JPH085839Y2 - 装飾体貼着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、布地等の装飾体用材料から装飾体を裁断成
形するとともに当該装飾体の周縁部を殻状成形体の溝に
押し込むようにして装飾体を成形体に貼着するのに好適
な装置に関する。

（従来技術と課題） 近年、自動車の内装部材やカバン、バッグ等のケース
類の外装部分に、布地等の装飾体を貼着して高級化を図
っており、この装飾体の貼着においては、装飾体の周縁
部を成形体の溝に押し込んで品質を高めるようにしてい
る。しかしながら、従来の装飾体の貼着は、予め所定形
状に裁断された装飾体を成形体の所定個所に位置決めし
て載置した後、押圧部材により押圧するとともに、装飾
体の周縁部を手作業で押込み用道具により押し込むよう
にして行っており、そのため、手間隙がかかる上に製品
の出来映が悪いなどの問題があった。

本考案は、上記の問題を解消することを目的としてな
されたものである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案の装飾体貼着装置に
おいては、テーブル上に、成形体をセットするための受
け台と、装飾体用材料を所定の大きさに裁断する裁断手
段を受ける受け板とを取り付け、さらに前記テーブルの
上方に、フレームをテーブルに対し相対的に昇降可能に
配設し、該フレームの下面に、前記受け台上の成形体上
に載置された装飾体用材料を押圧する押圧手段と、前記
裁断手段とを、圧縮コイルばねにより下方へ押圧しかつ
相互に独立して上昇可能に装着し、さらに、前記フレー
ムの下面に、裁断された装飾体の周縁部を成形体の溝に
押し込む押込み部材を、前記成形体の溝に対応させかつ
下端レベルを前記裁断手段のそれより上にして装着した
ものである。

（作用） 上記のように構成された装飾体貼着装置の受け台に、
予め成形された殻状の成形体をセットした後、成形体お
よび受け板に装飾体用材料を載置し、その後、フレーム
を相対的に下降させて押え手段、裁断手段等を下降させ
ると、装飾体用材料が所定形状に裁断されて装飾体とし
て成形体上に貼着されるとともに装飾体の周縁部が成形
体の溝に押し込まれ、装飾体は所望状態に成形体上に貼
着される。

（実施例） 実施例について図面を参照して説明すると、図中
（１）はテーブルで、該テーブル（１）上中央部には、
殻状の成形体を水平状にセットするための溝付受け台
（２）が取り付けられている。また、テーブル（１）に
は、後述する刃物（11）の刃を受ける受け台（３）が、
支持部材（４）（４）を介して取り付けられており、該
受け台（３）は、環状を成している。また、テーブル
（１）の上方には、フレーム（５）が昇降可能に配設さ
れ、 該フレーム（５）の下面には取付け部材（６）が固着
されている。該取付け部材（６）の中央部には、押え部
材（８）が支持棒（９）（９）を介して上昇可能に懸吊
されており、該押え部材（８）は支持棒（９）（９）に
環装した圧縮コイルばね（10）（10）により下方へ押圧
されている。また、取付け部材（６）には、装飾体用材
料を裁断する刃物（11）が、支持棒（12）（12）ブラケ
ット（13）（13）を介して上昇可能に懸吊されており、
該刃物（11）は支持棒（12）（12）に環装した圧縮コイ
ルばね（14）（14）により下方へ押圧されている。ま
た、刃物（11）は、成形体に成形された溝が描く形状よ
り所定寸法相似的に大きく装飾体用材料を裁断可能な刃
を備えている。また、取付け部材（６）における支持棒
（12）（12）間位置には、裁断された装飾体の周縁部を
受け台（２）上の成形体の溝に押し込むための押込み部
材（15）が受け台（２）の溝に対応して装着されてお
り、該押込み部材（15）の下端レベルは刃物（11）の下
端レベルより上になっている。なお、（16）はフレーム
（５）に垂設された合せロッド、（17）はテ−ブル
（１）上に固設された合せロッド（16）の受け部材であ
る。

次にこのように構成された装置の作用について説明す
ると、予め成形しかつ装飾体貼着個所に接着剤を塗布し
た殻状の成形体（Ｓ）を、受け台（２）の溝部を合わせ
てセットした後、布地等の装飾体用材料（Ｍ）を成形体
（Ｓ）上および受け板（３）上に載置して図示する状態
にする。次いで、フレーム（５）をもって押え部材
（８）、刃物（11）等を下降させると、まず、押え部材
（８）が圧縮コイルばね（10）をさらに圧縮させて受け
台（２）上の成形体（Ｓ）および装飾体用材料（Ｍ）を
軽く押圧するとともに受け台（２）とでこれらを挟持
し、続いて、刃物（11）が圧縮コイルばね（14）をさら
に圧縮させて装飾体用材料（Ｍ）から装飾体を裁断し、
その後、押込み部材（15）が裁断された装飾体の周縁部
を成形体（Ｓ）の溝に押し込むとともに装飾体を成形体
（Ｓ）上に強く押圧する。かくして、成形体（Ｓ）の所
要個所には装飾体が貼着される。装飾体の貼着完了後、
フレーム（５）を介して押え部材（８）、刃物（11）等
を上昇させ、受け板（３）上に残った装飾体用材料
（Ｍ）を取り除くとともに成形体（Ｓ）を取り出して一
サイクルを終了する。

なお、上記の実施例では、装飾体用材料（Ｍ）を刃物
（11）で切断するようにしてあるが、発熱体の熱で溶断
するようにしても同様の作用効果が得られる。また、上
記の実施例では、押え部材（８）、刃物（11）等を下降
させるようにしてあるが、これらを固定して、テーブル
（１）、受け台（２）等を上昇させるようにしてもよ
い。

（効果） 以上の説明からも明らかなように本考案によれば、装
飾体用材料を成形体上に押し付けた状態で装飾体を裁断
成形した後、そのまま装飾体の周縁部を成形体の溝に押
し込むようにして装飾体を成形体に貼着することができ
るため、従来の装置と比較して生産性が良い上に、製品
の出来映が良いなどの優れた実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図である。 （１）：テーブル、（２）：受け台 （３）：受け板、（５）：フレーム （８）：押圧手段、（10）、（14）：圧縮コイルばね （11）：刃物、（15）：押込み部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】布地等の装飾体用材料から装飾体を裁断成
   形するとともに当該装飾体の周縁部を殻状成形体の溝に
   押し込むようにして装飾体を成形体に貼着する装飾体貼
   着装置であって、前記成形体をセットするための受け台
   （２）と、前記装飾体用材料を裁断する裁断手段（11）
   を受ける受け板（３）とをテーブル（１）に取り付け、
   該テーブル（１）の上方にフレーム（５）をテーブル
   （１）に対して相対的に昇降可能に配設し、該フレーム
   （５）の下面に、前記受け台（２）上の成形体上に載置
   された装飾体用材料を下方に押圧する押圧手段（８）
   と、前記裁断手段（11）とを、それぞれ圧縮コイルばね
   （10）（14）により下方に押圧しかつ相互に独立して上
   昇可能に装着し、前記裁断手段（11）を、前記成形体の
   溝が描く形状より所定寸法相似的に大きく装飾体用材料
   を裁断可能に環状構成し、さらに裁断成形された装飾体
   の周縁部を前記成形体の溝に押し込む押込み部材（15）
   を、前記受け台（２）上にセットされた成形体の溝に対
   応させ、かつ下端レベルを前記裁断手段（11）のそれよ
   り上にして前記フレーム（５）に装着したことを特徴と
   する装飾体貼着装置。