JPH0855444A - ディスクプレーヤにおけるピックアップ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ディスクプレーヤにおいて、ピックアップの振
動が回転中のディスクに伝達して音飛びやトラック外れ
等が生じるのを防止する。 【構成】ターンテーブル上で回転するディスクの径方向
に沿って移動される光ピックアップと、該光ピックアッ
プの上記径方向へのガイド手段と、該光ピックアップの
駆動手段とからなるディスクプレーヤにおけるピックア
ップ装置であって、上記ガイド手段が光ピックアップの
取付台に設けた軸受と該軸受を貫通して両端をシャーシ
に支承されたガイドシャフトとからなり、該ガイドシャ
フトのシャーシへの固定部に弾性部材を介装する。ま
た、前記固定部がシャーシに取付けたガイドシフトの保
持部材からなり、該保持部材を板バネで形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は光ディスクプレーヤある
いは光磁気ディスクプレーヤなどのディスクプレーヤに
おけるピックアップ装置に関し、詳しくはそれらディス
クプレーヤにおいてディスクを回転させた際のディスク
の振動（共振）が生じにくいピックアップ装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】光ディスクプレーヤにおけるピックアッ
プ装置部分は、一般的に従来、図５に示す構造となって
いる。すなわち、図５は底面図であるが、金属板金製の
シャーシ（１）上にモータ（２）の軸に直結してディス
クのターンテーブル（３）を設けてあって、このターン
テーブル（３）に接近または離反しうるように光ピック
アップ（４）の取付台（５）をガイドレール（６）とガ
イドシャフト（７）およびそれらに摺動自在に係合する
摺動係合片（８）と軸受（９）とからなるガイド手段で
摺動自在に支持してある。（１０）は取付台（５）に設
けたラックギヤであって、このラックギヤ（１０）に噛
合うように大小径のギヤ部（１１ａ）（１１ｂ）を有す
るギヤ（１１）を設けてあって、モータ（１２）に直結
のウォームギヤ（１３）から駆動を伝達して光ピックア
ップの取付台（５）を前記ガイドレール（６）およびガ
イドシャフト（７）に沿って移動駆動するようになって
いる。そして、前記ガイドシャフト（７）の両端（７
ａ）（７ｂ）は、図６に示したようにシャーシ（１）か
ら切起こした支持片（１４）（１５）とシャーシ（１）
に螺入したビス（１６）（１７）でもって固定してあ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述の従来装置は側面
視で見ると大略図７のようになっているが、この図から
明らかなように、光ピックアップ（４）がフォーカスを
調整するために上下動したり、または取付台（５）がカ
゛イドシャフト（７）に沿って摺動する際の振動（たわ
み振動）はガイドシャフト（７）の両端を通じてシャー
シ（１）へ伝わり、この振動がさらにモータ（２）とタ
ーンテーブル（３）を通じてターンテーブル（３）上に
載置されたディスク（Ｄ）へと伝わり、ディスク（Ｄ）
に上下方向の振動（波うち振動）を与えることになって
いた。このディスクの振動は大きくなるとピックアップ
のフォーカスサーボ系の乱れをひき起こし甚しい場合に
はトラック外れや音飛びの原因ともなり、極力小である
ことが希ましいが、前記従来装置ではその解消が困難で
あった。特に、１２センチ径のコンパクトディスクの場
合、回転時の固有振動数が７００ＨＺ付近にあり、前記
取付台（５）やガイドシャフト（７）の振動が７００Ｈ
Ｚ付近に近づくと共振を起こしやすいことが知られてい
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記の
ターンテーブル上で回転するディスクの径方向に沿って
移動される光ピックアップと、該光ピックアップの上記
径方向へのガイド手段と、該光ピックアップの駆動手段
とからなるディスクプレーヤにおけるピックアップ装置
において、上記ガイド手段が光ピックアップの取付台に
設けた軸受と、該軸受を貫通して両端をシャーシに支承
されたガイドシャフトとからなり、該ガイドシャフトの
シャーシへの固定部に弾性部材を介装することを特徴と
する。また上記固定部がシャーシに取付たガイドシャフ
トの保持部材からなり、該保持部材が板バネで形成され
たものである。

【０００５】

【実施例】図１にこの発明に従ったピックアップ装置の
側面図を示す。この実施例でも光ピックアップ（４）の
取付台（５）の移動駆動系は前述の従来装置のものと同
様であり、ラックギヤ（１０）とギヤ（１１）およびモ
ータ（１２）直結のウォームギヤ（１３）からなるので
説明は省略する。

【０００６】なお、（１８）はターンテーブル（３）上
のディスク（Ｄ）に上方から圧接し、ディスク（Ｄ）の
振動、スリップなどを抑えるデイスク押え円盤であり、
外周つば部（１８ａ）を支持部材（１９）により回転自
在に支持されている。この支持部材（１９）は一端をシ
ャーシ（１）に軸支（２０）された上下動自在な振動部
材（２１）に固定されている。従って、通常のディスク
回転時には、ディスク押え円盤（１８）はターンテーブ
ル（３）上のディスク（Ｄ）に軽く載った状態で、ディ
スク（Ｄ）と共に回転し、ディスク（Ｄ）の振動等を低
減する作用をする。

【０００７】この実施例における光ピックアップ（４）
の取付台（５）も従来例と同様に、取付台（５）に設け
た軸受（９）を、シャーシ（１）に固定したガイドシャ
フト（７）に貫通させてディスク径方向に沿って摺動移
動自在に支持してあるが、ガイドシャフト（７）両端の
シャーシ（１）への固定部（２２）（２３）が、この発
明に従って次のように構成して摺動がシャーシ（１）側
およびディスク（Ｄ）へと伝わりにくいように図ってあ
る。

【０００８】すなわち、この実施例では、モータ（２）
に近い側の固定部（２３）と遠い側の固定部（２２）と
で、その構造を若干異らせて、より振動減衰効果を高め
ると共に、シャフト取付け時の取付作業の簡素化を図っ
ているが、モータ（２）から遠い側の固定部（２２）を
図２に示し、モータ（２）に近い側の固定部（２３）を
図３に示す。いずれも、ガイドシャフト（７）を横断す
る方向での断面図で示す。

【０００９】図２に示した固定部（２２）は、ガイドシ
ャフト（７）の一端を挿通しうる角穴（２４）を有する
略Ｐ字状の樹脂製保持部材（２５）からなり、この保持
部材（２５）はシャーシ（１）への当接面にシャーシ
（１）にあけた穴に挿入しうる固定ピン（２５ａ）と張
出し部（２５ｂ）にビスの挿通孔（２５ｃ）を形成して
あって、この固定ピン（２５ａ）をシャーシ（１）に嵌
入した上、挿通孔（２５ｃ）にビス（２６）を挿入して
ねじ止めすれば、シャーシ（１）へ強固かつ確実に固定
されうるようになっているが、前記角穴（２４）内には
弾性部材としての円筒状ブチルゴム（２７）を介してガ
イドシャフト（７）を挿通支持しうるようになってい
る。

【００１０】すなわち、ガイドシャフト（７）の端部に
シャフト（７）径と同一の内径を有する円筒状ブチルゴ
ム（２７）を嵌め込み、その状態で角穴（２４）内に挿
入している。なお、ガイドシャフト（７）の端部は図４
のように小径部（７ｃ）を形成して、そこへゴム（２
７）を嵌め込むようにしても良く、この場合、シャフト
（７）の径とゴム（２７）の外径とはほぼ同一となる。

【００１１】図３に示した他方の固定部（２３）は、ガ
イドシャフト（７）の他端をシャーシ（１）面へと押圧
支持しうる板バネ（２８）製の保持部材（２９）からな
り、この板バネ（２８）はその基端側屈曲部（２８ａ）
をシャーシ（１）のスリットへと挿通すると共に、穴に
挿通したビス（３０）をシャーシ（１）へねじ込むこと
によって、シャーシ（１）へ固定しうるようになってお
り、その先端側の屈曲部（２８ｂ）でシャフト端部をシ
ャーシ（１）へ押圧する。そして、このシャフト他端に
も弾性部材としての円筒状ブチルゴム（３１）を前記一
端と同様に嵌め込んであり、このゴム（３１）部を板バ
ネ（２８）先端でシャーシ（１）へ押圧支持するように
なっている。もちろん、シャフト（７）端は前記図４の
ように形成してもよい。なお、（３２）はシャーシ
（１）面を直角に切起こして形成したガイドシャフト
（７）の当り面であり、この当たり面（３２）によって
シャフト（７）の位置決めがなされる。

【００１２】また、弾性部材としては上記例では両端と
も円筒状ブチルゴムを用いたが、ポリノルボーネンゴム
あるいはシーアールゴムであってもよい。弾性部材の形
状としては、前述の円筒が、シャーシ（１）面とガイド
シャフト（７）の中心との距離（ｄ）を適正に合わせや
すく一番好ましいが、例えば前記角穴（２４）に嵌まり
込むように外形が四角で内径が円形のものなど、異なっ
た形のものであってもよい。

【００１３】次に、上記構造のピックアップ装置を動作
させた際の振動の生じ方を、実験的に光ピツクアップ
（４）を上下動（フォーカス方向）させて再現した結果
を説明する。すなわち、図１において、（３３）は光ピ
ックアップ（４）のフォーカス用（上下動用）コイルで
あり、このコイル（３３）に交流源（３４）を接続して
コイル（３３）に約１００ヘルツ〜１０Ｋヘルツまでの
任意の振動を生じさせることができる測定装置を用い、
各周波数に対する位相余裕を計測してみた。なお、（３
５）はフォトデテクタである。

【００１４】その結果、ガイドシャフト（７）両端に弾
性部材を介装しない従来装置（図７）の場合、図８示の
ようにゲインが０デシベルのところで位相余裕が３６度
と小さかったのに比べ、本発明のようにゴム弾性部材
（２７）（３１）を介装した装置では図９示のように０
デシベルのところで位相余裕が４７度と大きくなった。
なお、図８および図９において、（Ｇ）はゲインを
（Ｆ）は位相を表わし、ゲインが０デシベル（ｄＢ）の
ところで位相が−１８０度になると共振となるので、ゲ
イン０デシベルのところでの位相の値（−１８０度から
の距離）を位相余裕と呼び、大である方が望ましい。こ
のようにガイドシャフト（７）両端の固定部（２２）
（２３）に弾性部材を介装することによる振動の減衰効
果が証明された。また、上記実施例ではモータ（２）に
近い側の固定部（２３）を前記形状の板バネ（２８）で
もって構成したので、モータ（２）へ伝わる振動をより
大きく減衰させることができる。

【００１５】さらに、前記の実施例ではモータ（２）か
ら遠い側の固定部（２２）は略Ｐ字形状の保持部材（２
５）で構成したので、ガイドシャフト（７）のシャーシ
（１）への取付固定に際しては、次のようにして行え、
作業の簡素化が図られている。すなわち、ガイドシャフ
ト（７）の両端には予め前記のようにして筒状ゴム（２
７）（３１）を嵌挿しておき、次にシャフト一端をシャ
ーシ（１）へ固定してある前記保持部材（２５）の角穴
（２４）内へ挿入する。そして、シャフト他端を前記当
り面（３２）に当接して位置決めした後、前記板バネ
（２８）をシャフト他端のゴム（３１）部分に当て、該
板バネをビス（３０）固定すればよいのである。このよ
うにすれば、作業が効率よく行え、しかも位置決めも正
確で、かつ確実にシャフトをシャーシへ固定でき、振動
の減衰作用も高いものが得られる。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、この発明のディスクプレ
ーヤにおけるピックアップ装置では、ガイドシャフトの
両端で振動減衰効果が得られ、その分ディスクの回転時
の振動が抑えられて、音飛びや、トラック外れなどが防
止される。また保持部材を板バネで構成した場合には振
動減衰効果がより大きく得られると共に、ガイドシャフ
トの取付がより簡単になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るピックアップ装置の側面図。

【図２】シャフトの一端側の固定部の断面図。

【図３】シャフトの他端側の固定部の断面図。

【図４】シャフト端部の形状を表す斜視図。

【図５】従来装置の底面図。

【図６】従来装置の一部の斜視図。

【図７】従来装置の側面図。

【図８】従来装置における振動特性図。

【図９】本発明装置における振動特性図。

【符号の説明】

（１）シャーシ、（３）ターンテーブル、（４）光ピッ
クアップ、（５）取付台（７）ガイドシャフト、（９）
軸受、（１０）ラックギヤ、（２２）（２３）固定部
、（２５）保持部材、（２７）ゴム、（２８）板バ
ネ、（２９）保持部材、（３１）ゴム。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ターンテーブル上で回転するディスクの径
   方向に沿って移動される光ピックアップと、該光ピック
   アップの上記径方向へのガイド手段と、該光ピックアッ
   プの駆動手段とからなるディスクプレーヤにおけるピッ
   クアップ装置であって、上記ガイド手段が光ピックアッ
   プの取付台に設けた軸受と該軸受を貫通して両端をシャ
   ーシに支承されたガイドシャフトとからなり、該ガイド
   シャフトのシャーシへの固定部に弾性部材を介装したこ
   とを特徴とするデイスクプレーヤにおけるピックアップ
   装置。
2. 【請求項２】前記ガイドシャフトのシャーシへの固定部
   が、シャーシに取付けたガイドシャフトの保持部材から
   なり、該保持部材が抜バネで形成された請求項１に記載
   のディスクプレーヤにおけるピックアップ装置。