請求の範囲第12項に記載の方法。
  15. 前記水性抽出媒体は酸性であることを特徴とする請求の範囲第14項に記載の方法。
  16. 前記水性抽出媒体は緩塩基であることを特徴とする請求の範囲第14項に記載の方法。
  17. 前記ジフェノール反応生成物を前記水不混和性有機相から沈降させる工程を備えることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の方法。
  18. 前記水性抽出媒体を水不混和性有機相抽出溶媒で逆洗する工程と、
    前記水不混和性有機溶媒相を組み合わせる工程と、
    前記ジフェノール反応生成物を前記組み合わされた水不混和性有機溶媒相から沈降させる工程とを備えることを特徴とする請求の範囲第15項に記載の方法。

  19. Figure 0003946250
    を有するL−チロシン誘導ジフェノール化合物であって、R1は−CH=CH−または(−CH2−)nであり、nは零、1または3乃至8の整数であり、R2は18個以下の炭素原子を含む直鎖および枝分れアルキルおよびアルキルアリール基よりなる群から選ばれることを特徴とするジフェノール化合物。
  20. 1は−CH2−であることを特徴とする請求の範囲第19項に記載のジフェノール。
  21. 1は(−CH2−)nであり、nは零または3であることを特徴とする請求の範囲第19項に記載のジフェノール。
  22. 2はエチル、ブチル、ヘキシル、オクチルおよびベンジル基よりなる群から選ばれることを特徴とする請求の範囲第19項に記載のジフェノール化合物。
  23. 2はエチル基であることを特徴とする請求の範囲第22項に記載のジフェノール化合物。
  24. 請求の範囲第19項のジフェノール化合物から重合されるポリカーボネート。
  25. 請求の範囲第19項のジフェノール化合物から重合されるポリアリーレート。
  26. 請求の範囲第1項に記載の方法によって製造されたジフェノール化合物から重合される組織適合性生物浸食ポリマ。
  27. 請求の範囲第19項のジフェノール化合物から重合される組織適合性生物浸食ポリマ。
  28. 1は(−CH2−)nであることを特徴とする請求の範囲第26項または第27項に記載のポリマ。
  29. 2はエチル、ブチル、ヘキシル、オクチルまたはベンジル基であることを特徴とする請求の範囲第26項または第27項に記載のポリマ。
  30. ポリエーテルであることを特徴とする請求の範囲第26項または第27項に記載のポリマ。
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