JPH085772B2

JPH085772B2 - 口腔用組成物

Info

Publication number: JPH085772B2
Application number: JP61024642A
Authority: JP
Inventors: 昭井上; 健長沼; 志磨子穂積
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1986-02-05
Filing date: 1986-02-05
Publication date: 1996-01-24
Anticipated expiration: 2011-01-24
Also published as: JPS62181212A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、特に煙草のヤニを除去する効果に優れた口
腔用組成物に関する。

従来の技術及び発明が解決しようとする問題点一般に、歯磨やプロフィテキスペースト等の口腔用組
成物中には歯牙の清掃基剤としてステイン，プラーク，
食べかす等の歯牙に付着、沈着したものを物理的作用に
より効率よく除去するために研磨剤が配合されている
が、これらの優れを効果的に除去するためには研磨剤の
研磨力が高いことが望ましい。特に、喫煙者の歯牙には
煙草のヤニが強固にこびりついているが、このような煙
草のヤニの除去には研磨力の高い研磨剤を使用すること
が必要である。

しかし、研磨剤の研磨力が高くなる程、歯面を削り、
傷つけ易くなり、歯牙を摩耗する危険性がある。逆に、
歯牙の損傷を裂けるために研磨力を下げると清掃力も低
下してしまうという問題点を有している。また、歯牙に
付着、沈着した煙草のヤニは歯ブラシで歯面を磨くこと
によりある程度除去されるが、歯ブラシの届かない部分
は清掃することができず、従って研磨剤によるブラッシ
ング等の物理的作用に頼らずにに歯牙を清掃することが
望まれ、このため従来より化学的作用により歯牙への煙
草のヤニの付着、沈着を除去する有効成分が提案されて
いるが、更にヤニ取り効果の高い有効成分が望まれる。

本発明は上記要望に応えるためになされたもので、煙
草のヤニ取り効果に優れた口腔用組成物を提供すること
を目的とする。

問題点を解決するための手段及び作用本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を行な
った結果、ジオスフェノール，フェランドラール，カル
ボメントン，チモキノン，クリサンテノン，クリプト
ン，ツヨン，フェンコン，ピクロクロシン，サンテノ
ン，α−ツヤプリン，γ−ツヤプリン及びアルテミシア
ケトンから選ばれるモノテルペンが特異的に煙草のヤニ
取り効果を示すことを知見した。

即ち、口述する実験例で示したように、同じモノテル
ペンであってもピネン，シネオール，テルピネオール，
リモネン等は殆んど煙草のヤニを除去する能力がないに
もかかわらず、上述したジオスフェノール，フェランド
ラール，カルボメントン，チモキノン，クリサンテノ
ン，クリプトン，ツヨン，フェンコン，ピクロクロシ
ン，サンテノン，α−ツヤプリン，γ−ツヤプリン及び
アルテミシアケトンは煙草のヤニを除去する効果が高
く、従ってこれらのモノテルペンが口腔用組成物に配合
されるヤニ取り有効成分として特異的な効果を有するこ
とを見い出した。また、これらのモノテルペンに研磨
剤、特にリン酸水素カルシウム・２水和物，リン酸水素
カルシウム・無水和物，中性化処理水酸化アルミニウ
ム，二酸化硅素を併用し、歯磨として調製した場合、前
記モノテルペンの化学的なヤニ除去作用と研磨剤による
物理的なヤニ除去作用が相乗化し、顕著な煙草のヤニ取
り効果が得られることを知見し、本発明をなすに至っ
た。

以下、本発明につき更に詳しく説明する。

本発明に係る口腔用組成物は、煙草のヤニを除去する
ための有効成分としてジオスフェノール，フェランドラ
ール，カルボメントン，チモキノン，クリサンテノン，
クリプトン，ツヨン，フェンコン，ピクロクロシン，サ
ンテノン，α−ツヤプリン，γ−ツヤプリン及びアルテ
ミシアケトンから選ばれる１種又は２種以上のモノテル
ペンを配合したものである。

ここで、これらのモノテルペンの配合量は、組成物全
体の0.01〜10％、特に0.1〜５％とすることが好まし
い。10％を越えて配合する場合には口腔粘膜への刺激が
生じる場合がある。

本発明の口腔用組成物は、歯牙に付着した煙草のヤニ
を除去するための歯磨，洗口剤，チューインガム等とし
て調製、適用され得るが、この場合研磨剤を配合した歯
磨に対し、前記モノテルペンを配合することにより、顕
著なヤニ取り効果を発揮する。このため、歯磨中の研磨
剤量を減らすことができ、或いは研磨力の低い研磨剤を
使用することができ、従って歯牙に対する摩耗性が著し
く低減された清掃力の高い歯磨がが得られ、低研磨・高
清掃を達成することができる。

ここで、研磨剤としては、リン酸水素カルシウム・２
水和物及び無水和物，炭酸カルシウム，ピロリン酸カル
シウム，硫酸カルシウム，不溶性メタリン酸ナトリウ
ム，二酸化硅素，アルミノシリケート，水酸化アルミニ
ウム，酸化アルミニウム，レジン等が挙げられ、これら
の１種又は２種以上が使用され得るが、10％水スラリー
のpHが９以下の研磨剤、特にリン酸水素カルシウム・２
水和物及び無水和物、中性化処理水酸化アルミニウム
（リン酸やリン酸塩等で表面処理した改質水酸化アルミ
ニウム）、二酸化硅素が好ましく、この種の研磨剤を用
いることにより、長期保存後においても良好なヤニ取り
効果を発揮する歯磨が得られる。なお、研磨剤の配合量
は１〜50％、特に５〜40％とすることが好ましい。

本発明の口腔用組成物のその他の成分は、組成物の種
類に応じた適宜な成分が選択使用される。

例えば、歯磨として要いる場合は、上述した研磨剤に
加え、カルボキシメチルセルロースナトリウム，ヒドロ
キシエチルセルロース，アルギン酸ナトリウム，カラゲ
ナン，アラビアガム，キサンタンガム，ポリビニルアル
コール等の粘結剤（配合量通常0.3〜５％）、ポリエチ
レングリコール，ソルビトール，グリセリン，プロピレ
ングリコール等の粘稠剤（10〜70％）、ラウリル硫酸ナ
トリウム，ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム，水
素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリ
ウム，ラウリルスルホ酢酸ナトリウム,N−ラウロイルザ
ルコシン酸ナトリウム,N−アシルグルタミン酸塩，ラウ
リルジエタノールアマイド，ショ糖脂肪酸エステル等の
界面活性剤（０〜15％）、それにサッカリンナトリウ
ム，ステビオサイド，ネオヘスペリジルジヒドロカルコ
ン，グリチルリチン，ペリラルチン,p−メトキシシンナ
ミックアルデヒド，ソーマチン等の甘味剤、香料、防腐
剤、各種有効成分などを配合し得る。

発明の効果本発明の口腔用組成物は、上述したモノテルペンを配
合したことにより、煙草のヤニを除去する効果が非常に
高いものである。

次に、実験例により本発明の効果を具体的に説明す
る。

〔実験例１〕第１表に示したモノテルペンを配合した下記Ａ〜Ｃの
組成物について、下記の方法により清掃力を評価した。
結果を第１表に示す。

組成物Ａモノテルペン１％ラウリル硫酸ナトリウム１水残 100.0％なお、研磨溶媒はグリセリン，プロピレングリコー
ル，カルボキシメチルセルロースナトリウム及び水の混
合物である。

清掃力評価法煙草ヤニを通常の方法にて収集し、13.5mm角のタイル
上に均一に塗布する。これを約130〜140℃で一昼夜加熱
乾燥したのち、研磨容器にセットし、サンプル（15ml）
を用いて荷重200gにおいてブラッシングし、研磨後タイ
ルの煙草ヤニの除去率を肉眼にて評価した。

なお、ブラッシング回数はヤニのロットによってそれ
ぞれ異なるため、内部標準であるｌ−カルボン（１％＋
ラウリル硫酸ナトリウム１％の水分散液、以下同じ）の
ヤニの除去率が約６となる研磨回数にその都度設定し
た。ｌ−カルボンを6.0,3−オクタノールを4.5,ペパー
ミント油を2.0,水を０の基準とし、サンプルの評価はこ
れら内部標準の実験値と基準値から検量線を作成し、算
出した。

また、ブラッシングのブラシとしては、毛束数44個，
毛の太さ（１束当たり）８ミル（約0.2mm），毛の長さ1
2mmのナイロン（62）材質で、材質の硬さが家庭品品質
表示法でＭのものを使用した。

第１表の結果より、モノテルペンの中でクリプトン，
ジオスフェノール，カルボメントン，サンテノン，ツヨ
ンが特異的なヤニ取り効果を奏することが認められる。
また、これらのモノテルペンに研磨剤（リン酸水素カル
シウム・２水和物，二酸化硅素）を併用することによ
り、これらが相乗的に使用して顕著なヤニ取り効果を発
揮することが知見される。

なお、フェランドラール，チモキノン、クリサテノ
ン，フェンコン，ピクロクロシン，α−ツヤプリン，γ
−ツヤプリン，アルテミシアケトンも同様に優れたヤニ
取り効果を有することを確認した。

〔実験例２〕第２表に示す処方の練歯磨を調製し、そのステイン除
去，阻子効果を下記に示す方法により調べた。

実験方法一般健常人８名（男性，喫煙者）を選び、第２表に示
す歯磨（No.1,2:本発明歯磨,No.3:比較歯磨）を用いて
１ケ月間づつ使用テストした。それぞれテスト開始２週
間前にスケーリングを行ない、テスト開始までブラッシ
ングのみをさせた。歯磨量は毛束の長さの2/3程度、１
日３回歯磨をさせ、ブラッシング方法は特に指導しなか
った。テスト開始前とテスト開始４週間後の２回写真撮
影を行ない、ステインの付着度合を下記の方法で評価し
た。

なお、処方中、コロイド状シリカは増量剤、増粘剤と
して使用しており、研磨力は殆どない。

ステインの評価法間隔が3.5mmの格子を描いた透明なプラスチックフィ
ルムを撮影した写真（実物の3.5倍に拡大）の上にかぶ
せ、汚れの付着している升目を数えてステインの評点と
した。なお、評価部位は３−３の上下顎唇面、合計12本
の歯を用いて評価した。

結果を第３表に示す。

第３表の結果より、クリプトンを配合した本発明歯磨
は優れたステイン除去、阻止効果を有することが知見さ
れる。

以下、実施例を示すが、本発明は下記の実施例に制限
されるものではない。

〔実施例１〕練歯磨リン酸水素カルシウム・２水和物 45.0％ 85％グリセリン 10.0 60％ソルビトール 25.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5 ビーガム 0.2 カラゲナン 0.3 サッカリンナトリウム 0.2 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 ビタミンＥ酢酸酸塩 0.1 香料（カルボメントン50％含有） 1.0 防腐剤微量水残計 100.0％〔実施例２〕練歯磨研磨性二酸化硅素 10.0％プロピレングリコール 2.0 60％ソルビトール 20.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0 サッカリンナトリウム 0.1 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 α−アルミナ無水和物 3.0 コロイド状シリカ 3.0 香料（シトラール40％，ツヨン30％含有） 1.0 防腐剤微量水残計 100.0％〔実施例３〕練歯磨水酸化アルミニウム 18.0 ％プロピレングリコール 2.0 85％グリセリン 25.0 ハイドロキシエチルセルロース 1.2 サッカリンナトリウム 0.1 ラウリル硫酸ナトリウム 0.7 ラウロイルジエタノールアミド 0.8 コロイド状シリカ 3.0 香料（ジオスフェノール50％，カルボメントン50％含有） 1.0 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.76 防腐剤微量水残計 100.0 ％〔実施例４〕洗口剤エタノール 5.0 ％サッカリンナトリウム 0.05 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.05 グルコン酸クロルヘキシジン 0.005 ラウリルジエタノールアマイド 0.4 色素適量防部剤〃酸化防止剤〃香料（シトラール20％，カルボメントン 30％，α−イロン30％含有） 2.0 水残計 100.0 ％〔実施例５〕トローチアラビヤゴム 6.0 ％ブドウ糖 71.0 ゼラチン 4.0 デキストラナーゼ 0.1 グルコン酸クロルヘキシジン 0.01 スペアミント油 0.2 アスコルビン酸ナトリウム 0.1 香料（α−イオノン30％，フェンコン 30％，シトラール10％含有） 1.0 水残 100.0 ％

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ジオスフェノール，フェランドラール，カ
ルボメントン，チモキノン，クリサンテノン，クリプト
ン，ツヨン，フェンコン，ピクロクロシン，サンテノ
ン，α−ツヤプリン，γ−ツヤプリン及びアルテミシア
ケトンから選ばれる１種又は２種以上のモノテルペンを
含有することを特徴とする煙草のヤニ除去用口腔用組成
物。
【請求項２】モノテルペンの含有量が組成物全体の0.01
〜10重量％である特許請求の範囲第１項記載の口腔用組
成物。
【請求項３】ジオスフェノール，フェランドラール，カ
ルボメントン，チモキノン，クリサンテノン，クリプト
ン，ツヨン，フェンコン，ピクロクロシン，サンテノ，
α−ツヤプリン，γ−ツヤプリン及びアルテミシンアケ
トンから選ばれる１種又は２種以上のモノテルペンを含
有すると共に、研磨剤としてリン酸水素カルシウム・２
水和物，リン酸水素カルシウム・無水和物，中性化処理
水酸化アルミニウム及び二酸化硅素から選ばれる１種又
は２種以上を含有し、歯磨として調製されたことを特徴
とする煙草のヤニ除去用口腔用組成物。
【請求項４】モノテルペンの含有量が組成物全体の0.01
〜10重量％である特許請求の範囲第３項記載の口腔用組
成物。